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JP7137131B2 - 真空冷却装置 - Google Patents

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JP7137131B2 JP2018175308A JP2018175308A JP7137131B2 JP 7137131 B2 JP7137131 B2 JP 7137131B2 JP 2018175308 A JP2018175308 A JP 2018175308A JP 2018175308 A JP2018175308 A JP 2018175308A JP 7137131 B2 JP7137131 B2 JP 7137131B2
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本発明は、処理槽内を減圧して食品を冷却する真空冷却装置に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、食品を収容し得る冷却庫(2)と、冷却庫に接続され冷却庫内の気体を排出し得る真空排気手段(3)と、冷却庫内の真空状態を解除する外気導入手段(21)とを備えた真空冷却装置が知られている。この装置では、冷却庫内に温度センサ(8)および圧力センサ(9)が設けられ、温度センサからの連続的検出信号に基づいて、冷却庫内の圧力を制御するように構成されている。具体的には、冷却庫内の食品の温度(品温)が、現在の品温(T1)より所定以上低い温度(T2)となるように、冷却庫内の圧力が調整される。また、冷却庫内の温度と、冷却庫内に配置された食品の温度との差が設定範囲内となるように、圧力調整されてもよい。なお、温度センサ(8)は、棒状または針状のものが用いられ、食品内に挿入される。
特開2002-355020号公報(請求項1、段落0024、0027、0029、図1)
従来、品温センサ(温度センサ8)は、食品内に差し込まれ、その先端部において品温を検出する。ところが、品温は場所によりバラツキがあるため、特定箇所(一箇所)の品温に基づき真空冷却したり冷却保持したりした場合、場所により過冷却または冷却不足を生じるおそれがある。たとえば、比較的高い品温箇所に基づき真空冷却すれば、比較的低い品温箇所は過冷却を生じるおそれがあるし、比較的低い品温箇所に基づき真空冷却すれば、比較的高い品温箇所は冷却不足を生じるおそれがある。
ところで、真空冷却装置により食品を真空冷却する場合、処理槽(冷却庫2)内の圧力を低下させるに従って、品温は、槽内圧力換算温度(処理槽内圧力における飽和温度)に追従する形で下がっていくことになる。品温と槽内圧力換算温度との温度差を設定温度差に抑えることで、食品からの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品の冷却を図ることができるが、特定箇所(一箇所)の品温に基づき制御するのでは、前記温度差が想定どおりとならず、所期の冷却を行えないおそれがある。
その他、従来、冷却目標温度までの真空冷却か、冷却目標温度での所定時間の保持により、冷却を終了しているが、温度ムラがない状態での冷却終了が保証されていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、過冷却および冷却不足を防止して、食品を所望に冷却できる真空冷却装置を提供することにある。また、品温と槽内圧力換算温度との温度差を設定温度差に抑えた制御を確実に実行したり、温度ムラのない状態で冷却を終了したりすることができる真空冷却装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記処理槽内に収容された食品の温度を検出する品温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記品温センサとして、複数の検出点を備えた品温センサが用いられ、前記制御手段は、食品内に配置された複数の検出点の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点の検出温度に基づき、前記処理槽内の減圧を制御することを特徴とする真空冷却装置である。
請求項1に記載の発明によれば、食品内に配置された複数の検出点の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点の検出温度に基づき、処理槽内の減圧を制御することで、過冷却および冷却不足を防止して、食品を所望に冷却することができる。
請求項2に記載の発明は、前記品温センサは、棒状のプローブの長手方向に離隔して、複数の検出点を備え、前記制御手段は、前記複数の検出点の検出温度に基づき、食品内に配置された検出点を判定し、食品内に配置された複数の検出点の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点の検出温度に基づき、前記処理槽内の減圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置である。
請求項2に記載の発明によれば、棒状のプローブの長手方向に離隔して複数の検出点を備えた品温センサを用いることで、棒状のプローブを食品に差し込むだけで、複数点で品温を検出可能となる。そして、複数の検出点の検出温度に基づき、食品内に配置された検出点を把握することができるので、実際に食品内に配置された検出点の検出温度に基づき、処理槽内の減圧を制御することができる。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、最高温度を示す検出点の検出温度と、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度との温度差が設定温度差になるように、前記処理槽内の圧力を調整しつつ前記処理槽内を減圧することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空冷却装置である。
請求項3に記載の発明によれば、品温と槽内圧力換算温度との温度差を設定温度差に抑えることで、食品からの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品の冷却を図ることができる。しかも、品温として最高温度を示す検出点の検出温度を用いて、最高温度と槽内圧力換算温度との温度差が設定温度差になるように制御することで、場所により品温にバラツキがあっても、品温と槽内圧力換算温度との温度差は、場所によらず設定温度差に収まることになり、突沸の発生を確実に防止して、所期の冷却を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記処理槽内を減圧して食品を冷却中、前記最高温度を示す検出点の検出温度を監視し、この検出温度の設定時間内の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を増加させることを特徴とする請求項3に記載の真空冷却装置である。
請求項4に記載の発明によれば、処理槽内を減圧して食品を冷却中、品温の低下具合を監視しつつ、それに応じて前記設定温度差を変化させるので、食品に応じた真空冷却を図ることができる。しかも、品温として最高温度を示す検出点の検出温度を用いることで、場所により品温にバラツキがあっても、突沸の発生を確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、(a)最低温度を示す検出点の検出温度が、冷却目標温度よりも第一設定値高い温度になるまで、前記処理槽内を減圧する減圧工程と、(b)前記処理槽内の圧力を、冷却目標温度より第二設定値低い温度における飽和圧力に保持する保持工程とを順次に実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の真空冷却装置である。
請求項5に記載の発明によれば、品温が冷却目標温度よりも第一設定値高い温度になるまで処理槽内を減圧する減圧工程と、槽内圧力換算温度が冷却目標温度より第二設定値低い温度になる槽内圧力に保持する保持工程とを順次に実行することで、温度ムラのない状態で冷却を終了することができる。しかも、品温として最低温度を示す検出点の検出温度を用いることで、場所により品温にバラツキがあっても、過冷却を確実に防止しつつ、温度ムラなく全体を所望まで冷却することができる。
請求項6に記載の発明は、前記保持工程中、前記最低温度を示す検出点の検出温度を監視し、この検出温度の設定時間内の温度下降幅が第三設定値未満になると、前記第二設定値を増加させることを特徴とする請求項5に記載の真空冷却装置である。
請求項6に記載の発明によれば、処理槽内を減圧して食品を冷却中、品温の低下具合を監視しつつ、それに応じて前記第二設定値を変化させるので、食品に応じた真空冷却を図ることができる。しかも、品温として最低温度を示す検出点の検出温度を用いることで、場所により品温にバラツキがあっても、過冷却を確実に防止することができる。
さらに、請求項7に記載の発明は、最低温度を示す検出点の検出温度が冷却目標温度以下となり、且つ、食品内に配置された他の検出点の検出温度が設定範囲内に入ると冷却を終了することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の真空冷却装置である。
請求項7に記載の発明によれば、最低温度を示す検出点の検出温度が冷却目標温度以下となり、且つ、食品内に配置された他の検出点の検出温度が設定範囲内に入ると冷却を終了するので、より確実に、温度ムラがない状態で冷却を終了することができる。
本発明の真空冷却装置によれば、過冷却および冷却不足を防止して、食品を所望に冷却することができる。また、品温と槽内圧力換算温度との温度差を設定温度差に抑えた制御を確実に実行したり、温度ムラのない状態で冷却を終了したりすることも可能となる。
本発明の一実施例の真空冷却装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1の真空冷却装置による第一冷却運転を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。 図1の真空冷却装置による第二冷却運転を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の真空冷却装置1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
本実施例の真空冷却装置1は、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出して処理槽2内を減圧する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入して処理槽2内を復圧する復圧手段4と、これら各手段3,4を制御して処理槽2内の食品Fを冷却する制御手段(図示省略)とを備える。
処理槽2は、内部空間の減圧に耐える中空容器であり、ドアで開閉可能とされる。処理槽2は、典型的には略矩形の箱状に形成され、正面の開口部がドアで開閉可能とされる。ドアを開けることで、処理槽2に食品Fを出し入れすることができ、ドアを閉じることで、処理槽2の開口部を気密に閉じることができる。ドアは、処理槽2の正面および背面の双方に設けられてもよい。なお、図示例では、食品Fは、ホテルパンや番重のような食品容器に入れられて、処理槽2内に収容されている。
減圧手段3は、処理槽2内の気体(空気や蒸気)を外部へ吸引排出して、処理槽2内を減圧する手段である。本実施例では、減圧手段3は、処理槽2内からの排気路5に、蒸気エゼクタ6、蒸気凝縮用の熱交換器7、逆止弁8、および水封式の真空ポンプ9を順に備える。
蒸気エゼクタ6は、吸引口6aが処理槽2に接続されて設けられ、入口6bから出口6cへ向けて、エゼクタ給蒸路10からの蒸気がノズルで噴出可能とされる。入口6bから出口6cへ向けて蒸気を噴出させることで、処理槽2内の気体も吸引口6aを介して出口6cへ吸引排出される。エゼクタ給蒸路10に設けたエゼクタ給蒸弁11の開閉を操作することで、蒸気エゼクタ6の作動の有無を切り替えることができる。
熱交換器7は、排気路5内の流体と冷却水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。熱交換器7により、排気路5内の蒸気を、冷却水により冷却し凝縮させることができる。熱交換器7には、熱交給水路12を介して冷却水が供給され、熱交排水路13を介して冷却水が排出される。熱交給水路12には、熱交給水弁14が設けられている。熱交排水路13は、図示しないが、冷水タンク(冷水供給源)への戻し路と外部への排水出口路とに分岐されており、冷水タンクへの戻し路にチラー水弁(図示省略)が設けられ、外部への排水出口路に熱交排水弁(図示省略)が設けられている。チラー水弁および熱交排水弁により、熱交換器7を通過後の水を、冷水タンクへ戻すか、排水出口路へ排出するか、あるいはいずれも行わずに熱交換器7の通水を阻止するか(つまり熱交換器7の冷却水出口側を閉じるか)を切り替えることができる。熱交換器7に冷水を供給する場合、熱交排水弁を閉じると共にチラー水弁を開けることで、熱交換器7を通過後の冷水は冷水タンクへ戻される。一方、熱交換器7に常温水を供給する場合、チラー水弁を閉じると共に熱交排水弁を開けることで、熱交換器7を通過後の常温水は排水出口路へ排出される。
真空ポンプ9は、本実施例では水封式であり、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されつつ運転される。そのために、真空ポンプ9の給水口9aには、封水給水路15を介して水が供給される。封水給水路15には封水給水弁16が設けられており、封水給水弁16を開けることで、真空ポンプ9に封水を供給することができる。封水給水弁16を開けた状態で真空ポンプ9を作動させると、真空ポンプ9は、吸気口9bから気体を吸入し、排気口9cへ排気および排水する。真空ポンプ9は、オンオフ制御されてもよいし、出力を調整可能とされてもよい。本実施例では、真空ポンプ9は、インバータを用いて、モータの駆動周波数ひいては回転数を変更可能とされる。
ところで、図示例の場合、封水給水路15は、上流側において熱交給水路12と共通管路17とされており、その共通管路17に熱交給水弁14が設けられている。この場合、熱交給水弁14を開けると、熱交換器7に通水可能とされ、さらに封水給水弁16を開けると、真空ポンプ9に給水される。本実施例では、熱交換器7および真空ポンプ9への給水として、常温水と冷水(チラーで冷却された水)とを切替可能とされる。
復圧手段4は、減圧された処理槽2内へ外気を導入して、処理槽2内を復圧する手段である。本実施例では、復圧手段4は、処理槽2内への給気路18に、エアフィルタ19および給気弁20を順に備える。処理槽2内が減圧された状態で、給気弁20を開けると、外気がエアフィルタ19を介して処理槽2内へ導入され、処理槽2内を復圧することができる。給気弁20は、好ましくは開度調整可能な弁から構成される。
処理槽2には、さらに、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ21と、処理槽2内に収容される食品Fの温度(品温)を検出する品温センサ22とが設けられる。品温センサ22として、複数の検出点23(23a~23e)を備えたものが用いられる。本実施例の品温センサ22は、棒状のプローブ24の長手方向に離隔して、複数の検出点23を備えて構成される。
具体的には、本実施例の品温センサ22は、細長い金属製パイプからなるプローブ24と、このプローブ24の基端部に設けられるグリップ25とを備える。プローブ24を構成する金属製パイプは、先端部が閉塞されると共に、典型的には先細りに形成される。また、パイプ内には、その長手方向に離隔して、温度の検出点23として、複数(図示例では五つ)の測温部(センサ本体)が設けられる。各測温部は、たとえば測温抵抗体、熱電対またはサーミスタなどを用いて構成される。
制御手段は、前記各センサ21,22の検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段3,4を制御する制御器(図示省略)である。具体的には、真空ポンプ9、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14、チラー水弁(図示省略)、熱交排水弁(図示省略)、封水給水弁16、給気弁20の他、圧力センサ21および品温センサ22などは、制御器に接続されている。そして、制御器は、後述するように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の食品Fの真空冷却を図る。
本実施例の真空冷却装置1では、前述したとおり、品温センサ22として、複数の検出点23を備えたものが用いられる。そして、制御器は、複数の検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御する。その際、典型的には、制御器は、複数の検出点23の検出温度に基づき、食品F内に配置された検出点23を判定し、食品F内に配置された検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御する。
図1では、品温センサ22は、棒状のプローブ24の長手方向に離隔して、先端部から基端側(グリップ25側)へ向けて順に、第一検出点23a、第二検出点23b、第三検出点23c、第四検出点23dおよび第五検出点23eを備える。そして、図示例の場合、品温センサ22のプローブ24は、中途まで食品F内に差し込まれた状態とされ、たとえば第一検出点23aから第三検出点23cまでが食品F内に配置され、第四検出点23dおよび第五検出点23eは食品F外に配置される。冷却しようとする食品Fの初期温度(処理槽2内への投入時の品温)は、比較的高い(たとえば70~80℃)ので、食品F内に配置された検出点23の温度(第一検出点23a~第三検出点23c)は、食品F外に配置された検出点(第四検出点23d、第五検出点23e)の温度よりも高くなる。従って、食品Fの内外で生じる温度差を用いて、食品F内に配置された検出点23(23a~23c)を判定することができる。
たとえば、全ての検出点23の検出温度の内、最高温度を求め、この最高温度よりも所定温度低い温度を閾値温度として、閾値温度以上の温度を示す検出点23は、食品F内に配置されているとする一方、閾値温度未満の温度を示す検出点23は、食品F外に配置されていると判定することができる。あるいは、逆に、全ての検出点23の検出温度の内、最低温度を求め、この最低温度よりも所定温度高い温度を閾値温度として、閾値温度以上の温度を示す検出点23は、食品F内に配置されているとする一方、閾値温度未満の温度を示す検出点23は、食品F外に配置されていると判定することができる。
あるいは、処理槽2内への投入時の想定初期品温(たとえば75℃)との温度差に基づいて、この温度差が所定以上となる検出点23は、食品F外に配置されていると判定してもよい。また、想定初期品温に基づき設定(たとえば想定初期品温よりも所定温度低い温度を閾値温度として設定)される閾値温度との比較に基づいて、閾値温度未満の温度を示す検出点23は、食品F外に配置されていると判定してもよい。
あるいは、次のようにして、食品F外に配置された検出点23を把握することで、食品F内に配置された検出点23を把握するようにしてもよい。すなわち、真空冷却装置1により食品Fを真空冷却中、処理槽2内の温度は飽和蒸気温度と略同一となるため、各検出点23の検出温度と、処理槽2内の圧力に基づく飽和温度とから、品温センサ22の各検出点23が、食品Fの内側にあるか外側にあるかを判定することができる。言い換えれば、処理槽2内の槽内圧力換算温度と複数の検出点23の検出温度とに基づき、食品F内に配置された検出点23を判定することができる。
但し、要は、複数の検出点23の内、食品F内に配置されている検出点23を把握できればよく、食品F内に配置されているか否かの判定手法は適宜に変更可能である。以下の各運転例では、基本的には、複数の検出点23の検出温度の内、食品F内に配置された検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧が制御される。また、好適には、食品F内に配置された複数の検出点23の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧が制御される。最高温度または最低温度を示す検出点23は、所定時点(たとえば各工程開始時)または最新の検出温度に基づき判定された検出点である。
なお、冷却運転中、食品F内から食品F外へ特定の検出点23が出たとき、以後その検出点23は制御には使用されず、逆に、食品F外から食品F内へ特定の検出点23が入ったとき、以後その検出点23も制御に使用するのが好ましい。これにより、食品Fの蒸発や、プローブ24の転倒などにも対応することができる。
以下、本実施例の真空冷却装置1の運転方法の具体例について説明する。
本実施例の真空冷却装置1は、下記に示す第一冷却運転と第二冷却運転との内、一方または双方を実行可能とされる。たとえば、設定器による選択に応じて、第一冷却運転と第二冷却運転とを切り替えて実行したり、第一冷却運転後に第二冷却運転を実行したりすることができる。
≪第一冷却運転≫
図2は、本実施例の真空冷却装置1による第一冷却運転を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。
第一冷却運転では、基本的には、品温TFとして、食品F内に配置された複数の検出点23の内、最高温度を示す検出点23の検出温度を用いるのが好ましい。言い換えれば、品温TFとして、食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内、最高温度を用いるのが好ましい。以下、特に明示する場合を除き、第一冷却運転の制御に用いられる品温TFは、最高温度を示す検出点23の検出温度である。
なお、処理槽2内の減圧(ひいては食品Fの冷却)に伴い、各検出点23の温度は変化し、最高温度を示す検出点23も変わり得る。そのため、たとえば、後述する第二減圧工程S2(温度差一定制御)において、温度差算出の度に、その時点の最高温度(食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内の最高温度)を用いて制御するのがよい。
運転開始前、給気弁20は開けられた状態にある一方、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16は閉じられた状態にあり、真空ポンプ9は停止している。その状態で、処理槽2内に食品Fが収容され、処理槽2のドアは気密に閉じられる。
処理槽2内に食品Fを収容する際、食品Fには、品温センサ22のプローブ24が差し込まれる。品温センサ22には、複数の検出点23が備えられるが、全ての検出点23が食品F内に配置されてもよいし、一部の検出点23が食品F内に配置されてもよい。いずれにしても、本実施例では、複数(少なくとも二つ)の検出点23が食品F内に配置される。どの検出点23が食品F内に配置されているかは、運転開始前および/または運転中、前述したとおり、自動的に判定される。
スタートボタンが押されるなど運転開始が指示されると、制御器は、給気弁20を閉じると共に減圧手段3を作動させて、品温TFが予め設定された冷却目標温度になるまで、処理槽2内を減圧して食品Fの冷却を図る。この際、本実施例では、第一減圧工程S1の後、第二減圧工程S2を実施して、食品Fを冷却目標温度まで冷却する。なお、冷却の終了条件を判定するための品温TF(冷却目標温度と対比される品温)は、後述するように、最高温度を示す検出点23の検出温度である必要はない。
第一減圧工程S1では、槽内圧力換算温度TS(処理槽2内圧力における飽和温度)が品温TFを下回るまで、処理槽2内を減圧する(急冷制御)。槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも高い状況下では、食品Fの沸騰や突沸は生じないので、第一減圧工程S1では、たとえば給気弁20を全閉とした状態で、減圧手段3により、処理槽2内の圧力を迅速に低下させるのがよい。
制御器は、予め登録された所定の演算式(またはテーブル)に基づき、圧力センサ21の検出圧力から飽和温度としての槽内圧力換算温度TSを求めることができる。そして、槽内圧力換算温度TSが品温TFを下回るまで第一減圧工程S1を行った後、第二減圧工程S2に移行する。
第一減圧工程S1では、前述したとおり、品温TFとして、食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内、最高温度が用いられる。第一減圧工程S1中、食品F内に配置された各検出点23の温度を監視し、その内の最高温度の品温TFを槽内圧力換算温度TSが下回るまで、処理槽2内を減圧するのがよい。但し、場合により、第一減圧工程S1中、食品F内に配置された検出点23すべての温度を監視するのではなく、第一減圧工程S1開始時における最高温度検出点の温度を監視して、その検出点23での品温TFを槽内圧力換算温度TSが下回るまで、処理槽2内を減圧してもよい。
いずれにしても、第一減圧工程S1では、品温TFとして、食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内、最高温度が用いられる。仮に、(最高温度ではなく)最低温度の品温TFを槽内圧力換算温度TSが下回るまで、処理槽2内を減圧すると、槽内圧力は最高温度を用いた場合より低くなるため、その減圧の終了までに、品温TFが比較的高い箇所では、槽内圧力換算温度TSが品温TFを下回ることになり、温度差によっては突沸を生じさせるおそれがある(突沸は槽内圧力換算温度TSが品温TFを大きく下回った場合に生じやすい)。ところが、最高温度の品温TFに基づき制御し、槽内圧力換算温度TSが品温TF(複数の検出点23での検出温度の内の最高温度)を下回るまで、処理槽2内を減圧すれば、槽内圧力換算温度TSと品温TFとの温度差を抑えることができ、食品Fからの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を防止することができる。
第二減圧工程S2では、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTが設定温度差(たとえば2~3℃)になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧する(温度差一定制御)。ここでいう品温TFも、前述したとおり、食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内、最高温度とするのが好ましい。
第二減圧工程S2では、より具体的には、品温センサ22の検出温度TF(最高温度)と圧力センサ21の検出圧力における飽和温度TSとの温度差ΔTが設定温度差になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧する。処理槽2内の圧力の調整は、典型的には、減圧手段3を作動させた状態で、復圧手段4による給気量を調整すればよい。つまり、減圧手段3(少なくとも真空ポンプ9)を作動させた状態で、給気弁20の開度を調整すればよい。但し、これに代えてまたはこれに加えて、減圧手段3による減圧能力を調整してもよい。
第二減圧工程S2において、槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも設定温度低くなるように、処理槽2内の圧力を調整すると、品温TFが低下してくるので、その品温TFの低下に合わせて、槽内圧力(槽内圧力換算温度TS)を低下させていけばよい。品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTを設定温度差に抑えることで、食品Fからの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品Fの冷却を図ることができる。しかも、品温TFとして最高温度を示す検出点23の検出温度を用いて、最高温度TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTが設定温度差になるように制御することで、場所により品温TFにバラツキがあっても、温度差による水分の蒸発速度の違いにより、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差は、場所によらず設定温度差に収まるように変化し、突沸の発生を防止して、また食品Fの仕上がりを向上して、所期の冷却を図ることができる。
なお、第一減圧工程S1から第二減圧工程S2へ移行する際、真空ポンプ9の回転数を下げるのが好ましい。たとえば、第一減圧工程S1では、真空ポンプ9の電源周波数を第一周波数(たとえば60Hz)とするが、第二減圧工程S2への移行に伴い、第一周波数よりも低い第二周波数(たとえば50Hz)とする。
また、第一減圧工程S1と第二減圧工程S2とを含む一連の冷却運転において、熱交換器7および真空ポンプ9への給水や、蒸気エゼクタ6の作動は、たとえば次のように制御される。すなわち、冷却運転の開始時には、熱交換器7の通水を停止した状態で、真空ポンプ9に常温水を供給しつつ、真空ポンプ9により処理槽2内を減圧する。この段階では、エゼクタ給蒸弁11は閉じられており、蒸気エゼクタ6は作動していない。その後、品温センサ22の検出温度が通水開始温度(たとえば60℃)以下になると、熱交換器7の通水を開始する。この際、熱交換器7および真空ポンプ9には、冷水が供給される。その後、品温センサ22の検出温度がエゼクタ作動温度(たとえば30℃)以下で且つ圧力センサ21の検出圧力がエゼクタ作動圧力(たとえば45hPa)以下になると、エゼクタ給蒸弁11を開けて、蒸気エゼクタ6を作動させる。そして、品温センサ22の検出温度が冷却目標温度(たとえば10℃)になると、処理槽2内の減圧を停止する。具体的には、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16を閉じて、蒸気エゼクタ6および真空ポンプ9を停止すると共に、熱交換器7の通水を停止する。その後、給気弁20を開けて、処理槽2内を大気圧まで復圧すればよい。なお、上記の通水開始温度、エゼクタ作動温度および冷却目標温度との比較に用いる品温TFは、食品F内に配置された所定の検出点23の温度とすることができ、必ずしも最高温度または最低温度である必要はない。
第二減圧工程S2中、品温センサ22の検出温度(最高温度)を監視し、この検出温度の設定時間Δt内の品温TFの温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を所定温度(たとえば0.5~1℃)増加させるのがよい。なお、前記設定時間Δt内において、最高温度を示す検出点23は変わり得るが、前記設定時間Δtの開始時における最高温度検出点の温度に基づき、その検出点の温度下降幅を監視すればよい。
たとえば、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTが第一温度差ΔT1(たとえば2℃)となるように圧力制御中、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt(たとえば1分)内の品温TFの温度下降幅が設定値(たとえば1℃)未満になると、前記温度差ΔTを第一温度差ΔT1よりも大きな第二温度差ΔT2(たとえば3℃)となるように圧力制御することで、品温TFの低下を促すことができる。その後、再び、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt内の品温TFの温度下降幅が設定値未満になると、前記温度差ΔTを第二温度差ΔT2よりも大きな第三温度差ΔT3(たとえば4℃)となるように圧力制御して、品温TFの低下を促すということを繰り返せばよい。
このようにして、冷えにくい食品でも、設定温度差を増加させつつ食品Fの冷却を図ることができる。そのため、冷えにくい食品でも、冷却が完了しなかったり、冷却時間が長くなり過ぎたりするおそれがない。
ところで、第一冷却運転を(冷却目標温度までの冷却ではなく)所定の終了条件を満たすまで行った後、次に述べる第二冷却運転を行ってもよい。つまり、第一冷却運転後、引き続いて(つまり一旦大気圧まで復圧することなく)第二冷却運転を行って、食品Fを冷却目標温度(あるいは後述するように所定範囲内)まで順次冷却してもよい。
≪第二冷却運転≫
図3は、本実施例の真空冷却装置1による第二冷却運転を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。
第二冷却運転では、基本的には、品温TFとして、食品F内に配置された複数の検出点23の内、最低温度を示す検出点23の検出温度を用いるのが好ましい。言い換えれば、品温TFとして、食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内、最低温度を用いるのが好ましい。以下、特に明示する場合を除き、第二冷却運転の制御に用いられる品温TFは、最低温度を示す検出点23の検出温度である。
なお、処理槽2内の減圧(ひいては食品Fの冷却)に伴い、各検出点23の温度は変化し、最低温度を示す検出点23も変わり得る。そのため、たとえば、後述する減圧工程(第三減圧工程)S3において、温度差確認(冷却目標温度TZよりも第一設定値x高い温度との温度差確認)の度に、その時点の最低温度(食品F内に配置された各検出点23の検出温度の内の最低温度)を用いて制御するのがよい。
運転開始前、給気弁20は開けられた状態にある一方、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16は閉じられた状態にあり、真空ポンプ9は停止している。その状態で、処理槽2内に食品Fが収容され、処理槽2のドアは気密に閉じられる。
処理槽2内に食品Fを収容する際、食品Fには、品温センサ22のプローブ24が差し込まれる。品温センサ22には、複数の検出点23が備えられるが、全ての検出点23が食品F内に配置されてもよいし、一部の検出点23が食品F内に配置されてもよい。いずれにしても、本実施例では、複数(少なくとも二つ)の検出点23が食品F内に配置される。どの検出点23が食品F内に配置されているかは、運転開始前または運転中、前述したとおり、自動的に判定される。
スタートボタンが押されるなど運転開始が指示されると、制御器は、給気弁20を閉じると共に減圧手段3を作動させて、品温TFが予め設定された冷却目標温度TZになるまで、処理槽2内を減圧して食品Fの冷却を図る。この際、本実施例では、減圧工程S3(前記第一冷却運転の第二減圧工程S2後に行う場合は第三減圧工程S3ということができる)の後、保持工程S4を実施して、食品Fを冷却目標温度TZまで冷却する。なお、冷却の終了条件を判定するための品温TF(冷却目標温度TZと対比される品温)は、後述するように、最低温度を示す検出点23の温度である必要はない。
減圧工程S3では、品温TF(最低温度を示す検出点23の検出温度)が、冷却目標温度TZ(たとえば20℃)よりも第一設定値x(たとえば1℃)高い温度T3(ここでは21℃)になるまで、処理槽2内を減圧する(減圧制御)。この間、給気弁20を全閉して食品Fを急冷してもよいし、給気弁20の開度を調整するなどして冷却速度を調整することで食品Fを徐冷してもよい。なお、冷却目標温度TZおよび第一設定値xの他、後述する第二設定値yおよび第三設定値(符号なし)は、設定器により変更可能とされるのがよい。
保持工程S4では、処理槽2内の圧力を、冷却目標温度TZ(たとえば20℃)より第二設定値y(たとえば2℃)低い温度(ここでは18℃)における飽和圧力に保持する。言い換えれば、槽内圧力換算温度TSが冷却目標温度TZより第二設定値y低い温度T4になるように、処理槽2内の圧力を調整する。この場合も、前記第一冷却運転の場合と同様、品温TFを監視して、品温TFが所望に下がらなければ、第二設定値yを大きくするようにしてもよい。
すなわち、第二冷却運転の保持工程S4中、品温センサ22の検出温度(最低温度)を監視し、この検出温度の設定時間Δt内の品温TFの温度下降幅が第三設定値未満になると、第二設定値yを所定温度(たとえば0.5~1℃)増加させるのがよい。なお、前記設定時間Δt内において、最低温度を示す検出点23は変わり得るが、前記設定時間Δtの開始時における最低温度検出点の温度に基づき、その検出点23の温度下降幅を監視すればよい。
たとえば、処理槽2内の圧力を、冷却目標温度TZより第二設定値y低い温度T4における飽和圧力に保持中、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt(たとえば1分)内の品温TFの温度下降幅が第三設定値(たとえば0.5℃)未満になると、第二設定値yを所定温度(たとえば0.5℃)増加(槽内圧力換算温度TSを所定温度低下)させるように圧力制御することで、品温TFの低下を促すことができる。その後、再び、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt内の品温TFの温度下降幅が第三設定値未満になると、第二設定値yをさらに所定温度増加(槽内圧力換算温度TSをさらに所定温度低下)させるように圧力制御して、品温TFの低下を促すということを繰り返せばよい。このようにして、たとえば、1分間に0.5℃の品温低下がなければ、槽内圧力換算温度TSを0.5℃ずつ下げればよい。
第二冷却運転によれば、品温TFが冷却目標温度TZよりも第一設定値x高い温度T3になるまで処理槽2内を減圧する減圧工程S3と、槽内圧力換算温度TSが冷却目標温度TZより第二設定値y低い温度T4になる槽内圧力に保持する保持工程S4とを順次に実行することで、温度ムラのない状態で冷却を終了することができる。しかも、品温TFとして最低温度を示す検出点23の検出温度を用いることで、場所により品温TFにバラツキがあっても、過冷却を確実に防止しつつ、温度ムラなく全体を所望まで冷却することができる。
すなわち、仮に、(最低温度ではなく)最高温度の品温TFに基づき減圧工程S3を行い、品温TF(最高温度)が所定温度(冷却目標温度TZよりも第一設定値x高い温度T3)になるまで、処理槽2内を減圧すると、その減圧の終了までに、品温TFが比較的低い箇所では、品温TFが前記所定温度T3(あるいは冷却目標温度TZ)を下回り過冷却されるおそれがある。ところが、最低温度の品温TFに基づき制御して、その品温TFが所定温度T3になるまで処理槽2内を減圧しても、食品TFを過冷却するおそれはない。
なお、第二冷却運転における減圧工程S3から保持工程S4への移行時には、第一冷却運転における第一減圧工程S1から第二減圧工程S2への移行の場合と同様、真空ポンプ9の回転数を下げてもよい。また、第二冷却運転において、熱交換器7および真空ポンプ9への給水や、蒸気エゼクタ6の作動は、第一冷却運転と同様にして、通水開始温度、エゼクタ作動温度およびエゼクタ作動圧力において、順次、切り替えることができる。
第二冷却運転の保持工程S4は、品温センサ22の所定の検出点23の検出温度が冷却目標温度(たとえば20℃)になることで終了し、処理槽2内の減圧を停止する。具体的には、エゼクタ給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16を閉じて、蒸気エゼクタ6および真空ポンプ9を停止すると共に、熱交換器7の通水を停止する。その後、給気弁20を開けて、処理槽2内を大気圧まで復圧すればよい。
但し、第一冷却運転および第二冷却運転の双方において、冷却運転の終了は、次のように判定してもよい。すなわち、最低温度を示す検出点23の検出温度が冷却目標温度TZ(たとえば20℃)以下となり、且つ、食品F内に配置された他の検出点23の検出温度が設定範囲(たとえば冷却目標温度+1℃(ここでは21℃以下))内に入ると冷却を終了する。なお、この冷却終了判定のために温度監視される検出点23は、減圧工程S3終了時(保持工程S4開始時)の最低温度を示す検出点23をそのまま利用してもよい。
本発明の真空冷却装置1は、前記実施例の構成(制御を含む)に限らず適宜変更可能である。特に、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入する復圧手段4と、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ21と、処理槽2内に収容された食品Fの温度を検出する品温センサ22と、各手段3,4を制御する制御手段とを備え、品温センサ22として、複数の検出点23を備えた品温センサ22が用いられ、制御手段は、複数の検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御するのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
たとえば、前記実施例では、品温センサ22として、複数の検出点23を備える多点プローブ24を一本備えたが、場合により、そのようなプローブを複数本備えてもよい。多点プローブと単点プローブとを組み合わせてもよい。いずれにしても、複数のプローブの全ての検出点23の内、食品F内に配置された複数の検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御すればよい。特に、食品F内に配置された複数の検出点23の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御すればよく、品温センサ22の構成および本数などは変更可能である。
また、前記実施例において、最高温度を示す検出点23は、文字通りの最高温度を示す検出点23の他、場合により、最高温度と許容範囲内(たとえば「最高温度」~「最高温度-0.5℃」)にある検出点23であってもよい。同様に、最低温度を示す検出点23は、文字通り最低温度を示す検出点23の他、場合により、最低温度と許容範囲内(たとえば「最低温度」~「最低温度+0.5℃」)にある検出点23であってもよい。
また、前記実施例では、基本的には、食品F内に配置された複数の検出点23の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点23の検出温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御したが、これに代えてまたはこれに加えて、食品F内に配置された複数の検出点23の検出温度の平均温度に基づき、処理槽2内の減圧を制御してもよい。
また、前記実施例において、減圧手段3の構成は、適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、減圧手段3として蒸気エゼクタ6を備えたが、場合により蒸気エゼクタ6の設置を省略してもよい。
さらに、前記実施例では、真空冷却装置1は、冷却専用機として説明したが、真空冷却機能を有するのであれば、適宜に変更可能である。たとえば、蒸気による加熱手段を備えることで、蒸煮冷却装置や飽和蒸気調理装置のように構成されてもよい。あるいは、冷凍機やファンを用いた冷風冷却手段を備えることで、冷風真空複合冷却装置のように構成されてもよい。複数の検出点23を備える品温センサ22は、食品Fの加熱工程でも用いることができる。
1 真空冷却装置
2 処理槽
3 減圧手段
4 復圧手段
5 排気路
6 蒸気エゼクタ(6a:吸引口、6b:入口、6c:出口)
7 熱交換器
8 逆止弁
9 真空ポンプ(9a:給水口、9b:吸気口、9c:排気口)
10 エゼクタ給蒸路
11 エゼクタ給蒸弁
12 熱交給水路
13 熱交排水路
14 熱交給水弁
15 封水給水路
16 封水給水弁
17 共通管路
18 給気路
19 エアフィルタ
20 給気弁
21 圧力センサ
22 品温センサ
23 検出点(23a:第一検出点~23e:第五検出点)
24 プローブ
25 グリップ
F 食品
S1 第一減圧工程
S2 第二減圧工程
S3 減圧工程(第三減圧工程)
S4 保持工程

Claims (7)

  1. 食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記処理槽内に収容された食品の温度を検出する品温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、
    前記品温センサとして、複数の検出点を備えた品温センサが用いられ、
    前記制御手段は、食品内に配置された複数の検出点の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点の検出温度に基づき、前記処理槽内の減圧を制御する
    ことを特徴とする真空冷却装置。
  2. 前記品温センサは、棒状のプローブの長手方向に離隔して、複数の検出点を備え、
    前記制御手段は、前記複数の検出点の検出温度に基づき、食品内に配置された検出点を判定し、
    食品内に配置された複数の検出点の内、最高温度および/または最低温度を示す検出点の検出温度に基づき、前記処理槽内の減圧を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置。
  3. 前記制御手段は、最高温度を示す検出点の検出温度と、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度との温度差が設定温度差になるように、前記処理槽内の圧力を調整しつつ前記処理槽内を減圧する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空冷却装置。
  4. 前記処理槽内を減圧して食品を冷却中、前記最高温度を示す検出点の検出温度を監視し、この検出温度の設定時間内の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を増加させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の真空冷却装置。
  5. 前記制御手段は、(a)最低温度を示す検出点の検出温度が、冷却目標温度よりも第一設定値高い温度になるまで、前記処理槽内を減圧する減圧工程と、(b)前記処理槽内の圧力を、冷却目標温度より第二設定値低い温度における飽和圧力に保持する保持工程とを順次に実行する
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
  6. 前記保持工程中、前記最低温度を示す検出点の検出温度を監視し、この検出温度の設定時間内の温度下降幅が第三設定値未満になると、前記第二設定値を増加させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の真空冷却装置。
  7. 最低温度を示す検出点の検出温度が冷却目標温度以下となり、且つ、食品内に配置された他の検出点の検出温度が設定範囲内に入ると冷却を終了する
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
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