JP7391533B2 - 溶接用Ni基合金および溶加材 - Google Patents
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質量%で、C:0.01~0.15、Cr:15~25、Co:9~15、Mo:8~12、Al:0.3~1.8、Ti:0.5~3、Ta:0.05~1.5、Nb:0.4以下、Si:0.01~0.5、Mn:0.5以下、N:0.02以下、REM:0.002~0.03、P:0.03以下、S:0.015以下、を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなる。
Cは、強化相であるM23C6型炭化物の構成元素として有用であり、ピーニング効果によって結晶粒粗大化の抑制効果がある。また、Ti、Nb、REM(Ce、La、Nd)との炭化物を形成し、溶接凝固中の固相線温度を上昇させる効果があり、高温割れの抑制効果がある。Cの含有率が0.01%未満の場合には、炭化物の十分な析出量を確保することができないため、上記した効果を発揮できない。一方、Cの含有率が0.15%を超えると、製造性が低下する。そのため、Cの含有率を0.01~0.15%とした。また、Cの含有率を0.01~0.06%とすることがより好ましい。
Crは、Ni基合金の耐酸化性、耐食性および機械的強度を高めるのに不可欠な元素である。Crの含有率が15%未満の場合には、耐酸化性が低下する。一方、Crの含有率が25%を超えると、有害相であるσ相の析出により機械的強度が低下する。そのため、Crの含有率を15~25%とした。また、Crの含有率を15~21%とすることがより好ましい。
Coは、Ni母相内に固溶して、母相の機械的強度を向上させる固溶強化元素である。Coの含有率が9%未満の場合には、機械的強度が低下する。一方、Coの含有率が15%を超えると、熱間加工性が低下する。そのため、Coの含有率を9~15%とした。また、Coの含有率を9~13%とすることがより好ましい。
Moは、Ni母相中に固溶して、母相の機械的強度を向上させる固溶強化元素である。Moの含有率が8%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Moの含有率が12%を超えると、σ相析出により機械的強度を低下させる。そのため、Moの含有率を8~12%とした。また、Moの含有率を8~10%とすることがより好ましい。
Alは、Niとともにγ’(Ni3Al)相を生成し、析出によるNi基合金の機械的強度を向上させる。Alの含有率が0.3%未満の場合には、Ni母相中に完全に固溶するため、γ’(Ni3Al)相による効果が得られない。一方、Alの含有率が1.8%を超えると、σ相析出が助長され、機械的強度を低下させる。さらに、γ’(Ni3Al)相の生成によって固溶温度が上昇し、熱間加工性が低下する。そのため、Alの含有率を0.3~1.8%とした。また、Alの含有率を0.9~1.7%とすることがより好ましい。
Tiは、γ’(Ni3Al)相中のAlと置換して(Ni3(Al,Ti))となり、γ’相の固溶強化に役立つ元素である。Tiの含有率が0.5%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Tiの含有率が3%を超えると、σ相析出が引き起こされ、熱間加工性が低下する。そのため、Tiの含有率を0.5~3%とした。Tiの含有率を0.5~2%とすることがより好ましい。
Taは、γ’(Ni3(Al,Ti))相に固溶して、γ’相を強化し、γ’相の安定化を図ることができる。Taの含有率が0.05%未満の場合には、上記した効果が発揮されない。一方、Taの含有率が1.5%を超えると、溶接性および熱間加工性が低下する。そのため、Taの含有率を0.05~1.5%とした。また、Taの含有率を0.05~0.1%とすることがより好ましい。
Nbは、Taと同様に、γ’(Ni3(Al,Ti))相に固容して、γ’相を強化し、安定化させる。Nbの含有率が0.4%を超えると、液化割れ感受性が高まる。そのため、Nbの含有率を0.4%以下とした。また、Nbの含有率を0.2~0.3%とすることがより好ましい。ここで、Nbの上記効果を得るために、Nbは、少なくとも0.2%以上含有される。
Siは、湯流れを向上させる効果がある。Siの含有率が0.01%未満の場合には、この効果が得られない。一方、Siの含有率が0.5%を超えると、溶接性を低下させる。そのため、Siの含有率を0.01~0.5%とした。また、Siの含有率を0.01~0.25%とすることがより好ましい。
Mnは、脆性に起因するS(硫黄)とMnSとなり、脆性を防止し、湯流れを向上させる効果がある。一方、Mnの含有率が0.5%を超えると、溶接性を低下させる。そのため、Mnの含有率を0.5%以下とした。また、Mnの含有率を0.15~0.4%とすることがより好ましい。ここで、Mnの上記効果を得るために、Mnは、少なくとも0.1%以上含有される。
Nは溶融金属の凝固過程において(Ti、Nb)(N、C)の複合化合物の生成を促す。その結果、凝固中の相形成およびその形成順序に影響を与える。このため、凝固温度域の拡大を引き起こし、凝固割れ感受性を増大させる。これを抑制するため、0.02%以下とした。さらに望ましいのは0.01%以下である。
REMはSc、Yおよびランタノイド(原子番号57~71)の総称である。REMはミッシュメタルと呼ばれる複数種類のREMの混合物として添加してもよいし、分離された1種又は2種以上の元素で添加してもよい。なお含有量としては0.002~0.03%が望ましい。Ce、La、NdをはじめとするREMは金属組織中の粒内においてP,Sと共に微細生成相を生じることによりP,Sの粒界偏析を抑制し、粒界結合力を向上させる。また、溶接時の凝固中に化合物を形成することにより固相線温度をあげる効果がある。そのためCe、La、NdをはじめとするREMは溶接部の凝固割れ感受性を低減させるのに有用な元素でありその含有量としては0.002%以上が望ましい。一方REMを過剰に添加した場合、上記効果が飽和してしまうことに加えて、低融点の金属間化合物であるREM-Ni金属間化合物が形成され粒界の結合力低下を招き高温割れ感受性が増大する。そのため0.03%以下とした。
P、Sは、実施形態における溶接用Ni基合金においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。また、これらの不可避的不純物のうち、少なくとも、Pは0.03%以下、およびSは0.015%以下に抑制されることが好ましい。
PおよびSは、融点を降下させるとともに、Niと低融点の共晶を形成するため、割れ感受性が高まる。そのため、Pの含有率を0.03%以下およびSの含有率を0.015%以下とし、可能な限りそれぞれの残存含有率を0%に近づけることがさらに望ましい。なお、PやSの含有率が上記範囲を超える場合には、脱リン処理や脱硫処理を施し、上記範囲内の含有率とする。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.01~0.15、Cr:15~25、Co:9~15、Mo:8~12、Al:0.3~1.8、Ti:0.5~3、Ta:0.05~1.5、Nb:0.4以下、Si:0.01~0.5、Mn:0.5以下、N:0.02以下、REM:0.002~0.03、P:0.03以下、S:0.015以下を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接用Ni基合金。
- 請求項1記載の溶接用Ni基合金であって、
前記REMは、少なくともCeを含む
ことを特徴とする溶接用Ni基合金。 - 請求項1又は2に記載の溶接用Ni基合金を用いて作製されたことを特徴とする溶加材。
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