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JP7058488B2 - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents

電気化学素子用セパレータ Download PDF

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Description

本発明は、電気化学素子用セパレータに関する。
従来、電気機器の小型化や軽量化に伴い、その電源である電池やキャパシタなどの電気化学素子の占めるスペースも狭くなっているにもかかわらず、電気化学素子には従来と同程度以上の性能が必要とされるため、必然的に前記セパレータの占める体積が小さくならざるを得ない。
例えば、このような要求を満足するセパレータとして、本願出願人は「少なくとも繊維表面の一部に融着成分を備えた、引張り強さが4.5cN/dtex以上の複合高強度ポリプロピレン系繊維を60mass%以上(100mass%を除く)と、繊維径が4μm以下の極細繊維を40mass%以下(0mass%を除く)とから構成され、前記複合高強度ポリプロピレン系繊維が融着した不織布からなり、平均5%モジュラス強度が30~100N/5cm幅であることを特徴とする電池用セパレータ。」(特許文献1)、及び「引張り強さが20cN/dtex以上の高強度ポリエチレン繊維と、繊維径が5μm以下の極細繊維と、引張り強さが5cN/dtex以上の中強度ポリオレフィン系繊維を含み、前記高強度ポリエチレン繊維自体が溶融して融着した状態にある不織布からなることを特徴とする、電池用セパレータ。」(特許文献2)を提案した。
特開2004-335159号公報(請求項1) 特開2006-278100号公報(請求項1、2)
上述のような特許文献1のセパレータは、複合高強度ポリプロピレン系繊維と極細繊維の2種類で構成されていることによって、緻密なセパレータであることから電解液の保持性に優れ、また電気化学素子の極板のバリによって貫通しにくいセパレータであったが、セパレータと極板を重ね、圧力をかけて電気化学素子を製造する際に、極板の端部とセパレータの間に大きな力がかかってセパレータが切断されることにより、短絡が起こるおそれがあった。
他方、上述のような特許文献2のセパレータは、高強度ポリエチレンを含んでいるため、極板の端部によってセパレータが切断されにくい、優れたセパレータであったが、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより、短絡が起こるおそれがあり、また、リチウムイオン電池などの非水系電解質を用いた電気化学素子に使用するとき、製造工程で120℃程度の高温環境下でセパレータを乾燥させ水を取り除く際に、高強度ポリエチレン繊維が熱収縮による寸法変化を起こし、短絡が起こるおそれがあった。
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたもので、電気化学素子の極板によってセパレータが切断されたり、電気化学素子の極板のバリがセパレータを突き抜けたり、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入したりすることによる短絡が起こりにくく、かつ製造工程でセパレータを高温で乾燥させた際に寸法変化を起こしにくい、耐熱性に優れた電気化学素子用セパレータを提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「繊維表面に接着成分を備える引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度複合接着繊維と引張り強さが8.5cN/dtex以上の高強度ポリプロピレン単繊維と平均繊維径4μm以下の極細繊維を含む、不織布から構成された電気化学素子用セパレータであり、前記高強度ポリプロピレン単繊維を15mass%以上含んでおり、前記電気化学素子用セパレータを構成する繊維の平均繊維径が6μm以下であり、電気化学素子用セパレータ全体に占める、ポリエチレンの割合が24mass%以下であることを特徴とする、電気化学素子用セパレータ」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「高強度複合繊維のヤング率が30cN/dtex以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「高強度ポリプロピレン単繊維のヤング率が80cN/dtex以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータ。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「高強度複合接着繊維を50mass%以上含んでいることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。」である。
本発明の請求項5にかかる発明は、「最大孔径が20μm以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。」である。
本発明の請求項6にかかる発明は、「高強度複合接着繊維がポリオレフィン系樹脂で構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、繊維表面に接着成分を備える引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度複合接着繊維と引張り強さが8.5cN/dtex以上の高強度ポリプロピレン単繊維と平均繊維径4μm以下の極細繊維を含み、高強度複合接着繊維に加え、引張り強さが8.5cN/dtex以上の高強度ポリプロピレン単繊維を15mass%以上含んでいる不織布から構成されていることにより、電気化学素子製造時に、電気化学素子の極板によってセパレータが切断されることにより起こる短絡や、電気化学素子の極板のバリがセパレータを突き抜けることにより起こる短絡が起こりにくく、また、上述の構成に加え、平均繊維径が6μm以下であることにより、セパレータの最大孔径が小さいため、緻密で、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいことから、短絡防止性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。さらに、高強度ポリプロピレン単繊維の融点が高く、ポリエチレンの割合が24mass%以下であることから、耐熱性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。
本発明の請求項2にかかる発明は、高強度複合接着繊維のヤング率が30cN/dtex以上であることにより、高強度複合接着繊維が圧力によって変形しにくいため、電気化学素子の極板によってセパレータが切断されることにより起こる短絡や極板のバリがセパレータを突き抜けることにより起こる短絡が起こりにくいことから短絡防止性に優れ、また、高強度複合接着繊維が圧力によって変形しにくいため、電解液の保持性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。
本発明の請求項3にかかる発明は、高強度ポリプロピレン単繊維のヤング率が80cN/dtex以上であることにより、高強度ポリプロピレン単繊維が圧力によって変形しにくいため、電気化学素子の極板によってセパレータが切断されることにより起こる短絡や電気化学素子の極板のバリがセパレータを突き抜けることにより起こる短絡が起こりにくいことから短絡防止性に優れ、また、高強度複合接着繊維が圧力によって変形しにくいため、電解液の保持性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。
本発明の請求項4にかかる発明は、高強度複合接着繊維を50mass%以上含んでいることにより、電気化学素子製造時に、極板によってセパレータが切断されることにより起こる短絡や、極板のバリがセパレータを突き抜けることにより起こる短絡が起こりにくいことから、短絡防止性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。
本発明の請求項5にかかる発明は、最大孔径が20μm以下であることにより、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいことから短絡防止性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。
本発明の請求項6にかかる発明は、高強度複合接着繊維がポリオレフィン系樹脂で構成されていることにより、耐薬品性に優れた電気化学素子用セパレータであることができる。
本発明の電気化学素子用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という)は、電気化学素子製造時(例えば、セパレータと極板を重ね、圧力をかけて電気化学素子を製造する際)に、極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けたりしにくく、短絡を効果的に防止できるように、繊維表面に接着成分を備える引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度複合接着繊維を含有している。
本発明のセパレータを構成する高強度複合接着繊維は、繊維表面に接着成分を備える繊維であり、この接着成分が接着していることによってセパレータの構造を維持している。
この高強度複合接着繊維は、接着成分以外に接着成分の接着温度では接着しない非接着成分を含んでおり、接着部分が接着しても繊維形態を維持しているため、電解液の保持に関与できる繊維表面積が広い。
高強度複合接着繊維の接着成分の繊維表面(両端部を除く)に占める割合は特に限定するものではないが、高ければ高いほど、接着に関与できる接着成分が多く、セパレータの形態安定性に寄与できるため、接着成分は繊維表面(両端部を除く)の50%以上を占めているのが好ましく、70%以上を占めているのがより好ましく、90%以上を占めているのが更に好ましく、接着成分のみ(100%)が繊維表面(両端部を除く)を構成しているのが最も好ましい。
このような高強度複合接着繊維の接着成分と非接着成分の横断面における配置状態としては、例えば、芯鞘状、偏芯状、海島状、サイドバイサイド状、オレンジ状、多重積層状を挙げることができ、特に、接着成分のみ(100%)が繊維表面(両端部を除く)を構成できる、芯鞘状、偏芯状、又は海島状であるのが好ましい。
なお、高強度複合接着繊維における接着成分と非接着成分との体積比率は特に限定するものではないが、接着に関与できる接着成分が多く、セパレータの形態安定性に寄与でき、また、高強度複合接着繊維自体の強度を維持できるように、(接着成分):(非接着成分)=15:85~85:15であるのが好ましく、(接着成分):(非接着成分)=30:70~70:30であるのがより好ましい。
また、接着成分は非接着成分よりも融点が低ければ良いが、接着成分のみを接着させて、高強度複合接着繊維の繊維形態を維持しやすいように、接着成分の融点は非接着成分の融点よりも10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましく、30℃以上低いのが更に好ましい。
このような高強度複合接着繊維はどのような樹脂成分から構成されていても良いが、耐薬品性に優れているように、ポリオレフィン系樹脂又はナイロン系樹脂から構成されているのが好ましい。例えば、高強度複合接着繊維が接着成分と非接着成分の2 種類の樹脂成分から構成されている場合、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリメチルペンテン、ポリプロピレン/ポリメチルペンテン、プロピレン系共重合体/ポリメチルペンテン、エチレン系共重合体/ポリメチルペンテン、エチレン系共重合体/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、などのポリオレフィン系高強度複合接着繊維、ナイロン6/ナイロン66、ナイロン11/ナイロン66、ナイロン12/ナイロン66、ナイロン11/ナイロン6、ナイロン12/ナイロン6、ナイロン12/ナイロン11などのナイロン系高強度複合接着繊維を挙げることができる。これらの中でも、耐薬品性に優れているポリオレフィン系樹脂から高強度複合接着繊維が構成されているのが好ましく、さらに、ポリオレフィン系樹脂の中でも比較的剛性が高く、圧力によって潰れにくく、セパレータの空隙を維持しやすいポリプロピレンを含んでいるのが好ましい。また、耐薬品性に優れ、ポリプロピレンを接着させることなく接着しやすいポリエチレンを含んでいるのが好ましい。したがって、高強度複合接着繊維はポリエチレン/ポリプロピレンから構成されているのが好ましい。
この高強度複合接着繊維を構成できるポリプロプレンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとα-オレフィン(例えばエチレン、1-ブテンなど)との共重合体であることができる。より具体的には、結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン-プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン-プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらに前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部または共重合部が、さらに1-ブテンなどのα-オレフィンを共重合したものからなる結晶性プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体などを挙げることができる。これらの中でもアイソタクチックプロピレン単独重合体が強度の点から好ましい。このようなポリプロピレンは、チーグラー・ナッタ型触媒、あるいはメタロセン系触媒などを用いて、プロピレンを単独重合又はプロピレンと他のα-オレフィンとを共重合させて得ることができる。
高強度複合接着繊維を構成できるポリエチレンは、例えば、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体などを挙げることができる。これらの中でも、高密度ポリエチレンはある程度硬く、張りやコシのあるセパレータとすることができ、取り扱い性に優れるセパレータとすることができるため好適である。
本発明の高強度複合接着繊維の引張り強さは、繊維が外力によって破断しにくいように、また、電気化学素子製造時に、極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けたりしにくく、短絡を効果的に防止できるセパレータであることができるように4.5cN/dtex以上であるが、引張り強さが強ければ強いほど、短絡を効果的に防止できるため、引張り強さは5.5cN/dtex以上であるのがより好ましく、6.0cN/dtex以上であるのが更に好ましい。引張り強さの上限は特に限定するものではないが、50cN/dtex程度が適当である。本発明における引張り強さは、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法):2010、8.9項に規定されている方法によって測定される値を意味する。
また、本発明の高強度複合接着繊維は圧力によって変形しにくく、短絡防止性と電解液の保持性に優れるセパレータであることができるように、ヤング率が30cN/dtex以上であるのが好ましく、35cN/dtex以上であるのがより好ましく、40cN/dtex以上であるのが更に好ましい。本発明におけるヤング率は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法):2010、8.11項に規定されている方法により測定した初期引張抵抗度から算出した見掛ヤング率の値を意味する。なお、初期引張抵抗度は定速緊張形試験機によって測定した値をいう。
このような本発明で用いることのできる高強度複合接着繊維は、例えば、特開平11-350283号公報又は特開2002-180330号公報に記載されているように、未延伸糸を加圧飽和水蒸気中で延伸することにより得ることができる。
本発明の高強度複合接着繊維の平均繊維径は、特に限定するものではないが、平均繊維径が大きすぎると、繊維が均一に分散しにくく、またセパレータの孔径が大きくなることで電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりやすくなり、また平均繊維径が小さすぎると極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けたりしやすく、短絡が起こりやすくなることから、4~17μmが好ましく、6~15μmがより好ましく、8~13μmが更に好ましい。本発明における「平均繊維径」とは、無作為に選んだ50箇所以上の繊維径の数平均繊維径をいう。なお、「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、円形以外の場合には、横断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。
また、高強度複合接着繊維の繊維長は特に限定するものではないが、高強度複合接着繊維が均一に分散し、大きさの揃った空隙を形成して、均一に電解液を保持できるように、0.1~15mmであるのが好ましく、1~10mmであるのがより好ましく、3~7mmであるのが更に好ましい。なお、本発明における繊維長は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法):2010、8.4項のB法(補正ステープルダイヤグラム法)に規定されている方法によって測定される長さを意味する。
なお、本発明のセパレータにおいては、高強度複合接着繊維として、樹脂成分数、樹脂成分、引張り強さ、平均繊維径、繊維長など1点以上が異なる2種類以上の高強度複合接着繊維を含んでいても良い。
このような高強度複合接着繊維は接着していることによって、セパレータの構造を維持できるように、また、電気化学素子の極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けたりしにくく、短絡を効果的に防止できるセパレータであることができるように、セパレータ中、50mass% 以上の量で含まれているのが好ましく、52mass% 以上の量で含まれていることがより好ましく、55mass%以上の量で含まれていることが更に好ましい。一方で、後述の通り、セパレータの孔径が大きくなることで電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいように、また、電解液の保持性に優れるように、セパレータには高強度複合接着繊維のほかに高強度ポリプロピレン単繊維と極細繊維を含んでいるため、65mass%以下の量で含まれていることが好ましく、63mass%以下の量で含まれていることがより好ましく、60mass%以下の量で含まれていることが更に好ましい。
本発明のセパレータは上述のような高強度複合接着繊維のほかに、高強度複合接着繊維と協働して電気化学素子製造時(例えば、セパレータと極板を重ね、圧力をかけて電気化学素子を製造する際)に、極板によってセパレータが切断されにくく、短絡を効果的に防止できるように、また、セパレータの耐熱性が優れるように、引張り強さが8.5cN/dtex以上の高強度ポリプロピレン単繊維を含有している。
高強度ポリプロピレン単繊維を構成できるポリプロピレンの種類は、高強度複合接着繊維を構成できるポリプロピレンと同様に、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとα-オレフィン(例えばエチレン、1-ブテンなど)との共重合体であることができる。より具体的には、結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン-プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン-プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらに前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部または共重合部が、さらに1-ブテンなどのα-オレフィンを共重合したものからなる結晶性プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体などを挙げることができる。これらの中でもアイソタクチックプロピレン単独重合体が強度の点から好ましい。このようなポリプロピレンは、チーグラー・ナッタ型触媒、あるいはメタロセン系触媒などを用いて、プロピレンを単独重合又はプロピレンと他のα-オレフィンとを共重合させて得ることができる。
本発明の高強度ポリプロピレン単繊維の引張り強さは、繊維が外力によって破断しにくいため、また、高強度複合接着繊維と協働して電気化学素子製造時に極板によってセパレータが切断されにくく、短絡を効果的に防止できるセパレータであることができるように8.5cN/dtex以上であるが、引張り強さが強ければ強いほど、短絡を効果的に防止できるため、引張り強さは8.9cN/dtex以上であるのがより好ましく、9.5cN/dtex以上であるのが更に好ましい。引張り強さの上限は特に限定するものではないが、50cN/dtex程度が適当である。
また、本発明の高強度ポリプロピレン単繊維は圧力によって変形しにくく、短絡防止性と電解液の保持性に優れるセパレータであることができるように、ヤング率が80cN/dtex以上であるのが好ましく、85cN/dtex以上であるのがより好ましく、90cN/dtex以上であるのが更に好ましい。
本発明の高強度ポリプロピレン単繊維の平均繊維径は、平均繊維径が大きすぎると繊維が均一に分散しにくく、セパレータの孔径が大きくなることで電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりやすくなり、平均繊維径が小さすぎると極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けたりしやすく、短絡が起こりやすくなることから、6~20μmが好ましく、8~18μmがより好ましく、10~16μmが更に好ましい。
また、高強度ポリプロピレン単繊維の繊維長は特に限定するものではないが、高強度ポリプロピレン単繊維が均一に分散し、大きさの揃った空隙を形成して、均一に電解液を保持できるように、0.1~20mmであるのが好ましく、1~15mmであるのがより好ましく、5~12mmであるのが更に好ましい。
なお、本発明のセパレータにおいては、樹脂成分、引張り強さ、平均繊維径、繊維長など、1点以上が異なる2種類以上の高強度ポリプロピレン単繊維を含んでいても良い。
このような高強度ポリプロピレン単繊維は高強度複合接着繊維と協働して電気化学素子製造時(例えば、セパレータと極板を重ね、圧力をかけて電気化学素子を製造する際)に、極板によってセパレータが切断されにくく、短絡を効果的に防止できるように、また、セパレータの耐熱性が優れるように、セパレータ中、15mass%以上の量で含まれている。含有量が多いとさらに極板によってセパレータが切断されにくいことから短絡を効果的に防止でき、また、セパレータの耐熱性が優れることから、20mass%以上の量で含まれていることがより好ましく、25mass%以上の量で含まれていることが更に好ましい。一方で、後述の通り、セパレータの孔径が大きくなることで電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいように、また、電解液の保持性に優れるように、セパレータは高強度ポリプロピレン単繊維のほかに高強度複合接着繊維と極細繊維を含んでいるため、40mass%以下の量で含まれていることが好ましく、35mass%以下の量で含まれていることがより好ましく、30mass%以下の量で含まれていることが更に好ましい。
本発明のセパレータは上述のような高強度複合接着繊維、高強度ポリプロピレン単繊維に加えて、電解液の保持性に優れ、またセパレータの孔径を小さくすることにより電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいように、平均繊維径が4μm以下の極細繊維を含んでいる。
この極細繊維は平均繊維径が小さければ小さい程、セパレータの比表面積が大きくなり、電解液の保持性に優れているため、3μm以下であるのがより好ましく、2μm以下であるのが更に好ましい。極細繊維の平均繊維径の下限は、セパレータがある程度の強度を有するように0.01μm程度が適当である。
なお、各極細繊維の繊維径は、ほぼ同じであるのが好ましい。各極細繊維の繊維径がほぼ同じであると、大きさの揃った空隙を形成しやすく、電解液の分布が均一になりやすいためである。具体的には、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値(σ)を、極細繊維の平均繊維径(d)で除した値(σ/d)が0.2以下(好ましくは0.18以下)であるのが好ましい。なお、極細繊維の繊維径が全て同じである場合には標準偏差値(σ)が0になるため、前記値(σ/d)の下限値は0である。なお、極細繊維の標準偏差値(σ)は、計測したn本(100本)のそれぞれの極細繊維の繊維径(X)から、次の式によって算出した値である。
標準偏差= {(nΣX-(ΣX))/n(n-1)}1/2
本発明の極細繊維を得る方法としては、例えば、2種類以上の樹脂成分からなり、外力によって分割可能な外力型分割繊維を分割することによって、又は2種類以上の樹脂成分からなり、化学的作用によって分割可能な化学型分割繊維を分割することによって得ることができる。前記外力型分割繊維を分割できる外力としては、例えば、水流などの流体流、カレンダー、リファイナー、パルパー、ミキサー、ビーターなどを挙げることができる。他方、化学的処理としては、例えば、溶剤による樹脂成分の除去や、溶剤による樹脂成分の膨潤などがある。これらの中でも、化学型分割繊維を分割して得た極細繊維は、長さ方向における繊維径がほぼ同じ、かつ複数の極細繊維間においても繊維径がほぼ同じで、セパレータ中において均一に分散して、大きさの揃った空隙を形成し、電解液の分布が均一となりやすいため好適である。
好適である化学型分割繊維としては、2種類以上の樹脂成分からなり、繊維横断面における配置状態が海島状の繊維が挙げられる。このような海島状の繊維は混合紡糸法又は複合紡糸法によって製造することができるが、複合紡糸法によって製造した海島状の繊維の海成分を除去して発生させた島成分からなる個々の極細繊維は、長さ方向における繊維径がほぼ同じ、かつ複数の極細繊維間においても繊維径がほぼ同じで、大きさの揃った空隙を形成しやすく、電解液の分布が均一となりやすいため好適である。後述の通り、極細繊維はポリオレフィン系樹脂及び/ 又はナイロン系樹脂を含んでいるのが好ましいため、化学型分割繊維の島成分はポリオレフィン系樹脂及び/ 又はナイロン系樹脂を含んでいるのが好ましい。特に、耐薬品性に優れるように、ポリオレフィン系樹脂成分のみからなる島成分を有する化学型分割繊維が好ましい。
この極細繊維を構成する樹脂成分は特に限定するものではないが、耐薬品性に優れているように、耐薬品性の樹脂成分から構成されているのが好ましく、高強度複合接着繊維を構成できる樹脂成分と同様の樹脂成分から構成されているのが好ましい。つまり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのナイロン系樹脂の、1種類又は2種類以上から構成されているのが好ましい。これらの中でも、耐薬品性に優れているポリオレフィン系樹脂を含んでいるのが好ましく、特に、ポリプロピレンは比較的剛性が高く、圧力によって潰れにくく、セパレータの空隙を維持しやすいため好適である。
なお、極細繊維は1種類の樹脂成分から構成されている必要はなく、融点の相違する2種類以上の樹脂成分から構成されていても良い。融点の相違(好ましい融点差は10℃以上、より好ましくは20℃以上)する2種類以上の樹脂成分から構成された極細繊維が、低融点の樹脂成分によって接着していると、極細繊維のずれを防止し、極細繊維の分散状態を維持でき、電解液の均一保持性に優れているため好適である。例えば、極細繊維はポリプロピレンとポリエチレンから構成することができる。
なお、極細繊維は機械的強度に優れ、圧力によっても潰れにくく、セパレータの空隙を維持しやすいように、延伸した状態にあるのが好ましい。この「延伸した状態」とは、繊維形成後に機械的に延伸されていることを意味し、メルトブロー法により形成された繊維は加熱エアによって延伸されているものの、機械的に延伸されていないため、延伸した状態にはない。なお、外力型分割繊維や化学型分割繊維が分割前の段階で機械的に延伸されていれば、これら分割繊維から発生した極細繊維は延伸した状態にある。
本発明の極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、極細繊維が均一に分散して、大きさの揃った空隙を形成できるように、0.1~25mmであるのが好ましく、1~10mmであるのがより好ましく、2~5mmであるのが更に好ましい。
なお、極細繊維の束が存在すると、極細繊維が均一に分散することができず、大きさの揃った空隙を形成できなくなる傾向があるため、極細繊維は束の状態で存在せず、個々の極細繊維が分散した状態にあるのが好ましい。
このような極細繊維は均一に分散し、大きさの揃った空隙を形成できるように、また、後述のようにセパレータの平均繊維径が6μm以下になるように、セパレータ中、10mass%以上含まれているのが好ましく、15mass%以上含まれているのがより好ましく、20mass%以上含まれているのが更に好ましい。一方で、極細繊維が多過ぎると、高強度複合接着繊維の接着によってセパレータの構造を維持するのが困難になり、また、短絡が防止できなくなる傾向があるため、35mass%以下であるのが好ましく、33mass%以下であるのがより好ましく、30mass%以下であるのが更に好ましい。
本発明のセパレータは基本的に、上述のような高強度複合接着繊維と高強度ポリプロピレン単繊維と極細繊維とからなるが、これらの繊維以外の他の繊維を含むことができる。例えば、平均繊維径が4μmを超え、接着に関与する単一樹脂成分からなる単一接着繊維や、引張り強さが4.5cN/dtex以下の、繊維表面に接着成分を備え接着に関与する複合接着繊維、引張り強さが8.5cN/dtex以上のポリプロピレン以外の樹脂組成の単繊維、アラミド繊維などの耐熱性の高い単繊維を含むことができる。セパレータの接着に関与する単一接着繊維と複合接着繊維の接着成分は高強度複合接着繊維の接着成分の融点±10℃以下の融点を有する樹脂成分から構成されているのが好ましく、高強度複合接着繊維と同様のポリオレフィン系樹脂又はナイロン系樹脂から構成されているのが好ましい。
先述の他の繊維は、均一に分散できるように、繊維長は0.1~25mmであるのが好ましい。また、他の繊維は高強度複合接着繊維と高強度ポリプロピレン単繊維と極細繊維の作用を損なわないように、セパレータ中、含まれていても最大15mass%である。
本発明のセパレータを構成する繊維の平均繊維径は6μm以下である。つまり、高強度複合接着繊維、高強度ポリプロピレン単繊維、極細繊維、場合によって含むその他の繊維の平均繊維径が6μm以下である。セパレータを構成する繊維の平均繊維径が6μm以下であると、最大孔径が小さくなり、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくくなるためである。セパレータを構成する繊維のより好ましい平均繊維径は5μm以下であり、更に好ましい平均繊維径は4μm以下である。なお、下限は特に限定するものではないが、機械的強度に優れ、短絡しにくいように、0.05μm以上であるのが好ましく、0.1μm以上であるのがより好ましい。
このセパレータを構成する繊維の「平均繊維径」(DAV)は次の式から算出される値をいう。
Figure 0007058488000001
ここで、xは各繊維のセパレータにおける存在百分率(単位:%)、Dは各繊維の平均繊維径(単位:μm)、ρiは各繊維を構成する樹脂の比重、ρAVは次の式から算出される、繊維を構成する各繊維の平均比重を、それぞれ意味する。
Figure 0007058488000002
例えば、平均繊維径がD(μm)で、樹脂比重がρの高強度複合接着繊維をXmass%と、平均繊維径がD(μm)で、樹脂比重がρの高強度ポリプロピレン単繊維をXmass%と、平均繊維径がD(μm)で、樹脂比重がρの極細繊維をXmass%とが、セパレータ中に存在している場合、セパレータ構成繊維の平均繊維径(DAV)は、次の式から算出される値をいう。
Figure 0007058488000003
なお、平均比重であるρAVは次の式から算出される値である。
Figure 0007058488000004
本発明のセパレータは、地合いが均一であるように、また、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいように、最大孔径が20μm以下であるのが好ましく、18μm以下であるのがより好ましく、17μm以下であるのが更に好ましい。また、平均孔径は特に限定するものではないが、11μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ましく、9μm以下であるのが更に好ましい。この「最大孔径」、「平均孔径」は、ポロメータ〔Polometer,コールター(Coulter)社製〕を用いてバブルポイント法により測定される値をいう。
本発明のセパレータが、高強度複合接着繊維の鞘成分にポリエチレンを使用している場合、耐熱性に優れたセパレータであるように、セパレータ全体に占めるポリエチレンの割合が24mass%以下であるのが好ましく、22mass%以下であるのがより好ましく、21mass%以下であるのが更に好ましい。ポリエチレンの割合が少なすぎると繊維間接着が弱くなり、セパレータの強度が低くなるため、ポリエチレンの割合は20mass%以上であるのが好ましい。
本発明のセパレータは、セパレータの厚さ方向における電解液の偏在が生じないように、一層構造からなるのが好ましい。この「一層構造」とは、同一の繊維配合から構成されていることを意味する。
本発明のセパレータの目付は、電池の高容量化に寄与できるように、50g/m以下であるのが好ましく、45g/m以下であるのがより好ましく、40g/m以下であるのが更に好ましい。目付の下限は特に限定するものではないが、機械的強度に優れているように、10g/m以上であるのが好ましい。なお、「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙-坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量を意味する。
また、本発明のセパレータの厚さは、セパレータの抵抗を低くするために、また電気化学素子の高容量化に対応できるように、100μm以下であるのが好ましく、90μm以下であるのがより好ましく、80μm以下であるのが更に好ましい。この「厚さ」は、JIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0~25mm)を用いて、JIS C 2111 5.1(1)の測定法で、無作為に選んで測定した10点の平均値をいう。
本発明のセパレータは、例えば次のようにして製造することができる。
まず、前述のような高強度複合接着繊維と高強度ポリプロピレン単繊維と極細繊維とを用意する。
次いで、高強度複合接着繊維と、高強度ポリプロピレン単繊維15mass%以上と、極細繊維とを配合して繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法は特に限定するものではないが、例えば、乾式法(例えば、カード法、エアレイ法など)や湿式法により形成することができる。これらの中でも繊維が均一に分散して電解液を均一に保持しやすい不織布(結果としてセパレータ)を製造しやすい湿式法により形成するのが好ましい。この湿式法としては、従来公知の方法、例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式により形成できる。なお、二層以上を抄き合わせる場合には、一層構造のセパレータを製造できるように、同一の繊維配合からなる繊維ウエブを抄き合わせるのが好ましい。
次いで、この繊維ウエブを構成する高強度複合接着繊維の接着成分を接着(場合により極細繊維の接着成分も接着)させて、本発明のセパレータを構成する不織布を得ることができる。なお、繊維の配置が乱れて地合いを損なわないように、絡合等を実施することなく、繊維の接着成分の接着処理のみを実施するのが好ましい。接着方法については高強度複合接着繊維の接着成分によって接着されていれば特に限定するものではないが、例えば繊維ウエブをコンベアで支持し、熱風を吹き付ける方法や、カレンダーによって熱をかける方法等が挙げられる。
本発明のセパレータが親水化処理を施されている場合には、続いて親水化処理を実施する。親水化方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合、界面活性剤処理、放電処理、親水性樹脂付与処理などが挙げられる。
なお、セパレータの厚さが所望厚さでない場合には、適宜厚さを調整するのが好ましい。例えば、一対のロール間を通過させるなどの方法により、厚さを調整するのが好ましい。この厚さ調整は1回である必要はなく、何回でも実施することができる。例えば、接着処理後親水化処理前に1回、親水化処理後に1回実施することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ホモポリプロピレン(融点:168℃)を芯成分とし、高密度ポリエチレン(融点:135℃)を鞘成分とする、引張り強さが6.5cN/dtexの高強度複合ポリオレフィン系接着繊維A(両端部を除いて高密度ポリエチレンが繊維表面を被覆、芯成分と鞘成分の体積比率=60:40、ヤング率:45cN/dtex、繊度:0.8dtex、繊維径:10μm、繊維切断長:5mm、比重:0.94g/cm)を用意した。
また、ホモポリプロピレン100%から構成された、引張り強度が9.5cN/dtexの高強度ポリプロピレン単繊維(ヤング率:90cN/dtex、繊度:1.3dtex、繊維径:13μm、繊維切断長:10mm、比重:0.91g/cm)を用意した。
さらに、ポリエチレンテレフタレートからなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が61個存在する海島型複合未延伸繊維を複合紡糸法により紡糸し、延伸して製造した海島型複合延伸繊維を、アルカリ水溶液中に120分間浸漬し、海成分であるポリエチレンテレフタレートを抽出除去した後、裁断して、長さ方向における繊維径がほぼ同じポリプロピレン極細短繊維(繊維径:2μm、繊維長3mm、融点:168℃、比重:0.91g/cm、横断面形状:円形)を作製した。このポリプロピレン極細繊維は、フィブリル化しておらず、延伸されており、各繊維が同じ繊維径を有していた。
次いで、前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aを60mass%と、前記高強度ポリプロピレン単繊維20mass%と、前記ポリプロピレン極細繊維20mass%とをスラリー中に分散させ、湿式法(水平長網方式)により、高強度複合ポリオレフィン系接着繊維A、高強度ポリプロピレン単繊維及び個々のポリプロピレン極細繊維が分散した繊維ウエブを形成した。
次いで、この繊維ウエブをコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引して繊維ウエブをコンベアと密着させて搬送しながら、繊維ウエブに対して温度140℃の熱風を10秒間吹きつけ、十分な量の熱風を通過させる無圧下での熱処理を実施し、繊維ウエブの乾燥と同時に前記高強度複合ポリオレフィン系繊維Aの高密度ポリエチレン部分のみを接着させて、目付が30g/mで、厚さが70μmの不織布を形成した。
次いで、前記不織布を、シリコーンゴムを担持した平板状電極により挟持した状態(シリコーンゴムが不織布と当接)で、大気圧下、空気(湿度:60RH%)の存在下で、両電極間に交流電圧を印加(電圧:24kVp、出力:2.8kW、単位面積あたりの出力:1.83W/cm、周波数:25kHz、波形:正弦波)し、不織布内部で放電を発生させて不織布を親水化した。その後、50℃のカレンダーで厚み調整し、目付が30g/mで、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
(実施例2)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aを50mass%と、前記高強度ポリプロピレン単繊維30mass%と、前記ポリプロピレン極細繊維20mass%とを配合したこと以外は実施例1と全く同様にして、目付が30g/mで、厚さが70μm の一層構造であるセパレータを製造した。
(実施例3)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aを55mass%と、前記高強度ポリプロピレン単繊維20mass% と、前記ポリプロピレン極細繊維25mass%とを配合したこと以外は実施例1と全く同様にして、目付が30g/mで、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
(比較例1)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aを75mass%と、前記ポリプロピレン極細繊維25mass%とを配合したこと以外は実施例1と全く同様にして、目付が30g/mで、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
(比較例2)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aを75mass%と、前記高強度ポリプロピレン単繊維10mass%と、前記ポリプロピレン極細繊維15mass%とを配合したこと以外は実施例1と全く同様にして、目付が30g/mで、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
(比較例3)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aを70mass%と、前記高強度ポリプロピレン単繊維30mass%とを配合したこと以外は実施例1と全く同様にして、目付が30g/mで、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
(比較例4)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維A に代わり、ポリプロピレン(融点:168℃)を芯成分とし、高密度ポリエチレン(融点:135℃)を鞘成分とする、引張り強さが6.5cN/dtexの高強度複合ポリオレフィン系接着繊維B(両端部を除いて高密度ポリエチレンが繊維表面を被覆、芯成分と鞘成分の体積比率=50:50、ヤング率:20cN/dtex、繊度:1.3dtex、繊維径:13μm、繊維切断長:5mm、比重:0.94g/cm)を50mass%使用したこと以外は実施例2と全く同様にして、目付が30g/m2で、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
(比較例5)
前記高強度複合ポリオレフィン系接着繊維Aに代わり、ポリプロピレン(融点:1 6 8℃ ) を芯成分とし、高密度ポリエチレン(融点:135℃)を鞘成分とする、引張り強さが3.2cN/dtexの複合ポリオレフィン系接着繊維(両端部を除いて高密度ポリエチレンが繊維表面を被覆、芯成分と鞘成分の体積比率=60:40、ヤング率:20cN/dtex、繊度:0.8dtex、繊維径:10μm、繊維切断長:5mm、比重:0.94g/cm)を60mass%使用したこと以外は実施例1と全く同様にして、目付が30g/mで、厚さが70μmの一層構造であるセパレータを製造した。
実施例および比較例のセパレータの繊維配合、及びセパレータ全体に占めるポリエチレンの比率、平均繊維径、目付、厚さを以下の表1 に示す。
Figure 0007058488000005
<電気化学素子用セパレータの評価方法>
以下の評価方法により、電気化学素子用セパレータの物性を評価した。
(ニードル式耐貫通力の測定)
円筒状貫通孔(内径:11mm)を有する支持台上に、円筒状貫通孔を覆うように各セパレータを1枚載置し、更に各セパレータ上に、円筒状貫通孔(内径:11mm) を有する固定材を、前記支持台の円筒状貫通孔の中心と一致するように載置して各セパレータを固定した後、各セパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES-G5)に取り付けられたニードル(先端部における曲率半径:0.5mm、直径:1mm、治具からの突出長さ:2cm)を、0.1cm/sの速度で垂直に突き刺し、ニードルが突き抜けるのに要する力を測定した。この測定を各セパレータとも10回ずつ行い、その算術平均値をニードル式耐貫通力とした。なお、ニードル式耐貫通力が大きいほど、電気化学素子の極板のバリがセパレータを突き抜けにくく、短絡が起こりにくいことを意味する。
(カッター式耐貫通力の測定)
各セパレータを各々重ねて合計約2mmの厚さとし、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES-G5)に取り付けられたステンレス製ジグ(厚さ:0.5mm 、先端の刃先角度:60°)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力を測定した。この測定を各セパレータとも10回ずつ行い、その算術平均値をカッター式耐貫通力とした。なお、カッター式耐貫通力が大きいほど、電気化学素子の極板によってセパレータが切れにくく、短絡が起こりにくいことを意味する。
(熱収縮率の測定)
各セパレータを長さ方向5cm×幅方向5cmの正方形に切って試験片とした。試験片を加熱プレス機(株式会社井元製作所製)にセットし、温度120℃、圧力0.8kg/cmの条件で1時間加熱加圧処理を行った。なお、この条件は非水系電解質を用いる電気化学素子を製造する際、電極とセパレータを積層させて、水を取り除くために乾燥させるときの条件に準じている。その後、各試験片の寸法を測定してセパレータの面積を算出し、以下の式によって熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)={(a-a)/a}×100
:加熱加圧処理前の試験片の面積(cm
:加熱加圧処理後の試験片の面積(cm
この測定を各試験片とも3回ずつ行い、その算術平均値を熱収縮率とした。
電気化学素子用セパレータの評価結果を、以下の表2 に示す。
Figure 0007058488000006
実施例1~3と比較例1~2との比較から、引張り強さが8.5cN/dtex以上の高強度ポリプロピレン単繊維が15mass%以上含まれていることによって、カッター式の耐貫通力が優れ、電気化学素子製造時に、電気化学素子の極板によってセパレータが切断されることにより起こる短絡が起こりにくいことがわかった。これは、高強度ポリプロピレン単繊維が電気化学素子の極板を受け止め、セパレータの切断を防ぐためと考えられた。
実施例1~3と比較例3~4との比較から、電気化学素子用セパレータの平均繊維径が6μm以下であることによって、電極から脱落した活物質粉がセパレータの内部空隙に侵入することにより起こる短絡が起こりにくいことがわかった。
実施例1~3と比較例1~4の比較から、電気化学素子用セパレータ全体に占める、ポリエチレンの割合が24mass%以下であることによって、セパレータの熱収縮率が低くなり、耐熱性に優れることがわかった。
実施例1と比較例5との比較から、引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度複合接着繊維を含んでいることによって、ニードル式とカッター式の耐貫通力が優れ、電気化学素子の極板のバリがセパレータを突き抜けることにより起こる短絡や極板によってセパレータが切断されることにより起こる短絡が起こりにくいことがわかった。
本発明の電気化学素子用セパレータは、例えば、一次電池(たとえばリチウム電池、マンガン電池、マグネシウム電池など) あるいは二次電池(例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、亜鉛電池、レドックスフロー電池など)、キャパシタなど電気化学素子用セパレータとして使用できる。特に、リチウムイオン電池などの、製造工程でセパレータを高温で乾燥させる、非水系電解質を用いた電気化学素子のセパレータとして好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 繊維表面に接着成分を備える引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度複合接着繊維と引張り強さが8.5cN/dtex以上の高強度ポリプロピレン単繊維と平均繊維径4μm以下の極細繊維を含む、不織布から構成された電気化学素子用セパレータであり、前記高強度ポリプロピレン単繊維を15mass%以上含んでおり、前記電気化学素子用セパレータを構成する繊維の平均繊維径が6μm以下であり、電気化学素子用セパレータ全体に占める、ポリエチレンの割合が24mass%以下であることを特徴とする、電気化学素子用セパレータ。
  2. 高強度複合接着繊維のヤング率が30cN/dtex以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 高強度ポリプロピレン単繊維のヤング率が80cN/dtex以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータ。
  4. 高強度複合接着繊維を50mass%以上含んでいることを特徴とする、請求項1~ 3のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。
  5. 最大孔径が20μm以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。
  6. 高強度複合接着繊維がポリオレフィン系樹脂で構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。
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