[go: up one dir, main page]

JP3625219B2 - 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP3625219B2
JP3625219B2 JP15434694A JP15434694A JP3625219B2 JP 3625219 B2 JP3625219 B2 JP 3625219B2 JP 15434694 A JP15434694 A JP 15434694A JP 15434694 A JP15434694 A JP 15434694A JP 3625219 B2 JP3625219 B2 JP 3625219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
composition
compound
formula
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15434694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0761964A (ja
Inventor
哲也 安倍
一彦 石井
実 横島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/255,469 external-priority patent/US5502083A/en
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP15434694A priority Critical patent/JP3625219B2/ja
Publication of JPH0761964A publication Critical patent/JPH0761964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3625219B2 publication Critical patent/JP3625219B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な、特定な構造を有するオニウム塩、これを有効成分とする光重合開始剤、これを含有するエネルギー線の照射により硬化が可能なエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コーティング、液状レジストインキ等の分野において、省エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくものであった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせることは困難で、今までアクリル変性することにより二重結合を導入した材料が主に使用されている。
光によりエポキシ樹脂を硬化する方法として、例えば米国特許第3794576号には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として使用する方法が提案されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は、光分解により窒素ガスを放出し、そのためにエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物とはなりえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のジアゾニウム塩系光重合開始剤の欠点を克服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳香族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭52−14277号公報、特開昭54−53181号公報、特公昭59−19581号公報等に開示されている。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有する組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいという欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべく、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではない。又、光重合性組成物の使用される分野が拡大するにつれて、市場の要求に対応するために、新規な光重合開始剤、それを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容性、(特に各種ビニルエーテルと本発明の光重合開始剤との相容性)、硬化性に優れ、その硬化物の臭気が少ないエネルギー線硬化性組成物を提供することに成功した。
すなわち、本発明は、
(1)下記式(1)で示されるオニウム塩、
【0005】
【化10】
Figure 0003625219
【0006】
(式中Arは1〜4価の芳香族基、Xは置換基を有していてもよいビスフェニルスルホニオ基、aは1〜4、bは0または1〜3、a+bは1〜4、nは1〜4、Zは式(3)
MQ−(−OH) (3)
Mはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子またはアンチモン原子、Qはハロゲン原子、mは3〜6、Lは0又は1、m+Lは4〜6である)で示されるハロゲン化物をそれぞれ表す。)
(2)Arが
【0007】
【化11】
Figure 0003625219
【0008】
であり(これらの芳香族基は、(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルキルオキシカルボニル基、(C〜C)アルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイル基、シアノ基、(C〜C)アルキルチオ基、ハロゲン原子から選択される1つ以上の置換基を有していてもよい。)、置換基を有していてもよいビスフェニルスルホニオ基が式(2)
【0009】
【化12】
Figure 0003625219
【0010】
(ここでR〜R10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C〜C25のアルキル基、炭素数C〜C18の置換基で置換されていてもよいフェニル基、フェノキシ基、フェニルカルボニル基、アルキルチオ基、フェニルチオ基、ベンジルオキシ基、少なくとも1個の水酸基を有するC〜C25の脂肪族基、または式、 −OCHCH(R11)O−(ここでR11は水素原子またはアルキル基である。)で表わされる基を含むC〜C25の脂肪族基である。)で示される基でありaは1〜4、bは0または1〜3、a+bは1〜4,nは1〜4、Zは式(3)
MQ−(−OH) (3)
(ここでMはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子またはアンチモン原子、Qはハロゲン原子、mは3〜6、Lは0又は1、m+Lは4〜6である)で示されるハロゲン化物を表す。)である上記(1)のオニウム塩、
(3)Arが
【0011】
【化13】
Figure 0003625219
【0012】
であり、R〜R10がそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基であり、Mはリン原子又はアンチモン原子である上記(2)のオニウム塩、
(4)R〜Rの少なくとも1つがハロゲン原子、他は水素原子であり、R〜R10の少なくとも1つがハロゲン原子、他は水素原子である上記(3)のオニウム塩、
(5)Arが
【0013】
【化14】
Figure 0003625219
【0014】
であり、R及びRがハロゲン原子であり、R、R、R〜R、R、R10は水素原子であり、aは2、bは0、nは2であり、Mはリン原子またはアンチモン原子でありmは6、Lは0である上記(2)のオニウム塩、
(6)ハロゲン原子がフッ素原子である上記(5)のオニウム塩、
(7)式
【0015】
【化15】
Figure 0003625219
【0016】
で表わされるオニウム塩、
(8)式
【0017】
【化16】
Figure 0003625219
【0018】
で表わされるオニウム塩、
(9)上記(1)〜(8)のオニウム塩を有効成分とする光重合開始剤、
(10)カチオン重合性物質と上記(1)〜(8)のオニウム塩を含有するエネルギー線硬化性組成物、
(11)カチオン重合性物質がエポキシ系化合物、ビニルエーテル系化合物又は環状エーテル系化合物である上記(10)の組成物、
(12)エポキシ系化合物が脂環式エポキシ樹脂である上記(11)の組成物、
(13)ビニルエーテル系化合物がトリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
【0019】
【化17】
Figure 0003625219
【0020】
又はウレタンポリビニルエーテルである上記(11)の組成物、
(14)オニウム塩が上記(7)又は(8)のオニウム塩である上記(10)の組成物、
(15)エネルギー線が紫外線である上記(10)の組成物、
(16)カチオン重合性物質100重量部に対し、オニウム塩を0.01〜20重量部含有する上記(10)の組成物、
(17)脂環式エポキシ樹脂100重量部に対し、上記(7)又は(8)のオニウム塩を0.1〜10重量部含有する紫外線硬化性組成物、
(18)ビニルエーテル系化合物100重量部に対し、上記(7)又は(8)のオニウム塩を0.1〜10重量部含有する紫外線硬化性組成物、
(19)ビニルエーテル系化合物がトリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
【0021】
【化18】
Figure 0003625219
【0022】
又はウレタンポリビニルエーテルである上記(18)の組成物、
(20)上記(10)〜(19)の組成物の硬化物、
(21)上記(10)〜(19)の組成物にエネルギー線を照射することを特徴とする該組成物の硬化方法、
(22)エネルギー線が紫外線である上記(21)の硬化方法、
に関する。
一般式(1)においてArの1〜4価の芳香族基としては、例えば
【0023】
【化19】
Figure 0003625219
【0024】
等、があげられるが、m−フェニレン基
【0025】
【化20】
Figure 0003625219
【0026】
等、結合位置がメタ位(1、3位)の関係にある2価の基が好ましい。なお、1〜4価の芳香族基はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のC〜Cのアルキル基、(C〜C)アルキルカルボニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、(C〜C)アルコキシ基、ベンゾイル基、フェニル基、フェニルチオ基、(C〜C)アルキルチオ基、シアノ基等の置換基を1種以上有していてもよい。
【0027】
Xの、置換基を有していてもよいビスフェニルスルホニオ基としては、例えば上記式(2)で表される基があげられる。式(2)の置換基R〜R10において、ハロゲン原子としては例えばF、Cl、Br、I等があげられるが、Fが好ましい。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等のC〜C25のアルコキシ基、好ましくはC〜Cのアルコキシ基があげられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のC〜C25のアルキル基、好ましくはC〜Cのアルキル基があげられる。C〜C18の置換基で置換されてもよいフェニル基における置換基としては、例えばノニル基で例示されるC〜C18のアルキル基が好ましく、又、その置換位置はp−位が好ましい。アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基等のC〜Cのアルキルチオ基があげられる。少なくとも1個の水酸基を有するC〜C25の脂肪酸基としては、例えば
【0028】
【化21】
Figure 0003625219
【0029】
、−O−CHCHCHCH−OH等の下記式
−Y−R−(−OH)
(ここでYはO又はS、Rはメチル基、エチル基等のC〜Cのアルキル基を有していてもよい、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン等のC〜C25のポリメチレン又はC〜C10のシクロアルキレン、hは1〜3を示す。)で表される基があげられる。
式 −OCHCH(R11)O−で表される基を含むC〜C25の脂肪族基としては例えば−(−OCHCH−)−OH、−(−OCHCH−)−OH、−(−OCHCH−)−OCH等の下記式
【0030】
【化22】
Figure 0003625219
【0031】
(ここでR12は水素原子又はアルキル基、iは2〜12、好ましくは2〜5を示し、R11は前記と同じ)で表される基、
【0032】
【化23】
Figure 0003625219
【0033】
(ここでjは1〜10の整数、kは1又は2、R11は前記と同じ)で表される基があげられる。なお、R11としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のC〜Cのアルキル基があげられる。
これらの基のうち、好ましいものとしては▲1▼ハロゲン原子、▲2▼アルキル基、▲3▼アルコキシ基、▲4▼少なくとも1個の水酸基を有するC〜C25の脂肪族基、▲5▼式−OCHHC(R11)O−で表される基を含むC〜C25の脂肪族基があげられる。
【0034】
上記式(2)のR〜R10の置換基の組み合わせとしては(a)R〜R10のすべてが水素原子、(b)R〜R10のうち9〜6個が水素原子であり、1〜4個が水素原子以外の基である。(b)のうち、好ましくは(c)R〜Rのうち3〜4個が水素原子であり、1〜2個が水素原子以外の基、R〜R10のうち3〜5個が水素原子であり、0〜2個が水素原子以外の基である。
(c)をさらに詳細に述べると(d)R、R、Rのうちいずれか1つが、好ましくはR又はRが上記水素原子以外の基であり、他は水素原子、(e)R、R、Rのうちいずれか1つ又は2つ及びR、R、Rのうちいずれか1つ又は2つが上記▲1▼〜▲3▼の基であり他は水素原子である。(e)においてより好ましい態様は、R、Rが上記▲1▼〜▲3▼の基、好ましくはハロゲン原子であり、他は水素原子である。
【0035】
上記一般式(1)において、aは好ましくは1〜2、bは好ましくは0、nは好ましくは1〜2である。
上記一般式(1)の式(3)において好ましいMとしてはリン原子、アンチモン原子があげられ、好ましいハロゲン原子としてフッ素原子があげられる。mは5〜6、Lは0が好ましい。好ましい具体例としては、例えばPF、SbFがあげられる。
上記式(1)で表される本発明のオニウム塩としては、例えば次のスルホニウム塩化合物があげられる。
【0036】
【化24】
Figure 0003625219
【0037】
【化25】
Figure 0003625219
【0038】
【化26】
Figure 0003625219
【0039】
【化27】
Figure 0003625219
【0040】
【化28】
Figure 0003625219
【0041】
【化29】
Figure 0003625219
【0042】
本発明のオニウム塩は、(1)出発原料として式(5)
【0043】
【化30】
Figure 0003625219
【0044】
(式中Ar、cは前記と同じ意味を表す。)で表されるジフェニルスルフィド系化合物と、式(4)
【0045】
【化31】
Figure 0003625219
【0046】
(式中R〜R10は前記と同じ意味を表す。)で表される置換又は非置換ジフェニルスルホキシド化合物を公知のスルホニウム塩の生成反応を利用する方法(以下(1)法という)、(2)相当する置換及び非置換のスルホニウム塩をあらかじめ合成し、その後、置換基を変換、導入する方法(以下(2)法という)のいずれかにより合成することができる。
先ず(1)法を具体的に説明すると、式(5)で表されるジフェニルスルフィド系化合物と、式(4)で表される置換又は非置換ジフェニルスルホキシド化合物を、前者の末端スルフィド基1当量に対し、好ましくは0.25〜1.2モル、さらに好ましくは1.0〜1.1モルの範囲で、公知の方法、例えば脱水剤(例えば、五酸化リン、濃硫酸、無水酢酸等)中で、常温〜150℃で縮合反応を行い、次いでこれら反応液を式(3′)
B−MQ−(−OH) (3′)
(ここでBはアルカリ金属、M、Q、m、Lは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の水溶液に滴下すればよい。
式(5)で表される化合物としては、例えば次の化合物があげられる。
【0047】
【化32】
Figure 0003625219
【0048】
式(4)で表される化合物としては、例えば、ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2′,4,4′−テトラクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド、4−フェニルカルボニルジフェニルスルホキシド、4−ベンジルオキシジフェニルスルホキシド、2−ニトロジフェニルスルホキシド、4−フェニルジフェニルスルホキシド、4−(p−ノニルフェニル)ジフェニルスルホキシド、4−フェニルオキシジフェニルスルホキシド等があげられる。
【0049】
上記式(3′)においてAとしては例えばNa、K等のアルカリ金属があげられる。式(3′)で表される化合物としては、例えば、NaSbF、NaPF、NaAsF、NaBF、NaSbFOH、KSbF、KPF、KAsF、KSbFOH等があげられる。
【0050】
上記式(5)で表される化合物は芳香族カルボン酸化合物とジフェニルスルフィドを反応させることにより得ることができる。反応溶媒としてアルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸等)に無水リン酸を溶解させたものを用いるのが好ましく、反応温度は、常温〜130℃が好ましい。反応時間は0.5〜15時間が好ましい。前記芳香族カルボン酸化合物とジフェニルスルフィドの使用割合は、芳香族カルボン酸化合物中のカルボン酸1当量に対して、ジフェニルスルフィドを約1モル比で反応させるのが好ましい。
【0051】
芳香族カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、o−メチル−安息香酸、m−メチル−安息香酸、p−メチル−安息香酸、3,5−ジメチル−安息香酸、p−エチル−安息香酸、p−ブチル−安息香酸、o−メチルカルボニルオキシ安息香酸、p−メチルオキシカルボニル安息香酸、o−クロル安息香酸、m−クロル安息香酸、p−クロル安息香酸、2,4−ジクロル安息香酸、o−フルオロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸、p−フェニル安息香酸、ナフタリン−2−カルボン酸、p−フェニルチオ安息香酸、o−シアノ安息香酸、p−シアノ安息香酸、p−メチルチオ安息香酸、等の芳香族モノカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタリン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、
【0052】
【化33】
Figure 0003625219
【0053】
等の芳香族モノ又はポリカルボン酸類があげられる。
次に(2)法を具体的に説明する。(2)法は上記一般式(1)において、式(2)におけるR〜R10の少なくとも1つが、アルコキシ基、少なくとも1個の水酸基を有するC〜C25の脂肪族基又は、式 −O−CH(R11)CH−O−で表される基を含むC〜C25の脂肪族基である化合物の製造に適している。この方法は(1)法で合成したスルホニウム塩、例えば式(6)
【0054】
【化34】
Figure 0003625219
【0055】
(式中Aはハロゲン原子、Ar、a、b、n、Zは前記と同じ意味を表す。)で示される化合物等のハライド化合物とアルコール類を、公知の方法、例えば塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の存在下、室温〜150℃で反応させればよい。アルコール類としては例えば、メタノール、エタノール、カルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、モノヒドロキシエチルチオール等があげられる。
この(2)法により、前記ハライド化合物のハライド部が、例えば−OCH、−OC、−(OCHCH−OCH、−OCHCH−OH、−(OCHCH −OH、−OCHCH(CH)−OH、−SCHCHOH、−OCH−CH(OH)−CH−OH、
【0056】
【化35】
Figure 0003625219
【0057】
、−O−CHCHCHCH−OH等の置換基に変換されたオニウム塩を得ることができる。又、(2)法によって得られた置換基が水酸基を有する置換基に変換された化合物をさらにその水酸基にラクトン類(例えば、ε−カプロラクトン等)や、酸類(例えば、酢酸、無水酢酸等)を公知の方法で反応させたオニウム塩も本発明に含まれる。
【0058】
次に本発明のエネルギー線硬化性組成物について説明する。
この組成物に用いられるカチオン重合性物質としては、例えばエポキシ系化合物、スチレン、ビニルエーテル等のカチオン重合性ビニルエーテル系化合物、更には環状エーテル系化合物(好ましくはスピロオルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカーボナートのようなスピロ環状エーテル系化合物)が挙げられる。
エポキシ系化合物としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキシド単量体、エピサルファイド単量体類が挙げられる。
【0059】
ここで、芳香族エポキシ樹脂を例示すれば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0060】
また、脂環式エポキシ樹脂として、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)等が挙げられる。
【0061】
更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例としては、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
カチオン重合性ビニルエーテル系化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
【0062】
【化36】
Figure 0003625219
【0063】
及びウレタンポリビニルエーテル(例えば、ALLIED−SIGNAL社製、VECtomer 2010)等が挙げられる。
これらカチオン重合性物質は、単独又は2種以上の混合物として使用される。
【0064】
本発明の硬化性組成物は、100重量部のカチオン重合性物質に対して0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の前記の式(1)で示されるオニウム塩を有効成分とする光重合開始剤を必須の成分とするが、具体的な使用割合は、カチオン重合性物質の性質やエネルギー線の種類、照射量、所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚などさまざまな要因を考慮することによって決定される。カチオン重合性物質への光重合開始剤の溶解を容易にするため、あらかじめ光重合開始剤を溶剤類(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテート、γブチロラクトン等)に溶解し使用することができる。本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性物質及び光重合開始剤を混合、溶解あるいは混練等の方法により、混合することにより調製することができる。
【0065】
本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することができる。適当なエネルギー線としては、光重合開始剤の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、好ましくは高、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000オングストローム〜7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギー線や電子線、X線、放射線等の電磁波エネルギー線(高エネルギー線)を使用するが、紫外線が好ましい。エネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、カチオン重合反応を促進するために、場合によっては加熱することも好ましい。
【0066】
本発明の組成物には、さらにカチオン重合を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステル化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メシ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のモノマー等)を配合することができる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用する場合には、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンゾイルメチルエーテル等)も併用するのが好ましい。また例えば、電気特性を改良する目的などのため有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリオールその他の可とう性プレポリマーを混合することができる。
【0067】
本発明の組成物は、主に物品の表面に、例えば1μm〜200μm、好ましくは3μm〜50μmの厚さで塗布されるもので、通常透明な液状として使用されるが、用途によっては不活性な顔料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いられる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等に使用することができる。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、インキ、接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤等が挙げられる。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお合成例及び実施例中の部は重量部である。
【0069】
(式(5)で表されるジフェニルスルフィド系化合物の合成例)
合成例1 (式(i)の化合物の合成)
メタンスルホン酸161.7部、五酸化リン16.2部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィド18.6部及び安息香酸12.2部を仕込み、80℃で1時間反応を行い、液体クロマトグラフィーにて反応が終了していることを確認し、この反応混合物を水酸化カリウム水溶液1000部(水800部に水酸化カリウム200部を溶解させたもの。)に滴下し、沈殿物をろ別、乾燥し、次いでこれをエタノール400部に加熱(60℃)溶解し、5℃まで冷却後、析出物をろ別、乾燥し、白色の固体(i)を20.3部得た。生成物の融点は69〜70℃であった。
【0070】
合成例2 (式(ii)の化合物の合成)
メタンスルホン酸180.3部、五酸化リン18.3部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィド18.6部及びp−メチル安息香酸13.6部を仕込み80℃で1時間反応を行ない液体クロマトグラフィーにて反応が終了していることを確認し、この反応混合物を合成例1と同様に処理を行ない白色の固体(ii)を20.2部得た。生成物の融点は117〜118℃であった。
【0071】
合成例3 (式(iii )の化合物の合成)
メタンスルホン酸208.2部、五酸化リン20.8部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィド18.6部及びp−クロロ安息香酸15.7部を仕込み80℃で1時間反応を行い液体クロマトグラフィーにて反応が終了していることを確認し、この反応混合物を合成例1と同様に処理を行い白色の固体(iii )を21.6部得た。生成物の融点は134〜135℃であった。
【0072】
合成例4 (式(iv)の化合物の合成)
メタンスルホン酸238.6部、五酸化リン23.9部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィド18.6部及びp−メチルオキシカルボニル安息香酸18.0部を仕込み、80℃で1時間反応を行い液体クロマトグラフィーにて反応が終了していることを確認し、この反応混合物を合成例1と同様に処理を行い白色の固体(iv)を21.6部得た。生成物の融点は145〜148℃であった。
【0073】
合成例5 (式(v)の化合物の合成)
メタンスルホン酸220.1部、五酸化リン22.0部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィド37.2部及びイソフタル酸16.6部を仕込み、80℃で6時間反応を行い、液体クロマトグラフィーにて反応が終了していることを確認し、この反応混合物を合成例1と同様に処理を行い白色の固体(v)を35.2部得た。生成物の融点は147〜152℃であった。
【0074】
合成例6 (式(vi)の化合物の合成)
メタンスルホン酸286.4部、五酸化リン28.6部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィド、37.2部、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸21.6部を仕込み、80℃で6時間反応を行い液体クロマトグラフィーにて反応が終了していることを確認し、この反応混合物を合成例1と同様に処理を行い白色の固体(vi)を37.0部得た。生成物の融点は195〜200℃であった。
【0075】
(式(1)で示されるオニウム塩の合成実施例)
実施例1 (化合物(a)の合成)
合成例1で得た化合物(4−ベンゾイル−ジフェニルスルフィド)29.0部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド23.9部、五酸化リン39.8部及び溶媒としてメタンスルホン酸398部を仕込み、80℃に加熱し、攪拌しながら3時間反応を行い、次いで、この反応混合物を攪拌しながら、5℃のNaPFの水溶液280.0部(水263.2部にNaPF16.8部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、次いでろ別、乾燥後、白色の固体(化合物(a))を46.0部得た。生成物の融点は131〜139℃であり、元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0076】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 56.72 56.71
水素 3.24 3.22
イオウ 9.79 9.77
リン 4.75 4.72
フッ素 23.17 23.15
【0077】
実施例2 (化合物(b)の合成)
合成例2で得た化合物(4−(p−メチルベンゾイル)−ジフェニルスルフィド)30.4部、ジフェニルスルホキシド20.2部、濃硫酸179.8部を仕込み、室温で24時間反応を行ない、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、5℃のNaSbFの水溶液431.1部(水405.3部にNaSbFを25.8部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ別、乾燥後、白色の固体(化合物(b))を50.8部得た。生成物の融点は110〜118℃であり、元素分析の結果は、計算値にほぼ一致した。
【0078】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 52.98 52.99
水素 3.48 3.47
イオウ 8.85 8.84
アンチモン 16.80 16.78
フッ素 15.73 15.71
【0079】
実施例3 (化合物(c)の合成)
合成例3で得た化合物(4−(p−クロロベンゾイル)−ジフェニルスルフィド)32.5部、4,4′−ジブロム・ジフェニルスルホキシド36部、濃硫酸240.6部を仕込み、室温で24時間反応を行い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、5℃のNaSbFの水溶液431.1部(水405.3部にNaSbFを25.8部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却しろ別し、乾燥後、白色の固体(化合物(c))を63.3部得た。生成物の融点は125〜129℃であり、元素分析の結果は、計算値にほぼ一致した。
【0080】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 41.22 41.21
水素 2.24 2.23
イオウ 7.10 7.10
塩素 3.93 3.92
臭素 17.72 17.69
アンチモン 13.49 13.47
フッ素 12.65 12.62
【0081】
実施例4 (化合物(d)の合成)
合成例4で得た化合物34.8部、ジフェニルスルホキシド20.2部、濃硫酸173.1部を仕込み、室温で24時間反応を行い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、0℃のNaSbFの水溶液431.1部(水405.3部にNaSbFを26.8部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ別、乾燥後、白色のワックス状の生成物(化合物(d))を53.9部得た。元素分析の結果は、計算値にほぼ一致した。
【0082】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 51.54 51.52
水素 3.30 3.28
イオウ 8.35 8.33
アンチモン 15.83 15.82
フッ素 14.84 14.82
【0083】
実施例5 (化合物(e)の合成)
合成例5で得た化合物50.3部、ジフェニルスルホキシド40.4部、濃硫酸208.1部を仕込み、室温で24時間反応を行い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、室温のNaSbF水溶液862.3部(水810.6部にNaSbFを51.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ別、乾燥後、白色の固体(化合物(e))を94.1部得た。生成物の融点は152〜162℃であり、元素分析の結果は、計算値にほぼ一致した。
【0084】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 50.05 50.03
水素 3.02 3.00
イオウ 9.57 9.54
アンチモン 18.11 18.10
フッ素 16.99 16.96
【0085】
実施例6 (化合物(f)の合成)
合成例6で得た化合物55.3部、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド46.1部、濃硫酸233.4部を仕込み、室温で24時間反応を行い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、室温のNaSbFの水溶液862.3部(水810.6部にNaSbFを51.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過、乾燥し、次いでイソプロパノール650部で加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ別、乾燥後、白色の固体(化合物(f))を96.5部得た。生成物の融点は201〜205℃であり、元素分析の結果は、計算値にほぼ一致した。
【0086】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 52.23 52.20
水素 3.55 3.53
イオウ 8.98 8.97
アンチモン 17.09 17.06
フッ素 15.99 15.98
【0087】
実施例7 (化合物(g)の合成)
合成例5で得た化合物50.3部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド47.6部、濃硫酸225.4部を仕込み、室温で24時間反応を行い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、室温のNaSbF水溶液862.3部水810.6部にNaSbFを51.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過し、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱し(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ過し、乾燥し、白色の固体(化合物(g))を94.1部得た。生成物の融点は163〜172℃であり、元素分析の結果は計算値とほぼ一致した。
【0088】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 47.51 47.48
水素 2.58 2.56
イオウ 9.07 9.05
アンチモン 17.20 17.18
フッ素 21.49 21.46
【0089】
実施例8 (化合物(h)の合成)
実施例1で得た化合物32.8部、水酸化ナトリウム4.0部、1,4−ブタンジオール100部を仕込み、室温で24時間反応し、その後、水中に注ぎ込み、油状物を分液し、乾燥して淡黄色液状の生成物(化合物(h))を41.8部得た。元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0090】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 52.80 52.78
水素 4.45 4.43
イオウ 7.23 7.22
アンチモン 13.70 13.71
フッ素 12.85 12.84
【0091】
実施例9 (化合物(j)の合成)
実施例7で得た化合物70.8部、水酸化ナトリウム4.0部、エチレングリコール200部を仕込み、室温で24時間反応し、その後、水中に注ぎ込み析出した白色の固体をろ過し、乾燥し常温で固体の生成物を得た。次いで上記の生成物78.2部、ε−カプロラクトン48.5部、塩化第一スズ0.04部を仕込み、120℃で15時間反応し、ε−カプロラクトンが反応混合物中、1%以下であることを確認し反応を終了し、液状の生成物(化合物(j))を126.7部得た。元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0092】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 53.86 53.84
水素 5.48 5.49
イオウ 5.15 5.13
アンチモン 9.76 9.75
フッ素 9.13 9.13
【0093】
実施例10 (化合物(k)の合成)
合成例5で得た化合物50.3部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド47.6部、濃硫酸225.4部を仕込み、室温で24時間反応を行い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、室温のNaPF水溶液559.8部(水526.6部にNaPFを33.6部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色の固体をろ過し、乾燥し、次いでイソプロパノール650部に加熱し(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、ろ過し、乾燥し、白色の固体(化合物(k))を104.9部得た。生成物の融点は154〜163℃であり、元素分析の結果は計算値とほぼ一致した。
【0094】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 54.48 54.46
水素 2.97 2.94
イオウ 10.35 10.38
リン 5.01 5.02
フッ素 24.59 24.61
【0095】
(組成物の実施例)
実施例11〜30、比較例1〜6
表1及び2に示す配合組成(数値は重量部である。)に従ってエネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。これを、アルミテストパネル上に5μに塗布し高圧水銀灯(80W/cm)で8cmの距離から紫外線を照射し、硬化させた。調製された組成物の透明性、保存安定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試験した。それらの結果を表1及び2に示す。
(試験方法)
【0096】
透明性:組成物の透明性を目視判定した。
○・・・・完全に透明である
△・・・・わずかににごりあり
×・・・・白ダクしている
××・・・・すぐに分離する
保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性を調査した。
○・・・・全く変化していない
△・・・・やや増粘している
×・・・・ゲル化している
指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm)を測定した。
光沢:指触乾燥するまで紫外線を照射した後、硬化塗膜の表面を目視判定した。
○・・・・光沢が良好である
△・・・・ややくもりがある
×・・・・全く光沢がない
臭気:塗布面に1000mJ/cm照射した後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。
○・・・・全く臭気がない
△・・・・わずかに臭気がある
×・・・・臭気がある
××・・・・臭気が強い
【0097】
【表1】
Figure 0003625219
【0098】
【表2】
Figure 0003625219
【0099】
表1及び2の結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤を含有した組成物は、相容性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好であり、硬化塗膜の臭気も小さい。
【0100】
【発明の効果】
本発明の光重合開始剤を含有したエネルギー線硬化性組成物は、相容性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気も小さく、又、金属との密着性の良好な、優れた物性の硬化物をあたえる。

Claims (16)

  1. 下記式(1)で示されるオニウム塩。
    Figure 0003625219
    (式中Arは
    Figure 0003625219
    であり、Xは式(2)
    Figure 0003625219
    (ここでR及びRは水素原子、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、または式−OCHCHO−で表わされる基を含むC〜C25の脂肪族基である。)で示される基であり、aは2、bは0、nは2、Zは式(3)
    [化4]
    MQ (3)
    (Mはリン原子またはアンチモン原子、Qはハロゲン原子)で示されるハロゲン化物を表す。)
  2. 及びRのハロゲン原子がフッ素原子である請求項1記載のオニウム塩。

  3. Figure 0003625219
    で表わされる請求項1記載のオニウム塩。

  4. Figure 0003625219
    で表わされる請求項1記載のオニウム塩。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオニウム塩を有効成分とする光重合開始剤。
  6. カチオン重合性物質と請求項1〜4のいずれか一項に記載のオニウム塩を含有するエネルギー線硬化性組成物。
  7. カチオン重合性物質がエポキシ系化合物、ビニルエーテル系化合物又は環状エーテル系化合物である請求項6記載の組成物。
  8. カチオン重合性物質がエポキシ系化合物であり、該エポキシ系化合物が脂環式エポキシ樹脂である請求項7記載の組成物。
  9. カチオン重合性物質がビニルエーテル系化合物であり、該ビニルエーテル系化合物がトリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
    Figure 0003625219
    又はウレタンポリビニルエーテルである請求項7記載の組成物。
  10. エネルギー線が紫外線である請求項6記載の組成物。
  11. カチオン重合性物質100重量部に対し、オニウム塩を0.01〜20重量部含有する請求項6記載の組成物。
  12. 脂環式エポキシ樹脂100重量部に対し、請求項3又は4に記載のオニウム塩を0.1〜10重量部含有する請求項8記載の組成物。
  13. ビニルエーテル系化合物100重量部に対し、請求項3又は4に記載のオニウム塩を0.1〜10重量部含有する請求項9記載の組成物。
  14. 請求項6〜13のいずれか一項に記載の組成物の硬化物。
  15. 請求項6〜13のいずれか一項に記載の組成物にエネルギー線を照射することを特徴とする該組成物の硬化方法。
  16. エネルギー線が紫外線である請求項15記載の硬化方法。
JP15434694A 1993-06-18 1994-06-14 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 Expired - Fee Related JP3625219B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15434694A JP3625219B2 (ja) 1993-06-18 1994-06-14 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17085393 1993-06-18
JP5-170853 1993-06-18
US08/255,469 US5502083A (en) 1993-06-18 1994-06-08 Onium salt, photopolymerization initiator, energy ray-curing composition containing the initiator, and cured product
JP15434694A JP3625219B2 (ja) 1993-06-18 1994-06-14 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0761964A JPH0761964A (ja) 1995-03-07
JP3625219B2 true JP3625219B2 (ja) 2005-03-02

Family

ID=27320649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15434694A Expired - Fee Related JP3625219B2 (ja) 1993-06-18 1994-06-14 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3625219B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3849989B2 (ja) * 1996-04-09 2006-11-22 株式会社Adeka 光学的立体造形用樹脂組成物および光学的立体造形法
JP4204113B2 (ja) * 1997-12-04 2009-01-07 株式会社Adeka 新規な芳香族スルホニウム化合物、これからなる光酸発生剤およびこれを含む光重合性組成物、光造形用樹脂組成物ならびに光学的立体造形法
KR100846418B1 (ko) 2002-08-30 2008-07-16 도요 고세이 고교 가부시키가이샤 패턴 형성 방법
JP2005105225A (ja) * 2003-10-02 2005-04-21 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 活性光線硬化型インクジェットインク組成物
JP4595311B2 (ja) * 2003-11-06 2010-12-08 コニカミノルタエムジー株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク組成物、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP4866606B2 (ja) * 2005-12-28 2012-02-01 富士フイルム株式会社 感光性組成物及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法
JP5084289B2 (ja) * 2007-02-05 2012-11-28 東洋合成工業株式会社 スルホニウム塩
JP5084288B2 (ja) * 2007-02-05 2012-11-28 東洋合成工業株式会社 スルホニウム塩
JP5101343B2 (ja) 2008-03-03 2012-12-19 株式会社ダイセル 微細構造物の製造方法
KR101592960B1 (ko) 2009-10-01 2016-02-12 히타치가세이가부시끼가이샤 유기 일렉트로닉스용 재료, 유기 일렉트로닉스 소자, 유기 일렉트로 루미네센스 소자, 및 그것을 사용한 표시 소자, 조명 장치, 표시 장치
JP5635526B2 (ja) * 2009-10-26 2014-12-03 株式会社Adeka 芳香族スルホニウム塩化合物
KR20140108701A (ko) 2010-04-22 2014-09-12 히타치가세이가부시끼가이샤 유기 일렉트로닉스 재료, 중합 개시제 및 열중합 개시제, 잉크 조성물, 유기 박막 및 그 제조 방법, 유기 일렉트로닉스 소자, 유기 일렉트로 루미네센스 소자, 조명 장치, 표시 소자, 및 표시 장치
JP5772642B2 (ja) * 2012-02-09 2015-09-02 Jsr株式会社 硬化性樹脂組成物、表示素子用硬化膜、表示素子用硬化膜の形成方法及び表示素子
WO2014136900A1 (ja) 2013-03-08 2014-09-12 日立化成株式会社 イオン性化合物を含有する処理液、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロニクス素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0761964A (ja) 1995-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3942202B2 (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
US6054501A (en) Photopolymerization initiator and energy ray curable composition containing the same
JP3844824B2 (ja) エネルギー線硬化性エポキシ樹脂組成物、光学的立体造形用樹脂組成物及び光学的立体造形方法
JP3625219B2 (ja) 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH10287643A (ja) 新規オニウム塩、光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
US20030176525A1 (en) Energy-ray curing resin composition
US7709548B2 (en) Method for manufacturing monosulfonium salt, cationic polymerization initiator, curable composition, and cured product
US5502083A (en) Onium salt, photopolymerization initiator, energy ray-curing composition containing the initiator, and cured product
JPH10212286A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
WO1999048945A1 (fr) Composition photodurcissable contenant un sel d'iodonium
JPH107649A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH107680A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH06345726A (ja) 新規スルホニウム塩化合物および重合開始剤
JPH0725922A (ja) エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH10245378A (ja) 新規スルホニウム塩、それからなる光重合開始剤及びエネルギー線硬化性組成物
JPH08157510A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH0710914A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP3424771B2 (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH09278813A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH10204083A (ja) 新規スルホニウム塩、光重合開始剤、エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP3402520B2 (ja) エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP3424772B2 (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH09143212A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP2001288205A (ja) 光カチオン重合開始剤及びそれを含有する光硬化性樹脂組成物
JPH10152495A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees