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JP3942202B2 - 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な特定な構造を有するスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩、それらからなる光重合開始剤、これを含有するエネルギー線の照射により硬化が可能なエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コーティング、液状レジストインキ等の分野において、省エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくものであった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせることは困難で、今までアクリル変性することにより二重結合を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光によりエポキシ樹脂を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのためにエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物とはなりえない。
上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を克服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳香族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭52−14277号公報、特開昭54−53181号公報、特公昭59−19581号公報等に開示されている。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有する組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいという欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべく、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではない。又、光重合性組成物の使用される分野が拡大するにつれて、市場の要求に対応するために、新規な光重合開始剤、それを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容性、硬化性に優れ、その硬化物は臭気が少ないエネルギー線硬化性組成物を提供することに成功した。
すなわち、本発明は、
(1)式(1)
【0005】
【化3】
Figure 0003942202
【0006】
{式中、Xは式(2)で示される基
【0007】
【化4】
Figure 0003942202
【0008】
(式中R6 〜R15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C20の構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、あるいはアリル基を有しても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、のいずれかから選択された基である。)
1 〜R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1-15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、フェニル基、及び式(2)で示される基から選択された基であり、nは1〜4、Zは式(3)または式(4)
【0009】
MQp (3)
MQp-1 (OH) (4)
【0010】
(式中、Mはリン原子、ホウ素原子、ヒ素原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、Pは4〜6の整数である。)で示される。}で示されるスルホニウム塩。
(2)これらの塩からなる光重合開始剤及び
(3)カチオン重合性物質(A)と(1)項記載の光重合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0011】
本発明で用いるカチオン重合性物質(A)としては、例えば、エポキシ樹脂、スチレン、ビニルエーテル等のカチオン重合性ビニル化合物、更にはスピロオルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカーボナートのような環状エーテル類が挙げられる。エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキシド単量体類、エピサルファイド単量体類が挙げられる。
ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示すれば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂として、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロー3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)等が挙げられる。
【0012】
更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例としては、1,4−ブタンジーオルのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0013】
カチオン重合性ビニル化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
【0014】
【化5】
Figure 0003942202
【0015】
及び
【0016】
【化6】
Figure 0003942202
【0017】
等が挙げられる。また、これらカチオン重合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
【0018】
本発明で用いる一般式(1)で表されるスルホニウム塩としては、例えば一般式(5)で表されるチオキサントン系化合物
【0019】
【化7】
Figure 0003942202
【0020】
(式中、R1 〜R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1 〜C15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基から選択された基である。)
と置換または非置換ジフェニルスルホキシド化合物を公知のスルホニウム塩の生成反応を利用する方法(以下1)法という)、2)相当する置換及び非置換のスルホニウム塩をあらかじめ合成し、その後、置換基を変換、導入する方法(以下2)法という)のいずれかにより合成することができる。
先ず1)法を具体的に説明すると式(5)で表されるチオキサントン系化合物(具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、3−メトキシチオキサントン、4−メトキシチオキサントン、1−メチル−4−ヒドロキシチオキサントン、1−メチル−4−クロロチオキサントン、1,2−ジメチル−4−クロロチオキサントン、1,3−ジメチル−4−クロロチオキサントン、2,3,4−トリメチルチオキサントン、3−ニトロチオキサントン、3−エトキシチオキサントン、1,3,4−トリメチル−2−オキシカルボニルメチルチオキサントン、2−オキシカルボニルメチル−4−メチルチオキサントン、2−フェニルチオキサントン、1−カルボニルオキシメチルチオキサントン、1−カルボニルオキシエチル−3−ニトロチオキサントン、1−カルボニルオキシエチル−3−エトキシチオキサントン等を挙げることができる。)と置換または非置換ジフェニルスルホキシド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルスルホシキド、2,2′,4,4−テトラクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド等)を公知の方法、例えば脱水剤(例えば、五酸リン、濃硫酸、無水酢酸等)中で、常温〜100℃で縮合反応を行ない、次いで、これらの反応液を式(3)又は(4)(例えば、NaSbF6 、NaPF6 、NaAsF6 、NaBF4 、NaSbF5 OH、KSbF6 、KPF6 、KAsF6 、KSbF5 OH等)の水溶液に滴下し、スルホニウム塩を得ることができる。
【0021】
2)法を具体的に説明すると、1)法で合成したスルホニウム塩、例えば式(6)
【0022】
【化8】
Figure 0003942202
【0023】
(但し、式中、R1-5 は、式(5)中のR1-5 と同一で、Aはハロゲン原子、Zは前記式(3)または式(4)で示される。)で示される化合物等の公知の方法、例えば、塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等)の存在下、大過剰のモノ又ポリアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、カルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、グリシドール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコール等)を室温〜150℃で、必要に応じて、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤の存在下反応させることにより、前記ハライド化合物のハライド部が例えば、
【0024】
【化9】
Figure 0003942202
【0025】
【化10】
Figure 0003942202
【0026】
【化11】
Figure 0003942202
【0027】
【化12】
Figure 0003942202
【0028】
等の置換基に変換されたスルホニウム塩を得ることができる。
一般式(1)で示される化合物の代表例としては次表1、表2の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【表1】
Figure 0003942202
【0030】
【表2】
Figure 0003942202
本発明の硬化性組成物は、100重量部のカチオン重合性物質(A)対して0.01〜20重量部より好ましくは0.1〜10重量部の前記の式(1)で示されるスルホニウム塩(B)を必須の成分とするが適当な割合は、カチオン重合性物質やエネルギー線の種類、照射量、所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚などさまざまな要因を考慮することによって決定される。カチオン重合性物質へのスルホニウム塩の溶解を容易にするため、あらかじめスルホニウム塩を溶剤類(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解し使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性物質及びスルホニウム塩を混合、溶解あるいは混練等の方法により調製することができる。
【0031】
本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することができる。適当なエネルギー線としては、スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩の分触を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、高、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000オングストローム〜7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、カチオン重合反応を促進するために加熱を併用することも場合によっては好ましい。
本発明の組成物には、さらにカチオン重合を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステル化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のモノマー等)を配合することができる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用する場合には、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンゾイルメチルエーテル等)を使用するのが好ましい。また例えば、電気特製を改良する目的などのため有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリマールその他の可とう性プレポリマーを混合することができる。
【0032】
本発明の組成物は、通常透明な液状として使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いられる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等に使用することができる。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の部は、重量部である。
【0034】
(式(1)で表されるスルホニウム塩の合成例)
実施例1
2,4−ジエチルチオキサントン38.4部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド23.8部、無水酢酸100部及びメタンスルホン酸398部を仕込み、25℃で攪拌しながら約8時間反応を行ない、次いで、この反応混合物をNaSbF6 の水溶液619.9部(水582.8部にNaSbF637.1部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の固体をろ過、水及びエチレンエーテルで洗浄した。黄色の固体が93.0部得られた。生成物の融点は81.1〜87.9℃で元素分析値は次のとおりであった。
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 48.10 48.02
水素 3.25 3.20
イオウ 8.89 8.84
アンチモン 16.71 16.78
フッ素 20.99 20.95
この製造方法に基づいて、構造式
【0035】
【化13】
Figure 0003942202
【0036】
のスルホニウム塩を得た。
【0037】
実施例2.
1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン61部、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド46.1部、無水酢酸200部、及びメタンスルホン酸796部を仕込み、25℃で約8時間反応させ、次いで反応混合物をNaSbF6 の水溶液862.8部(水810.6部にNaSbF6を51.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の固体をろ過し、水及びエチルエーテルで洗浄した。黄色の固体が135.6部得られた。生成物の融点は、105.2〜111.0℃で元素分析値は、次のとおりであった。
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 47.84 47.80
水素 3.52 3.48
イオウ 8.57 8.51
アンチモン 16.20 16.15
フッ素 15.15 15.12
塩素 4.72 4.70
この製造方法に基づいて、構造式
【0038】
【化14】
Figure 0003942202
【0039】
のスルホニウム塩を得た。
実施例3.
2−イソプロピルチオキサントン50.8部、ジフェニルスルホキシド40.4部、無水酢酸200部及びメタンスルホン酸796部を仕込み、25℃で約8時間反応させ、次いで反応混合物をNaPF6 の水溶液560部(水526.4部にNaPF6 33.6部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の固体をろ過、水及びエチルエーテルで洗浄した。黄色の固体が105.1部得られた。生成物の融点は、79.1〜85.7℃で元素分析値は、次のとおりであった。
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 57.49 57.53
水素 3.99 3.96
イオウ 10.95 10.97
リン 5.28 5.30
フッ素 19.52 19.50
この製造方法に基づいて、構造式
【0040】
【化15】
Figure 0003942202
【0041】
のスルホニウム塩を得た。
【0042】
実施例4
実施例1で得た化合物40部、水酸ナトリウム4.0部、エチレングリコール200部を仕込み、室温で24時間反応し、その後、水中に注ぎ込み析出した黄色の固体をろ過し、乾燥し常温で固体の生成物を得た。生成物の構造式は下記のものであり、元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0043】
【化16】
Figure 0003942202
【0044】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 48.31 48.26
水素 4.10 4.05
イオウ 8.07 8.05
アンチモン 15.30 15.29
フッ素 14.33 14.31
【0045】
(組成物の実施例)
実施例5〜8、比較例1、2
表3に示す配合組成(数値は重量部である。)に従ってエネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。これを、アルミテストパネル上に5μの厚さに塗布し高圧水銀灯(80w/cm)で8cmの距離から紫外線を照射し、硬化させた。調整された組成物の透明性、保存安定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試験した。それらの結果を表3に示す。
【0046】
透明性:組成物の透明性を目視判定した。
○・・・・完全に透明である
△・・・・わずかににごりあり
×・・・・白ダクしている
××・・・・すぐに分離する
保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性を調査した。
○・・・・全く変化していない
△・・・・やや増粘している
×・・・・ゲル化している
指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を測定した。
光沢:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を照射した後、硬化塗膜の表面を目
視判定した。
○・・・・光沢が良好である
△・・・・ややくもりがある
×・・・・全く光沢がない
【0047】
臭気:塗布面に1000mJ/cm2照射した後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。
○・・・・全く臭気がない
△・・・・わずかに臭気がある
×・・・・臭気がある
××・・・・臭気が強い
【0048】
【表3】
Figure 0003942202
【0049】
注 *1 化合物1:ジフェニル−4−チオキフェノールキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
*2 化合物2:4,4′−ビス〔ビスフェニルスルホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート
*3 セロキサイド2021:ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂
*4 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂
表3の結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤を含有した組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好であり、硬化塗膜の臭気も小さい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の光重合開始剤を含有したエネルギー線硬化性組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気も小さく、優れた物性の硬化物をあたえる。

Claims (4)

  1. 式(1)
    Figure 0003942202
    {式中、Xは式(2)で示される基
    Figure 0003942202
    (式中R6-R15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1-C20の構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基あるいはアリル基を有しても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、のいずれかから選択された基である。)、R1-R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1-C15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基および式(2)で示される基から選択された基であり、nは1〜4、Zは式(3)または式(4)
    MQP (3)
    MQP-1 (OH) (4)
    (式中、Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、Pは4〜6の整数である。)で示される。}で示されるスルホニウム塩。
  2. 前記式(1)で示されるスルホニウム塩からなる光重合開始剤。
  3. カチオン重合性物質と請求項2記載の光重合開始剤を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物。
  4. 請求項3記載の組成物の硬化物。
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