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JP7515719B2 - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素半導体装置 Download PDF

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JP7515719B2
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Description

本開示は炭化珪素半導体装置に関し、特に、スイッチング損失を抑制した炭化珪素半導体装置に関する。
電力変換回路などに用いられるスイッチング素子として、縦型の電力用半導体装置が広く用いられており、特に、MOS(Metal Oxide Semiconductor)構造を有する電力用半導体装置が広く用いられている。典型的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)、および、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられている。シリコン(Si)のバンドギャップに比して約3倍大きなバンドギャップを有する炭化珪素を半導体材料として用いる炭化珪素半導体装置の1つであるn型MOSFETは、インバータ回路のスイッチング素子として用いることで電力変換回路の電力損失を低減することができる。
しかしながら、炭化珪素を用いたn型MOSFETを、例えば、数10kHz超の周波数で駆動する電力変換回路に用いる場合には、そのスイッチング損失が全電力損失において、大きな割合を占めるため、スイッチング損失をさらに低減することが重要である。
n型MOSFETは、典型的には、n型ドリフト層と、その上に設けられたp型ウェルとを有しており、MOSFETがオン状態からオフ状態へとスイッチングされると、MOSFETのドレイン電圧、すなわちドレイン電極の電圧が急激に上昇して、略0Vから数百Vへ変化する。そうすると、p型ウェルとn型ドリフト層との間に存在する寄生容量を介して変位電流が発生する。ドレイン電極側に発生した変位電流はドレイン電極へと流れ、ソース電極側に発生した変位電流はp型ウェルを経由してソース電極へ、またはゲート絶縁膜容量を介してゲート電極へと流れる。また、MOSFETがオフ状態からオン状態へとスイッチングされると、オン状態からオフ状態へとスイッチングされる場合とは逆方向の変位電流がp型ウェルを経由して流れる。
スイッチング損失をより一層低減するために、スイッチング素子をより高速で駆動することが求められている。換言すれば、損失を低減するために、時間tに対するドレイン電圧Vの変動であるdV/dtおよびドレイン電流Iの時間変動であるdI/dtをより一層大きくすることが求められている。その結果、スイッチング動作時に、寄生容量および寄生インダクタンスに起因した、ゲート-ソース間の電圧発振が生じやすくなり、電磁ノイズが増大する。
スイッチング動作時の電磁ノイズ増大は、外部機器の誤動作および故障を誘発する可能性があるため、これを抑制することが求められる。
特開2019-71384号公報
特許文献1に開示の技術によれば、スーパージャンクション(SJ)構造のMOSFETにおいて、第1の方向に延在する第1のpピラー領域と、第1のpピラー領域と第1の面との間に設けられた第1のウェル領域と、第1のウェル領域に対して第1の方向に離間して設けられた第2のウェルとを備え、第1のウェル領域および第2のウェル領域の表面側にMOSFETが構成される。第1のウェル領域と第2のウェル領域の間の第1のpピラー領域上には、ゲート絶縁膜とゲート電極が設けられ、トランジスタとして機能しない領域が構成される。これにより、スイッチング動作時のゲート-ソース間の電圧発振を抑制している。
しかしながら、スイッチング動作時に第1のpピラー領域内に生じる変位電流の一部は、第1のpピラー領域上に形成された、第1のウェル領域と第2のウェル領域を経由し、さらに、第1のウェル領域および第2のウェル領域上に形成されたコンタクト領域を経由して、ソース電極へと流れるため、第1のウェル領域と第2のウェル領域に電圧変動が生じる。これにより、第1のウェル領域および第2のウェル領域とゲート電極との間の変位電流、および基板効果に起因して、スイッチング動作が阻害され、スイッチング損失が増大する問題があった。
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、スイッチング動作時のゲート-ソース間の電圧発振を抑制しつつ、スイッチング損失の増大を抑制した炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。
本開示に係る炭化珪素半導体装置は、炭化珪素基板の厚み方向に主電流が流れる炭化珪素半導体装置であって、前記炭化珪素基板の第1の主面上に設けられた、第1導電型の半導体層と、前記半導体層の上層部に設けられ、第1の方向に延在するストライプ状の第2導電型の第1ウェル領域と、前記第1ウェル領域の上層部に設けられた第1導電型の第1不純物領域と、前記第1ウェル領域の上層部に設けられ、側面において前記第1不純物領域に接合する第2導電型の少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域と、前記第1不純物領域および前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域に電気的に接続され、前記半導体層の上方に設けられた第1主電極に電気的に接続される第1コンタクトと、前記第1ウェル領域とは、前記第1の方向とは直交する第2の方向に離間して設けられ、前記第1の方向に延在し、内部には第1導電型の不純物領域を有さないストライプ状の第2導電型の第2ウェル領域と、前記第2ウェル領域の上層部に設けられた、第2導電型の少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域と、前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域に電気的に接続され、前記半導体層の上方に設けられた前記第1主電極に電気的に接続される第2コンタクトと、前記炭化珪素基板の前記第1の主面とは反対側の第2の主面上に設けられた第2主電極と、を備え、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域とが隣り合う領域では、前記第1不純物領域の端縁部上、前記第1ウェル領域上、前記半導体層上、前記第2ウェル領域の端縁部上に設けられたゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。
本開示に係る炭化珪素半導体装置によれば、スイッチング動作時において、第1ウェル領域の電位変動を抑制することができるため、ゲート-ソース間の電圧発振を抑制しつつ、スイッチング損失の増大を抑制できる。
実施の形態1の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する模式図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する模式図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する模式図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する模式図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する模式図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の効果を説明する図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の変形例1の構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の変形例1の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の変形例1の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の炭化珪素半導体装置の変形例2の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態2の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態2の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態3の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態4の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態5の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態5の炭化珪素半導体装置における変位電流の経路を模式的に示した図である。 実施の形態6の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態7の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態7の炭化珪素半導体装置の変形例の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態8の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態9の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態10の炭化珪素半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
<はじめに>
図面は模式的に示されるものであり、異なる図面にそれぞれ示されている画像のサイズおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得る。また、以下の説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称および機能も同様のものとする。よって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書において、「~上」および「~を覆う」という場合、構成要素間に介在物が存在することが妨げられるものではない。例えば、「A上に設けられたB」または「AがBを覆う」と記載している場合、AとBとの間に他の構成要素Cが設けられたものも設けられていないものも意味され得る。また、以下の説明では、「上」、「下」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置および方向を意味する用語が用いられる場合があるが、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするため便宜上用いられているものであり、実際に実施される際の方向とは関係しない。
また、「MOS」という用語は、古くは金属-酸化物-半導体の接合構造に用いられているが、特にMOS構造を有するMOS電界効果トランジスタ(MOSFET)においては、近年の集積化および製造プロセスの改善などの観点からゲート絶縁膜およびゲート電極の材料が改善されている。
例えばMOSFETにおいては、主としてソース、ドレインを自己整合的に形成する観点から、ゲート電極の材料として金属の代わりに多結晶珪素が採用されてきている。また電気的特性を改善する観点から、ゲート絶縁膜の材料として高誘電率の材料が採用されるが、当該材料は必ずしも酸化物には限定されない。
従って「MOS」という用語は必ずしも金属-酸化物-半導体の積層構造のみに限定されて採用されているわけではなく、本明細書でもそのような限定を前提としない。すなわち、技術常識に鑑みて、ここでは「MOS」とはその語源に起因した略語としてのみならず、広く導電体-絶縁体-半導体の積層構造をも含む意義を有する。
また、以下の記載では、不純物の導電型に関して、n型を「第1導電型」、n型とは反対導電型のp型を「第2導電型」として定義するが、その逆に「第1導電型」をp型、「第2導電型」をn型と定義することもできる。
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰返さない。
また、以下に説明する実施の形態1~12においては、炭化珪素半導体装置の一例として、主電流が基板の厚み方向に流れる縦型のn型MOSFETを用いて説明する。
<実施の形態1>
本開示においては、炭化珪素半導体装置の一例として、基板の厚み方向に主電流が流れる縦型のn型炭化珪素MOSFETを主として説明する。
図1は、本開示に係る実施の形態1のn型炭化珪素MOSFET100の構成を模式的に示す平面図である。図1に示されるように、n型炭化珪素MOSFET100においては、第1の方向であるy方向に延在するストライプ状のp型(第2導電型)のウェル領域3(第1ウェル領域)とストライプ状のp型のウェル領域13(第2ウェル領域)が、第2の方向であるx方向に交互に形成されている。ウェル領域3およびウェル領域13は、配列方向であるx方向で互いに離間して形成されている。
ウェル領域3内にはn型(第1導電型)の不純物を比較的高濃度に含むソース領域4が形成されており、ソース領域4内にはさらにp型不純物を比較的高濃度に含むウェルコンタクト領域5(第1ウェルコンタクト領域)が形成されている。また、ウェル領域13内には、p型不純物を比較的高濃度に含むウェルコンタクト領域15(第2ウェルコンタクト領域)が形成されている。
ソース領域4およびウェルコンタクト領域5上にはソースコンタクト6(第1ソースコンタクト)が設けられており、ソース領域4およびウェルコンタクト領域5は、ソースコンタクト6を介して図示されないソース電極と電気的に接続されている。ウェルコンタクト領域15上にはソースコンタクト16(第2ソースコンタクト)が設けられており、ウェルコンタクト領域15は、ソースコンタクト16を介して図示されないソース電極と電気的に接続されている。
図2は、図1におけるA-A線での矢示方向断面図であり、ユニットセルの構成を模式的に示している。図2に示されるように、n型炭化珪素MOSFET100は、n型不純物を比較的高濃度に含む炭化珪素基板1上に設けられている。
炭化珪素基板1の第1の主面上には、n型不純物を比較的低濃度に含む半導体層であるドリフト層2が設けられている。ドリフト層2は、例えばエピタキシャル成長により形成されたエピタキシャル成長層である。
ドリフト層2の上層部には、p型のウェル領域3が設けられており、ウェル領域3の上層部には、p型のウェルコンタクト領域5が選択的に設けられている。そして、ウェルコンタクト領域5の2つの側面に接するようにn型のソース領域4が設けられている。
なお、ウェル領域3のドリフト層2の最表面からの深さは、ソース領域4のドリフト層2の最表面からの深さよりも深く形成されている。また、ウェルコンタクト領域5のドリフト層2の最表面からの深さは、ソース領域4のドリフト層2の最表面からの深さと同等か、それよりも深く形成されているが、ウェル領域3の深さを超えないように形成されている。
また、ドリフト層2の上層部には、ウェル領域3とは離間して、ウェル領域13が設けられており、ウェル領域13の上層部には、ウェルコンタクト領域15が選択的に設けられている。また、ウェルコンタクト領域15のドリフト層2の最表面からの深さは、ウェル領域13の深さを超えないように形成されている。
ウェル領域3およびウェル領域13は、素子外縁部に至るまで、分離して形成されることが好適であるが、素子外縁部のみで互いに接続されていても大きく効果は損なわない。
ドリフト層2の上には、ゲート絶縁膜7が形成され、ゲート絶縁膜7上にはゲート電極103が設けられている。ゲート電極103は、ドリフト層2、ウェル領域3、ウェル領域13およびソース領域4の端縁部の上方に設けられる。
そして、ゲート電極103上を含むドリフト層2上には層間絶縁膜17が設けられているが、層間絶縁膜17を貫通するようにソースコンタクト6およびソースコンタクト16が設けられている。ソースコンタクト6およびソースコンタクト16の底部には、例えば、ニッケルシリサイドで構成されるシリサイド膜SDが設けられ、ソースコンタクト6の底部において、ウェルコンタクト領域5の全部とソース領域4の一部はシリサイド膜SDで覆われ、ソースコンタクト6の底部において、ウェルコンタクト領域15の全部とウェル領域13の一部はシリサイド膜SDで覆われている。
ウェルコンタクト領域5およびソース領域4はシリサイド膜SDおよびソースコンタクト6を介して、ソース電極101に電気的に接続されている。ウェルコンタクト領域15はシリサイド膜SDおよびソースコンタクト16を介して、ソース電極101に電気的に接続されている。すなわち、ウェル領域3とウェル領域13はソース電極101を介して電気的に接続されている。
また、炭化珪素基板1の第1の主面とは反対側の第2の主面上には、ドレイン電極102が設けられている。
シリサイド膜SDはニッケルシリサイドに限定されず、アルミシリサイド、チタンシリサイドを用いることもできる。ソースコンタクト6およびソースコンタクト16は、ソース電極101形成時に、コンタクトホール内にソース電極101の材料となる金属、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタンを埋め込むことで形成することができる。
ドリフト層2のn型不純物の不純物濃度は、1.0×1014cm-3以上1.0×1017cm-3以下であることが好適である。ウェル領域3のp型不純物の不純物濃度は、1.0×1016cm-3以上1.0×1020cm-3以下であることが好適である。ウェル領域13のp型不純物の不純物濃度は、1.0×1016cm-3以上1.0×1020cm-3以下であることが好適である。ソース領域4のn型不純物の不純物濃度は、1.0×1017cm-3以上1.0×1021cm-3以下であることが好適である。ウェルコンタクト領域5のp型不純物の不純物濃度は、1.0×1018cm-3以上1.0×1022cm-3以下であることが好適である。ウェルコンタクト領域15のp型不純物の不純物濃度は、1.0×1018cm-3以上1.0×1022cm-3以下であることが好適である。
図3は、図1におけるB-B線での矢示方向断面図であり、ユニットセルの構成を模式的に示している。図3において、炭化珪素基板1、ドリフト層2、ウェル領域3、ソース領域4、ウェルコンタクト領域5、ソースコンタクト6、ウェル領域13およびウェルコンタクト領域15の構成は、図2と同じである。
図3に示されるように、B-B線での断面においては、ウェル領域13に隣り合う左右のウェル領域3の端縁部間を跨ぐようにドリフト層2上にゲート絶縁膜7が形成され、ゲート絶縁膜7上にはゲート電極103が設けられている。ゲート電極103は、ドリフト層2、ウェル領域3、ウェル領域13、ウェルコンタクト領域15およびソース領域4の端縁部上方に設けられている。図2において、ウェルコンタクト領域15の一部に接触するように設けられた、ソースコンタクト16は、B-B線での断面においては形成されていない。
なお、ドリフト層2上にn型またはp型のエピタキシャル層を、10~500nmの厚みでエピタキシャル成長させ、その内部にチャネルが形成されるエピタキシャルチャネル層を設けることができるが、必須の構成ではなく、本開示では、説明および図示を省略する。
図4は、実施の形態1のn型炭化珪素MOSFET100による効果を説明する模式図である。ここで、Cgsはゲート電極103とソース電極101との間の容量(以下、ゲート-ソース間容量)、Cgdはゲート電極103とドレイン電極102との間の容量(以下、ゲート-ドレイン間容量)、Cdsはドレイン電極102とソース電極101との間の容量(以下、ドレイン-ソース間容量)、Cgpはゲート電極103とウェル領域13との間の容量(以下、ゲート-ウェル間容量)、Cdpはドレイン電極102とウェル領域13との間の容量(以下、ドレイン-ウェル間容量)である。また、Rpはウェル領域13の抵抗成分、ρaはウェルコンタクト領域5に対するコンタクト抵抗、ρdはウェルコンタクト領域15に対するコンタクト抵抗を表す。また、図4に示すように、ウェル領域13を含む領域をダミー領域、それ以外の領域をトランジスタ領域と呼称する。
図5は、トランジスタ領域の等価回路図である。便宜的にコンタクト抵抗ρaは省略している。
図6は、トランジスタ領域とダミー領域を合わせた等価回路図である。便宜的に、コンタクト抵抗ρa、ρbは省略している。
図7は、図6において、低速でMOSFET100をスイッチングする場合の等価回路図である。図6から、ゲート-ウェル間容量Cgpが除かれている。スイッチングする際に、ドレイン-ウェル間容量Cdpの充放電により、ウェル領域13に変位電流が生じるが、低速でスイッチングする場合、図6におけるゲート-ウェル間容量Cgpのインピーダンスが十分大きいため、変位電流は主としてウェル領域13の抵抗成分Rpを介してソース電極101へと流れる。
図8は、図6において、高速でMOSFET100をスイッチングする場合の等価回路図である。図6から、ウェル領域13の抵抗成分Rpが除かれている。スイッチングする際に、ドレイン-ウェル間容量の充放電により、ウェル領域13に変位電流が生じるが、高速でスイッチングする場合、図6におけるゲート-ウェル間容量CgpのインピーダンスがRpに比べて十分小さいため、変位電流は主としてCgpを介してゲート電極103へと流れる。すなわち、高速スイッチングにおいては、低速スイッチングの場合に比べて、実効的にドレイン電極102とゲート電極103の容量結合が大きくなる。
図9は、ダミー領域を有さない通常のMOSFETにおけるゲート-ドレイン間容量Cgdのドレイン電圧依存性のシミュレーション結果を示す図である。図9において横軸にドレイン電圧Vds(V)を示し、縦軸にゲート-ドレイン間容量Cgd(nF/cm)を示している。
図9において、スイッチング周波数が10MHz、100MHzおよび1GHzの場合の特性を、それぞれ実線、1点鎖線および破線で示している。図9より、ゲート-ドレイン間容量Cgdは0.1nF/cmの近傍の値となっていることが判る。
図10は、ダミー領域を有するn型炭化珪素MOSFET100におけるゲート-ドレイン間容量Cgdのドレイン電圧依存性のシミュレーション結果を示す図である。図10において横軸にドレイン電圧Vds(V)を示し、縦軸にゲート-ドレイン間容量Cgd(nF/cm)を示している。図10において、スイッチング周波数が10MHz、100MHzおよび1GHzの場合の特性を、それぞれ実線、1点鎖線および破線で示している。本シミュレーションにおいては、ウェル領域3とウェル領域13の設計、ウェルコンタクト領域5とウェルコンタクト領域15の設計により、コンタクト抵抗ρaおよびρbの値がそれぞれ同一となるよう設定されている。
図9および図10を比較すると、高周波数、すなわち1GHzでは図9も図10も同程度のゲート-ドレイン間容量Cgdを有するが、一方、低周波数、すなわち10MHz、100MHzでは図10の方がCgdが小さいことが判る。
高周波数でのゲート-ドレイン間容量Cgdが大きいと、高周波数成分の電圧変動が抑制され、ゲート-ソース間の電圧発振を抑制して電磁ノイズを低減することができ、低周波数でのゲート-ドレイン間容量Cgdが大きいと、スイッチング損失が増大する。すなわち、図9および図10の比較から、本実施の形態1のn型炭化珪素MOSFET100を用いることで、電磁ノイズを同等に保ちつつ、スイッチング損失を低減できることが判る。言い換えれば、スイッチング損失の増大を抑制し、ゲート-ソース間の電圧変動を抑制して電磁ノイズを低減することができる。
<変形例1>
図11は、実施の形態1の変形例1のn型炭化珪素MOSFET101の構成を模式的に示す平面図である。また、図12は、図11におけるA-A線での矢示方向断面図であり、ユニットセルの構成を模式的に示している。また、図13は、図11におけるB-B線での矢示方向断面図であり、ユニットセルの構成を模式的に示している。
図2に示したようにn型炭化珪素MOSFET100では、ウェルコンタクト領域5とソース領域4は同一断面においてソースコンタクト6に接しているが、図11、図12および図13に示すn型炭化珪素MOSFET101においては、ウェルコンタクト領域5をソース領域4内でウェル領域3の延在方向(y方向)に不連続に形成することで、ウェルコンタクト領域5とソース領域4とがウェル領域3の延在方向に互い違いに存在する構成とし、それぞれがソースコンタクト6に接する構成となっている。このような構成を採った場合でも、スイッチング損失の増大を抑制し、電磁ノイズを低減することができる。
<変形例2>
図14は、実施の形態1の変形例2のn型炭化珪素MOSFET102の構成を模式的に示す断面図であり、図1に示したA-A線での矢示方向断面図に相当する断面図である。図1および図2に示したn型炭化珪素MOSFET100では、ウェル領域13には、ウェルコンタクト領域15のみを設けた構成であったが、図14に示すn型炭化珪素MOSFET102においては、ウェル領域13にソース領域4より平面視での面積が小さなn型の不純物領域14(第2不純物領域)を設けた構成となっている。この構成を採ることで、オン抵抗を低減する効果が得られる。一方、不純物領域14を設けることによって、ウェル領域13にMOSFETが形成されたとしても、ウェル領域3のMOSFTEが存在する領域と、ウェル領域13に部分的に形成されたMOSFETが存在する領域との合計に対して、ウェル領域13のn型領域が形成されていない部分のゲート-ドレイン間容量Cgdおよびゲート-ウェル間容量Cgpがあれば、ウェル領域13にn型領域が形成されていない構成と同様に電磁ノイズを低減する効果が得られる。
なお、不純物領域14のn型不純物の不純物濃度は、ソース領域4と同様に1.0×1017cm-3以上1.0×1021cm-3以下であることが好適である。
<実施の形態2>
図15は、本開示に係る実施の形態2のn型炭化珪素MOSFET200の構成を模式的に示す平面図である。また、図16は、図15におけるB-B線での矢示方向断面図であり、ユニットセルの構成を模式的に示している。なお、図15におけるA-A線での矢示方向断面図は図2と同じである。
図15に示されるように、n型炭化珪素MOSFET200においては、ウェルコンタクト領域15をウェル領域13の延在方向の全体に渡る長さに形成するのではなく、ウェルコンタクト領域15を部分的に形成し、ウェルコンタクト領域15が形成された部分にのみソースコンタクト16が形成されている。このため、図16に示されるように、ゲート電極103の下方にウェルコンタクト領域15が形成されない領域を増やすことができる。そのため、ウェル領域13の抵抗成分Rpを増大させることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態3>
図17は、本開示に係る実施の形態3のn型炭化珪素MOSFET300の構成を模式的に示す断面図であり、図1に示したA-A線での矢示方向断面図に相当する断面図である。
図17に示すn型炭化珪素MOSFET300においては、ダミー領域を構成するウェル領域131の不純物濃度が、トランジスタ領域を構成するウェル領域3の不純物濃度よりも小さく形成されている。
そのため、ウェル領域13の抵抗成分Rpを増大させることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
ウェル領域131の不純物濃度は、ウェル領域3の不純物濃度よりも少しでも小さくすればよく、数%~10%程度小さくするだけでも効果が得られる。
ウェル領域131の抵抗成分Rpを増大させることで、ウェル領域131でゲート電極103に対向している箇所において、ソースコンタクト16の抵抗を大きくすることができ、高周波数領域でドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態4>
図18は、本開示に係る実施の形態4のn型炭化珪素MOSFET400の構成を模式的に示す平面図である。
図18に示すn型炭化珪素MOSFET400においては、ウェル領域13の幅、すなわち、ウェル領域3およびウェル領域13の配列方向(x方向)のウェル領域13の長さが、ウェル領域3の幅よりも小さく形成されている。
ウェル領域13の幅は、ウェル領域3の幅よりも少しでも小さくすればよく、数%~10%程度小さくするだけでも効果が得られる。
ウェル領域13の幅を小さくすることで、ウェル領域13の抵抗成分Rpを増大させることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態5>
図19は、本開示に係る実施の形態5のn型炭化珪素MOSFET500の構成を模式的に示す平面図である。
図19に示すn型炭化珪素MOSFET500においては、ウェルコンタクト領域5をソース領域4内でウェル領域3の延在方向(y方向)に不連続に形成することで、ウェルコンタクト領域5とソース領域4とがウェル領域3の延在方向に互い違いに存在する構成となっている。また、ウェルコンタクト領域15をウェル領域13の延在方向(y方向)に不連続に形成し、かつ、ウェルコンタクト領域15の領域間隔L1を、ウェルコンタクト領域5の領域間隔L2よりも長く設定している。
このような構成を採ることで、変位電流がウェル領域13からウェルコンタクト領域15を介してソース電極101に流入する経路長が、ウェル領域3からウェルコンタクト領域5を介してソース電極101に流入する経路長よりも長く形成される。
図20は、変位電流の経路を模式的に示した図であり、ウェル領域13からウェルコンタクト領域15を介してソース電極101に流入する変位電流の経路CP1およびウェル領域3からウェルコンタクト領域5を介してソース電極101に流入する変位電流の経路CP2を示している。
ウェルコンタクト領域15の領域間隔L1を、ウェルコンタクト領域5の領域間隔L2よりも長くすることで、経路CP1が経路CP2よりも長くなり、ウェル領域13の抵抗成分Rpを増大させることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態6>
図21は、本開示に係る実施の形態6のn型炭化珪素MOSFET600の構成を模式的に示す断面図であり、図1に示したB-B線での矢示方向断面図に相当する断面図である。なお、図21では、ウェルコンタクト領域15を便宜的に省略しているが、ウェルコンタクト領域15の有無は本実施の形態の効果に影響を及ぼさない。
図21に示すn型炭化珪素MOSFET600においては、ウェル領域132の断面形状がドレイン電極102側に部分的に突出した凸形状を有している。
このような構成を採ることで、ウェル領域13とドリフト層2とのpn接合界面の面積を大きくすることができるので、ドレイン-ウェル間容量Cdpを大きくすることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態7>
図22は、本開示に係る実施の形態7のn型炭化珪素MOSFET700の構成を模式的に示す断面図であり、図1に示したB-B線での矢示方向断面図に相当する断面図である。なお、図22では、ウェルコンタクト領域15を便宜的に省略しているが、ウェルコンタクト領域15の有無は本実施の形態の効果に影響を及ぼさない。
図22に示すn型炭化珪素MOSFET700においては、ウェル領域13の直下にn型不純物を比較的高濃度に有する不純物領域12(第3不純物領域)が設けられている。不純物領域12の不純物濃度は、ウェル領域13のp型不純物の不純物濃度よりも低くすることが好適である。これは、不純物領域12とウェル領域13とで形成されるpn接合による空乏層を、より不純物領域12側に延伸させるためである。
また、不純物領域12の不純物濃度は、ドリフト層2のn型不純物の不純物濃度よりも高くする。これにより、ドレイン-ウェル間容量Cdpを大きくすることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<変形例>
図23は、実施の形態7の変形例のn型炭化珪素MOSFET701の構成を模式的に示す断面図である。図23に示すn型炭化珪素MOSFET701においては、不純物領域12がウェル領域13の直下だけでなく、ドリフト層2の上層部に設けられた各不純物領域間および各不純物領域の直下にも及ぶように設けられている。
この場合、不純物領域12の不純物濃度は、ウェル領域3の不純物濃度よりも低くすることが好適である。これは、不純物領域12とウェル領域3とで形成されるpn接合による空乏層を、より不純物領域12側に延伸させるためである。
これによりドレイン-ウェル間容量Cdpを大きくすることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態8>
図24は、本開示に係る実施の形態8のn型炭化珪素MOSFET800の構成を模式的に示す断面図であり、図1に示したB-B線での矢示方向断面図に相当する断面図である。なお、図24では、ウェルコンタクト領域15を便宜的に省略しているが、ウェルコンタクト領域15の有無は本実施の形態の効果に影響を及ぼさない。
図24に示すn型炭化珪素MOSFET800においては、ウェル領域13に隣り合う左右のウェル領域3の端縁部間を跨ぐようにドリフト層2上にゲート絶縁膜7が形成され、ゲート絶縁膜7上にはゲート電極103が設けられている。ゲート電極103は、ドリフト層2、ウェル領域3、ウェル領域13、ウェルコンタクト領域15およびソース領域4の端縁部上方に設けられているが、ドリフト層2の上方に設けられたゲート電極103は、図24に示されるように、ウェル領域3の上方に延在する部分1031(第1部分)と、ウェル領域13の上方に延在する部分1032(第2部分)とを有し、部分1031と部分1032とは分離されている。
このような構成を採ることで、ゲート-ドレイン間容量Cgdに対するゲート-ウェル間容量の割合を大きくすることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
<実施の形態9>
図25は、本開示に係る実施の形態9のn型炭化珪素MOSFET900の構成を模式的に示す平面図である。
図25に示すn型炭化珪素MOSFET900においては、トランジスタ領域を構成するウェル領域3とダミー領域を構成するウェル領域13の平面視での単位面積当たりの形成比率を、図1に示した1対1ではなく、2対1としている。すなわち、互いに隣り合うように形成された2本のウェル領域3と、互いに隣り合うように形成された2本のウェル領域3との間に1本のウェル領域13が形成された構成となっている。
このような構成を採ることで、トランジスタ領域を増やしてMOSFETとしての機能を高めることができると共に、ダミー領域を形成することで、スイッチング損失の増大を抑制し、電磁ノイズを低減する効果も得られる。
また、図25においては、ウェル領域3とウェル領域13との単位面積当たりの形成比率を2対1としたが、形成比率は任意に設定することができ、トランジスタ領域とダミー領域の単位面積当たりの形成比率を任意に設計することができる。このため、スイッチング損失低減の効果と電磁ノイズ低減の効果を任意に設定することがきる。また、ダミー領域の割合を増やせば、電磁ノイズを低減する効果をさらに高めることができる。
なお、ウェル領域3とウェル領域13との単位面積当たりの形成比率を任意に設定することは、実施の形態2~8の、n型炭化珪素MOSFET200~800の何れに適用することもできる。
<実施の形態10>
図26は、本開示に係る実施の形態10のn型炭化珪素MOSFET1000の構成を模式的に示す平面図である。
図26に示すn型炭化珪素MOSFET1000においては、ソース領域4がウェル領域3の延在方向(y方向)に不連続に形成されている。
このような構成を採ることで、MOSFETのオン特性と、電圧耐量のトレードオフ関係を任意に設定できる。すなわち、ソース領域4を形成しない部分を設けることで、電圧耐量を向上させることができ、ソース領域4を形成する部分を設けることでMOSFETのオン特性を高めることができるので、ソース領域4を形成しない部分とソース領域4を形成する部分との比率を調整することで、MOSFETのオン特性と、電圧耐量のトレードオフ関係を任意に設定できる。
<コンタクト抵抗による特性の改善>
実施の形態1~10においては、ウェルコンタクト領域5およびウェルコンタクト領域15のp型不純物の不純物濃度は同じとしたが、この場合、コンタクト抵抗率(Ωcm)も同じとなるので、例えば図1に示したように、ソースコンタクト16の開口面積をソースコンタクト6の開口面積よりも小さくすることで、ウェルコンタクト領域15のコンタクト抵抗が、ウェルコンタクト領域5のコンタクト抵抗よりも大きくすることができる。
このため、ウェルコンタクト領域15に対するコンタクト抵抗ρd(図4)を増大させることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
なお、ウェル領域13に生じた変位電流が、ソース電極101に流れるか、ゲート電極103に流れるかは、先に説明したように抵抗成分と容量成分のインピーダンスの相対的な大小関係で決まる。すなわち、コンタクト抵抗ρdを増大させることは、実施の形態1においてウェル領域13の抵抗成分Rpを増大させることと同様の効果を持つ。
<コンタクト抵抗率による特性の改善>
実施の形態1~10においては、ウェルコンタクト領域5およびウェルコンタクト領域15のp型不純物の不純物濃度は同じとし、コンタクト抵抗率(Ωcm)も同じとしたが、ウェルコンタクト領域15に対するソースコンタクト16のコンタクト抵抗率を、ウェルコンタクト領域5に対するソースコンタクト6のコンタクト抵抗率よりも大きく形成することもできる。
例えば、ウェルコンタクト領域15のp型不純物の最表面の不純物濃度を、ウェルコンタクト領域5のp型不純物の最表面の不純物濃度よりも小さくすることで実現可能である。このためには、例えば、同じ注入エネルギーでウェルコンタクト領域15へのドーズ量を少なくする方法が挙げられる。
または、ソースコンタクト16の開口時のオーバーエッチ量を、ソースコンタクト6の開口時のオーバーエッチ量と異なる量とし、ウェルコンタクト領域15とウェルコンタクト領域5の最表面の高さ位置を変えることで、ウェルコンタクト領域15の最表面の不純物濃度を、ウェルコンタクト領域5の最表面の不純物濃度よりも小さくすることで実現可能である。すなわち、ウェルコンタクト領域15およびウェルコンタクト領域5への不純物導入に際しては、同じ注入エネルギーで、同じドーズ量とする。不純物領域の表面近傍では不純物濃度が低い可能性がある。そこで、ソースコンタクト16の開口時のオーバーエッチ量がソースコンタクト6の開口時のオーバーエッチ量よりも小さくすることで、ウェルコンタクト領域15の最表面の不純物濃度をウェルコンタクト領域5の最表面の不純物濃度よりも小さくすることができる。
これにより、ウェルコンタクト領域15のコンタクト抵抗ρdを増大させることができ、高周波数領域でのドレイン電極102とゲート電極103との容量結合をより増大させることができ、電磁ノイズを低減する効果を高めることができる。
ここで、炭化珪素半導体で構成されるスイッチング素子は、電力損失が小さく、耐熱性も高い。そのため、冷却部を備えるパワーモジュールを構成する場合、ヒートシンクの放熱フィンを小型化することが可能であるため、半導体モジュールの一層の小型化が可能となる。
また、炭化珪素半導体で構成されるスイッチング素子は、高周波スイッチング動作に適している。そのため、高周波化の要求が大きいコンバータ回路に適用された場合、スイッチング周波数の高周波化によって、コンバータ回路に接続されるリアクトルまたはコンデンサなどを小型化することもできる。
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (15)

  1. 炭化珪素基板の厚み方向に主電流が流れる炭化珪素半導体装置であって、
    前記炭化珪素基板の第1の主面上に設けられた、第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の上層部に設けられ、第1の方向に延在するストライプ状の第2導電型の第1ウェル領域と、
    前記第1ウェル領域の上層部に設けられた第1導電型の第1不純物領域と、
    前記第1ウェル領域の上層部に設けられ、側面において前記第1不純物領域に接合する第2導電型の少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域と、
    前記第1不純物領域および前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域に電気的に接続され、前記半導体層の上方に設けられた第1主電極に電気的に接続される第1コンタクトと、
    前記第1ウェル領域とは、前記第1の方向とは直交する第2の方向に離間して設けられ、前記第1の方向に延在し、内部には第1導電型の不純物領域を有さないストライプ状の第2導電型の第2ウェル領域と、
    前記第2ウェル領域の上層部に設けられた、第2導電型の少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域と、
    前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域に電気的に接続され、前記半導体層の上方に設けられた前記第1主電極に電気的に接続される第2コンタクトと、
    前記炭化珪素基板の前記第1の主面とは反対側の第2の主面上に設けられた第2主電極と、を備え、
    前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域とが隣り合う領域では、
    前記第1不純物領域の端縁部上、前記第1ウェル領域上、前記半導体層上、前記第2ウェル領域の端縁部上に設けられたゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる、炭化珪素半導体装置。
  2. 炭化珪素基板の厚み方向に主電流が流れる炭化珪素半導体装置であって、
    前記炭化珪素基板の第1の主面上に設けられた、第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の上層部に設けられ、第1の方向に延在するストライプ状の第2導電型の第1ウェル領域と、
    前記第1ウェル領域の上層部に設けられた第1導電型の第1不純物領域と、
    前記第1ウェル領域の上層部に設けられ、側面において前記第1不純物領域に接合する第2導電型の少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域と、
    前記第1不純物領域および前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域に電気的に接続され、前記半導体層の上方に設けられた第1主電極に電気的に接続される第1コンタクトと、
    前記第1ウェル領域とは、前記第1の方向とは直交する第2の方向に離間して設けられ、前記第1の方向に延在するストライプ状の第2導電型の第2ウェル領域と、
    前記第2ウェル領域の上層部に設けられた、第2導電型の少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域と、
    前記第2ウェル領域の上層部に設けられ、前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域の側面に接合し、平面視での面積が前記第1不純物領域よりも小さい第1導電型の第2不純物領域と、
    前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域に電気的に接続され、前記半導体層の上方に設けられた前記第1主電極に電気的に接続される第2コンタクトと、
    前記炭化珪素基板の前記第1の主面とは反対側の第2の主面上に設けられた第2主電極と、を備え、
    前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域とが隣り合う領域では、
    前記第1不純物領域の端縁部上、前記第1ウェル領域上、前記半導体層上、前記第2ウェル領域の端縁部上に設けられたゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる、炭化珪素半導体装置。
  3. 前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域は、
    前記第2ウェル領域上において、前記第2コンタクトが設けられない部分には設けられない、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記第2ウェル領域は、
    前記第1ウェル領域よりも不純物濃度が小さい、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 前記第2ウェル領域の前記第2の方向の長さは、前記第1ウェル領域の前記第2の方向の長さよりも小さい、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域および前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域は、それぞれ前記第1の方向に離間して複数形成され、
    隣接する第2ウェルコンタクト領域間隔は、隣接する第1ウェルコンタクト領域間隔よりも長い、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 前記第2ウェル領域は、
    断面形状が前記第2主電極の側に部分的に突出した凸形状を有する、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 少なくとも前記第2ウェル領域の直下に設けられ、前記半導体層よりも不純物濃度が高く、前記第2ウェル領域よりも不純物濃度が低い、第1導電型の第3不純物領域をさらに備える、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  9. 前記ゲート電極は、
    前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域とが隣り合い、かつ前記第2コンタクトが設けられていない領域では、前記半導体層上から前記第1ウェル領域および前記第1不純物領域の前記端縁部にかけて延在する第1部分と、前記半導体層上から前記第2ウェル領域にかけて延在する第2部分とに分離して形成される、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  10. 前記第1ウェル領域および前記第2ウェル領域の平面視での単位面積当たりの形成比率が異なった比率に設定される、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  11. 前記第1不純物領域は、
    前記第1の方向において不連続に形成される、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  12. 前記第2コンタクトの前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域に対するコンタクト抵抗は、前記第1コンタクトの前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域に対するコンタクト抵抗よりも大きい、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  13. 前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域の不純物濃度は、前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域の不純物濃度よりも低い、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  14. 前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域の最表面の高さ位置と、前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域の最表面の高さ位置とが異なる、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
  15. 前記少なくとも1つの第1ウェルコンタクト領域は、前記第1の方向に沿ってストライプ状に設けられ、
    前記少なくとも1つの第2ウェルコンタクト領域は、局所的に設けられる、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体装置。
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