JPH0463100B2 - - Google Patents
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- JPH0463100B2 JPH0463100B2 JP61187859A JP18785986A JPH0463100B2 JP H0463100 B2 JPH0463100 B2 JP H0463100B2 JP 61187859 A JP61187859 A JP 61187859A JP 18785986 A JP18785986 A JP 18785986A JP H0463100 B2 JPH0463100 B2 JP H0463100B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- ethylene
- weight
- propylene
- parts
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、耐衝撃性、剛性、成形性及び塗装性
に優れた自動車バンパー用樹脂組成物に関する。 [従来技術] 結晶性ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、光沢
等の点で優れた特性を有するが、衝撃強度及び塗
装性に劣る為、自動車のバンパーに用いる場合、
これにポリエチレンやポリイソブチレン、ポリブ
タジエン、非晶性エチレン・プロピレン共重合体
等のゴム状物質を混合する方法が提案されてい
る。そして、これらゴム状物質の添加による剛性
の低下を改良する為に、タルク等の無機充填剤を
添加混合することも提案されている。 かかる方法として、例えばエチレン含有量が5
〜10重量部%、MFRが2〜10g/10分の結晶性
エチレン−プロピレンブロツク共重合体、固有粘
度が2.0〜3.5dl/gの無定形エチレン−プロピレ
ン共重合体及びタルクかバンパー用ポリプロピレ
ン組成物(特開昭57−55952号公報)あるいは更
に高密度ポリエチレンを添加したポリプロピレン
組成物(特開昭57−159841号公報)等が提案され
ているが、前者の組成物は、主成分であるエチレ
ン−プロピレンブロツク共重合体のエチレン含有
量が少なく、またMFRも小さいので耐衝撃性が
不充分で成形性にも劣るという欠点を有してい
る。一方後者の組成物は、主成分であるエチレン
−プロピレンブロツク共重合体のエチレン含有量
の少なさによる耐衝撃性の不充分さを、高密度ポ
リエチレンの添加により改良を計つたものである
が、かかる高密度ポリエチレンの後添加は、分散
不良を起こすことが多々あり、その結果、成形品
の塗装性の低下を来たす虞れがある等、いずれに
しても耐衝撃性、剛性、塗装性及び成形性等のバ
ランスがとれた自動車バンパー用のポリプロプレ
ン組成物は得難いのが現状であつた。 [問題解決に採用した手段] かかる状況に鑑み、本発明者は耐衝撃性、剛
性、塗装性及び成形性等のバランスのとれた自動
車バンパー用ポリプロピレン組成物を得るべく
種々検討した結果、特定のプロピレン・エチレン
ブロツク共重合体、エチレン・α−オレフインダ
ム共重合体及びタルクからなる樹脂組成物が、本
発明の目的を達成できることが分かり、本発明を
完成するに至つた。 即ち、本発明に従えば、結晶性プロピレン・エ
チレンブロツク共重合体成分(A);50ないし75重量
部、非晶性エチレン・α−オレフインランダム共
重合体成分(B);15ないし40重量部及びタルク成分
(C);1ないし25重量部からなり(ここで(A),(B)及
び(C)の各成分の合計量は100重量部となる様選択
される)、 上記(A)成分のメルトフローレート(MFR)は
25ないし60g/10分、エチレン単位含量は5ない
し14モル%であり、 しかも(A)成分は(A‐1)、(A‐2)及び
(A‐3)の各成分、 (A‐1) :ポリプロピレン成分、 (A‐2) :エチレン単位含量は42ないし46モル%、
デリカン溶媒中135℃で測定された極限粘度は
1.5ないし3dl/gのエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体成分、 (A‐3) :プロピレン単位含量10モル%以下のポリ
エチレン成分、 から構成され、これらの割合はそれぞれ74ないし
88重量%、10ないし14重量%、および2ないし10
重量%であり、 上記(B)の成分のエチレン含有量60ないし85モル
%である、 自動車バンパー用樹脂組成物が提供される。 [発明の態様] 本発明に用いる結晶性プロピレン・エチレンブ
ロツク共重合体成分(A)は、エチレン単位含量が5
ないし14モル%好ましくは9ないし13モル%、メ
ルトフローレート(MFR:ASTM D1238、条件
L)が25ないし60g/10分、好ましくは30ないし
45g/10分のブロツク共重合体である。そしてこ
の共重合体成分(A)は、ポリプロピレン成分(A‐
1)74ないし88重量%、好ましくは80〜86重量
%、エチレン・プロピレンランダム共重合体成分
(A‐2)11〜14重量%、プロピレン単位含量10
モル%以下、好ましくは5モル%以下のポリエチ
レン成分(A‐3)2〜10重量%、好ましくは3
〜6重量%から構成される。 ポリプロピレン成分(A‐1)のアイソタクチ
ツク指数(II)は95%以上であることが好まし
い。ここで、アイソタクチツク指数とはC13−
NMR法により測定されたトリアドタクテイシテ
イー分率である。このポリプロピレン成分(A‐
1)はプロピレン単独重合体又は2モル%以下、
好ましくは1モル%以下のエチレンがランダム共
重合しているプロピレンを主成分とするプロピレ
ン・エチレン共重合体である。 エチレン・プロピレンランダム共重合体成分
(A‐2)のエチレン単位含量は42ないし46モル
%、デカリン溶媒中、135℃で測定された極限粘
度[η]は1.5ないし3dl/g、好ましくは2〜
3dl/gの共重合体である。 ポリエチレン成分(A‐3)の極限粘度[η]
は通常2〜5dl/g、好ましくは3〜4.5dl/gで
ある。 上記プロピレン・エチレンブロツク共重合体成
分(A)は、オレフイン類を立体規則性触媒、好まし
くは担体付遷移金属成分及び有機アルミニウム化
合物により成る触媒の存在下に、一つの重合反応
系中で重合させることにより得られる所謂非ポリ
マーブレンド・タイプの共重合体であり、かかる
プロピレン・エチレンブロツク共重合体(A)の具体
的な製造方法は、特開昭52−98045号公報及び特
公昭57−26613号公報などに詳しい。 本発明に用いるプロピレン・エチレンブロツク
共重合体成分(A)は必ずしも一つの重合反応系中で
重合させることにより得られた一種の重合体に限
らず、別々に重合された二種以上のプロピレン・
エチレンブロツク共重合体の混合物であつてもよ
いが、その場合は、混合物のエチレン単位含有量
及びMFRが前記範囲内でなければならない。 本発明におけるエチレン含有量は13C−NMR
法により測定した値である。 本発明に用いる非晶性エチレン・α−オレフイ
ンランダム共重合体成分(B)は、エチレン含有量が
60ないし85モル%、とくには75ないし82モル%、
メルトフローレート(MFR:ASTM D 1238、
L)が通常0.1ないし5g/10分、とくには0.2な
いし4g/10分及びX線による結晶化度が20%以
下、とくには10%以下のものであることが好まし
い。エチレン含有量が85モル%を越えるもの、及
び結晶化度が20%を越えるものは、耐衝撃性の改
良効果が少なく、エチレン含有量が60モル%未満
のものは溶融流動性が悪く、成形性に劣り、メル
トフローレートが5g/10分を越えるものは、耐
衝撃性の改良効果に劣る傾向となる。 前記α−オレフインとしては、具体的には例え
ばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン等が挙げられる。また共重
合体成分(B)は、少量のジエンモノマー、例えばジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、
1,4−ヘキサジエン等が共重合されてもよい。 前記エチレン・α−オレフインランダム共重合
体成分(B)は、通常バナジウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物の組合せ触媒を用いて製造される。
具体的には、例えば溶媒としてヘキサンを用い、
これにオキシ三塩化バナジウムを添加し、次にエ
チレンとα−オレフインの混合ガスを溶解、飽和
させた後、エチルアルミニウムセスキクロリドを
予めヘキサンに溶かした溶液を添加して重合を行
なうことによつて製造できる。 本発明に用いるタルク成分(C)は、通常無機充填
剤として市販されているものであり、好ましくは
平均粒径が0.5ないし5μ、更に好ましくは1ない
し4μの範囲のものである。平均粒径が5μを越え
るものは、機械的強度が低下する場合があり、一
方平均粒径が0.5μ未満のものは混練時に分散不良
を起こす場合がある。タルク成分(C)は未処理のも
のであつてもよいが、プロピレン・エチレンブロ
ツク共重合体成分(A)等との親和性を向上させるた
めに、有機チタネート系カツプリング剤、シラン
系カツプリング剤、カルボン酸変性ポリオレフイ
ン等で処理あるいはそれらと併用してもよい。 本発明の樹脂組成物は、前記プロピレン・エチ
レンブロツク共重合体成分(A);50ないし75重量
部、好ましくは55ないし65重量部、エチレン・α
−オレフインラダム共重合体成分(B);15ないし40
重量部、好ましくは20ないし30重量部及びタルク
成分(C);1ないし25重量部、好ましくは10ないし
20重量部から構成される。ここで(A),(B)及び(C)各
成分の合計量は100重量部となる様配合量は選択
される。 又、本発明の自動車バンパー用樹脂組成物の
MFRは15g/10分以上とくには15〜30g/10分
となる様に調製されることが好ましい。 プロピレン・エチレンブロツク共重合体成分(A)
の量が50重量部未満のものは、剛性に劣り、一方
75重量部を越えるものは、塗装性及び耐衝撃性に
劣る。 タルク成分(C)の量が1重量部未満のものは、剛
性が改良されず、一方25重量部を越えると脆くな
り耐衝撃性が低下する。 本発明の組成物は、結晶性プロピレン・エチレ
ンブロツク共重合体成分(A)は、エチレン・α−オ
レフインランダム共重合体成分(B)及びタルク成分
(C)を前記範囲で、例えばヘンシエルミキサー、V
−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブ
レンダー等で混合後、単軸押出機、多軸押出機、
ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練する
ことにより得られる。中でも多軸押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等の混練性能のすぐれた
機器を使うことにより、各成分がより均一に分散
した高品質の自動車バンパー用樹脂組成物が得ら
れる。 本発明の組成物には、その混合の任意の段階
で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、帯
電防止剤、難燃剤、顔料、染料あるいはタルクの
他に、他の無機または有機の充填剤、補強剤等の
各種充填剤を本発明の目的を損なわない範囲で配
合することがでがる。 [産業上の有用性] 本発明の自動車バンパー用樹脂組成物は、溶融
流動性に優れ、すなわち加工性に優れ、しかも射
出成型して得られたバンパーは、耐衝撃性、低温
衝撃性、剛性および寸法安定性に優れ、更には塗
装性にも優れるので自動車のバンパー用として好
適である。 [実施例] 次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、こ
れらの実施例に何ら制約されるものではない。 実施例 1 表1記載のプロピレン・エチレンブロツク共重
合体PB−I 60重量部、エチレン含量82モル%、
MFRO0.7g/10分、結晶化度5%のエチレン・
プロピレンランダム共重合体(以下EPRと略す)
25重量部及びタルク15重量部にカーボンブラツ
ク:1重量部及び耐熱安定剤(商品名ヨシノツク
スBHT 吉富製薬(株)製:0.1重量部、イルガノツ
クス1010ムサシノガイキ−(株)製:0.1重量部)と
をヘンシエルミキサーで混合後、二軸押出機
(Werner & Pfleiderer社製ZSK53L)を用い
て樹脂温度220℃で造粒し、組成物を得た。 次いで該組成物を射出成形機(ダイナメルター
SJ−45C、型締力1410TON(株)名機製作所製)を
用いて樹脂温度200℃で試験片を成形するととも
に、別途模擬バンパー用金型(長さ460mm×幅120
mm×高さ56mm、バンパー裏面に4本のリブを具
備、厚さ3mm)を他の射出成形機(N400型締力
400TON(株)日本製鋼所製)に設置して、樹脂温度
200℃、射出圧力800Kg/cm2(1次)、500Kg/cm2
(2次)、射出速度24mm/secの条件下に模擬バン
パーを成形し、外観(フローマークの有無)を検
査した。試験結果を第2表に示す。尚外観以外の
評価は以下の方法で行つた。 MFR: ASTM D 1238L(g/10分) 曲げ初期弾性率: ASTM D 790(Kg/cm2) アイゾツト衝撃強度: ASMT D 256−30℃
(Kg・cm/cm) 低温脆化温度: ASTM D 746(℃) 実施例2〜3及び比較例1〜2 表1記載のプロピレン・エチレンブロツク共重
合体PEB−〜PEB−V、実施例1のEPR及び
タルクを表2記載の割合で使用する他は、実施例
1と同様に行つた。その結果を表2に示した。
に優れた自動車バンパー用樹脂組成物に関する。 [従来技術] 結晶性ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、光沢
等の点で優れた特性を有するが、衝撃強度及び塗
装性に劣る為、自動車のバンパーに用いる場合、
これにポリエチレンやポリイソブチレン、ポリブ
タジエン、非晶性エチレン・プロピレン共重合体
等のゴム状物質を混合する方法が提案されてい
る。そして、これらゴム状物質の添加による剛性
の低下を改良する為に、タルク等の無機充填剤を
添加混合することも提案されている。 かかる方法として、例えばエチレン含有量が5
〜10重量部%、MFRが2〜10g/10分の結晶性
エチレン−プロピレンブロツク共重合体、固有粘
度が2.0〜3.5dl/gの無定形エチレン−プロピレ
ン共重合体及びタルクかバンパー用ポリプロピレ
ン組成物(特開昭57−55952号公報)あるいは更
に高密度ポリエチレンを添加したポリプロピレン
組成物(特開昭57−159841号公報)等が提案され
ているが、前者の組成物は、主成分であるエチレ
ン−プロピレンブロツク共重合体のエチレン含有
量が少なく、またMFRも小さいので耐衝撃性が
不充分で成形性にも劣るという欠点を有してい
る。一方後者の組成物は、主成分であるエチレン
−プロピレンブロツク共重合体のエチレン含有量
の少なさによる耐衝撃性の不充分さを、高密度ポ
リエチレンの添加により改良を計つたものである
が、かかる高密度ポリエチレンの後添加は、分散
不良を起こすことが多々あり、その結果、成形品
の塗装性の低下を来たす虞れがある等、いずれに
しても耐衝撃性、剛性、塗装性及び成形性等のバ
ランスがとれた自動車バンパー用のポリプロプレ
ン組成物は得難いのが現状であつた。 [問題解決に採用した手段] かかる状況に鑑み、本発明者は耐衝撃性、剛
性、塗装性及び成形性等のバランスのとれた自動
車バンパー用ポリプロピレン組成物を得るべく
種々検討した結果、特定のプロピレン・エチレン
ブロツク共重合体、エチレン・α−オレフインダ
ム共重合体及びタルクからなる樹脂組成物が、本
発明の目的を達成できることが分かり、本発明を
完成するに至つた。 即ち、本発明に従えば、結晶性プロピレン・エ
チレンブロツク共重合体成分(A);50ないし75重量
部、非晶性エチレン・α−オレフインランダム共
重合体成分(B);15ないし40重量部及びタルク成分
(C);1ないし25重量部からなり(ここで(A),(B)及
び(C)の各成分の合計量は100重量部となる様選択
される)、 上記(A)成分のメルトフローレート(MFR)は
25ないし60g/10分、エチレン単位含量は5ない
し14モル%であり、 しかも(A)成分は(A‐1)、(A‐2)及び
(A‐3)の各成分、 (A‐1) :ポリプロピレン成分、 (A‐2) :エチレン単位含量は42ないし46モル%、
デリカン溶媒中135℃で測定された極限粘度は
1.5ないし3dl/gのエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体成分、 (A‐3) :プロピレン単位含量10モル%以下のポリ
エチレン成分、 から構成され、これらの割合はそれぞれ74ないし
88重量%、10ないし14重量%、および2ないし10
重量%であり、 上記(B)の成分のエチレン含有量60ないし85モル
%である、 自動車バンパー用樹脂組成物が提供される。 [発明の態様] 本発明に用いる結晶性プロピレン・エチレンブ
ロツク共重合体成分(A)は、エチレン単位含量が5
ないし14モル%好ましくは9ないし13モル%、メ
ルトフローレート(MFR:ASTM D1238、条件
L)が25ないし60g/10分、好ましくは30ないし
45g/10分のブロツク共重合体である。そしてこ
の共重合体成分(A)は、ポリプロピレン成分(A‐
1)74ないし88重量%、好ましくは80〜86重量
%、エチレン・プロピレンランダム共重合体成分
(A‐2)11〜14重量%、プロピレン単位含量10
モル%以下、好ましくは5モル%以下のポリエチ
レン成分(A‐3)2〜10重量%、好ましくは3
〜6重量%から構成される。 ポリプロピレン成分(A‐1)のアイソタクチ
ツク指数(II)は95%以上であることが好まし
い。ここで、アイソタクチツク指数とはC13−
NMR法により測定されたトリアドタクテイシテ
イー分率である。このポリプロピレン成分(A‐
1)はプロピレン単独重合体又は2モル%以下、
好ましくは1モル%以下のエチレンがランダム共
重合しているプロピレンを主成分とするプロピレ
ン・エチレン共重合体である。 エチレン・プロピレンランダム共重合体成分
(A‐2)のエチレン単位含量は42ないし46モル
%、デカリン溶媒中、135℃で測定された極限粘
度[η]は1.5ないし3dl/g、好ましくは2〜
3dl/gの共重合体である。 ポリエチレン成分(A‐3)の極限粘度[η]
は通常2〜5dl/g、好ましくは3〜4.5dl/gで
ある。 上記プロピレン・エチレンブロツク共重合体成
分(A)は、オレフイン類を立体規則性触媒、好まし
くは担体付遷移金属成分及び有機アルミニウム化
合物により成る触媒の存在下に、一つの重合反応
系中で重合させることにより得られる所謂非ポリ
マーブレンド・タイプの共重合体であり、かかる
プロピレン・エチレンブロツク共重合体(A)の具体
的な製造方法は、特開昭52−98045号公報及び特
公昭57−26613号公報などに詳しい。 本発明に用いるプロピレン・エチレンブロツク
共重合体成分(A)は必ずしも一つの重合反応系中で
重合させることにより得られた一種の重合体に限
らず、別々に重合された二種以上のプロピレン・
エチレンブロツク共重合体の混合物であつてもよ
いが、その場合は、混合物のエチレン単位含有量
及びMFRが前記範囲内でなければならない。 本発明におけるエチレン含有量は13C−NMR
法により測定した値である。 本発明に用いる非晶性エチレン・α−オレフイ
ンランダム共重合体成分(B)は、エチレン含有量が
60ないし85モル%、とくには75ないし82モル%、
メルトフローレート(MFR:ASTM D 1238、
L)が通常0.1ないし5g/10分、とくには0.2な
いし4g/10分及びX線による結晶化度が20%以
下、とくには10%以下のものであることが好まし
い。エチレン含有量が85モル%を越えるもの、及
び結晶化度が20%を越えるものは、耐衝撃性の改
良効果が少なく、エチレン含有量が60モル%未満
のものは溶融流動性が悪く、成形性に劣り、メル
トフローレートが5g/10分を越えるものは、耐
衝撃性の改良効果に劣る傾向となる。 前記α−オレフインとしては、具体的には例え
ばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン等が挙げられる。また共重
合体成分(B)は、少量のジエンモノマー、例えばジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、
1,4−ヘキサジエン等が共重合されてもよい。 前記エチレン・α−オレフインランダム共重合
体成分(B)は、通常バナジウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物の組合せ触媒を用いて製造される。
具体的には、例えば溶媒としてヘキサンを用い、
これにオキシ三塩化バナジウムを添加し、次にエ
チレンとα−オレフインの混合ガスを溶解、飽和
させた後、エチルアルミニウムセスキクロリドを
予めヘキサンに溶かした溶液を添加して重合を行
なうことによつて製造できる。 本発明に用いるタルク成分(C)は、通常無機充填
剤として市販されているものであり、好ましくは
平均粒径が0.5ないし5μ、更に好ましくは1ない
し4μの範囲のものである。平均粒径が5μを越え
るものは、機械的強度が低下する場合があり、一
方平均粒径が0.5μ未満のものは混練時に分散不良
を起こす場合がある。タルク成分(C)は未処理のも
のであつてもよいが、プロピレン・エチレンブロ
ツク共重合体成分(A)等との親和性を向上させるた
めに、有機チタネート系カツプリング剤、シラン
系カツプリング剤、カルボン酸変性ポリオレフイ
ン等で処理あるいはそれらと併用してもよい。 本発明の樹脂組成物は、前記プロピレン・エチ
レンブロツク共重合体成分(A);50ないし75重量
部、好ましくは55ないし65重量部、エチレン・α
−オレフインラダム共重合体成分(B);15ないし40
重量部、好ましくは20ないし30重量部及びタルク
成分(C);1ないし25重量部、好ましくは10ないし
20重量部から構成される。ここで(A),(B)及び(C)各
成分の合計量は100重量部となる様配合量は選択
される。 又、本発明の自動車バンパー用樹脂組成物の
MFRは15g/10分以上とくには15〜30g/10分
となる様に調製されることが好ましい。 プロピレン・エチレンブロツク共重合体成分(A)
の量が50重量部未満のものは、剛性に劣り、一方
75重量部を越えるものは、塗装性及び耐衝撃性に
劣る。 タルク成分(C)の量が1重量部未満のものは、剛
性が改良されず、一方25重量部を越えると脆くな
り耐衝撃性が低下する。 本発明の組成物は、結晶性プロピレン・エチレ
ンブロツク共重合体成分(A)は、エチレン・α−オ
レフインランダム共重合体成分(B)及びタルク成分
(C)を前記範囲で、例えばヘンシエルミキサー、V
−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブ
レンダー等で混合後、単軸押出機、多軸押出機、
ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練する
ことにより得られる。中でも多軸押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等の混練性能のすぐれた
機器を使うことにより、各成分がより均一に分散
した高品質の自動車バンパー用樹脂組成物が得ら
れる。 本発明の組成物には、その混合の任意の段階
で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、帯
電防止剤、難燃剤、顔料、染料あるいはタルクの
他に、他の無機または有機の充填剤、補強剤等の
各種充填剤を本発明の目的を損なわない範囲で配
合することがでがる。 [産業上の有用性] 本発明の自動車バンパー用樹脂組成物は、溶融
流動性に優れ、すなわち加工性に優れ、しかも射
出成型して得られたバンパーは、耐衝撃性、低温
衝撃性、剛性および寸法安定性に優れ、更には塗
装性にも優れるので自動車のバンパー用として好
適である。 [実施例] 次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、こ
れらの実施例に何ら制約されるものではない。 実施例 1 表1記載のプロピレン・エチレンブロツク共重
合体PB−I 60重量部、エチレン含量82モル%、
MFRO0.7g/10分、結晶化度5%のエチレン・
プロピレンランダム共重合体(以下EPRと略す)
25重量部及びタルク15重量部にカーボンブラツ
ク:1重量部及び耐熱安定剤(商品名ヨシノツク
スBHT 吉富製薬(株)製:0.1重量部、イルガノツ
クス1010ムサシノガイキ−(株)製:0.1重量部)と
をヘンシエルミキサーで混合後、二軸押出機
(Werner & Pfleiderer社製ZSK53L)を用い
て樹脂温度220℃で造粒し、組成物を得た。 次いで該組成物を射出成形機(ダイナメルター
SJ−45C、型締力1410TON(株)名機製作所製)を
用いて樹脂温度200℃で試験片を成形するととも
に、別途模擬バンパー用金型(長さ460mm×幅120
mm×高さ56mm、バンパー裏面に4本のリブを具
備、厚さ3mm)を他の射出成形機(N400型締力
400TON(株)日本製鋼所製)に設置して、樹脂温度
200℃、射出圧力800Kg/cm2(1次)、500Kg/cm2
(2次)、射出速度24mm/secの条件下に模擬バン
パーを成形し、外観(フローマークの有無)を検
査した。試験結果を第2表に示す。尚外観以外の
評価は以下の方法で行つた。 MFR: ASTM D 1238L(g/10分) 曲げ初期弾性率: ASTM D 790(Kg/cm2) アイゾツト衝撃強度: ASMT D 256−30℃
(Kg・cm/cm) 低温脆化温度: ASTM D 746(℃) 実施例2〜3及び比較例1〜2 表1記載のプロピレン・エチレンブロツク共重
合体PEB−〜PEB−V、実施例1のEPR及び
タルクを表2記載の割合で使用する他は、実施例
1と同様に行つた。その結果を表2に示した。
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 結晶性プロピレン・エチレンブロツク共重合
体成分(A);50ないし75重量部、非晶性エチレン・
α−オレフインランダム共重合体成分(B);15ない
し40重量部及びタルク成分(C);1ないし25重量部
からなり(ここで(A)、(B)及び(C)の各成分の合計量
は100重量部となる様選択される)、 上記(A)成分のメルトフローレート(MFR)は
25ないし60g/10分、エチレン単位含量は5ない
し14モル%であり、 しかも(A)成分は下記(A‐1)、(A‐2)及び
(A‐3)の各成分、 (A‐1) :ポリプロピレン成分、 (A‐2) :エチレン単位含量は42ないし46モル%、
デリカン溶媒中135℃で測定された極限粘度は
1.5ないし3dl/gのエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体成分、 (A‐3) :プロピレン単位含量10モル%以下のポリ
エチレン成分、 から構成され、これらの割合はそれぞれ74ないし
88重量%、11ないし14重量%、及び2ないし10重
量%であり、 上記(B)成分のエチレン含有量は60ないし85モル
%である、 自動車バンパー用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18785986A JPS6343942A (ja) | 1986-08-12 | 1986-08-12 | 自動車バンパ−用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18785986A JPS6343942A (ja) | 1986-08-12 | 1986-08-12 | 自動車バンパ−用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6343942A JPS6343942A (ja) | 1988-02-25 |
JPH0463100B2 true JPH0463100B2 (ja) | 1992-10-08 |
Family
ID=16213461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18785986A Granted JPS6343942A (ja) | 1986-08-12 | 1986-08-12 | 自動車バンパ−用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6343942A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01271450A (ja) * | 1988-04-25 | 1989-10-30 | Nissan Motor Co Ltd | ポリオレフィン樹脂組成物から成る自動車外板部材 |
JP2839840B2 (ja) * | 1994-08-19 | 1998-12-16 | 昭和電工株式会社 | プロピレン樹脂組成物 |
JP2019177705A (ja) | 2016-07-11 | 2019-10-17 | 本田技研工業株式会社 | 車体下部構造 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5298045A (en) * | 1976-02-13 | 1977-08-17 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | Polymer composition for molding and its preparation |
JPS5755952A (en) * | 1980-09-22 | 1982-04-03 | Ube Ind Ltd | Polypropylene composition for bumper material |
JPS5998157A (ja) * | 1982-11-27 | 1984-06-06 | Sumitomo Chem Co Ltd | バンパー |
JPS6058459A (ja) * | 1983-09-08 | 1985-04-04 | Mitsui Toatsu Chem Inc | ポリプロピレン樹脂組成物 |
JPS60112844A (ja) * | 1983-11-24 | 1985-06-19 | Daihatsu Motor Co Ltd | 射出成形用ポリプロピレン組成物 |
-
1986
- 1986-08-12 JP JP18785986A patent/JPS6343942A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5298045A (en) * | 1976-02-13 | 1977-08-17 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | Polymer composition for molding and its preparation |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6343942A (ja) | 1988-02-25 |
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