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JPH0912615A - エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

Info

Publication number
JPH0912615A
JPH0912615A JP18508795A JP18508795A JPH0912615A JP H0912615 A JPH0912615 A JP H0912615A JP 18508795 A JP18508795 A JP 18508795A JP 18508795 A JP18508795 A JP 18508795A JP H0912615 A JPH0912615 A JP H0912615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
parts
meth
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18508795A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Abe
哲也 安倍
Ritsuko Yoshioka
律子 吉岡
Minoru Yokoshima
実 横島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP18508795A priority Critical patent/JPH0912615A/ja
Publication of JPH0912615A publication Critical patent/JPH0912615A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ラジカル重合開始能力とカチオン重合開始能力
とを合せ持つ特定のスルホニウム塩を重合開始剤として
用いることにより、硬化性に優れ、硬化物は、歪みがな
く、機械的強度、造形精度等の優れた物性を得ることが
できるエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物を提
供。 【構成】エチレン性不飽和基含有化合物(A)とカチオ
ン重合性物質(B)と式で示されるスルホニウム塩から
なる光 【化1】 重合開始剤(C)を含有することを特徴とするエネルギ
ー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン性不飽和基含
有化合物(A)とカチオン重合性物質(B)と特定の構
造を有するスルホニウム塩からなる光重合開始剤(C)
を含有してなるエネルギー線の照射により重合が可能な
エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。更
にくわしくは、エネルギー線硬化型の光学的造形用樹脂
組成物に適するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化
物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋳型製作時に必要とされる製品
形状に対応する模型、あるいは切削加工の倣い制御用又
は形彫放電加工電極用の模型の製作は、手加工により、
あるいはNCフライス盤等を用いたNC切削加工により
行われていた。しかしながら、手加工による場合は、多
くの手間と熟練とを要するという問題があり、NC切削
加工による場合は、刃物刃先形状変更のための交換や摩
耗等を考慮した、複雑な工作プログラムを作る必要があ
ると共に、加工面に生じた段を除くために、更に仕上げ
加工を必要とする場合があるという問題がある。最近、
これらの問題点を解消し、鋳型製作用、倣い加工用、形
彫放電加工用の複雑な模型や種々の定形物を光学的造形
法により創成手法に関する技術開発が行なわれてきてい
る。この光学的造形用樹脂としては、エネルギー線によ
る感度が優れていること、エネルギー線による硬化の解
像度が良いこと、低粘度であること、硬化時の体積収縮
率が小さいこと、硬化物の機械強度が優れていること、
自己接着性が良いこと、酸素雰囲気下での硬化特性が良
いことなど、種々の特性が要求されており、例えば、特
開平2−80423号公報には、エネルギー線硬化性、
カチオン重合性有機物質、エネルギー線感受性カチオン
重合開始剤、エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物
質及びエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤からなる
光学造形用樹脂組成物が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、上記の特開平2
−80423号公報のよう様にカチオン重合性有機物質
とラジカル重合性有機物質を併用する場合、カチオン重
合開始剤とラジカル重合開始剤を併用する事が一般に行
なわれている事であるが、2種類の重合開始剤の選択の
問題や組成物の価格が高くなる等が問題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、チオキサントン系化
合物に特定のスルホニウム塩基を導入してなる光重合開
始剤を用いることにより、カチオン重合開始剤とラジカ
ル重合開始剤を併用することがなくてもエネルギー線
(例えば、紫外線等)を照射することにより硬化性の良
好なエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物を提供す
ることに成功した。すなわち、本発明は、エチレン性不
飽和基含有化合物(A)とカチオン重合性物質(B)と
式(1)
【0005】
【化3】
【0006】{式中、Xは式(2)で示される基
【0007】
【化4】
【0008】(式中R6 〜R15は、それぞれ水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C20
構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)
アクリロイル基、エポキシ基、あるいはアリル基を有し
ても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフ
ェノキシ基、のいずれから選択された基である。) R1 〜R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1 〜C15
の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、
フェニル基、及び式(2)で示される基から選択された
基であり、nは1〜4、Zは式(3)または式(4)
【0009】MQP (3) MQP-1 (OH) (4)
【0010】(式中、Mはリン原子、ホウ素原子、ヒ素
原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子で
あり、Pは4〜6の整数である。)で示される。}で示
されるスルホニウム塩からなる光重合開始剤(C)を含
有することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物及び
その硬化物に関する。
【0011】本発明で用いるエチレン性不飽和基含有化
合物(A)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、(2−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコールなどのグリコールのモノまたはジ(メタ)
アクリレート類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メ
タ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、トリペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキ
シエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまた
は、これ等のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオ
キサイドの付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェ
ノキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレートおよび、これ等のフェノール類のエチ
レンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物な
どの(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジ
ルエーテルの(メタ)アクリレート類;およびメラミン
(メタ)アクリレート等の反応性単量体、
【0012】エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリ
ブタジエン変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭
素化フェノールノボラックエポキシ樹脂、臭素化ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂
等)と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メ
タ)アクリレート、上記エポキシ(メタ)アクリレート
に多塩基性無水物(例えば、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸等)を反応させたカルボン酸変性
エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール成分(例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、1,4−ジメチロールベンゼン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等)と酸成分(例え
ば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の
2塩基酸あるいは、2塩基酸無水物等)の反応物である
ポリエステルポリオールの(メタ)アクリル酸エステル
あるいは、ポリオール(例えば、エチレングリコール、
ネルペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリ
オール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)ア
クリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト等)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等
の反応性オリゴマー等を挙げることができる。本発明で
用いるカチオン重合性物質(B)としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、スチレン、ビニルエーテル等のカチオン重
合性ビニル化合物、更にはスピロオルソエステル、ビシ
クロオルソエステル、スピロオルソカーボナートのよう
な環状エーテル類が挙げられる。エポキシ樹脂として
は、従来、公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキシド単量体
類、エピサルファイド単量体類が挙げられる。ここで、
芳香族エポキシ樹脂として例示すれば、少なくとも1個
の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレ
ンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルであっ
て、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェ
ノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって
製造されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキ
シ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化
フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフ
ェノールメタントリグリシジルエーテル等が挙げられ
る。また、脂環式エポキシ樹脂として、具体的な例とし
ては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペー
ト、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−
スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−
ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)
エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業株式
会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)等が挙げ
られる。
【0013】更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例とし
ては、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコ
ールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加する
ことにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリ
シジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類
の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジル
エーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール
またはこれらにアルキレンオキサイドを付加することに
より得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジル
エーテル等か挙げられる。
【0014】カチオン重合体ビニル化合物としては、例
えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テト
ラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−
ブタンジオールジビニルエーテル、
【0015】
【化5】
【0016】及び
【0017】
【化6】
【0018】等が挙げられる。また、これらカチオン重
合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわな
い。
【0019】本発明で用いる一般式(1)で表されるス
ルホニウム塩としては、例えば一般式(5)で表される
チオキサントン系化合物
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R1 〜R5 は、それぞれ水素原
子、水酸基、C1 〜C15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニ
トロ基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基から選
択された基である。)と置換または非置換ジフェニルス
ルホキシド化合物を公知のスルホニウム塩の生成反応を
利用する方法(以下1)法という)、2)相当する置換
及び非置換のスルホニウム塩をあらかじめ合成し、その
後、置換基を変換、導入する方法(以下2)法という)
のいずれかにより合成することができる。先ず1)法を
具体的に説明すると式(5)で表されるチオキサントン
系化合物(具体例としては、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2,4−ジプロピルチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサン
トン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プ
ロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3,4−ジ
メチルチオキサントン、1−メトキシチオキサントン、
2−メトキシチオキサントン、3−メトキシチオキサン
トン、4−メトキシチオキサントン、1−メチル−4−
ヒドロキシチオキサントン、1−メチル−4−クロロチ
オキサントン、1,2−ジメチル−4−クロロチオキサ
ントン、1,3−ジメチル−4−クロロチオキサント
ン、2,3,4−トリメチルチオキサントン、3−ニト
ロチオキサントン、3−エトキシチオキサントン、1,
3,4−トリメチル−2−オキシカルボニルメチルチオ
キサントン、2−オキシカルボニルメチル−4−メチル
チオキサントン、2−フェニルチオキサントン、1−カ
ルボニルオキシメチルチオキサントン、1−カルボニル
オキシエチル−3−ニトロチオキサントン、1−カルボ
ニルオキシエチル−3−エトキシチオキサントン等を挙
げることができる。)と置換または非置換ジフェニルス
ルホキシド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,
2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−
ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,2′−ジフル
オロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジブロムジフ
ェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルス
ルホシキド、2,2′,4,4−テトラクロロジフェニ
ルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホ
キシド、4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4−メチルチ
オジフェニルスルホキシド、4−フェニルチオジフェニ
ルスルホキシド等)の公知の方法、例えば脱水剤(例え
ば、五酸リン、濃硫酸、無水酢酸等)中で、常温〜10
0℃で縮合反応を行ない、次いで、これらの反応液を式
(3)又は(4)(例えば、NaSbF6 、NaP
6 、NaAsF6 、NaBF4 、NaSbF6 OH、
KSbF6 、KPF6 、KAsF6 、KSbF5 OH
等)の水溶液に滴下し、スルホニウム塩を得ることがで
きる。
【0022】2)法を具体的に説明すると、1)法で合
成したスルホニウム塩、例えば式(6)
【0023】
【化8】
【0024】(但し、式中、R1-5 は、式(5)中の
1-5 と同一で、Aはハロゲン原子、Zは前記式
(3)または式(4)で示される。)で示される化合物
等の公知の方法、例えば、塩基性化合物(例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等)の存
在下、大過剰のモノ又ポリアルコール類(例えば、メタ
ノール、エタノール、カルビトール、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタン
ジオール、グリシドール、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、アリルアルコール等)を室温〜150℃
で、必要に応じて、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤
の存在下反応させることにより、前記ハライド化合物の
ハライド部が例えば、
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】等の置換基に変換されたスルホニウム塩を
得ることができる。一般式(1)で示される化合物の代
表例としては次表1、表2の化合物を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】 本発明の硬化性組成物の各成分の使用割合は、エチレン
性不飽和基含有化合物(A)は、5〜80重量%が好ま
しく、特に好ましくは、10〜60重量%であり、カチ
オン重合性物質(B)は、5〜95重量%が好ましく、
特に好ましくは、40〜90重量%であり、光重合開始
剤(C)は、0.1〜10重量%が好ましく、特に好ま
しくは、1〜5重量%である。
【0032】本発明の硬化性組成物は、混合、溶解ある
いは混練等の方法により調製することができる。
【0033】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、本
発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、熱感受性
カチオン及び/又はラジカル重合開始剤;顔料、染料等
の着色剤;消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸
化防止剤、光安定剤等の各種樹脂添加剤;シリカ、ガラ
ス粉、セラミック粉、金属粉等の充填剤;改質用樹脂な
どを適量配合して使用することができる。本発明組成物
を硬化する際に使用する活性エネルギー線としては、紫
外線、電子線、X線、放射線、あるいは高周波等を用い
ることができる。これらのうちでも、1800〜500
0Åの波長を有する紫外線が経済的に好ましく、その光
源としては、紫外線レーザー、水銀ランプ、キセノンラ
ンプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等が使用
できる。等に好ましい光源としては、レーザー光源であ
り、エネルギーレベルを高めて造形時間を知縮し、良好
な集光性を利用して、造形精度を向上させることが可能
である。
【0034】本発明組成物は、活性エネルギー線による
カチオン重合反応及びラジカル重合反応により硬化が進
むため、使用するエチレン性不飽和基含有化合物(A)
及びカチオン重合性物質(B)の種類によっては、活性
エネルギー線照射時、該樹脂組成物を、例えば30〜1
00℃程度に加熱することにより、架橋硬化反応を効果
的に促進することもできるし、更に、エネルギー線照射
して、得られた造形物を例えば40〜100℃の温度に
加熱処理又は水銀ランプなどで、UV照射処理をするこ
とで、より機械強度の優れた造形物を得ることができ
る。
【0035】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、光
学的造形用組成物に適しており、設計の途中で外観デザ
インを審査するためのモデル、部品相互の組み合せの不
都合をチェックするためのモデル、鋳型を製作するため
の木型、金型を製作するための倣い加工用モデルなど、
幅広い用途に利用することができる。具体的な適用分野
としては、自動車、電子・電気部品、家具、建築構造
物、玩具、容器類、鋳物、人形等各種曲面体のモデルや
加工用が挙げられる。
【0036】本発明組成物は、光学的造形用途以外に
も、例えば、印刷インキ、塗料、レジスト、液レジ、接
着剤、レンズ類、注型物等に好適に用いられる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の部は、重量部である。
【0038】(式(1)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 合成例1.2,4−ジエチルチオキサントン38.4
部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド2
3.8部、無水酢酸100部及びメタンスルホン酸39
8部を仕込み、25℃で攪拌しながら約8時間反応を行
ない、次いで、この反応混合物をNaSbF6 の水溶液
619.9部(水582.8部にNaSbF6 37.1
部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色
の固体をろ過、水及びエチレンエーテルで洗浄した。黄
色の固体が93.0部得られた。生成物の融点は81.
1〜87.9℃で元素分析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 48.10 48.02 水素 3.25 3.20 イオウ 8.89 8.84 アンチモン 16.71 16.78 フッ素 20.99 20.95 この製造方法に基づいて,構造式
【0039】
【化13】
【0040】のスルホニウム塩を得た。
【0041】合成例2.1−クロロ−4−プロポキシチ
オキサントン6.1部、4,4′−ジメチルジフェニル
スルホキシド46.1部、無水酢酸200部、及びメタ
ンスルホン酸796部を仕込み、25℃で約8時間反応
させ、次いで反応混合物をNaSbF6 の水溶液86
2.8部(水810.6部にNaSbF6 を51.7部
を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の
固体をろ過し、水及びエチルエーテルで洗浄した。黄色
の固体が135.6部得られた。生成物の融点は、10
5.2〜111.0℃で元素分析値は、次のとおりであ
った。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 47.84 47.80 水素 3.52 3.48 イオウ 8.57 8.51 アンチモン 16.20 16.15 フッ素 15.15 15.12 塩素 4.72 4.70 この製造方法に基づいて、構造式
【0042】
【化14】
【0043】のスルホニウム塩を得た。 合成例3.2−イソプロピルチオキサントン50.8
部、ジフェニルスルホキシド40.4部、無水酢酸20
0部及びメタンスルホン酸796部を仕込み、25℃で
約8時間反応させ、次いで反応混合物をNaPF6 の水
溶液560部(水526.4部にNaPF6 33.6部
を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の
固体をろ過、水及びエチルエーテルで洗浄した。黄色の
固体が105.1部得られた。生成物の融点は、79.
1〜85.7℃で元素分析値は、次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 57.49 57.53 水素 3.99 3.96 イオウ 10.95 10.97 リン 5.28 5.30 フッ素 19.52 19.50 この製造方法に基づいて、構造式
【0044】
【化15】
【0045】のスルホニウム塩を得た。
【0046】合成例4.合成例1で得た化合物40部、
水酸化ナトリウム4.0部、エチレングリコール200
部を仕込み、室温で24時間反応し、その後、水中に注
ぎ込み析出した黄色の固体をろ過し、乾燥し常温で固体
の生成物を得た。生成物の構造式は下記のものであり、
元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0047】
【化16】
【0048】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 48.31 48.26 水素 4.10 4.05 イオウ 8.07 8.05 アンチモン 15.30 15.29 フッ素 14.33 14.31 実施例1.エチレン性不飽和基含有化合物(A)として
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15部、カ
チオン重合性物質(B)として3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシキロヘキサンカル
ボキシレート55部、ビスフェノールAジビニルエーテ
ル30部及び光重合開始剤(C)として合成例1で得た
スルホニウム塩3部を充分に溶解混合して、エネルギー
線硬化性組成物を得た。組成物を入れる容器をのせた三
次元NC(数値制御)テーブル、ヘリウム・カドミウム
レーザー(波長325nm)と、光学系及びパーソナル
コンピューターをメーンとする制御部より構成されてい
る光造形実験システムを用いて、この組成物から底面の
直径12mm、高さ15mm、厚さ0.5mmの円錐を
造形した。この造形物は歪みがなく、極めて造形精度が
高く、かつ機械強度が優れたものであった。
【0049】実施例2.(A)成分として、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート20部、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート10部、(B)成分とし
て、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート45部、トリ
エチレングリコールジビニルエーテル25部及び光重合
開始剤(C)として、合成例2で得たスルホニウム塩3
部を溶解混合してエネルギー線硬化性組成物を得た。実
施例1に示したレーザー光造形実験システムを用いて、
つりがね状の造形物を作成したところ、この造形物は歪
みがなく、極めて造形精度が高く、かつ機械強度の優れ
たものであった。
【0050】実施例3.(A)成分として、ビスフェノ
ールAエポキシアクリレート15部、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート25部、(B)成分として、ビス
フェノールAジグリシジルエーテル10部、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート30部及び(C)成分として
合成例1で得たスルホニウム塩2部、合成例3で得たス
ルホニウム塩1部を溶解・混合してエネルギー線硬化性
組成物を得た。実施例1に示したレーザー光造形実験シ
ステムを用いて、この組成物を60℃に加温しながらコ
ップ状造形物を作成したところ、この造形物は歪みがな
く、造形精度の優れたものが得られた。
【0051】実施例4.(B)成分として、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカボキシレート50部、トリメチロールプロパ
ントリビニルエーテル30部、(A)成分として、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート20部及び
(C)成分として、合成例4で得たスルホニウム塩3部
を溶解・混合してエネルギー線硬化性組成物を得た。実
施例1に示したレーザー光造形実験システムを用いてつ
りがね状の造形物を作成したところ、歪みがなく、機械
的強度、造形精度、表面平滑性の優れたものが得られ
た。各実施例の結果から明らかなように、本発明の組成
物は、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併
用しなくても特定のチオキサントン系スルホニウム塩を
用いることによりエチレン性不飽和基含有化合物とカチ
オン重合性物質を同時に光重合することができ硬化性に
優れ、得られた硬化物は、歪みがなく、機械的強度、造
形精度等が優れていることは明らかである。
【0052】
【発明の効果】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、
エチレン性不飽和基含有化合物及びカチオン重合性物質
からなるものであり、かつラジカル重合開始能力とカチ
オン重合開始能力を合せ持つ特定のスルホニウム塩を重
合開始剤として用いることにより、硬化性に優れ、硬化
物は、歪みがなく、機械的強度、造形精度等が優れた特
に光造形用途に適した硬化物を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和基含有化合物(A)とカ
    チオン重合性物質(B)と式(1) 【化1】 (式中、Xは式(2)で示される基 【化2】 {式中R6-15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、
    ニトロ基、アルコキシ基、C1-20の構造中に、水酸
    基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイル
    基、エポキシ基あるいはアリル基を有しても良い脂肪族
    基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、の
    いずれかから選択された基である。) R1-5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1-15の脂
    肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、エス
    テル基、フェニル基および式(2)で示される基から選
    択された基であり、nは1〜4、Zは式(3)または式
    (4) MQP (3) MQP-1 (OH) (4) (式中、Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子または
    アンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、Pは
    4〜6の整数である。)で示される。}で示されるスル
    ホニウム塩からなる光重合開始剤(C)を含有すること
    を特徴とするエネルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物の硬化物。
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