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JPH06331040A - オイルシール - Google Patents

オイルシール

Info

Publication number
JPH06331040A
JPH06331040A JP5141175A JP14117593A JPH06331040A JP H06331040 A JPH06331040 A JP H06331040A JP 5141175 A JP5141175 A JP 5141175A JP 14117593 A JP14117593 A JP 14117593A JP H06331040 A JPH06331040 A JP H06331040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
weight
iodine
crosslinking
oil seal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5141175A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Kasahara
道生 笠原
Masanori Kai
正範 甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP5141175A priority Critical patent/JPH06331040A/ja
Publication of JPH06331040A publication Critical patent/JPH06331040A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)一般式 R・Ix (式中のRは炭素数
1〜3の炭化水素、xは1又は2である)で表されるヨ
ウ素化合物の存在下で共重合し、ポリマー分子鎖末端に
結合した0.001〜10重量%のヨウ素を含有する、
フッ化ビニリデン単位と少なくとも1種類の他の含フッ
素モノマーから成る、ムーニー粘度ML1+10(121
℃)が1〜200の有機過酸化物架橋可能な含フッ素エ
ラストマー、(B)有機過酸化物、(C)共架橋剤、
(D)受酸剤から本質的になる含フッ素エラストマー組
成物の硬化物と、金属又は樹脂とが、架橋により硬化す
る接着剤を介して接着一体化されたことを特徴とするオ
イルシール。 【効果】 本発明のオイルシールは、従来公知の含フッ
素エラストマー組成物を用いたオイルシールと同等の優
れた機械特性、耐熱性などを有しながら、含フッ素エラ
ストマー組成物の硬化物と、金属又は樹脂とが、架橋に
より硬化する接着剤を介して、強固に接着一体化され、
かつギヤオイルやエンジンオイルなどの潤滑油に対して
優秀な耐久性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素エラストマー
を用いた新規なオイルシールに関するものであり、さら
に詳しくいえば、本発明は、従来公知の含フッ素エラス
トマーを用いたオイルシールと同等の優れた機械特性、
耐熱性を有しながら、含フッ素エラストマー組成物の硬
化物と、金属又は樹脂とが、架橋により硬化する接着剤
を介して、強固に接着一体化され、かつギヤオイルやエ
ンジンオイルなどの潤滑油に対して優秀な耐久性を有す
るオイルシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に含フッ素エラストマーは耐熱性、
耐油性が優れているので各種の工業分野、例えば一般機
械工業、公害関連部門、自動車、船舶、航空機、油圧機
器などの分野で使用されており、特に、有機過酸化物で
架橋を行う含フッ素エラストマーは、他の方法で架橋し
た含フッ素エラストマーより耐薬品性が優れるという特
長を有するため、清浄分散剤、極圧低下剤、防錆剤、酸
化防止剤などの添加剤を多く含んだ潤滑油をシールする
分野、高濃度の酸やアルカリと直接接触するような用途
分野において、Oリング、ガスケット、ダイヤフラム、
バルブ、ホース、ロール、シート材などとして用いられ
ている。
【0003】しかしながら、有機過酸化物架橋を行う含
フッ素エラストマーは、成形架橋時に、架橋点に由来す
るハロゲン化合物が発生し接着剤を劣化させるため、金
属又は樹脂と強固に接着一体化され難いという欠点があ
り、オイルシールなどでは、使用中に含フッ素エラスト
マー組成物の硬化物と金属環等とが剥離する問題があっ
た。
【0004】一方、ビスフェノールAFなどの芳香族ポ
リオール化合物で架橋を行った含フッ素エラストマー組
成物の硬化物は、金属又は樹脂と強固に接着一体化した
オイルシールを得ることができるが、清浄分散剤、極圧
低下剤、防錆剤、酸化防止剤などの添加剤を多く含んだ
エンジンオイルやギヤオイルに対する耐久性が、有機過
酸化物架橋を行った含フッ素エラストマー組成物の硬化
物より大幅に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
公知の含フッ素エラストマー組成物を用いたオイルシー
ルと同等の優れた機械特性、耐熱性などを有しながら、
含フッ素エラストマー組成物の硬化物と、金属又は樹脂
とが、架橋により硬化する接着剤を介して、強固に接着
一体化され、かつギヤオイルやエンジンオイルなどの潤
滑油に対して優秀な耐久性を有するオイルシールを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、特定のヨウ素化合物の存在下で共重合し、
ポリマー分子鎖末端に結合したヨウ素を含有する、フッ
化ビニリデン単位(以下、「VdF単位」という)と少
なくとも1種類の他の含フッ素モノマーから成る有機過
酸化物架橋可能な含フッ素エラストマーの組成物の硬化
物と、金属又は樹脂とが、架橋により硬化する接着剤を
介して、接着一体化されたオイルシールが前記目的に適
合することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)一般式 R・
Ix(式中のRは炭素数1〜3の炭化水素、xは1又は
2である)で表されるヨウ素化合物の存在下で共重合
し、ポリマー分子鎖末端に結合した0.001〜10重
量%のヨウ素を含有する、VdF単位と少なくとも1種
類の他の含フッ素モノマーから成る、ムーニー粘度ML
1+10(121℃)が1〜200の有機過酸化物架橋可能
な含フッ素エラストマー、(B)有機過酸化物、(C)
共架橋剤、(D)受酸剤から本質的になる含フッ素エラ
ストマー組成物の硬化物と、金属又は樹脂とが、架橋に
より硬化する接着剤を介して強固に接着一体化され、か
つギヤオイルやエンジンオイルなどの潤滑油に対して優
秀な耐久性を有するオイルシールを提供するものであ
る。
【0008】含フッ素エラストマーを有機過酸化物で架
橋するためには、通常、ヨウ素又は臭素を架橋点として
導入する。ヨウ素を架橋点とするには、ヨウ素化合物の
存在下で共重合を行い、ポリマー分子鎖末端にヨウ素を
結合させる方法が採用される。この場合のヨウ素化合物
としては、特公昭63−41928号公報に記載された
一般式 Rf ・Ix(式中のRf は飽和もしくは不飽和
のフルオロ炭化水素基又はクロロフルオロ炭化水素基で
あり、xはRf の結合手の数であって、1以上の整数)
で表されるヨウ素化合物などが使用される。
【0009】臭素を架橋点とするには、ブロムトリフル
オロエチレン、4−ブロム−3,3,4,4−テトラフ
ルオロブテン−1などの臭素化オレフィン化合物を共重
合する方法(特公昭53−4115号公報)等が用いら
れるが、この方法によると圧縮永久ひずみが劣るという
問題があり、ヨウ素化合物の存在下で共重合を行い、ポ
リマー分子鎖末端にヨウ素を結合させ、架橋点とする方
法がより望ましい。
【0010】ヨウ素化合物の存在下で共重合した、Vd
F単位と少なくとも1種類の他の含フッ素モノマーから
成る含フッ素エラストマーにおいて、ポリマー分子鎖末
端構造の多くは、CF2 I又はCH2 Iである。一般
に、炭化水素基を持つポリマーはフルオロ炭化水素基を
持つポリマーより接着剤に濡れやすく、かつポリマー分
子鎖末端の構造が接着性に大きく影響することは公知で
ある。炭化水素基のヨウ素化合物であるR・Ixの存在
下で共重合した含フッ素エラストマーは、フルオロ炭化
水素基又はクロロフルオロ炭化水素基のヨウ素化合物で
あるRf ・Ixの存在下で共重合した含フッ素エラスト
マーより、ポリマー分子鎖末端がCH2 Iとなる確率が
高い。従って、本願の含フッ素エラストマー組成物の硬
化物は、Rf ・Ixの存在下で共重合した含フッ素エラ
ストマーの組成物の硬化物よりも、接着剤との親和性が
高くなり、強固な接着が得られるものと推定される。
【0011】以下に、本発明の含フッ素エラストマー組
成物を説明する。
【0012】(A)成分は、一般式 R・Ix(式中の
Rは炭素数1〜3の炭化水素、xは1又は2である)で
表されるヨウ素化合物の存在下で共重合し、ポリマー分
子鎖末端に結合した0.001〜10重量%のヨウ素を
含有するVdF単位と少なくとも1種類の他の含フッ素
モノマーから成る、ムーニー粘度ML1+10(121℃)
が1〜200の有機過酸化物架橋可能な含フッ素エラス
トマーである。
【0013】具体的には、(a)VdF単位と(b)ヘ
キサフルオロプロペン単位(以下、HFP単位とする)
及び場合により(c)テトラフルオロエチレン単位(以
下、TFE単位とする)から成る含フッ素エラストマ
ー、VdF単位とパーフルオロアルキルパーフルオロビ
ニルエーテル単位とTFE単位から成り、ポリマー分子
鎖末端に結合した0.001〜10重量%のヨウ素を含
有している含フッ素エラストマーなどが好ましい。より
好ましい(A)成分は、(a)VdF単位と(b)HF
P単位及びモノマー単位(a),(b)及び(c)の全
重量に対して場合により0〜35重量%以下の(c)T
FE単位から成り、かつ(a)VdF単位と(b)HF
P単位の重量比が40:60ないし80:20であり、
ポリマー分子鎖末端に結合した0.001〜10重量%
のヨウ素を含有している含フッ素エラストマーである。
特に好ましい(A)成分は、(a)VdF単位と(b)
HFP単位及びモノマー単位(a),(b)及び(c)
の全重量に対して場合により0〜35重量%以下の
(c)TFE単位から成り、かつ(a)VdF単位と
(b)HFP単位の重量比が40:60ないし80:2
0であり、さらに(a)VdF単位が40〜70重量%
であって、ポリマー分子鎖末端に結合した0.001〜
10重量%のヨウ素を含有している含フッ素エラストマ
ーである。
【0014】ポリマー分子鎖末端に結合したヨウ素の好
ましい含有量が0.001〜10重量%の範囲にあるの
は、0.001重量%未満では十分な架橋密度が得られ
ず耐圧縮永久ひずみ性が劣るためであり、10重量%を
超えると架橋密度が高くなりすぎエラストマーに弾性が
無くなるためである。特に好ましいヨウ素の含有量の範
囲は0.05〜3重量%である。
【0015】ポリマー分子鎖末端へ架橋点と成り得るヨ
ウ素を導入する方法としては、連鎖移動剤として、一般
式 R・Ix(式中のRは炭素数1〜3の炭化水素、x
は1又は2である)で表されるヨウ素化合物を用いるこ
とが必須であり、特開昭60−221409号公報、特
開平3−247608号公報、特公平5−405号公報
などに示された、バッチ式乳化重合、連続式乳化重合、
懸濁重合、溶液重合などの重合方法が採用される。本発
明のヨウ素化合物は、例えば、モノヨードメタン、ジヨ
ードメタン、1−ヨードエタン、1,2−ジヨードエタ
ン、1−ヨード−n−プロパン、ヨウ化イソプロピル、
1,3−ジヨード−n−プロパンなどが好ましく、ジヨ
ードメタンが特に好ましい。
【0016】さらに、(A)成分は、架橋点と成り得る
臭素を0.1〜1.0重量%提供するブロモトリフルオ
ロエチレン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフル
オロブテン−1、1,1−ジフルオロ−2−ブロムエチ
レン、臭素化フルオロビニルエーテルなどの臭素含有架
橋点モノマー単位を含んでも良い。
【0017】(A)成分のムーニー粘度ML1+10(12
1℃)の範囲が1〜200にあるのは、1未満では十分
な架橋密度が得られず、200を超えると、開放型練り
ロール又は密閉式練りロール(バンバリーミキサー、加
圧式ニーダー等)での混練が困難になるためである。特
に好ましいムーニー粘度ML1+10(121℃)の範囲は
5〜120である。
【0018】(B)成分の有機過酸化物は、架橋条件下
でパーオキサイドラジカルを発生する有機過酸化物が用
いられ、例えば、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン、n
−ブチル4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレ
ラート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシ
パーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−
ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプ
ロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(te
rt−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベン
ゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシマレイン
酸、tert−ブチル−オキシイソプロピルカーボネイトな
どが挙げられ、特に好ましい有機過酸化物は、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(tert−
ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンであ
る。
【0019】(B)成分の配合割合は、通常(A)成分
100重量部に対して、0.05〜5重量部が好まし
い。(B)成分がこの範囲にあるのは0.05未満では
十分な架橋速度が得られず金型離型性が悪くなり、5重
量部を超えると耐圧縮永久ひずみ性が大幅に悪化するた
めである。(B)成分の特に好ましい範囲は0.1〜3
重量部である。
【0020】(C)成分は、有機過酸化物と併用して架
橋物の物性を高める多不飽和化合物からなる共架橋剤で
ある。(C)成分は、例えば、トリアリルシアヌレー
ト、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリ
メリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミ
ド、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールア
ミド、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、亜
燐酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミドなど
が挙げられ、特に好ましい共架橋剤はトリアリルイソシ
アヌレートである。(C)成分の配合割合は、通常
(A)成分100重量部に対して、0.1〜10重量部
が好ましい。(C)成分がこの範囲にあるのは0.1重
量部未満では十分な架橋密度が得られず、10重量部を
超えると成形時に(C)成分がエラストマー表面にブリ
ードし成形不良の原因になるためである。(C)成分の
特に好ましい範囲は0.2〜6重量部である。
【0021】(D)成分の受酸剤は、例えば、金属酸化
物、金属水酸化物、ハイドロタルサイト化合物などであ
り、具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、〔Mg4 Al2 (OH)122+CO3 2- 、Mg4
Al2 7 などが好ましく、酸化マグネシウム、〔Mg
4 Al2 (OH)122+CO3 2- が特に好ましい。
【0022】(D)成分の配合割合は、通常(A)成分
100重量部に対して、0.5〜40重量部が好まし
い。(D)成分がこの範囲にあるのは0.5重量部未満
では十分な架橋接着の安定性が得られず、40重量部を
超えると耐圧縮永久ひずみ性が大幅に悪化するためであ
る。(D)成分の特に好ましい範囲は1〜20重量部で
ある。
【0023】また、本発明の含フッ素エラストマー組成
物においては、必要に応じ、他の成分、例えばカーボン
ブラック、オースチンブラック、グラファイト、シリ
カ、クレー、ケイソウ土、タルク、ウォラストナイト、
炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、フッ化カルシウム、
硫酸バリウム、スルホン化合物、燐酸エステル、脂肪ア
ミン、高級脂肪酸エステル、脂肪酸カルシウム、脂肪酸
アマイド、低分子量ポリエチレン、シリコーンオイル、
シリコーングリース、ステアリン酸、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ソーダ、チ
タンホワイト、ベンガラなどの充填剤、加工助剤、可塑
剤、着色剤等を配合することができる。
【0024】また、本発明の主旨を逸脱しない範囲であ
れば、従来公知の架橋剤や架橋促進剤を配合してもよ
い。
【0025】本発明の含フッ素エラストマー組成物の硬
化物と接着する金属は、ステンレス、鉄、黄銅、アルミ
ニウムなどが好ましく、含フッ素エラストマー組成物の
硬化物と接着する樹脂は、ナイロン、ポリスルホン、ポ
リアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリ
フェニレンスルフィド、フッ素樹脂などが好ましい。
【0026】本発明の架橋により硬化する接着剤は、含
フッ素エラストマーの使用環境で耐久性があるシランカ
ップリング剤系、エポキシ系、フェノール樹脂系のもの
が用いられ、市販品には、ロード・ファー・イースト・
インコーポレイテッド製品「ケムロックY−431
0」、「ケムロック607」、「ケムロックY−532
3」、横浜高分子研究所製品「モニカスCF−5M」、
「モニカスQZR−48」、「モニカスV−16A/
B」、「モニカスM−16A/B」、シクソン社製品
「AN−187」、東洋化学研究所製品「メタロックS
−2」、「メタロックS−7」、「メタロックS−10
A」などがある。また、必要に応じて上記接着剤を有機
溶剤で希釈しても良い。
【0027】本発明のオイルシールの成形方法は、例え
ば開放型練りロール又は密閉式練りロール(バンバリー
ミキサー、加圧式ニーダー等)で含フッ素エラストマー
組成物を混練後、混練組成物を圧縮成形、注入成形、射
出成形などの方法により型に入れ、架橋により硬化する
接着剤を塗布した金属又は樹脂の環とともに、加圧して
一次架橋を行って該混練組成物と接着剤を同時に硬化さ
せ、次いで必要に応じて二次架橋する方法などが挙げら
れる。なお、一次架橋の条件としては、温度120〜2
00℃、時間1〜180分、圧力20〜150kg/m
2 の範囲が、二次架橋の条件としては、温度120〜2
50℃、時間0〜48時間の範囲が好ましい。
【0028】本発明のオイルシールは、従来公知の含フ
ッ素エラストマー組成物から得られたオイルシールと同
等の優れた引張特性、耐熱性を有しながら、有機過酸化
物架橋を行った含フッ素エラストマー組成物の硬化物
と、金属又は樹脂とが、架橋により硬化する接着剤を介
して強固に接着一体化されており、そのためか本発明の
オイルシールを成形するための上述の方法によると、成
形時の接着不良が大幅に低減される結果となっている。
また、オイルシールを使用中に、含フッ素エラストマー
組成物の硬化物と金属環とが剥離するという問題も減少
する。
【0029】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0030】なお、含フッ素エラストマーのムーニー粘
度、含フッ素エラストマー組成物の硬化物の物性及び架
橋接着試験は以下の方法により求めた。 (1)ムーニー粘度はJIS−K6300に準じて、L
型ローターを使用し、温度121℃、予熱時間1分、ロ
ーターの作動時間10分の条件で測定した。 (2)架橋物の硬さ[JIS−A]、100%引張応
力、引張強さ、伸びはJIS−K6301に準じて測定
した。 (3)ゴム表面硬度はウォーレス社製ミクロ硬度計で測
定した。 (4)接着試験は下記の方法で行った。
【0031】1.幅15mm、長さ50mm、厚さ1m
mのSUS304製金属試験片の半面を研磨布#240
で研磨する。
【0032】2.金属試験片の研磨面をメチルエチルケ
トンで脱脂し、温度120℃の乾燥器に10分間入れて
乾燥する。
【0033】3.金属試験片の研磨面に加硫接着剤を刷
毛で塗布する。
【0034】4.温度120℃の乾燥器に入れて15分
間焼付けを行う。
【0035】5.余熱した金型に金属試験片を4枚敷
き、含フッ素エラストマー組成物を載せて圧縮成形架橋
を行う。
【0036】6.接着試験片を金型から取出し空気循環
式炉内で二次架橋を行う。
【0037】7.カッターナイフでゴム部分に切り込み
を入れ、ラジオペンチでゴムを金属試験片から引き剥
す。
【0038】8.ゴム部分で破壊し、金属試験片にゴム
が残った面積をゴム残率とする。完全にゴムが金属片に
接着したものはゴム残率100%となる。
【0039】(参考例1)電磁誘導式攪拌機を備えた内
容積約15lのオートクレーブを窒素ガスで十分に掃気
し、減圧−窒素充填を3回繰り返して、窒素置換した
後、減圧状態で脱酸素した純水5.7kg、懸濁安定剤
としてのメチルセルロース(粘度50cp)5.7g、
1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエ
タン(以下、R−113とする)80.0g、ジヨード
メタン10.3gを仕込み、600rpmでかきまぜな
がら、温度50℃に保った。次いでVdF単位30モル
%、HFP単位63モル%及びTFE単位7モル%から
成る混合モノマーを仕込ガスとして、20kg/cm2
・Gになるまで仕込んだ。
【0040】次に、触媒としてジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートを15重量%含むR−113溶液1
0.5gを仕込み、重合を開始させた。重合により圧力
が19.5kg/cm2 ・Gまで低下したらVdF単位
64モル%、HFP単位18モル%及びTFE単位18
モル%から成る混合モノマーを追添ガスとして追添し、
再び圧力を20kg/cm2 ・Gに戻した。このような
操作を繰り返し重合反応を25時間行った。重合反応終
了後、残存する混合モノマーを掃気し、得られた懸濁液
を遠心分離機で脱水し、十分水洗したのち、100℃で
真空乾燥し含フッ素エラストマー約3.2kgを得た。
得られた含フッ素エラストマーを19F−NMRにより分
析したところ、VdF単位47.7重量%、HFP単位
31.0重量%及びTFE単位21.0重量%であっ
た。また、該含フッ素エラストマーはヨウ素を0.3重
量%含んでおり、ムーニー粘度ML1+10(121℃)は
35であった。
【0041】(参考例2)仕込ガスをVdF単位11モ
ル%、HFP単位82モル%及びTFE単位7モル%か
ら成る混合モノマーとし、追添ガスをVdF単位55モ
ル%、HFP単位24モル%及びTFE単位21モル%
から成る混合モノマーとし、30時間重合反応を行う以
外は参考例1と同様に行い、含フッ素エラストマー約
2.4kgを得た。 得られた含フッ素エラストマーを
19F−NMRにより分析したところ、VdF単位38.
0重量%、HFP単位40.0重量%及びTFE単位2
1.6重量%であった。また、該含フッ素エラストマー
はヨウ素を0.4重量%含んでおり、ムーニー粘度ML
1+10(121℃)は30であった。
【0042】(参考例3)ジヨードメタンの代わりに、
1,4−ジヨードパーフルオロブタン17.4gを使用
した以外は参考例2と同様にして、29時間重合反応を
行い、含フッ素エラストマー約2.2kgを得た。 得
られた含フッ素エラストマーを19F−NMRにより分析
したところ、VdF単位38.0重量%、HFP単位4
0.0重量%及びTFE単位21.6重量%であった。
また、該含フッ素エラストマーはヨウ素を0.4重量%
含んでおり、ムーニー粘度ML1+10(121℃)は25
であった。
【0043】(実施例1)参考例1の含フッ素エラスト
マー100重量部を開放型練りロールに巻付け、CAN
CARB社製品MTカーボンブラック「サーマックスN
−990」20重量部と協和化学工業株式会社製品高活
性酸化マグネシウム「キョーワマグ150」6重量部を
練り込む。次ぎに、日本化成株式会社製品トリアリルイ
ソシアヌレート「TAIC」4重量部、日本油脂株式会
社製品2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン「パーヘキサ25B−40(有
機過酸化物含量は40重量%)」3.75重量部を練り
込み、そのまま一夜放置して熟成させた。
【0044】その後、再練りを行ってから金型に入れ、
温度160℃でプレス架橋を10分間行いシート及び接
着試験用試料に成形した。次いで金型から取り出し、温
度180℃の空気循環式炉内で4時間加熱して二次架橋
を完結させ各種試験を行った。なお、加硫接着試験の接
着剤は、横浜高分子研究所製品「モニカスCF−5M」
を使用した。このようにして得られた架橋成形物の架橋
物物性、架橋接着試験を表1に示した。
【0045】(実施例2)実施例1の含フッ素エラスト
マーのかわりに、参考例2の含フッ素エラストマーを使
用する以外は実施例1と同様にして各種試験を行った。
結果を表1に示した。
【0046】(比較例1)実施例1の含フッ素エラスト
マーのかわりに、参考例3の含フッ素エラストマーを使
用する以外は実施例1と同様にして各種試験を行った。
結果を表1に示した。
【0047】
【表1】 実施例1及び2は、ほぼ完全に接着しているのに対し、
比較例1は接着していない部分があり、一部分でも接着
していない箇所が有れば潤滑油や溶媒などが浸透し、剥
離の原因となる。
【0048】(実施例3)実施例1で作成したシートか
ら幅20mm、長さ50mm、厚さ2mmの試験片を作
り、日本石油株式会社製品ギヤオイル「ギヤールブEX
TRA90」を試験油として、温度150℃、1000
時間の条件で耐潤滑油試験を行った後のゴム表面硬度を
調べたところ、±0であった。
【0049】(実施例4)実施例2で作成したシートを
用いて、実施例3と同様の試験を行ったところ、ゴム表
面硬度は1.2ポイント低下した。
【0050】(比較例2)48重量%のVdF単位、3
1重量%のHFP単位及び21重量%のTFE単位から
成り、ムーニー粘度ML1+10(121℃)が60のヨウ
素を含有しない含フッ素エラストマー100重量部を開
放型練りロールに巻付け、ビスフェノールAF2重量
部、ビス(ベンジルジフェニルホスフィン)イミニウム
クロライド0.38重量部を練り込み、次いで、MTカ
ーボンブラック「サーマックスN−990」20重量
部、水酸化カルシウム6重量部、高活性酸化マグネシウ
ム「キョーワマグ150」3重量部を練り込み、そのま
ま一夜放置して熟成させた。
【0051】その後、再練りを行ってから金型に入れ、
温度170℃でプレス架橋を20分間行いシートに成形
した。次いで金型から取り出し、温度232℃の空気循
環式炉内で24時間加熱して二次加硫を完結させ、実施
例3と同様の試験を行ったところ、ゴム表面硬度は4.
9ポイント上昇した。
【0052】ギヤオイルに長期間浸せきしても、本願組
成物の硬化物は、表面が硬化する現象が見られない。一
方、芳香族ポリオール化合物で加硫を行った含フッ素エ
ラストマー組成物の硬化物は、表面硬度が大幅に上昇
し、オイルシール使用中に表面クラックが発生しやすい
ことは明らかであり、このクラックがオイル漏れの原因
となる。
【0053】(実施例5)実施例1と同様にして、JI
S−B2402に記載された、呼び内径48mm、外径
70mm、幅12mmのばね入り外周ゴムちりよけ付オ
イルシールを成形した。なお、金属環は鉄、接着剤は横
浜高分子研究所製品「モニカスV−16A/B」及び
「モニカスM−16A/B」を使用した。
【0054】成形したオイルシールを温度200℃、1
68時間の条件で熱風加熱老化試験を行った後のゴム残
率及びゴム表面状態、並びに日本石油株式会社製品ギヤ
オイル「ギヤールブEP80」を試験油として、温度1
50℃、168時間の条件で耐潤滑油試験を行った後の
ゴム残率及びゴム表面状態を調べた。結果を表2に示し
た。実施例5のオイルシールは、耐熱性、耐潤滑油性の
いずれも極めて優れている。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明のオイルシールは、従来公知の有
機過酸化物架橋可能な含フッ素エラストマー組成物を用
いたオイルシールと同等の優れた機械特性、耐熱性など
を有しながら、含フッ素エラストマー組成物の硬化物
と、金属又は樹脂とが、架橋により硬化する接着剤を介
して、強固に接着一体化され、かつギヤオイルやエンジ
ンオイルなどの潤滑油に対して優秀な耐久性を有するこ
とから、オイルシールの信頼性が大幅に向上し、工業的
価値は極めて高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式 R・Ix(式中のRは炭
    素数1〜3の炭化水素、xは1又は2である)で表され
    るヨウ素化合物の存在下で共重合し、ポリマー分子鎖末
    端に結合した0.001〜10重量%のヨウ素を含有す
    る、フッ化ビニリデン単位と少なくとも1種類の他の含
    フッ素モノマーから成る、ムーニー粘度ML1+10(12
    1℃)が1〜200の有機過酸化物架橋可能な含フッ素
    エラストマー、(B)有機過酸化物、(C)共架橋剤、
    (D)受酸剤から本質的になる含フッ素エラストマー組
    成物の硬化物と、金属又は樹脂とが、架橋により硬化す
    る接着剤を介して接着一体化されたオイルシール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5852125A (en) * 1996-06-03 1998-12-22 Bayer Aktiengesellschaft Fluororubber, a process for its production and its use, as well as a process for producing fluororubber moldings and/or coatings
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US8835551B2 (en) 2007-09-14 2014-09-16 3M Innovative Properties Company Ultra low viscosity iodine containing amorphous fluoropolymers

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