JPH07126486A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
フェノール樹脂成形材料Info
- Publication number
- JPH07126486A JPH07126486A JP27563193A JP27563193A JPH07126486A JP H07126486 A JPH07126486 A JP H07126486A JP 27563193 A JP27563193 A JP 27563193A JP 27563193 A JP27563193 A JP 27563193A JP H07126486 A JPH07126486 A JP H07126486A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phenolic resin
- molding material
- resin molding
- wall material
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (a)レゾール型フェノール樹脂、(b)融
点が60〜160℃で、160℃の粘度が100ポイズ
以下である化合物の壁材を持つアルカリ土類金属の酸化
物又は水酸化物のマイクロカプセル、及び(c)充填材
を含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。 【効果】 可塑化溶融状態での熱安定性と高温時の硬化
性が極めて優れている。このため、特に射出成形機にお
いて、射出成形機のシリンダー内で可塑化溶融樹脂の硬
化反応の進行が著しく抑制され、かつ金型内では速やか
に硬化するため、幅広い成形条件に適応でき、極めて成
形加工性に優れている。
点が60〜160℃で、160℃の粘度が100ポイズ
以下である化合物の壁材を持つアルカリ土類金属の酸化
物又は水酸化物のマイクロカプセル、及び(c)充填材
を含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。 【効果】 可塑化溶融状態での熱安定性と高温時の硬化
性が極めて優れている。このため、特に射出成形機にお
いて、射出成形機のシリンダー内で可塑化溶融樹脂の硬
化反応の進行が著しく抑制され、かつ金型内では速やか
に硬化するため、幅広い成形条件に適応でき、極めて成
形加工性に優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱安定性、硬化性に優れ
たフェノール樹脂成形材料に関するものであり、射出成
形において射出成形機のシリンダー内では硬化反応がほ
とんど進行せず、金型内では速やかに硬化するような成
形加工性の著しく優れたフェノール樹脂成形材料を提供
するものである。
たフェノール樹脂成形材料に関するものであり、射出成
形において射出成形機のシリンダー内では硬化反応がほ
とんど進行せず、金型内では速やかに硬化するような成
形加工性の著しく優れたフェノール樹脂成形材料を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】レゾール型フェノール樹脂成形材料は耐
熱性、電気性能、機械特性などが優れ、また、硬化時に
アンモニアの発生が無いため、電子電気部品を始めとし
て広範囲の分野に利用されている。一般にこれらは射出
成形により賦形されるものであるが、射出成形機シリン
ダー内で90〜130℃に可塑化された溶融状態では、
樹脂の硬化反応の促進によって粘度が増大し、3〜10
分で流動性を失う性質を有しており、溶融樹脂の熱安定
性が極めて低い。このため、成形段階では射出成形機シ
リンダー内での溶融樹脂の滞留を極力抑え、且つ繰り返
し一定の溶融状態を得ることが必須であり、適正な成形
条件が極めて狭いという問題がある。
熱性、電気性能、機械特性などが優れ、また、硬化時に
アンモニアの発生が無いため、電子電気部品を始めとし
て広範囲の分野に利用されている。一般にこれらは射出
成形により賦形されるものであるが、射出成形機シリン
ダー内で90〜130℃に可塑化された溶融状態では、
樹脂の硬化反応の促進によって粘度が増大し、3〜10
分で流動性を失う性質を有しており、溶融樹脂の熱安定
性が極めて低い。このため、成形段階では射出成形機シ
リンダー内での溶融樹脂の滞留を極力抑え、且つ繰り返
し一定の溶融状態を得ることが必須であり、適正な成形
条件が極めて狭いという問題がある。
【0003】従来、この問題を解決する方法として成形
材料の流動性を増大させるなど各種の方法が知られてい
るが、可塑化溶融状態での熱安定性を向上させると金型
内での160〜200℃における硬化反応が遅くなり、
一方、金型内での硬化性を向上させると熱安定性が低下
するようになり、可塑化溶融状態の熱安定性と金型内の
硬化性とを同時に兼ね備えたフェノール樹脂成形材料を
得ることは困難であった。
材料の流動性を増大させるなど各種の方法が知られてい
るが、可塑化溶融状態での熱安定性を向上させると金型
内での160〜200℃における硬化反応が遅くなり、
一方、金型内での硬化性を向上させると熱安定性が低下
するようになり、可塑化溶融状態の熱安定性と金型内の
硬化性とを同時に兼ね備えたフェノール樹脂成形材料を
得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらを解
決するため種々の検討の結果なされたものであり、その
目的とするところは、射出成形の時にシリンダー内での
可塑化溶融状態での熱安定性が著しく優れ、金型内での
硬化性も優れたフェノール樹脂成形材料を提供するこ
と、更には、スプルー・ランナーレス射出成形に適した
フェノール樹脂成形材料を提供することにある。
決するため種々の検討の結果なされたものであり、その
目的とするところは、射出成形の時にシリンダー内での
可塑化溶融状態での熱安定性が著しく優れ、金型内での
硬化性も優れたフェノール樹脂成形材料を提供するこ
と、更には、スプルー・ランナーレス射出成形に適した
フェノール樹脂成形材料を提供することにある。
【0005】
【課題が解決するための手段】本発明は、(a)レゾー
ル型フェノール樹脂、(b)融点が60〜160℃で、
160℃での粘度が100ポイズ以下である化合物の壁
材を持つアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物のマイ
クロカプセル、及び(c)充填材を含有することを特徴
とするフェノール樹脂成形材料に関するものである。
ル型フェノール樹脂、(b)融点が60〜160℃で、
160℃での粘度が100ポイズ以下である化合物の壁
材を持つアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物のマイ
クロカプセル、及び(c)充填材を含有することを特徴
とするフェノール樹脂成形材料に関するものである。
【0006】本発明において、レゾール型フェノール樹
脂(a)は、フェノール核結合官能基がメチレン基、メ
チロール基及びジメチレンエーテル基より構成されるメ
チロール型レゾール樹脂またはジメチレンエーテル型レ
ゾール樹脂が用いられる。
脂(a)は、フェノール核結合官能基がメチレン基、メ
チロール基及びジメチレンエーテル基より構成されるメ
チロール型レゾール樹脂またはジメチレンエーテル型レ
ゾール樹脂が用いられる。
【0007】次に、本発明の(b)成分である、融点が
60〜160℃であり、160℃での粘度が100ポイ
ズ以下である化合物の壁材を持つアルカリ土類金属の酸
化物又は水酸化物のマイクロカプセルは、60℃以下で
は強固であってフェノール樹脂にはほとんど溶解せず、
60〜160℃の間で溶解し流動状態となる壁材でカプ
セル化されたアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の
マイクロカプセルである。このマイクロカプセルは、通
常0.5〜30μmの粒径を有する球状ないしフロック
状のものであり、これらの1種又は2種以上用いること
ができる。
60〜160℃であり、160℃での粘度が100ポイ
ズ以下である化合物の壁材を持つアルカリ土類金属の酸
化物又は水酸化物のマイクロカプセルは、60℃以下で
は強固であってフェノール樹脂にはほとんど溶解せず、
60〜160℃の間で溶解し流動状態となる壁材でカプ
セル化されたアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の
マイクロカプセルである。このマイクロカプセルは、通
常0.5〜30μmの粒径を有する球状ないしフロック
状のものであり、これらの1種又は2種以上用いること
ができる。
【0008】マイクロカプセルの壁材は、融点が60〜
160℃、好ましくは90〜150℃、更に、成形材料
として好ましくは、110〜130℃であり、160℃
の溶融粘度が100ポイズ以下、好ましくは10ポイズ
以下である化合物であり、たとえば、低分子量ポリエチ
レン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリアミド、
脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、金属石鹸、パラフィ
ン、高級脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸などを例示すること
ができる。マイクロカプセルの壁材の融点が60〜16
0℃であっても、160℃での溶融粘度が100ポイズ
以上であると、壁材が溶けてもその溶融液が高粘度のた
め、バリヤーの機能を果たし、160〜200℃におけ
る硬化反応促進の作用が十分に発揮されない。
160℃、好ましくは90〜150℃、更に、成形材料
として好ましくは、110〜130℃であり、160℃
の溶融粘度が100ポイズ以下、好ましくは10ポイズ
以下である化合物であり、たとえば、低分子量ポリエチ
レン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリアミド、
脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、金属石鹸、パラフィ
ン、高級脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸などを例示すること
ができる。マイクロカプセルの壁材の融点が60〜16
0℃であっても、160℃での溶融粘度が100ポイズ
以上であると、壁材が溶けてもその溶融液が高粘度のた
め、バリヤーの機能を果たし、160〜200℃におけ
る硬化反応促進の作用が十分に発揮されない。
【0009】このような本発明の、融点が60〜160
℃であり、160℃での粘度が100ポイズ以下である
化合物の壁材を持つアルカリ土類金属の酸化物又は水酸
化物のマイクロカプセルは次のようにして作製すること
ができる。上記に例示したような、加熱すると融解し冷
却すると固化する性質を持つ化合物を壁材として使用
し、この壁材と常温では溶解ないしエマルジョン化しが
たい溶剤中に分散させ、その壁材を加熱して溶液又はエ
マルジョンを作製する。そこに、微粉末状の前記芯物質
を分散させ、次いで、冷却して壁材を芯物質の周りに沈
積させることにより調製される。
℃であり、160℃での粘度が100ポイズ以下である
化合物の壁材を持つアルカリ土類金属の酸化物又は水酸
化物のマイクロカプセルは次のようにして作製すること
ができる。上記に例示したような、加熱すると融解し冷
却すると固化する性質を持つ化合物を壁材として使用
し、この壁材と常温では溶解ないしエマルジョン化しが
たい溶剤中に分散させ、その壁材を加熱して溶液又はエ
マルジョンを作製する。そこに、微粉末状の前記芯物質
を分散させ、次いで、冷却して壁材を芯物質の周りに沈
積させることにより調製される。
【0010】具体的には、例えば、水酸化カルシウムを
芯物質とし低分子ポリエチレンを壁材とするマイクロカ
プセルは、低分子ポリエチレンを加熱したベンゼンに溶
解し、これに微粉末状の水酸化カルシウムを分散させ、
冷却させることによって水酸化カルシウムの粉末表面に
低分子ポリエチレンを析出させ、次いで、ろ過、洗浄、
乾燥することによって得ることができる。
芯物質とし低分子ポリエチレンを壁材とするマイクロカ
プセルは、低分子ポリエチレンを加熱したベンゼンに溶
解し、これに微粉末状の水酸化カルシウムを分散させ、
冷却させることによって水酸化カルシウムの粉末表面に
低分子ポリエチレンを析出させ、次いで、ろ過、洗浄、
乾燥することによって得ることができる。
【0011】なお、このようにして得られたマイクロカ
プセルは、芯物質が壁材により完全にコートされていな
くても、フェノール樹脂組成物としたときに、90〜1
25℃程度の可塑化溶融状態で熱安定性が優れており、
160〜200℃での硬化性が優れていれば使用可能で
あり、本発明の範囲に含まれるものである。
プセルは、芯物質が壁材により完全にコートされていな
くても、フェノール樹脂組成物としたときに、90〜1
25℃程度の可塑化溶融状態で熱安定性が優れており、
160〜200℃での硬化性が優れていれば使用可能で
あり、本発明の範囲に含まれるものである。
【0012】本発明において、アルカリ土類金属の酸化
物又は水酸化物のマイクロカプセルは、通常フェノール
樹脂100重量部に対して、1〜20重量部配合して用
いられる。この配合量が1重量部以下では樹脂の硬化が
不十分となり、20重量部以上では硬化物の電気特性な
どが低下する。また、場合によっては、アルカリ土類金
属の酸化物又は水酸化物を5重量部以下で併用して用い
ることもできる。
物又は水酸化物のマイクロカプセルは、通常フェノール
樹脂100重量部に対して、1〜20重量部配合して用
いられる。この配合量が1重量部以下では樹脂の硬化が
不十分となり、20重量部以上では硬化物の電気特性な
どが低下する。また、場合によっては、アルカリ土類金
属の酸化物又は水酸化物を5重量部以下で併用して用い
ることもできる。
【0013】次に、本発明の(c)成分である充填材と
しては、パルプ粉、各種織物粉砕物、熱硬化性樹脂積層
板・成形品の粉砕物等の有機質のもの、シリカ、アルミ
ナ、ガラス、タルク、クレー、炭酸カルシウム、カーボ
ン等の粉末、ガラス繊維、カーボン繊維、マイカなどの
無機質のものを用いることができる。
しては、パルプ粉、各種織物粉砕物、熱硬化性樹脂積層
板・成形品の粉砕物等の有機質のもの、シリカ、アルミ
ナ、ガラス、タルク、クレー、炭酸カルシウム、カーボ
ン等の粉末、ガラス繊維、カーボン繊維、マイカなどの
無機質のものを用いることができる。
【0014】
【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料は、たとえ
ば、90〜125℃の溶融状態で著しく熱安定性が優れ
ており、160〜200℃程度において硬化性が優れて
いる。この理由は十分には明かでないが、90〜125
℃の溶融状態では、アルカリ土類金属の酸化物又は水酸
化物のマイクロカプセルの壁材がフェノール樹脂とアル
カリ土類金属の酸化物又は水酸化物との接触を遮断して
硬化反応に対する促進作用を示さないが、160℃以上
では壁材が溶融崩壊し、そして極めて低粘度になるため
アルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物への物理的遮蔽
性がなくなり、フェノール樹脂の反応に作用し、その硬
化反応を促進するためと考えられる。従って、本発明の
フェノール樹脂成形材料では、射出成形機のシリンダー
内での硬化反応の促進が抑制され、熱安定性に優れるた
め容易に射出成形ができ、一方、金型内での硬化性が優
れたものとなる。
ば、90〜125℃の溶融状態で著しく熱安定性が優れ
ており、160〜200℃程度において硬化性が優れて
いる。この理由は十分には明かでないが、90〜125
℃の溶融状態では、アルカリ土類金属の酸化物又は水酸
化物のマイクロカプセルの壁材がフェノール樹脂とアル
カリ土類金属の酸化物又は水酸化物との接触を遮断して
硬化反応に対する促進作用を示さないが、160℃以上
では壁材が溶融崩壊し、そして極めて低粘度になるため
アルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物への物理的遮蔽
性がなくなり、フェノール樹脂の反応に作用し、その硬
化反応を促進するためと考えられる。従って、本発明の
フェノール樹脂成形材料では、射出成形機のシリンダー
内での硬化反応の促進が抑制され、熱安定性に優れるた
め容易に射出成形ができ、一方、金型内での硬化性が優
れたものとなる。
【0015】また、レゾール型フェノール樹脂として、
ジメチレンエーテル型レゾール樹脂を用いた場合、樹脂
の活性化エネルギーが比較的大きく、比較的低温では硬
化反応が進行しにくく、一方、高温域では逆に反応が進
行しやすいため、マイクロカプセル化されたアルカリ土
類金属の酸化物又は水酸化物の作用と相まって、より優
れた効果が得られる。
ジメチレンエーテル型レゾール樹脂を用いた場合、樹脂
の活性化エネルギーが比較的大きく、比較的低温では硬
化反応が進行しにくく、一方、高温域では逆に反応が進
行しやすいため、マイクロカプセル化されたアルカリ土
類金属の酸化物又は水酸化物の作用と相まって、より優
れた効果が得られる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。ここに
おいて「部」は重量部を表す。 [実施例1]ジメチレンエーテル型レゾール樹脂(平均
分子量900)50部、壁材に低分子ポリエチレン(分
子量1000)を用いた水酸化カルシウムのマイクロカ
プセル(壁材の割合は水酸化カルシウム100部に対し
て40部である)4部、熱硬化性樹脂積層板粉砕物30
部、クレー10部、離型剤・顔料5部を混合し、2本ロ
ールミルにて溶融混合し、冷却後粉砕してフェノール樹
脂成形材料を得た。
おいて「部」は重量部を表す。 [実施例1]ジメチレンエーテル型レゾール樹脂(平均
分子量900)50部、壁材に低分子ポリエチレン(分
子量1000)を用いた水酸化カルシウムのマイクロカ
プセル(壁材の割合は水酸化カルシウム100部に対し
て40部である)4部、熱硬化性樹脂積層板粉砕物30
部、クレー10部、離型剤・顔料5部を混合し、2本ロ
ールミルにて溶融混合し、冷却後粉砕してフェノール樹
脂成形材料を得た。
【0017】[実施例2]実施例1の低分子ポリエチレ
ンを壁材とした水酸化カルシウムのマイクロカプセルの
代わりに、低分子ポリエチレンを壁材とした酸化マグネ
シウムのマイクロカプセル(壁材の割合は酸化マグネシ
ウム100部に対して40部である)5部を用い、実施
例1と同様にしてフェノール樹脂成形材料を得た。 [実施例3]実施例1のジメチレンエーテル型レゾール
樹脂の代わりに、メチロール型レゾール樹脂(平均分子
量700)50部を用い、実施例1と同様にしてフェノ
ール樹脂成形材料を得た。
ンを壁材とした水酸化カルシウムのマイクロカプセルの
代わりに、低分子ポリエチレンを壁材とした酸化マグネ
シウムのマイクロカプセル(壁材の割合は酸化マグネシ
ウム100部に対して40部である)5部を用い、実施
例1と同様にしてフェノール樹脂成形材料を得た。 [実施例3]実施例1のジメチレンエーテル型レゾール
樹脂の代わりに、メチロール型レゾール樹脂(平均分子
量700)50部を用い、実施例1と同様にしてフェノ
ール樹脂成形材料を得た。
【0018】[比較例1]ジメチレンエーテル型レゾー
ル樹脂(平均分子量900)50部、水酸化カルシウム
3部、熱硬化性樹脂積層版粉砕物30部、クレー10
部、離型剤・顔料5部を混合し、2本ロールミルにて溶
融混合し、冷却後粉砕してフェノール樹脂成形材料を得
た。 [比較例2]比較例1の水酸化カルシウムの代わりに、
酸化マグネシウム4部を用い、比較例1と同様にしてフ
ェノール樹脂成形材料を得た。
ル樹脂(平均分子量900)50部、水酸化カルシウム
3部、熱硬化性樹脂積層版粉砕物30部、クレー10
部、離型剤・顔料5部を混合し、2本ロールミルにて溶
融混合し、冷却後粉砕してフェノール樹脂成形材料を得
た。 [比較例2]比較例1の水酸化カルシウムの代わりに、
酸化マグネシウム4部を用い、比較例1と同様にしてフ
ェノール樹脂成形材料を得た。
【0019】実施例及び比較例で得たフェノール樹脂成
形材料の特性を表1に示す。
形材料の特性を表1に示す。
【表1】
【0020】表1において、絶縁抵抗、曲げ強さ、シャ
ルピー衝撃強さ、成形収縮率、熱変形温度は JIS K
6911 に準じて測定した。シリンダー内安定性はJ
IS試験片を成形する金型(成形品重量:170g)に
より射出成形を行う時に、シリンダー内に成形材料を計
量後から射出開始するまでの時間をシリンダー内滞留時
間とし、これを30秒、60秒、90秒と順次長くし
て、射出可能なシリンダー内滞留時間をシリンダー内安
定性とした。充填性はJIS試験片を成形する金型(絶
縁抵抗、曲げ強さなど試験片7個取り)による射出成形
において全ての試験片成形物への充填状態を外観により
評価した。
ルピー衝撃強さ、成形収縮率、熱変形温度は JIS K
6911 に準じて測定した。シリンダー内安定性はJ
IS試験片を成形する金型(成形品重量:170g)に
より射出成形を行う時に、シリンダー内に成形材料を計
量後から射出開始するまでの時間をシリンダー内滞留時
間とし、これを30秒、60秒、90秒と順次長くし
て、射出可能なシリンダー内滞留時間をシリンダー内安
定性とした。充填性はJIS試験片を成形する金型(絶
縁抵抗、曲げ強さなど試験片7個取り)による射出成形
において全ての試験片成形物への充填状態を外観により
評価した。
【0021】表1から、実施例1〜3に示した本発明の
フェノール樹脂成形材料は、比較例1〜2の従来のフェ
ノール樹脂成形材料に比較して、極めて熱安定性に優れ
且つ硬化性にも優れていることがわかる。さらに、電気
絶縁性、機械的強度などの性能も従来の成形材料と同等
である。また、熱安定性に優れることから、射出時の樹
脂の流動性が良く、金型への充填性も極めて良好であ
る。
フェノール樹脂成形材料は、比較例1〜2の従来のフェ
ノール樹脂成形材料に比較して、極めて熱安定性に優れ
且つ硬化性にも優れていることがわかる。さらに、電気
絶縁性、機械的強度などの性能も従来の成形材料と同等
である。また、熱安定性に優れることから、射出時の樹
脂の流動性が良く、金型への充填性も極めて良好であ
る。
【0022】
【発明の効果】上記の実施例からも明らかなように、本
発明のフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態での熱
安定性と高温時の硬化性が極めて優れているので、特に
射出成形機において、射出成形機のシリンダー内で可塑
化溶融樹脂の硬化反応の進行が著しく抑制され、かつ金
型内では速やかに硬化するため、幅広い成形条件に適応
でき、極めて成形加工性に優れており、更に成形物の性
能は従来のフェノール樹脂成形材料と同等である。ま
た、このフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態での
熱安定性が極めて優れているため、スプルー・ランナー
レス成形にも極めて適している。
発明のフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態での熱
安定性と高温時の硬化性が極めて優れているので、特に
射出成形機において、射出成形機のシリンダー内で可塑
化溶融樹脂の硬化反応の進行が著しく抑制され、かつ金
型内では速やかに硬化するため、幅広い成形条件に適応
でき、極めて成形加工性に優れており、更に成形物の性
能は従来のフェノール樹脂成形材料と同等である。ま
た、このフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態での
熱安定性が極めて優れているため、スプルー・ランナー
レス成形にも極めて適している。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)レゾール型フェノール樹脂、
(b)融点が60〜160℃で、160℃での粘度が1
00ポイズ以下である化合物の壁材を持つアルカリ土類
金属の酸化物又は水酸化物のマイクロカプセル、及び
(c)充填材を含有することを特徴とするフェノール樹
脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27563193A JPH07126486A (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27563193A JPH07126486A (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07126486A true JPH07126486A (ja) | 1995-05-16 |
Family
ID=17558155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27563193A Pending JPH07126486A (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07126486A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001058995A1 (en) * | 2000-02-11 | 2001-08-16 | Winn & Coales International Limited | Thermal insulation material |
CN107226995A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-10-03 | 常州信息职业技术学院 | 一种轻型酚醛塑料电力检查井及其制备方法 |
-
1993
- 1993-11-04 JP JP27563193A patent/JPH07126486A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001058995A1 (en) * | 2000-02-11 | 2001-08-16 | Winn & Coales International Limited | Thermal insulation material |
CN107226995A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-10-03 | 常州信息职业技术学院 | 一种轻型酚醛塑料电力检查井及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2740990B2 (ja) | 低熱膨張性加圧成形用樹脂組成物 | |
JPH07126486A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP6718756B2 (ja) | コンミテータ、およびコンミテータの製造方法 | |
JPH07126485A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH07292218A (ja) | フェノール樹脂組成物 | |
JPH07292217A (ja) | フェノール樹脂組成物 | |
JPH047373B2 (ja) | ||
JPH05239354A (ja) | ポリ(アリーレンスルフィド)組成物 | |
JPH0741639A (ja) | フェノール樹脂組成物 | |
JPH06145420A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH07157632A (ja) | フェノール樹脂組成物 | |
JP2693725B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JP2004224872A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2693726B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPH07113035A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH06145468A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH06145421A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2755902B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPS59108332A (ja) | 電子部品の封止方法 | |
JPH06145415A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2001172470A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH0847953A (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPH07126484A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH05311038A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH06128457A (ja) | 樹脂組成物及び成形材料 |