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JPH05194301A - 光学活性2−クロロプロピオンアルデヒドおよびその製造方法 - Google Patents

光学活性2−クロロプロピオンアルデヒドおよびその製造方法

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Publication number
JPH05194301A
JPH05194301A JP4003878A JP387892A JPH05194301A JP H05194301 A JPH05194301 A JP H05194301A JP 4003878 A JP4003878 A JP 4003878A JP 387892 A JP387892 A JP 387892A JP H05194301 A JPH05194301 A JP H05194301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optically active
group
chloropropionaldehyde
compound
rhodium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4003878A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Saeki
卓哉 佐伯
Nobumasa Arashiba
伸正 荒柴
Shinji Kiyono
真二 清野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP4003878A priority Critical patent/JPH05194301A/ja
Publication of JPH05194301A publication Critical patent/JPH05194301A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料と
して、新規な光学活性な2−クロロプロピオンアルデヒ
ドを製造する。 【構成】 ロジウム化合物、光学活性燐化合物および塩
基の存在下に、塩化ビニル、一酸化炭素および水素を反
応させることにより、新規な光学活性な2−クロロプロ
ピオンアルデヒドが製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規物質である光学活
性2−クロロプロピオンアルデヒド並びに塩化ビニル、
一酸化炭素および水素を原料とする光学活性2−クロロ
プロピオンアルデヒドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−クロロプロピオンアルデヒドは、2
位に不斉炭素を持つ化合物であるが、その光学活性体に
ついては従来より合成例がなく、その存在が知られてい
なかった。
【0003】但し、ラセミ体の2−クロロプロピオンア
ルデヒドについては公知で、その製造方法は、例えば、
フランス特許第1397779号やヘルベチカ・キミカ
・アクタ(HELVETICA CHIMICA AC
TA),第48巻,第5号,1151頁〜1157頁や
特開昭61−126046号に示されている、塩化ビニ
ル、一酸化炭素および水素を原料とする触媒的な2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの製造方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】2−クロロプロピオン
アルデヒドは、種々の農薬や医薬の非常に有用な中間体
として用いることができる化合物であるが、従来知られ
ているものは全てラセミ体であり、光学活性体について
はその存在が知られていなかった。
【0005】本発明の課題は、従来全く知られていなか
った光学活性2−クロロプロピオンアルデヒドおよびそ
の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
課題解決のため鋭意努力し詳細な研究を行った。その結
果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素とを、触媒とし
てロジウム化合物および光学活性燐化合物を用い、助触
媒として塩基を用いて反応させると、光学活性2−クロ
ロプロピオンアルデヒドが得られることを見いだし、さ
らに詳細な研究を重ねて本発明に至った。
【0007】すなわち本発明は、新規物質である光学活
性2−クロロプロピオンアルデヒド並びにロジウム化合
物、光学活性燐化合物および塩基の存在下に塩化ビニ
ル、一酸化炭素および水素を反応させることを特徴とす
る光学活性2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
である。
【0008】尚、本発明中で言う光学活性もしくは光学
活性体とは、光学的に純粋な化合物のみならず、一方の
光学異性体が、対を成すもう一方の光学異性体よりも多
く含まれる光学異性体混合物を広く一般に指すものであ
り、本発明の光学活性2−クロロプロピオンアルデヒド
について言えば、(R)−2−クロロプロピオンアルデ
ヒド、(S)−2−クロロプロピオンアルデヒド、もし
くは両者の混合物のうち一方が他方よりも多く含まれる
ものを指す。
【0009】本発明について以下に詳細に説明する。
【0010】本発明の方法では、光学活性燐化合物の存
在が必須である。光学活性燐化合物の中でも、化学構造
式(1)もしくは化学構造式(2)〔化2〕
【0011】
【化2】 (式中、Pは燐原子であり、R1 、R2 、R3 およびR
4 はそれぞれアルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルコキ
シ基もしくはヒドロキシル基を示し、R5 は2つの燐原
子をアルキル基、アリール基、ビアリール基、シクロア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ビアリー
ルオキシ基もしくはシクロアルコキシ基で架橋した構造
を示す)で表される化合物の中から選ばれた一種以上の
光学活性燐化合物が好ましく用いられる。
【0012】これらの光学活性燐化合物は具体的には次
のように例示される。すなわち、化学構造式(1)で表
される光学活性燐化合物としては、1,2−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)プロパン、2,3−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタン、2,4−ビス(ジフェニルホス
フィノ)ペンタン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィ
ノメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン、4,5−ビス(ジベンゾホスホリルメチル)−2,
2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1−
tert−ブトキシカルボニル−4−ジフェニルホスフ
ィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、1
−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシクロヘキシ
ルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリ
ジン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,
1’−ビナフチルなどの化合物の光学活性体が挙げられ
る。また、化学構造式(2)で表される光学活性燐化合
物としては、1,2−ビス(ジフェニルホスフィニル)
プロパン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィニル)ブ
タン、2,4−ビス(ジフェニルホスフィニル)ペンタ
ン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィニルメチル)−
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィニルメチル)シクロヘキサン、
1−tert−ブトキシカルボニル−4−ジフェニルホ
スフィニル−2−ジフェニルホスフィニルメチルピロリ
ジン、1−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシク
ロヘキシルホスフィニル−2−ジフェニルホスフィニル
メチルピロリジン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフ
ィニル)−1,1’−ビナフチルなどの化合物の光学活
性体が挙げられる。
【0013】本発明の方法に用いられるロジウム化合物
としては、ロジウムのハロゲン化物、酸化物、鉱酸塩、
有機酸塩またはロジウム錯化合物等がある。これらの例
としては、三塩化ロジウム、酸化ロジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリスアセチルアセ
トナートロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナート
ロジウム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデ
カカルボニルヘキサロジウム、ジクロロビス(1,5−
シクロオクタジエン)ジロジウム、ヒドリドカルボニル
トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどが挙げ
られる。
【0014】また、本発明の方法において好ましく用い
られる前述の光学活性燐化合物とロジウム化合物として
は、両者が錯化合物を形成したものも更に好ましく用い
られる。これらの例としては、例えば、化学構造式
(3)〔化3〕、(4)〔化4〕および(5)〔化5〕
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】 に示した光学活性な錯化合物などが挙げられる。
【0018】本発明の方法では、触媒としてのロジウム
化合物および光学活性燐化合物のほかに、助触媒として
の塩基の存在が必須である。ここに述べる塩基とは、窒
素、燐、ひ素などの周期律表第15族元素を含有するル
イス塩基、またはカルボン酸塩を意味する。これらの塩
基の不存在下では、ロジウム化合物はこの反応に対し全
く触媒作用を示さない。これらの塩基の中でも、ピリジ
ン化合物、キノリン化合物、イミダゾール化合物および
トリアゾール化合物などの含窒素化合物、または芳香族
カルボン酸塩類の中から選ばれた一種以上の塩基が好ま
しい。
【0019】これらの塩基は具体的には次のように例示
される。すなわち、ピリジン化合物としては、化学構造
式(6)〔化6〕
【0020】
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、それぞ
れ、水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基もし
くはアセチル基を示す)で表される化合物があり、これ
らの例としては、ピリジン、ピコリン、エチルピリジ
ン、ルチジン、α−コリジン、フェニルピリジン、シク
ロヘキシルピリジン、ベンジルピリジン、クロロピリジ
ン、3−ピリジノール、メトキシピリジン、フェノキシ
ピリジン、ニコチン酸、ピコリン酸、イソニコチン酸、
アセチルピリジンがあり、このほか、ビピリジルもピリ
ジン化合物の一例として挙げられる。
【0021】また、キノリン化合物の例としては、キノ
リンのほかに2−メチルキノリン、4−メチルキノリ
ン、ジメチルキノリン、2−エチルキノリン、フェニル
キノリン、クロロキノリン、8−キノリノール、メトキ
シキノリン、2−キノリンカルボン酸や4−キノリンカ
ルボン酸などがある。
【0022】一方、イミダゾール化合物としては、化学
構造式(7)〔化7〕
【0023】
【化7】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ、水
素、アルキル基、アリール基もしくはシクロアルキル基
を示し、また、R3 およびR4 がイミダゾール環の4、
5位の炭素を含む環を形成する縮環イミダゾールを形成
していても良い)で示される化合物があり、これらの例
としては、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N
−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、N−ベンジル−
2−メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイ
ミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイ
ミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾールなどが挙
げられる。
【0024】また、トリアゾール化合物の例としては、
1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−
トリアゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾ
トリアゾールなどが挙げられる。
【0025】さらに、芳香族カルボン酸塩類の例として
は、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、フタル酸
ナトリウム、フタル酸カリウム、フタル酸ジナトリウ
ム、フタル酸ジカリウムなどが挙げられる。
【0026】また、上記の塩基として、前記化学構造式
(1)に示した光学活性燐化合物の中から選ばれた一種
以上の化合物も好ましく用いられる。
【0027】本発明の方法は、特に溶媒を用いなくとも
実施できるが、溶媒の存在下でも行われる。この場合の
溶媒としては、通常、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン、ドデカンなどの飽和炭化水素であ
り、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素であり、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、
パラクロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素であり、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
ペンタノール、オクタノールなどのアルコール類であ
り、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類
であり、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジグライム、テトラグライムなどのエー
テル類であり、アセトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類であり、プロピオンアルデヒド、ブチルアル
デヒドなどのアルデヒド類であり、無水酢酸などの酸無
水物であり、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの
ニトリル類であり、N−メチルピロリドンなどのアミド
類であり、ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿
素などの尿素類であり、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネートなどの炭酸エステル類などが使用され
る。
【0028】本発明の方法は、水の存在下でも実施する
ことができる。水の不存在下でも、反応はかなりの成績
で進行するが、水の存在は、この反応成績を更に向上さ
せ、単にロジウム化合物、光学活性燐化合物および塩基
を組み合わせただけでは到達し得ない反応成績をもたら
す。反応時に存在させる水の量については、特に制限は
ないが、極端に少量の場合には、その効果は小さくな
る。通常、水の量は、原料として反応器へ供給する塩化
ビニルに対して、重量比で0.0001以上であれば良
い。また、用いる水の量の上限についても特に制限はな
いが、反応器の容積当たりの目的生成物の生産性を考慮
すると、原料として反応器へ供給する塩化ビニルに対し
て、重量比で1000以下が適している。特に、効果が
顕著である0.001〜100の範囲が好ましい。この
水の供給は液状で良いが、場合によっては水蒸気の形
で、反応器に供給するガス類などに共存させたまま供給
することや、反応に使用する溶媒に溶解させて供給して
も良い。
【0029】本発明の方法では、前記ロジウム化合物
は、原料の塩化ビニル1モルに対しロジウム原子とし
て、10−4〜108ミリグラム原子、好ましくは0.
1〜50ミリグラム原子の範囲に相当する量で使用され
る。また、本発明の方法で使用される前記光学活性燐化
合物は、ロジウム1グラム原子に対し0.1〜50モ
ル、好ましくは0.5〜20モルの範囲で使用される。
また、本発明の方法で使用される前記塩基は、ロジウム
1グラム原子に対し0.1〜500モル、好ましくは
0.5〜100モルの範囲で使用される。
【0030】本発明の方法は、通常、反応温度−20〜
100℃、好ましくは0〜50℃の範囲で行われる。1
00℃以上の高温では、反応生成物である光学活性2−
クロロプロピオンアルデヒドのラセミ化および分解が著
しくなり、反応には適当でない。また、−20℃以下の
低温では、触媒活性が低くなるため、生産性を考慮する
と適当でない。また、反応圧力は10〜200kg/c
m2ゲージ、好ましくは30〜150kg/cm2ゲー
ジの範囲で行われる。また原料の一酸化炭素と水素の混
合モル比は、通常、0.05〜20の範囲であり、好ま
しくは0.1〜10の範囲である。一酸化炭素および水
素は、前記の組成比で両成分を含有する混合ガスであれ
ば良く、水成ガスや、水成ガスにメタン、窒素などの反
応に不活性なガス、または二酸化炭素などが含有された
ものが用いられる。もう一方の原料である塩化ビニル
は、ガス状、液状、もしくは反応に使用される溶媒に溶
解した状態で使用される。
【0031】本発明の方法は、回分法、半回分法、連続
法のいずれの方法によっても実施できる。例えば、回分
法の場合には、触媒、および必要に応じて水および溶媒
を仕込んだオートクレーブに塩化ビニルをガス、液、も
しくは溶液状で加え、これに一酸化炭素および水素を含
有するガスを所定の圧力まで導入し、所定の温度にする
ことにより反応は進行する。また、連続法の場合には、
触媒、塩化ビニル、および必要に応じて水および溶媒よ
り成る液と一酸化炭素および水素を含有するガスとを耐
圧の反応器の一方より連続的に導入し、他方より反応生
成物、触媒、未反応塩化ビニル、および必要に応じて水
および溶媒より成る液と未反応の一酸化炭素および水素
とを連続的に抜き出すことにより反応が行われる。塩化
ビニルは、原料の一酸化炭素および水素を含有する混合
ガスとともにガス状で反応容器に導入することも可能で
ある。また、連続法の一つの変法として、触媒および必
要に応じて溶媒を反応器に仕込んでおき、反応器の下方
から原料の塩化ビニル、一酸化炭素、水素および必要に
応じて水を連続的に導入し、上方から未反応の塩化ビニ
ル、一酸化炭素、水素、反応生成物および必要に応じて
水を連続的に抜き出す方法も用いることができる。
【0032】本発明の光学活性2−クロロプロピオンア
ルデヒドの光学純度は、旋光計を用いて測定できるが、
光学活性2−クロロプロピオンアルデヒドを光学活性2
−クロロプロピオン酸アニリドに変換し、光学活性カラ
ムを用いた液体クロマトグラフィーで測定することもで
きる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法を更に具体
的に説明する。 実施例1 撹拌装置を備えた内容積70mlのステンレス製オート
クレーブの内部を窒素ガスで置換した後、((R)−
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−
ビナフチル)(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム
パークロレート187mg(ロジウム0.2ミリグラ
ム原子)と、フタル酸ジナトリウム105mg(0.5
ミリモル)を含むフタル酸ジナトリウムの水溶液10m
lを入れ、これに塩化ビニル2.0g(32ミリモル)
を含む塩化ビニルのトルエン溶液10mlを加えた。こ
のオートクレーブに、一酸化炭素と水素のモル比が1:
2の混合ガスを室温で圧力が50kg/cm2 ゲージに
なるまで圧入した後、40℃まで昇温し、150分間反
応させた。オートクレーブを室温まで冷却してから未反
応の原料混合ガスをガスサンプリング袋に捕集した後、
オートクレーブを開け、触媒、溶媒、水および反応生成
物を含む反応混合液を取り出した。ガスおよび液をガス
クロマトグラフィーで分析した結果、2−クロロプロピ
オンアルデヒドの生成量は1.0ミリモルであった。生
成した2−クロロプロピオンアルデヒドを2−クロロプ
ロピオン酸アニリドに変換し、光学活性カラム(ダイセ
ル化学工業株式会社製 CHIRALCEL−OB)を
用いた液体クロマトグラフィーで分析した結果、2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの光学純度は12%(12%
e.e.)で、(S)−体過剰であった。 実施例2 撹拌装置を備えた内容積70mlのステンレス製オート
クレーブの内部を窒素ガスで置換した後、クロロカルボ
ニル((4R,5R)−4,5−ビス(ジフェニルホス
フィノメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ラン)ロジウム133mg(ロジウム0.2ミリグラム
原子)、(4R,5R)−4,5−ビス(ジフェニルホ
スフィノメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン100mg(0.2ミリモル)、およびフタル酸
ジナトリウム105mg(0.5ミリモル)を含むフタ
ル酸ジナトリウムの水溶液10mlを入れ、これに塩化
ビニル2.0g(32ミリモル)を含む塩化ビニルのト
ルエン溶液10mlを加えた。このオートクレーブに、
一酸化炭素と水素のモル比が1:7の混合ガスを室温で
圧力が80kg/cm2 ゲージになるまで圧入した後、
10℃で300分間反応させた。実施例1と同様の後処
理をした後、分析をした結果、2−クロロプロピオンア
ルデヒドの生成量は0.5ミリモル、光学純度は29%
(29%e.e.)で、(S)−体過剰であった。 実施例3 撹拌装置を備えた内容積70mlのステンレス製オート
クレーブの内部を窒素ガスで置換した後、クロロカルボ
ニル((4S,5S)−4,5−ビス(ジベンゾホスホ
リルメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン)ロジウム66mg(ロジウム0.1ミリグラム原
子)、(4S,5S)−4,5−ビス(ジベンゾホスホ
リルメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン49mg(0.1ミリモル)、およびフタル酸ジナト
リウム105mg(0.5ミリモル)を含むフタル酸ジ
ナトリウムの水溶液10mlを入れ、これに塩化ビニル
1.0g(16ミリモル)を含む塩化ビニルのトルエン
溶液10mlを加えた。このオートクレーブに、一酸化
炭素と水素のモル比が1:7の混合ガスを室温で圧力が
80kg/cm2 ゲージになるまで圧入した後、30℃
で240分間反応させた。
【0034】実施例1と同様の後処理をした後、分析を
した結果、2−クロロプロピオンアルデヒドの生成量は
1.1ミリモル、光学純度は40%(40%e.e.)
で、(S)−体過剰であった〔図1〕。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法により、工業的に入手しや
すい塩化ビニル、一酸化炭素および水素から一段階で触
媒的に光学活性な2−クロロプロピオンアルデヒドが製
造できる。本発明は、種々の光学活性な農医薬へ容易に
変換でき、産業上非常に有益な、光学活性2−クロロプ
ロピオンアルデヒドおよびその製造方法を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
実施例3で生成した2−クロロプロピオンアルデヒドに
ついて、光学活性カラムを用いた液体クロマトグラフィ
ーによって光学純度分析を行った結果が図1である。
【図1】 光学活性カラムを用いた液体クロマトグラ
フィーによる光学純度分析図
【符号の説明】
イ (R)−体 ロ (S)−体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性2−クロロプロピオンアルデヒ
    ド。
  2. 【請求項2】 ロジウム化合物、光学活性燐化合物およ
    び塩基の存在下に、塩化ビニル、一酸化炭素および水素
    を反応させることを特徴とする光学活性2−クロロプロ
    ピオンアルデヒドの製造方法。
  3. 【請求項3】 光学活性燐化合物が化学構造式(1)も
    しくは化学構造式(2)〔化1〕 【化1】 (式中、Pは燐原子であり、R1 、R2 、R3 およびR
    4 はそれぞれアルキル基、アリール基、シクロアルキル
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルコキ
    シ基もしくはヒドロキシル基を示し、R5 は2つの燐原
    子をアルキル基、アリール基、ビアリール基、シクロア
    ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ビアリー
    ルオキシ基もしくはシクロアルコキシ基で架橋した構造
    を示す)で表される光学活性燐化合物である特許請求の
    範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】 水の存在下に行う特許請求の範囲第2項
    または第3項記載の方法。
JP4003878A 1992-01-13 1992-01-13 光学活性2−クロロプロピオンアルデヒドおよびその製造方法 Pending JPH05194301A (ja)

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JP (1) JPH05194301A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016514112A (ja) * 2013-03-15 2016-05-19 ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー ヒドロホルミル化プロセス中の触媒安定剤としてのヘテロ環式剤

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JP2016514112A (ja) * 2013-03-15 2016-05-19 ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー ヒドロホルミル化プロセス中の触媒安定剤としてのヘテロ環式剤

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