[go: up one dir, main page]

JP7146174B2 - 電解精製における電解液の排液方法 - Google Patents

電解精製における電解液の排液方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7146174B2
JP7146174B2 JP2019021885A JP2019021885A JP7146174B2 JP 7146174 B2 JP7146174 B2 JP 7146174B2 JP 2019021885 A JP2019021885 A JP 2019021885A JP 2019021885 A JP2019021885 A JP 2019021885A JP 7146174 B2 JP7146174 B2 JP 7146174B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic
electrolytic cell
liquid
electrolytic solution
drainage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019021885A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020128579A (ja
Inventor
秀樹 大原
聡 浅野
次郎 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2019021885A priority Critical patent/JP7146174B2/ja
Publication of JP2020128579A publication Critical patent/JP2020128579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7146174B2 publication Critical patent/JP7146174B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Description

本発明は、電解精製における電解液の排液方法に関する。
工業的に実施されている電解精製として、主なものに銅の電解精製が挙げられる。この銅の電解精製では、硫酸銅を主成分とする電解液を装入した電解槽の中に、銅製錬の乾式工程で製造された粗銅からなる陽極板(以下、アノードと称する。)と、銅もしくはステンレスやチタンなどで作られた陰極板(以下、カソードと称する。)を交互に一定間隔で対向するように配置し、一定の値の電流を通電して行われる。
この通電によりアノードは電解液中に銅イオンとして溶出し、カソード上では銅イオンが電析する。同時に、アノードに含有されたニッケルやアンチモンやヒ素などの不純物、金や銀などの貴金属元素等は電解液中に溶出しなかったり、溶出してもカソードに電析しなかったりするので、カソード上には高純度な銅(電気銅)が得られる特徴がある。
しかしながら、このような反応を阻害する要因にアノードの不動態化がある。アノードの不動態化は、アノード表面に硫酸銅の結晶が析出することを主原因として生じる。硫酸銅結晶は非電導性であるため、電流が流れなくなり、製品である高純度な銅(電気銅)の生産を妨げる。
アノード不動態化の主原因である硫酸銅結晶の析出は、アノード表面で溶出した銅イオンがアノード近傍にて硫酸銅の溶解度を超過することにより結晶化することで生じる。通常は、銅と硫酸のイオン濃度が硫酸銅の溶解度を超過しない条件で生産(精製)を行うが、近年の銅需要の高まりにより、より短時間に大量の銅を生産するよう求められている。
ここで銅の生産量、すなわち電析量は、「通電時間×通電する電極面積×(単位面積あたりの)電流密度」という関係で表される。通電時間は常時通電に近いため延長の余地が小さく、電極の面積は、設備の更新を伴うことなく変更することが難しい。そのため、電流密度を上昇させる取り組みがなされている。
しかし、電流密度を上昇させると、銅の溶解速度が増加するため、アノードが不動態化する問題が生じた。
一方、一般的な電解槽内の銅イオン濃度は均一ではなく、濃度勾配を持つ。特許文献1に見られるように、電解槽内の下部では銅イオン濃度が高く、電解槽内の上部では銅イオン濃度が低い。このため、アノードの不動態化は電極の上部よりも電極の下部で発生しやすい。
このような背景から、以前より、電解槽内の銅イオン濃度を均一化する取り組みがなされてきた。
特許文献2や特許文献3に見られるような手法は、電解槽内に撹拌羽根を浸漬し、専用のモーター等で槽内の液を撹拌し、銅イオン濃度を均一化するものであるが、装置が非常に煩雑になることから、大規模な生産には不向きであった。
また、特許文献4に見られるような手法は、電解槽の上部から給液し、電解槽の下部から排液するものであるが、電解槽内の上部で銅イオン濃度が低くなってしまい、カソードの表面性状が悪化するという問題があった。銅イオン濃度は低い場合も問題があるため、槽内で均一化するのが重要である。
さらに、特許文献4には次のような手法も見られる。電解槽の上部および下部から給液し、電解槽の上部から排液するものであるが、こちらは一般的な電解槽と同様に電解槽内の下部で銅イオン濃度が高くなり、銅イオン濃度均一化の効果はわずかなものであった。
また、特許文献5~7に見られるような手法は、一つ一つの給液もしくは排液口径が小さくなることで、難溶性物質の付着により短期間に閉塞してしまう、もしくは想定した流量が維持できない問題があった。その閉塞を解消する対策として清掃作業が有効であるものの、清掃作業を行う前には電解槽から強酸性等の人体に有害な電解液を抜き出して閉塞した配管を露出させる必要がある。そのため、清掃作業の間や電解液を抜き出す作業の間は生産を停止することになるので、速やかに作業を終えることが求められるが、閉塞している配管を利用した電解液の抜き出しは容易ではなく、速やかに抜き出すことが難しかった。
特公昭60-45127号公報 特開2017-048438号公報 特許3952766号公報 特許6065706号公報 特開2002-105684号公報 特許4342522号公報 特開昭52-33824号公報
本発明は、粗銅を高電流密度で電解精製して電気銅を得るのに際して、電解槽内の電解液における銅イオン濃度を均一化し、アノードの不動態化を抑制可能とし、さらに整備が容易で、且つ簡素化した設備で良好な生産効率を維持する電解液の電解槽からの排液方法を提供するものである。
通常、銅の電解精製を行う際に発生するアノードの不動態化は、アノード表面で溶出した銅イオンがアノード近傍で硫酸銅の溶解度に達することで非電導性の硫酸銅結晶皮膜が生成することにより生じ、一般的な銅の電解精製手法では、電解槽内の下部で銅イオン濃度が高くなるため、アノードの不動態化は電極の下部で優先的に発生しやすい。
このように、電極の下部で不動態化が発生すると、電極の上部に電流が集中するため、電極上部での電流密度、そして溶出速度が上昇し、電極の上部でも不動態化が発生しやすくなる。
アノードの不動態化は、このように連鎖的に進行するため、発生源となる電極下部での不動態化を抑制することが肝要であり、アノードの不動態化を抑制するためには、電解液中の銅イオン濃度を均一化することが重要である。
そこで、本発明者らは、電解液の排液方法を変更することで、電解槽内の電解液濃度を均一化可能なことを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の第1の発明は、金属の電解精製を行なう電解槽からの電解液の排液方法であって、前記電解槽の上方から前記電解槽に貯留されている電解液中に、一端側を吸引口として浸漬し、他端側が、流量制御可能な排液用ポンプに接続している排液用配管を備え、前記排液用配管の前記吸引口の設置位置を変えることで、電解槽の槽底から電解液液面付近までの任意の位置から、前記電解液を吸引、排液することを特徴とする電解精製における電解液の排液方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における排液用ポンプによる排液流量を、前記電解槽に供給される電解液の給液流量以下に制御することで、前記排液用ポンプからの排液と同時に、液面からのオーバーフローによる排液を可能とすることを特徴とする電解精製における電解液の排液方法。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における排液用ポンプが、サイフォンの原理を利用した手動式ポンプであることを特徴とする電解精製における電解液の排液方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明おける電解槽が、電極表面を平行に配置した複数の電極を備え、前記電極表面の法線方向の電解槽壁の一方側に電解液を電解槽内に供給する給液口を備え、他方側の電解槽壁に電解槽内の電解液を、吸引する移動自在の吸引口を有することを特徴とする電解精製における電解液の排液方法である。
本発明の第5の発明は、第2の発明における吸引口からの電解液の排液量の比率が、前記電解槽からの総排液量の25%以上、75%以下であることを特徴とする電解精製における電解液の排液方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における吸引口が、電解槽内深さに対し、槽底から10%以上の位置に設置されることを特徴とする電解精製における電解液の排液方法である。
本発明によれば、高電流密度で銅の電解精製を行う際に、電解槽内の電解液における銅イオン濃度を均一化することができる。これによって、アノードの不動態化を抑制し、生産性を向上させることができる。
一般的な銅の電解精製における電解液の排液方法を用いた電解槽を示す図である。 本実施の形態による電解液の排液方法を用いた電解槽を示す図である。 本実施の形態に用いられる排液装置Aを示す図で、(a)は伸縮する中間部13を備えた排液装置Aの例で、中間部13が縮んでいる状態、(b)は中間部13が伸びている状態、(c)は吸引配管12aを固定具14で固定することで吸引口12の位置を変化する形式の排液装置Aで、上部位置に吸引口12が設置される場合、(d)は下部位置又は中部位置に吸引口12が設置される場合を示す図である。
電解液の排液方法を適正化することにより、電解槽内の電解液濃度を均一化可能な本実施の形態の具体的な内容を、実施例を交えて詳細に説明する。
一般的な銅の電解精製における電解液の給液および排液方法は、アノード3とカソード4を交互に、かつ表面が平行に向かい合うように配置した電極5の表面の法線方向に存在する電解槽壁w側の電極の下端部よりも下方に、給液口30から給液し、給液側の電解槽壁wとは対向する電解槽壁wの上部に設けた排液口31より排出されるものである(図1参照)。図1において、100は従来の電解槽、2は電解液、2aは電解液液面、3はアノード、4はカソード、5はカソードとアノードで構成される電極で、右側がカソード表面、左側がアノード表面とする配置の電極、及び右側がアノード表面、左側がカソード表面とする配置の電極で構成され、30aは電解液を給液するための給液配管である。
このような従来の給液および排液方法では、電解槽100内に保有される電解液の深さ方向(破線矢印方向)において、重力による銅イオン濃度の濃度勾配が生じる。例えば、約9mの電解槽に約30L/minで給液し、約300A/mの電流密度で電気分解すれば、数日間の電気分解にて電極の上部と下部で銅イオン濃度は約10g/Lの差が生じる。
銅の電解精製は約60℃で実施されており、60℃における硫酸銅の飽和溶液中銅イオン濃度は158g/Lである。ただし実務的には、通電時の浴抵抗を低減するために硫酸を添加することが行われている。電解液が硫酸と硫酸銅および水のみで形成され、温度を60℃、硫酸濃度を200g/Lとすると、硫酸銅の溶解度は低下し、飽和溶液中銅イオン濃度は95g/Lまで低下する。
さらに濃度勾配は鉛直方向だけでなく、水平方向にも生じる。即ち、アノード表面では銅が溶出するので、アノードに近づくほど、そして電流密度が大きいほど銅イオン濃度は高くなる。具体的例を挙げると、電解液を液面で採取して銅イオン濃度が50g/Lの場合、アノード近傍ではそれより45g/L高い銅イオン濃度まで溶出させることができる。鉛直方向の濃度勾配で10g/Lほど高い電極の下端部側付近は、60g/Lであるから、アノード近傍において銅イオン濃度が35g/Lだけ溶出したところで飽和し、上昇すると結晶が生成するようになる。このため、電極の下端部側では、アノードの不動態化が発生しやすい。また、実際の電解液では、不純物が含まれるため、飽和溶液中銅イオン濃度が95g/Lよりも低い状態で飽和することとなり、更にアノードの不動態化が発生しやすい状況となる。
この状況を緩和する要素として、電解液の給液がある。適度な濃度の電解液を給液することで、電解液を目標の濃度に近づけることができる。たとえば給液口30から濃度の低い電解液を供給することにより、電極の下端部側付近の電解液を希釈する。電極の下端部側付近では銅イオン濃度が高いが、いま給液より約10g/L高いとすると、60℃における両者の密度差は約0.01g/cmである。そのため、電解槽底部Bo側に給液した電解液は、上昇流を形成し、その後、電解槽の上部に設けた上部排液口31まで移動し、排液される。このような流れでは、給液した電解液が、電極間に十分に拡散しないため、上述のように電解槽の深さ方向において銅イオン濃度の濃度勾配を抑制する働きは限定的である。
そこで、このような銅イオン濃度の濃度勾配を抑制する手段として、電解液の排液方法及び給液方法に着目して検討した。
その結果、銅イオン濃度の濃度勾配を抑制するには、給液した電解液を電極間に十分に分散させることが重要であることを見出し、本発明に係る電解液の電解槽からの排液方法が得られた。
即ち、電解槽の上方から、電解槽に貯留されている電解液中に、一端側を吸引口として浸漬し、他端側が、流量制御可能な排液用ポンプに接続している排液配管を備え、その排液配管の前記排液の開口部に相当する吸引口の設置位置を変えることで、電解槽底部Boから電解液液面2a付近までの任意の位置から、電解液を吸引、排液することができる。
これにより、銅イオン濃度の濃度勾配が抑制可能となる。さらに、排液用ポンプによる排液流量を、電解槽に供給される電解液の給液流量以下で制御することで、排液用ポンプからの排液と同時に、電解液液面2aからのオーバーフローによる排液が可能となる。
また、閉塞に対しては、排液配管の設置位置を変えることにより、電解液を抜き出す時間をかけることなく清掃などを行うことができ、難溶性物質が付着した配管やポンプPは、生産とは切り離した環境で、整備、清掃等のメンテナンスが可能となり、使用寿命や性能の低下を防ぐことができ、生産効率を落とすことなく金属の電解精製を継続することを可能とする。
また、整備および清掃が困難な場合は、直ぐにポンプを廃棄、交換することも出来る。
このような本発明に係る具体的な実施態様の一例は、図2に示すように流量制御可能な排液ポンプPと、そのポンプPに一端が連結し、他端(吸引口12)が電解液上方から電解液中に浸漬され、その浸漬位置を自在に調節可能な吸引配管12aを組み合わせた排液装置Aを備えた電解槽1を用いて排液操作を行なうことで、電解液を放出する排液口(図2では吸引口12)の電解槽内の電解液中の深さを、適宜調整でき、また、吸引配管12a内に難溶性物質が生成した場合も、その配管やポンプを新規なものに取り換えることで、すぐに排液操作の再開を可能とし、電解精製による銅の生産を遅滞なく再開することが出来る。
さらに、排液装置Aからの排液と、既存の上部排液口11からの排液を排液樋11aにより合流させて纏めて外部に排出可能となり、排液処理の手間や設備の簡素化が可能となっている。
排液装置Aは、流量制御が可能なポンプPと、そのポンプPに連結した吸引配管12aと、ポンプPにより吸引した電解液を排液樋11aに排出する排液配管12bを備え、その吸引配管12aはポンプPとの連結部の反対側に吸引口12が開口され、電解液中の所定位置まで浸漬される。電解槽内の電解液は吸引配管12aから吸引され、上部排液口11に連なる排液樋11aで、上部排液口11からの排液と混ざり合い、電解槽外に排出される。
この排液装置Aは、図3(a)、(b)、または(c)、(d)に示すような機構を有している。即ち、電解槽1に排液装置Aを設置した際に、吸引配管12aの電解液中に浸漬されている先端部の吸引口12の位置を、可動範囲δ内で変更できる機構である。この機構によって、電解槽底部Boからの距離を、適宜設定可能となっている。なお、排液装置Aは、図3に示す形式にこだわらず電解槽内の電解液を種々の液位から吸引して排出可能な機構を備えていれば良い。
図3(a)、(b)に示す排液装置Aは、蛇腹のように伸縮可能な中間部13を備えることで、吸引配管12aの長さを変える機構を有する装置である。
又、図3(c)、(d)に示す排液装置Aは、電解槽に取付、固定する固定具14を備え、固定具14は吸引配管12aを電解槽の深さ方向に異なる位置で把持する機構を有する装置である。
図3(a)、(b)に示す排液装置A、図3(c)、(d)に示す排液装置Aのどちらであっても、吸引配管12aの少なくとも一部を動かすことによって、吸引口12を電解槽底部域Sを含む所定位置に配置することができる。
さらに、この排液装置Aで使用する流量制御が可能なポンプPとしては、サイフォンの原理を利用した手動式(サイフォン式排液)ポンプが、電力供給なくとも流量が保たれる点で好ましい。このようなサイフォンの原理を使用するポンプの場合、吸引配管12aの管径や吸引口12の開口径を変化させることによって流量が調節可能であるが、予め配管の直径や開口径の最適化を行うことが望ましい。
ところで、図2に示す本発明の実施態様において、排液の全部を全て電解槽底部域Sから排出すると、電極上部(電解液面側)付近の銅イオン濃度が低下してカソードの表面性状や純度を悪化させることがあるため、電解槽底部域Sからの排液、即ち吸引口12を用いた電解液の排出は、全排液量の75%以下とするのが良い。また、電解槽底部域Sからの排液量が少ないと、給液した電解液を電極間に十分に分散させる効果に乏しいことから、電解槽底部域Sからの排液は全排液量の25%以上とするのが良い。
また、カソードの純度は、アノードスライムの巻き込みによっても悪化する。このアノードスライムとは、銅の電解精製時にアノードで溶解しない不溶解性の物質を指す。
アノードスライムは、アノード表面から脱落し、電解槽底部Boに沈積する。電解槽底部域Sからの排液を電解槽底部Boに近い位置で実施すると、電解槽底部Boに沈積したアノードスライムを電極間に巻き上げ、カソードの不純物濃度を上昇させる。電解槽底部域Sからの排液を行なう場合、吸引口12の位置を、電解槽底部Boから電解槽内深さの10%以上の位置とすることで、アノードスライムの巻き上げが抑制できた。
さらに、電解槽底部域Sからの排液では、例えば排液装置Aの吸引口12を電解槽の底部側、即ち下部側になるように排液装置Aを設置する際には、その下部排液口となる吸引口12付近における流速が速いと、局所的にアノードスライムを巻き上げ、カソードの不純物濃度を上昇させる。
そこで下部排液口となる吸引口12の大きさを、電解液(排液)が排液口を通過する流速が、2.5cm/s以下となるように設定したことで、これによりアノードスライムの巻き上げが抑制された。さらに給液口10においても同様に、給液口の大きさを、給液口の通過時の流速が、2.5cm/s以下となるように設定したことで、アノードスライムの巻き上げが抑制された。
1 電解槽
2 電解液
2a 電解液液面
3 アノード
4 カソード
5 電極
5u 電極下端部
10、30 給液口
10a、30a 給液配管
11、31 上部排液口
11a 排液樋
12 吸引口
12a 吸引配管
12b 排液配管
13 中間部
14 固定具
100 電解槽
A 排液装置
Bo 電解槽底部
P (サイフォン式排液)ポンプ
S 電解槽底部域
ho 排液口の高さ
、w 電解槽壁(電極面の法線方向の槽壁)
δ 可動範囲

Claims (6)

  1. 金属の電解精製を行なう電解槽からの電解液の排液方法であって、
    前記電解槽の上方から前記電解槽に貯留されている電解液中に、一端側を吸引口として浸漬し、他端側が、流量制御可能な排液用ポンプに接続している排液用配管を備え、
    前記排液用配管の前記吸引口の設置位置を変えることで、電解槽の槽底から電解液液面付近までの任意の位置から、前記電解液を吸引、排液することを特徴とする電解精製における電解液の排液方法。
  2. 前記排液用ポンプによる排液流量を、前記電解槽に供給される電解液の給液流量以下に制御することで、前記排液用ポンプからの排液と同時に、液面からのオーバーフローによる排液を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の電解精製における電解液の排液方法。
  3. 前記排液用ポンプが、サイフォンの原理を利用した手動式ポンプであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解精製における電解液の排液方法。
  4. 前記電解槽が、電極表面を平行に配置した複数の電極を備え、
    前記電極表面の法線方向の電解槽壁の一方側に、電解液を電解槽内に供給する給液口を備え、
    他方側の電解槽壁に電解槽内の電解液を、吸引する移動自在の吸引口を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電解精製における電解液の排液方法。
  5. 前記吸引口からの電解液の排液量の比率が、前記電解槽からの総排液量の25%以上、75%以下であることを特徴とする請求項2に記載の電解精製における電解液の排液方法。
  6. 前記吸引口が、電解槽内深さに対し、槽底から10%以上の位置に設置されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電解精製における電解液の排液方法。
JP2019021885A 2019-02-08 2019-02-08 電解精製における電解液の排液方法 Active JP7146174B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019021885A JP7146174B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 電解精製における電解液の排液方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019021885A JP7146174B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 電解精製における電解液の排液方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020128579A JP2020128579A (ja) 2020-08-27
JP7146174B2 true JP7146174B2 (ja) 2022-10-04

Family

ID=72175302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019021885A Active JP7146174B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 電解精製における電解液の排液方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7146174B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6045127B2 (ja) * 1980-02-13 1985-10-08 小名浜製錬株式会社 硫酸銅の製造方法
JPH083160B2 (ja) * 1989-06-07 1996-01-17 日本鋼管株式会社 鉄系電気めっき液中第二鉄イオン及び水酸化鉄スラッジの除去装置及び方法
JPH08277483A (ja) * 1995-04-06 1996-10-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 電気銅の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020128579A (ja) 2020-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7398395B2 (ja) 銅電解精製の改善
KR101410187B1 (ko) 수산화인듐 또는 수산화인듐을 함유하는 화합물의 제조 방법
JP2017057508A (ja) 金属の電解精製方法、電解精製装置
CN109485023B (zh) 一种从含铜碲废液中回收碲的方法
JP2002105684A (ja) 電解方法及びこれに使用する電解槽
JP6065706B2 (ja) 金属の電解精製方法、電解精製装置
CN117026350A (zh) 一种电镀液循环过滤系统及其工作方法
CN102108531A (zh) 一种镍电镀液除杂的方法及其除杂设备
JP7146174B2 (ja) 電解精製における電解液の排液方法
CN115466957A (zh) 一种酸性氯化铜蚀刻废液沉淀取铜电解再生方法及其装置
CN101302645B (zh) 一种电镀生产设备中镀槽循环装置
US6221232B1 (en) Electrolytic refining method for gallium and apparatus for use in the method
CN101397690A (zh) 卷板电镀锌连续自动化生产线上的双阴极电解槽
JP2004238704A (ja) 電解装置、及び電解処理方法
JP7186950B2 (ja) 電解液の給排液方法
CN104630824A (zh) 铜电解废液的净化工艺
JP7309123B2 (ja) 電解精製用電解槽への電解液の給液方法
KR101884400B1 (ko) 전해조 하부에 슬러지 처리 장치가 구비된 비철금속 전해 제련 시스템
KR101884396B1 (ko) 복수 개의 전해액 공급관 및 배출관을 이용한 비철금속 전해 제련 시스템
JP7048941B2 (ja) 銅の電解精製方法
EP3452640A1 (en) Equipment for decopperising an electrorefining process and way of operating the process
JP3875548B2 (ja) 電解液の浄液方法
JP4342522B2 (ja) 電解液の濃度均質化方法及び電解槽
JP7188239B2 (ja) 電解槽および酸溶液の製造方法
RU2790423C2 (ru) Улучшение электрорафинирования меди

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7146174

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150