JPH09152502A - 導電性反射防止膜 - Google Patents
導電性反射防止膜Info
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- JPH09152502A JPH09152502A JP7333911A JP33391195A JPH09152502A JP H09152502 A JPH09152502 A JP H09152502A JP 7333911 A JP7333911 A JP 7333911A JP 33391195 A JP33391195 A JP 33391195A JP H09152502 A JPH09152502 A JP H09152502A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 可視光の反射防止性能と外部電磁波の遮断性
能とに優れた導電性反射防止膜を提供すること。 【解決手段】 この導電性反射防止膜2は、基材である
偏光フィルム10上に順次積層された、厚さ51nmの透
明酸化物薄膜21と厚さ9nmの銀系薄膜22及び厚さ13
nmの透明酸化物薄膜23とで構成され、透明酸化物薄膜
21、23は酸化ガリウム、酸化セリウムと酸化珪素の混合
酸化物の薄膜から成り、その組成比はガリウム元素、セ
リウム元素及び珪素元素の合計量に対しガリウム元素8
5atom%、セリウム元素5atom%、珪素元素10atom%
となる量でありかつその屈折率は1.85である。そし
て、銀系薄膜21を有するため優れた導電性と電磁波遮蔽
性能を有し、また、低屈折率の透明酸化物薄膜が設けら
れているため優れた反射防止性能をも有している。
能とに優れた導電性反射防止膜を提供すること。 【解決手段】 この導電性反射防止膜2は、基材である
偏光フィルム10上に順次積層された、厚さ51nmの透
明酸化物薄膜21と厚さ9nmの銀系薄膜22及び厚さ13
nmの透明酸化物薄膜23とで構成され、透明酸化物薄膜
21、23は酸化ガリウム、酸化セリウムと酸化珪素の混合
酸化物の薄膜から成り、その組成比はガリウム元素、セ
リウム元素及び珪素元素の合計量に対しガリウム元素8
5atom%、セリウム元素5atom%、珪素元素10atom%
となる量でありかつその屈折率は1.85である。そし
て、銀系薄膜21を有するため優れた導電性と電磁波遮蔽
性能を有し、また、低屈折率の透明酸化物薄膜が設けら
れているため優れた反射防止性能をも有している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
装置の表示画面表面に設けられた偏光フィルムなどの上
に好適に適用される導電性反射防止膜に係り、特に、可
視光の反射防止性能と外部電磁波の遮断性能とに優れた
導電性反射防止膜の改良に関するものである。
装置の表示画面表面に設けられた偏光フィルムなどの上
に好適に適用される導電性反射防止膜に係り、特に、可
視光の反射防止性能と外部電磁波の遮断性能とに優れた
導電性反射防止膜の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ装置は、画素毎に電圧
の印加を行える電極が配設された一対の電極板とこれ等
電極板間に封入された液晶物質とでその主要部が構成さ
れ、上記両電極間に電圧を印加することにより液晶物質
の配向状態を画素毎に変化させてこの液晶物質を透過す
る光の偏光面を制御すると共に、偏光フィルムによりそ
の透過・不透過を制御して画面表示を行うものである。
なお、表示画面表面には一般に上記偏光フィルムや表示
光の位相を補償する位相差フィルム等が設けられてお
り、これら偏光フィルムの表面には、外部から飛来する
電磁波を遮断しITO薄膜から構成される透明電磁波シ
ールド膜が設けられていることがある。
の印加を行える電極が配設された一対の電極板とこれ等
電極板間に封入された液晶物質とでその主要部が構成さ
れ、上記両電極間に電圧を印加することにより液晶物質
の配向状態を画素毎に変化させてこの液晶物質を透過す
る光の偏光面を制御すると共に、偏光フィルムによりそ
の透過・不透過を制御して画面表示を行うものである。
なお、表示画面表面には一般に上記偏光フィルムや表示
光の位相を補償する位相差フィルム等が設けられてお
り、これら偏光フィルムの表面には、外部から飛来する
電磁波を遮断しITO薄膜から構成される透明電磁波シ
ールド膜が設けられていることがある。
【0003】ところで、液晶表示装置は室内等で使用さ
れる場合が多く、この室内の光源から生じた光が液晶デ
ィスプレイ装置の表示画面に入射する。そして、この入
射光の一部は上記偏光フィルム等やその表面に設けられ
たITO薄膜により正反射され、この正反射光が光源の
虚像を表示画面中に再生したり、あるいは上記正反射光
が表示光に混合してその表示品質を低下させる場合があ
る。
れる場合が多く、この室内の光源から生じた光が液晶デ
ィスプレイ装置の表示画面に入射する。そして、この入
射光の一部は上記偏光フィルム等やその表面に設けられ
たITO薄膜により正反射され、この正反射光が光源の
虚像を表示画面中に再生したり、あるいは上記正反射光
が表示光に混合してその表示品質を低下させる場合があ
る。
【0004】このような欠点を防止し表示画面中の光源
の虚像の再生を防止するため、上記偏光フィルム等の表
面に凹凸を設け、入射光を乱反射させる手段が提案され
ている。しかしながら、このような手段によれば光源の
虚像の再生を防止することは可能であるが、その光反射
率を低下させることができず、反射光が表示光に混合し
て表示品質を低下させることを防止することができな
い。
の虚像の再生を防止するため、上記偏光フィルム等の表
面に凹凸を設け、入射光を乱反射させる手段が提案され
ている。しかしながら、このような手段によれば光源の
虚像の再生を防止することは可能であるが、その光反射
率を低下させることができず、反射光が表示光に混合し
て表示品質を低下させることを防止することができな
い。
【0005】このため、近年、上記偏光フィルム等の光
反射率自体を低下させることにより、表示光に混合され
る上記反射光を低減させて表示画面の品質を向上させる
技術が求められるようになった。特に、反射型液晶ディ
スプレイ装置においては上記室内光等を液晶ディスプレ
イ装置に入射させ、装置背面に設けられた光反射材料で
反射させて表示光とするため、この表示光の強度を大き
くすることができず、強い反射光の存在がそのまま表示
品質に大きく影響することから、光反射率として0.5
%以下という極めて低いものが求められている。
反射率自体を低下させることにより、表示光に混合され
る上記反射光を低減させて表示画面の品質を向上させる
技術が求められるようになった。特に、反射型液晶ディ
スプレイ装置においては上記室内光等を液晶ディスプレ
イ装置に入射させ、装置背面に設けられた光反射材料で
反射させて表示光とするため、この表示光の強度を大き
くすることができず、強い反射光の存在がそのまま表示
品質に大きく影響することから、光反射率として0.5
%以下という極めて低いものが求められている。
【0006】ところで、従来、優れた光反射防止性能を
有する反射防止膜としては、高屈折率のTiO2 薄膜と
低屈折率のSiO2 薄膜とを、交互に、合計層数5〜1
2層に達するまで積層して構成される無機多層反射防止
膜が知られている。この無機多層反射防止膜は極めて優
れた反射防止性能を有しており、光反射率を0.5%以
下に抑えることも可能である。
有する反射防止膜としては、高屈折率のTiO2 薄膜と
低屈折率のSiO2 薄膜とを、交互に、合計層数5〜1
2層に達するまで積層して構成される無機多層反射防止
膜が知られている。この無機多層反射防止膜は極めて優
れた反射防止性能を有しており、光反射率を0.5%以
下に抑えることも可能である。
【0007】他方、透明な電磁波シールド膜として、銀
薄膜の表裏にITO薄膜を積層して構成される多層薄膜
が提案されており(特開昭63−173395号)、優
れた導電性、電磁波遮断性能と透明性とを有している。
薄膜の表裏にITO薄膜を積層して構成される多層薄膜
が提案されており(特開昭63−173395号)、優
れた導電性、電磁波遮断性能と透明性とを有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記無
機多層反射防止膜においては、これを構成するSiO2
薄膜やTiO2 薄膜は導電性がないため、外部から飛来
する電磁波を遮断することができず、これら外部電磁波
の侵入により誤作動を起こす恐れがあるという問題点が
あった。
機多層反射防止膜においては、これを構成するSiO2
薄膜やTiO2 薄膜は導電性がないため、外部から飛来
する電磁波を遮断することができず、これら外部電磁波
の侵入により誤作動を起こす恐れがあるという問題点が
あった。
【0009】他方、上記多層電磁波シールド膜において
は、透明酸化物薄膜として屈折率2.0〜2.1のIT
O薄膜を利用しているため、0.5%以下という低い光
反射率を達成できず、表示品質の向上が期待できないと
いう問題点があった。
は、透明酸化物薄膜として屈折率2.0〜2.1のIT
O薄膜を利用しているため、0.5%以下という低い光
反射率を達成できず、表示品質の向上が期待できないと
いう問題点があった。
【0010】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、可視光の反射防
止性能と外部電磁波の遮断性能とに優れた導電性反射防
止膜を提供することにある。
れたもので、その課題とするところは、可視光の反射防
止性能と外部電磁波の遮断性能とに優れた導電性反射防
止膜を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、銀系薄膜と、この銀系薄膜の表裏に設けられ
た屈折率2.0以下の透明酸化物薄膜から成ることを特
徴とするものである。
る発明は、銀系薄膜と、この銀系薄膜の表裏に設けられ
た屈折率2.0以下の透明酸化物薄膜から成ることを特
徴とするものである。
【0012】この請求項1に係る発明においては、その
層構成中に銀系薄膜を有するため、表面抵抗率50〜1
0Ω/□の優れた導電性と電磁波遮蔽性能とを有する。
層構成中に銀系薄膜を有するため、表面抵抗率50〜1
0Ω/□の優れた導電性と電磁波遮蔽性能とを有する。
【0013】そして、このように導電性に優れた銀系薄
膜を備えているにも拘らず、その銀系薄膜の表裏に屈折
率2.0以下の透明酸化物薄膜が設けられており、この
透明酸化物薄膜が光反射を緩和させているため、全体と
して光反射率0.5%未満の極めて高い反射防止性能を
達成することが可能となる。
膜を備えているにも拘らず、その銀系薄膜の表裏に屈折
率2.0以下の透明酸化物薄膜が設けられており、この
透明酸化物薄膜が光反射を緩和させているため、全体と
して光反射率0.5%未満の極めて高い反射防止性能を
達成することが可能となる。
【0014】このように導電性、電磁波シールド性能及
び反射防止性能を発揮するため、例えば、この反射防止
膜を偏光フィルム等の上に設け液晶ディスプレイ装置の
表示画面に適用してその誤作動を防止し、また、表示品
質の向上を図ることが可能となる。
び反射防止性能を発揮するため、例えば、この反射防止
膜を偏光フィルム等の上に設け液晶ディスプレイ装置の
表示画面に適用してその誤作動を防止し、また、表示品
質の向上を図ることが可能となる。
【0015】ここで、屈折率2.0以下の上記透明酸化
物薄膜としては、例えば、酸化珪素、酸化ゲルマニウ
ム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、又は酸化マグネ
シウム等の酸化物薄膜が適用できるが、これら屈折率
2.0以下の透明酸化物と屈折率2.0を越える透明酸
化物とを混合して、全体として屈折率が2.0以下に調
整された混合酸化物を適用することも可能である。屈折
率2.0以下の透明酸化物に混合できる屈折率2.0を
越える透明酸化物としては、酸化インジウム、酸化錫、
酸化セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハ
フニウム又は酸化タンタル等が例示できる。
物薄膜としては、例えば、酸化珪素、酸化ゲルマニウ
ム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、又は酸化マグネ
シウム等の酸化物薄膜が適用できるが、これら屈折率
2.0以下の透明酸化物と屈折率2.0を越える透明酸
化物とを混合して、全体として屈折率が2.0以下に調
整された混合酸化物を適用することも可能である。屈折
率2.0以下の透明酸化物に混合できる屈折率2.0を
越える透明酸化物としては、酸化インジウム、酸化錫、
酸化セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハ
フニウム又は酸化タンタル等が例示できる。
【0016】なお、上記透明酸化物薄膜の屈折率を変化
させた場合の波長550nmの可視光に対する光反射率及
び光透過率のシミュレーション結果を表1に示す。な
お、このシミュレーションにおいては、光反射率が最低
となるように銀系薄膜及び透明酸化物薄膜の厚みを調整
した。
させた場合の波長550nmの可視光に対する光反射率及
び光透過率のシミュレーション結果を表1に示す。な
お、このシミュレーションにおいては、光反射率が最低
となるように銀系薄膜及び透明酸化物薄膜の厚みを調整
した。
【0017】
【表1】 この表1から確認されるように、屈折率が2.00以下
の場合、その光反射率が0.5%以下となる。
の場合、その光反射率が0.5%以下となる。
【0018】また、表1から確認されるように、銀系薄
膜の膜厚を11nm以下とした場合、光反射率が0.5
%以下となる。そして、その膜厚が薄い程、光反射率が
低くなるが、膜厚が4nm未満となると銀系薄膜は島状
の不均一な膜に形成されてしまい、その光反射率と導電
率が不安定でこれを正確に制御することが困難となる。
このため、銀系薄膜の膜厚としては4〜11nmの厚み
が望ましい。また、この際、透明酸化物薄膜は、その少
なくとも一方の膜厚が40〜60nmとなることが望ま
しい。請求項2〜3に係る発明はこのような技術的理由
に基づいてなされたものである。
膜の膜厚を11nm以下とした場合、光反射率が0.5
%以下となる。そして、その膜厚が薄い程、光反射率が
低くなるが、膜厚が4nm未満となると銀系薄膜は島状
の不均一な膜に形成されてしまい、その光反射率と導電
率が不安定でこれを正確に制御することが困難となる。
このため、銀系薄膜の膜厚としては4〜11nmの厚み
が望ましい。また、この際、透明酸化物薄膜は、その少
なくとも一方の膜厚が40〜60nmとなることが望ま
しい。請求項2〜3に係る発明はこのような技術的理由
に基づいてなされたものである。
【0019】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、上記
銀系薄膜が4〜11nmの厚さを有することを特徴と
し、また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載
の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、上記透明酸
化物薄膜の少なくとも一方が40〜60nmの厚さを有
することを特徴とするものである。
1記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、上記
銀系薄膜が4〜11nmの厚さを有することを特徴と
し、また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載
の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、上記透明酸
化物薄膜の少なくとも一方が40〜60nmの厚さを有
することを特徴とするものである。
【0020】次に、請求項4に係る発明は上記導電性反
射防止膜の用途を特定した発明に関するものである。
射防止膜の用途を特定した発明に関するものである。
【0021】すなわち、請求項4に係る発明は、請求項
1〜3記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、
液晶ディスプレイ装置の表示画面表面に適用されること
を特徴とするものである。
1〜3記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、
液晶ディスプレイ装置の表示画面表面に適用されること
を特徴とするものである。
【0022】そして、請求項4に係る発明によれば、導
電性、電磁波シールド性能及び反射防止性能に優れる上
記導電性反射防止膜が液晶ディスプレイ装置の表示画面
表面に適用されるため、この表示画面からの外部電磁波
の侵入を防いで誤作動を防止し、かつ、表示される画面
の品質を向上させることが可能となる。
電性、電磁波シールド性能及び反射防止性能に優れる上
記導電性反射防止膜が液晶ディスプレイ装置の表示画面
表面に適用されるため、この表示画面からの外部電磁波
の侵入を防いで誤作動を防止し、かつ、表示される画面
の品質を向上させることが可能となる。
【0023】次に、上記透明酸化物に含まれる金属元素
の中には銀との固溶域を実質的に持たず、銀系薄膜との
密着力に劣るものがある。このような透明酸化物を利用
した場合には、経時的に銀系薄膜と透明酸化物薄膜とが
互いに剥離して光反射防止性能が損なわれるおそれがあ
る。他方、上記透明酸化物に含まれる金属元素の中には
銀との固溶性能の高いものがある。このような透明酸化
物を上記透明酸化物薄膜として利用した場合には、銀系
薄膜と透明酸化物薄膜とが強固に密着して両薄膜が互い
に剥離するおそれはないが、銀系薄膜中に含まれる銀元
素が、経時的に、あるいは水分の存在下で上記透明酸化
物と反応し、これにより銀系薄膜が損傷されて導電性と
電磁波シールド性能が失われるおそれがある。請求項5
に係る発明はこのような技術的理由に基づいてなされた
もので、上記透明酸化物薄膜と銀系薄膜の双方の安定性
を図り、導電性反射防止膜の導電性、電磁波シールド性
能及び反射防止性能を長期間安定して発揮させることを
可能にしたものである。
の中には銀との固溶域を実質的に持たず、銀系薄膜との
密着力に劣るものがある。このような透明酸化物を利用
した場合には、経時的に銀系薄膜と透明酸化物薄膜とが
互いに剥離して光反射防止性能が損なわれるおそれがあ
る。他方、上記透明酸化物に含まれる金属元素の中には
銀との固溶性能の高いものがある。このような透明酸化
物を上記透明酸化物薄膜として利用した場合には、銀系
薄膜と透明酸化物薄膜とが強固に密着して両薄膜が互い
に剥離するおそれはないが、銀系薄膜中に含まれる銀元
素が、経時的に、あるいは水分の存在下で上記透明酸化
物と反応し、これにより銀系薄膜が損傷されて導電性と
電磁波シールド性能が失われるおそれがある。請求項5
に係る発明はこのような技術的理由に基づいてなされた
もので、上記透明酸化物薄膜と銀系薄膜の双方の安定性
を図り、導電性反射防止膜の導電性、電磁波シールド性
能及び反射防止性能を長期間安定して発揮させることを
可能にしたものである。
【0024】すなわち、請求項5に係る発明は、請求項
1〜4記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、
上記透明酸化物薄膜が、銀との固溶域を有する元素の酸
化物から成る第1の基材と、銀との固溶域を実質的に持
たない元素の酸化物から成る第2の基材との混合酸化物
により構成されていることを特徴とするものである。
1〜4記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、
上記透明酸化物薄膜が、銀との固溶域を有する元素の酸
化物から成る第1の基材と、銀との固溶域を実質的に持
たない元素の酸化物から成る第2の基材との混合酸化物
により構成されていることを特徴とするものである。
【0025】この請求項5に係る発明によれば、透明酸
化物薄膜中に銀との固溶域を有する元素の酸化物から成
る第1の基材が含有されているため、両薄膜間の密着性
に優れ、これら薄膜が互いに剥離することが防止され
る。また、この透明酸化物薄膜中に銀との固溶域を実質
的に持たない元素の酸化物から成る第2の基材が含有さ
れているため、経時的、あるいは水分の存在下において
も、銀系薄膜中の銀元素と上記第1の基材の金属元素と
の固溶化が防止され、銀系薄膜の損傷を防ぐことが可能
となる。
化物薄膜中に銀との固溶域を有する元素の酸化物から成
る第1の基材が含有されているため、両薄膜間の密着性
に優れ、これら薄膜が互いに剥離することが防止され
る。また、この透明酸化物薄膜中に銀との固溶域を実質
的に持たない元素の酸化物から成る第2の基材が含有さ
れているため、経時的、あるいは水分の存在下において
も、銀系薄膜中の銀元素と上記第1の基材の金属元素と
の固溶化が防止され、銀系薄膜の損傷を防ぐことが可能
となる。
【0026】このように銀系薄膜と透明酸化物薄膜との
剥離が防止され、また、銀系薄膜を損傷から保護するこ
とができるため、導電性反射防止膜全体の安定性が改善
され、長期間に亘ってその導電性と光透過性能とを発揮
させることが可能となる。このため、例えば液晶ディス
プレイ装置の表示画面に適用されてその表示品質を長期
間に亘って高く維持することが可能となる。
剥離が防止され、また、銀系薄膜を損傷から保護するこ
とができるため、導電性反射防止膜全体の安定性が改善
され、長期間に亘ってその導電性と光透過性能とを発揮
させることが可能となる。このため、例えば液晶ディス
プレイ装置の表示画面に適用されてその表示品質を長期
間に亘って高く維持することが可能となる。
【0027】なお、請求項5に係る発明において、銀と
の固溶域を実質的に持たない元素とは、室温付近で銀に
対する固溶の量が10atom%より小さい元素をいい、例
えば、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr等の高融点
の遷移金属元素;Ce等のランタナイド系金属元素;B
i、Ge、Si等の半金属元素が挙げられる。
の固溶域を実質的に持たない元素とは、室温付近で銀に
対する固溶の量が10atom%より小さい元素をいい、例
えば、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr等の高融点
の遷移金属元素;Ce等のランタナイド系金属元素;B
i、Ge、Si等の半金属元素が挙げられる。
【0028】銀との固溶域を実質的に持たないこれら元
素の含有量は少量であってよいが、透明酸化物薄膜中に
含有される金属元素の全体に対して5atom%以上含有さ
れることが望ましい。5atom%未満の場合には、銀系薄
膜の保護効果を十分発揮することができず、銀元素が透
明酸化物と反応て銀系薄膜が損傷されることがあるから
である。また、その含有量は50atom%以下であること
が望ましい。50atom%を越えると、その成膜に適用さ
れるターゲットの加工が困難になって割れ易くなり、ま
た成膜速度が著しく低下する。これに対し、50atom%
以下の場合には、スパッタリング法を適用し、高屈折率
で高品質の透明酸化物薄膜を高速度で効率的に成膜する
ことができるからである。
素の含有量は少量であってよいが、透明酸化物薄膜中に
含有される金属元素の全体に対して5atom%以上含有さ
れることが望ましい。5atom%未満の場合には、銀系薄
膜の保護効果を十分発揮することができず、銀元素が透
明酸化物と反応て銀系薄膜が損傷されることがあるから
である。また、その含有量は50atom%以下であること
が望ましい。50atom%を越えると、その成膜に適用さ
れるターゲットの加工が困難になって割れ易くなり、ま
た成膜速度が著しく低下する。これに対し、50atom%
以下の場合には、スパッタリング法を適用し、高屈折率
で高品質の透明酸化物薄膜を高速度で効率的に成膜する
ことができるからである。
【0029】他方、銀との固溶域を有する元素とは、室
温付近で銀に対する固溶の量が10atom%より大きい元
素をいい、例えば、In、Zn、Sn、Ga、Cd、A
l、又はMg等が挙げられる。
温付近で銀に対する固溶の量が10atom%より大きい元
素をいい、例えば、In、Zn、Sn、Ga、Cd、A
l、又はMg等が挙げられる。
【0030】次に、本発明に係る銀系薄膜は、銀単体に
て構成されるものであってもよいが、銀単体の薄膜にお
いては銀元素の拡散が生じ易く、例えば、真空蒸着やス
パッタリング等の成膜時の熱又はプラズマにより銀元素
が拡散・凝集してその薄膜が損傷されることがある。ま
た、室内に放置された場合にも、銀元素の拡散を生じて
その導電性が不安定になり易い。これらの問題を防ぐた
め、上記反射防止膜の導電性や光反射防止性を損なわな
い範囲で、銀元素の拡散を抑制する異種元素が添加され
た銀系薄膜を利用することが望ましい。請求項6に係る
発明はこのような技術的理由に基づいてなされたもので
ある。
て構成されるものであってもよいが、銀単体の薄膜にお
いては銀元素の拡散が生じ易く、例えば、真空蒸着やス
パッタリング等の成膜時の熱又はプラズマにより銀元素
が拡散・凝集してその薄膜が損傷されることがある。ま
た、室内に放置された場合にも、銀元素の拡散を生じて
その導電性が不安定になり易い。これらの問題を防ぐた
め、上記反射防止膜の導電性や光反射防止性を損なわな
い範囲で、銀元素の拡散を抑制する異種元素が添加され
た銀系薄膜を利用することが望ましい。請求項6に係る
発明はこのような技術的理由に基づいてなされたもので
ある。
【0031】すなわち、請求項6に係る発明は、請求項
1〜5記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、
上記銀系薄膜が、銀元素の拡散を抑制する異種元素を含
有することを特徴とするものである。
1〜5記載の発明に係る導電性反射防止膜を前提とし、
上記銀系薄膜が、銀元素の拡散を抑制する異種元素を含
有することを特徴とするものである。
【0032】銀元素の拡散を抑制する上記異種元素とし
ては、例えば、鉛、金、ビスマス、プラチナ、パラジウ
ム、ロジウム等の質量の大きい良導体元素が好ましい。
中でも、銀元素と完全に固溶できる金を利用した場合、
銀元素と上記異種元素とが十分に固溶体を形成して銀元
素の拡散を十分に防止し、しかも、上記反射防止膜の光
透過率の低下がほとんど起こらない。なお、質量の大き
い上記良導体元素の他、質量の小さい異種元素を利用す
ることも可能である。例えば、銅、ニッケル、亜鉛、カ
ドミウム、マグネシウム、アルミニウム等が利用でき、
これら元素を利用した場合、銀元素の拡散を防止できる
他、反射防止膜の導電性と電磁波シールド性能も向上さ
せることができる。また、これら異種元素の添加量は3
atom%以下でよい。3atom%を越えて添加してもよい
が、銀元素の拡散防止効果の向上はみられない。
ては、例えば、鉛、金、ビスマス、プラチナ、パラジウ
ム、ロジウム等の質量の大きい良導体元素が好ましい。
中でも、銀元素と完全に固溶できる金を利用した場合、
銀元素と上記異種元素とが十分に固溶体を形成して銀元
素の拡散を十分に防止し、しかも、上記反射防止膜の光
透過率の低下がほとんど起こらない。なお、質量の大き
い上記良導体元素の他、質量の小さい異種元素を利用す
ることも可能である。例えば、銅、ニッケル、亜鉛、カ
ドミウム、マグネシウム、アルミニウム等が利用でき、
これら元素を利用した場合、銀元素の拡散を防止できる
他、反射防止膜の導電性と電磁波シールド性能も向上さ
せることができる。また、これら異種元素の添加量は3
atom%以下でよい。3atom%を越えて添加してもよい
が、銀元素の拡散防止効果の向上はみられない。
【0033】尚、銀系薄膜には、上記異種元素の他、透
明酸化物薄膜との密着性を向上させる微量の酸化物を含
有させることもできる。このような酸化物としては、例
えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ジル
コニウム、酸化セリウム、酸化珪素等が挙げられる。
明酸化物薄膜との密着性を向上させる微量の酸化物を含
有させることもできる。このような酸化物としては、例
えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ジル
コニウム、酸化セリウム、酸化珪素等が挙げられる。
【0034】また、上記銀系薄膜と透明酸化物薄膜と
は、いずれも、スパッタリング法によって成膜できる。
この他、真空蒸着法やイオンプレーティング法等の真空
成膜法によって成膜することも可能であるが、その生産
性の点からスパッタリング法が好ましく利用できる。そ
して、成膜の際、成膜装置内部の酸素量を制御すること
により上記透明酸化物薄膜中の酸素元素含有量を制御し
てその屈折率をコントロールすることができる。また、
この際、銀系薄膜の劣化を防止するため成膜装置内部の
水分は少ない方が好ましい。
は、いずれも、スパッタリング法によって成膜できる。
この他、真空蒸着法やイオンプレーティング法等の真空
成膜法によって成膜することも可能であるが、その生産
性の点からスパッタリング法が好ましく利用できる。そ
して、成膜の際、成膜装置内部の酸素量を制御すること
により上記透明酸化物薄膜中の酸素元素含有量を制御し
てその屈折率をコントロールすることができる。また、
この際、銀系薄膜の劣化を防止するため成膜装置内部の
水分は少ない方が好ましい。
【0035】また、上記銀系薄膜と透明酸化物薄膜と
は、いずれも、偏光フィルムや位相差フィルム等の基板
となるプラスチックフィルムを損傷することのない低温
の基板温度で成膜することが可能である。例えば、18
0℃以下、好ましくは150℃以下又は室温の基板温度
である。なお、こうして低温の基板温度で成膜された三
層構造の反射防止膜に150℃以上又は180℃以上の
温度でアニーリング処理を施すことにより、その導電性
を増大させることが可能である。
は、いずれも、偏光フィルムや位相差フィルム等の基板
となるプラスチックフィルムを損傷することのない低温
の基板温度で成膜することが可能である。例えば、18
0℃以下、好ましくは150℃以下又は室温の基板温度
である。なお、こうして低温の基板温度で成膜された三
層構造の反射防止膜に150℃以上又は180℃以上の
温度でアニーリング処理を施すことにより、その導電性
を増大させることが可能である。
【0036】次に、本発明に係る導電性反射防止膜を支
持する基板としては、屈折率1.2〜1.8程度の透明
材料が利用でき、例えば、液晶ディスプレイ装置の表示
画面表面に適用される偏光フィルムや位相差フィルム等
の屈折率約1.5のプラスチックフィルムが好適に利用
できる。尚、これら偏光フィルムや位相差フィルムとし
ては、トリアセチルセルロースフイルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム等が使用できる。
持する基板としては、屈折率1.2〜1.8程度の透明
材料が利用でき、例えば、液晶ディスプレイ装置の表示
画面表面に適用される偏光フィルムや位相差フィルム等
の屈折率約1.5のプラスチックフィルムが好適に利用
できる。尚、これら偏光フィルムや位相差フィルムとし
ては、トリアセチルセルロースフイルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム等が使用できる。
【0037】また、この他、本発明に係る導電性反射防
止膜を支持する基板として、ガラス、プラスチックボー
ド等を利用してもよい。例えば、PDP(プラズマディ
スプレイパネル)やEL(エレクトロルミネッセンスデ
イスプレイ)の表示パネル表面に、直接、本発明に係る
導電性反射防止膜を着膜してもよい。また、車や飛行機
等の窓部材に、直接、本発明に係る導電性反射防止膜を
着膜することも可能である。
止膜を支持する基板として、ガラス、プラスチックボー
ド等を利用してもよい。例えば、PDP(プラズマディ
スプレイパネル)やEL(エレクトロルミネッセンスデ
イスプレイ)の表示パネル表面に、直接、本発明に係る
導電性反射防止膜を着膜してもよい。また、車や飛行機
等の窓部材に、直接、本発明に係る導電性反射防止膜を
着膜することも可能である。
【0038】また、本発明に係る導電性反射防止膜を支
持する基板として、表面に微細な凹凸が施された基板を
使用することも可能である。このような基板を使用した
場合には、反射防止膜がその凹凸に沿って形成され、こ
の反射防止膜の表面に上記凹凸が再現され、わずかな表
面反射光が正反射されることなく散乱される。このた
め、光源の虚像が一層確実に防止される。
持する基板として、表面に微細な凹凸が施された基板を
使用することも可能である。このような基板を使用した
場合には、反射防止膜がその凹凸に沿って形成され、こ
の反射防止膜の表面に上記凹凸が再現され、わずかな表
面反射光が正反射されることなく散乱される。このた
め、光源の虚像が一層確実に防止される。
【0039】なお、本発明に係る導電性反射防止膜を液
晶ディスプレイ装置の表示画面の表面に適用した場合、
この表面に油脂や指紋等の汚れが付着することがある。
このような汚れ付着を防止するため、上記導電性反射防
止膜上に撥水性塗布膜を設けることができる。また、微
細な透明顔料を含有する塗布膜を導電性反射防止膜上に
設けて表面反射光を散乱させることも可能であるが、こ
れら塗布膜は反射防止性能に影響することがあるから可
能な限り薄いものとすることが望ましい。
晶ディスプレイ装置の表示画面の表面に適用した場合、
この表面に油脂や指紋等の汚れが付着することがある。
このような汚れ付着を防止するため、上記導電性反射防
止膜上に撥水性塗布膜を設けることができる。また、微
細な透明顔料を含有する塗布膜を導電性反射防止膜上に
設けて表面反射光を散乱させることも可能であるが、こ
れら塗布膜は反射防止性能に影響することがあるから可
能な限り薄いものとすることが望ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
施の形態について詳細に説明する。
【0041】この実施の形態に係る導電性反射防止膜2
は、図1に示すようにアクリル系ハードコート層が施さ
れた偏光フィルム10を基材とし、この基材上に順次積
層された厚さ51nmの透明酸化物薄膜21と厚さ9n
mの銀系薄膜22及び厚さ13nmの透明酸化物薄膜2
3の三層で構成されている。
は、図1に示すようにアクリル系ハードコート層が施さ
れた偏光フィルム10を基材とし、この基材上に順次積
層された厚さ51nmの透明酸化物薄膜21と厚さ9n
mの銀系薄膜22及び厚さ13nmの透明酸化物薄膜2
3の三層で構成されている。
【0042】尚、上記透明酸化物薄膜21、23は、い
ずれも、酸化ガリウム、酸化セリウムと酸化珪素の混合
酸化物の薄膜から構成されており、その組成比は、ガリ
ウム元素、セリウム元素及び珪素元素の合計量に対し、
ガリウム元素85atom%、セリウム元素5atom%、珪素
元素10atom%となる量であり、そり屈折率は1.85
である。
ずれも、酸化ガリウム、酸化セリウムと酸化珪素の混合
酸化物の薄膜から構成されており、その組成比は、ガリ
ウム元素、セリウム元素及び珪素元素の合計量に対し、
ガリウム元素85atom%、セリウム元素5atom%、珪素
元素10atom%となる量であり、そり屈折率は1.85
である。
【0043】また、銀系薄膜22は、銀元素99.25
atom%に0.75atom%の銅元素を添加して構成された
銀合金である。
atom%に0.75atom%の銅元素を添加して構成された
銀合金である。
【0044】そして、この導電性反射防止膜2の波長5
50nmの光に対する光反射率は約0.4%であった。
50nmの光に対する光反射率は約0.4%であった。
【0045】また、この導電性反射防止膜2を、室内に
1ケ月間放置して観察したところ、その表面に外観の変
化は全く観察されず、また光反射率の変化もなかった。
1ケ月間放置して観察したところ、その表面に外観の変
化は全く観察されず、また光反射率の変化もなかった。
【0046】
【発明の効果】請求項1〜6に係る発明によれば、導電
性反射防止膜が、銀系薄膜とこの銀系薄膜の表裏に設け
られた屈折率2.0以下の透明酸化物薄膜から成り、そ
の層構成中に銀系薄膜を有するため表面抵抗率50〜1
0Ω/□の優れた導電性と電磁波遮蔽性能とを有する。
性反射防止膜が、銀系薄膜とこの銀系薄膜の表裏に設け
られた屈折率2.0以下の透明酸化物薄膜から成り、そ
の層構成中に銀系薄膜を有するため表面抵抗率50〜1
0Ω/□の優れた導電性と電磁波遮蔽性能とを有する。
【0047】また、上記銀系薄膜の表裏に屈折率2.0
以下の透明酸化物薄膜が設けられているため、全体とし
て光反射率0.5%未満の優れた反射防止性能を有す
る。
以下の透明酸化物薄膜が設けられているため、全体とし
て光反射率0.5%未満の優れた反射防止性能を有す
る。
【0048】このように導電性、電磁波シールド性能及
び光反射防止性能に優れているため、例えば、この導電
性反射防止膜を偏光フィルム等の上に設け液晶ディスプ
レイ装置の表示画面に適用されて誤動作を防止し、ま
た、表示品質の向上を図ることが可能となる効果を有す
る。
び光反射防止性能に優れているため、例えば、この導電
性反射防止膜を偏光フィルム等の上に設け液晶ディスプ
レイ装置の表示画面に適用されて誤動作を防止し、ま
た、表示品質の向上を図ることが可能となる効果を有す
る。
【図1】本発明の実施の形態に係る導電性反射防止膜の
断面図。
断面図。
2 導電性反射防止膜 10 偏光フィルム 21 透明酸化物薄膜 22 銀系薄膜 23 透明酸化物薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 9/00 309 G09F 9/00 309A // G02B 5/30 G02B 5/30 (72)発明者 古賀 修 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】銀系薄膜と、この銀系薄膜の表裏に設けら
れた屈折率2.0以下の透明酸化物薄膜から成ることを
特徴とする導電性反射防止膜。 - 【請求項2】上記銀系薄膜が4〜11nmの厚さを有す
ることを特徴とする請求項1に記載の導電性反射防止
膜。 - 【請求項3】上記透明酸化物薄膜の少なくとも一方が4
0〜60nmの厚さを有することを特徴とする請求項1
又は2に記載の導電性反射防止膜。 - 【請求項4】液晶ディスプレイ装置の表示画面表面に適
用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の導電性反射防止膜。 - 【請求項5】上記透明酸化物薄膜が、銀との固溶域を有
する元素の酸化物から成る第1の基材と、銀との固溶域
を実質的に持たない元素の酸化物から成る第2の基材と
の混合酸化物により構成されていることを特徴とする請
求項1〜4のいずれかに記載の導電性反射防止膜。 - 【請求項6】上記銀系薄膜が、銀元素の拡散を抑制する
異種元素を含有することを特徴とする請求項1〜5のい
ずれかに記載の導電性反射防止膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7333911A JPH09152502A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 導電性反射防止膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7333911A JPH09152502A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 導電性反射防止膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09152502A true JPH09152502A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=18271342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7333911A Pending JPH09152502A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 導電性反射防止膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09152502A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008018340A1 (ja) * | 2006-08-11 | 2009-12-24 | コニカミノルタオプト株式会社 | 光学部品 |
JP2014086415A (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-12 | Samsung Display Co Ltd | 表示装置およびその製造方法 |
CN111552012A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-08-18 | 福建福特科光电股份有限公司 | 一种便于返修的增透镜片及其制备方法 |
-
1995
- 1995-11-28 JP JP7333911A patent/JPH09152502A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008018340A1 (ja) * | 2006-08-11 | 2009-12-24 | コニカミノルタオプト株式会社 | 光学部品 |
JP2014086415A (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-12 | Samsung Display Co Ltd | 表示装置およびその製造方法 |
CN111552012A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-08-18 | 福建福特科光电股份有限公司 | 一种便于返修的增透镜片及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050712 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051129 |