JP7188899B2 - セルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Description
0≦Mn+1.8Ni+8.7Li-Al≦2.0 (1)
本実施形態のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ(以下、本実施形態のワイヤともいう)は、鋼製外皮内にフラックスを充填させてなるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対して、質量%で、C:0.03~0.60%、Si:0.01~0.50%、Mn:0.6~3.0%、Al:1.5~3.5%、Mg:0.7~2.5%、Ni:0.2~1.0%、S:0.015%以下、Li:0.05~0.50%、Zr:0.20%以下、Ti:0.15%以下、及びアルカリ金属およびアルカリ土類金属を含有し、かつ、下記式(1)の関係を満足する。
0≦Mn+1.8Ni+8.7Li-Al≦2.0 (1)
Cの添加目的は、(1)溶接金属の強度を確保すること、(2)溶接金属に適正な焼入れ性を持たせて、粗大なフェライトの形成を抑制することなどである。ただし、C含有量が、ワイヤ全質量あたり0.03質量%未満の場合、これらの目的は十分に達成できない。そのため、本実施形態のワイヤでは、C含有量を0.03質量%以上とし、好ましくは0.10質量%以上とする。一方、C含有量が、ワイヤ全質量あたり0.60質量%を超えると、溶接金属中に歩留まるC量が多くなり過ぎて、硬い組織が形成され、靱性および曲げ性能が劣化する。そのため、本実施形態のワイヤでは、C含有量を0.60質量%以下とし、好ましくは0.50質量%以下とする。
Siを多量に添加すると、溶接金属は硬化して、靱性が劣化する。したがって、本実施形態のワイヤでは、Si含有量を0.50質量%以下とし、好ましくは0.40質量%以下とする。一方、Si含有量が少なすぎるとビードのなじみが劣化するため、本実施形態のワイヤでは、Si含有量を0.01質量%以上とし、好ましくは0.10質量%以上とする。ここで、Siはワイヤ中に含まれるSi元素の合計量を意味し、Si単体、合金中のSi、及び酸化物Siに含まれるSiの合計である。
Mnは、溶接金属の靱性および曲げ性能の確保の目的で添加される。Mnはオーステナイト安定化元素であり、フェライト組織の粗大化を抑制する効果がある。しかしながら、Mn含有量がワイヤ全質量あたり0.6質量%未満の場合、フェライトの粗大化を抑制する効果が過小である。そのため、本実施形態のワイヤでは、Mn含有量を0.6質量%以上とし、好ましくは0.9質量%以上とする。一方、3.0質量%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靱性の劣化を起こすおそれがある。そのため、本実施形態のワイヤでは、Mn含有量を3.0質量%以下とし、好ましくは2.5質量%以下とする。ここで、Mnはワイヤ中に含まれるMn元素の合計量を意味している。
Niは、Mnと同様にオーステナイト安定化元素であり、フェライト組織の粗大化を抑制する効果がある。しかしながら、Ni含有量がワイヤ全質量あたり0.2質量%未満の場合、フェライトの粗大化を抑制する効果が過小で、溶接金属の靱性および曲げ性能が不十分となる。そのため、本実施形態のワイヤでは、Ni含有量を0.2質量%以上とし、好ましくは0.3質量%以上とする。一方、Niは高価であり、Ni含有量が1.0質量%を超えると、ワイヤのコストが必要以上に上昇する。また、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靱性の劣化を起こすおそれがある。そのため、本実施形態のワイヤでは、Ni含有量を1.0質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下とする。ここで、Niはワイヤ中に含まれるNi元素の合計量を意味している。
Sは溶接金属の靱性および曲げ性能に対して有害な元素である。したがって、本実施形態のワイヤでは、S含有量を0.015質量%以下とし、好ましくは0.012質量%以下とする。
Liは溶接金属に歩留まるAlおよびNを同時に低減できる元素である。そのメカニズムとしては、LiはAlおよびNと化学反応して、Li3AlNを形成してスラグとなり、溶接金属へのAlおよびNの歩留まりを低減させると考えられる。そして、溶接金属に含まれるAlおよびN量が少なくなると、靱性および曲げ性能が向上する。したがって、Liの添加は、溶接金属の靱性および曲げ性能の向上に顕著な効果がある。溶接金属の靱性および曲げ性能の向上の十分な効果を得るため、本実施形態のワイヤでは、Li含有量を0.05質量%以上とし、好ましくは0.10質量%以上とする。一方、Liの添加により靱性は向上するが、Li系化合物は電子放出しやすく、アークが偏向し、アーク不安定を起こしやすくなる。そのため、本実施形態のワイヤでは、Li含有量を0.50質量%以下とし、好ましくは0.30質量%以下とする。なお、Liの添加形態としては、Al-Li系合金、Li-Fe系複合酸化物、Liのフッ化物、Liの炭酸化合物等の、含有されうる全てのLi系合金およびLi系化合物を対象とする。
Alは強脱酸元素であると共に、窒素による気孔の発生を防ぐために不可欠な元素である。ここで、耐気孔性を向上させる手法としては、(1)大気から溶接金属に侵入した窒素を窒化物として固定して、気孔の発生を防止する手法、及び(2)ワイヤ成分を高温で蒸気化し、或いは、気体に分解して、その蒸気または気体でワイヤ先端の溶けている溶滴をシールドすることで、気孔の発生を防止する手法が挙げられる。一般的に、上記(1)の手法は溶接作業性に対しては大きく影響しないが、靱性および曲げ性能を劣化させる。一方、上記(2)の手法は靱性および曲げ性能に対しては大きく影響しないが、溶接作業性を劣化させる。そして、Alによる耐気孔性の向上は、上記(1)の手法に該当する。
本実施形態においては、溶接作業性、耐気孔性、靱性および曲げ性能のバランスを考慮し、上記(1)及び(2)の手法を併用して、Al含有量を最適な範囲に調整している。すなわち、Al含有量が1.5質量%未満の場合、脱酸および窒素固定効果が不十分であり、気孔が発生することがある。そのため、本実施形態のワイヤでは、Al含有量を1.5質量%以上とし、好ましくは1.7質量%以上とする。一方、Al含有量が3.5質量%を超えると、溶接金属中に固溶されるAl量が過多となり、粗大なフェライト組織が形成され、靱性および曲げ性能が劣化する。そのため、本実施形態のワイヤでは、Al含有量を3.5質量%以下とし、好ましくは3.0質量%以下とし、より好ましくは2.7質量%以下とする。ここで、Alはワイヤ中に含まれるAl元素の合計量を意味している。
Mgは沸点が低いため、溶接時の高温により蒸発し、ワイヤ先端の溶けている溶滴近辺の窒素分圧を下げ、耐気孔性を向上させる効果がある。当該効果を十分に得るため、本実施形態のワイヤでは、Mg含有量を0.7質量%以上、好ましくは0.9質量%以上とする。一方、Mg含有量が2.5質量%を超えると、溶滴が暴れて、スパッタが多く発生する。そのため、本実施形態のワイヤでは、Mg含有量を2.5質量%以下とし、好ましくは2.2質量%以下とする。ここで、Mgはワイヤ中に含まれるMg元素の合計量を意味している。
Zrは、Alと同様に脱酸および窒素固定の効果がある。また、Alの固定しきれなかった窒素を固定し、溶接金属中の固溶窒素を減らして、靱性を向上させる効果がある。ただし、これらの効果は顕著ではないほか、過度に添加すると溶接金属が硬化して、靱性が劣化する傾向がある。そのため、本実施形態のワイヤでは、Zr含有量を0.20質量%以下とし、好ましくは0.10質量%以下とする。
Tiは、Zrと同様に固溶窒素を減らして、靱性を向上させる効果があるが、その効果は顕著ではない。また、過度に添加すると、溶接金属が硬化して、靱性が劣化する傾向がある。そのため、本実施形態のワイヤでは、Ti含有量を0.15質量%以下とする。
本発明の実施形態に係るセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属を含有する。これらアルカリ金属及びアルカリ土類金属は、フラックス中に含有されるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩や、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のフッ化物などに由来するものであり、それらについての詳細は、後述する。
上述したように、オーステナイト安定化元素であるMnおよびNiの含有量と、溶接金属へのAlおよびNの歩留まりを抑制する元素であるLiの含有量を適正に規定することは、溶接金属の靱性および曲げ性能の向上に有利である。これらの含有量が過小の場合、溶接金属の靱性および曲げ性能の向上効果が不十分である。一方で、これらの含有量が過多であると、溶接金属の靱性が劣化したり、ワイヤの製造コストの大幅な上昇を招くことがある。一方、Alは、靱性および曲げ性能に対して有益な元素ではないが、耐気孔性のために必須の元素である。耐気孔性と靱性および曲げ性能を兼ね備えると共に、ワイヤの製造コストを抑えるためには、これらの元素のバランスを最適にすることが必要である。
Mn+1.8Ni+8.7Li-Alは、このバランスを表すパラメータとして、多くの試験結果から見出された経験式である。ここで、当該パラメータ中のMn、Ni、LiおよびAlは、それぞれ、ワイヤ全質量あたりのMn含有量(質量%)、Ni含有量(質量%)、Li含有量(質量%)およびAl含有量(質量%)を表す。
Mn+1.8Ni+8.7Li-Alが0未満の場合、靱性および曲げ性能は不十分である。したがって、本実施形態のワイヤでは、Mn+1.8Ni+8.7Li-Alは0以上であり、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.4以上である。一方、Mn+1.8Ni+8.7Li-Alが2.0を超えると、溶接金属の硬化により靱性が劣化したり、ワイヤの製造コストの大幅な上昇を招くことがある。したがって、本実施形態のワイヤでは、Mn+1.8Ni+8.7Li-Alは2.0以下であり、好ましくは1.7以下であり、より好ましくは1.2以下である。
本実施形態のフラックス入りワイヤの残部は、Fe及び不可避的不純物である。
残部のFeは、外皮を構成するFe、フラックスに添付されている鉄粉、合金粉のFeが相当する。本実施形態のフラックス入りワイヤは、Feをたとえば75質量%以上含有し、好ましくは80質量%以上含有する。
なお、Feの上限は特に限定されないが、他の成分組成との関係から、たとえば95質量%以下とする。
残部の不可避的不純物とは、前記成分以外の成分(Cr、Mo、Nb、V、Cu、W、P、N等)や、後述する成分であって選択的に添加する成分等が不可避的に含まれるものなども該当し、本発明の効果を妨げない範囲で含有することが許容される。
Caはアーク安定剤として作用するため、適正量添加することによりアーク安定性が向上し、溶接作業性を向上させる効果があるため、添加してもよい。これら効果を良好に得るためには、Caは1.0質量%以上添加することが好ましく、2.0質量%以上添加することがより好ましい。一方、Caが5.0質量%よりも多く含有されている場合、溶滴移行が不安定となり、スパッタ発生量が増加するおそれがあるため、Ca量は5.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以下とすることがより好ましい。
<O:0.5~3.0質量%>
FおよびOはフッ化物や炭酸塩、酸化物およびこれらの複合化合物として含有される。Fはアーク中のHと反応し、溶接金属中の拡散性水素量を低減する効果があるため、1.0質量%以上添加することが好ましい。一方、Fを多量に添加した場合、吸湿特性が低下し、拡散性水素量が増加してしまうおそれがあるため、5.0質量%以下とすることが好ましい。また、Oについては溶接スラグの発生を促すため、立向溶接等の作業性を向上させるためには、0.5質量%以上添加されていることが好ましい。一方、Oを多量に添加した場合は、溶接スラグ量が多くなりすぎてしまい、スラグ巻き込み等の欠陥が発生しやすくなるため、3.0質量%以下とすることが好ましい。
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩は溶接中にCOやCO2に分解され、またアルカリ金属及びアルカリ土類金属のフッ化物は溶接中にフッ素に分解され、溶滴近辺の窒素分圧を下げて、耐気孔性を向上させる効果がある。しかしながら、フラックス中における(フラックス全質量あたりの、すなわちフラックス全体:100質量%に対する)これらの合計の含有量が20質量%未満の場合には、この効果は顕著ではないため、含有させる場合には20質量%以上含有させることが好ましく、27質量%以上含有させることがより好ましい。一方、これらの合計の含有量が60質量%を超えると、スパッタおよびヒュームが多く発生して、溶接作業性が悪化するおそれがある。そのため、これらの合計の含有量は60質量%以下とすることが好ましく、50質量%以下とすることがより好ましい。ここで、アルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、K、Na、Ca、Mg、Ba、Sr等が挙げられる。炭酸塩としては、Ca系(例えば、CaCO3)、Mg系(例えば、MgCO3)、Ba系(例えば、BaCO3)、Sr系(例えば、SrCO3)等の炭酸化合物が例示される。また、炭酸塩としては1種単独であってもよく、あるいは、2種以上であってもよい。フッ化物としては、Ca系(例えば、CaF2)、Ba系(例えば、BaF2)、Sr系(例えば、SrF2)等のフッ化物が例示される。また、フッ化物としては1種単独であってもよく、あるいは、2種以上であってもよい。
また、フラックス中における(フラックス全質量あたりの、すなわちフラックス全体:100質量%に対する)AlとMgとの合計の含有量は、15~30質量%とすることが好ましい。フラックス中におけるAlとMgとの合計の含有量が15質量%以上であれば、AlおよびMgはフープ(鋼製外皮)内で溶融することにより、フラックス中に電流を供給し、ジュール発熱することにより炭酸塩やフッ化物の反応を促進させ、耐気孔性を向上させることができる。一方、30質量%を超えて多量に添加しすぎた場合、炭酸塩およびフッ化物が過剰に反応し、ワイヤ中に空洞が生じてしまい、溶接ワイヤの溶融不安定化が懸念される。フラックス中におけるAlとMgとの合計の含有量は17質量%以上が好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、フラックス中におけるAlとMgとの合計の含有量は25質量%以下が好ましく、23質量%以下がさらに好ましい。
なお、以下において、フラックス中におけるAl及びMgの合計の含有量をXと表す場合がある。
また、単位長さあたりのワイヤの電気抵抗(μΩ/cm)の値と、フープ(構成外皮)の断面積(cm2)の値との積をYとした場合、Yが10~30の範囲となることが好ましい。Yが10以上であれば、フープからフラックスへ電流が流れやすくなり、AlやMgと同様に、炭酸塩やフッ化物の反応を促進するため、耐気孔性を向上させることが出来る。しかし、Yが30を超えると、フラックスへ流れる電流が過剰となり、ワイヤの溶融不安定化が懸念される。
また、上記Yに対する上記Xの比(X/Y)が1.0~2.0であることが好ましい。上述のようにXとYは、いずれも耐気孔性の向上に関連性がある。そして、これらのバランスが上記範囲内である場合、耐気孔性を向上させつつ、良好な溶接作業性とすることが出来る。
本実施形態のフラックス入りワイヤを製造する際は、先ず、鋼製外皮内にフラックスを充填する。その際、外皮には、伸線加工性が良好な軟鋼や低合金鋼を使用することが好ましい。また、フラックスの組成及び充填率は、ワイヤ全体の組成が前述した範囲になるよう外皮の組成や厚さなどに応じて適宜調整することができる。
次に、外皮内にフラックスが充填されたワイヤを伸線することにより縮径し、所定の外径を有するフラックス入りワイヤを得る。
また、フラックス充填率は、ワイヤ中の各成分が本発明の範囲内であれば、任意の値に設定することができるが、ワイヤの伸線性及び溶接時の作業性(送給性など)の観点から、ワイヤ全質量の15~25質量%であることが好ましく、18~22質量%であることがより好ましい。なお、このフラックス充填率は、外皮内に充填されるフラックスの質量を、ワイヤ(外皮+フラックス)の全質量に対する割合で規定したものである。
0≦Mn+1.8Ni+8.7Li-Al≦2.0 (1)
溶接電流:350A
溶接電圧:28V
極性:DCEN
溶接姿勢:下向溶接
シールドガス:なし
パス間温度:135~165℃
入熱:約1.8kJ/mm
ワイヤ直径:2.4mm
ワイヤ突き出し長さ:30mm
その他:JIS G G3106に規定される溶接構造延鋼材(SM490A)からなる板厚20mm、長さ300mmの試験板を母材とした。
一方、C量が少なかったNo.45は、溶接金属の曲げ性能に劣っていた。また、C量が多かったNo.46は、溶接金属のじん性及び曲げ性能に劣っていた。
Si量が多かったNo.47は、溶接金属のじん性に劣っていた。
Mn量が少なかったNo.48は、溶接金属のじん性に劣っていた。また、Mn量が多かったNo.49も、溶接金属のじん性に劣っていた。
Al量が少なかったNo.50は、溶接金属の曲げ性能に劣り、また、曲げ試験時にブローホールが発生した。また、Al量が多かったNo.51は、溶接金属のじん性及び曲げ性能に劣っていた。
Mg量が少なかったNo.52は、溶接金属の曲げ性能に劣り、また、曲げ試験時にブローホールが発生した。また、Mg量が多かったNo.53は、溶接作業性に劣っていた。
Ni量が少なかったNo.54は、溶接金属のじん性及び曲げ性能に劣っていた。また、Ni量が多かったNo.55は、溶接金属のじん性に劣っていた。
S量が多かったNo.56は、溶接金属のじん性及び曲げ性能に劣っていた。
Li量が少なかったNo.57は、溶接金属のじん性及び曲げ性能に劣っていた。また、Li量が多かったNo.58は、溶接作業性に劣っていた。
Zr量が多かったNo.59は、溶接金属のじん性に劣っていた。
Ti量が多かったNo.60は、溶接金属のじん性に劣っていた。
また、式(1)の値が小さかったNo.61は、溶接金属のじん性に劣っていた。式(1)の値が大きかったNo.62も、溶接金属のじん性に劣っていた。
Claims (5)
- 鋼製外皮内にフラックスを充填させてなるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対して、質量%で、
C:0.03~0.60%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.6~3.0%、
Al:1.5~3.5%、
Mg:0.7~2.5%、
Ni:0.2~1.0%、
S:0.015%以下、
Li:0.05~0.50%、
Zr:0.20%以下、
Ti:0.15%以下、
を含有し、
前記フラックス中に、フラックス全質量あたり、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩の1種または2種以上と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のフッ化物の1種または2種以上とが、合計で20~60質量%含有されており、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
かつ、
下記式(1)の関係を満足し、
単位長さあたりの前記ワイヤの電気抵抗(μΩ/cm)の値と、前記鋼製外皮の断面積(cm 2 )の値との積をYとしたときに、
Yが10~30であるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
0≦Mn+1.8Ni+8.7Li-Al≦2.0 (1) - フラックス全質量あたりの前記フラックス中のAlとMgの合計量(質量%)の値をXとし、
単位長さあたりの前記ワイヤの電気抵抗(μΩ/cm)の値と、前記鋼製外皮の断面積(cm2)の値との積をYとしたときに、
X/Yが1.0~2.0である請求項1に記載のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 鋼製外皮内にフラックスを充填させてなるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対して、質量%で、
C:0.03~0.60%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.6~3.0%、
Al:1.5~3.5%、
Mg:0.7~2.5%、
Ni:0.2~1.0%、
S:0.015%以下、
Li:0.05~0.50%、
Zr:0.20%以下、
Ti:0.15%以下、
を含有し、
前記フラックス中に、フラックス全質量あたり、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩の1種または2種以上と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のフッ化物の1種または2種以上とが、合計で20~60質量%含有されており、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
かつ、
下記式(1)の関係を満足し、
フラックス全質量あたりの前記フラックス中のAlとMgの合計量(質量%)の値をXとし、
単位長さあたりの前記ワイヤの電気抵抗(μΩ/cm)の値と、前記鋼製外皮の断面積(cm 2 )の値との積をYとしたときに、
X/Yが1.0~2.0であるセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
0≦Mn+1.8Ni+8.7Li-Al≦2.0 (1) - ワイヤ全質量に対して、質量%で、
Ca:1.0~5.0%、
F:1.0~5.0%、及び
O:0.5~3.0%
からなる群から選択される少なくとも1つを含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - フラックス全質量あたりの前記フラックス中のAlとMgの合計量(質量%)の値をXとしたときに、
Xが15~30である請求項1~4のいずれか1項に記載のセルフシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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