JPH0796711A - 二輪車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
二輪車用空気入りラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JPH0796711A JPH0796711A JP5244146A JP24414693A JPH0796711A JP H0796711 A JPH0796711 A JP H0796711A JP 5244146 A JP5244146 A JP 5244146A JP 24414693 A JP24414693 A JP 24414693A JP H0796711 A JPH0796711 A JP H0796711A
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- Japan
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- tire
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- rubber
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- hard rubber
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ほぼ周方向のコ−ド角度を持つスパイラル巻
きベルト構造のラジアルタイヤの操縦安定性能特に旋回
性能を、他のタイヤ性能を損なうことなく向上させた二
輪車後輪用タイヤを提供する。 【構成】 ほぼ周方向のコ−ド角度を持つスパイラル巻
きベルト構造1の下層とラジアルカ−カスプライ4の最
上層との間に、JIS硬度が70度以上でかつプライコ
−ドの被覆ゴムの硬度との硬度差が20度以下である薄
板状の硬質ゴム6を配置する。
きベルト構造のラジアルタイヤの操縦安定性能特に旋回
性能を、他のタイヤ性能を損なうことなく向上させた二
輪車後輪用タイヤを提供する。 【構成】 ほぼ周方向のコ−ド角度を持つスパイラル巻
きベルト構造1の下層とラジアルカ−カスプライ4の最
上層との間に、JIS硬度が70度以上でかつプライコ
−ドの被覆ゴムの硬度との硬度差が20度以下である薄
板状の硬質ゴム6を配置する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二輪車後輪用空気入りラ
ジアルタイヤに関するものである。
ジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】被覆ゴム中に埋設した単線又は並列した
複数本のコ−ドから成る素材をほぼタイヤの周方向に向
かう角度でスパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベ
ルト層を一層以上有するベルト構造を持つ二輪車用空気
入りラジアルタイヤを二輪車の後輪用として用いること
により二輪車の直進安定性(例えば、前輪と後輪各々が
走行中に発生させるコ−ナリングフォ−スの大きさのバ
ランスを適度に保ち二輪車が直進走行時に左右のフラツ
キを抑える)や高速耐久性更には、ユニフォミティ性能
を向上することが行われている。
複数本のコ−ドから成る素材をほぼタイヤの周方向に向
かう角度でスパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベ
ルト層を一層以上有するベルト構造を持つ二輪車用空気
入りラジアルタイヤを二輪車の後輪用として用いること
により二輪車の直進安定性(例えば、前輪と後輪各々が
走行中に発生させるコ−ナリングフォ−スの大きさのバ
ランスを適度に保ち二輪車が直進走行時に左右のフラツ
キを抑える)や高速耐久性更には、ユニフォミティ性能
を向上することが行われている。
【0003】しかるに、この様な所謂周方向スパイラル
構造のベルトに於ては、車が旋回時に受ける遠心力に対
抗する所謂コ−ナリングフォ−スが従来のコ−ド周方向
角度を約20度としたバイヤスファブリックのベルト構
造に比較して可成り小さく旋回性能が低下する傾向があ
る。故に、例えば、後輪のコ−ナリングフォ−スが前輪
に対して極端に小さい場合では、二輪車が旋回時にオ−
バ−ステアとなり所謂尻振り現象から車両がスピンを発
生する危険な状態を引起こすことも想定される。この
為、このコ−ナリング性能低下を改善するために従来色
々な工夫が試みられてきた。例えば、(イ)特開昭61
−27707や特開昭63−194004等に提案され
るトレッドゴムをその幅方向に3分割してトレッドの両
ショルダ−部に路面との摩擦力を高めるゴムを使用する
タイヤ、(ロ)カ−カスプライに角度をつけたり、プラ
イの枚数を増加しタイヤの横剛性を高めたタイヤ、
(ハ)タイヤのサイドウオ−ル部に曲げ剛性の高い硬質
のゴムを幅広く挿入(例えば、ビ−ドスティフナ−部材
の形状、硬度を変更する)してタイヤの横剛性を高め
る、などの改善策が試みられて来た。
構造のベルトに於ては、車が旋回時に受ける遠心力に対
抗する所謂コ−ナリングフォ−スが従来のコ−ド周方向
角度を約20度としたバイヤスファブリックのベルト構
造に比較して可成り小さく旋回性能が低下する傾向があ
る。故に、例えば、後輪のコ−ナリングフォ−スが前輪
に対して極端に小さい場合では、二輪車が旋回時にオ−
バ−ステアとなり所謂尻振り現象から車両がスピンを発
生する危険な状態を引起こすことも想定される。この
為、このコ−ナリング性能低下を改善するために従来色
々な工夫が試みられてきた。例えば、(イ)特開昭61
−27707や特開昭63−194004等に提案され
るトレッドゴムをその幅方向に3分割してトレッドの両
ショルダ−部に路面との摩擦力を高めるゴムを使用する
タイヤ、(ロ)カ−カスプライに角度をつけたり、プラ
イの枚数を増加しタイヤの横剛性を高めたタイヤ、
(ハ)タイヤのサイドウオ−ル部に曲げ剛性の高い硬質
のゴムを幅広く挿入(例えば、ビ−ドスティフナ−部材
の形状、硬度を変更する)してタイヤの横剛性を高め
る、などの改善策が試みられて来た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した種々の改善策
はそれなりの効果が得られるものの、一方で、タイヤの
製造法を複雑にする(前述改善策イの場合)、タイヤ全
体の剛性が高くなるためにタイヤの乗り心地が悪化する
(改善策ロ、ハの場合)、タイヤ重量が不要に増加する
(前述改善策ロでプライ枚数増加の場合)等のマイナス
効果を生むと共に期待する性質のコ−ナリングフオ−ス
が十分に得られないという問題点があった。
はそれなりの効果が得られるものの、一方で、タイヤの
製造法を複雑にする(前述改善策イの場合)、タイヤ全
体の剛性が高くなるためにタイヤの乗り心地が悪化する
(改善策ロ、ハの場合)、タイヤ重量が不要に増加する
(前述改善策ロでプライ枚数増加の場合)等のマイナス
効果を生むと共に期待する性質のコ−ナリングフオ−ス
が十分に得られないという問題点があった。
【0005】本発明は、ほぼ周方向のコ−ド角度を持つ
スパイラル巻きベルト構造のラジアルタイヤの操縦性能
特にコ−ナリングフォ−スで代表される旋回性能を、他
のタイヤ性能を損なうことなく向上させた二輪車後輪用
タイヤを提供することを目的としている。
スパイラル巻きベルト構造のラジアルタイヤの操縦性能
特にコ−ナリングフォ−スで代表される旋回性能を、他
のタイヤ性能を損なうことなく向上させた二輪車後輪用
タイヤを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の二輪車後輪用空気入りラジアルタイヤに於
ては、単線又は並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中に
埋設して成る素材を、ほぼタイヤの周方向に向かう角度
でスパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベルト層を
一層以上有するベルト構造を持つ二輪車用空気入りラジ
アルタイヤにおいて、前記ベルトの最下層とラジアルプ
ライの最上層との間に、最大幅ベルト層のタイヤ軸方向
外端部近辺から内側に向かって薄板状の硬質ゴムを配置
し、該硬質ゴムのJIS硬度が70度以上で且つプライ
コ−ド被覆ゴムの硬度との差が20度以下であることを
特徴としている。
に、本発明の二輪車後輪用空気入りラジアルタイヤに於
ては、単線又は並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中に
埋設して成る素材を、ほぼタイヤの周方向に向かう角度
でスパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベルト層を
一層以上有するベルト構造を持つ二輪車用空気入りラジ
アルタイヤにおいて、前記ベルトの最下層とラジアルプ
ライの最上層との間に、最大幅ベルト層のタイヤ軸方向
外端部近辺から内側に向かって薄板状の硬質ゴムを配置
し、該硬質ゴムのJIS硬度が70度以上で且つプライ
コ−ド被覆ゴムの硬度との差が20度以下であることを
特徴としている。
【0007】尚、上記薄板状の硬質ゴムの厚さはタイヤ
のクラウン部の発熱及びタイヤ重量を不要に増加させな
いように、ベルト層一層の厚さの1から2倍程度の範囲
内で設定するのが良い。又、硬質ゴムの硬度について
は、前記スパイラルベルト構造の後述する接地面内横方
向の剛性を補強するために硬度の高いベルト被覆ゴムと
同等以上の硬さとするようにJIS硬度で70度以上と
している。しかるに一方この硬質ゴムの硬度をあまりに
高く設定すると該硬質ゴムの下層に在るカ−カスプライ
の被覆ゴムと前記薄板状の硬質ゴムとの硬度差が大きく
なりカ−カスプライ層と前記硬質ゴム層との境界におい
て剛性段差に基ずく応力の集中が起こり所謂界面亀裂破
壊が懸念されるため本発明では多くの実施経験により上
記プライ被覆ゴムと薄板状の硬質ゴムとの硬度差を20
度以下になるように硬質ゴムの硬度を選択する。
のクラウン部の発熱及びタイヤ重量を不要に増加させな
いように、ベルト層一層の厚さの1から2倍程度の範囲
内で設定するのが良い。又、硬質ゴムの硬度について
は、前記スパイラルベルト構造の後述する接地面内横方
向の剛性を補強するために硬度の高いベルト被覆ゴムと
同等以上の硬さとするようにJIS硬度で70度以上と
している。しかるに一方この硬質ゴムの硬度をあまりに
高く設定すると該硬質ゴムの下層に在るカ−カスプライ
の被覆ゴムと前記薄板状の硬質ゴムとの硬度差が大きく
なりカ−カスプライ層と前記硬質ゴム層との境界におい
て剛性段差に基ずく応力の集中が起こり所謂界面亀裂破
壊が懸念されるため本発明では多くの実施経験により上
記プライ被覆ゴムと薄板状の硬質ゴムとの硬度差を20
度以下になるように硬質ゴムの硬度を選択する。
【0008】
【作用】単線又は並列した複数本のコ−ドを被覆ゴム中
に埋設した素材を、ほぼタイヤの周方向に向かう角度で
スパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベルト層を一
層以上積層したベルト構造に於ては、コ−ドがほぼタイ
ヤの周方向に向いているためタイヤ周方向の伸縮に対す
る剛性は高いが、他方コ−ドが配列される面内において
前記スパイラルベルト層を曲げる場合に対する剛性(以
後面内曲げ剛性と呼称する)が非常に小さくなる。従っ
て、二輪車が旋回時に遠心力に対抗する接地面の摩擦力
はこの面内剛性の多寡に連動しているためスパイラルベ
ルト層のラジアルタイヤでは接地面の摩擦力に基ずくコ
−ナリングフォ−スが小さくなる。
に埋設した素材を、ほぼタイヤの周方向に向かう角度で
スパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベルト層を一
層以上積層したベルト構造に於ては、コ−ドがほぼタイ
ヤの周方向に向いているためタイヤ周方向の伸縮に対す
る剛性は高いが、他方コ−ドが配列される面内において
前記スパイラルベルト層を曲げる場合に対する剛性(以
後面内曲げ剛性と呼称する)が非常に小さくなる。従っ
て、二輪車が旋回時に遠心力に対抗する接地面の摩擦力
はこの面内剛性の多寡に連動しているためスパイラルベ
ルト層のラジアルタイヤでは接地面の摩擦力に基ずくコ
−ナリングフォ−スが小さくなる。
【0009】本発明では、補強材料としてベルトの被覆
ゴムと同等以上の硬度(70度以上)を持つ薄板状の硬
質ゴムをベルト層に隣接して積層配置してこの面内曲げ
剛性を高くすると共に、この硬質ゴムをゴムに対して弾
性率が極めて高い金属又は有機繊維コ−ドから成るベル
ト層と有機繊維コ−ドのカ−カスプライ層との間に挿入
したのでこの挿入部分ではタイヤの子午線断面内でのタ
イヤ曲げに対する断面2次モ−メントが大きくなりタイ
ヤの曲げ剛性即ち横剛性を大きくし、スパイラルベルト
構造の欠点であるコ−ナリングフォ−スの低下が防止さ
れる。
ゴムと同等以上の硬度(70度以上)を持つ薄板状の硬
質ゴムをベルト層に隣接して積層配置してこの面内曲げ
剛性を高くすると共に、この硬質ゴムをゴムに対して弾
性率が極めて高い金属又は有機繊維コ−ドから成るベル
ト層と有機繊維コ−ドのカ−カスプライ層との間に挿入
したのでこの挿入部分ではタイヤの子午線断面内でのタ
イヤ曲げに対する断面2次モ−メントが大きくなりタイ
ヤの曲げ剛性即ち横剛性を大きくし、スパイラルベルト
構造の欠点であるコ−ナリングフォ−スの低下が防止さ
れる。
【0010】更に薄板状の硬質ゴムの硬度とカ−カ−プ
ライの被覆ゴムの硬度との硬度差を20度以下になる様
に前記硬質ゴムの硬度を選択するので隣接部材間の極端
な弾性率(略硬度に相関する)の差に起因する界面破壊
亀裂が防止される。
ライの被覆ゴムの硬度との硬度差を20度以下になる様
に前記硬質ゴムの硬度を選択するので隣接部材間の極端
な弾性率(略硬度に相関する)の差に起因する界面破壊
亀裂が防止される。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。第1図は
本発明による二輪車後輪用タイヤの子午線断面図を示
し、タイヤサイズは170/60ZR17である。タイ
ヤの骨格を構成するベルト(1)は芳香族ポリアミド繊
維(商品名;ケブラ−)コ−ド3本をタイヤの赤道面に
対して0度の角度で配列して加硫後のJIS硬度が約7
0度となるゴム中に埋設した素材(2)をタイヤクラウ
ン(3)のほぼ全幅に亙ってスパイラル状に巻回した一
層のベルトであり、一方カ−カスプライ(4)はナイロ
ンコ−ドを赤道面に対して90度の方向に配列し加硫後
のJIS硬度が約60度のゴム中に埋設した一層のラジ
アルプライから出来ている。またクラウン部を占めるト
レッドゴム(5)の加硫後の硬度を約62とした。前記
スパイラルベルト層とカ−カスプライ層との間には、ク
ラウン幅の30%に相当する幅のクラウンセンタ−部分
において厚さが1mmその他の領域即ち、クラウン部の
両ショルダ−部分では2mmの厚さで、加硫後のJIS
硬度が70度となる薄板状の硬質ゴム(6)を前記ベル
ト幅とほぼ同一の幅にして挿入している。尚、加硫後の
硬度はJISK6301加硫ゴム物理試験法のスプリン
グ式硬さ試験A形に基ずいて測定した。一方比較例のタ
イヤは、上記実施例のタイヤと同一のタイヤサイズ、同
一のベルト及びカ−カス構造材料であるが、本発明の薄
板状の硬質ゴムを用いていないものである。
本発明による二輪車後輪用タイヤの子午線断面図を示
し、タイヤサイズは170/60ZR17である。タイ
ヤの骨格を構成するベルト(1)は芳香族ポリアミド繊
維(商品名;ケブラ−)コ−ド3本をタイヤの赤道面に
対して0度の角度で配列して加硫後のJIS硬度が約7
0度となるゴム中に埋設した素材(2)をタイヤクラウ
ン(3)のほぼ全幅に亙ってスパイラル状に巻回した一
層のベルトであり、一方カ−カスプライ(4)はナイロ
ンコ−ドを赤道面に対して90度の方向に配列し加硫後
のJIS硬度が約60度のゴム中に埋設した一層のラジ
アルプライから出来ている。またクラウン部を占めるト
レッドゴム(5)の加硫後の硬度を約62とした。前記
スパイラルベルト層とカ−カスプライ層との間には、ク
ラウン幅の30%に相当する幅のクラウンセンタ−部分
において厚さが1mmその他の領域即ち、クラウン部の
両ショルダ−部分では2mmの厚さで、加硫後のJIS
硬度が70度となる薄板状の硬質ゴム(6)を前記ベル
ト幅とほぼ同一の幅にして挿入している。尚、加硫後の
硬度はJISK6301加硫ゴム物理試験法のスプリン
グ式硬さ試験A形に基ずいて測定した。一方比較例のタ
イヤは、上記実施例のタイヤと同一のタイヤサイズ、同
一のベルト及びカ−カス構造材料であるが、本発明の薄
板状の硬質ゴムを用いていないものである。
【0012】次にこれらの実施例、比較例のタイヤにつ
いて、二輪車が曲線路を旋回走行する際にタイヤに生じ
るコ−ナリングフォ−スを比較するために、二輪車用室
内操縦性試験機にこれらのタイヤを装着し、タイヤ内圧
2.9kg/cm2 、タイヤ荷重355kg/本のJI
S規格100%の負荷の下でタイヤのキャンバ−角度と
キャンバ−スラストの関係を測定比較した。尚、ここで
は前述コ−ナリングフォ−スの代用特性としてキャンバ
−スラストを測定したが、両者の値は共にタイヤの接地
面と路面との間の摩擦力に基ずくものであるから、ここ
では同質のものとして相互に代用出来るとして論議して
いる。第2図にその測定結果をグラフとして示した。こ
の図より実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに対しキ
ャンバ−スラストが約20%大きく(従って前述のコ−
ナリングフォ−スが約20%比較例対比大きい)優れた
操縦性能を得ることが出来る。又、キャンバ−スラスト
の最大値がキャンバ−アングルの大きな値まで維持継続
され、しかもキャンバ−アングルの増加に伴うキャンバ
−スラストの急激な低下がないことから、二輪車が急旋
回する様な極限状態においても安定した操縦性能を保持
出来ることが期待出来る。
いて、二輪車が曲線路を旋回走行する際にタイヤに生じ
るコ−ナリングフォ−スを比較するために、二輪車用室
内操縦性試験機にこれらのタイヤを装着し、タイヤ内圧
2.9kg/cm2 、タイヤ荷重355kg/本のJI
S規格100%の負荷の下でタイヤのキャンバ−角度と
キャンバ−スラストの関係を測定比較した。尚、ここで
は前述コ−ナリングフォ−スの代用特性としてキャンバ
−スラストを測定したが、両者の値は共にタイヤの接地
面と路面との間の摩擦力に基ずくものであるから、ここ
では同質のものとして相互に代用出来るとして論議して
いる。第2図にその測定結果をグラフとして示した。こ
の図より実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに対しキ
ャンバ−スラストが約20%大きく(従って前述のコ−
ナリングフォ−スが約20%比較例対比大きい)優れた
操縦性能を得ることが出来る。又、キャンバ−スラスト
の最大値がキャンバ−アングルの大きな値まで維持継続
され、しかもキャンバ−アングルの増加に伴うキャンバ
−スラストの急激な低下がないことから、二輪車が急旋
回する様な極限状態においても安定した操縦性能を保持
出来ることが期待出来る。
【0013】更に本発明のタイヤにおいては、薄い硬質
のゴムの硬度を70度としてカ−カスプライの被覆ゴム
の硬度(約60度)との硬度の差を約10度に抑えてい
るので両ゴムの硬度差に起因する界面の疲労破壊亀裂の
懸念がなく、又、薄いゴムシ−トをベルト層の下に張り
付けるものであるのでタイヤサイドウオ−ル(7)の柔
軟性を損なうことがなくタイヤの乗り心地性を低下せ
ず、更に又、特別にタイヤの重量を増加したり製造上の
煩雑さを引き起こすこともない。
のゴムの硬度を70度としてカ−カスプライの被覆ゴム
の硬度(約60度)との硬度の差を約10度に抑えてい
るので両ゴムの硬度差に起因する界面の疲労破壊亀裂の
懸念がなく、又、薄いゴムシ−トをベルト層の下に張り
付けるものであるのでタイヤサイドウオ−ル(7)の柔
軟性を損なうことがなくタイヤの乗り心地性を低下せ
ず、更に又、特別にタイヤの重量を増加したり製造上の
煩雑さを引き起こすこともない。
【0014】尚、上記の実施例においては、薄板状の硬
質ゴムの総幅をタイヤのクラウン幅又は、ベルト幅と略
同一としたが、硬質ゴムの形状を薄い三角形状の楔形と
してタイヤの両ショルダ−部に配置してセンタ−部には
配置しない構造とすることも出来る。
質ゴムの総幅をタイヤのクラウン幅又は、ベルト幅と略
同一としたが、硬質ゴムの形状を薄い三角形状の楔形と
してタイヤの両ショルダ−部に配置してセンタ−部には
配置しない構造とすることも出来る。
【0015】
【発明の効果】本発明の二輪車後輪用ラジアルタイヤに
於ては、周方向コ−ド角度のスパイラルベルトに付随す
る面内剛性低下という欠点を、乗り心地やタイヤ重量の
増加など他のタイヤ性能を損傷することなく解消する構
造としコ−ナリングフォ−ス及びキャンバ−スラスト性
能を向上しているので、スパイラルベルト構造の長所で
ある高速性能や振動乗り心地性能を十二分に発揮させ得
ると共に二輪車後輪用として、前輪タイヤとの好適なバ
ランスを含めて、操縦安定性能の大幅な向上を提供す
る。
於ては、周方向コ−ド角度のスパイラルベルトに付随す
る面内剛性低下という欠点を、乗り心地やタイヤ重量の
増加など他のタイヤ性能を損傷することなく解消する構
造としコ−ナリングフォ−ス及びキャンバ−スラスト性
能を向上しているので、スパイラルベルト構造の長所で
ある高速性能や振動乗り心地性能を十二分に発揮させ得
ると共に二輪車後輪用として、前輪タイヤとの好適なバ
ランスを含めて、操縦安定性能の大幅な向上を提供す
る。
【図1】本発明による二輪車後輪用タイヤのタイヤ子午
線断面図である。
線断面図である。
【図2】実施例、比較例のタイヤのキャンバ−アングル
とキャンバ−スラストとの関係を測定しグラフに示した
ものである。
とキャンバ−スラストとの関係を測定しグラフに示した
ものである。
1 ベルト 2 素材 3 クラウン部 4 カ−カスプライ 5 トレッドゴム 6 薄板状の硬質ゴム 7 タイヤサイドウオ−ル
Claims (1)
- 【請求項1】 単線又は並列した複数本のコ−ドを被覆
ゴム中に埋設して成る素材を、ほぼタイヤの周方向に向
かう角度でスパイラル状にタイヤ軸線方向に巻回したベ
ルト層を一層以上有するベルト構造を持つ二輪車用空気
入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルトの最下層とラ
ジアルプライの最上層との間に、最大幅ベルト層のタイ
ヤ軸方向外端部近辺から内側に向かって薄板状の硬質ゴ
ムが配置され、該硬質ゴムのJIS硬度は70度以上で
且つプライコ−ド被覆ゴムの硬度との差が20度以下で
ある二輪車後輪用空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5244146A JPH0796711A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 二輪車用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5244146A JPH0796711A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 二輪車用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0796711A true JPH0796711A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17114448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5244146A Pending JPH0796711A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 二輪車用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0796711A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002347410A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 自動二輪車用タイヤ |
JP2006232025A (ja) * | 2005-02-23 | 2006-09-07 | Bridgestone Corp | スクーター用空気入りラジアルタイヤおよびスクーター |
JP2014125084A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Bridgestone Corp | 自動二輪車用空気入りタイヤ |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP5244146A patent/JPH0796711A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002347410A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 自動二輪車用タイヤ |
JP4709425B2 (ja) * | 2001-05-28 | 2011-06-22 | 住友ゴム工業株式会社 | 自動二輪車用タイヤ |
JP2006232025A (ja) * | 2005-02-23 | 2006-09-07 | Bridgestone Corp | スクーター用空気入りラジアルタイヤおよびスクーター |
JP2014125084A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Bridgestone Corp | 自動二輪車用空気入りタイヤ |
US10259267B2 (en) | 2012-12-26 | 2019-04-16 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire for motorcycle |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040113 |