JPH08295787A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
フェノール樹脂成形材料Info
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- JPH08295787A JPH08295787A JP10245295A JP10245295A JPH08295787A JP H08295787 A JPH08295787 A JP H08295787A JP 10245295 A JP10245295 A JP 10245295A JP 10245295 A JP10245295 A JP 10245295A JP H08295787 A JPH08295787 A JP H08295787A
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- Japan
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- hexamethylenetetramine
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- thermoplastic resin
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 フェノール樹脂、流動層においてヘキサメチ
レンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサメチレ
ンテトラミンに熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した溶液
をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミンの熱可塑
性樹脂被覆物、及び充填材を含有することを特徴とする
フェノール樹脂成形材料。 【効果】 本発明のフェノール樹脂成形材料は、可塑化
溶融状態での熱安定性と高温時の硬化性が極めて優れて
いるので、特に射出成形機において、射出成形機のシリ
ンダー内で可塑化溶融樹脂の硬化反応の進行が著しく抑
制され、かつ金型内では速やかに硬化するため、幅広い
成形条件に適応でき、極めて成形加工性に優れている。
また、このフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態で
の熱安定性が極めて優れているため、スプルー・ランナ
ーレス成形にも極めて適している。
レンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサメチレ
ンテトラミンに熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した溶液
をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミンの熱可塑
性樹脂被覆物、及び充填材を含有することを特徴とする
フェノール樹脂成形材料。 【効果】 本発明のフェノール樹脂成形材料は、可塑化
溶融状態での熱安定性と高温時の硬化性が極めて優れて
いるので、特に射出成形機において、射出成形機のシリ
ンダー内で可塑化溶融樹脂の硬化反応の進行が著しく抑
制され、かつ金型内では速やかに硬化するため、幅広い
成形条件に適応でき、極めて成形加工性に優れている。
また、このフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態で
の熱安定性が極めて優れているため、スプルー・ランナ
ーレス成形にも極めて適している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱安定性、硬化性に優れ
たフェノール樹脂成形材料に関するものであり、特に射
出成形において射出成形機のシリンダー内での可塑化溶
融状態での熱安定性が優れ、金型内では速やかに硬化す
るような成形加工性の著しく優れたフェノール樹脂成形
材料を提供するものである。
たフェノール樹脂成形材料に関するものであり、特に射
出成形において射出成形機のシリンダー内での可塑化溶
融状態での熱安定性が優れ、金型内では速やかに硬化す
るような成形加工性の著しく優れたフェノール樹脂成形
材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は耐熱性、電気
性能、機械特性などが優れているため、自動車部品、電
子電気部品、機械部品などの広範囲の分野に利用されて
いる。しかし、従来のフェノール樹脂成形材料は、90
〜130℃に可塑化された溶融状態では材料中の樹脂の
硬化反応の進行によって粘度が増大し、3〜10分で流
動性を失う性質を有しており、可塑化溶融樹脂の熱安定
性が極めて低い。このため、従来のフェノール樹脂成形
材料を射出する場合、射出成形機のシリンダー内での可
塑化溶融された成形材料の熱安定性が劣り、適正な成形
条件が極めて狭いという問題がある。
性能、機械特性などが優れているため、自動車部品、電
子電気部品、機械部品などの広範囲の分野に利用されて
いる。しかし、従来のフェノール樹脂成形材料は、90
〜130℃に可塑化された溶融状態では材料中の樹脂の
硬化反応の進行によって粘度が増大し、3〜10分で流
動性を失う性質を有しており、可塑化溶融樹脂の熱安定
性が極めて低い。このため、従来のフェノール樹脂成形
材料を射出する場合、射出成形機のシリンダー内での可
塑化溶融された成形材料の熱安定性が劣り、適正な成形
条件が極めて狭いという問題がある。
【0003】従来、この問題を解決する方法として成形
材料の流動性を増大させるなど各種の方法が知られてい
るが、可塑化溶融状態での熱安定性を向上させると金型
内での160〜200℃における硬化反応が遅くなり、
一方、金型内での硬化性を向上させると熱安定性が劣る
ようになり、可塑化溶融状態の熱安定性と金型内の硬化
性とを同時に兼ね備えたフェノール樹脂成形材料を得る
ことは困難であった。
材料の流動性を増大させるなど各種の方法が知られてい
るが、可塑化溶融状態での熱安定性を向上させると金型
内での160〜200℃における硬化反応が遅くなり、
一方、金型内での硬化性を向上させると熱安定性が劣る
ようになり、可塑化溶融状態の熱安定性と金型内の硬化
性とを同時に兼ね備えたフェノール樹脂成形材料を得る
ことは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱安定性、
硬化性に優れたフェノール樹脂成形材料を得るため種々
の検討の結果なされたものであり、その目的とするとこ
ろは、射出成形の時にシリンダー内での可塑化溶融状態
での熱安定性が著しく優れ、金型内での硬化性も優れた
フェノール樹脂成形材料、さらには、スプルー・ランナ
ーレス射出成形に適したフェノール樹脂成形材料を提供
するにある。
硬化性に優れたフェノール樹脂成形材料を得るため種々
の検討の結果なされたものであり、その目的とするとこ
ろは、射出成形の時にシリンダー内での可塑化溶融状態
での熱安定性が著しく優れ、金型内での硬化性も優れた
フェノール樹脂成形材料、さらには、スプルー・ランナ
ーレス射出成形に適したフェノール樹脂成形材料を提供
するにある。
【0005】
【課題が解決するための手段】本発明は、次の各成分を
含有してなるフェノール樹脂成形材料に関するものであ
る。 (a)フェノール樹脂、(b)流動層においてヘキサメ
チレンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサメチ
レンテトラミンに、熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した
溶液をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミンの熱
可塑性樹脂被覆物、(c)充填材。
含有してなるフェノール樹脂成形材料に関するものであ
る。 (a)フェノール樹脂、(b)流動層においてヘキサメ
チレンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサメチ
レンテトラミンに、熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した
溶液をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミンの熱
可塑性樹脂被覆物、(c)充填材。
【0006】本発明において、フェノール樹脂は、フェ
ノール類とホルムアルデヒド類との反応で得られる通常
のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール
樹脂が用いられる。該フェノール樹脂のフェノール類と
しては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフ
トール、p−t−ブチルフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビフェノール、レゾルシン等の
1価又は多価のフェノール類、又はそれらの置換体の1
種又は2種以上を例示することができる。ホルムアルデ
ヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒドな
どをあげることができる。また本発明のフェノール樹脂
は、芳香族炭化水素樹脂、ジメトキシパラキシレン、ジ
シクロペンタジエンなどで適宜変性したものを用いるこ
とができる。
ノール類とホルムアルデヒド類との反応で得られる通常
のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール
樹脂が用いられる。該フェノール樹脂のフェノール類と
しては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフ
トール、p−t−ブチルフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビフェノール、レゾルシン等の
1価又は多価のフェノール類、又はそれらの置換体の1
種又は2種以上を例示することができる。ホルムアルデ
ヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒドな
どをあげることができる。また本発明のフェノール樹脂
は、芳香族炭化水素樹脂、ジメトキシパラキシレン、ジ
シクロペンタジエンなどで適宜変性したものを用いるこ
とができる。
【0007】本発明で用いられる、流動層においてヘキ
サメチレンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサ
メチレンテトラミンに、熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解
した溶液をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミン
の熱可塑性樹脂被覆物とは、スプレーノズルを備えた流
動層において、ヘキサメチレンテトラミンの粉体を流動
状態にする。そして、スプレーノズルより、熱可塑性樹
脂を溶解した有機溶媒をスプレーすることによりヘキサ
メチレンテトラミンの熱可塑性樹脂被覆物を作製するこ
とが可能である。
サメチレンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサ
メチレンテトラミンに、熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解
した溶液をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミン
の熱可塑性樹脂被覆物とは、スプレーノズルを備えた流
動層において、ヘキサメチレンテトラミンの粉体を流動
状態にする。そして、スプレーノズルより、熱可塑性樹
脂を溶解した有機溶媒をスプレーすることによりヘキサ
メチレンテトラミンの熱可塑性樹脂被覆物を作製するこ
とが可能である。
【0008】ここで、ヘキサメチレンテトラミンの熱可
塑性樹脂被覆物は、フェノール樹脂100重量部に対し
てヘキサメチレンテトラミン量に換算して7〜100重
量部、好ましくは12〜30重量部用いる。ヘキサメチ
レンテトラミンに対する熱可塑性樹脂の割合は、ヘキサ
メチレンテトラミン100重量部に対して熱可塑性樹脂
1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部であ
る。
塑性樹脂被覆物は、フェノール樹脂100重量部に対し
てヘキサメチレンテトラミン量に換算して7〜100重
量部、好ましくは12〜30重量部用いる。ヘキサメチ
レンテトラミンに対する熱可塑性樹脂の割合は、ヘキサ
メチレンテトラミン100重量部に対して熱可塑性樹脂
1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部であ
る。
【0009】ここで用いられる熱可塑性樹脂とは、90
℃〜180℃の軟化温度を持つものであり、例えば、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、変性ポリフェニレンオキサイド等を例示できる。
℃〜180℃の軟化温度を持つものであり、例えば、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、変性ポリフェニレンオキサイド等を例示できる。
【0010】熱可塑性樹脂を溶解する有機溶媒とは、熱
可塑性樹脂を溶解するものであれば良いが、好ましくは
ヘキサメチレンテトラミンに対して浸食性が低い物が良
く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素等を例示できる。
可塑性樹脂を溶解するものであれば良いが、好ましくは
ヘキサメチレンテトラミンに対して浸食性が低い物が良
く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素等を例示できる。
【0011】ヘキサメチレンテトラミンは、工業用とし
て市販されている通常のフェノール樹脂成形材料で用い
られるものやゴムの架橋促進剤として用いられているも
のがある。
て市販されている通常のフェノール樹脂成形材料で用い
られるものやゴムの架橋促進剤として用いられているも
のがある。
【0012】流動層内でヘキサメチレンテトラミンを流
動し、熱可塑性樹脂を溶解した有機溶媒をスプレーする
装置としては、例えば不二パウダル株式会社製のニュー
マルメライザーGM型を例示することが出来る。
動し、熱可塑性樹脂を溶解した有機溶媒をスプレーする
装置としては、例えば不二パウダル株式会社製のニュー
マルメライザーGM型を例示することが出来る。
【0013】硬化促進剤としては、アルカリ土類金属化
合物が例示でき、通常フェノール樹脂成形材料に用いら
れている水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の粉末
状のものである。
合物が例示でき、通常フェノール樹脂成形材料に用いら
れている水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の粉末
状のものである。
【0014】充填材としては、木粉、パルプ粉、各種織
物粉砕物、熱硬化性樹脂積層板・成形品の粉砕物等の有
機質のもの、シリカ、アルミナ、ガラス、タルク、クレ
ー、炭酸カルシウム、カーボン等の粉末、ガラス繊維、
カーボン繊維、マイカ等の無機質のものを例示できる。
着色剤としては、カーボンブラック、スピリットブラッ
ク等が例示できる。
物粉砕物、熱硬化性樹脂積層板・成形品の粉砕物等の有
機質のもの、シリカ、アルミナ、ガラス、タルク、クレ
ー、炭酸カルシウム、カーボン等の粉末、ガラス繊維、
カーボン繊維、マイカ等の無機質のものを例示できる。
着色剤としては、カーボンブラック、スピリットブラッ
ク等が例示できる。
【0015】
【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料は、たとえ
ば、90〜125℃の溶融状態で著しく熱安定性が優
れ、160〜200℃程度において硬化性が優れてい
る。この理由は十分には明らかでないが、フェノール樹
脂の硬化剤として働くヘキサメチレンテトラミンの粒子
表面に熱可塑性樹脂が被覆していることにより、90〜
125℃の温度域ではフェノール樹脂とヘキサメチレン
テトラミンの接触を遮断して反応を抑制し、160〜2
00℃の温度かつ金型内にフェノール樹脂成形材料が流
入する過程では熱可塑性樹脂が軟化し、熱可塑性樹脂が
破壊されフェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンの
接触を遮断する機能が低下することによると考えられ
る。このような効果によって、射出成形機のシリンダー
内での熱安定性が優れ、金型での硬化性が優れたフェノ
ール樹脂成形材料となる。
ば、90〜125℃の溶融状態で著しく熱安定性が優
れ、160〜200℃程度において硬化性が優れてい
る。この理由は十分には明らかでないが、フェノール樹
脂の硬化剤として働くヘキサメチレンテトラミンの粒子
表面に熱可塑性樹脂が被覆していることにより、90〜
125℃の温度域ではフェノール樹脂とヘキサメチレン
テトラミンの接触を遮断して反応を抑制し、160〜2
00℃の温度かつ金型内にフェノール樹脂成形材料が流
入する過程では熱可塑性樹脂が軟化し、熱可塑性樹脂が
破壊されフェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンの
接触を遮断する機能が低下することによると考えられ
る。このような効果によって、射出成形機のシリンダー
内での熱安定性が優れ、金型での硬化性が優れたフェノ
ール樹脂成形材料となる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。ここに
おいて「部」は重量部を表す。
おいて「部」は重量部を表す。
【0017】[実施例1]フェノールとホルムアルデヒ
ドとの反応で得たノボラック型フェノール樹脂(平均分
子量800)35部、ヘキサメチレンテトラミンのポリ
メチルメタクリレート(分子量約10万)10%被覆物
(ニューマルメライザーGM型[不二パウダル株式会社
製]を用いて、ヘキサメチレンテトラミン50部を流動
させ、トルエン100部にポリメチルメタクリレート5
部を溶解した溶液を105部スプレーし作製)8部、酸
化マグネシウム3部、ガラス繊維50部、離型剤・顔料
4部を混合し、2本ロールミルにて溶融混合し、冷却後
粉砕してフェノール樹脂成形材料を得た。
ドとの反応で得たノボラック型フェノール樹脂(平均分
子量800)35部、ヘキサメチレンテトラミンのポリ
メチルメタクリレート(分子量約10万)10%被覆物
(ニューマルメライザーGM型[不二パウダル株式会社
製]を用いて、ヘキサメチレンテトラミン50部を流動
させ、トルエン100部にポリメチルメタクリレート5
部を溶解した溶液を105部スプレーし作製)8部、酸
化マグネシウム3部、ガラス繊維50部、離型剤・顔料
4部を混合し、2本ロールミルにて溶融混合し、冷却後
粉砕してフェノール樹脂成形材料を得た。
【0018】[実施例2]実施例1のヘキサメチレンテ
トラミンのポリメチルメタクリレート(平均分子量約1
0万)10%被覆物の代わりに、ヘキサメチレンテトラ
ミンのポリカーボネート(平均分子量約2万)10%被
覆物(ニューマルメライザーGM型[不二パウダル株式
会社製]を用いて、ヘキサメチレンテトラミン50部を
流動させ、トルエン100部にポリカーボネート5部を
溶解した溶液を105部スプレーし作製)8部を用い、
実施例1と同様にしてフェノール樹脂成形材料を得た。
トラミンのポリメチルメタクリレート(平均分子量約1
0万)10%被覆物の代わりに、ヘキサメチレンテトラ
ミンのポリカーボネート(平均分子量約2万)10%被
覆物(ニューマルメライザーGM型[不二パウダル株式
会社製]を用いて、ヘキサメチレンテトラミン50部を
流動させ、トルエン100部にポリカーボネート5部を
溶解した溶液を105部スプレーし作製)8部を用い、
実施例1と同様にしてフェノール樹脂成形材料を得た。
【0019】[実施例3]実施例1のヘキサメチレンテ
トラミンのポリメチルメタクリレート(平均分子量約1
0万)10%被覆物の代わりに、ヘキサメチレンテトラ
ミンのポリメツルメタクリレート(平均分子量約10
万)20%被覆物(ニューマルメライザーGM型[不二
パウダル株式会社製]を用いて、ヘキサメチレンテトラ
ミン50部を流動させ、トルエン100部にポリカーボ
ネート5部を溶解した溶液を210部スプレーし作製)
9部、ガラス繊維を49重量部を用い、実施例1と同様
にしてフェノール樹脂成形材料を得た。
トラミンのポリメチルメタクリレート(平均分子量約1
0万)10%被覆物の代わりに、ヘキサメチレンテトラ
ミンのポリメツルメタクリレート(平均分子量約10
万)20%被覆物(ニューマルメライザーGM型[不二
パウダル株式会社製]を用いて、ヘキサメチレンテトラ
ミン50部を流動させ、トルエン100部にポリカーボ
ネート5部を溶解した溶液を210部スプレーし作製)
9部、ガラス繊維を49重量部を用い、実施例1と同様
にしてフェノール樹脂成形材料を得た。
【0020】[比較例1]フェノールとホルムアルデヒ
ドとの反応で得たノボラック樹脂(平均分子量800)
35部、ヘキサメチレンテトラミン7部、酸化マグネシ
ウム3部、ガラス繊維51部、離型剤・顔料4部を混合
し、実施例1と同様にしてフェノール樹脂成形材料を得
た。
ドとの反応で得たノボラック樹脂(平均分子量800)
35部、ヘキサメチレンテトラミン7部、酸化マグネシ
ウム3部、ガラス繊維51部、離型剤・顔料4部を混合
し、実施例1と同様にしてフェノール樹脂成形材料を得
た。
【0021】
【表1】
【0022】表1において、シリンダー内安定性は可塑
化溶融状態での成形材料の熱安定性を表している。具体
的には、JISテストピースを成形する金型(成形品重
量170g)により射出成形を行う際に、100℃に温
調されたシリンダー内に成形材料を計量後から射出開始
するまでの時間をシリンダー内滞留時間とし、これを
0.5分、1分、1.5分と順次長くして、射出可能な
シリンダー内滞留時間をシリンダー内安定性とした。時
間が長いほど安定時間が長く、優れている。硬化性は金
型内での成形材料の硬化速度を表す。直径50mm、厚
さ5mmのキャビティーを有し、175℃に保たれた金
型を有するトランスファー成形機に、高周波予熱機で1
00℃に予熱されたタブレット状の成形材料30gを仕
込んで20秒間成形し、次いで成形品を取り出し10秒
後の成形品硬度をバーコール硬度計No.935で測定
したものである。硬度が高いほど硬化速度が速く、硬化
性が優れている。
化溶融状態での成形材料の熱安定性を表している。具体
的には、JISテストピースを成形する金型(成形品重
量170g)により射出成形を行う際に、100℃に温
調されたシリンダー内に成形材料を計量後から射出開始
するまでの時間をシリンダー内滞留時間とし、これを
0.5分、1分、1.5分と順次長くして、射出可能な
シリンダー内滞留時間をシリンダー内安定性とした。時
間が長いほど安定時間が長く、優れている。硬化性は金
型内での成形材料の硬化速度を表す。直径50mm、厚
さ5mmのキャビティーを有し、175℃に保たれた金
型を有するトランスファー成形機に、高周波予熱機で1
00℃に予熱されたタブレット状の成形材料30gを仕
込んで20秒間成形し、次いで成形品を取り出し10秒
後の成形品硬度をバーコール硬度計No.935で測定
したものである。硬度が高いほど硬化速度が速く、硬化
性が優れている。
【0023】充填性は、JISテストピースを成形する
金型(7個取り)による射出成形において、各キャビテ
ィーへの充填の状態を成形物の外観から判断した。表1
から、実施例1,2,3に示した本発明のフェノール樹
脂成形材料は、比較例1の従来のフェノール樹脂成形材
料に比較して、極めて熱安定性に優れかつ硬化性も優れ
ていることがわかる。
金型(7個取り)による射出成形において、各キャビテ
ィーへの充填の状態を成形物の外観から判断した。表1
から、実施例1,2,3に示した本発明のフェノール樹
脂成形材料は、比較例1の従来のフェノール樹脂成形材
料に比較して、極めて熱安定性に優れかつ硬化性も優れ
ていることがわかる。
【0024】
【発明の効果】上記の実施例からも分かるように、本発
明のフェノール樹脂組成物は熱安定性と硬化性がともに
優れている。本発明のフェノール樹脂成形材料において
は、可塑化溶融状態での熱安定性と高温時の硬化性が極
めて優れているので、特に射出成形機において、射出成
形機のシリンダー内で可塑化溶融樹脂の硬化反応の進行
が著しく抑制され、かつ金型内では速やかに硬化するた
め、幅広い成形条件に適応でき、極めて成形加工性に優
れている。また、このフェノール樹脂成形材料は可塑化
溶融状態での熱安定性が極めて優れているため、スプル
ー・ランナーレス成形にも極めて適している。
明のフェノール樹脂組成物は熱安定性と硬化性がともに
優れている。本発明のフェノール樹脂成形材料において
は、可塑化溶融状態での熱安定性と高温時の硬化性が極
めて優れているので、特に射出成形機において、射出成
形機のシリンダー内で可塑化溶融樹脂の硬化反応の進行
が著しく抑制され、かつ金型内では速やかに硬化するた
め、幅広い成形条件に適応でき、極めて成形加工性に優
れている。また、このフェノール樹脂成形材料は可塑化
溶融状態での熱安定性が極めて優れているため、スプル
ー・ランナーレス成形にも極めて適している。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の各成分を含有してなるフェノール樹
脂成形材料。 (a)フェノール樹脂、(b)流動層においてヘキサメ
チレンテトラミンを流動させ、流動しているヘキサメチ
レンテトラミンに、熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した
溶液をスプレーしてなるヘキサメチレンテトラミンの熱
可塑性樹脂被覆物、(c)充填材。 - 【請求項2】 成分(b)の熱可塑性樹脂被覆物におけ
る熱可塑性樹脂が、90℃〜180℃に軟化温度を持つ
熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1記載のフ
ェノール樹脂成形材料。 - 【請求項3】 成分(b)の熱可塑性樹脂被覆物におけ
る熱可塑性樹脂が、ポリメチルメタクリレート、ポリス
チレン、ポリカーボネート及び変性ポリフェニレンオキ
サイドからなる群から選択された熱可塑性樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂成形材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10245295A JPH08295787A (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10245295A JPH08295787A (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08295787A true JPH08295787A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14327872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10245295A Pending JPH08295787A (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08295787A (ja) |
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1995
- 1995-04-26 JP JP10245295A patent/JPH08295787A/ja active Pending
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