JP3345086B2 - 複層陰イオン交換膜の製造方法および酸の回収方法 - Google Patents
複層陰イオン交換膜の製造方法および酸の回収方法Info
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Description
陰イオン交換膜の製造方法および酸の回収方法に関す
る。
は数多くの文献、特許が報告されており、最も実用的な
ものとして、クロロメチル化スチレン(またはビニルピ
リジン)−ジビニルベンゼン共重合体をアミノ化(また
は4級ピリジニウム化)して得られる陰イオン交換体が
ある。これらは、耐薬品性、耐熱性、イオン交換性に加
え、架橋剤であるジビニルベンゼンの含有量を変えるこ
とにより、イオン交換特性や選択透過性を制御できるこ
とから、各種用途に対し多様な品種を合成し発展してき
た。
けるステンレス鋼のピックリング廃液からの高温でのフ
ッ酸や硝酸の回収、レドックスフロー電池用セパレータ
などのような、低抵抗で耐蝕性、耐熱性、耐久性を有す
るイオン交換膜の要求に対し、従来のスチレン−ジビニ
ルベンゼン系では対応できない欠点がある。
膜として、出願人は特開平2−68146に示す芳香族
ポリスルホン重合体のクロロメチル化物をポリアミンで
架橋した陰イオン交換膜を提示した。この陰イオン交換
膜は耐蝕性、耐熱性、耐久性の点から従来のスチレン−
ジビニルベンゼン系の膜より優れた特性を有する。
は、機械的強度が必ずしも十分でなく薄膜化もできない
ため、膜抵抗が必ずしも低くならない欠点があった。
有していた前述の欠点を解消しようとするものであり、
耐薬品性特に耐酸化性に優れ、かつイオン選択透過性が
大きくまた機械的強度の高い架橋型複層陰イオン交換膜
の製造方法を提供することを目的とする。
される構造を含む繰り返し単位を含有する芳香族ポリス
ルホン系重合体のクロロメチル化物をモノアミンでアミ
ノ化した後、製膜して膜厚1〜50μmの薄膜を得、次
いで、該薄膜と、親水化処理された孔径0.01〜5μ
m、多孔度45〜90%、膜厚30〜500μmのポリ
フルオロオレフィン多孔膜とを複層化した後、ポリアミ
ンで架橋させる複層陰イオン交換膜の製造方法であっ
て、上記クロロメチル化物におけるクロロメチル基の含
有量が、その全部がイオン交換基に転換されたとした場
合に1.0〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂となる量であ
り、モノアミンの添加量が、イオン交換容量に換算して
0.5〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂となる量であり、
かつ、含有したクロロメチル基の最終的なイオン交換容
量より小さいことを特徴とする複層陰イオン交換膜の製
造方法である。
される。
ン多孔膜としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン/
テトラフルオロエチレン共重合体、パーフルオロ(プロ
ピルビニルエーテル)/テトラフルオロエチレン共重合
体、フルオロオレフィン系モノマー/オレフィン系モノ
マー共重合体等のポリフルオロオレフィンの多孔膜が挙
げられる。なかでもポリテトラフルオロエチレンは耐蝕
性、耐酸化性、加工性に優れており特に好ましい素材で
ある。
法が好ましく用いられる。延伸開孔法は結晶性高分子を
フィルム状または中空糸状に成形後、延伸により多孔質
構造にする方法であり、物理的手段によって多孔膜が得
られ、多孔度が高くかつ機械的強度の大きな膜が得られ
るので本発明で用いる多孔膜として好ましい。
が使用される。孔径が0.01μmより小さいと多孔度
が低くなり、膜抵抗が高くなり、また孔径が5μmより
大きいとイオン交換膜の薄膜層と複層化する際にピンホ
ール等の欠陥を生じやすい。多孔膜の孔径が0.1〜3
μmである場合は特に好ましい。多孔膜の多孔度は45
〜90%である。多孔度が60〜85%である場合は特
に好ましい。多孔膜の膜厚は30〜500μmである。
膜厚が80〜200μmである場合は特に好ましい。
なり、90%よりも高いと機械的強度が低下する。膜厚
が30μmより薄いと機械的強度が低下し、500μm
を超えると、膜抵抗が高くなり、また、イオンの選択透
過分離を行う際に、多孔膜の孔内で濃度分極が起こり透
過性が低くなる。
水性を有する低分子または高分子物質を物理的に吸着さ
せる方法、2)低分子物質を含浸後、電子線や紫外線等
を当てる方法、3)発煙硫酸、クロロスルホン酸等で孔
壁表面にスルホン酸基を導入する方法、4)クロム酸で
酸化する方法、5)プラズマガス、オゾンガス等の励起
ガスまたは活性ガスを用いる方法などの表面処理法があ
る。このうち、多孔膜に損傷を与えずに親水化できる点
で、親水性高分子を物理的に吸着させる方法が好まし
い。
オン交換膜を得る方法としては、 1)ポリスルホン系重合体を製膜し、複層化した後、ク
ロロメチル化し、さらに、モノアミンによりアミノ化し
た後、ポリアミンにより架橋アミノ化する方法、 2)ポリスルホン系重合体を製膜し、クロロメチル化し
た後、複層化し、さらにモノアミンによりアミノ化した
後、ポリアミンにより架橋アミノ化する方法、 3)ポリスルホン系重合体を製膜し、クロロメチル化
し、モノアミンによりアミノ化した後、複層化し、さら
にポリアミンにより架橋アミノ化する方法、 4)ポリスルホン系重合体をクロロメチル化した後、製
膜し、複層化し、モノアミンによりアミノ化した後、ポ
リアミンにより架橋アミノ化する方法、 5)ポリスルホン系重合体をクロロメチル化した後、製
膜し、モノアミンによりアミノ化した後、複層化し、ポ
リアミンにより架橋アミノ化する方法、 6)ポリスルホン系重合体をクロロメチル化し、モノア
ミンによりアミノ化した後、製膜し、複層化し、さらに
ポリアミンにより架橋アミノ化する方法、が使用でき
る。モノアミンおよびポリアミンによるアミノ化反応の
制御性と均一性の観点から6)の方法が好ましく使用さ
れる。
ポリスルホン系陰イオン交換膜の母材構造としては、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエー
テルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリチオエーテ
ルスルホンであって、式1で示される構造を含む繰り返
し単位をもつ共重合体が挙げられる。なかでも特に下記
式2で示される芳香族ポリスルホン系ブロック共重合体
が好ましい。但し、Arは下記式3、式4または式5で
示される基であり、ここで、Yは単結合、−O−または
−CR10R11−であり、R1 〜R9 は互いに同一または
異なる炭素数1〜8の1価炭化水素基、a〜dは0〜4
の整数、eは0〜3の整数、f+gは0〜7の整数、h
+iは0〜5の整数、R10〜R11は水素原子または炭素
数1〜6の1価炭化水素基、Xは−O−または−S−、
m/nは100/1〜1/10、zは1〜100の整数
である。
体は、陰イオン交換基を導入した場合にイオン選択透過
性に優れ、機械的強度や加工性も優れるので好ましい。
クロロメチル化方法としては、固形の重合体とクロロメ
チル化剤とを接触せしめる方法も使用できるが、反応を
定常的に進行させるためにクロロメチル化剤に対して安
定でかつ重合体を溶解する溶剤で溶解せしめ液状で反応
させることが好ましい。そのような溶剤としてハロゲン
化炭化水素、例えばクロロホルム、1,1,2−トリク
ロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等が
使用される。
メチルエーテル、1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタ
ン、1−クロロメトキシ−4−クロロブタン、ホルマリ
ン−塩化水素系、パラホルムアルデヒド−塩化水素系な
ど制限なく使用できる。
がイオン交換基に転換されたとした場合に、1.0〜
3.0ミリ当量/g乾燥樹脂になるように選定する。
ル基を導入した後モノアミンでアミノ化する方法として
は、固体状態で反応させる場合も考えられるが、反応の
制御性と均一性の観点から、クロロメチル化重合体を溶
媒に溶解した後モノアミンを添加し液状で反応させる方
法が好ましい。
R14(但し、R12、R13は水素原子または炭素数1〜5
の1価炭化水素基、R14は炭素数1〜5の1価炭化水素
基)で示されるものが好ましい。
の抵抗の低いものが得られ、またアミンを添加して反応
させた溶液の安定性が高く特に好ましい。
きいものを用いるとイオン交換容量が低くなり、最終的
な膜の抵抗が高くなり好ましくない。モノアミンの添加
量としては、イオン交換容量に換算して0.5〜2.5
ミリ当量/g乾燥樹脂となるよう選定し、特には0.8
〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂になるよう選定するのが
好ましい。
燥樹脂より少ない場合には、ポリアミンで処理する際に
膨潤度が低くなり、十分なポリアミン処理ができないか
または処理に多大な時間を要する。モノアミン添加量が
2.5ミリ当量/g乾燥樹脂を超える場合には、後のポ
リアミン処理により架橋構造が導入される部分が少なく
なり、耐蝕性が低下する。
アミノ化部位を残すため、含有したクロロメチル基の最
終的なイオン交換容量より小さくなる範囲で添加する。
膜、複層化を行う。その方法として、多孔膜上に直接キ
ャスト製膜を行う方法も考えられるが、一定の膜厚の薄
膜を多孔膜に積層する方法として、ポリエチレンテレフ
タレートなどのフィルム上に一旦薄膜をキャスト製膜
し、キャスト製膜に用いた溶液を溶媒で希釈した液また
はキャスト製膜に用いた溶液とは異なるイオン交換容量
の溶液を溶媒で希釈した液を接着液として用いて多孔膜
とアミノ化薄膜を複層化する方法は本発明で用いられる
好ましい方法である。
5μmとされる。膜厚が1μmより薄いと複層化する際
にピンホールが生じやすく、50μmより厚いと膜抵抗
が高くなりイオン透過性が低下する。
う方法としては、アミノ化と同時に架橋構造が導入され
る点で、複層膜をポリアミン液またはポリアミン/希釈
剤混合液に浸漬する方法が好ましく用いられる。
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミ
ン、フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ
メチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメ
チル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−
テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチルベンジジン、
N,N,N’,N’−テトラメチル−ビス(4−アミノ
フェニル)メタン、ポリビニルピリジンなどが挙げられ
る。ポリクロロメチルスチレンを1〜2級アミンでアミ
ノ化した化合物も使用できる。
18(但し、R15〜R18は水素原子または互いに同一もし
くは異なる炭素数1〜5の1価炭化水素基、pは1〜1
0の整数)で示される、3級アミノ基を分子末端に2個
有するジアミンは、入手が容易でアミノ化反応性が高
く、メチレン基の数(p)を変えることにより、膜物性
の制御が容易に行えることなどから特に好ましいポリア
ミンである。
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、
1,4−ジオキサン、オクタン等、ポリアミン架橋前の
複層膜を溶解せずポリアミンのみを溶解できる溶媒なら
何ら制限なく使用できる。
の骨格構造は耐薬品性に優れ、さらにポリアミンによる
架橋アミノ化により、イオン交換基の導入と同時に架橋
構造が導入されるため耐蝕性が発現され、上記イオン交
換膜の薄膜を機械的強度の高い多孔性支持体上に複層化
することにより、耐蝕性、高イオン透過性、機械的強度
に優れた膜が得られる。
発明はこれらに限定されない。
4,4’−ジフェノールとジハロジフェニルスルホンと
を反応させ、芳香族ポリスルホンのユニットからなるm
=10のプリカーサを合成した。次に該プリカーサとジ
ハロジフェニルスルホンと硫化ナトリウムを反応させ、
式6(m/n=1/1、固有粘度0.65)で示される
芳香族ポリスルホン−ポリチオエーテルスルホン共重合
体Aを得た。
ラクロロエタンに溶解した後、クロロメチルメチルエー
テル、無水塩化スズを添加し、110℃で4時間反応さ
せ、メチルアルコールで沈殿させ、洗浄し、クロロメチ
ル化共重合体Bを得た。共重合体Bのクロロメチル基の
導入率は、芳香族ポリスルホンユニットに約1.9個
で、すべてトリメチルアミンで反応させた場合のイオン
交換容量は2.2ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
ドに溶解し、1NのトリメチルアミンのN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶液をイオン交換容量が1.2ミリ当量
/g乾燥樹脂となるように添加し、モノアミンでアミノ
化したアミノ化溶液Cを得た。次にアミノ化溶液Cをポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、50℃
で2時間加熱乾燥し、膜厚10μmのキャスト膜Dを得
た。
40μmのポリテトラフルオロエチレン製多孔膜にエチ
ルアルコールを含浸後、水に浸漬し、さらに0.5重量
%のポリビニルアルコール水溶液に浸漬した後、60℃
で30分乾燥した。さらにグルタルアルデヒドで架橋処
理し、親水化多孔膜Eを得た。
ミノ化溶液CをN,N−ジメチルホルムアミド/2−メ
トキシエタノール=97/3(重量比)の混合液で希釈
して5重量%とした接着液Fを、液膜厚20μmで塗布
し、すばやく親水化多孔膜Eを積層した後、50℃で2
時間乾燥して積層膜Gを得た。
N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン
のエタノール溶液に50℃で16時間浸漬し、ポリアミ
ン架橋複層陰イオン交換膜Hを得た。
の硫酸水溶液中で交流膜抵抗を測定した。また、複層陰
イオン交換膜Hにより2室に区画された透析槽(小型バ
ッチセル)の親水化多孔膜に面する室にフッ酸10M/
硝酸2.4M/鉄0.1Mの混合水溶液を満たし、もう
一方の陰イオン交換膜に面する室に純水を満たし、40
℃にて純水側に透過する酸と鉄の速度を求めた。さら
に、複層陰イオン交換膜Hの耐久性を加速的に観察する
目的でフッ酸10M/硝酸2.4M/鉄0.1Mの混合
水溶液に浸漬し、70℃、90℃の恒温槽内で保管して
定期的に膜を取り出し、40℃にてフッ酸10M/硝酸
2.4M/鉄0.1Mの拡散系にて酸透析性能を小型バ
ッチセルで測定した。
ゼン共重合体の陰イオン交換膜、膜厚120μm、イオ
ン交換容量2.0ミリ当量/g乾燥樹脂)を使用し、実
施例1と同様にして0.5M硫酸水溶液中で交流膜抵抗
を測定した。
Vにより2室に区画された透析槽の片側の室にフッ酸1
0M/硝酸2.4M/鉄0.1Mの混合水溶液を満た
し、もう一方の室に純水を満たし、40℃にて純水側に
透過する酸と鉄の透過速度を求めた。また実施例1と同
様の目的でセレミオンDSVをフッ酸10M/硝酸2.
4M/鉄0.1Mの混合水溶液に浸漬し、70℃、90
℃の恒温槽内で保管、定期的に膜を取り出し、40℃に
てフッ酸10M/硝酸2.4M/鉄0.1Mの拡散系に
て酸透析性能を小型バッチセルで測定した。
に溶解し、1NのトリメチルアミンのN,N−ジメチル
ホルムアミド溶液をイオン交換容量が1.6ミリ当量/
g乾燥樹脂となるように添加し、モノアミンでアミノ化
したアミノ化溶液Iを得た。次にアミノ化溶液Iをポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に流延し、50℃で
2時間加熱乾燥し、膜厚20μmの陰イオン交換膜Jを
得た。
様にして0.5M硫酸水溶液中で交流膜抵抗を測定し
た。さらに陰イオン交換膜Jにより2室に区画された透
析槽の一方の室にフッ酸10M/硝酸2.4M/鉄0.
1Mの混合水溶液を満たし、もう一方の室に純水を満た
し、40℃にて純水側に透過する酸と鉄の透過速度を求
めた。
換膜Jをフッ酸10M/硝酸2.4M/鉄0.1Mの混
合水溶液に浸漬し、70℃、90℃の恒温槽内で保管、
定期的に膜を取り出し、40℃にてフッ酸10M/硝酸
2.4M/鉄0.1Mの拡散系にて酸透析性能を小型バ
ッチセルで測定した。
果を表1に、拡散透析性能および耐久性の測定結果を表
2に示す。実施例が比較例に比べ、高いフッ硝酸耐性を
示し、透過性、選択性とも優れていることがわかる。
イオン交換膜は、耐薬品性、特に耐酸化性に優れ、かつ
イオン選択透過性が大きく、また機械的強度が高いた
め、従来の陰イオン交換膜を用いた拡散透析において対
応不十分であったフッ酸や硝酸の回収、レドックスフロ
ー電池用セパレータなど低抵抗で耐蝕性、耐熱性、耐久
性を有する陰イオン交換膜の要求に最適である。
Claims (5)
- 【請求項1】下記式1で示される構造を含む繰り返し単
位を含有する芳香族ポリスルホン系重合体のクロロメチ
ル化物をモノアミンでアミノ化した後、製膜して膜厚1
〜50μmの薄膜を得、次いで、該薄膜と、親水化処理
された孔径0.01〜5μm、多孔度45〜90%、膜
厚30〜500μmのポリフルオロオレフィン多孔膜と
を複層化した後、ポリアミンで架橋させる複層陰イオン
交換膜の製造方法であって、上記クロロメチル化物にお
けるクロロメチル基の含有量が、その全部がイオン交換
基に転換されたとした場合に1.0〜3.0ミリ当量/
g乾燥樹脂となる量であり、モノアミンの添加量が、イ
オン交換容量に換算して0.5〜2.5ミリ当量/g乾
燥樹脂となる量であり、かつ、含有したクロロメチル基
の最終的なイオン交換容量より小さいことを特徴とする
複層陰イオン交換膜の製造方法。 【化1】 - 【請求項2】芳香族ポリスルホン系重合体が下記式2で
示される芳香族ポリスルホン系ブロック共重合体である
請求項1記載の複層陰イオン交換膜の製造方法。但し、
Arは下記式3、式4または式5で示される基であり、
ここで、Yは単結合、−O−または−CR10R11−であ
り、R1 〜R9 は互いに同一または異なる炭素数1〜8
の1価炭化水素基、a〜dは0〜4の整数、eは0〜3
の整数、f+gは0〜7の整数、h+iは0〜5の整
数、R10〜R11は水素原子または炭素数1〜6の1価炭
化水素基、Xは−O−または−S−、m/nは100/
1〜1/10、zは1〜100の整数である。 【化2】 - 【請求項3】モノアミンがNR12R13R14(但し、
R12、R13は水素原子または炭素数1〜5の1価炭化水
素基、R14は炭素数1〜5の1価炭化水素基)で示され
るモノアミンである請求項1または2記載の複層陰イオ
ン交換膜の製造方法。 - 【請求項4】ポリアミンがR15R16N(CH2 )p NR
17R18(但し、R15〜R18は水素原子または互いに同一
もしくは異なる炭素数1〜5の1価炭化水素基、pは1
〜10の整数)で示されるジアミンである請求項1、2
または3記載の複層陰イオン交換膜の製造方法。 - 【請求項5】陰イオン交換膜で区画された一方の室に酸
と金属イオンを含有する溶液を導入し、他方の室に水を
供給することにより、酸を選択的に透過せしめる酸の回
収方法において、陰イオン交換膜として請求項1、2、
3または4記載の製造方法で得られた複層陰イオン交換
膜を用いる酸の回収方法。
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JP08534393A JP3345086B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 複層陰イオン交換膜の製造方法および酸の回収方法 |
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Publications (2)
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JPH06271688A JPH06271688A (ja) | 1994-09-27 |
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