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JPH0587974U - 積層圧電素子 - Google Patents

積層圧電素子

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Publication number
JPH0587974U
JPH0587974U JP036141U JP3614192U JPH0587974U JP H0587974 U JPH0587974 U JP H0587974U JP 036141 U JP036141 U JP 036141U JP 3614192 U JP3614192 U JP 3614192U JP H0587974 U JPH0587974 U JP H0587974U
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JP
Japan
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piezoelectric
electrode
piezoelectric element
laminated
electrodes
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Pending
Application number
JP036141U
Other languages
English (en)
Inventor
謙一 中村
和元 鈴木
信宏 森山
Original Assignee
呉羽化学工業株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by 呉羽化学工業株式会社 filed Critical 呉羽化学工業株式会社
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Publication of JPH0587974U publication Critical patent/JPH0587974U/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 積層されたポリマー圧電体フィルム(1)の
各面の周縁部に電極不存在部(8)を形成し、該不存在
部との対向面にリード電極(6a)を設ける。 【効果】 洩れ電流や縁面放電の発生を防止し、且つリ
ード線の取出を容易化する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、複数のポリマー圧電体フィルムまたはシートと電極が交互に平面的 に積層された積層圧電素子に関し、特にかかる積層圧電素子の電極構造に関する 。
【0002】
【従来の技術】
分極処理した弗化ビニリデン系樹脂(以下、代表的にPVDFと称する)をは じめとするポリマー圧電体は、セラミックス圧電体と比較して、(1)可撓性が 大きく、薄膜化、大面積化、長尺化が容易で任意の形状、形態のものを作ること ができる;(2)静水圧圧電ひずみ定数dh は同等またはそれ以下であるが、誘 電率εが小さいために、dh /εで定まる静水圧電圧出力係数(gh 定数)は極 めて大となり、従って感度特性が優れる;(3)低密度、低弾性であるため、音 響インピーダンス(音速×密度)が、水や生体の値に近く、従って水や生体と素 子との間での反射が少なく、効率のよいエネルギー伝播が可能である等の特性を 有する。このような特性を生かして、ポリマー圧電体は、スピーカー、マイクロ ホン、超音波探触子、ハイドロフォン、震動計、ひずみ計、血圧計、バイモルフ ファン等の、一般に電気−機械(音響)変換素子として、広汎な用途への適用が 提案され、あるいは実用化されている。
【0003】 フィルム状またはシート状のポリマー圧電体(以下、包括的に、「ポリマー圧 電体フィルム」と称する。)を素子化するに際しては、通常その両面に電極を設 ける。そして、この電極と後段の電気回路とがリード線などで接続される。
【0004】 一方、この素子化されたポリマー圧電体には1枚のポリマー圧電体フィルムの 両面に電極を形成した単層の圧電素子と、複数のポリマー圧電体フィルムを用い 、それらと電極を交互に積層した積層圧電素子とがあり、後者は超音波トランス デューサや本出願人の先の出願にかかる特願平3−356667号明細書に記載 される素子のような送受波器あるいはバイモルフ振動子として広く利用されてい る。
【0005】 上述のような従来の圧電素子は、通常、あらかじめ表面に電極が形成された大 面積の圧電体フィルムを所望の寸法に切り出すことによって製造されており、ポ リマー圧電体フィルムの表面全体に電極が形成された形態となっている。
【0006】
【考案が解決すべき課題】
ところが、セラミックス圧電体と比較してgh 定数が大きく、通常数10μm 乃至1000μm前後の厚みで用いられるポリマー圧電体にあっては、電極間は 相対的に薄くてその間には高い電圧が発生または印加されるので、圧電体フィル ムの側面に沿って発生する漏れ電流や縁面放電は、素子の感度低下、効率低下を もたらすと同時にノイズの原因となる等、無視できない問題となる。特に、上述 のような大面積の圧電素子から切り出された圧電素子においては、切り出し時の 電極のバリのため、この漏れ電流や縁面放電の発生頻度が高く、素子製造の歩留 まりを低下させる原因の一つとなっている。
【0007】 上述の問題に加えて、積層圧電素子では圧電体間に挾持された中間電極へのリ ード線接続も問題となる。すなわち、積層圧電素子では、通常すべての圧電要素 が電気的に並列回路となるように、各電極を積層方向に一つおきにリード線接続 することが必要となるが、この際に、隣り合う電極に短絡することなく、また漏 れ電流や縁面放電を抑えて前記並列回路を実現することは容易ではない。
【0008】 本考案の主要な目的は、漏れ電流や縁面放電が発生し難く、電極へのリード線 接続が容易な電極構造を有するポリマー系積層圧電素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案者等は、上述の目的で研究を続けた結果、ポリマー圧電体フィルム表面 の周縁部に電極不在部(マージン)を設けて、さらに各圧電要素を構成する圧電 電極から連続して一体にリード電極を、対向するフィルム表面上のマージンと対 応する位置に設けた電極構造が有用であることを見出して本考案に到達した。
【0010】 即ち、本考案の積層圧電素子は、ポリマー圧電体フィルムまたはシートとその 両表面に配置される圧電電極とから形成される圧電要素が少なくとも2層以上平 面状に積層された積層圧電素子であって、該ポリマー圧電体フィルムまたはシー トの各面の周縁部には電極の不在部が形成され、対向面の該電極不在部と対向す る所定位置には前記圧電電極と連続して一体にリード電極が形成されていること を特徴とするものである。
【0011】 なお、本考案で積層圧電素子の「圧電要素」とは、一枚のポリマー圧電体フィ ルムとその両表面の電極との圧電効果を生ぜしめる組合せであり、換言すれば両 表面の電極の重畳部(これを「圧電電極」と称する。)とそれらに挟まれた圧電 体フィルム部分を指す。また、単に「電極」とは、上記圧電電極のみならずそれ から連続して一体に形成されるリード電極をも含む、圧電素子の表面に、あるい は表面から連続して形成されたポリマー圧電体フィルムに対して電気エネルギー の入出力を行なう導電部材をいう。
【0012】
【作用】
ポリマー圧電体フィルムの周縁部から電極を可及的に除き、またリード電極を 対向面の電極不在部(マージン)に対応する位置に設けてあるので、比較的薄い ポリマー圧電体であっても端面を周り込んだ両面電極間距離が長くなり、前記バ リ等が原因の両面電極の短絡あるいは接近や高い発生電圧による圧電体端面を通 しての洩れ電流や縁面放電の発生が効果的に防止される。また、積層に際しての 隣接電極との短絡を効果的に防止しつつリード線を取出すことが容易となる。
【0013】
【考案の具体的説明】
以下、図面を参照しつつ本考案の積層圧電素子の好ましい態様を説明する。図 面中、異なる態様の説明に用いた同一参照符号は類似部分を示す。
【0014】 図1は、本考案の積層圧電素子の第1の実施例の積層構造を結線状態とともに 示す正面図であり、図2はその平面図である。図1および図2を参照して、この 積層圧電素子10aは、ポリマー圧電体フィルム1と、リード電極6(6a、6 b)と一体化した金属箔からなる圧電電極2(2a、2b)とを接着剤層3を介 してリード電極6aと6bの方向が交互になるように積層した10層の圧電要素 の積層構造を有する。圧電電極2a、2bからは、連続して一体的に、それぞれ リード電極6a、6bが延びて素子の外部まで達しており、そこで短絡線4a、 4bに接続され、端子5a、5bを介して図示されない後段の電気回路へと導か れる。かくして、すべての圧電要素が並列回路を形成するように配線される。ま たそれぞれの圧電体フィルム1の、対向面且つ対向辺の対角近傍には圧電電極2 a、2bの幅よりも狭い幅のリード電極6a、6bがそれぞれ形成(貼付)され 、また各面の該リード電極形成部を除く全周縁部には、電極不在部(マージン) 8が形成されている。結果的に、対向する面の該電極不在部8と対向する所定位 置にリード電極6(6a、6b)が形成された配置となる。すなわち、本実施例 ではリード電極6a、6bを除いて圧電体1の端面9部位には電極は設けられて いない。そのため、隣接する圧電電極2a、2b間の端面9を周り込んでの絶縁 距離が長く、前記漏れ電流や縁面放電を効果的に抑えることができる。
【0015】 次に各部の構成のより詳細について説明する。ポリマー圧電体フィルム1を構 成するポリマー圧電体としては、比較的高い耐熱性を有するシアン化ビニリデン −酢酸ビニル共重合体が好適に用いられるほか、優れた圧電特性のフッ化ビニリ デン系樹脂圧電体が好ましく、なかでも圧電性発現に適したβ型結晶化のために 一軸延伸の必要なフッ化ビニリデン(VDF)単独重合体に比べて、通常の結晶 条件化でβ型結晶化の可能なVDF系共重合体(例えば優位量のVDFと劣位量 のフッ化ビニル(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)あるいはテトラフ ルオロエチレン(TFE)との共重合体)が好ましく、更には優位量(特に70 〜80モル%)のVDFと劣位量(特に30〜20モル%)のTrFEとの共重 合体がもっとも好ましく用いられる。
【0016】 これらポリマー圧電体材料は、溶融押出等により成膜後、必要に応じて一軸延 伸あるいは軟化温度以下での熱処理、軟化温度以下での電界印加により分極処理 に付される。ポリマー圧電体フィルム1は、10〜2000μm程度、特に20 〜1000μmの厚さを有することが好ましい。フィルムの厚さが10μm未満 では、用途によっては十分な送受波感度が得られない場合がある。また、逆に2 000μmを超えると、分極に高電圧が必要となるため縁面放電が発生し分極処 理が極めて困難となる。
【0017】 圧電電極2およびリード電極6は、この例では箔電極が用いられ、これにより 図1、図2に示すように、リード電極を素子積層部の外側にまで連続且つ一体的 に突出させて端部を与えることができ、これによりリード線の結線が容易になる 。
【0018】 箔電極としては、例えば銅、アルミニウム、錫、亜鉛、金、銀、白金等の良導 電性の金属の厚さ6〜2000μm、特に20〜1000μmの箔が好ましい。 この箔電極の厚さは、圧電素子全体の厚みや可撓性、突出したリード電極部に要 求される可撓性などにより適宜決定される。また、箔電極を接着剤を介してポリ マー圧電体フィルム表面に貼合せた構造が特に好ましく採用される。
【0019】 接着剤層3は、導電性粒子を分散させた導電性の接着剤により形成することも できるが、より接着強度の優れるエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステ ル系樹脂、ブタジエン系樹脂、プロピレン系樹脂、アクリル系樹脂等の接着剤に より5〜40μm程度の厚さの層として形成することが好ましい。
【0020】 電極不在部(マージン)8は、ポリマー圧電体フィルム1の各面の周縁部に、 例えば0.3〜20mm、好ましくは2〜10mmの幅で設けられる。この幅が 0.3mmよりも短いともれ電流や縁面放電を抑える効果が少なく、また20m mよりも長いと特に小寸法の素子ではポリマー圧電体フィルムの利用効率が極め て低下する。特に、この例のように箔電極をポリマー圧電体フィルムに接着剤で 貼り合わせた構成の素子では、幅の短いマージンであってもそこが接着剤で充填 されるので、もれ電流や放電の抑止効果が大きい。また、幅広のマージンが設け られる場合には、導電性の接着剤を用いてももれ電流が増えることはない。
【0021】 ポリマー圧電体フィルム1の各面上でマージン8を設ける方向は、この例のよ うにリード電極部6(6a、6b)を除く全周囲方向(四方向)であることが特 に好ましいが、本考案はこれに限定されない。上記のマ−ジンの方向は、フィル ムの表裏面で合わせて全周囲方向となるように、それぞれ少なくとも二方向に設 けられれば良い。また、例えばポリマー圧電体フィルム1に対して長さ方向が長 くて幅方向が短い上面電極と、その逆の下面電極を組合せれば、二方向にマージ ン8が設けられた素子となる。
【0022】 リード電極6(6a、6b)は、圧電電極2(2a、2b)から連続して、そ れと一体に形成されており、後段の電気回路と圧電電極との電気的接続を行なう ものであり、少なくともポリマー圧電体フィルムの端面9の周辺部位においては 、隣り合う面の電極、即ち、圧電電極とリード電極と重ならない(圧電素子を構 成しない)ことがもれ電流や縁面放電の防止の観点から必要である。リード電極 は、圧電電極と同じ材質であることが好ましいが、同じ幅である必要はない。
【0023】 この例のように偶数の圧電要素からなる積層圧電素子では、素子全体としての 両表面電極2a、6aが同極性となり、それを筐体アースに取れば、高電圧側の 電気的絶縁が容易になるので好ましい。
【0024】 この例では、隣接するポリマー圧電体フィルム1は、互いに逆向きの分極方向 (矢示)として、厚さ方向の収縮・膨張変形に伴う機械(音響)−電気変換を行 うのに適した構成となっているが、バイモルフ振動子などの電気−機械変換素子 では、分極方向を一ケ所だけ同方向で積層したアンバランスな組合せとされるな ど、図1に示すような交互逆向き構成でなくともよい。
【0025】 図3((a)は正面図、(b)は右側面図)および図4(平面図)は、本考案 の積層圧電素子の第2の実施例を示す。この例の積層圧電素子10bは、それぞ れ上面に溶射圧電電極12(12aまたは12b)を設けた複数のポリマー圧電 体フィルム1を、圧電電極12aと12bに接続したそれぞれのリード電極16 aと16bとが左右に交互の配置となるように接着剤層3を介して積層し、且つ 右側端面にまで延長した溶射電極12aの延長部からなるリード電極16aを短 絡線7aで全接続し、左側端面にまで延長した溶射電極12bの延長部からなる リード電極16bを短絡線7bで全接続した構成を有する。マージン8は、ポリ マー圧電体フィルム1の上下面の三辺に沿う三方向に設けられている。短絡線7 (7a、7b)は、同様に溶射電極として形成することが可能であるほか、導電 性接着剤を介して貼付した箔電極あるいは導電性ペーストの塗布電極等であり得 る。短絡線7は、積層素子の右側面および左側面の全面に形成することもできる が、積層圧電素子10bの厚さ方向の変形を妨げないように、図示のごとく部分 的に且つ少しずつ横にずらして形成するのが好ましい。また溶射電極12(リー ド電極16部分を含む)の代わりに蒸着電極を用いてもよい。
【0026】 また、溶射電極12、16の材料としては、銅、アルミニウム、亜鉛等が挙げ られるが、なかでも比較的低温での溶射が可能であり、且つリード線の半田付性 に優れた電極膜を与える亜鉛または亜鉛と銅等との合金が好ましく用いられる。 溶射電極の厚さは、例えば10〜200μm範囲とされる。本考案で用いること ことのできる溶射電極のより詳細については特願平3−356667号の明細書 に開示されている。
【0027】 本考案に用いられる蒸着電極は、銅、アルミニウム、銀、亜鉛、錫、ニッケル 、金等の良導電性金属の蒸着により、例えば厚さが0.01〜0.2μm、特に 0.02〜0.1μmの範囲で形成することが好ましい。また蒸着電極の代わり にメッキ、特に無電解メッキで厚さが10〜100μm程度に形成した電極を用 いることもできる。
【0028】 この第2の実施例の場合、接着剤層3の数を、第1の実施例に比べてほぼ半減 することができる。
【0029】 図5は本考案の積層圧電素子の第3の実施例の積層組立時の断面図であり、図 6は同素子の展開平面図である。図5は、図6に展開平面構造で示した素子の積 層組立時のV−V断面図に相当する。
【0030】 この積層圧電素子10cは、図6に示すような横長帯状の展開形状を有するポ リマー圧電体フィルム1の表面に離間した矩形状の箔電極からなる圧電電極2a およびこれと連続一体化して接続するリード電極6aを設け、その他の部分にマ ージン8aを形成し、且つ裏面には、表面の圧電電極2aと対向する位置に同じ 矩形の箔電極からなる圧電電極2b、これら圧電電極2bと連続一体化して接続 するリード電極6b、その他の部分にマージン8bを形成してなる帯状圧電素子 を、その各圧電電極2(2a、2b)の間のリード電極6(6a、6b)を設け た部分Dで交互に逆向きに折畳んだものである。この例のリード電極6a、6b は第1の実施例における短絡線4(4a、4b)あるいは第2の実施例における 短絡線7(7a、7b)の機能を兼ねており、それだけ、多数層の積層圧電素子 における配線が容易化する。この際のポリマー圧電体フィルム1における分極方 向は、自動的に図1と同様に隣接ポリマー圧電体層間で逆向きになる。また本実 施例では、中間の圧電要素はポリマー圧電体フィルム1の長さ方向に端面がなく 、もれ電流や放電にとって有利である。なお、本実施例は、リード電極6aと6 bが互いに重ならない、即ち圧電効果が発現しない構成であるが、これは送受波 感度の方向性を向上するうえで有効である。
【0031】
【製造例】
以下のようにして、図1の構造を有する積層圧電素子を製造した。ただし、リ ード電極6の幅は圧電電極2の幅と同じとした。
【0032】 ふっ化ビニリデン(VDF)/トリフロロエチレン(TrFE)のモル比75 /25の共重合体を、ダイス温度265℃でシート押出し、125℃で13時間 の熱処理後、75MV/mの電界下100℃での保持時間5分、昇降時間を含め て全1時間の分極処理を行ない、厚さ500μmのポリマー圧電体フィルム1を 得、更にその両面を粗面化した。
【0033】 両面を粗面化した厚さ70μmの銅箔6に、ポリエステル系接着剤(東洋紡( 株)製<バイロン30SS>と日本ウレタン(株)製<コロネートL>との99 :1(重量比)混合物をフローコーターを用いて厚さ10μmで両面塗布後、上 記で得られたフィルムも同様に両面に接着剤混合物を塗布した。
【0034】 その圧電体フィルム及び銅箔を70℃で2時間以上の真空乾燥をし、溶剤を除 去し、ウレタン反応を促進した。
【0035】 次いで、上記で得た接着剤塗布圧電体フィルム1を8×8cmに、また接着剤 塗布銅箔を7×8cmに切り出し、これらを交互に且つ、隣接する圧電体フィル ムの分極方向が逆となるように、さらにマージン8が圧電体フィルム1の三方向 に幅5mmとなるように積層して圧電体として10層の貼り付けを行ない、90 ℃、40kg/cm2 の条件で脱気させて積層体とした。この積層体には幅5m mのリード電極6a、6bが突出して設けられている。また、圧電電極2a、2 bの寸法は70×70mmである。
【0036】 このようにして得られた積層圧電素子の各リード電極6a、6b間の絶縁を直 流1KVで調べたが、漏れ電流や縁面放電につながる現象はなかった。また、各 層の静水圧圧電ひずみ定数(dh 定数)は13.4〜14.2pC/Nの範囲で あり、ほぼ均一な圧電特性を持つ圧電要素の積層体が得られた。なお、dh 定数 は次のようにして求めた。
【0037】 耐圧容器に入れたシリコン油中に試料素子を浸漬し、容器に窒素ガス源から圧 力P(ニュートン(N)/m2 )を加えながら試料の電荷量Q(クーロン(C) )を測定する。そしてゲージ圧2kg/cm2 近辺での圧力上昇dpに対する電 荷の増加量dQを得、下式で計算した: dh =(dQ/dP)/A 単位は、C/Nである。ここで、Aは電極面積(m2 )である。
【0038】
【効果】
上述したように、本考案によればポリマー圧電体フィルムの周縁部から電極を 可及的に除き、またリード電極を対向面の電極不在部(マージン)に対応する位 置に設けてあるので、比較的薄いポリマー圧電体であっても端面を周り込んだ両 面電極間距離が長くなり、前記バリ等が原因の両面電極の短絡あるいは接近や高 い発生電圧による圧電体端面を通しての洩れ電流や縁面放電の発生が効果的に防 止される。また、積層に際しての隣接電極との短絡を効果的に防止しつつリード 線を取出すことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例にかかる圧電素子の積層
構造を示す正面図。
【図2】図1の圧電素子の対応する平面図。
【図3】(a)は本考案の第2の実施例にかかる圧電素
子の積層構造を示す正面図であり、(b)は対応する右
側面図である。
【図4】図3の圧電素子の平面図。
【図5】本考案の第3の実施例にかかる圧電素子の積層
構造を示す断面図。
【図6】図5の圧電素子の展開平面図。
【符号の説明】
1:ポリマー圧電体フィルム 2(2a、2b):箔圧電電極 3:接着剤層 4(4a、4b):短絡線 5(5a、5b):端子(線) 6(6a、6b):箔リード電極 7(7a、7b):短絡線 8、8a、8b:電極不存在部(マージン) 9:ポリマー圧電体フィルム端面 10a、10b、10c:積層圧電素子 12(12a、12b):溶射圧電電極 16(16a、16b):溶射リード電極

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー圧電体フィルムまたはシートと
    その両表面に配置される圧電電極とから形成される圧電
    要素が少なくとも2層以上平面状に積層された積層圧電
    素子であって、該ポリマー圧電体フィルムまたはシート
    の各面の周縁部には電極の不在部が形成され、対向面の
    該電極不在部と対向する所定位置には前記圧電電極と連
    続して一体にリード電極が形成されている積層圧電素
    子。
  2. 【請求項2】 電極不在部がリード電極部位を除いてポ
    リマー圧電体フィルムまたはシート表面の全周縁部に設
    けられている請求項1に記載の積層圧電素子。
  3. 【請求項3】 圧電電極とそれと一体となっているリー
    ド電極とが金属箔からなり、且つリード電極が連続して
    圧電素子の外部まで突出して設けられている請求項1ま
    たは2に記載の積層圧電素子。
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