JP2877975B2 - シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物 - Google Patents
シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物Info
- Publication number
- JP2877975B2 JP2877975B2 JP6010191A JP6010191A JP2877975B2 JP 2877975 B2 JP2877975 B2 JP 2877975B2 JP 6010191 A JP6010191 A JP 6010191A JP 6010191 A JP6010191 A JP 6010191A JP 2877975 B2 JP2877975 B2 JP 2877975B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicone rubber
- fluorine
- rubber powder
- weight
- vulcanized
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素エラストマーの
新規な加硫組成物に関するものである。さらに詳しくい
えば、本発明は含フッ素エラストマー加硫物の優れた耐
熱性、耐油性などを維持しつつ耐低温衝撃ぜい化性並び
に耐アミン含有エンジンオイル(SF級、SG級エンジ
ンオイル)性を改良したシリコーンゴムパウダー含有含
フッ素エラストマー加硫組成物に関するものである。
新規な加硫組成物に関するものである。さらに詳しくい
えば、本発明は含フッ素エラストマー加硫物の優れた耐
熱性、耐油性などを維持しつつ耐低温衝撃ぜい化性並び
に耐アミン含有エンジンオイル(SF級、SG級エンジ
ンオイル)性を改良したシリコーンゴムパウダー含有含
フッ素エラストマー加硫組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】含フッ素エラストマー加硫物は、優れた
耐熱性、耐油性などを有していることから、各種の工業
分野、例えば自動車、船舶、航空機、油圧機器、一般機
械工業、公害関連部門などにおいて、O−リング、ガス
ケット、オイルシール、ダイヤフラム、ホース、ロー
ル、シート材などに用いられている。しかしながら、低
温で衝撃を受けた時に破壊するという欠点並びに自動車
エンジンの高性能化に伴うエンジンオイルの耐久性向上
のために添加されるアミン化合物により硬化劣化を起こ
すという問題から使用可能な分野が限定されていた。そ
こで、含フッ素エラストマー加硫物の耐寒性改良並びに
耐アミン含有エンジンオイル(SF級、SG級エンジン
オイル)性を改善する検討が行われている。
耐熱性、耐油性などを有していることから、各種の工業
分野、例えば自動車、船舶、航空機、油圧機器、一般機
械工業、公害関連部門などにおいて、O−リング、ガス
ケット、オイルシール、ダイヤフラム、ホース、ロー
ル、シート材などに用いられている。しかしながら、低
温で衝撃を受けた時に破壊するという欠点並びに自動車
エンジンの高性能化に伴うエンジンオイルの耐久性向上
のために添加されるアミン化合物により硬化劣化を起こ
すという問題から使用可能な分野が限定されていた。そ
こで、含フッ素エラストマー加硫物の耐寒性改良並びに
耐アミン含有エンジンオイル(SF級、SG級エンジン
オイル)性を改善する検討が行われている。
【0003】耐寒性を改良する方法の具体例としては、
含フッ素エラストマーのフッ素含有単量体からの試みと
含フッ素エラストマーに異種ゴムをブレンドする二法に
大別できる。フッ素含有単量体からの試みとしては単量
体構成比の最適化と新規単量体の導入が挙げられる。し
かし、前者は効果が小さく、後者は極めて特殊なフッ素
含有単量体を使用することから製品価格の大幅な上昇を
招く。一方、含フッ素エラストマーと異種ゴムとのブレ
ンドも数多く試みられているが、何れの場合も含フッ素
エラストマーの特徴である耐熱性、耐油性を犠牲にして
おり満足できるものではなかった。
含フッ素エラストマーのフッ素含有単量体からの試みと
含フッ素エラストマーに異種ゴムをブレンドする二法に
大別できる。フッ素含有単量体からの試みとしては単量
体構成比の最適化と新規単量体の導入が挙げられる。し
かし、前者は効果が小さく、後者は極めて特殊なフッ素
含有単量体を使用することから製品価格の大幅な上昇を
招く。一方、含フッ素エラストマーと異種ゴムとのブレ
ンドも数多く試みられているが、何れの場合も含フッ素
エラストマーの特徴である耐熱性、耐油性を犠牲にして
おり満足できるものではなかった。
【0004】近年、優れた低温特性を有しながら含フッ
素エラストマーに次ぐ耐熱性を持つシリコーンゴムのパ
ウダーが開発され、含フッ素エラストマーとの複合化が
検討されている(公開平1−215847号公報、公開
平2−47149号公報、公開平2−107655号公
報)。しかしながら、この場合でも低温特性の改良は不
十分であり、かつ加硫物の機械的強度が大幅に低下し、
従来の含フッ素エラストマー加硫物と同様の性能を維持
しつつ耐低温衝撃ぜい化性を改良するという目的を達成
できるものはなかった。
素エラストマーに次ぐ耐熱性を持つシリコーンゴムのパ
ウダーが開発され、含フッ素エラストマーとの複合化が
検討されている(公開平1−215847号公報、公開
平2−47149号公報、公開平2−107655号公
報)。しかしながら、この場合でも低温特性の改良は不
十分であり、かつ加硫物の機械的強度が大幅に低下し、
従来の含フッ素エラストマー加硫物と同様の性能を維持
しつつ耐低温衝撃ぜい化性を改良するという目的を達成
できるものはなかった。
【0005】さらに、耐アミン含有エンジンオイル(S
F級、SG級エンジンオイル)性を改善した含フッ素エ
ラストマーとしては、(テトラフルオロエチレン)−
(プロピレン)共重合体が挙げられるが耐寒性が大幅に
劣るという欠点があり、耐寒性並びに耐アミン含有エン
ジンオイル(SF級、SG級エンジンオイル)性を同時
に満足する含フッ素エラストマー加硫組成物はなかっ
た。
F級、SG級エンジンオイル)性を改善した含フッ素エ
ラストマーとしては、(テトラフルオロエチレン)−
(プロピレン)共重合体が挙げられるが耐寒性が大幅に
劣るという欠点があり、耐寒性並びに耐アミン含有エン
ジンオイル(SF級、SG級エンジンオイル)性を同時
に満足する含フッ素エラストマー加硫組成物はなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の含フッ素エラストマー加硫物と同様に耐熱性、耐油性
に優れた加硫物特性を維持しつつ、耐低温衝撃ぜい化性
を大幅に改良し、かつ耐アミン含有エンジンオイル(S
F級、SG級エンジンオイル)性をも改善したシリコー
ンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物を
提供することにある。
の含フッ素エラストマー加硫物と同様に耐熱性、耐油性
に優れた加硫物特性を維持しつつ、耐低温衝撃ぜい化性
を大幅に改良し、かつ耐アミン含有エンジンオイル(S
F級、SG級エンジンオイル)性をも改善したシリコー
ンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、特定のシリコーンゴムパウダーを有機過酸
化物で加硫可能な含フッ素エラストマーに配合して成る
加硫組成物が前記目的に適合することを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は(a)フッ化ビニリデン単位と少なくとも1種の
フッ素含有単量体とから成り、ヨウ素又は臭素を含有す
る、有機過酸化物で加硫可能な含フッ素エラストマー共
重合体、(b)エポキシ基含有シリコーンゴムパウダ
ー、(c)有機過酸化物、(d)共架橋剤から成るシリ
コーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成
物を提供するものである。
重ねた結果、特定のシリコーンゴムパウダーを有機過酸
化物で加硫可能な含フッ素エラストマーに配合して成る
加硫組成物が前記目的に適合することを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は(a)フッ化ビニリデン単位と少なくとも1種の
フッ素含有単量体とから成り、ヨウ素又は臭素を含有す
る、有機過酸化物で加硫可能な含フッ素エラストマー共
重合体、(b)エポキシ基含有シリコーンゴムパウダ
ー、(c)有機過酸化物、(d)共架橋剤から成るシリ
コーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成
物を提供するものである。
【0008】本発明のシリコーンゴムパウダー含有含フ
ッ素エラストマー加硫組成物において(a)成分として
用いる含フッ素エラストマーは、好ましくは40〜90
モル%、より好ましくは45〜85モル%のフッ化ビニ
リデン単位と少なくとも1種のフッ素含有単量体とから
成り、好ましくは0.005〜10重量%、より好まし
くは0.05〜5重量%のヨウ素、又は好ましくは0.
01〜2重量%、より好ましくは0.05〜1.5重量
%の臭素を含有して有機過酸化物で加硫可能なことが必
須である。このような含フッ素エラストマーに関しては
特公昭54−1585号公報、特公昭63−41928
号公報及び特開昭60−221409号公報に開示され
ている。
ッ素エラストマー加硫組成物において(a)成分として
用いる含フッ素エラストマーは、好ましくは40〜90
モル%、より好ましくは45〜85モル%のフッ化ビニ
リデン単位と少なくとも1種のフッ素含有単量体とから
成り、好ましくは0.005〜10重量%、より好まし
くは0.05〜5重量%のヨウ素、又は好ましくは0.
01〜2重量%、より好ましくは0.05〜1.5重量
%の臭素を含有して有機過酸化物で加硫可能なことが必
須である。このような含フッ素エラストマーに関しては
特公昭54−1585号公報、特公昭63−41928
号公報及び特開昭60−221409号公報に開示され
ている。
【0009】この少なくとも1種のフッ素含有単量体単
位としては、例えばヘキサフルオロプロペン、ペンタフ
ルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジ
フルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、4−
ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
フッ素化ビニルエーテル類、フッ素化アルキルビニルエ
ーテル類などが挙げられる。
位としては、例えばヘキサフルオロプロペン、ペンタフ
ルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジ
フルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、4−
ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、
フッ素化ビニルエーテル類、フッ素化アルキルビニルエ
ーテル類などが挙げられる。
【0010】また、(a)成分の含フッ素エラストマー
の具体例としては、(フッ化ビニリデン)−(ヘキサフ
ルオロプロペン)共重合体、(フッ化ビニリデン)−
(ヘキサフルオロプロペン)−(テトラフルオロエチレ
ン)共重合体、(フッ化ビニリデン)−(ヘキサフルオ
ロプロペン)−(テトラフルオロエチレン)−(4−ブ
ロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1)共
重合体、(フッ化ビニリデン)−(パーフルオロメチル
ビニルエーテル)−(テトラフルオロエチレン)−(4
−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−
1)共重合体などが挙げられる。
の具体例としては、(フッ化ビニリデン)−(ヘキサフ
ルオロプロペン)共重合体、(フッ化ビニリデン)−
(ヘキサフルオロプロペン)−(テトラフルオロエチレ
ン)共重合体、(フッ化ビニリデン)−(ヘキサフルオ
ロプロペン)−(テトラフルオロエチレン)−(4−ブ
ロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1)共
重合体、(フッ化ビニリデン)−(パーフルオロメチル
ビニルエーテル)−(テトラフルオロエチレン)−(4
−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−
1)共重合体などが挙げられる。
【0011】これらの共重合体の加硫成形に際しては、
加熱で分解した有機過酸化物によってポリマー中のヨウ
素又は臭素が外れてラジカルとなり、共架橋剤を仲介し
て架橋することが知られている。 (b)成分として用いるシリコーンゴムパウダーはエポ
キシ基を含有することが必須である。エポキシ基を含有
しないシリコーンゴムパウダーでは本発明の目的である
耐低温衝撃ぜい化性が改良されない。
加熱で分解した有機過酸化物によってポリマー中のヨウ
素又は臭素が外れてラジカルとなり、共架橋剤を仲介し
て架橋することが知られている。 (b)成分として用いるシリコーンゴムパウダーはエポ
キシ基を含有することが必須である。エポキシ基を含有
しないシリコーンゴムパウダーでは本発明の目的である
耐低温衝撃ぜい化性が改良されない。
【0012】また、このエポキシ基含有シリコーンゴム
パウダーは平均径100μm以下の粉体もしくは粒状物
であることが望ましい。これは平均径が100μm以上
では加硫物の機械的強度が大幅に低下するためである。
具体例としては、球状で平径粒径5μm、真比重0.9
7、かさ比重0.19、水分0.5%以下のエポキ基含
有シリコーンゴムパウダー〔トレフィルE−601 東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名〕が
挙げられる。
パウダーは平均径100μm以下の粉体もしくは粒状物
であることが望ましい。これは平均径が100μm以上
では加硫物の機械的強度が大幅に低下するためである。
具体例としては、球状で平径粒径5μm、真比重0.9
7、かさ比重0.19、水分0.5%以下のエポキ基含
有シリコーンゴムパウダー〔トレフィルE−601 東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名〕が
挙げられる。
【0013】(c)成分の有機過酸化物としては、加硫
条件下でパーオキサイドラジカルを発生するものであれ
ば良く、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、
ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、a,a’−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチル−オキシイソ
プロピルカーボネイトなどが挙げられる。
条件下でパーオキサイドラジカルを発生するものであれ
ば良く、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、
ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、a,a’−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチル−オキシイソ
プロピルカーボネイトなどが挙げられる。
【0014】(d)成分の共架橋剤としては、例えばト
リアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマ
ール、トリアリルトリメリテート、N,N'−m−フェニ
レンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリ
ルテレフタールアミド、トリス(ジアリルアミン)−s
−トリアジン、亜燐酸トリアリル、N,N−ジアリルア
クリルアミドなどが挙げられ、特に好ましい共架橋剤は
トリアリルイソシアヌレートである。
リアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマ
ール、トリアリルトリメリテート、N,N'−m−フェニ
レンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリ
ルテレフタールアミド、トリス(ジアリルアミン)−s
−トリアジン、亜燐酸トリアリル、N,N−ジアリルア
クリルアミドなどが挙げられ、特に好ましい共架橋剤は
トリアリルイソシアヌレートである。
【0015】本発明のシリコーンゴムパウダー含有含フ
ッ素エラストマー加硫組成物における前記各成分の配合
割合については、通常(a)成分100重量部に対し
て、(b)成分10〜60重量部が好ましく、より好ま
しくは20〜50重量部、(c)成分0. 1〜5重量部
が好ましく、より好ましくは0. 5〜3重量部、(d)
成分0. 1〜10重量部が好ましく、より好ましくは
0. 5〜5重量部である。
ッ素エラストマー加硫組成物における前記各成分の配合
割合については、通常(a)成分100重量部に対し
て、(b)成分10〜60重量部が好ましく、より好ま
しくは20〜50重量部、(c)成分0. 1〜5重量部
が好ましく、より好ましくは0. 5〜3重量部、(d)
成分0. 1〜10重量部が好ましく、より好ましくは
0. 5〜5重量部である。
【0016】本発明の(b)成分が10重量部以下では
低温衝撃ぜい化性が十分に改良されず、60重量部以上
では加硫物の引張強度が大幅に低下する。(c)成分が
0.1重量部未満では十分な硬化速度が得られず、5重
量部以上では加硫物の常態物性が低下する。(d)成分
が0.1重量部未満では均一な加硫物がえられず、10
重量部以上では加硫物の常態物性が低下する。
低温衝撃ぜい化性が十分に改良されず、60重量部以上
では加硫物の引張強度が大幅に低下する。(c)成分が
0.1重量部未満では十分な硬化速度が得られず、5重
量部以上では加硫物の常態物性が低下する。(d)成分
が0.1重量部未満では均一な加硫物がえられず、10
重量部以上では加硫物の常態物性が低下する。
【0017】さらに本発明のシリコーンゴムパウダー含
有含フッ素エラストマー加硫組成物においては、必要に
応じ、他の成分、例えばカーボンブラック、グラファイ
ト、シリカ、クレー、ケイソウ土、タルク、炭酸カルシ
ウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、スルホン化合
物、高級脂肪酸エステル、低分子量ポリエチレン、シリ
コンーンオイル、金属石鹸などの充填剤、加工助剤、可
塑剤、着色剤等を配合することができるし、受酸剤とし
て、例えば酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
カルシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト化
合物などを配合してもよい。また、本発明の主旨を逸脱
しない範囲であれば、従来公知の加硫剤や加硫促進剤を
1種又は2種配合してもよい。
有含フッ素エラストマー加硫組成物においては、必要に
応じ、他の成分、例えばカーボンブラック、グラファイ
ト、シリカ、クレー、ケイソウ土、タルク、炭酸カルシ
ウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、スルホン化合
物、高級脂肪酸エステル、低分子量ポリエチレン、シリ
コンーンオイル、金属石鹸などの充填剤、加工助剤、可
塑剤、着色剤等を配合することができるし、受酸剤とし
て、例えば酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
カルシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト化
合物などを配合してもよい。また、本発明の主旨を逸脱
しない範囲であれば、従来公知の加硫剤や加硫促進剤を
1種又は2種配合してもよい。
【0018】このようにして得られたシリコーンゴムパ
ウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物は、常法に
従って加硫される。この加硫方法としては、例えば開放
型練りロール又は密閉式練りロール(バンバリーミキサ
ー、加圧式ニーダー等)で混練後、型に入れ加圧して一
次加硫し、次いで二次加硫する方法が挙げられる。一般
に、一次加硫の条件として温度120〜200℃、時間
1〜180分、圧力20〜150kg/m2 の範囲が、
二次加硫の条件としては、温度120〜250℃、時間
0〜48時間の範囲が採用される。また、他の加硫手段
として、射出又は押出しなどの予備成形をした後に加硫
する方法、あるいはメチルエチルケトン、アセトンなど
のケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル類などの1種又は2種以上を媒体とする溶液
もしくは分散液を調製し、これで紙、繊維、フィルム、
シート、板、チューブ、パイプ、タンク、大型容器その
他の成形品の表面上を被覆し加硫する方法などを用いる
こともできる。
ウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物は、常法に
従って加硫される。この加硫方法としては、例えば開放
型練りロール又は密閉式練りロール(バンバリーミキサ
ー、加圧式ニーダー等)で混練後、型に入れ加圧して一
次加硫し、次いで二次加硫する方法が挙げられる。一般
に、一次加硫の条件として温度120〜200℃、時間
1〜180分、圧力20〜150kg/m2 の範囲が、
二次加硫の条件としては、温度120〜250℃、時間
0〜48時間の範囲が採用される。また、他の加硫手段
として、射出又は押出しなどの予備成形をした後に加硫
する方法、あるいはメチルエチルケトン、アセトンなど
のケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル類などの1種又は2種以上を媒体とする溶液
もしくは分散液を調製し、これで紙、繊維、フィルム、
シート、板、チューブ、パイプ、タンク、大型容器その
他の成形品の表面上を被覆し加硫する方法などを用いる
こともできる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、ムーニー粘度はJIS K630
0、加硫物の硬さはJIS−A、100%引張応力、引
張強さ、伸び、熱風老化試験、浸せき試験、低温衝撃ぜ
い化試験はJIS K6301に準じて測定した。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、ムーニー粘度はJIS K630
0、加硫物の硬さはJIS−A、100%引張応力、引
張強さ、伸び、熱風老化試験、浸せき試験、低温衝撃ぜ
い化試験はJIS K6301に準じて測定した。
【0020】
【実施例1】組成がフッ化ビニリデン単位65モル%、
ヘキサフルオロプロペン単位15モル%、テトラフルオ
ロエチレン単位20モル%、ヨウ素含有量0.4重量
%、ML1+10(100℃)が5の含フッ素エラストマー
100重量部を開放型練りロールに巻付け、トレフィル
E−601を20重量部練り込む。次に、トリアリルイ
ソシアヌレート〔TAIC 日本化成(株)製 商品
名〕4重量部、〔パーヘキサ25B 日本油脂(株)製
商品名〕1.5重量部を練り込んだ後、そのまま一夜
放置して熟成させた。
ヘキサフルオロプロペン単位15モル%、テトラフルオ
ロエチレン単位20モル%、ヨウ素含有量0.4重量
%、ML1+10(100℃)が5の含フッ素エラストマー
100重量部を開放型練りロールに巻付け、トレフィル
E−601を20重量部練り込む。次に、トリアリルイ
ソシアヌレート〔TAIC 日本化成(株)製 商品
名〕4重量部、〔パーヘキサ25B 日本油脂(株)製
商品名〕1.5重量部を練り込んだ後、そのまま一夜
放置して熟成させた。
【0021】その後、再練りを行ってから金型に入れ、
温度160℃でプレス加硫を10分間行いシートに成形
した。次いで金型から取り出し、温度180℃の空気循
環式炉内で4時間加熱して二次加硫を完結させ各種試験
を行った。このようにして得られた加硫成形物の常態物
性、熱風老化試験(230℃×24時間)、耐アミン含
有エンジンオイル試験(150℃×168時間)、低温
衝撃ぜい化試験結果を表1に示す。なお、耐アミン含有
エンジンオイル試験はTOYOTAキャッスル モータ
ーオイル クリーン SG 10W−30を使用した。
温度160℃でプレス加硫を10分間行いシートに成形
した。次いで金型から取り出し、温度180℃の空気循
環式炉内で4時間加熱して二次加硫を完結させ各種試験
を行った。このようにして得られた加硫成形物の常態物
性、熱風老化試験(230℃×24時間)、耐アミン含
有エンジンオイル試験(150℃×168時間)、低温
衝撃ぜい化試験結果を表1に示す。なお、耐アミン含有
エンジンオイル試験はTOYOTAキャッスル モータ
ーオイル クリーン SG 10W−30を使用した。
【0022】
【実施例2】トレフィルE−601の配合量を20重量
部から40重量部にする以外は実施例1と同様にして加
硫成形物を調整し各種試験を行った。結果を表1に示
す。
部から40重量部にする以外は実施例1と同様にして加
硫成形物を調整し各種試験を行った。結果を表1に示
す。
【0023】
【比較例1】トレフィルE−601を配合しない以外は
実施例1と同様にして加硫成形物を調整し各種試験を行
った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして加硫成形物を調整し各種試験を行
った。結果を表1に示す。
【0024】
【比較例2】トレフィルE−601のかわりにエポキシ
基を含有しないメチルシリコーンゴムパウダー〔トレフ
ィルE−600 東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製 商品名〕を40重量部配合する以外は実施例
1と同様にして加硫成形物を調整し各種試験を行った。
結果を表1に示す。
基を含有しないメチルシリコーンゴムパウダー〔トレフ
ィルE−600 東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製 商品名〕を40重量部配合する以外は実施例
1と同様にして加硫成形物を調整し各種試験を行った。
結果を表1に示す。
【0025】実施例1、2と比較例1を比較すると、エ
ポキシ基含有シリコーンゴムパウダーを配合すると耐低
温衝撃ぜい化性が大幅に改良されるとともにアミン含有
エンジンオイルによる硬化劣化が抑えられている。一
方、比較例2に示したエポキシ基を含有しないシリコー
ンゴムパウダーでは耐低温衝撃ぜい化性は改良されない
ばかりか引張強さの大幅な低下を招く。
ポキシ基含有シリコーンゴムパウダーを配合すると耐低
温衝撃ぜい化性が大幅に改良されるとともにアミン含有
エンジンオイルによる硬化劣化が抑えられている。一
方、比較例2に示したエポキシ基を含有しないシリコー
ンゴムパウダーでは耐低温衝撃ぜい化性は改良されない
ばかりか引張強さの大幅な低下を招く。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴムパウダー含有含
フッ素エラストマー加硫組成物から得られた加硫物は従
来の含フッ素エラストマー加硫物と同様に耐熱性、耐油
性に優れた特性を維持しつつ、耐低温衝撃ぜい化性が大
幅に改良されるとともに耐アミン含有エンジンオイル
(SF級、SG級エンジンオイル)性が改善されてい
る。従って、本発明のシリコーンゴムパウダー含有含フ
ッ素エラストマー加硫物は各種工業分野、例えば自動
車、船舶、航空機、油圧機器、一般機械工業、公害関連
部門などにおいて、O−リング、ガスケット、オイルシ
ール、ダイヤフラム、ホース、ロール、シート材などと
して広く使用できるばかりでなく、従来、含フッ素エラ
ストマー加硫物の使用が制限されていた低温領域での使
用並びにアミン含有エンジンオイル(SF級、SG級エ
ンジンオイル)に接する環境での使用が可能であり、工
業的価値は極めて高い。
フッ素エラストマー加硫組成物から得られた加硫物は従
来の含フッ素エラストマー加硫物と同様に耐熱性、耐油
性に優れた特性を維持しつつ、耐低温衝撃ぜい化性が大
幅に改良されるとともに耐アミン含有エンジンオイル
(SF級、SG級エンジンオイル)性が改善されてい
る。従って、本発明のシリコーンゴムパウダー含有含フ
ッ素エラストマー加硫物は各種工業分野、例えば自動
車、船舶、航空機、油圧機器、一般機械工業、公害関連
部門などにおいて、O−リング、ガスケット、オイルシ
ール、ダイヤフラム、ホース、ロール、シート材などと
して広く使用できるばかりでなく、従来、含フッ素エラ
ストマー加硫物の使用が制限されていた低温領域での使
用並びにアミン含有エンジンオイル(SF級、SG級エ
ンジンオイル)に接する環境での使用が可能であり、工
業的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−23907(JP,A) 特開 昭56−57811(JP,A) 特開 平1−319512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/10 - 27/16 C08L 83/04 C08G 59/20 C08L 63/00 C08F 8/00 C08F 14/16 - 14/22
Claims (1)
- 【請求項1】(a)フッ化ビニリデン単位と少なくとも
1種のフッ素含有単量体とから成り、ヨウ素又は臭素を
含有する、有機過酸化物で加硫可能な含フッ素エラスト
マー共重合体、(b)エポキシ基含有シリコーンゴムパ
ウダー、(c)有機過酸化物、(d)共架橋剤から成る
シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6010191A JP2877975B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6010191A JP2877975B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04293950A JPH04293950A (ja) | 1992-10-19 |
JP2877975B2 true JP2877975B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=13132372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6010191A Expired - Lifetime JP2877975B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2877975B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2876375B2 (ja) * | 1993-02-22 | 1999-03-31 | 株式会社 金陽社 | ロール |
JP5266696B2 (ja) * | 2007-09-19 | 2013-08-21 | 東レ株式会社 | 電子機器用接着剤組成物およびそれを用いた電子機器用接着剤シート |
JP2009091566A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-30 | Toray Ind Inc | 接着剤組成物およびそれを用いた接着剤シート |
MY150038A (en) | 2007-09-19 | 2013-11-29 | Toray Industries | Adhesive composition for electronic components, and adhesive sheet for electronic components using the same |
JP5429161B2 (ja) * | 2008-03-25 | 2014-02-26 | ダイキン工業株式会社 | 含フッ素エラストマーおよびそれを含む架橋性組成物 |
JP5415094B2 (ja) * | 2009-02-02 | 2014-02-12 | ダイキン工業株式会社 | パーオキサイド架橋用組成物および架橋成形品 |
CN116120749B (zh) * | 2023-02-27 | 2023-12-05 | 昆山力普电子橡胶有限公司 | 一种用于表带氟硅胶材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-03-25 JP JP6010191A patent/JP2877975B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04293950A (ja) | 1992-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2509345B2 (ja) | 高い引張強度を有するフッ素ゴム加硫組成物 | |
JPH0240694B2 (ja) | ||
JPH10324788A (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
WO2005073304A1 (en) | Fluoroelastomers with improved low temperature property and method for making the same | |
JP3133142B2 (ja) | 架橋用組成物 | |
JPS63202637A (ja) | フッ素化エラストマー組成物 | |
US6291576B1 (en) | Crosslinkable fluoroelastomer composition | |
JP2877975B2 (ja) | シリコーンゴムパウダー含有含フッ素エラストマー加硫組成物 | |
JP4540868B2 (ja) | 加硫可能なフッ素ゴム組成物とその用途 | |
JPH05279535A (ja) | 含フッ素エラストマー加硫組成物 | |
JP3435774B2 (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JPH07118349A (ja) | 含フッ素エラストマー | |
JPH10176090A (ja) | フッ素ゴム組成物の製造方法 | |
JPH06271734A (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
JPH06306242A (ja) | 弗素系ゴム組成物 | |
JPH05230311A (ja) | 金型離型性が改良された含フッ素エラストマー加硫組成物 | |
JP2968941B2 (ja) | 耐油性ゴムアロイ組成物 | |
JPH06306236A (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JPH06329860A (ja) | 弗素ゴム組成物 | |
JPH06306243A (ja) | 含フッ素ゴム組成物 | |
JPH07196878A (ja) | パーオキサイド架橋可能な低硬度フッ素ゴム加硫組成物 | |
JPH05287156A (ja) | 架橋用組成物 | |
JPH06306235A (ja) | 弗素ゴム組成物 | |
JPH09278943A (ja) | ゴム複合体 | |
WO1996032428A1 (fr) | Fuoroelastomere |