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JP3031224B2 - 透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜

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JP3031224B2
JP3031224B2 JP7333224A JP33322495A JP3031224B2 JP 3031224 B2 JP3031224 B2 JP 3031224B2 JP 7333224 A JP7333224 A JP 7333224A JP 33322495 A JP33322495 A JP 33322495A JP 3031224 B2 JP3031224 B2 JP 3031224B2
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thin film
conductive film
silver
transparent
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健蔵 福吉
幸弘 木村
修 古賀
孝二 今吉
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Toppan Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレ
イ、入出力装置、あるいはプラズマディスプレイ等の表
示装置の透明電極等に用いられる透明導電膜に係り、特
に、薄膜で導電性と可視光線透過率が高く、しかも保存
安定性に優れた透明導電膜の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス、プラスチックフィルム等の基板
上に可視光線を透過する電極形状の透明導電膜が設けら
れた電極板は、液晶ディスプレイ等の各種表示装置の表
示用電極やこの表示装置の表示画面から直接入力する入
出力電極等に広く使用されている。
【0003】この透明導電膜としては、その高い導電性
に着目して、酸化インジウム中に酸化錫を添加したIT
O薄膜が広く利用されており、その比抵抗はおよそ2.
4×10-4Ω・cmで、透明電極として通常適用される2
40nmの膜厚の場合その面積抵抗はおよそ10Ω/□
である。
【0004】また、この他にも、酸化錫薄膜、この酸化
錫に酸化アンチモンを添加して構成される薄膜(ネサ
膜)、酸化亜鉛に酸化アルミニウムを添加して構成され
る薄膜等が知られているが、これらはいずれも上記IT
O薄膜よりその導電性が劣り、また、酸やアルカリ等に
対する耐薬品性あるいは耐水性等が不十分なため一般に
は普及していない。
【0005】一方、1982年日本で開催された第7回
ICVMにおいて、熱線反射膜として銀薄膜の表裏面に
ITO薄膜又は酸化インジウム薄膜(IO薄膜)を積層
させて構成される三層構造の透明導電膜が提案されてい
る。この三層構造の透明導電膜はおよそ5Ω/□程度の
低い面積抵抗率を有しており、その高い導電性を生かし
て上記透明電極への応用が期待された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ディス
プレイ装置や入出力装置においては、近年、画素密度を
増大させて緻密な画面を表示することが求められ、これ
に伴って上記透明電極パターンの緻密化が要求されてお
り、例えば100μm程度のピッチで上記透明電極の端
子部を構成することが要求されている。また、液晶ディ
スプレイ装置において基板に液晶駆動用ICが直接接続
される方式(COG)においては、配線の引き回しが幅
20〜50μmという細線となる部分があり、従来にな
い高度のエッチング加工適性と高い導電性(低い抵抗
率)が要求されている。
【0007】また、その一方で表示画面の大型化も求め
られており、このような大画面について上述したような
緻密パターンの透明電極を形成し、しかも液晶に充分な
駆動電圧を印加できるようにするためには、上記透明電
極として5Ω/□以下という高い導電性を備えた透明導
電膜を適用する必要があった。また、これに加えて、S
TN液晶等を利用した単純マトリクス駆動方式の液晶表
示装置において16階調以上の多階調表示を行う場合に
は3Ω/□以下という更に低い面積抵抗が要求されてい
る。
【0008】しかしながら、第7回ICVMにおいて提
案された上記三層構造の透明導電膜においても、高々5
Ω/□程度の面積抵抗が得られるに過ぎず、十分な導電
性が確保できないという問題点があった。なお、銀薄膜
の厚さを16〜18nm程度に厚くすることによりその
面積抵抗率を約3Ω/□に低下させることは可能である
が、可視光線透過率(特に波長610nm程度の長波長
側の可視光線透過率)が75%程度まで低下し、透明導
電膜としての機能が損なわれてしまう。
【0009】更に、上記三層構造の透明導電膜において
は銀の薄膜が積層界面等から侵入した空気中の水分と化
合し易く、その表面に酸化物を生成してシミ状の欠陥を
生じ、例えば液晶表示装置の透明電極に適用した場合に
はその表示画面に表示欠陥等を生じ易いという問題点が
あった。
【0010】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、薄膜で導電性と
可視光線透過率が高く、しかも経時劣化がなく保存安定
性に優れた透明導電膜を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述のような技術的課題
に鑑みて本発明者等が鋭意検討を重ねたところ、上記三
層構造の透明導電膜において、ITO薄膜やIO薄膜の
代わりに酸化インジウムと酸化セリウム等との混合酸化
物から成る透明酸化物を利用すると、その屈折率が増大
して光反射率を低下させると共に可視光線透過率を増大
させ、導電性に優れた膜厚の厚い銀薄膜を利用ししかも
可視光線透過率が高い透明導電膜が得られ、更にこの透
明導電膜は極めて高い耐湿性を有することを発見した。
本発明はこのような技術的発見に基づいてなされたもの
である。
【0012】本発明者らは、5Ω/□以下の低抵抗と高
透過率をかねそなえる構成として、0.1〜3原子パー
セント(以下単にat%という)の銅を含有する銀系薄膜
を透明酸化物薄膜で挟持する構造の導電膜も提案してい
るが、この構成では耐湿性がやや不十分であった。例え
ば、耐湿性の加速試験として、60℃,90%湿度の高
温高湿環境下にて1at%銅を含有する銀系薄膜を挟持す
る構造の導電膜のパターンに微小なシミが発生してしま
う欠点があり、不十分であった。
【0013】
【0014】
【0015】銀系薄膜において、金を少量含有する銀金
合金は、全率固溶(包晶)であり、完全に固溶し合い、
銀銅合金(共晶)のように銅の銀合金中での析出がみら
れないため、可視域でかなり良好な透過率をもってい
る。銀系薄膜を挟持する構成の導電膜を、STN液晶表
示装置のような、5Ω/□以下の低抵抗を要求する単純
マトリクス液晶表示装置に用いる場合は、銀合金中の金
の添加量を4at%以下に抑えないと5Ω/□以下の低抵
抗と、高透過率を両立しにくい。また、逆に銀系薄膜を
挟持する構成の導電膜の耐湿性向上への寄与は、0.1
at%の少量添加から効果がある。すなわち、請求項
かかる発明は、厚さ5〜20nmの銀系薄膜を透明参加
物薄膜にて挟持する3層構造の透明導電膜において、上
記透明参加物薄膜が、銀と固溶しやすい金属の酸化物で
ある酸化インジウムからなる第1の基材と、銀と固溶し
にくい金属の酸化物である酸化セリウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化ハフニウムもしくは酸化タンタルから選択さ
れた少なくとも1種を含む第2の基材との混合酸化物で
あり、かつ銀系薄膜が少なくとも金を0.1〜4at%
(原子パーセント)含有する銀合金であることを特徴と
する透明導電膜である。
【0016】また、エッチング液を用いた透明導電膜の
パターニングを前提とする場合、金を2.5at%より多
く添加した銀系薄膜を挟持する構成の場合、エッチング
後の基板表面に金を中心とする残渣が残りやすいため、
さらに好ましくは、金の添加量を2.5at%以下にする
ことが良い。すなわち、請求項に係る発明は、銀系薄
膜が金を0.1〜2.5at%含有する銀合金であること
を特徴とする。
【0017】銀系薄膜を挟持する構成において、酸化イ
ンジウムに酸化セリウムを添加していくことは、透明導
電膜の耐湿性向上に効果があると同時に、酸化セリウム
等の銀と固溶しにくい金属の酸化物の添加量に応じて、
透明導電膜の透過率を改善せしめる効果がある。透明導
電膜の透過率は、銀系薄膜の膜厚を一定とすると、透明
酸化物薄膜の屈折率を高くすることで向上が見込める。
本発明者らは、種々の材料を検討した後、低抵抗化と、
高透過率、耐湿性およびエッチング加工性の全てを考慮
して、透明酸化物薄膜として酸化インジウムと酸化セリ
ウムの混合酸化物を見いだした。すなわち、請求項
係る発明は、第1の基材が、酸化インジウムであり、第
2の基材が、酸化セリウムであることを特徴とする。
【0018】透明酸化物薄膜として、その屈折率は、
2.0〜2.4程度の範囲内にあることが望ましい。屈
折率は、高い方が良いが、2.4を越えると透明酸化物
薄膜そのものからの反射が大きくなり、透明導電膜とし
て高透過率・低反射率を維持しにくくなる。逆に2.0
以下の屈折率では、たとえば15nmの膜厚で挿入され
た銀系薄膜による光の反射がおさえられなくなり、同様
に高透過率・低反射率が保てない。酸化インジウムと酸
化セリウムの混合酸化物での酸化セリウムの添加量を金
属元素換算にて(酸素元素を除いて換算した)10〜8
0at%とすると、その屈折率は、およそ2.0〜2.4
の範囲となる。すなわち、請求項に係る発明は、透明
酸化物薄膜が、酸化セリウムを金属元素換算にて10〜
80at%含有する酸化インジウムとの混合酸化物である
ことを特徴とする。
【0019】単純マトリクス型の液晶表示装置向け透明
電極のように、パターン形成を前提とする場合、細かい
パターンでのエッチング加工が必要である。本発明にお
いて、透明酸化物薄膜中の酸化セリウムを40at%を越
えるレベルとすると、湿式エッチングによるパターン形
成がむつかしくなる。望ましくは、酸化セリウムの添加
量は、40at%以下が良い。すなわち、請求項に係る
発明は、透明酸化物薄膜が、酸化セリウムを金属元素換
算にて10〜40at%含有する酸化インジウムとの混合
酸化物であることを特徴とする。なお、酸化セリウムと
酸化インジウムとの混合酸化物をスパッタリング法にて
蒸着する際、原料材料であるスパッターターゲットの密
度や導電性、強度を向上させるため、異種の酸化物を少
量加えてターゲットとして形成することは可能である。
【0020】なお、上記銀系薄膜の膜厚が5nmに満た
ない場合には透明導電膜の導電性が低く、また20nm
を越える場合にはその光透過率が低くなり、いずれの場
合も上記透明導電膜に適さなくなる。
【0021】また、上記透明酸化物薄膜と銀系薄膜と
は、いずれも硝酸をエッチング液としたエッチング処理
によりパターニングすることができる。すなわち、基板
上に、透明酸化物薄膜、銀系薄膜及び透明酸化物薄膜の
三層を成膜して本発明に係る透明導電膜を成膜し、次に
表面に露出した透明酸化物薄膜上にレジスト膜をパター
ン状に形成した後、このレジスト膜から露出した部位を
硝酸系エッチング液によってエッチングすることによ
り、上記三層の薄膜が互いに位置整合したパターン形状
にパターニングすることが可能である。このエッチング
液としては、硝酸の他、塩酸や硫酸又は酢酸等の他種の
酸を硝酸に添加して成る酸等の硝酸系の混酸、あるいは
界面活性剤を若干量添加した硝酸が利用できる。
【0022】また、上記銀系薄膜と透明酸化物薄膜と
は、いずれも上述したスパッタリング法によって成膜で
きる他、真空蒸着法やイオンプレーティング法等の真空
成膜法によって成膜することが可能であるが、その生産
性の点からスパッタリング法が適している。そして、成
膜の際、成膜装置内部の酸素量を制御することにより上
記透明酸化物薄膜中の酸素元素含有量を調整してその屈
折率をコントロールすることができる。また、この際、
銀系薄膜の劣化を防止するため成膜装置内部の水分は少
ない方が好ましく、透明酸化物薄膜のエッチング適性を
確保するため180℃以下又は室温の基板温度で成膜す
ることが望ましい。そして、銀系薄膜と透明酸化物薄膜
の全体を180℃以下又は室温の基板温度で成膜した
後、これら三層膜全体を硝酸系エッチング液でエッチン
グ処理し、次に200℃以上の温度でアニーリング処理
を施すことによりこれら三層膜全体の導電性を増大させ
ることが可能である。
【0023】次に、本発明に係る透明導電膜を支持する
基板としては、例えば、ガラス、プラスチックボード、
プラスチックフィルム等が利用できる。また、本発明に
係る透明導電膜は、カラーフィルターを備えるかあるい
はこれを備えない液晶表示装置の透明電極として適用で
きる他、CRTのガラスのフェースプレートを基板とし
てその表示面に設けてもよい。また、本発明に係る透明
導電膜は、太陽電池素子の光入射側に配置される透明電
極として利用することも可能である。
【0024】なお、本発明に係る透明導電膜上に保護層
を設けることも可能である。このような保護層として
は、例えば、透明合成樹脂やSiO2 等の透明無機薄膜
が適用できる。また、この保護層として低屈折率の樹脂
層や光散乱層を適用してAR(反射防止)やAG(アン
チ・グレアー)膜として利用することも可能である。
【0025】AG膜上に低反射率のEMI(電磁波シー
ルド)兼用膜として積層することもできる。また、AR
の観点から、本発明に係る透明導電膜の上下層、いずれ
かの部位に屈折率の異なる透明薄膜を積層あるいは挿入
して、反射率や透過率の最適化を行なっても良い。
【0026】請求項1記載の発明に係る透明導電膜によ
れば、銀系薄膜は銀もしくは銀合金に金を含有するた
め、銀系薄膜を挟持する構造の導電膜の耐湿性を向上で
きる。さらに、銅を添加した銀合金による同様構成の導
電膜より光透過率の点でより良い導電膜が得られる。請
求項1、2記載の発明に係る透明導電膜によれば、金の
銀系薄膜への添加量を4ないし2.5at%以下におさえる
ため、低抵抗で高透過率の導電膜が、エッチング可能な
膜として提供できる。請求項3〜5記載の発明に係る透
明導電膜によれば、透明酸化物薄膜を高屈折率の透明酸
化物薄膜により高透過率・低反射率の導電膜が提供でき
る。加えて、酸化インジウムへ酸化セリウムを添加する
ことによりエッチング性を保持したまま、耐湿性に富む
導電膜が提供できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例について詳細に説明する。
【0028】
【実施例】
<実施例1>この実施例に係る透明導電膜1は、図1に
示すように厚さ0.7mmのガラス基板10上に順次積
層された厚さ33nmの透明酸化物薄膜11と、厚さ1
5nmの銀系薄膜12、及び、厚さ34nmの透明酸化
物薄膜13とでその主要部が構成されている。なお、上
記透明酸化物薄膜11,13は、そのいずれもが酸化セ
リウムを酸素を除く金属元素換算で30at%、酸化イン
ジウムの薄膜に加えた混合酸化物とした。また、銀系薄
膜12は、銀に金を1.0at%添加した銀合金である。
【0029】そして、この透明導電膜1は以下のような
方法で成膜されている。まず、ガラス基板10の表面を
アルカリ系界面活性剤と水とで洗浄した後、真空槽内に
収容し、逆スパッタリングと呼ばれるプラズマ処理を施
してさらに洗浄した。
【0030】次に、ガラス基板10を真空槽中から取り
出すことなく、このガラス基板10を室温に維持した状
態で、スパッタリング法により透明酸化物薄膜11、銀
薄膜12及び透明酸化物薄膜13を順次成膜した。
【0031】次に、透明酸化物薄膜13上に電極形状の
レジスト膜を形成し、このレジスト膜から露出した部位
を硝酸系エッチング液によりエッチングして上記三層の
薄膜を互いに位置整合させた状態で電極形状にパターニ
ングし、続いて、220℃、1時間のアニール処理を施
して上記透明導電膜1を形成した。こうして得られた透
明導電膜1の面積抵抗は約2.9Ω/□であった。ま
た、その可視光線透過率を実線にて図2に示す。このパ
ターン形成した透明導電膜1を60℃、湿度95%内に
500時間保持した後、表面観察をしたが、何ら外観変
化を生じるものではなかった。なお、この混合酸化物に
よる透明導電膜の屈折率を測定したところ2.24であ
った。
【0032】<比較例>実施例1と同様に、ただし銀系
薄膜は銀に銅を1.0at%添加した銀合金とした構成に
て、膜厚および製法を同じくして透明導電膜を形成し
た。可視光線透過率を破線にて図2に併せ示した。実施
例1より若干透過率の点で下回った。さらに、比較例の
透明導電膜を60℃、湿度95%内に保管したところ1
90時間後にシミが発生し不良となった。
【0033】<実施例2>実施例1と同構成、同製法に
て、図1に示す透明導電膜1をガラス基板上に形成し
た。ただし、銀系薄膜12の膜厚は15nmと同じであ
るが、銀系薄膜12の銀合金の組成を0.1〜4at%と
した透明導電膜各々の面積抵抗値を表1に示す。なお、
面積抵抗値は220℃、1時間のアニール処理後に測定
した値である。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示したように金を4at%添加した銀
合金による透明導電膜においても、4.9Ω/□という
極めて低い面積抵抗値を有している。220℃、1時間
のアニール処理後の各々の透明導電膜の光透過率は、5
45nm(緑色)の波長にていずれも90%以上であっ
た。610nm(赤色)の波長では、金を4at%添加し
たもので、89%と光透過率が少し低下している。光透
過率の点からも4at%を越える金の添加は、あまり好ま
しいものではない。
【0036】また、各々透明導電膜を60℃、湿度95
%の高温高湿下に保管し、200時間後の外観変化を観
察したところ、いずれにもシミ発生なく良好であった。
また、500時間同条件で保管した各々の透明導電膜の
外観をみたところ、0.4at%以上金を添加したものに
は外観変化がなかった。0.1at%、0.2at%のもの
には微小なシミが発生していた。いずれも銅を添加した
銀銅合金の比較例より良好であった。なお、金、銅いず
れも未添加の純銀による透明導電膜は、60℃、湿度9
5%の高温高湿条件下では24時間経過後には、大きな
シミが発生した。
【0037】
【発明の効果】本発明の透明導電膜によれば、銀系薄膜
を透明酸化物薄膜にて挟持する構造の導電膜であって、
銀系薄膜は銀もしくは銀合金に金を含有するため、耐湿
性が充分で高光透過率・低抵抗の透明導電膜が提供でき
ることとなった。
【0038】請求項1、2記載の発明に係る透明導電膜
によれば、金の銀系薄膜への添加量を4ないし2.5%以
下におさえるため、低抵抗で高透過率の導電膜が、湿式
エッチングにより精緻なパターン形成ができるという利
点がある。請求項3〜5記載の発明に係る透明導電膜に
よれば、透明酸化物膜膜を高屈折率・低反射率の導電膜
が提供できる。加えて、酸化インジウムへ酸化セリウム
を添加することによりエッチング性を保持したまま、耐
湿性に富む導電膜が提供できる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電膜の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の実施例1の透明導電膜の分光透過率と
比較例の導電膜の分光透過率を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 透明導電膜 10 ガラス基板 11 透明酸化物薄膜 12 銀薄膜 13 透明酸化物薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 11/02 H01J 11/02 B (56)参考文献 特開 昭63−173395(JP,A) 特開 平7−178863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B32B 7/02 104 B32B 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ5〜20nmの銀系薄膜を透明酸化物
    薄膜にて挟持する3層構造の透明導電膜において、上記
    透明酸化物薄膜が、銀と固溶しやすい金属の酸化物であ
    る酸化インジウムからなる第1の基材と、銀と固溶しに
    くい金属の酸化物である酸化セリウム、酸化ジルコニウ
    ム、酸化ハフニウムもしくは酸化タンタルから選択され
    た少なくとも1種を含む第2の基材との混合酸化物であ
    り、かつ銀系薄膜が少なくとも金を0.1〜4at%(原
    子パーセント)含有する銀合金であることを特徴とする
    透明導電膜。
  2. 【請求項2】 上記銀系薄膜が金を0.1〜2.5at%含
    有する銀合金であることを特徴とする請求項1記載の透
    明導電膜。
  3. 【請求項3】 第1の基材が、酸化インジウムであり、第
    2の基材が、酸化セリウムであることを特徴とする請求
    項1〜2記載の透明導電膜。
  4. 【請求項4】 透明酸化物薄膜が、酸化セリウムを金属元
    素換算にて10〜80at%含有する酸化インジウムとの
    混合酸化物であることを特徴とする請求項1〜3記載の
    透明導電膜。
  5. 【請求項5】 透明酸化物薄膜が、酸化セリウムを金属元
    素換算にて10〜40at%含有する酸化インジウムとの
    混合酸化物であることを特徴とする請求項1〜4記載の
    透明導電膜。
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