JP7114894B2 - 卵白組成物、卵白凝固物、保形剤及び組み合わせ - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の[1]から[11]を提供するものである。
[2] α化澱粉の含有量が卵白組成物の全質量に対して、0.1~50質量%である[1]に記載の卵白組成物。
[3] β澱粉の含有量が卵白組成物の全質量に対して、1.0~30質量%である[1]又は[2]に記載の卵白組成物。
[4] α化澱粉とβ澱粉の質量比が1:25~2:1である[1]~[3]のいずれかに記載の卵白組成物。
[5] α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化澱粉である[1]~[4]のいずれかに記載の卵白組成物。
[6] JIS Z 8803に準じて、単一円筒形回転粘度計によって測定した粘度が、25mPa・s以上である[1]~[5]のいずれかに記載の卵白組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の卵白組成物を凝固させてなる卵白凝固物。
[8] 卵白を含む卵白凝固物であって、卵白凝固物の全質量に対するたんぱく質含有量が12質量%未満の卵白凝固物。
[9] 冷凍用である[7]又は[8]に記載の卵白凝固物。
[10] 卵白組成物添加用であるα化澱粉とβ澱粉の組み合わせ。
[11] α化澱粉及びβ澱粉を含む卵白凝固物の保形剤。
本発明は、卵白、α化澱粉、β澱粉及び水を含む卵白組成物に関する。ここで、卵白組成物の全質量に対するたんぱく質含有量は12質量%未満である。なお、本明細書において、卵白組成物とは、卵白成分が加熱により凝固する前の状態で存在している組成物をいう。すなわち、卵白組成物は常温において液状もしくはゲル状である。
崩壊部分の割合(質量%)=(内容物全部の質量-残った卵白凝固物の質量)/内容物全部の質量×100
ここで、内容物全部の質量は、冷凍・解凍後のケーシング材(ケーシング成形型)内の内容物(卵白凝固物、卵白凝固物の崩壊部分及び水分等)全部の質量であり、残った卵白凝固物の質量は、冷凍・解凍後のケーシング材内の卵白凝固物から崩壊した部分や水分を除去して、残った卵白凝固物の質量である。
α化澱粉の澱粉種は特に限定されず、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチを使用することができる。α化澱粉は、水に分散することで粘度を発現する。α化澱粉を卵白組成物中に含有させることで、卵白組成物の粘性を適切な範囲内に調整することができる。
歩留り率(%)=100-(C(g)-B(g))/A(g)×100
上記方法で測定される歩留り率は、80%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、91%以上であることが一層好ましく、96%以上であることが特に好ましい。上記方法で測定される歩留り率が上記範囲内であると、冷凍・解凍後の卵白凝固物の保水性が十分に高いと言える。
β澱粉の澱粉種は特に限定されず、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチを使用することができる。β澱粉は、加熱処理することで良好な硬さを発現することができ、これにより、食感に優れた卵白凝固物を形成することができる。本発明では、上述したα化澱粉とβ澱粉を併用することにより、冷凍・解凍後の卵白凝固物の保形性を高めつつ、食感に優れた卵白凝固物を形成することができる。
また、βヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉としては、例えば、βヒドロキシプロピル化リン酸架橋ワキシーコーンスターチを用いることが好ましい。β澱粉としてβヒドロキシプロピル化リン酸架橋ワキシーコーンスターチを使用した場合、得られる卵白凝固物の弾力感や食感が、通常の茹で卵の白身部分と同様のものとなるため、さらに好ましい。βヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉としては、市販品を用いることができ、例えば、王子コーンスターチ(株)製のファインテックスS-1、ファインテックスS-2、ひこぼし300、てんじん300、てらす100、まいはま100、たなばた300、ミクロリス52、ミクロリス54、ミクロリス56、トレコメックスAET1、トレコメックスAET4、トレコメックスAET20等を用いることができる。
また、冷凍・解凍後の卵白凝固物の弾力性は、下記方法で測定される圧縮強度が茹で卵の白身部分の圧縮強度と同程度である場合に優れていると評価できる。圧縮強度を測定する際には、冷凍・解凍後の卵白凝固物と、沸騰水中で卵を12分間茹で、得られた白身部分を直径28mmφ、高さ15mmの円筒形にカットし、これを高さ方向に5mm圧縮するために必要な圧縮強度を測定する。圧縮強度の測定条件は以下のとおりである。
<測定条件>
a)測定機器:島津製作所製 EZ-Test
b)測定条件:試験片28mm×15mm、n=3の平均
プローブ:1/2φ球状ステンレス
ストローク:5mm
速度:0.5mm/sec、1回圧縮試験
測定温度:4℃冷蔵庫から出して直ぐ
上記方法で測定される圧縮強度は、0.90N以上であることが好ましく、1.00N以上であることがより好ましい。また、圧縮強度は、2.00N以下であることが好ましく、1.80N以下であることがより好ましい。
卵白組成物中に含まれるα化澱粉とβ澱粉の合計含有量は、卵白組成物の全質量に対して、1.1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましく、2.0質量%以上であることがさらに好ましく、2.5質量%以上であることが一層好ましく、3.0質量%以上であることが特に好ましい。また、α化澱粉とβ澱粉の合計含有量は、卵白組成物の全質量に対して、99.0質量%以下であることが好ましく、90.0質量%以下であることがより好ましく、85.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の卵白組成物は、卵白、α化澱粉、β澱粉及び水以外の他の任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、例えば、食塩、砂糖、調味料、防腐剤、着色料、増粘剤、保存料、香料、機能性素材等を挙げることができる。なお、本発明の卵白組成物は任意成分として油脂成分を含んでいてもよいが、油脂成分の含有量は卵白組成物の全質量に対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。なお、本発明の卵白組成物は油脂成分を含まなくても、保形性及び食感に優れた卵白凝固物を形成し得るため、油脂成分の含有量は0質量%であってもよい。油脂成分の含有量を上記範囲とすることにより、低カロリーな卵白凝固物を得ることができる。
本発明の卵白組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、卵白、α化澱粉、β澱粉及び水を混合する工程を含むことが好ましい。混合する方法は特に限定されず、例えば、卵白に水を混合した希釈卵白にα化澱粉及びβ澱粉を混合してもよい。この場合、希釈卵白にα化澱粉を混合した後にβ澱粉を混合してもよく、希釈卵白にβ澱粉を混合した後にα化澱粉を混合してもよく、また、希釈卵白にα化澱粉とβ澱粉を同時に混合してもよい。なお、希釈卵白にα化澱粉とβ澱粉を同時に混合する場合は、α化澱粉の粉末とβ澱粉の粉末をプレミックスして希釈卵白に添加してもよい。
本発明は、上述した卵白組成物を凝固させてなる卵白凝固物に関する。本発明の卵白凝固物は、卵白組成物を原料とする卵白凝固物である。
また、本発明の卵白凝固物は保水性にも優れている。具体的には、上述した方法で算出される冷凍・解凍後の歩留り率が高いことが好ましく、歩留り率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、91%以上であることがさらに好ましく、96%以上であることが特に好ましい。
卵白凝固物を製造する際には、上述した卵白組成物を加熱処理する工程を含むことが好ましい。卵白組成物を加熱処理する工程は、卵白組成物をケーシング材等の成形型に充填する工程を含むことが好ましい。成形型としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂容器、金属フィルム、金属容器、動物性膜等を用いることができる。
本発明は、α化澱粉及びβ澱粉を含む卵白凝固物の保形剤に関するものであってもよく、α化澱粉及びβ澱粉を含む冷凍用卵白凝固物の保形剤に関するものであることが好ましい。保形剤中に含まれるα化澱粉及びβ澱粉としては、それぞれ上述したα化澱粉及びβ澱粉を用いることが好ましい。また、保形剤においては、α化澱粉とβ澱粉の質量比は、1:25~2:1であることが好ましく、1:10~2:1であることがより好ましく、1:10~3:2であることがより好ましく、1:10~1:1であることが一層好ましい。
本発明の卵白凝固物は、例えば、おにぎり、チャーハン、ピラフ、リゾット、焼きそば、お好み焼き、たこ焼き、コロッケ、サンドイッチ、タルタルソース、卵フィリング、サラダ、スープ、パスタソース、ピザといった惣菜や調味料の具材として使用することができる。また、発明の卵白凝固物は、家畜等の飼料、ペットフードの原料として使用してもよいし、肥料の原料として使用してもよい。
卵を割卵し卵黄を除去した卵白液を網で濾した。水41質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、コンレッツ400(α化コーンスターチ))5質量部とβ澱粉(王子コーンスターチ(株)製、いかるが100(βリン酸架橋タピオカ澱粉))4質量部を入れ撹拌し、50質量部の澱粉溶液を得た。卵白液50質量部に対して、澱粉溶液50質量部を混合し、ホイッパーで均一に撹拌して卵白組成物を得た。ケーシング材(豚腸)に卵白組成物を充填し、沸騰浴(87.5±5℃)で30分間ボイルして卵白凝固物を得た。
α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、コンレッツ400(α化コーンスターチ))を、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん100(α化リン酸架橋タピオカ澱粉))に変更した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水21質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん500(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))5質量部と、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、いかるが100(βリン酸架橋タピオカ澱粉))4質量部を入れ撹拌し、30質量部の澱粉溶液を得た。卵白液70質量部に対して、澱粉溶液30質量部を混合した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、コンレッツ400(α化コーンスターチ))を、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん500(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))に変更し、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、いかるが100(βリン酸架橋タピオカ澱粉))を、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、てんじん300(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))に変更した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水51質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん500(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))5質量部と、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、てんじん300(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))4質量部を入れ攪拌し、60質量部の澱粉溶液を得た。卵白液40質量部に対して、澱粉溶液60質量部を混合した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水61質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん500(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))5質量部と、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、てんじん300(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))4質量部を入れ攪拌し、70質量部の澱粉溶液を得た。卵白液30質量部に対して、澱粉溶液70質量部を混合した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、てんじん300(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉)を、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、トレコメックスAET4(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋馬鈴薯澱粉))に変更した以外は実施例4と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水41.5質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん300(α化リン酸架橋タピオカ澱粉))2.5質量部と、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、てんじん300(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))6質量部を入れ攪拌し、50質量部の澱粉溶液を得た。卵白液50質量部に対して、澱粉溶液50質量部を混合した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水43質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん500(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))1質量部と、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、トレコメックスAET4(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋馬鈴薯澱粉))6質量部を入れ攪拌し、50質量部の澱粉溶液を得た。卵白液50質量部に対して、澱粉溶液50質量部を混合した以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水41質量部に対して、α化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ふうりん500(α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉))4質量部と、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、すえひろ200(βアセチル化アジピン酸架橋ワキシーコーンスターチ))5質量部を入れ攪拌し、50質量部の澱粉溶液を得た以外は実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、すえひろ200(βアセチル化アジピン酸架橋ワキシーコーンスターチ))を、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ファインテックスS-1(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋ワキシーコーンスター))に変更した以外は実施例10と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、すえひろ200(βアセチル化アジピン酸架橋ワキシーコーンスターチ))を、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、ファインテックスS-2(βヒドロキシプロピル化リン酸架橋ワキシーコーンスターチ))に変更した以外は実施例10と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
澱粉溶液の代わりに水を用い、卵白液70質量部に対して、水を30質量部混合した以外は、実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
澱粉溶液の代わりに水を用い、卵白液60質量部に対して、水を40質量部混合した以外は、実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
澱粉溶液の代わりに水を用い、卵白液50質量部に対して、水を50質量部混合した以外は、実施例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水25質量部に対して、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、いかるが100(βリン酸架橋タピオカ澱粉))5質量部を入れ撹拌し、30質量部の澱粉溶液を得た。比較例1の水を澱粉溶液に変更した以外は比較例1と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水35質量部に対して、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、いかるが100(βリン酸架橋タピオカ澱粉))5質量部を入れ撹拌し、40質量部の澱粉溶液を得た。比較例2の水を澱粉溶液に変更した以外は比較例2と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
水45質量部に対して、β澱粉(王子コーンスターチ(株)製、いかるが100(βリン酸架橋タピオカ澱粉))5質量部を入れ撹拌し、50質量部の澱粉溶液を得た。比較例3の水を澱粉溶液に変更した以外は比較例3と同様にして卵白組成物及び卵白凝固物を得た。
(保形性)
実施例及び比較例で得られた卵白凝固物をケーシング材に入れた状態で冷水で冷やし、密封可能なビニール製容器に入れ、-20℃の冷凍庫で7日間保存した。その後、流水中で解凍し、ケーシング材内の内容物全部の質量を測定した。その後、卵白凝固物から崩壊した部分を除去して、残った卵白凝固物の質量を測定した。なお、崩壊した部分が複数ある場合は、最も大きい凝固物を残った卵白凝固物として質量を測定した。以下の式で崩壊した部分の割合を算出し、下記の基準で評価を行った。
崩壊部分の割合(質量%)=(内容物全部の質量-残った卵白凝固物の質量)/内容物全部の質量×100
A:崩壊部分の割合が1質量%未満
B:崩壊部分の割合が1質量%以上30質量%未満
C:崩壊部分の割合が30質量%以上50質量%未満
D:崩壊部分の割合が50質量%以上70質量%未満
E:崩壊部分の割合が70質量%以上
実施例及び比較例で得られた卵白凝固物をケーシング材から取り出し、5mm角のダイス状にカットし、ダイス状の卵白凝固物50gに対し、25gのマヨネーズを加えて、和えた。この卵白凝固物とマヨネーズの混合物70gを、8枚切食パン(山崎製パン(株))2枚の間に挟んでサンドイッチにした。なお、食感の比較に用いるため、沸騰水中で12分間茹でた茹で卵の白身部分50gに対し、25gのマヨネーズを加えて、同様にサンドイッチを作製した。このように作製した各サンドイッチを、食品開発に従事していない官能検査員10名に食べさせ、味と食感に違いがあるか評価させた。その結果、味や食感に違いがあると感じた者の人数を表中に記載した。また、表中の評価は以下の通りである。
◎:茹で卵を用いて作製したサンドイッチと比較して卵白凝固物を用いて作製したサンドイッチの味と食感に違いがあると感じた者が0名
○:茹で卵を用いて作製したサンドイッチと比較して卵白凝固物を用いて作製したサンドイッチの味と食感に違いがあると感じた者が1~3名
△:茹で卵を用いて作製したサンドイッチと比較して卵白凝固物を用いて作製したサンドイッチの味と食感に違いがあると感じた者が4~6名
×:茹で卵を用いて作製したサンドイッチと比較して卵白凝固物を用いて作製したサンドイッチの味と食感に違いがあると感じた者が7名以上
実施例及び比較例で得られた卵白凝固物をケーシング材から取り出し、直径28mm、高さ30mmの円柱形に切り出し、この卵白凝固物の質量(A(g))を測定した。これを、-20℃の冷凍庫で7日間保存した後に、自然解凍し、JIS No.1 濾紙3枚(この質量をB(g)とする)で挟み、重り(円柱形、直径35mm×高さ53mm、重さ50g)を載せ室温で1時間放置した。その後の濾紙の質量(C(g))を測定し、下記の式で歩留まり率を測定した。なお、以上の測定を2回繰り返し、平均値を歩留り率とした。
歩留り率(%)=100-(C(g)-B(g))/A(g)×100
(圧縮強度(弾力感))
実施例で得られた卵白凝固物をケーシング材に入れた状態で冷水で冷やし、密封可能なビニール製容器に入れ、-20℃の冷凍庫で7日間保存した。その後、流水中で解凍し、ケーシング材内の卵白凝固物を直径28mmφ、高さ15mmの円筒形にカットし、高さ方向の圧縮強度(弾力感の指標)を調べた。参考例として用いた白身部分についても上記と同様の大きさにカットし、圧縮強度(弾力感の指標)を調べた。具体的には以下の測定条件でダイス状の卵白凝固物もしくは白身部分を圧縮し、5mm圧縮するために必要な圧縮強度を測定した。以上の測定を2回繰り返し、各回の圧縮強度を記録した。
<測定条件>
a)測定機器:島津製作所製 EZ-Test
b)測定条件:試験片28mm×15mm、n=3の平均
プローブ:1/2φ球状ステンレス
ストローク:5mm
速度:0.5mm/sec、2回圧縮試験
測定温度:4℃冷蔵庫から出して直ぐ
実施例で得られた卵白凝固物をケーシング材に入れた状態で冷水で冷やし、密封可能なビニール製容器に入れ、-20℃の冷凍庫で7日間保存した。その後、流水中で解凍し、ケーシング材内の卵白凝固物を5mm角のダイス状にカットし、その食感を評価した。食感の比較対象は、参考例の白身部分とした。
Claims (7)
- 卵白、α化澱粉、β澱粉及び水を含む卵白組成物であって、
前記α化澱粉は、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理、酸変性処理、アルカリ処理、酵素処理及び漂白処理から選択される少なくとも1種を施したα化澱粉であり、
前記β澱粉は、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理、酸変性処理、アルカリ処理、酵素処理及び漂白処理から選択される少なくとも1種を施したβ澱粉であり、
前記α化澱粉と前記β澱粉の質量比が1:25~2:1であり、
前記卵白組成物の全質量に対するたんぱく質含有量が12質量%未満であり、
下記(A)及び(B)から選択される少なくとも1つの特徴を有する、卵白組成物;
(A)前記卵白組成物の全質量に対する前記水の含有量が61質量%以下である
(B)JIS Z 8803に準じて測定される23℃における前記卵白組成物の粘度が25mPa・s以上である。 - 前記α化澱粉の含有量が前記卵白組成物の全質量に対して、0.1~50質量%である請求項1に記載の卵白組成物。
- 前記β澱粉の含有量が前記卵白組成物の全質量に対して、1.0~30質量%である請求項1又は2に記載の卵白組成物。
- 前記α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化澱粉である請求項1~3のいずれか一項に記載の卵白組成物。
- JIS Z 8803に準じて、単一円筒形回転粘度計によって測定した粘度が、25mPa・s以上である請求項1~4のいずれか一項に記載の卵白組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の卵白組成物を凝固させてなる卵白凝固物。
- 冷凍用である請求項6に記載の卵白凝固物。
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