[go: up one dir, main page]

JPH0652891B2 - スペクトル拡散通信方式 - Google Patents

スペクトル拡散通信方式

Info

Publication number
JPH0652891B2
JPH0652891B2 JP63037707A JP3770788A JPH0652891B2 JP H0652891 B2 JPH0652891 B2 JP H0652891B2 JP 63037707 A JP63037707 A JP 63037707A JP 3770788 A JP3770788 A JP 3770788A JP H0652891 B2 JPH0652891 B2 JP H0652891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
spread spectrum
spread
spectrum signal
code
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63037707A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01280938A (ja
Inventor
行信 石垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP63037707A priority Critical patent/JPH0652891B2/ja
Priority to US07/313,259 priority patent/US4977578A/en
Publication of JPH01280938A publication Critical patent/JPH01280938A/ja
Publication of JPH0652891B2 publication Critical patent/JPH0652891B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスペクトル拡散通信方式に係り、特に、受信
(復調)側において、逆拡散用の擬似雑音を発生するた
めの拡散符号発生回路を不要としたスペクトル拡散通信
方式に関する。
〔技術的背景〕
最近のわが国における通信技術の発達とシステム技術の
多様化には目覚ましいものがある。光通信技術に代表さ
れる多重通信もその1つであり、電波を使った通信技術
もアナログ変調方式の電波有効利用を図るために、マル
チチャンネルアクセス(MCA)が主流になっている。
しかしこのMCAは、特定の1人が同一周波数を専有で
きないという利点はあるが、チャンネル数が限られてい
る中で当然チャンネル以上の通話は同時にはできない。
そのため特に使用頻度の高い大都市では通話を待たされ
ることが日常的に生じている。これは、有限資源である
周波数資源を、単に帯域幅だけを分割して利用している
ためであり、情報の品位,情緒,即時性を考えると、か
かる技術ではそろそろ限界に来ていると思われる。
そこで、より一層効率の高い通信方式の研究,開発も、
古くから多くの研究者によってなされており、その1つ
にスペクトル拡散通信方式がある。このスペクトル拡散
(Spread Spectrum:SS)通信方式は約50年前に欧州で
開発され、基本的な考え方は1950年代に確立されてい
る。1960年代には百個ものトランジスタで疑似雑音符号
発生回路を作成していたが、初期の技術は未熟で、それ
らを構成する能動素子や製造技術の発達が待望されてい
た。近年に至って高密度IC技術の発達やICの低価格
化が進み、小型でしかも低価格の装置を作成することが
可能になったことにより、かかる通信方式が再び注目を
集めている。
スペクトル拡散通信方式とは、キャリアを情報信号にて
1次変調したものを広帯域の雑音状の拡散符号により2
次変調して、非常に広い周波数帯域に拡散する方式であ
る。一般的には、2次変調方式の違いにより、直接拡散
(DS)方式,周波数ホッピング(FH)方式,ハイブ
リッド方式等があり、本発明方式はこのうち前者のDS
方式に関する。かかるスペクトル拡散通信には、秘匿
性(秘話性)が非常に高い,外部干渉や雑音,故意の
妨害に強い,従来システムと共存できる,MCA局
のような制御局や制御チャンネルが不要である,アド
レスコードでの管理ができる,DS(直接拡散)方式
では電力密度が低いので、電波が存在していないように
見える(微弱な電力で送信できる),通話品位の低下
を若干許容すれば局数を増加できる,同一帯域内に疑
似雑音符号信号を変えることにより多重することが可能
である,等々の特長があり、これらが認識されて、現在
では単に通信分野にとどまらず、各分野での応用が進ん
できており、民生機器への展開も始まっている。
〔従来の技術〕
第9図及び第10図を参照しながら、従来のスペクトル
拡散通信方式について説明する。第9図はDS方式によ
るスペクトル拡散通信方式を実現するための基本ブロッ
ク構成図、第10図は各構成部分におけるスペクトル波
形図である。第9図に示すように、送信側であるA局の
1次変調器31にて1次変調された第10図(a) 図示の
如き信号(F)は、拡散変調回路36において、拡散
符号生成回路39からの信号(FSS;同図(b) 参照)に
より2次変調を受けて、電力増幅されてアンテナA
り送信信号(F1S)として出力される。1次変調は特に
制限はなく、周波数変調(FM)やPSK(Phase Shift Key
ing)等で良く(本明細書ではこのPSKにより変調を行
なうものとして説明する)、2次変調(拡散変調)は、
一般的に疑似雑音符号(Pseudo Noise:PN符号)によ
り拡散変調する。このPN符号はできる限りランダム雑
音状で、且つ受信機側で符号を取り出すために一定の周
期を有している必要がある。
次に、受信側の構成及び機能等について説明する。受信
側であるB局では、アンテナAから所定のフィルタと
高周波増幅器により得られたF1S信号を、逆拡散回路3
7において拡散符号生成回路49からの拡散符号により
逆拡散する。この拡散符号生成回路49はA局の拡散符
号生成回路39と同期が取られており、PN符号も等価
(FSS)である。ところで、アンテナAに入来する電
波はF1Sだけとは限らず、第10図(c) に示すように、
他のSS局からの電波(F2S,F3S,…)と一般の電波
(F)が存在する。そこで逆拡散回路37で逆拡散を
施すことにより、同図(d) 図示の如き所望の電波F1F
同図(a) のようなスペクトルに戻し、フィルタ(狭帯域
波器が望ましい)41にてF1S以外の成分の大部分を
除去し(同図(e) 参照)、復調回路43にて元の情報信
号に復調して出力するわけである。なお、同図(e) から
わかるように、フィルタ41の出力信号中にはF1Sの他
に干渉波のFnと多局のSS波の一部が残っている。こ
の残留電力と目的信号の電力の比をDN比(信号電力対
干渉電力比)と呼んでおり、このDN比を大きく取るた
めには拡散帯域ができる限り広い方が有利であり、一般
的に情報信号の周波数帯域の 100〜1000倍程度にとって
いる。
以上、スペクトル拡散通信の基本的な原理について説明
したが、次にスペクトル拡散通信を行なう場合の1,2
次各変調・復調における具体的な動作について理論的に
説明する。スペクトル拡散通信におけるスペクトル拡散
信号S(t){第9図のF1S} は、情報データをd(t)[+1又
は-1],拡散符号FSSをP(t)[+1又は-1],搬送波を cosω
ctとすると、次式で表わされる。
S(t) =d(t) P(t)cosωct ……(1) (但し、ω=2πf) このスペクトル拡散信号S(t) は、受信(復調)におい
て、入来したスペクトル拡散信号より拡散符号用クロッ
ク信号を生成し、更に送信時のスペクトル拡散信号にお
ける拡散符号と同期した拡散府P(t){実際には若干の遅
延の伴った である} を得て、入来したスペクトル拡散信号S(t) と
乗算(相関又は逆拡散とも言う)を行ない、d(t)cosω
ctなる2相 PSK信号に変換される。更に、再生した搬送
波 cosωct と乗算による同期検波を行ない、 d(t) (cosωct) =d(t) (1+cos2ωct) /2 を得て、搬送波成分2ωctをフィルタで除去することに
より情報データd(t) が復調される。
ここで、2相 PSK信号d(t)cosωctの帯域幅(スペクト
ルのメインローブとする)をBとし、拡散符号P(t)
により拡散されたスペクトル拡散信号の帯域幅(スペク
トルのメインローブとする)をBとすれば、スペクト
ル拡散通信におけるプロセスゲインGは、 G=B/B ……(2) で表わされる。プロセスゲインGは、通常の設計値に
おいて数百〜数千の値であり、この値に従って妨害信
号,雑音等の抑圧が行なわれるため、情報データd(t)
に対してスペクトル拡散信号の周波数帯域が広いほど耐
妨害性,耐雑音性等における改善効果が高まる。即ち、
改善効果はプロセスゲインGでほぼ一義的に定まる。
〔発明が解決しようとする課題〕
かかるスペクトル拡散通信方式では、「逆拡散」が最も
重要であり、これを行なうに必要な拡散符号の生成が容
易ではなく、現在では、AFC制御ループ,遅延ロック
ループ及び乗算器による逆拡散法や、マッチドフィルタ
を用いた同期ループと乗算器による逆拡散法が一般的に
用いられている。これらの構成による逆拡散は、いずれ
も回路構成が複雑で、更には調整面やコスト面での課題
もあり、民生機器への展開に当ってはこれらの課題を解
決する必要がある。又、非常に広い周波数帯域を必要と
するために、周波数帯域(又は電波)の有効活用の面で
問題があり、実際には使用できる周波数帯域が限られて
しまい、希望通りの設計が行ない難い等の欠点がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のスペクトル拡散通信方式は、上記課題を解決す
るために、以下のような各手段を備えて通信を行ってい
る。即ち、ます変調側(10)には、情報信号を第1の搬送
波で PSK変調して PSK変調信号を得る PSK変調手段と、
クロック信号を入力して拡散符号信号を発生する拡散符
号発生手段と、 PSK変調信号を該得られた拡散符号信号
に乗算することにより拡散して第1のスペクトル拡散信
号を得る第1の拡散手段と、拡散符号信号及びクロック
信号を入力して和分変換出力信号を得る和分変換手段
と、得られた和分変換出力信号を第2の搬送波に乗算し
て第2のスペクトル拡散信号を得る第2の拡散手段と、
第2のスペクトル拡散信号と第1のスペクトル拡散信号
とを加算して加算スペクトル拡散信号を出力する加算手
段等を備えている。
また、復調器(20)には、加算スペクトル拡散信号を第1
のスペクトル拡散信号と第2のスペクトル拡散信号とに
分離検出するための分離手段と、分離検出された第2の
スペクトル拡散信号にその1タイムスロットの遅延を付
与する遅延回路と、この遅延回路の出力と第2のスペク
トル拡散信号とを乗算して復調拡散符号信号を得る乗算
手段と、得られた復調拡散符号信号を第1のスペクトル
拡散信号に乗算することによりこれを逆拡散して復調 P
SK信号を得る逆拡散復調手段等を備えた。
なお、第1の搬送波と第2の搬送波の周波数間隔を、(2
N-1)/{2(2n −1)T}(但しNは正の整数,nは拡散
符号発生手段におけるシフトレジスタの段数,Tはク
ロック信号の1ビット時間長)とすることにより、前記
第1のスペクトル拡散信号の側帯波間に前記第2のスペ
クトル拡散信号のスペクトルを存在させて、通信を行う
ようにしている。
〔実施例〕
本発明のスペクトル拡散通信方式では、上記の如き構成
にて通信を行うようにしたので、逆拡散において従来よ
り必須の構成要件であったクロック再生回路,拡散符号
発生回路,ループで構成される同期引込み回路及び同期
保持回路等が不要となったものであり、以下、本発明方
式を実現し得る装置の具体例を上げて、図面と共に説明
する。
第1図は、本発明のスペクトル拡散通信方式を実現し得
るスペクトル拡散通信装置の第1実施例のブロック構成
図で、同図(A) が変調部(送信側)10,同図(B) が復
調部(受信側)20である。なおアンテナ等構成の一部
の図示を省略している。
第1図(A) に示すように、変調部10は2つの乗算器
2,3;演算回路(加算器)6,和分変換回路8,拡散
符号生成回路(PNG) 9及びBPF(帯域波器)11等
を備え、これらを第1図(A) 図示の如く接続して構成し
ている。和分変換回路8は例えば EX-ORゲート25とD
フリップフロップ回路(以下「 DFF」とも記す)26を
図のように結線することにより実現される。また復調部
20は2つのBPF13,15;2つの遅延回路(DL)
16,17;2つの乗算器4,5;加算器18,減算器
22,及びLPF(帯域波器)24を第1図(B) 図示
の如く接続して構成している。なお、遅延回路16,加
算器18,及び減算器22とで2種類の伝送特性を有す
る櫛歯形フィルタ19を構成しており、その伝送特性は
第5図(A),(B)に夫々加算特性及び減算特性として示す
通りである。以下、変調部10及び復調部の20具体的
な機能,動作について、第2図,第3図の周波数スペク
トル図及び第4図のタイミングチャート(信号波形図)
を併せ参照しながら説明する。
まず送信を行なう場合、変調部10においては、第1の
搬送波ωc1にて情報信号d(t) が1次変調器(図示せ
ず)で変調されて、第2図(A) の波形(イ)の如き1次変
調信号d(t)cosωc1t(ここでは2相 PSK変調信号とし
ている)となって、入力端子Inを介して乗算器2に供
給される。一方、入力端子Inからはクロック信号S
c(t)を拡散符号生成回路9に供給して、この信号を基に
拡散符号信号P(t) を生成する。拡散符号としては、一
般的に疑似雑音符号が用いられ、その中でもM系列符号
がよく用いられるので、「擬似雑音符号」と呼ばれるこ
ともある。拡散符号発生回路9にて生成した拡散符号P
(t) を乗算器2に供給し、ここで上記2相 PSK信号d
(t)cosωc1tとの乗算によるスペクトル拡散を行ない、
スペクトル拡散信号P(t) d(t)cosωc1t(以下「S
1(t)」とも記す)を作る(第2図(c) 参照)。この拡散
符号信号P(t) と上記クロック信号Sc(t)はまた、和分
変換回路8の夫々 EX-ORゲート25,及び DFF26の
(clock) 端子に供給される。この和分変換回路8はModu
lo2即ち法2の加算を行なっており、拡散符号信号P
(t) である第1図(A) の(a) 点の2値入力信号をa
し、和分変換出力信号Ps(t)である(b) の点の信号をb
とすれば、 で表わされる。このaとbの関係は、第4図(A) 及
び(B) に夫々示す通りである。即ち、 b=a+b=1,b=a+b=1, b=a+b=1,b=a+b=0, …となっている。
一方、入力端子Inより、第2図(B) の(ロ)の如き搬送
波信号 cosωc2tを乗算器3に供給し、ここで上記和分
変換回路8からの出力信号Ps(t)と乗算による拡散を行
なって、同図(D) の如きスペクトル拡散信号S2(t)=P
s(t) cosωc2tを出力し、加算器6に供給する。従って
ここで、前記スペクトル拡散信号S1(t)との加算が行な
われ(同図(E) 参照)、その加算信号出力は次段のBP
F11でスペクトル拡散信号のメインローブのみを通
過,伝送され、出力端子Outより出力される。この加
算スペクトル加算信号S1(t)+S2(t)は次式で表わされ
る。
1(t)+S2(t)=P(t) d(t)cosωc1t +Ps(t) cosωc2t …… (4) ここで、スペクトル拡散信号の周波数スペクトルについ
て説明する。同図(C) 及び(D) における側帯波Sa1 とSa
2 の間隔やSb1 とSb2 との間隔は、クロック信号Sc(t)
の1ビット時間長をTとし、拡散符号発生回路9にお
けるM系列符号を用い、そのM系列符号発生回路(図示
せず)にシフトレジスタを用いた場合にその段数をnと
すると、{(2−1)T} -1で与えられる間隔となり、
2種類の側帯波+Sa1 〜+San ,−Sa1 〜−San と、側
帯波+Sb1 〜+Sbn ,−Sb1 〜−Sbn とは、同図(E) に
示したように夫々交互に等間隔で並んでいる。従って、
両側帯波Sa1 列とSb列との周波数間隔は{2(2n −1)
} -1で与えられる。第3図はスペクトル拡散信号の
周波数特性図であり、実線の部分(図中の(a) と(b) の
間)はそのメインローブを示す。なお、2−1は拡散
符号長である。
本発明方式では周波数の選定が重要なポイントであり、
スペクトル拡散信号S1(t)の周波数スペクトルにおける
側帯波間に、スペクトル拡散信号S2(t)のスペクトルが
存在するように選定される。即ち、第2図において、1
次変調(2相 PSK変調)信号d(t)cosωc1tの搬送波角
周波数ωc1と、搬送波信号 cosωc2tの搬送波角周波数
ωc2の周波数間隔は 1/{2(2n −1)T} で示されるも
のとなる。なお、これに限定されるものではなく、理論
的には(2N-1)/{2(2n −1)T} で定まる間隔であれば
良い。但し、Nは正の整数であり、第2図はN=1の場
合を示している。このように周波数間隔を定めることに
より、両スペクトル拡散信号S1(t),S2(t)のスペクト
ルは重なることなく、交互に並んで配置される。
次に、第1図(B) を参照して、復調部20の機能につい
て、第5図を併せ参照して説明する。入力端子Inに入
来したスペクトル拡散信号SM(t){=S1(t)+S2(t)}
(第2図(E) 参照)は、BPF13にてスペクトル拡散
信号以外の周波数成分を除去されて、遅延回路16,加
算器18,及び減算器22の正入力端子に供給される。
且つ、遅延回路16の出力を加算器18,及び減算器2
2の負入力端子に供給する構成とすることにより、これ
ら遅延回路16,加算器18及び減算器22とで加算特
性及び減算特性(夫々第5図(A),(B)参照)を有する櫛
歯形フィルタ19が形成されている。いま、遅延回路1
6における遅延時間をT(=1/F)とすると、加算の場
合は第5図(A) に示すように、1/T,2/T,3/T,…,
N/T(Nは自然数)の周波数の所で利得が2倍となり、
それらの各中間の周波数では出力は0となって急峻なデ
ィップが出来る。減算の場合は逆に同図(B) に示すよう
に、1/T,2/T,3/T,…,N/Tの周波数の所で谷(利
得が0)となり、それらの各中間の周波数では利得が2
倍となる。従って、遅延時間をT=(2n −1)Tとする
ことにより、櫛歯形フィルタ19の山又は谷の周波数を
スペクトル拡散信号の側帯波周波数に合わせれば、スペ
クトル拡散信号S1(t)とS2(t)との分離検出が可能にな
るわけである。従って、加算器18の出力にはスペクト
ル拡散信号S1(t)(第2図(C) 参照)が、減算器22の
出力にはスペクトル拡散信号S2(t)(同図(D) 参照)が
夫々分離して得られる。
遅延回路17は和分変換出力信号Ps(t)の1タイムスロ
ットの遅延を付与するよう構成されている。従って、遅
延回路17の入力側及び出力側は、夫々第4図(C) 及び
(D) に夫々示すような波形となる。これらの両信号が乗
算器5で乗算され、更にLPF24で搬送波成分が除去
されることにより、同図(E) に示すような、変調時と等
価な拡散符号信号P(t) が検出される。(但し極正は
逆)。この拡散符号信号P(t) は乗算器4に供給され、
加算器18からのスペクトル拡散信号S1(t)との乗算に
よる逆拡散が行われる。従って、乗算器4からはスペク
トル拡散信号S1(t)が復調された信号が得られ、BPF
11にて不要な周波数成分が除去されて、出力端子Out
から2相 PSK信号d(t)cosωc1tが出力される。な
お、遅延回路16によるスペクトル拡散信号SM(t)の遅
延分の表現は、説明の便宜上省略した。
ここで、スペクトル拡散信号SM(t)の分離検出動作(櫛
歯形フィルタ19等の動作原理)について説明する。第
1図(B) に示した遅延回路16より出力されるスペクト
ル拡散信号S(t-T) は、 S(t-T) =S1(t-T)+S2(t-T) =P(t-T) d(t-T)cosωc1(t-T) +Ps(t-T) cosωc2(t-T) ……(5) となる。ここで、前提条件として、P(t) {又はPs
(t)}の周期と遅延時間Tとを等しくし、 cosωc1tは
P(t) の周期で同相,同レベルで繰返す連続波、 cosω
c2tはP(t) の周期で逆相,同レベルで繰返す連続波と
すれば、S(t-T) は、 S(t-T) =P(t) d(t-T)cosωc1t −Ps(t) cosωc2t ……(6) となる。従って、加算出力S (t)+S(t-T) {=S1
(t)} は、 S1(t)=SM(t)+S(t-T) ={d(t)+d(t-T)}P(t)cosωc1t……(7) となる。一方、減算出力S(t)+S(t-T) {=S2(t)}
は、 S2(t)=SM(t)−S(t-T) =2Ps(t) cosωc2t +d(t)-d(t-T)}P(t)cosωc1t……(8) となる。ここで、第(8) 式に見られる{d(t) −d(t-
T)}P(t)cosωc1tは櫛歯形フィルタ19で分離不可能
なクロストーク成分であるが、情報データd(t) の1チ
ップ時間長(=1bit時間長) に比べ、遅延時間を非常に
短く選んでいるので、近似的に省略可能である。従っ
て、減算出力S2(t)は、 S2(t)≒2Ps(t) cosωc2t ……(9) となる。
次に、逆拡散動作について、第1図(B) の構成に従って
具体的に説明する。まず始めに、拡散符号信号P(t) の
生成動作について説明する。減算出力S2(t)は、拡散符
号信号P(t) を生成するための、乗算器5と遅延回路1
7に供給される。遅延回路17は和分変換出力信号Ps
(t)を1チップ時間長(1タイムスロット)遅延させる
ためのものであり、遅延時間をτとすると、遅延減算出
力はS2(t-τ) となる。従って、遅延減算出力S2(t-
τ) は22(t)と乗算を行うことにより、拡散符号信号P
(t) に変換される。この手法は、従来より行われている
「遅延検波」なので、その詳細な原理の解説は省略す
る。
次に、復調動作について説明する。乗算器5の出力信号
中の不要な周波数成分はLPF24で除去されるので、
LPF24からは変調時の拡散符号信号P(t) と等価な
信号が出力され乗算器4に供給される。乗算器4には上
記加算出力S1(t)も供給されているので、ここで両信号
の乗算が行われてP(t) は直流化し、復調2相 PSK信号
{d(t)+d(t-T) }cosωc1tのみが出力される。かかる
復調2相 PSK信号は、BPF15にて不要な雑音成分を
除去された後、出力端子Outより出力される。
次に、本発明の通信方式を実現し得る通信装置の第2実
施例について、第6図の回路ブロック図,第7図の周波
数スペクトル及び第8図のタイミングチャートを参照し
ながら説明する。第6図(A) は変調部のブロック構成
図、同図(B) は復調部のブロック構成図であり、これら
の図において第1図に示した第1実施例と同一構成箇所
には同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
変調部30は第1実施例の変調部10と比較して、BP
F(帯域波器)11が乗算器2と演算回路6の間に挿
入され、もう1つのBPF12が加わって乗算器3と演
算回路6の間に挿入されている点が異っているが、その
他の構成要素には変更はない。このBPF11は、乗算
器2からのスペクトル拡散信号S1(t){=P(t) d(t)co
c1t} の周波数スペクトルのメインローブのみを通
過させて演算回路6に供給するものであり、BPF12
は、乗算器3からのスペクトル拡散信号S2(t){=Ps
(t) cosωc2t}の周波数スペクトルのメインローブの
みを通過させて演算回路6に供給するものである。その
結果、演算回路6からは第7図示の如き周波数スペクト
ルを有する加算スペクトル拡散信号S1(t)+S2(t){=
M(t),第(3) 式参照}が出力端子Outから第1実施
例同様出力される。又、和分変換回路8の動作説明及び
第8図(A),(B) の信号波形の説明も、前記第1実施例の
変調部10と同じなので、以下、変調部30の具体的な
機能,動作原理の説明は省略する。
なお、2つの搬送波ωc1及びωc2の周波数を第7図に示
すように、充分離間して選択し、且つBPF11及び1
2の通過帯域(スペクトル拡散信号S1(t)とS2(t)の周
波数スペクトルのメインローブI及びIIの帯域)を互い
に重ならないようにする{即ち、拡散符号長2−1を
N>2−1の条件下に定める}ことにより、後述の如
く復調部40の構成を復調部20に比して一層簡潔にす
ることができる。但し、使用周波数帯域は第1実施例の
構成に比して2倍となる。
次に、第6図(B) を参照して、復調部40の構成及び機
能について、第7図の周波数スペクトル図及び第8図の
タイミングチャートを併せ参照しながら説明する。この
第6図(B) と第1図(B) とを比較すると明らかなよう
に、復調部40は復調部20に比して構成が一層簡素化
されており、櫛歯形フィルタ19が省略されている。そ
の代りにBPF14が追加され、入力端子Inと乗算器
5及び遅延回路17との間に挿入されている。かかる構
成において、入力端子Inより第7図の如き加算スペク
トル拡散信号SM(t){=S1(t)+S2(t)=P(t) d(t)c
osωc1t+Ps(t) cosωc2t}は、BPF13,14に
供給される。BPF13はスペクトル拡散信号S1(t)の
みを通過させて乗算器4に供給する。一方、BPF14
はスペクトル拡散信号S1(t)のみを通過させて乗算器5
及び遅延回路17に供給する。即ち、両BPF13,1
4によって、スペクトル拡散信号S1(t)及びS2(t)が夫
々分離して得られるわけである。
遅延回路17では和分変換出力信号Ps(t)の1タイムス
ロットの遅延が付与される。従って、遅延回路17の入
力側及び出力側は、夫々第8図(C) 及び(D) に夫々示す
ような波形となる。これらの両信号が乗算器5で乗算さ
れ、更にLPF24で搬送波成分が除去されることによ
り、同図(E) に示すような、変調時と等価な(但し極性
は逆)拡散符号信号P(t) が検出される。この拡散符号
信号P(t) は乗算器4に供給され、BPF13からのス
ペクトル拡散信号S1(t)との乗算による逆拡散が行われ
る。従って、乗算器4からはスペクトル拡散信号S1(t)
が復調された信号が得られ、BPF11にて不要な周波
数成分が除去されて、出力端子Outから2相 PSK信号
d(t)cosωc1tが出力される。
〔効 果〕
以上の説明から明らかなように、本発明のスペクトル拡
散通信方式は次のような種々の優れた特徴を有する。
従来方式で必須の構成要件であったクロック再生回
路,拡散符号発生回路,ループで構成される同期引込み
回路及び同期保持回路等が不要となったので、回路構成
が大幅に簡素化でき、コストの削減に寄与できるので、
民生機器への展開が非常に容易になった。
高度な技術が要求される同期引込み回路及び同期保持
回路等の同期を取るための回路が不要となったことによ
り、従来方式における同期引込みに時間がかかるという
欠点や、同期が外れる等の問題から解放され、スペクト
ル拡散通信方式の動作の安定化にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B) は本発明のスペクトル拡散通信方式を実
現し得る第1実施例の夫々変調部及び復調部のブロック
構成図、第2図(A) 〜(E) は第1実施例の各構成部分の
動作説明用周波数スペクトル図、第3図及び第7図は夫
々第1,第2実施例でのスペクトル拡散信号の周波数ス
ペクトル図、第4図及び第8図は夫々第1,第2実施例
の主要構成部分の動作説明用タイミングチャート、第5
図(A),(B) は櫛歯形フィルタの特性図、第6図(A),(B)
は本発明方式を実現する第2実施例の夫々変調部及び復
調部のブロック構成図、第9図は従来より用いられるス
ペクトル拡散通信装置の基本構成を示す概略ブロック
図、第10図は第9図示の装置の動作説明用スペクトル
図である。 2〜5……乗算器、6,18……加算器、8……和分変
換回路、9……拡散符号発生回路、11〜15……BP
F(帯域波器)、10,30…変調部、16,17…
…遅延回路、19……櫛歯形フィルタ、20,40……
復調部、22……減算器、In〜In……入力端子、Ou
t〜Out……出力端子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変調側には、情報信号を第1の搬送波で P
    SK変調して PSK変調信号を得る PSK変調手段と、クロッ
    ク信号を入力して拡散符号信号を発生する拡散符号発生
    手段と、上記 PSK変調信号を該得られた拡散符号信号に
    乗算することにより拡散して第1のスペクトル拡散信号
    を得る第1の拡散手段と、上記拡散符号信号及びクロッ
    ク信号を入力して和分変換出力信号を得る和分変換手段
    と、得られた和分変換出力信号を第2の搬送波に乗算し
    て第2のスペクトル拡散信号を得る第2の拡散手段と、
    該第2のスペクトル拡散信号と上記第1のスペクトル拡
    散信号とを加算して加算スペクトル拡散信号を出力する
    加算手段とを備え、 復調側には、加算スペクトル拡散信号を第1のスペクト
    ル拡散信号と第2のスペクトル拡散信号とに分離検出す
    るための分離検出手段と、分離検出された第2のスペク
    トル拡散信号にその1タイムスロットの遅延を付与する
    遅延回路と、該遅延回路の出力と第2のスペクトル拡散
    信号とを乗算して復調拡散符号信号を得る乗算手段と、
    得られた復調拡散符号信号を上記第1のスペクトル拡散
    信号に乗算することにより該第1のスペクトル拡散信号
    を逆拡散して復調PSK 信号を得る逆拡散復調手段とを備
    え、 前記第1の搬送波と第2の搬送波の周波数間隔を、(2N-
    1)/{2(2n −1)T}(但しNは正の整数,nは拡散符
    号発生手段におけるシフトレジスタの段数,Tはクロ
    ック信号の1ビット時間長)とすることにより、前記第
    1のスペクトル拡散信号の側帯波間に前記第2のスペク
    トル拡散信号のスペクトルを存在させて、通信を行うよ
    うにしたことを特徴とするスペクトル拡散通信方式。
JP63037707A 1988-02-19 1988-02-19 スペクトル拡散通信方式 Expired - Lifetime JPH0652891B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63037707A JPH0652891B2 (ja) 1988-02-19 1988-02-19 スペクトル拡散通信方式
US07/313,259 US4977578A (en) 1988-02-19 1989-02-21 Spread spectrum communication system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63037707A JPH0652891B2 (ja) 1988-02-19 1988-02-19 スペクトル拡散通信方式

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01280938A JPH01280938A (ja) 1989-11-13
JPH0652891B2 true JPH0652891B2 (ja) 1994-07-06

Family

ID=12504996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63037707A Expired - Lifetime JPH0652891B2 (ja) 1988-02-19 1988-02-19 スペクトル拡散通信方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0652891B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03159333A (ja) * 1989-11-16 1991-07-09 Victor Co Of Japan Ltd スペクトル拡散通信方式

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01280938A (ja) 1989-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4977578A (en) Spread spectrum communication system
JPH069348B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
US5856997A (en) Spread spectrum receiving apparatus
JP2675890B2 (ja) スペクトラム拡散通信装置
JPH0799487A (ja) スペクトラム拡散通信装置および無線通信装置
US4953178A (en) Spread spectrum communication system
CA2012183A1 (en) Spread spectrum communication device
JP3666018B2 (ja) 送信装置、受信装置、送信方法、並びに受信方法
JPH0652891B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
JPH0652892B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
JP2556141B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
JPH0652893B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
JP2650560B2 (ja) 多チャンネル型スペクトル拡散変調復調装置
JPH07283762A (ja) スペクトラム拡散通信装置
JPH069347B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
JPH0568017A (ja) スペクトラム拡散受信装置およびスペクトラム拡散送信装置およびスペクトラム拡散通信システム
JPH0748706B2 (ja) スペクトル拡散通信方式
JPH07177057A (ja) スペクトル拡散変調及び/又は復調装置
JPH01206747A (ja) スペクトル拡散による多重通信方式
JPH01293723A (ja) スペクトル拡散通信装置
JPS58197934A (ja) スプレツドスペクトラム送受信機
JPH01223843A (ja) スペクトル拡散通信装置
JP3320234B2 (ja) スペクトラム拡散受信装置
JP2777993B2 (ja) スペクトラム拡散通信装置
JPH08167864A (ja) スペクトラム拡散通信装置