以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。図1を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像形成装置の一例であり、その前面に本体ケースの一部を構成するカバー部材50を備える。カバー部材50は、開閉可能であり、図1においては、カバー部材50が閉じた閉状態におけるMFP100を示している。以下、MFP100の背面から前面に向かう水平な方向を正面方向といい、正面から背面に向かう水平な方向を背面方向という。
図2は、MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。図1および図2を参照して、MFP100は、原稿を読み取る原稿読取部130と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150と、を含む。
原稿読取部130は、原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換される。画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換されて、画像形成部140に出力される。
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、像担持体である感光体ドラム23Yと、感光体ドラム23Yの表面を一様に帯電するための帯電ローラー22Yと、現像器24Yと、感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像を電界力の作用で像担持体である中間転写ベルト30上に転写するための1次転写ローラー25Yと、感光体ドラム23Y上の転写残トナーを除去するためドラム清掃ブレード27Yと、トナー収容容器41Yと、サブホッパー42Yと、を備える。
トナー収容容器41Yは、イエローのトナーを収容する。トナー収容容器41Yは、本体フレームに設けられた容器格納部41に格納され、本体フレームに設けられたトナー収容容器モーターを駆動源として駆動し、トナーを外部に排出する。トナー収容容器41Yから排出されたトナーは、サブホッパー42Yに供給される。サブホッパー42Yは、容器格納部41の下方に設けられ、トナー収容容器41Yと現像器24Yとの間でトナー収容容器41Yから排出されるトナーを一時的に貯留するトナー貯留部を有する。サブホッパー42Yは、現像器24Yに収容されたトナーの残量が予め定められた下限値以下になることに応じてトナー貯留部に貯留されたトナーを現像器24Yに供給する。
感光体ドラム23Yの周辺に、帯電ローラー22Y、露光装置21Y、現像器24Y、1次転写ローラー25Y、ドラム清掃ブレード27Yが、感光体ドラム23Yの回転方向に沿って順に配置される。
感光体ドラム23Yは、帯電ローラー22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。露光装置21Yは、感光体ドラム23Yの表面の画像対応部を露光する。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像を帯電したトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像上に電界力の作用でトナーが載せられることにより、トナー像が感光体ドラム23Yに形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト30上に1次転写ローラー25Yにより電界力の作用で転写される。感光体ドラム23Y上で転写されずに残ったトナーは、ドラム清掃ブレード27Yにより感光体ドラム23Yから除去される。
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラー33と従動ローラー34とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33が図2中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、従動ローラー34が、反時計回りに回転する。
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークの検出に基づいて、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写部材である2次転写ローラー26によって電界力の作用で用紙に転写される。タイミングローラー31により搬送される用紙は、中間転写ベルト30と2次転写ローラー26とが接するニップ部に搬送される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラー32に搬送され、定着ローラー32により加熱および加圧される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ39に排出される。
中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、ベルト清掃ブレード28が設けられている。ベルト清掃ブレード28は、中間転写ベルト30上で用紙に転写されずに残ったトナーを除去する。
給紙カセット35,35Aには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35Aそれぞれに収容された用紙は、給紙カセット35,35Aにそれぞれ取付けられている取出ローラー36,36Aにより、搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、MFP100は、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式を採用する例について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式を採用してもよい。
図3は、トナー収容容器およびサブホッパーの外観を示す斜視図である。図3を参照して、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411の一端に取り付けられるキャップ部412とを含む。トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kにそれぞれ対応してサブホッパー42Y,42M,42C,42Kが一体的に設けられている。トナー収容容器41Y,41M,41C,41KがMFP100の容器格納部41に格納された状態で、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kとサブホッパー42Y,42M,42C,42Kとが相対的に位置決定めされる。
サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれは、中空構造であり、内部にトナーを貯蓄するためのトナー貯留部43を有する。
図4は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第2の斜視図である。図4を参照して、図4においては、カバー部材50を開いた開状態におけるMFP100を示している。カバー部材50は、開状態において、画像形成部140の容器格納部41の収納口41Aを外部に露出させる。カバー部材50は、開状態において、その裏面、カバー部材50が閉状態においてMFP100の内部側に向く面が上方を向く。収納口41Aは、容器格納部41の正面側の開口であり、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが容器格納部41に挿入される場合にトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを最初に受け入れる部分である。図4においては、収納口41Aは、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが容器格納部41に格納される状態が示されるので、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kによって隠れて見えない。
カバー部材50が開状態において、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kおよびサブホッパー42Y,42M,42C,42Kの一部以外の部分は外部に露出しない。このため、カバー部材50が開状態において、画像形成部140は、画像形成動作を実行可能に設定されている。したがって、画像形成部140が画像形成動作中に、カバー部材50が閉状態から開状態になっても、画像形成部140が画像形成動作を中断することなく継続する。また、カバー部材50が開状態において、容器格納部41が露出するので、ユーザーは、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kの少なくとも1つを交換することができる。
図5は、MFPにおいてトナー収容容器を交換する様子を示す図である。図5を参照して、トナー収容容器41Yは、MFP100の容器格納部41から正面方向に引き出されることにより、MFP100から離脱される。その後、新たなトナー収容容器41YがMFP100の容器格納部41に背面方向に押し込まれることにより、MFP100に装着される。トナー収容容器41Yは、カバー部材50が開状態で着脱され、着脱時にトナー収容容器41Yがカバー部材50の上方を通過する。
トナー収容容器41Yは、長手方向にMFP100の容器格納部41に挿入される。以下、トナー収容容器41YがMFP100の容器格納部41に挿入される長手方向を着脱方向という。着脱方向は、正面方向と背面方向とを含む。
図6は、トナー収容容器の一例の一部を示す第1の斜視図である。図7は、トナー収容容器の一例の一部を示す第2の斜視図である。図6および図7においては、トナー収容容器41Yを正面側斜め下方から見た図を示す。図6および図7を参照して、トナー収容容器41Yは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411を外部に開放する排出口427と、排出口427を開閉する第1シャッター部材429と、第2シャッター部材435と、第2シャッター部材が取り付けられる支持部材414と、キャップ部412と、を含む。キャップ部412は、両側面を構成する側壁に水平方向に突出する突起部412Aと、キャップ部412の側壁に形成された係止部413と、を有する。キャップ部412の側壁は、第2シャッター部材435の一部を収容する空間を区画する。係止部413は、ロック機構の一部を構成する。
図6においては、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態が示され、図7においては、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態が示される。第2シャッター部材435は、着脱方向にボトル部411に対して相対移動可能にボトル部411に取り付けられる。
図8は、格納位置の状態における第2シャッター部材の平面図である。図では、第2シャッター部材435を下方から見た平面図を示す。図8において、上下方向が着脱方向であり、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。第2シャッター部材435は、矩形の平板状の蓋部材435Aと、蓋部材435Aの対向する2つの端部それぞれから上方に延びる一対の把持部435Bと、蓋部材435Aの下面から下方に延びる突起部435Cと、を有する。一対の把持部435Bは、それぞれが対向する面に、着脱方向に延びる溝が形成されている。
第2シャッター部材435の両側それぞれの把持部435Bに、係合部439が形成された接続部材437が接続される。接続部材437は、第2シャッター部材435と係合部439とを接続する。接続部材437および係合部439はロック機構の一部を構成する。着脱方向と交わる方向において2つの係合部439の間に第2シャッター部材435が配置される。本実施の形態において、第2シャッター部材435、接続部材437および係合部439は、同一部材で構成される。
具体的には、接続部材437は、把持部435Bから第2シャッター部材435と反対方向に延びる基底部437Aと、基底部437Aの端部から正面方向に延びる腕部437Bとを含む。腕部437Bの基底部437Aと接続される端部と反対側の端部に係合部439が形成される。係合部439は、腕部437Bの第2シャッター部材435に向かう面に対向する摺動面に形成され、摺動面に交わる係合面439Aと、係合面439Aを着脱方向に挟む2つの摺動面439B,439Cと、を有する。2つの摺動面439B,439Cは、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態における第2シャッター部材435との間の距離が、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向側(正面方向側)に位置する摺動面439Bほど短い。また、摺動面439Bは、着脱方向に所定の長さを有する。基底部437Aおよび腕部437Bは、弾性を有し、係合部439を第2シャッター部材435から離れる方向に付勢する。このため、係合部439を係止部413に係合させることができる。
係合面439Aは、第2シャッター部材435が格納位置の状態において、着脱方向に垂直である。なお、ここでは、係合面439Aを着脱方向に垂直な面としたが、これに限定されることなく、係合面439Aは後述する係止部413と平行な面を有することが望ましい。
腕部437Bは、基底部437Aと接続される端部と係合部439との間に着脱方向に交わる傾斜面438を有する。傾斜面438は、正面方向の部分ほど第2シャッター部材435との間の距離が長い。したがって、傾斜面438が正面方向の力を受けると、基底部437Aおよび腕部437Bが弾性変形し、係合部439が第2シャッター部材435に近づく方向に移動する。この場合、係合部439が係止部413と係合しなくなる。
図7を再度参照して、ボトル部411は、排出口427の下方に配置される支持部材414と、支持部材414の背面方向側に隣接して配置されたシャッター規制部415を有する。支持部材414は、排出口427の垂直方向下方に位置し、排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさの穴414Aが形成されている。
支持部材414の着脱方向に平行な端面である一対の端部414Bに、第2シャッター部材435の一対の把持部435Bに形成された溝がそれぞれ係合する。これにより、第2シャッター部材435は、支持部材414に対して、着脱方向に摺動可能である。
図6に示されるように、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態では、第2シャッター部材435は、ロック機構により正面方向への移動が規制される。ロック機構は、キャップ部412に形成される係止部413、接続部材437および係合部439を含む。具体的には、第2シャッター部材435の係合部439がキャップ部412に形成された係止部413と係合し、第2シャッター部材435の離脱位置から格納位置への移動が規制される。また、第2シャッター部材435が支持部材414に形成される穴414Aを塞ぐ。このため、ボトル部411に収容されるトナーがトナー収容容器41Yから漏れ落ちることはない。
図7に示されるように、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態では、第2シャッター部材435の一部がキャップ部412の内部空間に収容される。また、第1シャッター部材429が排出口427を開放し、支持部材414に形成される穴414Aが露出する。支持部材414に形成される穴414Aは排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさなので、ボトル部411の排出口427から落下するトナーは、穴414Aを通過して、下方に落下する。このため、ボトル部411に収容されるトナーが重力によって排出口427から落下する。
図9は、第2シャッター部材が格納位置に位置する状態におけるトナー収容容器の一部の断面図である。図10は、第2シャッター部材が離脱位置に位置する状態におけるトナー収容容器の一部の断面図である。
第1シャッター部材429は、平板形状であり、一端に回転軸429Aを有し、回転軸429Aは排出口427の正面方向の端部でボトル部411に軸支されている。第1シャッター部材429は、回転軸429Aを中心に閉塞位置と開放位置との間で回転可能である。閉塞位置は、排出口427が閉じ、ボトル部411が閉塞した状態になる位置である。開放位置は、排出口427が開き、ボトル部411が外部に開放された状態になる位置である。第1シャッター部材429は、ボトル部411に向かう面に弾性を有するシート429Cが貼り付けられている。シート429Cは、弾性体であり、例えば、ゴム、スポンジ状のウレタンであってもよい。このため、第1シャッター部材429が閉塞位置に位置する状態で、排出口427からトナーができるだけ漏れ出さないようにできる。
第1シャッター部材429の回転軸429Aは、第1シャッター部材429が閉塞位置と開放位置との間で回転する間において、その回転軸429Aが第1シャッター部材429の重心よりも常に上方に位置する。また、第1シャッター部材429の回転軸429Aと反対側の端部である接触端429Bは、閉塞位置における位置が開放位置における位置よりも上方に位置する。このため、第1シャッター部材429は、閉塞位置から自重により回転することにより開放位置に移動する。開放位置において、第1シャッター部材429は排出口427を閉じる側の面が垂直になる。また、第1シャッター部材429は、開放位置に位置する状態で外部から背面方向の力を受けることにより閉塞位置に向かって回転する。
第2シャッター部材435が格納位置にある状態において、第1シャッター部材429は開放位置となり、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面は、第1シャッター部材429の接触端429Bよりも上方に位置する。第2シャッター部材435が格納位置にある状態からボトル部411に対して着脱方向の背面方向に移動する場合、第2シャッター部材435が第1シャッター部材429に当接し、第1シャッター部材429は接触端429Bが上方に持ち上げられて回転する。その後、第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面の位置まで上昇すると、第1シャッター部材429が閉塞位置となる。第2シャッター部材435は、さらにボトル部411に対して着脱方向の背面方向に移動し、ボトル部411のシャッター規制部415に当接して着脱位置で停止する。この間、第1シャッター部材429の接触端429Bは、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面に当接しており、第1シャッター部材429は閉塞状態が維持される。
第2シャッター部材435が着脱位置からボトル部411に対して着脱方向の正面方向に移動すると、第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面と接しなくなる。第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面と接しなくなると、第1シャッター部材429の接触端429Bが下方に移動を開始し、第1シャッター部材429は回転軸429Aを中心に自重で回転を開始する。第1シャッター部材429は、第1シャッター部材429の排出口427に向かう面が垂直になる格納位置で停止する。なお、格納位置において第2シャッター部材435は、第1シャッター部材429から離間してもよい。
図11は、容器格納部の一部を周辺の部材とともに拡大して示す斜視図である。図11においては、容器格納部41のトナー収容容器41Y,41Mそれぞれが格納される収納口41Aに対応する部分を示す。図11を参照して、容器格納部41の収納口41Aの下方に規制部443が配置され、規制部443の正面方向側に所定の距離を隔てて規制爪453が配置される。規制部443は、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれの正面方向側の前面壁の一部である。規制爪453は、上下方向に移動可能に設けられる。規制爪453は、一対の側方ガイド板451と同一部材で形成されている。一対の側方ガイド板451は、それぞれが対向する面に摺動溝451Aが形成されている。
容器格納部41は、トナー収容容器41Yの外径よりも大きな径の筒状の空間を有する。ユーザーが、トナー収容容器41Yの背面方向の端部を収納口41Aに挿入し、トナー収容容器41Yを背面方向に押すと、トナー収容容器41Yが容器格納部41に進入する。トナー収容容器41Yの所定長さの部分が容器格納部41に進入した状態で、容器格納部41によりトナー収容容器41Yの着脱方向に交わる方向が位置決めされる。
側方ガイド板451に形成された摺動溝451Aに、トナー収容容器41Yが容器格納部41に挿入される途中で、トナー収容容器41Yのキャップ部412の両側面の側壁にそれぞれ形成された突起部412A(図6参照)が入り込む。トナー収容容器41Yは着脱方向に移動するため突起部412Aもトナー収容容器41Yの移動に伴って着脱方向に移動する。このため、側方ガイド板451に形成された摺動溝451Aが突起部412Aから力を受け、規制爪453が上下方向に移動する。
摺動溝451Aは、トナー収容容器41Yが容器格納部41に進入してから第2シャッター部材435が規制部443に当接するまでは下方に位置し、第2シャッター部材435が規制部443に当接した後は、規制爪453が上方に位置するように、側方ガイド板451に形成されている。
図11において、容器格納部41のトナー収容容器41Yが収納される収納口41Aに対応する規制爪453が上方に位置する状態を示し、容器格納部41のトナー収容容器41Mが収納される収納口41Aに対応する規制爪453は下方に位置する状態を示す。
図11に示されるように、サブホッパー42Yの上面にトナー貯留部43を外部に開放する供給口441が形成されている。また、サブホッパー42Yは、供給口441が閉鎖板445により閉じられた状態が示される。閉鎖板445は、正面方向にバネなどの弾性体により付勢されており、トナー収容容器41Yが容器格納部41に挿入される途中で、トナー収容容器41Yに設けられたシャッター規制部415が当接し、シャッター規制部415により背面方向に押されることにより移動して、供給口441を開放する。
なお、図11においては、容器格納部41のトナー収容容器41Mが収納される収納口41Aにおいて、供給口441が開放する状態で、かつ、規制爪453が下方に移動した状態を示しているが、実際には同時に2つの状態が実現される必要はない。規制爪453は、トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納される際に少なくとも第2シャッター部材435に設けられた突起部435Cが規制爪453よりも正面方向側から背面方向に移動する間だけ下方に移動し、トナー収容容器41Yが容器格納部41から離脱する際に、少なくとも第2シャッター部材435が格納位置から着脱位置に移動する間だけ上方に移動すればよい。また、供給口441は、少なくともトナー収容容器41Yの排出口427が供給口441の上方に位置する間だけ開放する状態であればよい。
図12~図16は、キャップ部、第2シャッター部材および側方ガイド板の位置関係を示す図である。図12~図14は、第2シャッター部材435の傾斜面438が側方ガイド板451に接触する前の段階の位置関係を示す。図12は、第2シャッター部材435を下方向から見た第1の図である。図12は、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。図13は、側方ガイド板451、第2シャッター部材435およびキャップ部412を正面側の斜め上方から見た斜視図である。図14は、側方ガイド板451、第2シャッター部材435およびキャップ部412を背面側の斜め上方から見た斜視図である。
図12~図14を参照して、トナー収容容器41Yは、正面側から背面方向にユーザーにより容器格納部41に挿入される。図12~図14においては、第2シャッター部材435の傾斜面438が側方ガイド板451に接触する前の状態を示している。この状態で、ロック機構により第2シャッター部材435のボトル部411に対する正面方向への移動が規制される。具体的には、係合部439がキャップ部412の係止部413に係合しているので、第2シャッター部材435はボトル部411に対して正面方向への移動が規制され、離脱位置に固定されている。
図15は、接続部材437の傾斜面438が側方ガイド板451に接触した直後の段階におけるキャップ部412、第2シャッター部材435および側方ガイド板451の位置関係を示す。図15は、第2シャッター部材435を下方向から見た第2の図である。図15は、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。図15を参照して、図12に示した状態からユーザーによりトナー収容容器41Yが背面方向に所定量だけ押し込まれた状態が示される。図12に示した状態からユーザーによりトナー収容容器41Yが背面方向に押し込まれると、接続部材437に形成された傾斜面438が側方ガイド板451に当接し、傾斜面438が側方ガイド板451から正面方向の力を受ける。これにより、接続部材437が弾性変形し、係合部439が第2シャッター部材435に向かう方向に移動し、係止部413と係合しなくなる。容器格納部41によりトナー収容容器41Yの着脱方向に交わる方向が位置決めされているので、接続部材437に形成された傾斜面438が側方ガイド板451に確実に当接する。このため、第2シャッター部材435はボトル部411に対して正面方向への移動可能となる。
ユーザーによりトナー収容容器41Yが背面方向にさらに押し込まれると、第2シャッター部材435が規制部443に当接する。容器格納部41によりトナー収容容器41Yの着脱方向に交わる方向が位置決めされているので、第2シャッター部材435が規制部443に確実に当接する。第2シャッター部材435は規制部443により容器格納部41に相対する移動が制限されるので、トナー収容容器41Yが背面方向にユーザーによりさらに押し込まれると、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置への移動を開始する。第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する間、接続部材437の第2シャッター部材435に向かう面と反対側の面が、キャップ部412の側壁の内面に接触しながら移動する。この間、接続部材437の弾性変形が維持され、係合部439は第2シャッター部材435から離れる方向に付勢された状態が維持される。
図16は、トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態におけるキャップ部412、第2シャッター部材435および側方ガイド板451の位置関係を示す。図16は、第2シャッター部材435を下方向から見た第3の図である。図16は、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。トナー収容容器41Yが背面方向にユーザーにより押し込まれて容器格納部41に格納されると、第2シャッター部材435は規制部443により移動が制限されているので第2シャッター部材435が格納位置まで移動する。
図16を参照して、第2シャッター部材435が格納位置の状態で、支持部材414の穴414Aが露出する。トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態で、支持部材414の穴414Aはサブホッパー42Yの供給口441と垂直方向で重なる。第2シャッター部材435は、接続部材437の摺動面がキャップ部412の側壁の内面に当接するのでさらに弾性変形し、第2シャッター部材435は、その一部がキャップ部412の内部空間に格納される。
<変形例>
次に変形例におけるトナー収容容器について説明する。変形例におけるトナー収容容器41Yは、上述したロック機構を変更したものである。変形例における第2シャッター部材435は、上述したトナー収容容器41Yにおける接続部材437、係合部439、係止部413に代えて、規制部材461を有する。
図17は、変形例におけるトナー収容容器の一例の一部を示す第1の斜視図である。図18は、変形例におけるトナー収容容器の一例の一部を示す第2の斜視図である。図17および図18においては、トナー収容容器41Yを正面側斜め下方から見た図を示す。図17および図18を参照して、トナー収容容器41Yは、トナーを収容するボトル部411と、トナー収容部を外部に開放する排出口427と、排出口427を開閉する第1シャッター部材429と、第2シャッター部材435と、第2シャッター部材435が取り付けられる支持部材414と、キャップ部412と、規制部材461と、を含む。キャップ部412は、両側面を構成する側壁に水平方向に突出する突起部412Aを有する。キャップ部412の側壁は、規制部材461の一部および第2シャッター部材435の一部を収容する空間を区画する。第2シャッター部材435と、規制部材461とは別の部材で構成される。
図17においては、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態が示され、図18においては、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態が示される。第2シャッター部材435は、着脱方向にボトル部411に対して相対移動可能にボトル部411に取り付けられる。
図19は、第2シャッター部材が離脱位置の状態における規制部材の平面図である。図では、規制部材461を下方から見た平面図を示す。図19において、図中上下方向が着脱方向であり、図中上方が正面方向、図中下方が背面方向である。規制部材461は、着脱方向に垂直な基部461Aと、基部461Aの両端から背面方向に延びる一対の接続部材461Bと、を有する。基部461Aは、キャップ部412に固定される。一対の接続部材461Bは、基部461Aと接続される端部から所定の距離に係止部413Aと、基部461Aと接続される端部と反対側の端部に傾斜面463と、が形成される。接続部材461Bと係止部413Aとは、ロック機構の一部を構成する。接続部材461Bは、基部461Aと接続される端部でキャップ部412に固定される。係止部413Aは、着脱方向に垂直に交わる係止面を有する。2つの接続部材461Bそれぞれに形成される傾斜面463は、2つの接続部材461Bが互いに対向する面にそれぞれ形成される。一対の接続部材461Bそれぞれは、弾性を有する部材で形成される。このため、一対の接続部材461Bは、それぞれの傾斜面463が離れる方向に外力が加わる場合、それぞれに形成された係止部413Aを、それらが互いに近づく方向に付勢する。
図17および図18を再度参照して、変形例における第2シャッター部材435は、矩形の平板状の蓋部材435Aと、蓋部材435Aの対向する2つの端部それぞれから上方に延びる一対の把持部435Bと、蓋部材435Aの下面から下方に延びる突起部435Cと、を有する。一対の把持部435Bは、それぞれが対向する面に、着脱方向に延びる溝が形成されている。
ボトル部411は、排出口427の下方に配置される支持部材414と、支持部材414の背面方向側に隣接して配置されたシャッター規制部415を有する。支持部材414は、排出口427を垂直方向下方に位置し、排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさの穴414Aが形成されている。
支持部材414の着脱方向に平行な端面を有する一対の端部414Bが、第2シャッター部材435の一対の把持部435Bに形成された溝に入り込み、第2シャッター部材435は、支持部材414に対して、着脱方向に摺動可能である。
図17に示されるように、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態では、第2シャッター部材435は、ロック機構により正面方向への移動が規制される。ロック機構は、規制部材461に形成される係止部413Aおよび接続部材461Bを含む。具体的には、第2シャッター部材435は、正面方向側の面の一部である係合部が規制部材461の係止部413Aに当接し、第2シャッター部材435の正面方向への移動が規制される。正面方向は、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向である。また、第2シャッター部材435が支持部材414に形成される穴414Aを塞ぐ。このため、ボトル部411に収容されるトナーがトナー収容容器41Yから漏れ落ちることはない。
図18に示されるように、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態では、第2シャッター部材435の一部がキャップ部412の内部空間に収容される。また、第1シャッター部材429が排出口427を開放し、支持部材414に形成される穴414Aが露出する。支持部材414に形成される穴414Aは排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさなので、ボトル部411の排出口427から落下するトナーは、穴414Aを通過して、下方に落下する。このため、ボトル部411に収容されるトナーが重力によって排出口427から落下する。
図20は、変形例における容器格納部の一部を周辺の部材とともに拡大して示す斜視図である。図20においては、変形例における容器格納部41のトナー収容容器41Y,41Mそれぞれが格納される収納口41Aに対応する部分を示す。図20を参照して、容器格納部41の収納口41Aの下方に規制部443が配置され、規制部443の正面方向側に所定の距離を隔てて規制爪453が配置される。規制部443は、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれの正面方向側の正面壁の一部である。規制爪453は、上下方向に移動可能に設けられる。規制爪453は、一対の側方ガイド板451と一体に形成されている。一対の側方ガイド板451は、それぞれが対向する面に摺動溝451Aが形成されている。規制爪453を挟むように一対のガイド部材471が配置される。一対のガイド部材471は、板状の部材であり、長手方向が着脱方向に平行となるように容器格納部41に固定される。
容器格納部41は、トナー収容容器41Yの外径よりも大きな径の筒状の空間を有する。ユーザーが、トナー収容容器41Yの背面方向の端部を収納口41Aに挿入し、トナー収容容器41Yを背面方向に押すと、トナー収容容器41Yが容器格納部41に進入する。トナー収容容器41Yの所定長さの部分が容器格納部41に進入した状態で、容器格納部41によりトナー収容容器41Yの着脱方向に交わる方向が位置決めされる。
側方ガイド板451に形成された摺動溝451Aに、トナー収容容器41Yが容器格納部41に挿入される途中で、トナー収容容器41Yのキャップ部412の両側面の側壁にそれぞれ形成された突起部412A(図17参照)が入り込む。トナー収容容器41Yは着脱方向に移動するため突起部412Aもトナー収容容器41Yの移動に伴って着脱方向に移動する。このため、側方ガイド板451に形成された摺動溝451Aが突起部412Aから力を受け、規制爪453が上下方向に移動する。
摺動溝451Aは、トナー収容容器41Yが容器格納部41に進入してから第2シャッター部材435が規制部443に当接するまでは下方に位置し、第2シャッター部材435が規制部443に当接した後は、規制爪453が上方に位置するように、側方ガイド板451に形成されている。
図20において、容器格納部41のトナー収容容器41Yが収納される収納口41Aに対応する規制爪453が上方に位置する状態を示し、容器格納部41のトナー収容容器41Mが収納される収納口41Aに対応する規制爪453は下方に位置する状態を示す。なお、図20においては、容器格納部41のトナー収容容器41Mが収納される収納口41Aにおいて、供給口441が開放する状態で、かつ、規制爪453が下方に移動した状態を示しているが、実際には同時に2つの状態が実現される必要はない。規制爪453は、トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納される際に少なくとも第2シャッター部材435に設けられた突起部435Cが規制爪453よりも正面方向側から背面方向に移動する間だけ下方に移動し、トナー収容容器41Yが容器格納部41から離脱する際に、少なくとも第2シャッター部材435が格納位置から着脱位置に移動する間だけ上方に移動すればよい。また、供給口441は、少なくともトナー収容容器41Yの排出口427が供給口441の上方に位置する間だけ開放する状態であればよい。
図21~図23は、規制部材、第2シャッター部材およびガイド部材の位置関係を示す図である。図21~図23において、トナー収容容器41Yを下方向から見た図である。図21~図23において、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。
図21は、規制部材461の傾斜面463がガイド部材471に接触する前の段階における規制部材461、第2シャッター部材435およびガイド部材471の位置関係を示す。図21を参照して、トナー収容容器41Yは、正面側から背面方向にユーザーにより容器格納部41に挿入される。図21においては、規制部材461の傾斜面463がガイド部材471に接触する前の状態を示している。この状態で、規制部材461に形成された係止部413Aが第2シャッター部材435の正面方向側の側面の一部である係合部に当接しているので、第2シャッター部材435はボトル部411に対して正面方向への移動が規制され、離脱位置に固定されている。
図22は、規制部材461に形成される傾斜面463がガイド部材471に接触した直後の段階における規制部材461、第2シャッター部材およびガイド部材471の位置関係を示す。図22は、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。図22においては、図21に示した状態からユーザーによりトナー収容容器41Yが背面方向に押し込まれた状態が示される。図21に示した状態からトナー収容容器41Yが背面方向にユーザーにより押されると、規制部材461に形成された傾斜面463がガイド部材471に当接し、傾斜面463がガイド部材471から正面方向の力を受ける。これにより、接続部材461Bが弾性変形し、一対の接続部材461B間の距離が広がり、一対の係止部413Aが第2シャッター部材435の係合部と係合しなくなる。容器格納部41によりトナー収容容器41Yの着脱方向に交わる方向が位置決めされているので、接続部材461Bに形成された傾斜面463がガイド部材471に確実に当接する。このため、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置への移動が可能となる。
さらに、トナー収容容器41Yが背面方向にユーザーにより押し込まれると、第2シャッター部材435が規制部443に当接する。容器格納部41によりトナー収容容器41Yの着脱方向に交わる方向が位置決めされているので、第2シャッター部材435が規制部443に確実に当接する。第2シャッター部材435は規制部443により容器格納部41に相対する移動が制限されるので、トナー収容容器41Yが背面方向にユーザーによりさらに押し込まれると、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置への移動を開始する。
第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する間、接続部材461Bの第2シャッター部材435に向かう面がガイド部材471に接触しながら移動する。この間、接続部材461Bの弾性変形が維持され、係止部413Aは第2シャッター部材435に向かう方向に付勢された状態が維持される。
図23は、トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態における規制部材461、第2シャッター部材435およびガイド部材471との位置関係を示す。図23は、図面上方が正面方向、図面下方が背面方向である。トナー収容容器41Yが背面方向にユーザーにより押し込まれて容器格納部41に格納されると、第2シャッター部材435は規制部443により移動が制限されているので第2シャッター部材435が格納位置まで移動する。
図23を参照して、第2シャッター部材435が格納位置の状態で、支持部材414の穴414Aが露出する。トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態で、支持部材414の穴414Aはサブホッパー42Yの供給口441と垂直方向で重なる。第2シャッター部材435は、その一部がキャップ部412の内部空間に格納される。第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する間、第2シャッター部材435が規制部材461の接続部材461Bに当接するので、2つの接続部材461Bが弾性変形し、第2シャッター部材435により押し広げられる。接続部材461Bが第2シャッター部材435と当接する間、2つの係止部413Aは、第2シャッター部材435に向かう方向に接続部材461Bにより付勢される状態が維持される。
以上説明したように本実施の形態におけるトナー収容容器41Yは、画像処理装置として機能するMFP100に着脱可能である。トナー収容容器41Yは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411を外部に開放する排出口427と、排出口427を閉じる閉塞位置と排出口を開く開放位置との間を回転自在にボトル部411に取り付けられた第1シャッター部材429と、開放位置にある第1シャッター部材429と離隔する格納位置と閉塞位置にある第1シャッター部材429と接触する離脱位置との間をMFP100に着脱される着脱方向にボトル部411に相対移動可能に設けられた第2シャッター部材435と、離脱位置にある第2シャッター部材435の離脱位置からの移動を規制するロック機構と、を備える。このロック機構は、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態で着脱方向に対して傾斜する傾斜面438を有する接続部材437を含む。
第2シャッター部材435が格納位置で第1シャッター部材429と離隔し、第1シャッター部材429が開放位置となりボトル部411の排出口427が開放される。第2シャッター部材435が離脱位置で第1シャッター部材429と接触し、第1シャッター部材429が閉塞位置となりボトル部411の排出口427が閉じる。第2シャッター部材435が離脱位置に位置する場合に、ロック機構により第2シャッター部材435が離脱位置からの移動が規制される。第2シャッター部材435が離脱位置に位置する場合に、ロック機構に含まれる接続部材437が着脱方向に対して傾斜する傾斜面438を有するので、その傾斜面438に着脱方向の力が加わると、接続部材437が着脱方向と交わる方向に移動し、ロック機構による規制が解除される。したがって、第2シャッター部材435にトナー収容容器41YがMFP100に着脱される着脱方向の力を加えることにより、排出口427の開閉に加えて、第2シャッター部材435の移動の規制および規制の解除をすることができる。したがって、MFP100に格納されていない間に零れ落ちるトナーを少なくしたトナー収容容器41Yに着脱方向の力を加えてMFP100に格納することが可能となる。
また、ロック機構は、第2シャッター部材435が着脱方向に移動する軌道よりも外側でボトル部411に固定された係止部413と、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態で係止部413と係合する係合部439と、をさらに含み、接続部材437は、係合部439と第2シャッター部材435との間に設けられ、第2シャッター部材435から離れる方向に係合部439を付勢する。係止部413が第2シャッター部材435の軌道よりも外側でボトル部411に固定され、係合部439が接続部材437により第2シャッター部材435から離れる方向に付勢されるので、係合部439が係止部413に付勢される。このため、係合部を係止部に係合させることができる。
また、傾斜面438は、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に向かう方向に位置する部分ほど第2シャッター部材435との間の距離が長い。このため、傾斜面438が着脱方向の力を受けると、接続部材437が着脱方向に交わる方向の力を受けて弾性変形し、係合部439が第2シャッター部材435に近づく。このため、係合部439が係止部413と係合しなくなるので、第2シャッター部材435の離脱位置からの移動の規制を解除できる。
また、係合部439および接続部材437は、第2シャッター部材435と同一部材で構成される。このため、簡略な構成にでき、製造が容易である。
また、係合部439は、第2シャッター部材435を挟んで両側に設けられる。このため、第2シャッター部材435が離脱位置で安定して固定されることが可能となる。
また、係合部439は、第2シャッター部材435に向かう面に対向する摺動面に形成され、摺動面439B,439Cと摺動面439B,439Cに交わる係合面439Aとを有する。係合面439Aを着脱方向に挟む2つの摺動面439B,439Cは、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態における第2シャッター部材435との間の距離が、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向に位置する摺動面439Bほど短い。このため、係合部439を係止部413に係合させることができる。
変形例におけるトナー収容容器41Yにおいて、ロック機構は、第2シャッター部材435と別の部材で構成される。ロック機構は、排出口427よりも第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に向かう方向側に設けられた係止部413Aと、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態で着脱方向に対して傾斜する傾斜面463を有し、ボトル部411に固定され、第2シャッター部材435が着脱方向に移動する軌道に向けて係止部413Aを付勢する接続部材461Bと、を含む。このため、排出口427よりも第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に向かう方向側で係止部413Aが第2シャッター部材435の軌道中に進入するので、排出口427よりも離脱位置から格納位置に向かう方向側で、離脱位置から格納位置に向かう方向への第2シャッター部材435の移動を規制することができる。
また、また、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する場合に、ロック機構に含まれる接続部材461Bが着脱方向に対して傾斜する傾斜面463を有し、その傾斜面463は、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に向かう方向に位置する部分ほど軌道との間の距離が短い。このため、傾斜面463が着脱方向の力を受けると、係止部413Aが接続部材に461よる弾性力に打ち勝って第2シャッター部材435の軌道の外側に移動する。このため、第2シャッター部材435が離脱位置から移動可能となるので、第2シャッター部材435の離脱位置からの移動の規制を解除できる。したがって、第2シャッター部材435にトナー収容容器41YがMFP100に着脱される着脱方向の力を加えることにより、排出口427の開閉に加えて、第2シャッター部材435の移動の規制および規制の解除をすることができる。したがって、MFP100に格納されていない間に零れ落ちるトナーを少なくしたトナー収容容器41Yに着脱方向の力を加えてMFP100に格納することが可能となる。
また、係止部413Aは、離脱位置に位置する第2シャッター部材435に当接する係止面を有する。このため、係止部413Aの係止面が第2シャッター部材435に当接するので、第2シャッター部材435の移動を安定して規制できる。
画像形成装置として機能するMFP100は、上記のトナー収容容器41Yが着脱可能であり、収納口41Aを有し、トナー収容容器41Yを格納する容器格納部41と、収納口41Aよりも第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向側に配置され、第2シャッター部材435に当接する規制部443と、規制部443よりも第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向側に配置され、傾斜面438に当接する側方ガイド板451と、変形例においては傾斜面463に当接するガイド部材471と、を備える。トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納される前に第2シャッター部材435が規制部443に当接し、第2シャッター部材435が規制部443に当接する前に、側方ガイド板451が傾斜面438に、変形例においてはガイド部材471が傾斜面463に当接する。このため、第2シャッター部材435が規制部443に当接する前に、第2シャッター部材435の離脱位置から格納位置への移動の規制が解除される。このため、MFP100は、零れ落ちるトナーを少なくしたトナー収容容器41Yを一方向に移動させることによりトナー収容容器41Yを格納することができる。
また、容器格納部41は、着脱方向に交わる方向でトナー収容容器41Yを位置決めする位置決め部を有する。トナー収容容器41YがMFP100に格納される際に、トナー収容容器41Yが着脱方向に交わる方向で位置決めされるので、側方ガイド板451が傾斜面438に、変形例においてはガイド部材471が傾斜面463に、確実に当接するようにできる。
また、収納口41Aを開閉するカバー部材50を、さらに備え、カバー部材50は、収納口41Aを開いた状態で、側方ガイド板451よりも第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向側に配置され、変形例においてはガイド部材471よりも第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動する方向側に配置される。このため、トナー収容容器41YがMFP100に格納される際に、第2シャッター部材435がカバー部材50の垂直方向上方を通過するまで第2シャッター部材435の移動が規制されるので、カバー部材50に零れ落ちるトナーを少なくできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記第2シャッター部材が前記離脱位置に位置する状態における前記第2シャッター部材との間の距離が最も短い前記摺動面は、前記着脱方向に所定の長さを有する、請求項6に記載のトナー収容容器。この局面に従えば、第2シャッター部材との間の距離が最も短い摺動面が着脱方向に所定の長さを有するので、係合部を係止部に係合させた状態を維持することができる。