JPH02294338A - 新規な複層イオン交換膜 - Google Patents
新規な複層イオン交換膜Info
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- JPH02294338A JPH02294338A JP1114061A JP11406189A JPH02294338A JP H02294338 A JPH02294338 A JP H02294338A JP 1114061 A JP1114061 A JP 1114061A JP 11406189 A JP11406189 A JP 11406189A JP H02294338 A JPH02294338 A JP H02294338A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、混合流体より特定成分を吸着、または透過分
離せしめるイオン交換膜に関する。 更に詳し《は、海水濃縮等の電気透析、酸あるいはアル
カリの拡散透析または電池セバレータに有用な抵抗の低
いイオン交換膜や、バイオ産業等で有用な有機イオンの
透過性が大きなイオン交換膜に関する. [従来の技術] イオン交換膜として、数多くの文献、特許が報告されて
いるが、最も実用的で有益なものとして、スチレンージ
ビニルベンゼン共重合体のスルホン化陽イオン交換膜お
よびクロルメチル化重合体のアミノ化陰イオン交換膜が
ある。これらはその耐薬品性、耐熱性に加え、架橋剤で
あるジビニルベンゼンの含有量を変えることにより、イ
オン交換特性や選択透過性を制御できることから、あら
ゆる用途に対し多種の品種を合成し発展してきた。 しかしながら、新しい用途、例えば、工業塩並の安価な
食塩を製造する海水濃縮、レドックフロー電池やメタノ
ール電池用セバレータなど超低抵抗イオン交換膜の二−
ズに対し、従来のスチレンージビニルベンゼン系では対
応できない欠点がある。即ち抵抗を低下させるには、膜
厚を薄《せしめる必要があるが、スチレンージビニルベ
ンゼン系樹脂は、機械的強度、特に脆さがあるため10
0μm以下のイオン交換膜が得られない.更に、スチレ
ンージビニルベンゼン系樹脂は、機械的性質に加え,加
工性が悪く、ホローファイバー型や多孔性イオン交換膜
など加工された膜が得られない欠点がある。 一方、限外濾過、逆浸透膜やガス分離膜などの分離膜に
おいて、機械的強度、加工性の優れたエンブラ系プラス
チックが使用されている。 特に耐薬品性が優れたポリスルホン膜は、膜内にイオン
交換基を導入し、限外濾過や逆浸透での透過性の改良や
、イオン選択透過性を付与し、イオン交換膜への適応が
検討されている。 例えば、繰り返し単位が、 1’LL しi葛 からなるポリスルホンのスルホン化物は、U S P
3709841に記載されており、特開昭50一999
73.特開昭51− 146379,特開昭Bl− 4
505などに、そのようなスルホン化ポリスルホンを、
異方性限外ろ過膜上に積層した限外ろ過膜や逆浸透膜が
記載されている. また、上記のポリスルホンのスルホン重合体または、ク
ロルメチル化重合体から合成された陽イオン交換膜また
は陰イオン交換膜がJ.Membrane Scien
ce,22(1985) 325 〜332に記載され
ている。 しかしながら、これらのポリスルホン系イオン交換膜は
、非架橋であり、イオン交換容量を増加し、抵抗を低下
せしめようとすると、吸水率が急激に増加し、固定イオ
ン濃度の低下を招き、イオン選択透過性が急激に低下し
、またイオン選択性を高めようとすると、抵抗が急上昇
する。かかる欠点を克服する方法として、イオン選択透
過性の数lθμmの緻密層とそれより厚い多孔層からな
る非対称性複層膜が提案されているが、従来のスチレン
系・ジビニルベンゼン系イオン交換膜と膜性能を比較し
ても不充分であり,代替できるものではない。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、従来技術が有していた前述の欠点を解消しよ
うとするものであり、イオン選択透過性が大きく、抵抗
が低い新規な複層イオン交換膜を提供することを目的と
する. 本発明は、従来技術では到達しえない、省エネルギー電
気透析法や電池用セパレー夕、更にはコンパクトでメン
テナンスが容易なホローファイバー透析モジュール等に
使用できるイオン交換膜を提供することを目的とする.
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、実質的にイオン交換基を含有しな
いイオン電導性半透膜とそれより薄いイオン交換体層と
の複合膜からなることを特徴とするイオン交換膜により
達成せしめられる. 本発明のイオン交換膜は、基本的には、イオン交換性を
有しないイオン電導性半透膜からなるベース膜と、特定
のイオン交換体層を組み合せたものであるが、これは従
来にない新規な発想と知見に基くものである. 即ち、従来の複層イオン交換膜としては、イオン選択透
過性の大きなイオン交換容量の小さい薄いイオン交換体
層と、抵抗の小さいイオン交換容量の大きな厚いイオン
交換体層との複層膜が、食塩電解用隔膜として使用され
ている。 また特定イオンの選択透過性を付与する目的で、緻密な
構造を有するイオン交換体層や、反対電荷を有するイオ
ン交換体層の薄層を厚いイオン交換体層と複層化するこ
とも知られている.更に膜の強度を向上させる目的で、
イオン交換体層と、多孔性支持膜との複層膜が、提案さ
れている.いずれにせよ、従来の複層イオン交換膜は、
イオン交換体層が直接外液と接触し,その界面で選択性
を発現せしめるという発想と構成をなしている. 一方、本発明の複層膜においては,示現されるイオン選
択透過性は、イオン交換基を含有しない半透膜の少《と
も1面に複層されたイオン交換体層によって依存させ、
イオン電導性半透膜は、基本的にはイオン交換体層を支
持、補強させるという発想に基いている.かくして、電
気抵抗の高い、イオン交換体層は、イオン選択透過性を
発現させるのに必要な最少限の厚みにし、イオン交換体
層は、電気抵抗が低く,且つ機械的強度の大きいイオン
電導性半透膜層をもって、本発明の複層膜は構成せしめ
られる. 以下に本発明を更に詳しく説明すると、本発明のイオン
交換体層としては、イオン交換基の種類、イオン交換容
量、母体樹脂の種類など広いものが使用でき、スチレン
・ジビニルベンゼン系、スチレンーブタジュン系、等の
スルホン化陽イオン交換体およびハロアルキル化樹脂の
アミノ化陰イオン交換体、エチレンーアクリル酸系陽イ
オン交換体、ビニルビリジン系陰イオン交換体、バーフ
ルオロ陽イオン交換体.含フッ素陰イオン交換樹脂など
が例示される.しかしながら好ましくは、半透膜との接
着性とイオン交換体層の薄膜形成性及びその機械的強度
から、芳香族エンブラ樹脂から誘導されるイオン交換体
が好ましい.特には,耐薬品性から芳香族ポリスルホン
樹脂からなるイオン交換体層が使用される. 本発明のイオン交換体に使用するポリスルホン重合体と
しては一般式が R1〜R,は、互いに同一または異なる炭素数1〜8の
炭化水素基、a % dはθ〜4、eはO〜3.(f+
g)はO〜7.(h+i)は0〜5、R,。+RIlは
水素、炭素数1〜6の炭化水素基、厳八=100/.0
〜l/100を示す.で表わされる芳香族ポリスルホン
重合体が例示される。そのようなポリスルホン系重合体
としでは、 1”L などのポリスルホン重合体の他 上記ポリスルホンユニットとそれとは異なるユニット、
例えば とのブロック共重合体が使用される。 本発明により、ポリスルホンを使用することにより従来
にない高性能な複層イオン交換膜を得ることができるが
,好ましくは、イオン交換容量の制御が容易である点と
、得られるイオン交換体の選択透過性、機械的性質およ
び耐薬品性の点からポリスルホン系ブロック共重合体が
使用される. 本発明において何故、ブロック共重合体がイオン交換膜
として優れるかは、必ずしも明らかでないが、以下の理
由によるものと説明される. 即ち、イオンの透過速度(膜抵抗)は膜内の吸水率が大
きいほど高《、またイオンの選択透過性(輸率、電流効
率)は、膜内の固定イオン濃度(膜中の含水量あたりの
イオン交換基量)が高いほど太き《なる性質がある。こ
のため優れたイオン選択透過性を有するイオン交換体を
得るには、イオン交換容量を高め、かつ固定イオン濃度
が低下しないように、吸水率の増加を防止する必要があ
る.従来のスチレン系イオン交換樹脂においては、吸水
率の過大な増加を防止するためジビニルベンゼンにより
架橋する方法が使用されている.しかしながらイオン交
換基の増加と、それに見合う架橋剤の増量は、樹脂の脆
化を招くため、イオン選択透過性と機械的強度のバラン
スからおのずとある一定レベルの壁に突きあたっている
。 また、ポリスルホンホモボリマーを使用した陰イオン交
換体においては、イオン交換容量が小さい時は、ポリス
ルホン骨格の凝集力によりイオン交換基に水が導入され
ず膜抵抗が高く、またイオン交換容量がある一定以上に
なると、ポリスルホン骨格の凝集力によるイオン交換基
の吸水性をおさえる効果が失われる結果、急激に吸水率
が増加し固定イオン濃度が低下してイオン選択透過性と
機械的性質の低下を招く。 一方、ポリスルホン系ブロック共重合体においては、イ
オン交換基が導入されやすいセグメントに高い密度で分
布している.このためイオン交換容量が低くても、イオ
ン交換基に水が充分に導入される結果、ホモボリマ一系
に比べ膜抵抗が低く、またイオン交換容量を高くしても
、イオン交換基が導入されにくいセグメント間における
凝集力が、疑似的な架橋として作用するため、吸水率の
急激な増加を押えるため固定イオン濃度が低下せずイオ
ン選択透過性が高く、かつ機械的強度の低下が起きに《
いと説明される。 かくて本発明のイオン交換体層に使用する好ましいポリ
スルホン重合体としては、一般式が?ぱ、−o−, −
s−, −so■− R1〜R″は、互いに同一また
は異なる炭素数1〜8の炭化水素基、a〜dはO〜4、
eはO〜3、(f+g)は0〜7、(h+i)は0〜5
、R1。+Rllは水素、炭素数1〜6の炭化水素基、
m/n =100/1 〜l/10を示す。)で表わさ
れる芳香族ポリスルホンブロック共重合体で使用され、
特には一般式におけるZが、−S−で表わされる芳香族
ポリスルホン/ボリチオエーテルスルホン共重合体は、
高分子量の共重合体が得られ、また共重合組成の制御が
しやすく、かつ成形加工性、機械的強度、耐薬品性の点
から好まし《使用される。 か《して、ポリスルホン樹脂から合成される陰イオン交
換体層としてはポリスルホン樹脂なハロアルキル化後,
アンモニア若しくは第1級〜第3級アミンとの反応物か
らなるイオン交換容量0.5〜3.5ミリ当量/g樹脂
膜厚0.01〜50μmのイオン交換体層が使用される
.ハロアルキル基としては、− (CL).Cl.−
(CH.).%Br, −(CL)。! , − (C
I.).Fなどが例示されるが反応性から、− CI.
Cl基、−CHJr基が、また量産性からクロルメチル
基が好まし《使用され,例えば、芳香族ポリスルホンを
含有する重合体を、クロルメチルチメルエーテル、1.
4−ビス(クロルメトキシ)ブタン、l−クロルメトキ
シ−4クロロブタンおよびホルマリンー塩化水素、バラ
ホルムアルデヒドー塩化水素などの求核性クロルメチル
化剤を触媒の共存下で接触せしめることにより得ること
ができる。 上記のポリスルホン系重合体に一CH.Cl基を導入す
る方法としては、粒状の重合体、あるいは、膜状成形体
と前述したクロルメチル化剤を接触せしめる方法も使用
できるが、反応の均一性と薄膜成形加工性の良い重合体
を得るため、クロルメチル化剤に対し安定で,ポリスル
ホン系重合体を溶解する溶剤で溶解せしめ、液状で反応
させることが好ましい。そのような溶剤として、ハロゲ
ン化炭化水素、例えばトリクロ口エタン、テトラクロ口
エタン等が使用され.る、かくして、ポリスルホン重合
体溶液にクロルメチル化剤と塩化スズ等の触媒を添加せ
しめ、反応温度、反応時間を便宜選定することにより所
望するクロルメチル基含有量を有するクロルメチル化ポ
リスルホン重合体が得られる。 か《て得たクロルメチル化ポリスルホン重合体は、トリ
クロロエタン,テトラク口ルエタン、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルマイド、ジメチルスルフォキシド、
トリエチルホスフェート、N−メチルビロリドンの単独
溶媒の他、水一アセトン混合液、メタノールーテトラヒ
ドロフラン混合液などに溶解した後、複層させるイオン
電導性半透膜上にキャスト乾燥して成形加工せしめた後
、アミノ化するか、またはクロルメチル化ポリスルホン
重合体の溶液にアミン、好ましくはアミノ化ポリスルホ
ン溶液の安定性から第三級アミンを添加し、アミノ化ポ
リスルホン重合の溶液な複層させる半透膜上にキャスト
することにより、S*θ.Ql〜50μm、好ましくは
、0.1〜20μmの陰イオン交換体層を複層化せしめ
る. 本発明の陽イオン交換膜を得る方法としては、ポリスル
ホン重合体を、複層させるイオン電導性半透膜にキャス
ト成形した後、スルホン化せしめる方法も使用できるが
,好まし《は、スルホン化ポリスルホン重合体の溶液を
上記半透膜にキャスト成形することが、半透膜のスルホ
ン化剤による劣化がないことから好ましい. ポリスルホン重合体のスルホン化方法としては、固形の
ポリスルホン重合体とスルホン化剤と接触せしめる方法
も使用されうるが、好ましくは、スルホン化剤に対し安
定で、ポリスルホンな溶解する溶剤で溶解せしめ、液状
で反応させることが好ましく、そのような・溶剤として
ハロゲン化炭化水素類、例えば、トリクロ口エタン,テ
トラクロ口エタン等が使用される。 またスルホン化剤として、濃硫酸、発煙硫酸、クロロス
ルホン酸、無水硫酸、無水硫駿一トリエチルホスフェー
ト錯体なと、制限なく使用できる。 か《して、ポリスルホン溶液にスルホン化剤を添加せし
め、反応温度、反応時間を便宜選定することにより、所
望するイオン交換容量を有するスルホン化ポリスルホン
重合体が得られる.しかしながら、イオン交換容量が0
.5ミリ当量/g樹脂以下では、膜抵抗が著しく高く、
また3.5ミリ当量/gtl脂以上では、重合体の吸水
性が著しく高く、このため吸水性を低減させるため、重
合体を硬化せしめることが必要なため、結果として、硬
化膜のイオン交換容量の低下を招き、また得られる膜の
機械的強度、特に靭性も低下するため、好ましくは、イ
オン交換容量0.5〜3.5ミリ当1t/g樹脂、特に
は,0.8〜3.0ミリ当量/g樹脂になるように反応
させる。 かくて得たスルホン化ポリスルホンな、そのまま平膜状
、中空糸状等に成形して使用することも出来るが,必要
により硬化剤を加え、成形品の吸水率、機械的強度を改
善することが、イオン選択透過性、耐薬品性の優れたイ
オン交換膜を得るうえで好ましい。 かかる硬化方法としては、ポリスルホンが含有する官能
基と反応し、安定な架橋構造を有するものであればなん
ら支障なく使用できるが、特に、ポリスルホン分子の末
端に−S}I基を含有するポリスルホン重合体や、八口
メチル基、好ましくはクロルメチル基を含有したポリス
ルホン重合体を使用することによりポリスルホン樹脂の
機械的性質を損なうことなく、高分子化あるいは架橋化
された硬化物が得られるので好ましい. そのような硬化剤としては、一SH基を含有するポリス
ルホン重合体ではエボキシ基を2個以上有するエボキシ
化合物、アミノブラスト樹脂、金属アセチルアセトネー
ト、イソシアネート基を2個以上有する化合物、第■族
または第I−B族の金属ハロゲン化物、2個以上のマレ
イミド基を含有する多官能型マレイミド化合物などが例
示される. かくして、得られたスルホン化ポリスルホン重合体は、
必要により 100重量部に対し硬化剤0.1−100
重量部、好まし《は、0.5〜50重量部添加、混合せ
しめる。混合方法としては、重合体と硬化剤との共通溶
媒に溶解させることが、均一な混合物を得るうえと、続
く成形加工の点から好ましく使用される。 かかる溶液としては、0.1〜30重量%、好まし《は
、1〜20重量%のスルホン化ポリスルホン重合体を含
有する溶液が使用され、溶媒としては、ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルマイド、ジメチルスルフォキシド
、トリエチルホスフエート、N−メチルビロリドン等の
極性溶媒が使用される. かかる重合体溶液を、適宜の形状を有する上記複層させ
る半透膜上に流延した後溶媒を除去せしめ平膜状、中空
糸状、との複合膜等の成形品を得ることができる。 また溶媒の除去が、加熱処理によって実施される時は、
緻密な構造の成形品が、一方、溶媒が残存している状態
にて、溶媒を抽出せしめる溶液、特に好ましくは、重合
体の貧溶媒を使用した溶液に浸漬することで、多孔性構
造のイオン交換体層を有する複合膜を製造することが出
来る。 か《して得られる複合膜は、50〜350℃好まし《は
、 100〜250℃で加熱することにより、重合体と
硬化剤とを反応させて、溶媒に不溶な硬化成形体に変換
せしめた後、便宜溶液、例えば、食塩水溶液等で、イオ
ン交換基に水和せしめた後、電気透析用隔膜、電池用セ
バレーター、拡散透析用隔膜等の分離膜として使用する
ことができる. 本発明を構成するイオン交換基を含有しないイオン電導
半透膜としては、セロハンに代表される水和セルロース
膜、銅アンモニア法再生セルロースのキュブロハン、酢
酸セルロース膜、ビニロンに代表されるポリビニルアル
コール系膜、ポリ《ビニルカーボネート》の加水分解物
であるポリ(ヒドロキシメチレン)系膜、等含水性高分
子膜が使用できる.なかでも大面積でかつ安価に入手で
きる、膜厚が20〜100μ糟のセロハンフィルム又は
ビニロンフィルムは、本発明の複層膜を大量に市場に提
供できる点において好ましい。 かくして、セロハン、ビニロンフィルム等の半透膜の少
なくとも片面に前述したポリスルホン系イオン交換樹脂
を0.01〜50μ−好ましくは,0.1〜20μ■積
層することにより本発明の複層膜を得ることができる。 かくして得られる本発明のイオン交換基を含有しないイ
オン電導性半透膜とイオン交換体層の薄層からなる複層
膜は、従来のイオン交換体層からなる複層膜にない優れ
た特性を有する.例えば、高濃度の電解質液に使用する
場合,イオン交換体層の含水率が低下し、抵抗が著しく
上昇するが、本発明の複層膜は、イオン交換体層の膜厚
が極めて薄いため抵抗の上昇が少ない.そのような用途
としては,アルカリ電池、特には酸化銀電池等の25〜
40wt%アルカリ溶液中でのセバレータとして有用で
ある. また本発明の別の優れた特性として、有機イオンを含有
する溶液の分離において、イオン交換体層の有機イオン
によるファウリング現象が起きにくい点があげられ、バ
イオ関連の分離用途に優れた特性が期待される. 特に本発明の複層膜を、酸、又はアルカリを含有する溶
液から拡散透析し、酸、又はアルカリを回収せしめる分
離方法において、選択透過性の優れた拡散透析膜として
使用することができる. 次に本発明を実施例により説明するが、本発明は、かか
る実施例により限定されるものではない.
離せしめるイオン交換膜に関する。 更に詳し《は、海水濃縮等の電気透析、酸あるいはアル
カリの拡散透析または電池セバレータに有用な抵抗の低
いイオン交換膜や、バイオ産業等で有用な有機イオンの
透過性が大きなイオン交換膜に関する. [従来の技術] イオン交換膜として、数多くの文献、特許が報告されて
いるが、最も実用的で有益なものとして、スチレンージ
ビニルベンゼン共重合体のスルホン化陽イオン交換膜お
よびクロルメチル化重合体のアミノ化陰イオン交換膜が
ある。これらはその耐薬品性、耐熱性に加え、架橋剤で
あるジビニルベンゼンの含有量を変えることにより、イ
オン交換特性や選択透過性を制御できることから、あら
ゆる用途に対し多種の品種を合成し発展してきた。 しかしながら、新しい用途、例えば、工業塩並の安価な
食塩を製造する海水濃縮、レドックフロー電池やメタノ
ール電池用セバレータなど超低抵抗イオン交換膜の二−
ズに対し、従来のスチレンージビニルベンゼン系では対
応できない欠点がある。即ち抵抗を低下させるには、膜
厚を薄《せしめる必要があるが、スチレンージビニルベ
ンゼン系樹脂は、機械的強度、特に脆さがあるため10
0μm以下のイオン交換膜が得られない.更に、スチレ
ンージビニルベンゼン系樹脂は、機械的性質に加え,加
工性が悪く、ホローファイバー型や多孔性イオン交換膜
など加工された膜が得られない欠点がある。 一方、限外濾過、逆浸透膜やガス分離膜などの分離膜に
おいて、機械的強度、加工性の優れたエンブラ系プラス
チックが使用されている。 特に耐薬品性が優れたポリスルホン膜は、膜内にイオン
交換基を導入し、限外濾過や逆浸透での透過性の改良や
、イオン選択透過性を付与し、イオン交換膜への適応が
検討されている。 例えば、繰り返し単位が、 1’LL しi葛 からなるポリスルホンのスルホン化物は、U S P
3709841に記載されており、特開昭50一999
73.特開昭51− 146379,特開昭Bl− 4
505などに、そのようなスルホン化ポリスルホンを、
異方性限外ろ過膜上に積層した限外ろ過膜や逆浸透膜が
記載されている. また、上記のポリスルホンのスルホン重合体または、ク
ロルメチル化重合体から合成された陽イオン交換膜また
は陰イオン交換膜がJ.Membrane Scien
ce,22(1985) 325 〜332に記載され
ている。 しかしながら、これらのポリスルホン系イオン交換膜は
、非架橋であり、イオン交換容量を増加し、抵抗を低下
せしめようとすると、吸水率が急激に増加し、固定イオ
ン濃度の低下を招き、イオン選択透過性が急激に低下し
、またイオン選択性を高めようとすると、抵抗が急上昇
する。かかる欠点を克服する方法として、イオン選択透
過性の数lθμmの緻密層とそれより厚い多孔層からな
る非対称性複層膜が提案されているが、従来のスチレン
系・ジビニルベンゼン系イオン交換膜と膜性能を比較し
ても不充分であり,代替できるものではない。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、従来技術が有していた前述の欠点を解消しよ
うとするものであり、イオン選択透過性が大きく、抵抗
が低い新規な複層イオン交換膜を提供することを目的と
する. 本発明は、従来技術では到達しえない、省エネルギー電
気透析法や電池用セパレー夕、更にはコンパクトでメン
テナンスが容易なホローファイバー透析モジュール等に
使用できるイオン交換膜を提供することを目的とする.
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、実質的にイオン交換基を含有しな
いイオン電導性半透膜とそれより薄いイオン交換体層と
の複合膜からなることを特徴とするイオン交換膜により
達成せしめられる. 本発明のイオン交換膜は、基本的には、イオン交換性を
有しないイオン電導性半透膜からなるベース膜と、特定
のイオン交換体層を組み合せたものであるが、これは従
来にない新規な発想と知見に基くものである. 即ち、従来の複層イオン交換膜としては、イオン選択透
過性の大きなイオン交換容量の小さい薄いイオン交換体
層と、抵抗の小さいイオン交換容量の大きな厚いイオン
交換体層との複層膜が、食塩電解用隔膜として使用され
ている。 また特定イオンの選択透過性を付与する目的で、緻密な
構造を有するイオン交換体層や、反対電荷を有するイオ
ン交換体層の薄層を厚いイオン交換体層と複層化するこ
とも知られている.更に膜の強度を向上させる目的で、
イオン交換体層と、多孔性支持膜との複層膜が、提案さ
れている.いずれにせよ、従来の複層イオン交換膜は、
イオン交換体層が直接外液と接触し,その界面で選択性
を発現せしめるという発想と構成をなしている. 一方、本発明の複層膜においては,示現されるイオン選
択透過性は、イオン交換基を含有しない半透膜の少《と
も1面に複層されたイオン交換体層によって依存させ、
イオン電導性半透膜は、基本的にはイオン交換体層を支
持、補強させるという発想に基いている.かくして、電
気抵抗の高い、イオン交換体層は、イオン選択透過性を
発現させるのに必要な最少限の厚みにし、イオン交換体
層は、電気抵抗が低く,且つ機械的強度の大きいイオン
電導性半透膜層をもって、本発明の複層膜は構成せしめ
られる. 以下に本発明を更に詳しく説明すると、本発明のイオン
交換体層としては、イオン交換基の種類、イオン交換容
量、母体樹脂の種類など広いものが使用でき、スチレン
・ジビニルベンゼン系、スチレンーブタジュン系、等の
スルホン化陽イオン交換体およびハロアルキル化樹脂の
アミノ化陰イオン交換体、エチレンーアクリル酸系陽イ
オン交換体、ビニルビリジン系陰イオン交換体、バーフ
ルオロ陽イオン交換体.含フッ素陰イオン交換樹脂など
が例示される.しかしながら好ましくは、半透膜との接
着性とイオン交換体層の薄膜形成性及びその機械的強度
から、芳香族エンブラ樹脂から誘導されるイオン交換体
が好ましい.特には,耐薬品性から芳香族ポリスルホン
樹脂からなるイオン交換体層が使用される. 本発明のイオン交換体に使用するポリスルホン重合体と
しては一般式が R1〜R,は、互いに同一または異なる炭素数1〜8の
炭化水素基、a % dはθ〜4、eはO〜3.(f+
g)はO〜7.(h+i)は0〜5、R,。+RIlは
水素、炭素数1〜6の炭化水素基、厳八=100/.0
〜l/100を示す.で表わされる芳香族ポリスルホン
重合体が例示される。そのようなポリスルホン系重合体
としでは、 1”L などのポリスルホン重合体の他 上記ポリスルホンユニットとそれとは異なるユニット、
例えば とのブロック共重合体が使用される。 本発明により、ポリスルホンを使用することにより従来
にない高性能な複層イオン交換膜を得ることができるが
,好ましくは、イオン交換容量の制御が容易である点と
、得られるイオン交換体の選択透過性、機械的性質およ
び耐薬品性の点からポリスルホン系ブロック共重合体が
使用される. 本発明において何故、ブロック共重合体がイオン交換膜
として優れるかは、必ずしも明らかでないが、以下の理
由によるものと説明される. 即ち、イオンの透過速度(膜抵抗)は膜内の吸水率が大
きいほど高《、またイオンの選択透過性(輸率、電流効
率)は、膜内の固定イオン濃度(膜中の含水量あたりの
イオン交換基量)が高いほど太き《なる性質がある。こ
のため優れたイオン選択透過性を有するイオン交換体を
得るには、イオン交換容量を高め、かつ固定イオン濃度
が低下しないように、吸水率の増加を防止する必要があ
る.従来のスチレン系イオン交換樹脂においては、吸水
率の過大な増加を防止するためジビニルベンゼンにより
架橋する方法が使用されている.しかしながらイオン交
換基の増加と、それに見合う架橋剤の増量は、樹脂の脆
化を招くため、イオン選択透過性と機械的強度のバラン
スからおのずとある一定レベルの壁に突きあたっている
。 また、ポリスルホンホモボリマーを使用した陰イオン交
換体においては、イオン交換容量が小さい時は、ポリス
ルホン骨格の凝集力によりイオン交換基に水が導入され
ず膜抵抗が高く、またイオン交換容量がある一定以上に
なると、ポリスルホン骨格の凝集力によるイオン交換基
の吸水性をおさえる効果が失われる結果、急激に吸水率
が増加し固定イオン濃度が低下してイオン選択透過性と
機械的性質の低下を招く。 一方、ポリスルホン系ブロック共重合体においては、イ
オン交換基が導入されやすいセグメントに高い密度で分
布している.このためイオン交換容量が低くても、イオ
ン交換基に水が充分に導入される結果、ホモボリマ一系
に比べ膜抵抗が低く、またイオン交換容量を高くしても
、イオン交換基が導入されにくいセグメント間における
凝集力が、疑似的な架橋として作用するため、吸水率の
急激な増加を押えるため固定イオン濃度が低下せずイオ
ン選択透過性が高く、かつ機械的強度の低下が起きに《
いと説明される。 かくて本発明のイオン交換体層に使用する好ましいポリ
スルホン重合体としては、一般式が?ぱ、−o−, −
s−, −so■− R1〜R″は、互いに同一また
は異なる炭素数1〜8の炭化水素基、a〜dはO〜4、
eはO〜3、(f+g)は0〜7、(h+i)は0〜5
、R1。+Rllは水素、炭素数1〜6の炭化水素基、
m/n =100/1 〜l/10を示す。)で表わさ
れる芳香族ポリスルホンブロック共重合体で使用され、
特には一般式におけるZが、−S−で表わされる芳香族
ポリスルホン/ボリチオエーテルスルホン共重合体は、
高分子量の共重合体が得られ、また共重合組成の制御が
しやすく、かつ成形加工性、機械的強度、耐薬品性の点
から好まし《使用される。 か《して、ポリスルホン樹脂から合成される陰イオン交
換体層としてはポリスルホン樹脂なハロアルキル化後,
アンモニア若しくは第1級〜第3級アミンとの反応物か
らなるイオン交換容量0.5〜3.5ミリ当量/g樹脂
膜厚0.01〜50μmのイオン交換体層が使用される
.ハロアルキル基としては、− (CL).Cl.−
(CH.).%Br, −(CL)。! , − (C
I.).Fなどが例示されるが反応性から、− CI.
Cl基、−CHJr基が、また量産性からクロルメチル
基が好まし《使用され,例えば、芳香族ポリスルホンを
含有する重合体を、クロルメチルチメルエーテル、1.
4−ビス(クロルメトキシ)ブタン、l−クロルメトキ
シ−4クロロブタンおよびホルマリンー塩化水素、バラ
ホルムアルデヒドー塩化水素などの求核性クロルメチル
化剤を触媒の共存下で接触せしめることにより得ること
ができる。 上記のポリスルホン系重合体に一CH.Cl基を導入す
る方法としては、粒状の重合体、あるいは、膜状成形体
と前述したクロルメチル化剤を接触せしめる方法も使用
できるが、反応の均一性と薄膜成形加工性の良い重合体
を得るため、クロルメチル化剤に対し安定で,ポリスル
ホン系重合体を溶解する溶剤で溶解せしめ、液状で反応
させることが好ましい。そのような溶剤として、ハロゲ
ン化炭化水素、例えばトリクロ口エタン、テトラクロ口
エタン等が使用され.る、かくして、ポリスルホン重合
体溶液にクロルメチル化剤と塩化スズ等の触媒を添加せ
しめ、反応温度、反応時間を便宜選定することにより所
望するクロルメチル基含有量を有するクロルメチル化ポ
リスルホン重合体が得られる。 か《て得たクロルメチル化ポリスルホン重合体は、トリ
クロロエタン,テトラク口ルエタン、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルマイド、ジメチルスルフォキシド、
トリエチルホスフェート、N−メチルビロリドンの単独
溶媒の他、水一アセトン混合液、メタノールーテトラヒ
ドロフラン混合液などに溶解した後、複層させるイオン
電導性半透膜上にキャスト乾燥して成形加工せしめた後
、アミノ化するか、またはクロルメチル化ポリスルホン
重合体の溶液にアミン、好ましくはアミノ化ポリスルホ
ン溶液の安定性から第三級アミンを添加し、アミノ化ポ
リスルホン重合の溶液な複層させる半透膜上にキャスト
することにより、S*θ.Ql〜50μm、好ましくは
、0.1〜20μmの陰イオン交換体層を複層化せしめ
る. 本発明の陽イオン交換膜を得る方法としては、ポリスル
ホン重合体を、複層させるイオン電導性半透膜にキャス
ト成形した後、スルホン化せしめる方法も使用できるが
,好まし《は、スルホン化ポリスルホン重合体の溶液を
上記半透膜にキャスト成形することが、半透膜のスルホ
ン化剤による劣化がないことから好ましい. ポリスルホン重合体のスルホン化方法としては、固形の
ポリスルホン重合体とスルホン化剤と接触せしめる方法
も使用されうるが、好ましくは、スルホン化剤に対し安
定で、ポリスルホンな溶解する溶剤で溶解せしめ、液状
で反応させることが好ましく、そのような・溶剤として
ハロゲン化炭化水素類、例えば、トリクロ口エタン,テ
トラクロ口エタン等が使用される。 またスルホン化剤として、濃硫酸、発煙硫酸、クロロス
ルホン酸、無水硫酸、無水硫駿一トリエチルホスフェー
ト錯体なと、制限なく使用できる。 か《して、ポリスルホン溶液にスルホン化剤を添加せし
め、反応温度、反応時間を便宜選定することにより、所
望するイオン交換容量を有するスルホン化ポリスルホン
重合体が得られる.しかしながら、イオン交換容量が0
.5ミリ当量/g樹脂以下では、膜抵抗が著しく高く、
また3.5ミリ当量/gtl脂以上では、重合体の吸水
性が著しく高く、このため吸水性を低減させるため、重
合体を硬化せしめることが必要なため、結果として、硬
化膜のイオン交換容量の低下を招き、また得られる膜の
機械的強度、特に靭性も低下するため、好ましくは、イ
オン交換容量0.5〜3.5ミリ当1t/g樹脂、特に
は,0.8〜3.0ミリ当量/g樹脂になるように反応
させる。 かくて得たスルホン化ポリスルホンな、そのまま平膜状
、中空糸状等に成形して使用することも出来るが,必要
により硬化剤を加え、成形品の吸水率、機械的強度を改
善することが、イオン選択透過性、耐薬品性の優れたイ
オン交換膜を得るうえで好ましい。 かかる硬化方法としては、ポリスルホンが含有する官能
基と反応し、安定な架橋構造を有するものであればなん
ら支障なく使用できるが、特に、ポリスルホン分子の末
端に−S}I基を含有するポリスルホン重合体や、八口
メチル基、好ましくはクロルメチル基を含有したポリス
ルホン重合体を使用することによりポリスルホン樹脂の
機械的性質を損なうことなく、高分子化あるいは架橋化
された硬化物が得られるので好ましい. そのような硬化剤としては、一SH基を含有するポリス
ルホン重合体ではエボキシ基を2個以上有するエボキシ
化合物、アミノブラスト樹脂、金属アセチルアセトネー
ト、イソシアネート基を2個以上有する化合物、第■族
または第I−B族の金属ハロゲン化物、2個以上のマレ
イミド基を含有する多官能型マレイミド化合物などが例
示される. かくして、得られたスルホン化ポリスルホン重合体は、
必要により 100重量部に対し硬化剤0.1−100
重量部、好まし《は、0.5〜50重量部添加、混合せ
しめる。混合方法としては、重合体と硬化剤との共通溶
媒に溶解させることが、均一な混合物を得るうえと、続
く成形加工の点から好ましく使用される。 かかる溶液としては、0.1〜30重量%、好まし《は
、1〜20重量%のスルホン化ポリスルホン重合体を含
有する溶液が使用され、溶媒としては、ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルマイド、ジメチルスルフォキシド
、トリエチルホスフエート、N−メチルビロリドン等の
極性溶媒が使用される. かかる重合体溶液を、適宜の形状を有する上記複層させ
る半透膜上に流延した後溶媒を除去せしめ平膜状、中空
糸状、との複合膜等の成形品を得ることができる。 また溶媒の除去が、加熱処理によって実施される時は、
緻密な構造の成形品が、一方、溶媒が残存している状態
にて、溶媒を抽出せしめる溶液、特に好ましくは、重合
体の貧溶媒を使用した溶液に浸漬することで、多孔性構
造のイオン交換体層を有する複合膜を製造することが出
来る。 か《して得られる複合膜は、50〜350℃好まし《は
、 100〜250℃で加熱することにより、重合体と
硬化剤とを反応させて、溶媒に不溶な硬化成形体に変換
せしめた後、便宜溶液、例えば、食塩水溶液等で、イオ
ン交換基に水和せしめた後、電気透析用隔膜、電池用セ
バレーター、拡散透析用隔膜等の分離膜として使用する
ことができる. 本発明を構成するイオン交換基を含有しないイオン電導
半透膜としては、セロハンに代表される水和セルロース
膜、銅アンモニア法再生セルロースのキュブロハン、酢
酸セルロース膜、ビニロンに代表されるポリビニルアル
コール系膜、ポリ《ビニルカーボネート》の加水分解物
であるポリ(ヒドロキシメチレン)系膜、等含水性高分
子膜が使用できる.なかでも大面積でかつ安価に入手で
きる、膜厚が20〜100μ糟のセロハンフィルム又は
ビニロンフィルムは、本発明の複層膜を大量に市場に提
供できる点において好ましい。 かくして、セロハン、ビニロンフィルム等の半透膜の少
なくとも片面に前述したポリスルホン系イオン交換樹脂
を0.01〜50μ−好ましくは,0.1〜20μ■積
層することにより本発明の複層膜を得ることができる。 かくして得られる本発明のイオン交換基を含有しないイ
オン電導性半透膜とイオン交換体層の薄層からなる複層
膜は、従来のイオン交換体層からなる複層膜にない優れ
た特性を有する.例えば、高濃度の電解質液に使用する
場合,イオン交換体層の含水率が低下し、抵抗が著しく
上昇するが、本発明の複層膜は、イオン交換体層の膜厚
が極めて薄いため抵抗の上昇が少ない.そのような用途
としては,アルカリ電池、特には酸化銀電池等の25〜
40wt%アルカリ溶液中でのセバレータとして有用で
ある. また本発明の別の優れた特性として、有機イオンを含有
する溶液の分離において、イオン交換体層の有機イオン
によるファウリング現象が起きにくい点があげられ、バ
イオ関連の分離用途に優れた特性が期待される. 特に本発明の複層膜を、酸、又はアルカリを含有する溶
液から拡散透析し、酸、又はアルカリを回収せしめる分
離方法において、選択透過性の優れた拡散透析膜として
使用することができる. 次に本発明を実施例により説明するが、本発明は、かか
る実施例により限定されるものではない.
実施例1
特開昭61− 168629に記載された合成法と同様
にして4,4゜−ジフェノールとジハロジフェニルスル
ホンと反応せしめ、芳香族ポリスルホンのユニットから
なるm = 10のブリカーサーを合成し、次いで該ブ
リカーサーとジハロジフエニルスルホンと硫化ナトリウ
ムを反応し次式で示される芳香族ポリスルホンーポリチ
オエーテルスルホン共重合体Aを得た. m/n=l/l+固有粘度0.65 次に、該共重合体Aは、1.1.2.2.テトラクロル
エタンに溶解した後、クロルメチルメチルエーテル、無
水塩化スズを添加し、110℃、4時間反応せしめた後
,メチルアルコールで沈殿、洗浄し、クロルメチル化共
重合体Bを得た. か《して得られた共重合体Bをジメチルホルムアミドに
溶解した後、クロルメチル化共重合体B Igに対し
、 2.0ミリ当量のトリメチルアミンを添加し、アミ
ノ化共重合体溶液を得た. かくて得たアミノ化共重合体溶液を50μl厚のセロハ
ンフィルム上に流延した後、50℃2時間、加熱乾燥せ
しめ、イオン交換体の厚さが異なる複合膜を5種類作成
した. かくして得た複合膜の0.5N NaClの交流抵抗と
0.5M NaClと 1.OM NaClの膜電位か
ら求めたCl−イオンの輸率な表−1に示す.尚、アミ
ノ化共重合体溶液をガラス板上に流延した陰イオン交換
膜のイオン交換容量は、1.9ミリ当量7g樹脂であっ
た. 表−1 表−2 実施例2 実施例lで得られた陰イオン交換膜により二室に区画さ
れた透析セルのイオン交換体層側の一室に1モル/lの
硫酸と1モル/1の硫酸亜鉛を含有する溶液を満たし、
セロハン膜側の室に純水を満たし、純水側に透過する硫
酸と硫酸亜鉛の透過速度を求めた。結果を表−2に示す
. 実施例3 実施例lで得た芳香族ポリスルホンーポリチオエーテル
スルホン共重合体Aは、l.1.2 1−リクロルエタ
ンに溶解した後、無水硫酸/トリエチルホスフエートが
271モル比の錯体を含有するトリクロルエタン溶液と
、共重合体Aの1ユニットあたり2当量分の錯体な接触
せしめるようにして、25℃、43時間反応せしめイオ
ン交換容量1.85ミリ当量/g樹脂のスルホン化共重
合体Cを得た. か《して得た共重合体Cを、N−メチルビロリドンに溶
解しスルホン化共重合体溶液を得た. かくて得たスルホン化共重合体溶液を50μm厚のセロ
ハンフィルム上に流延した後、 100℃2時間、加熱
乾燥せしめて、陽イオン交換体層の厚さが異なる複合膜
を種類作成した.かくして得た複合膜の0.5N Na
C1の中及び40wt%koH中の25℃交流抵抗と、
0.5M NaC1と1.0M NaClの膜電位から
求めたNa”イオンの輸率な表−3に示す. 表−3 [発明の効果] 本発明のイオン交換膜は、イオン交換基を含有しないイ
オン電導性半透膜とイオン選択透過性を有するイオン交
換体層との複層構造からなることを特徴とする。 このため、半透膜上にビンホールフリーのイオン交換体
層が形成されるため、イオン交換体層を可及的に薄くせ
しめることができ、透過性が大きく、選択性の大きな膜
が得られる.特に、ポリスルホン・ブロック共重合体か
ら合成されるイオン交換体は、イオン交換基が導入され
たセグメントとイオン交換基が導入されない疎水性セグ
メントからなるため、疎水性セグメントの凝集力が疑似
的な架橋として作用する結果,イオン交換容量が大きく
ても、固定イオン濃度が低下しないため、高い選択性透
過性を示し,かつ造膜形成性も良いので優れた複層イオ
ン交換体膜が得られる特徴を有する.また、これらの複
層イオン交換膜は、イオン交換体層が極めて薄いため、
イオン交換体の欠点、例えば、高濃度電解質液中での抵
抗増加やファウリング物質吸着による抵抗増加が起きに
くい特徴がある。 更に、中性膜として,セロハン、ビニロンを使用するこ
とにより安価で、大量な複層膜をユーザーに提供するこ
とができるため、従来投資効率かわる《て、使用できな
い用途にも利用できる利点を有する。
にして4,4゜−ジフェノールとジハロジフェニルスル
ホンと反応せしめ、芳香族ポリスルホンのユニットから
なるm = 10のブリカーサーを合成し、次いで該ブ
リカーサーとジハロジフエニルスルホンと硫化ナトリウ
ムを反応し次式で示される芳香族ポリスルホンーポリチ
オエーテルスルホン共重合体Aを得た. m/n=l/l+固有粘度0.65 次に、該共重合体Aは、1.1.2.2.テトラクロル
エタンに溶解した後、クロルメチルメチルエーテル、無
水塩化スズを添加し、110℃、4時間反応せしめた後
,メチルアルコールで沈殿、洗浄し、クロルメチル化共
重合体Bを得た. か《して得られた共重合体Bをジメチルホルムアミドに
溶解した後、クロルメチル化共重合体B Igに対し
、 2.0ミリ当量のトリメチルアミンを添加し、アミ
ノ化共重合体溶液を得た. かくて得たアミノ化共重合体溶液を50μl厚のセロハ
ンフィルム上に流延した後、50℃2時間、加熱乾燥せ
しめ、イオン交換体の厚さが異なる複合膜を5種類作成
した. かくして得た複合膜の0.5N NaClの交流抵抗と
0.5M NaClと 1.OM NaClの膜電位か
ら求めたCl−イオンの輸率な表−1に示す.尚、アミ
ノ化共重合体溶液をガラス板上に流延した陰イオン交換
膜のイオン交換容量は、1.9ミリ当量7g樹脂であっ
た. 表−1 表−2 実施例2 実施例lで得られた陰イオン交換膜により二室に区画さ
れた透析セルのイオン交換体層側の一室に1モル/lの
硫酸と1モル/1の硫酸亜鉛を含有する溶液を満たし、
セロハン膜側の室に純水を満たし、純水側に透過する硫
酸と硫酸亜鉛の透過速度を求めた。結果を表−2に示す
. 実施例3 実施例lで得た芳香族ポリスルホンーポリチオエーテル
スルホン共重合体Aは、l.1.2 1−リクロルエタ
ンに溶解した後、無水硫酸/トリエチルホスフエートが
271モル比の錯体を含有するトリクロルエタン溶液と
、共重合体Aの1ユニットあたり2当量分の錯体な接触
せしめるようにして、25℃、43時間反応せしめイオ
ン交換容量1.85ミリ当量/g樹脂のスルホン化共重
合体Cを得た. か《して得た共重合体Cを、N−メチルビロリドンに溶
解しスルホン化共重合体溶液を得た. かくて得たスルホン化共重合体溶液を50μm厚のセロ
ハンフィルム上に流延した後、 100℃2時間、加熱
乾燥せしめて、陽イオン交換体層の厚さが異なる複合膜
を種類作成した.かくして得た複合膜の0.5N Na
C1の中及び40wt%koH中の25℃交流抵抗と、
0.5M NaC1と1.0M NaClの膜電位から
求めたNa”イオンの輸率な表−3に示す. 表−3 [発明の効果] 本発明のイオン交換膜は、イオン交換基を含有しないイ
オン電導性半透膜とイオン選択透過性を有するイオン交
換体層との複層構造からなることを特徴とする。 このため、半透膜上にビンホールフリーのイオン交換体
層が形成されるため、イオン交換体層を可及的に薄くせ
しめることができ、透過性が大きく、選択性の大きな膜
が得られる.特に、ポリスルホン・ブロック共重合体か
ら合成されるイオン交換体は、イオン交換基が導入され
たセグメントとイオン交換基が導入されない疎水性セグ
メントからなるため、疎水性セグメントの凝集力が疑似
的な架橋として作用する結果,イオン交換容量が大きく
ても、固定イオン濃度が低下しないため、高い選択性透
過性を示し,かつ造膜形成性も良いので優れた複層イオ
ン交換体膜が得られる特徴を有する.また、これらの複
層イオン交換膜は、イオン交換体層が極めて薄いため、
イオン交換体の欠点、例えば、高濃度電解質液中での抵
抗増加やファウリング物質吸着による抵抗増加が起きに
くい特徴がある。 更に、中性膜として,セロハン、ビニロンを使用するこ
とにより安価で、大量な複層膜をユーザーに提供するこ
とができるため、従来投資効率かわる《て、使用できな
い用途にも利用できる利点を有する。
Claims (5)
- (1)実質的にイオン交換基を含有しないイオン電導性
半透膜と、それより薄いイオン交換体層との複層膜から
なることを特徴とする複層イオン交換膜 - (2)イオン交換体層が、ハロアルキル化ポリスルホン
樹脂のアンモニア若しくは、第1級アミン〜第3級アミ
ンとの反応物からなるイオン交換容量0.5〜3.5ミ
リ当量/g乾燥樹脂、膜厚0.01〜50μmの陰イオ
ン交換体層である特許請求項(1)の複層膜イオン交換
膜 - (3)イオン交換体層が、ポリスルホン樹脂のスルホン
化反応物からなるイオン交換容量0.5〜3.5ミリ当
量/g乾燥樹脂、膜厚0.01〜50μmの陽イオン交
換体層である特許請求項(1)の複層膜イオン交換膜 - (4)イオン交換体層を形成するポリスルホン樹脂が一
般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、式中Arは▲数式、化学式、表等があります▼
、▲数式、化学式、表等があります▼又は▲数式、化学
式、表等があります▼、Yは、単結合、−O−、▲数式
、化学式、表等があります▼、Zは−O−、−S−又は
−SO_2−。 R^1〜R^9は、互いに同一または異なる炭素数1〜
8の炭化水素基、a〜dは0〜4、eは0〜3、(f+
g)は0〜7、(h+i)は0〜5、R_1_0、R_
1_1は水素、炭素数1〜6の炭化水素基、m/n:1
00/1〜1/10を示す。) で表わされる芳香族ポリスルホン共重合体である特許請
求項(1)、(2)または(3)の複層イオン交換膜 - (5)実質的にイオン交換基を含有しないイオン電導性
半透膜が膜厚10〜100μmのセロハン又はビニロン
フィルムである特許請求項(1)、(2)、(3)また
は(4)の複層イオン交換膜
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1114061A JPH02294338A (ja) | 1989-05-09 | 1989-05-09 | 新規な複層イオン交換膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1114061A JPH02294338A (ja) | 1989-05-09 | 1989-05-09 | 新規な複層イオン交換膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02294338A true JPH02294338A (ja) | 1990-12-05 |
Family
ID=14628053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1114061A Pending JPH02294338A (ja) | 1989-05-09 | 1989-05-09 | 新規な複層イオン交換膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02294338A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0790658A2 (en) * | 1996-02-19 | 1997-08-20 | Kashima-Kita Electric Power Corporation | Redox flow cell battery with vanadium electrolyte and a polysulfone-based semipermeable membrane |
EP1367086A1 (en) * | 2001-07-30 | 2003-12-03 | Asahi Glass Engineering Co.,Ltd. | Anion exchanger and process for producing anion exchange membrane |
US7258941B2 (en) | 2001-05-08 | 2007-08-21 | Ube Industries, Ltd. | Polymer electrolyte for solid polymer type fuel cell and fuel cell |
US7601448B2 (en) * | 2001-07-03 | 2009-10-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polymer electrolyte membrane and fuel cell |
-
1989
- 1989-05-09 JP JP1114061A patent/JPH02294338A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0790658A2 (en) * | 1996-02-19 | 1997-08-20 | Kashima-Kita Electric Power Corporation | Redox flow cell battery with vanadium electrolyte and a polysulfone-based semipermeable membrane |
EP0790658A3 (en) * | 1996-02-19 | 1998-03-11 | Kashima-Kita Electric Power Corporation | Redox flow cell battery with vanadium electrolyte and a polysulfone-based semipermeable membrane |
US7258941B2 (en) | 2001-05-08 | 2007-08-21 | Ube Industries, Ltd. | Polymer electrolyte for solid polymer type fuel cell and fuel cell |
US7601448B2 (en) * | 2001-07-03 | 2009-10-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polymer electrolyte membrane and fuel cell |
EP1367086A1 (en) * | 2001-07-30 | 2003-12-03 | Asahi Glass Engineering Co.,Ltd. | Anion exchanger and process for producing anion exchange membrane |
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