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JPH06256001A - 水素含有ガスの製造方法 - Google Patents

水素含有ガスの製造方法

Info

Publication number
JPH06256001A
JPH06256001A JP5041534A JP4153493A JPH06256001A JP H06256001 A JPH06256001 A JP H06256001A JP 5041534 A JP5041534 A JP 5041534A JP 4153493 A JP4153493 A JP 4153493A JP H06256001 A JPH06256001 A JP H06256001A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methanol
catalyst
hydrogen
reaction
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5041534A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroto Matsumoto
寛人 松本
Hiroshi Iida
博 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP5041534A priority Critical patent/JPH06256001A/ja
Publication of JPH06256001A publication Critical patent/JPH06256001A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/02Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
    • C01B3/32Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of gaseous or liquid organic compounds with gasifying agents, e.g. water, carbon dioxide, air

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  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、固体高分子燃料電池、リン酸型
燃料電池等の燃料製造に好適であり、高いメタノール転
化率を維持しつつCOの生成を低く抑えることができ、
経済的にかつ効率よく水素含有ガスを製造することがで
きる水素含有ガスの製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 前記目的を達成するためのこの発明は、メタ
ノール1モルと酸素0.01〜0.5モルと水とを共存
させ、これを100〜200℃に加熱した触媒に接触さ
せ、反応させることを特徴とする水素含有ガスの製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水素含有ガスの製造
方法に関し、更に詳しくは、固体高分子燃料電池、リン
酸型燃料電池等の燃料製造等に好適であり、高いメタノ
ール転化率を維持しつつCOの生成を低く抑えることが
でき、経済的にかつ効率よく水素含有ガスを製造するこ
とができる水素含有ガスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、メタノールと水とを原料として水素含有ガスを製造
する方法が知られている。この方法は、燃料電池の燃料
製造、オンサイト水素製造等のプロセスに用いられてい
る。前記燃料電池の燃料製造等のプロセスにおいては、
そのプロセスにおける阻害物質の生成をできる限り抑え
ると共に効率を高く維持することが要求される。
【0003】前記燃料電池の燃料製造等のプロセスにお
いては、COがそのプロセスにおける反応の阻害物質と
なることが知られている。ところが、かかる水素含有ガ
スの製造方法によるとCOが生成するので、この方法を
前記燃料電池の燃料製造等に用いる場合には、COの生
成をできる限り低く抑えることが必要とされる。具体的
には、例えばリン酸型燃料電池の燃料製造においてはC
Oの生成を1%以下に抑えることが必用とされ、固体高
分子燃料電池の燃料製造においてはCOの生成を数十p
pm以下に抑えることが必用とされる。
【0004】ところで、従来における、かかる水素含有
ガスの製造方法として、メタノールと水とを原料とし、
銅系触媒を用いて水素含有ガスを製造する方法が知られ
ている。この方法の反応は、以下の式(1)で表わさ
れ、その素反応は式(2)及び式(3)で表わされる。
【0005】 CH3 OH+H2 O → CO2 +2H2 ・・・(1) CH3 OH → CO+2H2 ・・・(2) CO+H2 O → CO2 +2H2 ・・・(3) 上記反応において、式(2)の反応は吸熱反応であるの
で、メタノールの転化率を向上させるためには反応温度
を高くする必要がある。一方、式(3)の反応は発熱反
応であるので、高温条件下では反応が進行しないでCO
が多く残存してしまうことになる。したがって、この反
応においてCO濃度を低下させるためには、水/メタノ
ール比を増大させるか、あるいは低温条件下で反応を行
なうことが必用になる。
【0006】しかしながら、前記水/メタノール比を増
大させる方法では、原料である水を気化させなければな
らないので、そのためのコスト及びエネルギーが増大し
経済的でないという問題がある。
【0007】そこで、前記低温条件下でも高い活性を有
する触媒を用いることにより、低い反応温度で水素含有
ガスを製造する方法が検討されている。例えば、特開平
4−139001号公報においては、低温高活性な銅、
亜鉛、クロム、鉄等を触媒として用い、水とメタノール
との比(水/メタノール)が1.2である原料を230
℃で反応させると、メタノール転化率を98.3%と高
く維持すると共に、CO濃度が1.3%と低く抑えるこ
とができる旨が示されている。
【0008】しかし、現在のところ、前記公報に記載さ
れた前記結果が限界であり、これ以上COが生成する濃
度を低く抑えることはできないのが実情である。したが
って、低温高活性な触媒を用いる前記公報に記載された
方法においても、高いメタノール転化率を維持しつつ大
幅なCO濃度の低減を期待することができないという問
題がある。
【0009】一方、メタノール水蒸気改質時に酸素を共
存させ、銅系あるいは貴金属系触媒の存在下で反応させ
て水素含有ガスを製造する方法が、例えば特開昭61−
127601号公報、特開平2−116603号公報等
に開示されている。しかし、これらの公報には、CO濃
度の低減に関する、又は、高いメタノール転化率に関す
る記載はなく、これらの方法では、高いメタノール転化
率を維持しつつCOの生成を低く抑えることはできない
という問題がある。
【0010】この発明は、前記問題を解決すると共に、
固体高分子燃料電池、リン酸型燃料電池等の燃料製造に
好適であり、高いメタノール転化率を維持しつつCOの
生成を低く抑えることができ、経済的にかつ効率よく水
素含有ガスを製造することができる水素含有ガスの製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の前記請求項1に記載の発明は、メタノール1モルと酸
素0.01〜0.5モルと水とを100〜200℃に加
熱した触媒に接触させ、反応させることを特徴とする水
素含有ガスの製造方法であり、前記請求項2に記載の発
明は、前記触媒が、銅を含有する触媒である前記請求後
1に記載の水素含有ガスの製造方法である。
【0012】以下、この発明に係る水素含有ガスの製造
方法につき詳細に説明する。
【0013】この発明においては、先ず、原料成分たる
メタノールと酸素と水とを共存させる。
【0014】前記原料成分たるメタノール、酸素及び水
としては、特に制限はなく、それぞれ純品を用いても、
あるいは前記原料成分が含まれている物質等、例えばメ
タノール水溶液と空気又は酸素含有ガスとを用いてもよ
い。前記酸素は気体であり、一方、メタノール及び水は
液体であるので、前記各原料成分を共存させるには、先
ずメタノール及び水を適宜の方法により、共にあるいは
別々に気化させて用いることができる。
【0015】前記原料の比として、前記メタノールと前
記酸素との比(酸素のモル数/メタノールのモル数)
は、通常0.01〜0.5であり、好ましくは0.05
〜0.3であり、更に好ましくは0.1〜0.25であ
る。前記メタノールと酸素との比が前記範囲内にある
と、COの生成を少なくすることができ、水素発生量の
低下を抑えることができるので好ましい。また、前記メ
タノールと前記水との比(水のモル数/メタノールのモ
ル数)は、通常1.0〜2.5であり、好ましくは1.
2〜2.0である。前記メタノールと水との比が前記範
囲内にあると、COの生成を少なくすることができるの
で好ましい。なお、前記メタノールと水との比が、1.
0未満であるとCOの除去が充分でないことがあり、一
方、2.5を越えると水の気化のために使用されるエネ
ルギーが増大し、効率が低下することがある。
【0016】前記各原料を共存させる方法としては、特
に制限はないが、例えばメタノール及び水を、共に又は
別々に適宜の方法により加熱して気化させた蒸気に酸素
を供給して、混合ガスとして共存させる方法を挙げるこ
とができる。具体的には、例えば、メタノール及び水を
それぞれ別の蒸発器を用いてガス化させた後、これに空
気を混合させることにより共存させる方法、メタノール
水溶液を蒸発器を用いてガス化させ、メタノールと水と
を含有する混合ガスとした後、これに酸素含有ガスを混
合させることにより共存させる方法等を挙げることがで
きる。
【0017】この発明においては、次に、前記原料成分
たるメタノール、酸素及び水を共存させたガスを、触媒
に接触させ、反応させることにより水素含有ガスを製造
する。
【0018】前記触媒としては、一般にメタノール水蒸
気改質反応に使用することができる触媒であれば特に制
限はないが、例えば、銅含有触媒、VIII族金属担持
触媒等を挙げることができる。
【0019】前記銅含有触媒としては、例えばCuO−
MeOx (ただし、式中、MeOxは金属酸化物を表わ
し、MeはMn、Si等の金属を表わす。)で表わされ
る酸化銅混練触媒、Cuイオン交換MeOx (ただし、
式中、MeOx はSiO2 、ZnO2 、Al23 等の
金属酸化物を表わす。)で表わされる銅イオン交換触
媒、Cu/Al23 、Cu/SiO2 等の酸化銅担持
触媒、CuO・ZnO、CuO・ZnO・Al23
CuO・Cr23 、CuO・NiO、CuO・NiO
・ZnO等の銅含有共沈触媒を挙げることができる。
【0020】前記VIII族金属担持触媒としては、例
えばCo、Ni、Pt、Pd等の金属と、SiO2 、Z
rO2 、Al23 等の金属酸化物とを有する触媒を挙
げることができる。
【0021】これらの中でも好ましいのは銅含有触媒で
あり、特に好ましいのは銅含有共沈触媒である。これら
は、低温での活性が高く、かつアルデヒド、ギ酸等の副
生を少なくすることができる点で好ましい。
【0022】前記銅含有触媒としては、例えば、銅−ニ
ッケル−亜鉛の組合せからなるものを、前記銅含有共沈
触媒としては、例えば、銅−コバルト−亜鉛の組合せ又
は銅−ニッケル−ランタンの組合せからなるものを挙げ
ることができる。
【0023】前記銅−ニッケル−亜鉛の組合せからなる
銅含有触媒としては、例えば、銅が5〜30重量%、ニ
ッケルが5〜50重量%及び亜鉛が30〜90重量%そ
れぞれ含まれる合金を展開することにより、触媒として
不活性な亜鉛をアルカリで溶出したものを挙げることが
できる。前記亜鉛の溶出量は、通常、前記合金中の亜鉛
の含有量の10〜90重量%である。前記展開は、通常
20〜100℃の温度下に、前記合金を、例えばカ性ソ
ーダ水溶液、カ性カリ水溶液、炭酸カリウム水溶液等の
アルカリ溶液で処理する通常の展開法に従って行なうこ
とができる。
【0024】前記展開により得られる展開合金中の、
銅、ニッケル及び亜鉛の含有割合は、銅が10〜50重
量%、ニッケルが20〜80重量%及び亜鉛が10〜6
0重量%である。前記銅、ニッケル及び亜鉛の含有量が
前記範囲内にあると、活性を長く維持することができる
と共に、副生物の生成を低く抑えることができるので好
ましい。
【0025】この銅含有触媒は、前記展開合金を、例え
ば分離し、水洗し、乾燥し、成形し、還元することによ
り調製することができる。
【0026】前記分離は、例えばろ過、遠心分離、デカ
ンテーション等の通常の固液分離方法により行なうこと
ができる。前記水洗は、前記アルカリ溶液の除去を目的
とし、例えば蒸留水又はイオン交換水を用いた傾斜法に
より行なうことができる。前記乾燥は、3〜12時間風
乾することにより行なうことができる。前記成形は、例
えばプレス成形法、打錠成形法等により、前記展開合金
に滑剤としてグラファイトを加えた後、錠剤状、ペレッ
ト状、粒状、細片状、板状等の種々の形状に行なうこと
ができる。前記還元は、通常、200〜500℃の水素
雰囲気下で行なうことができ、また、ヘリウムガス、ネ
オンガス、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスを用
いて希釈して行なうことができる。
【0027】前記銅−コバルト−亜鉛の組合せからなる
銅含有共沈触媒としては、例えば、それぞれの元素の割
合、即ち原子比がCu:Co:Zn=1:0.01〜5
0:0.1〜1000、好ましくはCu:Co:Zn=
1:1〜10:1〜20であるものを挙げることができ
る。前記原子比が前記範囲内にあると、所望の性能を有
する銅含有共沈触媒を得ることができるので好ましい。
【0028】また、前記銅−ニッケル−ランタンの組合
せからなる銅含有共沈触媒としては、例えば、それぞれ
の元素の割合、即ち原子比がCu:Ni:La=1:
0.01〜50:0.1〜1000、好ましくはCu:
Ni:La=1:1〜10:1〜20であるものを挙げ
ることができる。前記原子比が前記範囲内にあると、所
望の性能を有する銅含有共沈触媒を得ることができるの
で好ましい。
【0029】銅含有共沈触媒に含まれる前記各元素は、
通常、水溶性の塩から得られたものが好ましい。そのよ
うな塩としては、例えば硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、シュ
ウ酸塩、ギ酸塩等を挙げることができる。更に具体的に
は、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、シュウ酸銅、ギ酸銅、硝
酸コバルト、酢酸コバルト、硫酸コバルト、シュウ酸コ
バルト、ギ酸コバルト、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜
鉛、シュウ酸亜鉛、ギ酸亜鉛、硝酸ニッケル、酢酸ニッ
ケル、硫酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、ギ酸ニッケ
ル、硝酸ランタン、酢酸ランタン、硫酸ランタン、シュ
ウ酸ランタン、ギ酸ランタン等を挙げることができる。
【0030】これらの銅含有共沈触媒の調製について、
以下に説明する。
【0031】まず、銅の水溶性塩とコバルトの水溶性塩
と亜鉛の水溶性塩との混液、又は銅の水溶性塩とニッケ
ルの水溶性塩とランタンの水溶性塩との混液及び沈殿剤
(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、カ性ソーダ、カ性カ
リ等)の水溶液と混合して沈殿を析出させる。
【0032】前記混液の水溶性塩の濃度としては、通常
0.1〜10モル/Lであり、好ましくは0.5〜5モ
ル/Lである。また、前記沈殿剤としては、特に制限は
ないが炭酸ナトリウムが好ましい。そして、前記水溶液
の沈殿剤の濃度としては、0.05〜5モル/Lが好ま
しい。前記混液と沈殿剤水溶液との液量比(容量比)と
しては、0.1〜10が好ましい。前記混液と沈殿剤水
溶液とを混合する際の両液の温度としては、通常50〜
90℃であり、 好ましくは60〜85℃である。前記混
液と沈殿剤水溶液との混合は、迅速に行うのが好まし
い。
【0033】混合後、混合液を熟成させる。共沈生成直
後の新しい沈殿は母液と接触させておくと、沈殿粒子は
更に成長して大きくなり、沈殿の尖った部分やエッジ等
が消えて平滑になることが知られており、熟成により均
一な粒子の沈殿が得られるようになる。また、熟成時
に、溶液のpHが変化することから、結晶構造や化学組
成が変化していると考えられ、再現性のよい触媒を得る
ためにも熟成操作が必要である。前記熟成条件として
は、温度が50〜90℃、熟成時間が1〜10時間、p
Hが8〜11が好ましい。
【0034】以上のようにして得られた共沈物を水洗し
た後、乾燥し、充分に焼成することにより、銅含有共沈
触媒を得ることができる。前記乾燥の温度としては、通
常100〜120℃であり、前記乾燥の時間としては、
通常5〜20時間である。また、前記焼成の温度として
は、通常300〜600℃であり、前記焼成の時間とし
ては、通常1〜10時間である。
【0035】この発明においては、前記触媒を用いる態
様としては特に制限はなく、例えば、触媒膜の状態で用
いても、触媒層の状態で用いてもよい。これらの中で
も、触媒層の状態で用いる態様が好ましい。かかる場
合、原料ガスとの接触面積及び時間を大きくすることが
でき、反応効率を向上させることができる。
【0036】前記触媒層の状態で用いる態様としては、
例えば、適宜に選択した、それ自体公知の改質器等の反
応器に充填して用いる態様、ハニカムに担持して用いる
態様、又は反応管内部の管壁に担持して用いる態様等を
挙げることができる。なお、前記反応器は、その内部に
充填され、触媒層を形成する触媒の温度を制御すること
ができる機能を有するのが好ましい。
【0037】前記触媒層の長さ及び断面積としては、触
媒層入口部、即ち触媒層の上流における発熱反応により
上昇した温度を放熱させ、予め設定した200℃以下に
することができる長さ及び断面積にすることが必要であ
り、リアクターの伝熱、原料の供給速度、反応圧力等の
条件により適宜に選択することができる。
【0038】前記反応における圧力としては、通常、常
圧〜30Kg/cm2 Gであり、好ましくは常圧〜10
Kg/cm2 Gである。前記圧力が前記範囲内にある
と、メタノールの転化率を高く維持することができるの
で好ましい。
【0039】前記反応における触媒層の温度としては、
後述する理由によって通常100〜200℃であり、好
ましくは120〜160℃である。
【0040】また、前記反応における原料の供給速度
(ガス空間速度)としては、通常100〜100,00
0(h-1)であり、好ましくは1,000〜10,00
0(h-1)である。
【0041】この発明における、水素含有ガスが生成す
る反応の機構は、以下のように考えられる。即ち、予め
100〜200℃に加熱した触媒層に、原料たるメタノ
ール、酸素及び水を含有するガスを導入すると、触媒層
の入口付近(以下、上流と称する。)における触媒上
で、メタノールと酸素とが以下に示される式(4)よう
に反応する。
【0042】 CH3 OH+3/2O2 →CO2 +2H2 O・・・(4) 上記式(4)の反応は大きな発熱反応であるので、この
反応により前記触媒層の上流における温度が上昇する。
この発熱反応により生じた熱により、前記式(2)で表
わされる吸熱反応が促進され、触媒層に導入したメタノ
ールがほぼ完全に転化する。
【0043】すると、触媒層に導入した酸素は、前記触
媒層の上流で速やかに消費されなくなり、前記式(4)
で表わされる発熱反応が起こりにくくなるので、前記触
媒層の上流において上昇した温度、及びこの温度上昇に
併せて上昇した前記触媒層の上流に続く領域(以下、中
下流と称する。)における温度が、速やかに下降し予め
設定した触媒層の温度(100〜200℃)近くまで低
下する。そして、前記触媒層の中下流においては、主と
して前記式(3)で表わされる反応が生じる。なお、前
記(3)で表わされる反応は、発熱反応であるので、触
媒層の中下流における温度(100〜200℃)では、
反応が右辺に進行し、COはCO2 に転化する。したが
って、CO濃度は大きく低減する。
【0044】以上のように、この発明によると、高いメ
タノール転化率を維持しつつCOの生成を低く抑えるこ
とができ、また外部から供給する熱量を少なくすること
ができるので、経済的に、しかも効率よく水素含有ガス
を製造することができる。
【0045】ところが、予め設定する前記触媒層の温度
が200℃を越えると、前記式(3)で表わされる反応
が右辺に進行しにくくなるので、CO濃度の大きな低減
効果は期待できない。一方、100℃未満であると、触
媒層に導入するガス中のメタノール及び水が液化するこ
とがあり、円滑に反応を進行させることができないこと
がある。また、メタノール1モルに対する酸素のモル数
の比が、0.01未満であると、前記式(4)で表わさ
れる発熱反応が充分に起こらないので、前記式(2)で
表わされる吸熱反応に充分な熱供給をすることができ
ず、メタノールの転化が充分でないことがあり、一方
0.5モルを越えると、前記式(4)の反応によるメタ
ノール転化が大きく増大するので、前記式(2)で表わ
される反応から生成する水素の量が大きく減少し、水素
の生成効率が低下するので好ましくない。
【0046】
【実施例】以下に、この発明の実施例について説明す
る。なお、この発明は、以下の実施例に何ら限定される
ものではない。
【0047】(触媒の調製)硝酸銅(3水塩)と硝酸亜
鉛(6水塩)と硝酸アルミニウム(9水塩)とを含む水
溶液に、炭酸ナトリウム水溶液を添加し、沈殿物を生成
させた。その後、この沈殿物を濾過し水洗した。得られ
た沈殿物を120℃の温度下で約12時間乾燥させた
後、450℃で2時間焼成して、銅−亜鉛−アルミニウ
ムの組合せからなる銅含有共沈触媒を調製した。
【0048】この銅含有共沈触媒における各元素の比
は、Cu:Zn:Al=1:2:0.5(モル比)であ
った。この触媒を以下の実施例及び比較例において使用
した。
【0049】(実施例1)16〜32メッシュに成型し
た前記銅含有共沈触媒5ccと不活性なシリコンカーバ
イド(SiC)10ccとを混合して石英ガラス製の反
応管に充填して触媒層を形成した。このときの触媒層の
長さは約8cmであった。そして、この石英ガラス製の
反応管を、所定の温度に制御可能な電気炉内に配置し
た。なお、前記触媒層は、その使用前に300℃で2時
間水素還元を行なった後、N2 ガス中で予め所定温度に
しておいた。
【0050】また、前記石英ガラス製の反応管内の触媒
層における中心部に熱電対の保護管を挿入し、更に前記
保護管内に熱電対を挿入すると共にこれを上下させるこ
とにより、前記触媒層内における、触媒層の入口から1
cm(触媒層入口)、4cm、7cm(触媒層出口)の
各点の温度を測定した。前記各点における温度の平均値
を平均触媒温度とした。
【0051】実験を行なった温度(反応前の平均触媒温
度)は、150℃、170℃、180℃、200℃であ
る。
【0052】触媒層の温度を測定した後、メタノールと
酸素と水とからなり、水/メタノール(モル比)=1.
2、酸素/メタノール(モル比)=0.25である原料
ガスを、メタノールの供給速度(LHSV)が4.3h
-1、反応圧力が常圧である条件にて、前記触媒層に導入
し反応させることにより水素含有ガスの製造を行なっ
た。なお、メタノール及び水は蒸発器中で予め気化させ
た後、原料ガスに混合した。
【0053】反応中の触媒層の温度を測定した後、生成
ガス及び液の分析を行なった。その結果を表1に示し
た。結果としては、反応前の平均触媒層温度が100〜
200℃のときは、98.8%以上と高いメタノール転
化率を維持しつつ、乾きガス中のCO濃度は1.0%未
満と低く抑えることができた。
【0054】(比較例1)実験を行なった温度(反応前
の平均触媒温度)を、220℃、260℃に代えた外は
実施例1と同様にして水素含有ガスの製造した。その結
果を表1に示した。結果としては、反応前の平均触媒層
温度が220℃及び260℃のときには、触媒層の上流
だけでなく中下流の温度も高くなるので、メタノール転
化率は100%と高くなるものの、乾きガス中のCO濃
度も1.5%以上と高い値になった。
【0055】(比較例2)原料ガスとして、メタノール
及び水のみを用いた外は実施例1と同様にして水素含有
ガスの製造した。その結果を表1に示した。
【0056】結果としては、反応前の平均触媒温度が3
00℃である場合には、メタノール転化率が100%と
高くなるものの、乾きガス中のCO濃度も3.7%と高
い値になった。そして、平均触媒層温度を250℃にす
ると、乾きガス中のCO濃度が1.0%と低くなるもの
の、メタノール転化率も80%未満と低くなった。
【0057】この結果は、平均触媒温度を高くすると、
メタノール転化率は向上するもののCO濃度も上昇して
しまい、一方、平均触媒層温度を低くすると、CO濃度
は低くなるもののメタノール転化率も低下してしまうこ
とを示している。
【0058】以上より、この発明における条件で反応を
行なうと、水/メタノール比が1.2と低くても、メタ
ノール転化率が99%以上と高い値を維持しつつ、CO
濃度を0.7〜0.9%と低く抑えて、効率よくかつ経
済的に水素含有ガスを得ることができることがわかる。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】この発明によると、固体高分子燃料電
池、リン酸型燃料電池等の燃料製造に好適であり、高い
メタノール転化率を維持しつつCOの生成を低く抑える
ことができ、また、外部から供給する熱量を少なくする
ことができるので、経済的にかつ効率よく水素含有ガス
を製造することができる水素含有ガスの製造方法を提供
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノール1モルと酸素0.01〜0.
    5モルと水とを100〜200℃に加熱した触媒に接触
    させ、反応させることを特徴とする水素含有ガスの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記触媒が、銅を含有する触媒である前
    記請求項1に記載の水素含有ガスの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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