(実施の形態1の概要)
本開示の実施の形態1の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態1の概要について説明する。図1は、本開示の実施の形態1にかかる交通監視システム1の概要を示す図である。交通監視システム1は、交通監視装置10と、少なくとも1つの検出装置20とを有する。検出装置20と、交通監視装置10とは、有線又は無線のネットワークを介して通信可能に接続されている。
検出装置20は、例えばカメラ又はセンサ等である。検出装置20は、交差点の付近の状態を検出して、検出結果を示すデータを、交通監視装置10に送信する。検出装置20がカメラである場合、検出装置20は、交差点の周囲を撮影した画像(画像データ)を交通監視装置10に送信する。なお、以下、用語「画像」は、情報処理における処理対象としての、「画像を示す画像データ」も意味し得る。また、画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
交通監視装置10は、検出装置20が設置された少なくとも1つの交差点の交通を監視する。交通監視装置10は、車両情報取得部11(車両情報取得手段)と、付加情報取得部12(付加情報取得手段)と、渋滞判定部13(渋滞判定手段)と、原因判定部14(原因判定手段)とを有する。車両情報取得部11は、検出装置20から受信したデータから、交差点の付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得する。付加情報取得部12は、交差点の付近に存在する、走行している車両以外の物体に関する付加情報を取得する。渋滞判定部13は、車両情報に基づいて、交差点と交わる道路の複数の車線それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定する。原因判定部14は、渋滞が発生していると判定された車線について、少なくとも付加情報に基づいて、渋滞の原因を判定する。
本開示の実施の形態1にかかる交通監視装置10は、上記のように、交差点と交わる道路の複数の車線それぞれについて渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生していると判定された車線について、渋滞の原因を判定する。したがって、本開示の実施の形態1にかかる交通監視システム1は、より確実に渋滞の原因を判定することが可能となる。したがって、より適切に、渋滞に対する対策を検討することが可能となる。なお、本開示の実施の形態1にかかる交通監視システム1を用いても、より確実に渋滞の原因を判定することが可能となる。また、本開示の実施の形態1にかかる交通監視装置10で実行される交通監視方法及び交通監視方法を実行するプログラムを用いても、より確実に渋滞の原因を判定することが可能となる。
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
図2は、実施の形態1にかかる交通監視システム1を示す図である。交通監視システム1は、複数の検出装置20と、交通監視装置100とから構成されている。交通監視装置100は、図1に示した交通監視装置10に対応する。複数の検出装置20と、交通監視装置100とは、有線又は無線のネットワーク2を介して、通信可能に接続されている。検出装置20は、交差点の付近に設置されていてもよい。
上述したように、検出装置20は、例えばカメラ又はセンサ等である。以下の説明では、検出装置20がカメラ(監視カメラ)である場合について示している。検出装置20は、交差点の付近の状態を撮影して得られた画像(交差点画像)を、交通監視装置100に送信する。検出装置20は、撮像装置22と、画像処理装置24と、通信装置26とを有する。撮像装置22は、例えばカメラ本体である。撮像装置22は、固定カメラであってもよいし、PTZ(Pan/Tilt/Zoom)カメラであってもよいし、これらの両方を備えていてもよい。撮像装置22は、設置された交差点の付近を撮影する。
画像処理装置24は、撮像装置22によって撮影された交差点画像に対して必要な画像処理を施す。通信装置26は、ルータ等を含み得る。通信装置26は、画像処理装置24によって画像処理が施された交差点画像を、ネットワーク2を介して、交通監視装置100に対して送信する。このとき、通信装置26は、検出装置20又は検出装置20が設置された交差点の識別情報と交差点画像とを対応付けて、交通監視装置100に送信する。これにより、交通監視装置100は、受信した交差点画像がどの交差点に関するものであるかを判断することができる。
交通監視装置100は、検出装置20が設置された複数の交差点の交通を監視する。交通監視装置100は、交通管制センタ等に設置され、交通を監視するオペレータによって使用される。交通監視装置100は、各検出装置20から送信された画像データ(交差点画像)を用いて、渋滞の原因を判定し、渋滞に対する対策方法を提示する。
図3は、実施の形態1にかかる検出装置20が設置される複数の交差点を例示する図である。図3に例示するように、道路網4において、複数の交差点40で、複数の道路30が交差している。つまり、複数の道路30が交差して、交差点40が形成されている。そして、各交差点40の付近に、検出装置20が設置されている。交通監視装置100は、交差点画像と交差点画像に対応付けられた識別情報とを用いて、複数の交差点40それぞれについて、交通を監視する。
図4は、実施の形態1にかかる検出装置20が設置された交差点40を例示する図である。図4には、十字路(四叉路)である交差点40が示されているが、交差点40は、十字路に限られない。交差点40は、三叉路であってもよいし、五叉路等の他叉路であってもよいし、ロータリー式交差点であってもよい。検出装置20は、破線の円Aで示される範囲(範囲A)を撮影し得る。
道路30は、複数の車線32を有する。図4には、道路30の中央線30cの片側に2つの車線32(つまり往復4車線)を有する道路30が交差点40で交差する例が示されている。しかしながら、1つの道路30に含まれる車線32の数は、2以上の任意の数であってもよい。また、本実施の形態では、車両が右側を走行する右側通行の例が示されているが、左側通行であってもよい。ここで、図4において、交差点40の右を東、左を西、上を北、下を南とする。つまり、1つの交差点40には、車両の進行方向が8つの車線32を有する。検出装置20は、常時、交差点40の付近の8つの方向の車線32を撮影している。そして、交通監視装置100は、各交差点40について、常時、交差点40の付近の8つの方向の車線32を監視している。
また、車両が交差点40から西に向かう車線32を、車線#1-1,#1-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#1-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#1-2とする。車両が西から交差点40に向かう車線32を、車線#2-1,#2-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#2-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#2-2とする。車両が交差点40から南に向かう車線32を、車線#3-1,#3-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#3-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#3-2とする。車両が南から交差点40に向かう車線32を、車線#4-1,#4-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#4-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#4-2とする。
また、車両が交差点40から東に向かう車線32を、車線#5-1,#5-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#5-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#5-2とする。車両が東から交差点40に向かう車線32を、車線#6-1,#6-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#6-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#6-2とする。車両が交差点40から北に向かう車線32を、車線#7-1,#7-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#7-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#7-2とする。車両が北から交差点40に向かう車線32を、車線#8-1,#8-2とする。ここで、中央線30cから遠い車線32を車線#8-1とし、中央線30cに近い車線32を車線#8-2とする。このように、交差点40には、計16個の車線32が交わる。
図5は、実施の形態1にかかる交通監視装置100の構成を示す図である。交通監視装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
通信部106は、検出装置20(及び他の装置)とネットワーク2を介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108(IF;Interface)は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、ユーザ(オペレータ)によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。インタフェース部108は、検出装置20から受信した画像(交差点画像)、渋滞が発生した箇所を示す地図、渋滞の原因及びその対策方法等を表示してもよい。
また、交通監視装置100は、車両情報取得部112、付加情報取得部114、渋滞判定部116、原因判定部120、原因情報格納部122、対策提示部130、及び、対策情報格納部132(以下、「各構成要素」と称する)を有する。車両情報取得部112、付加情報取得部114、渋滞判定部116、及び原因判定部120は、それぞれ、車両情報取得手段、付加情報取得手段、渋滞判定手段、及び原因判定手段として機能する。また、原因情報格納部122、対策提示部130、及び対策情報格納部132は、それぞれ、原因情報格納手段、対策提示手段、及び対策情報格納手段として機能する。
なお、各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。なお、各構成要素の具体的な機能については後述する。
車両情報取得部112は、図1に示した車両情報取得部11に対応する。車両情報取得部112は、検出装置20から受信した画像データから、画像認識等によって、交差点40の付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得する。このとき、車両情報取得部112は、交差点40を交差する複数の車線32それぞれについて、車両情報を取得する。ここで、「車両情報」とは、交差点40の付近で渋滞が発生しているか否かを判定するために使用される情報である。例えば、車両情報は、交通量、車両の平均走行速度、交差点40の所定範囲内(図4の範囲A)における車両の平均待ち時間等である。ここで、車両情報は、交差点40がどれだけの車両50を通過させることができるかといった能力(交差点能力)を示し得る。
付加情報取得部114は、図1に示した付加情報取得部12に対応する。付加情報取得部114は、交差点40の付近に存在する、走行している車両以外の物体に関する付加情報を取得する。ここで、「走行している車両以外の物体」は、例えば、交差点40の歩行者及び軽車両(自転車等)、交差点40を封鎖している封鎖車両、交差点40の付近で駐車している駐車車両、交差点40の付近でトラブル(交通事故、故障等)により停車している事故車両、及び、落下物等を含む。また、「走行している車両以外の物体」は、交差点40に設置された信号機を含む。付加情報とは、車両情報以外の情報であって、渋滞の原因を判定するために使用される。
渋滞判定部116は、図1に示した渋滞判定部13に対応する。渋滞判定部116は、車両情報を用いて、交差点40と交わる道路30の複数の車線32それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定する。ここで、渋滞が発生している箇所を渋滞発生箇所と称する。
原因判定部120は、図1に示した原因判定部14に対応する。原因判定部120は、渋滞が発生していると判定された車線32について、少なくとも付加情報を用いて、渋滞の原因(渋滞原因)を判定する。原因情報格納部122は、渋滞原因となる候補を示すデータベースである渋滞原因情報を格納する。ここで、渋滞原因情報では、付加情報等で示される交通障害と、渋滞原因とが、対応付けられている。
ここで、原因判定部120は、渋滞発生箇所が渋滞を誘発した渋滞誘発箇所であるか否かを判定し、渋滞誘発箇所について、渋滞原因を判定してもよい。ここで、「渋滞誘発箇所」とは、この箇所に何らかの原因が発生したために、渋滞が発生した箇所をいう。言い換えると、渋滞誘発箇所でないが渋滞が発生した箇所で渋滞が発生した原因は、他の箇所(渋滞誘発箇所)で渋滞が発生したことによって渋滞が波及したことによるものである。このように、渋滞誘発箇所について渋滞の原因を判定することにより、この渋滞誘発箇所について対策を施すことによって、他の渋滞発生箇所についても、渋滞が解消する可能性がある。したがって、実施の形態1においては、効率的に渋滞を解消することが可能となる。
また、対策情報格納部132は、対策情報を格納する。対策情報では、渋滞原因と対策方法とが対応付けられている。対策情報の具体例については後述する。対策提示部130は、対策情報を用いて、渋滞原因に対する対策方法を提示する。例えば、対策提示部130は、インタフェース部108に対策方法を表示する。このように、対策提示部130が渋滞に対する対策方法をユーザ(オペレータ)に提示することによって、オペレータのノウハウに依存することなく、容易に対策を講じることが可能となる。
図6は、実施の形態1にかかる交通監視装置100によって実行される交通監視方法を示すフローチャートである。まず、交通監視装置100は、複数の検出装置20それぞれから、交差点画像を取得する(ステップS102)。具体的には、交通監視装置100の通信部106は、各検出装置20から交差点画像を受信する。これにより、車両情報取得部112は、各検出装置20から送信された交差点画像を取得する。
次に、車両情報取得部112は、交差点画像と交差点画像に対応付けられた識別情報とを用いて、その交差点画像に対応する交差点についての車両情報を算出する(ステップS104)。上述したように、車両情報は、例えば、車両の平均走行速度v1、車両の平均待ち時間Tw,交通量Vtである。具体的には、車両情報取得部112は、交差点画像に対して画像認識を行って、交差点40と接続する複数の車線32を走行する車両をそれぞれ特定する。そして、車両情報取得部112は、各車両について、走行速度及び待ち時間を算出する。走行速度は、ある車両がある車線32のある地点(例えば車線32と交差点40との境界地点の近傍)を通過するときの速度である。待ち時間は、ある車両の、交差点40の所定範囲内(図4の範囲A)の各車線32における滞在時間である。
車両情報取得部112は、車線32ごとに、所定時間内(例えば15分間)に通過した車両ごとに走行速度を算出し、それらを平均することで平均走行速度v1を算出する。同様に、車両情報取得部112は、車線32ごとに、所定時間内(例えば15分間)に通過した車両ごとに待ち時間を算出し、それらを平均することで、平均待ち時間Twを算出する。また、車両情報取得部112は、車線32ごとに、単位時間(例えば15分間)当たりに、ある地点(例えば車線32と交差点40との境界地点の近傍)を通過した車両数Nを算出することで、交通量Vtを算出する。このように、車両情報取得部112が交差点画像に対して画像認識を行って車両情報を取得することによって、自動的に、渋滞の判定を行うことが可能となる。
次に、付加情報取得部114は、交差点画像と交差点画像に対応付けられた識別情報とを用いて、付加情報を取得する(ステップS106)。具体的には、付加情報取得部114は、画像処理によって、交差点画像に含まれる歩行者及び軽車両等の画像を認識してこれらの画像を抽出する。また、付加情報取得部114は、画像処理によって、交差点画像に含まれる封鎖車両、駐車車両、事故車両、落下物等の画像を認識してこれらの画像を抽出する。また、付加情報取得部114は、交差点40に設置された信号機から灯火間隔に関する情報を受信する。このように、車両情報取得部112が交差点画像の画像を解析することによって、又は、信号機から灯火間隔に関する情報を受信することによって、自動的に、渋滞原因の判定を行うことが可能となる。
次に、渋滞判定部116は、各交差点40の車線32ごとに、渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、渋滞判定部116は、図7に例示する方法によって、各交差点40の車線32ごとに、渋滞が発生しているか否かを判定する。なお、渋滞を判定する方法は、図7に示した例に限られない。
図7は、実施の形態1にかかる渋滞判定部116によって行われる渋滞判定方法を例示する図である。渋滞判定部116は、交差点画像に付加された識別情報を用いて、図7に例示した渋滞判定方法を、複数の交差点40それぞれについて行う。まず、渋滞判定部116は、判定対象となる車線32(例えば車線#1-1)を選択する(ステップS112)。以後、S114~S130について、この選択された車線32について処理がなされる。
渋滞判定部116は、平均走行速度v1が予め定められた閾値Thvを下回るか否かを判定する(ステップS114)。例えば、Thv=20km/hである。平均走行速度v1が閾値Thvを下回ると判定された場合(S114のYES)、渋滞判定部116は、渋滞度Djを加算する(ステップS116)。なお、加算値については、渋滞を判定する際に平均走行速度v1をどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。
ここで、渋滞度Djは、渋滞の度合いを示すパラメータである。渋滞がより激しいほど、渋滞度Djは大きくなる。渋滞度Djの初期値を0とする。なお、閾値Thvは、1つとは限られなく、複数であってもよい。この場合、渋滞度Djも、段階的に加算され得る。例えば、Thv1=20km/h、Thv2=10km/h、Thv3=5km/hであるとする。この場合、10≦v1<20のときに渋滞度Djが「1」加算されてもよい。また、5≦v1<10のときに渋滞度Djが「2」加算されてもよい。また、v1<5のときに渋滞度Djが「3」加算されてもよい。
次に、渋滞判定部116は、平均待ち時間Twが予め定められた閾値Thtを超えるか否かを判定する(ステップS118)。例えばTht=240秒である。平均待ち時間Twが閾値Thtを超えると判定された場合(S118のYES)、渋滞判定部116は、渋滞度Djを加算する(ステップS120)。なお、加算値については、渋滞を判定する際に平均待ち時間Twをどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。
なお、閾値Thtは、1つとは限られなく、複数であってもよい。この場合、渋滞度Djも、段階的に加算され得る。例えば、Tht1=240秒、Tht2=360秒、Tht3=480秒であるとする。この場合、240<Tw≦360のときに渋滞度Djが「1」加算されてもよい。また、360<Tw≦480のときに渋滞度Djが「2」加算されてもよい。また、480<Twのときに渋滞度Djが「3」加算されてもよい。
次に、渋滞判定部116は、占有率Ocが予め定められた閾値Thoを超えるか否かを判定する(ステップS122)。例えばTho=40%である。占有率Ocが閾値Thoを超えると判定され場合(S122のYES)、渋滞判定部116は、渋滞度Djを加算する(ステップS124)。なお、加算値については、渋滞を判定する際に占有率Ocをどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。
ここで、占有率は、例えば時間占有率であって、ある地点において、観測時間(例えば15分間)のうち車両が存在した時間の割合である。例えば、占有率Ocは、以下の式1で表される。
(式1)
ここで、Tは観測時間である。また、nは、観測時間Tの間にある地点を通過した車両数(交通量)である。また、tiは、車両iがある地点に存在した時間である。また、viは、車両iの通過速度である。また、liは、車両iの車長である。
なお、閾値Thoは、1つとは限られなく、複数であってもよい。この場合、渋滞度Djも、段階的に加算され得る。例えば、Tho1=40%、Tho2=45%、Tho3=50%であるとする。この場合、40<Oc≦45のときに渋滞度Djが「1」加算されてもよい。また、45<Oc≦50のときに渋滞度Djが「2」加算されてもよい。また、50<Ocのときに渋滞度Djが「3」加算されてもよい。
次に、渋滞判定部116は、渋滞度Djが予め定められた閾値Thd以上であるか否かを判定する(ステップS126)。渋滞度Djが閾値Thd以上である場合(S126のYES)、渋滞判定部116は、その車線32で渋滞が発生していると判定する(ステップS128)。一方、渋滞度Djが閾値Thd以上でない場合(S126のNO)、渋滞判定部116は、その車線32で渋滞が発生していないと判定する(ステップS130)。
閾値Thdを定める方法は、渋滞と判定する基準に応じて適宜定められる。例えば、S114,S122,S126の判定の全てを満たした場合に渋滞と判定する場合、各処理を満たしたときに1が加算されるとして、Thd=3とすればよい。また、S114,S122,S126の判定のいずれかを満たす場合に渋滞と判定する場合、各処理を満たしたときに1が加算されるとして、Thd=1とすればよい。
次に、渋滞判定部116は、全ての車線32について渋滞判定処理が実行されたか否かを判定する(ステップS132)。全ての車線32について渋滞判定処理が実行されていない場合(S132のNO)、S112の処理に戻る。一方、全ての車線32について渋滞判定処理が実行された場合(S132のYES)、渋滞判定部116は、その交差点40について処理を終了する。
次に、原因判定部120は、各交差点40について、渋滞が発生している箇所の渋滞原因を判定する(ステップS140)。具体的には、原因判定部120は、図8に例示する方法によって、各交差点40について、渋滞原因を判定する。なお、渋滞原因を判定する方法は、図8に示した例に限られない。
図8は、実施の形態1にかかる原因判定部120によって行われる原因判定方法を例示する図である。原因判定部120は、交差点画像に付加された識別情報を用いて、図8に例示した原因判定方法を、複数の交差点40それぞれについて行う。このとき、原因判定部120は、渋滞が発生している箇所(車線32)が渋滞を誘発した渋滞誘発箇所であるか否かを判定し、この渋滞誘発箇所について、渋滞の原因を判定する。
まず、原因判定部120は、判定対象の交差点40について、渋滞と判定された箇所(車線32)を含む全ての経路から、1つを選択する(ステップS142)。ここで、「経路」は、直進の経路だけでなく、右折経路、及び、対向車線を横切る左折経路も含む。
図9は、実施の形態1にかかる原因判定方法を説明するための図である。図9には、経路34A~経路34Dが例示されている。経路34Aは車線#6-1から車線#1-1へ向かう直進経路である。つまり、経路34Aでは、車線#6-1が上流側であり、車線#1-1が下流側である。経路34Bは車線#6-2から車線#1-2へ向かう直進経路である。つまり、経路34Bでは、車線#6-2が上流側であり、車線#1-2が下流側である。経路34Cは、車線#2-1から車線#3-1へ向かう右折経路である。つまり、経路34Cでは、車線#2-1が上流側であり、車線#3-1が下流側である。経路34Dは、車線#4-1から車線#5-1へ向かう右折経路である。つまり、経路34Dでは、車線#4-1が上流側であり、車線#5-1が下流側である。
次に、原因判定部120は、選択された経路における車両の進行方向について、交差点40の上流側及び下流側で渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS144)。そして、原因判定部120は、交差点40の上流側で渋滞が発生し、且つ、交差点40の下流側で渋滞が発生していないか否かを判定する(ステップS146)。
交差点40の上流側で渋滞が発生していない場合(S146のNO)、原因判定部120は、その経路について渋滞を誘発した渋滞誘発箇所がないと判定する(ステップS148)。また、交差点40の上流側及び下流側の両方で渋滞が発生している場合(S146のNO)、原因判定部120は、その経路について渋滞誘発箇所がないと判定する(ステップS148)。一方、交差点40の上流側で渋滞が発生し、且つ、交差点40の下流側で渋滞が発生していない場合(S146のYES)、原因判定部120は、その経路について、交差点40の上流側に渋滞を誘発した渋滞誘発箇所があると判定する(ステップS150)。ここで、「渋滞誘発箇所がない」とは、その経路については、その交差点40の付近ではなく、下流側の別の交差点40で渋滞の原因が発生したことを意味する。
図9に示した例において、経路34Aでは、交差点40の上流側である車線#6-1で渋滞が発生し、下流側である車線#1-1で渋滞が発生していない。したがって、原因判定部120は、経路34Aについては、交差点40の上流側である車線#6-1に渋滞誘発箇所があると判定する。経路34Bでは、交差点40の上流側である車線#6-2で渋滞が発生しておらず、下流側である車線#1-2で渋滞が発生している。したがって、原因判定部120は、経路34Bについては、この交差点40の付近には渋滞誘発箇所はなく、経路34Bの先(西方)の交差点40等に渋滞誘発箇所があると判定する。
また、経路34Cでは、交差点40の上流側である車線#2-1で渋滞が発生し、さらに、下流側である車線#3-1でも渋滞が発生している。したがって、原因判定部120は、経路34Cについては、この交差点40の付近には渋滞誘発箇所はなく、経路34Cの先(南方)の交差点40等に渋滞誘発箇所があると判定する。経路34Dでは、交差点40の上流側である車線#4-1で渋滞が発生し、下流側である車線#5-1で渋滞が発生していない。したがって、原因判定部120は、経路34Dについては、交差点40の上流側である車線#4-1に渋滞誘発箇所があると判定する。
S144~S150の処理のように渋滞誘発箇所を判定することで、実施の形態1にかかる交通監視装置100は、この交差点40の付近で真の渋滞原因が発生したか否かを判定することができる。したがって、この交差点40の付近で真の渋滞原因が発生していない、つまり、別の箇所に真の渋滞原因が発生した場合に、その交差点40に対して対策を施すといった無駄を抑制することができる。したがって、実施の形態1にかかる交通監視装置100は、効率的に渋滞原因に対する対策を行うことが可能となる。
次に、原因判定部120は、少なくとも付加情報を用いて、渋滞誘発箇所の渋滞原因を判定する(ステップS152)。具体的には、原因判定部120は、交差点画像に対して画像認識処理を行って得られた付加情報を少なくとも用いて、渋滞誘発箇所の周囲の物体及び車両の挙動を認識する。そして、原因判定部120は、原因情報格納部122に格納された渋滞原因情報を参照して、渋滞誘発箇所の渋滞原因を判定する。このように、交差点画像を解析して、画像認識によって渋滞原因を判定することによって、オペレータのノウハウに依存することなく、自動的に、渋滞原因を判定することが可能となる。
そして、原因判定部120は、全ての経路34について原因判定処理が実行されたか否かを判定する(ステップS154)。全ての経路34について原因判定処理が実行されていない場合(S154のNO)、処理はS142に戻る。一方、全ての経路34について原因判定処理が実行された場合(S154のYES)、原因判定部120は、その交差点40について処理を終了する。
図10~図16は、交通障害と渋滞原因との関係の例を説明する図である。図10には、渋滞原因が「交通事故」及び「故障車」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、道路30の渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)に停止車両50Aがあるという交通障害を検出する。さらに、原因判定部120は、車両情報を用いて、短時間で後続の車両50の速度が急激に低下したという交通障害を検出する。具体的には、原因判定部120は、車線#1-1の平均走行速度の変化を示すグラフGr1に示すように、予め定められた時間(例えば数分)の間に予め定められた速度(例えば40km/h程度)、車両50の平均走行速度が低下したことを検出する。この場合、原因判定部120は、停止車両50Aの数が2台以上であるときは、渋滞原因を「交通事故」と判定する。また、原因判定部120は、停止車両50Aの数が1台であるときは、渋滞原因を「故障車」と判定する。
図11には、渋滞原因が「落下物」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、道路30の渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)に車両以外の物体Fがあるという交通障害を検出する。さらに、原因判定部120は、交差点画像を解析して、又は車両情報を用いて、物体Fの上流側で車両50が車線変更を行っているという交通障害を検出する。この場合、原因判定部120は、渋滞原因を「落下物」と判定する。
図12には、渋滞原因が「左折信号が短い」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、道路30の中央線30cに近い車線32の渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)に停止車両50Aがあるという交通障害を検出する。さらに、原因判定部120は、交差点画像を解析して、又は車両情報を用いて、停止車両50Aの上流側で車両50が車線変更を行わずに後続しているという交通障害を検出する。この場合、原因判定部120は、渋滞原因を「左折信号が短い」と判定する。
図13には、渋滞原因が「歩行者が多く右折待ち」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)がある車線32と交差する道路30Bを横断中の、予め定められた数以上の多くの歩行者Pedが存在するという交通障害を検出する。また、原因判定部120は、付加情報を用いて、道路30の中央線30cから遠い車線32の渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)に停止車両50Aがあるという交通障害を検出する。さらに、原因判定部120は、交差点画像を解析して、又は車両情報を用いて、停止車両50Aの上流側で車両50が車線変更を行わずに後続しているという交通障害を検出する。この場合、原因判定部120は、渋滞原因を「歩行者が多く右折待ち」と判定する。
図14には、渋滞原因が「混雑時に交差点封鎖」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)がある車線32と交差する道路30Bにおいて、交差点40上に停止車両50Aが存在するという交通障害を検出する。この場合、原因判定部120は、渋滞原因を「混雑時に交差点封鎖」と判定する。
図15には、渋滞原因が「違法駐車」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、道路30の中央線30cから遠い車線32の渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)に停止車両50Aがあるという交通障害を検出する。また、原因判定部120は、付加情報を用いて、又は交差点画像を解析して、渋滞発生箇所Ptjが駐車禁止区域であるという交通障害を検出する。さらに、原因判定部120は、交差点画像を解析して、又は車両情報を用いて、渋滞発生箇所Ptjの上流側で車両50が車線変更を行っているという交通障害を検出する。この場合、原因判定部120は、渋滞原因を「違法駐車」と判定する。
図16には、渋滞原因が「バス停車区域に違法駐車」である場合の例が示されている。原因判定部120は、付加情報を用いて、バス停車区域Absの渋滞発生箇所Ptj(渋滞誘発箇所)に停止車両50Aがあるという交通障害を検出する。さらに、原因判定部120は、交差点画像を解析して、バス52がバス停車区域Abs以外の車線32に停車しているという交通障害を検出する。この場合、原因判定部120は、渋滞原因を「バス停車区域に違法駐車」と判定する。
対策提示部130は、S140で判定された渋滞原因に対する対策方法を提示する(ステップS160)。具体的には、対策提示部130は、対策情報格納部132に格納された対策情報を用いて、インタフェース部108に対策方法を表示する。
図17は、実施の形態1にかかる対策情報を例示する図である。図17に示す例では、渋滞原因が「交通事故」、「故障車」、「落下物」である場合、対策提示部130は、「渋滞発生箇所(渋滞誘発箇所)に現場警察官を派遣する」旨の対策方法を提示する。また、渋滞原因が「左折信号が短い」、「歩行者が多く右折待ち」、「混雑時に交差点封鎖」である場合、対策提示部130は、「信号灯火間隔の変更」、及び、「渋滞発生箇所に現場警察官を派遣する」といった対策方法を提示する。また、渋滞原因が「違法駐車」、「バス停車区域に違法駐車」である場合、対策提示部130は、「渋滞発生箇所に現場警察官を派遣する」旨の対策方法を提示する。
(実施の形態2の概要)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、複数の連続した交差点で渋滞が発生した場合に対処すべき交差点を特定する点で、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態2にかかる構成要素のうち、実施の形態1における構成要素と実質的に同じ構成要素には、同じ符号が付されている。また、実施の形態1における構成要素と実質的に同じ構成要素については、適宜、説明を省略する。
図18は、本開示の実施の形態2にかかる交通監視システム1の概要を示す図である。本開示の実施の形態2にかかる交通監視システム1は、交通監視装置10と、複数の検出装置20とを有する。複数の検出装置20と、交通監視装置10とは、有線又は無線のネットワークを介して通信可能に接続されている。
交通監視装置10は、検出装置20が設置された複数の交差点の交通を監視する。交通監視装置10は、車両情報取得部11(車両情報取得手段)と、渋滞判定部13(渋滞判定手段)と、原因判定部14(原因判定手段)と、交差点特定部15(交差点特定手段)とを有する。車両情報取得部11は、複数の検出装置20それぞれから受信したデータから、複数の交差点それぞれの付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得する。渋滞判定部13は、車両情報に基づいて、複数の交差点それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点を渋滞交差点と判定する。交差点特定部15は、複数の連続した渋滞交差点を含む連続渋滞経路がある場合に、連続渋滞経路において渋滞を誘発した交差点である渋滞誘発交差点を特定する。原因判定部14は、渋滞誘発交差点で発生した渋滞の原因を判定する。
本開示の実施の形態2にかかる交通監視装置10は、上記のように、複数の連続した渋滞交差点を含む連続渋滞経路がある場合に、連続渋滞経路において渋滞を誘発した交差点である渋滞誘発交差点を特定する。そして、本開示の実施の形態2にかかる交通監視装置100は、その渋滞誘発交差点で発生した渋滞の原因を判定する。ここで、渋滞誘発交差点で発生した渋滞が別の交差点に波及した場合、その別の交差点には、渋滞の真の原因は発生していない可能性が高い。したがって、本開示の実施の形態2にかかる交通監視システム1は、より確実に渋滞の原因を判定することが可能となる。したがって、より適切に、渋滞に対する対策を検討することが可能となる。つまり、渋滞誘発交差点で発生した渋滞が別の交差点に波及した場合に、その別の交差点に対して対策を施してしまうといった無駄を抑制できる。なお、本開示の実施の形態2にかかる交通監視システム1を用いても、より確実に渋滞の原因を判定することが可能となる。また、本開示の実施の形態2にかかる交通監視装置10で実行される交通監視方法及び交通監視方法を実行するプログラムを用いても、より確実に渋滞の原因を判定することが可能となる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。なお、実施の形態2にかかるシステム構成については、図2に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
図19は、実施の形態2にかかる交通監視装置100の構成を示す図である。実施の形態2にかかる交通監視装置100のハードウェア構成は、実施の形態1にかかるものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
また、実施の形態2にかかる交通監視装置100は、車両情報取得部112、付加情報取得部114、渋滞判定部116、原因判定部120、原因情報格納部122、対策提示部130、及び、対策情報格納部132を有する。さらに、実施の形態2にかかる交通監視装置100は、交差点特定部202及びグループ特定部204を有する。交差点特定部202及びグループ特定部204は、それぞれ、交差点特定手段及びグループ特定手段として機能する。その他の構成要素の機能については、特記しない限り、実施の形態1のものと実質的に同様である。
渋滞判定部116は、車両情報を用いて、複数の交差点40それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点40を渋滞交差点と判定する。交差点特定部202は、複数の連続した渋滞交差点を含む連続渋滞経路がある場合に、連続渋滞経路において渋滞を誘発した交差点である渋滞誘発交差点を特定する。原因判定部120は、渋滞誘発交差点で発生した渋滞の原因を判定する。ここで、交差点特定部202は、渋滞判定部116で算出された渋滞度Djに基づいて、渋滞誘発交差点を特定してもよい。
グループ特定部204は、連続渋滞経路のうち、渋滞誘発交差点を先頭とした、連続する複数の渋滞交差点のグループを特定する。これにより、渋滞誘発交差点に対して対策を施したときに渋滞が解消し得る範囲をオペレータが判断することが可能となる。言い換えると、そのグループの渋滞の原因は、渋滞誘発交差点の付近で発生していることとなる。
図20は、実施の形態2にかかる交通監視装置100によって実行される交通監視方法を示すフローチャートである。まず、実施の形態2にかかる交通監視装置100は、図6に示したフローチャートのS102~S110と実質的に同様の処理を行う。そして、渋滞判定部116は、渋滞が発生した渋滞交差点を判定する(ステップS202)。このとき、渋滞判定部116は、渋滞交差点と、その渋滞交差点における渋滞度Djとを対応付けている。
次に、交差点特定部202は、渋滞交差点が連続して連なって形成された経路である連続渋滞経路を特定する(ステップS204)。そして、交差点特定部202は、各渋滞交差点が連続渋滞経路に含まれるか否かを判定し、連続渋滞経路に含まれない渋滞交差点を渋滞誘発交差点と判定する(ステップS206)。また、交差点特定部202は、図21を用いて後述するように、連続渋滞経路における渋滞誘発交差点を特定する(ステップS210)。
さらに、交差点特定部202は、特定された渋滞誘発交差点を、インタフェース部108に表示させてもよい。例えば、道路網4を示す地図上に、渋滞誘発交差点を目立つように表示してもよい。これにより、オペレータが渋滞誘発交差点を容易に認識することができる。
図21は、実施の形態2にかかる交差点特定部202によって行われる、渋滞誘発交差点の特定方法を例示するフローチャートである。まず、交差点特定部202は、処理対象とする連続渋滞経路を決定する(ステップS212)。ここで、処理対象の連続渋滞経路に含まれる渋滞交差点の数をMc個(Mcは2以上の整数)とする。そして、交差点特定部202は、処理対象の連続渋滞経路のうち最も上流側の渋滞交差点からの順序をi(iは1~Mcの整数)として、iの初期値をi=1とする(ステップS214)。そして、交差点特定部202は、i番目の渋滞交差点Cj_iを選択して処理対象とする(ステップS216)。つまり、交差点特定部202は、まず、最も上流側の渋滞交差点Cj_1を処理対象とする。
図22は、連続渋滞経路を例示する図である。ここで、連続渋滞経路(一連の渋滞)は、図3に例示した道路網4において、直線の経路に限られず、ある交差点40(渋滞交差点Cj)で右折又は左折していてもよい(例えば図9の経路34C、経路34D)。図22において、丸(○)が交差点40を示し、丸の中の数字が、連続渋滞経路における上流側からの順序iを示す。図22には、i=1~11の11個の渋滞交差点Cjを有する連続渋滞経路が示されている。連続渋滞経路の左側(上流側)の交差点40(丸の中に「0」が付されている)は、連続渋滞経路の1つ前の、渋滞が発生していない交差点40を示す。また、連続渋滞経路の右側(下流側)の交差点40(丸の中に「0」が付されている)は、連続渋滞経路の1つ後の、渋滞が発生していない交差点40を示す。
また、図22において、上下方向は、各渋滞交差点Cjの渋滞度Djを示す。ここで、この渋滞度Djは、連続渋滞経路における車両の進行方向に関する渋滞度を示している。例えば、1番目の渋滞交差点Cj_1の渋滞度Djは「3」である。また、5番目の渋滞交差点Cj_5の渋滞度Djは「5」である。さらに、11番目の渋滞交差点Cj_11の渋滞度Djは「1」である。
交差点特定部202は、処理対象の渋滞交差点Cj_iの渋滞度Dj_iが、次の(下流側の)交差点Cj_i+1の渋滞度Dj_i+1以下であるか否かを判定する(ステップS218)。つまり、交差点特定部202は、上流側の渋滞交差点Cjの渋滞度Djに対して下流側の渋滞交差点Cjの渋滞度Djが高い又は同じレベルであるか否かを判定する。ここで、「同じレベル」とは、渋滞度Djが厳密に一致することに限られない。2つの渋滞度Djに微差があったとしても、渋滞の度合を判定する上で同程度であると見なし得る(微差を無視できる)場合は、「同じレベル」であると言える。
渋滞度Dj_iが渋滞度Dj_i+1以下である場合(S218のYES)、交差点特定部202は、処理対象の渋滞交差点Cj_iが渋滞誘発交差点ではないと判定する(ステップS220)。つまり、上流側の渋滞交差点Cjの渋滞度Djに対して下流側の渋滞交差点Cjの渋滞度Djが高い又は同じレベルである場合、交差点特定部202は、上流側の渋滞交差点Cjを、渋滞誘発交差点でないと判定する。
一方、渋滞度Dj_iが渋滞度Dj_i+1以下でない場合(S218のNO)、交差点特定部202は、処理対象の渋滞交差点Cj_iの渋滞度Dj_iが、1つ前の(上流側の)交差点Cj_i-1の渋滞度Dj_i-1よりも低いか否かを判定する(ステップS222)。渋滞度Dj_iが渋滞度Dj_i-1よりも低い場合(S222のYES)、交差点特定部202は、処理対象の渋滞交差点Cj_iが渋滞誘発交差点でないと判定する(S220)。つまり、上流側の渋滞交差点Cjの渋滞度Djに対して下流側の渋滞交差点Cjの渋滞度Djが低い場合、交差点特定部202は、下流側の渋滞交差点Cjを、渋滞誘発交差点でないと判定する。
一方、渋滞度Dj_iが渋滞度Dj_i-1よりも低くない場合(S222のNO)、交差点特定部202は、処理対象の渋滞交差点Cj_iが渋滞誘発交差点であると判定する(ステップS224)。つまり、渋滞度Dj_iが渋滞度Dj_i-1よりも高いか又は渋滞度Dj_i-1と同じレベルである場合、交差点特定部202は、処理対象の渋滞交差点Cj_iが渋滞誘発交差点であると判定する。このように、処理対象の渋滞交差点Cj_iの上流側では渋滞度Djが低くなっていない(改善されていない)が渋滞交差点Cj_iの下流側で渋滞度Djが低くなった(改善された)場合に、その処理対象の渋滞交差点Cj_iが、渋滞誘発交差点であると判定される。
そして、交差点特定部202は、iを1つインクリメントし(ステップS226)、i>Mcであるか否かを判定する(ステップS228)。i>Mcでない場合(S228のNO)、処理はS216に戻り、交差点特定部202は、次の渋滞交差点Cjを処理対象として、S216~S226の処理を行う。一方、i>Mcである場合(S228のYES)、その連続渋滞経路におけるMc個の全ての渋滞交差点Cjについて処理が終了したとして、S110の処理を終了する。
図22の例では、1番目(i=1)の渋滞交差点Cj_1が処理対象である場合、交差点特定部202は、S218の処理において、渋滞度Dj_1は渋滞度Dj_2と同じレベルであると判定する。したがって、1番目の渋滞交差点Cj_1は、渋滞誘発交差点でないと判定される(S220)。
また、2番目(i=2)の渋滞交差点Cj_2が処理対象である場合、交差点特定部202は、S218の処理において、渋滞度Dj_2は渋滞度Dj_3よりも高いと判定する。言い換えると、下流側の渋滞交差点Cj_3の渋滞度Dj_3は、上流側の渋滞交差点Cj_2の渋滞度Dj_2よりも低いと判定される。さらに、交差点特定部202は、S222の処理において、渋滞度Dj_2は渋滞度Dj_1と同じレベルであると判定する。言い換えると、処理対象の渋滞交差点Cj_2の渋滞度Dj_2は、上流側の渋滞交差点Cj_1の渋滞度Dj_1よりも低くないと判定される。したがって、2番目の渋滞交差点Cj_2は、渋滞誘発交差点であると判定される(S224)。
また、3番目(i=3)の渋滞交差点Cj_3が処理対象である場合、交差点特定部202は、S218の処理において、渋滞度Dj_3は渋滞度Dj_4よりも低いと判定する。したがって、3番目の渋滞交差点Cj_3は、渋滞誘発交差点でないと判定される(S220)。
また、7番目(i=7)の渋滞交差点Cj_7が処理対象である場合、交差点特定部202は、S218の処理において、渋滞度Dj_7は渋滞度Dj_8よりも高いと判定する。さらに、交差点特定部202は、S222の処理において、渋滞度Dj_7は渋滞度Dj_6よりも低いと判定する。したがって、7番目の渋滞交差点Cj_7は、渋滞誘発交差点でないと判定される(S220)。
このようにして、図22に示した例では、交差点特定部202は、上流側から2番目の渋滞交差点Cj_2、6番目の渋滞交差点Cj_6、及び、10番目の渋滞交差点Cj_10を、渋滞誘発交差点であると判定する。このように、図22の例では、連続渋滞経路には、複数の渋滞誘発交差点が存在する。さらに、図22の例では、連続渋滞経路の先頭である11番目の渋滞交差点Cj_11は、渋滞誘発交差点ではない。
このように、連続渋滞経路において、先頭の渋滞交差点が渋滞誘発交差点とは限らない。したがって、単に渋滞車列(連続渋滞経路)の先頭付近に渋滞の原因があるとする技術では、渋滞を解消することができないおそれがある。これに対し、実施の形態2にかかる交通監視装置100は、適切に、連続渋滞経路における渋滞誘発交差点を特定することができる。したがって、実施の形態2にかかる交通監視装置100は、連続渋滞経路で発生した真の渋滞原因を適切に判定することが可能となる。
次に、グループ特定部204は、連続渋滞経路のうち、渋滞誘発交差点を先頭とした、連続する複数の渋滞交差点のグループを特定する(ステップS240)。具体的には、グループ特定部204は、S210で特定された渋滞誘発交差点を先頭とし、その渋滞誘発交差点よりも車両進行方向の上流側の渋滞誘発交差点の1つ下流側の渋滞交差点を最後尾とする渋滞交差点Cjの群を、1つの渋滞交差点グループと分類する。なお、連続渋滞経路の最も上流側の渋滞誘発交差点を先頭とする渋滞交差点グループについては、連続渋滞経路の最も上流側の渋滞交差点Cj(Cj_1)を最後尾としてもよい。このように、グループ特定部204は、連続渋滞経路を、渋滞誘発交差点を先頭とする1つ以上の渋滞交差点グループに区分する。なお、各渋滞交差点グループは、連続渋滞経路の一部であるので、連続渋滞経路であるといえる。また、このS240の処理は、実施の形態2において必須の処理ではない。
なお、グループ特定部204は、渋滞交差点グループをインタフェース部108に表示させてもよい。例えば、道路網4を示す地図上に、渋滞交差点グループを目立つように表示してもよい。これにより、オペレータが渋滞交差点グループを容易に認識することができる。これにより、オペレータは、渋滞誘発交差点に対して渋滞の対策を施すことによってどの範囲の渋滞が解消し得るかを、容易に認識することができる。
図22の例では、グループ特定部204は、上流側から10番目の渋滞交差点Cj_10を先頭とし7番目の渋滞交差点Cj_7を最後尾とする渋滞交差点グループ#1を特定する。また、グループ特定部204は、上流側から6番目の渋滞交差点Cj_6を先頭とし3番目の渋滞交差点Cj_3を最後尾とする渋滞交差点グループ#2を特定する。また、グループ特定部204は、上流側から2番目の渋滞交差点Cj_2を先頭として1番目の渋滞交差点Cj_1を最後尾とする渋滞交差点グループ#3を特定する。このようにして、グループ特定部204は、連続渋滞経路を、3つのグループに区分する。
これにより、オペレータは、上流側から10番目の渋滞交差点Cj_10に対して渋滞原因の対策を施せば渋滞交差点グループ#1の渋滞が解消し得ると、容易に認識できる。また、オペレータは、上流側から6番目の渋滞交差点Cj_6に対して渋滞原因の対策を施せば渋滞交差点グループ#2の渋滞が解消し得ると、容易に認識できる。さらに、オペレータは、上流側から2番目の渋滞交差点Cj_2に対して渋滞原因の対策を施せば渋滞交差点グループ#3の渋滞が解消し得ると、容易に認識できる。
次に、原因判定部120は、渋滞誘発交差点で発生した渋滞の原因を判定する(ステップS250)。具体的には、原因判定部120は、図8のS152の処理と実質的に同様の処理を行うことで、渋滞誘発交差点の渋滞原因を判定し得る。そして、対策提示部130は、図6のS160の処理と同様にして、対策情報を用いて、S250で判定された渋滞原因に対する対策方法を提示する(ステップS260)。これにより、オペレータは、渋滞誘発交差点で発生した渋滞原因に対する対策を、容易に検討することができる。したがって、連続渋滞経路(渋滞交差点グループ)の渋滞に対する対策を、より効率的に実行することが可能となる。
図23は、道路網4における連続渋滞経路の例を示す図である。図23の例では、交差点40A、交差点40B、交差点40C、交差点40D及び交差点40Eにおいて、交差点40Aを上流側として交差点40Eを下流側とする一連の渋滞(連続渋滞経路36)が発生している。また、連続渋滞経路36は、交差点40Cで、左に曲がっている。
ここで、交差点40A、交差点40B、交差点40C、交差点40D及び交差点40Eが、それぞれ、図22における、上流側から3番目、4番目、5番目、6番目及び7番目の渋滞交差点Cjに対応するとする。この場合、連続渋滞経路36においては、交差点40Dが渋滞誘発交差点である。つまり、交差点40Dの下流側の交差点40Eでは、交差点40Dよりも、渋滞が緩和している。したがって、この場合、渋滞誘発交差点である交差点40Dに対して対策を施せば、その上流側の渋滞交差点である交差点40C、交差点40B及び交差点40Aについても、渋滞が解消し得る。言い換えると、交差点40C、交差点40B及び交差点40Aに渋滞に対する対策を施したとしても、これらの交差点40の渋滞は解消しない可能性がある。このように、実施の形態2にかかる交通監視装置100は、例えば交差点40Cで渋滞が発生しているからといって、交差点40Cに現場警察官を派遣等してしまうといった無駄を抑制することが可能となる。
(実施の形態3の概要)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、複数の連続した交差点で一連の渋滞が発生した連続渋滞経路(渋滞交差点グループ)が複数ある場合に、どの連続渋滞経路を優先して対処するかを考慮する点で、他の実施の形態と異なる。なお、実施の形態3にかかる構成要素のうち、他の実施の形態における構成要素と実質的に同じ構成要素には、同じ符号が付されている。また、他の実施の形態における構成要素と実質的に同じ構成要素については、適宜、説明を省略する。
図24は、本開示の実施の形態3にかかる交通監視システム1の概要を示す図である。本開示の実施の形態3にかかる交通監視システム1は、交通監視装置10と、複数の検出装置20とを有する。複数の検出装置20と、交通監視装置10とは、有線又は無線のネットワークを介して通信可能に接続されている。
交通監視装置10は、検出装置20が設置された複数の交差点の交通を監視する。交通監視装置10は、車両情報取得部11(車両情報取得手段)と、渋滞判定部13(渋滞判定手段)と、優先度算出部16(優先度算出手段)とを有する。車両情報取得部11は、複数の検出装置20それぞれから受信したデータから、複数の交差点それぞれの付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得する。渋滞判定部13は、車両情報に基づいて、複数の交差点それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点を渋滞交差点と判定する。優先度算出部16は、複数の連続渋滞経路それぞれについて、少なくとも連続渋滞経路における車両進行方向に基づいて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出する。
本開示の実施の形態3にかかる交通監視装置10は、上記のように、複数の連続渋滞経路それぞれについて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出する。ここで、本開示の実施の形態3においては、単に、渋滞が激しい連続渋滞経路の優先度を高くするわけではない。都市の周辺の道路網4において、都市の交通需要を総合的に考慮すると、渋滞が激しい(つまり渋滞度が高い)連続渋滞経路を優先的に対処すべきとは限らないからである。
これにより、本開示の実施の形態3においては、複数ある連続渋滞経路のどれに対して優先的に渋滞を解消するための対策を施せばよいかを、効率的に判断することが可能となる。したがって、本開示の実施の形態3においては、限られた物的及び人的リソースを効果的に使用して、都市全体の渋滞を効率的に解消することが可能となる。なお、本開示の実施の形態3にかかる交通監視システム1を用いても、複数ある連続渋滞経路のどれに対して優先的に渋滞を解消するための対策を施せばよいかを、効率的に判断することが可能となる。また、本開示の実施の形態3にかかる交通監視装置10で実行される交通監視方法及び交通監視方法を実行するプログラムを用いても、複数ある連続渋滞経路のどれに対して優先的に渋滞を解消するための対策を施せばよいかを、効率的に判断することが可能となる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。なお、実施の形態3にかかるシステム構成については、図2に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
図25は、実施の形態3にかかる交通監視装置100の構成を示す図である。実施の形態3にかかる交通監視装置100のハードウェア構成は、実施の形態1にかかるものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
また、実施の形態3にかかる交通監視装置100は、車両情報取得部112、付加情報取得部114、渋滞判定部116、原因判定部120、原因情報格納部122、対策提示部130、及び、対策情報格納部132を有する。また、実施の形態3にかかる交通監視装置100は、交差点特定部202及びグループ特定部204を有する。さらに、実施の形態3にかかる交通監視装置100は、重点方向設定部302と、優先度算出部304とを有する。重点方向設定部302及び優先度算出部304は、それぞれ、重点方向設定手段及び優先度算出手段として機能する。その他の構成要素の機能については、特記しない限り、実施の形態1及び実施の形態2のものと実質的に同様である。
重点方向設定部302は、道路網4における重点方向を予め設定する。ここで、「重点方向」とは、交通需要が大きい等の理由により渋滞に対する対策を重点的に行うべき方向である。詳しくは後述する。なお、重点方向は、例えばオペレータがインタフェース部108を操作することによって、設定されてもよい。
優先度算出部304は、複数の連続渋滞経路それぞれについて、少なくとも連続渋滞経路における車両進行方向に基づいて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出する。ここで、優先度算出部304は、連続渋滞経路における車両進行方向が重点方向設定部302によって設定された重点方向に対応する場合に、その連続渋滞経路の優先度を高くするように、優先度を算出する。詳しくは後述する。
図26は、実施の形態3にかかる交通監視装置100によって実行される交通監視方法を示すフローチャートである。まず、実施の形態3にかかる交通監視装置100は、図6に示したフローチャートのS102~S110と実質的に同様の処理を行う。そして、実施の形態3にかかる交通監視装置100は、図20に示したフローチャートのS202~S240の処理を行って、連続渋滞経路を特定する(ステップS302)。ここで、S302で特定される連続渋滞経路は、渋滞交差点グループの1つ1つであってもよいし、複数の渋滞交差点グループを含む連続渋滞経路であってもよい(図22参照)。
次に、優先度算出部304は、各連続渋滞経路について優先度を算出する(ステップS310)。具体的には、優先度算出部304は、図27に例示する方法によって、各連続渋滞経路の優先度を算出する。なお、優先度を算出する方法は、図27に示した例に限られない。
図27は、実施の形態3にかかる優先度算出部304によって行われる優先度算出方法を例示する図である。まず、優先度算出部304は、処理対象とする連続渋滞経路を選択する(ステップS312)。以後、S314~S328について、この選択された連続渋滞経路の優先度の算出処理がなされる。
優先度算出部304は、処理対象とした連続渋滞経路の進行方向が重点方向と対応しているか否かを判定する(ステップS314)。連続渋滞経路の進行方向が重点方向と対応している場合(S314のYES)、優先度算出部304は、その連続渋滞経路の優先度Prを加算する(ステップS316)。なお、加算値については、優先度を算出する際に連続渋滞経路の進行方向が重点方向と対応しているかをどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。
なお、実施の形態3では、進行方向が重点方向と対応している連続渋滞経路について優先的に対処するとしている。したがって、連続渋滞経路の進行方向が重点方向と対応していない場合(S314のNO)、優先度算出部304は、優先度を「0」として、以降の処理を終了してもよい。また、S316の処理で加算される優先度Prを、他の処理で加算される優先度と比較して、はるかに(例えば10倍程度)大きくしてもよい。
図28は、実施の形態3にかかる重点方向設定部302によって設定される重点方向を例示する図である。また、図29は、複数の連続渋滞経路を有する道路網4を例示する図である。図29に示した例では、道路30A,30B,30C,30Dは、都市中心部の周囲を巡る環状路線である。また、道路30E,30F,30G,30H,30Iは、都市中心部から放射状に伸びる放射路線である。
また、図29に示す例では、道路30E,30F,30G,30Hに、それぞれ、都市中心部に向かう方向を進行方向とする連続渋滞経路#1,#2,#3,#4が発生している。また、道路30Iに、都市中心部から離れる方向を進行方向とする連続渋滞経路#5が発生している。また、道路30Cに、都市中心部を中心として時計回りの方向を進行方向とする連続渋滞経路#6が発生している。
放射路線については、朝方(例えば7時~9時)では、上り方向(都市中心部へ向かう方向)の交通需要が下り方向(都市中心部から離れる方向)の交通需要よりも高い。一方、夕方(例えば16時~19時)では、放射路線の下り方向の交通需要が上り方向の交通需要よりも高い。したがって、図28に例示するように、放射路線については、朝方では上り方向を重点方向と設定され、夕方では下り方向を重点方向と設定されている。つまり、優先度算出部304は、一日のうちの時間帯に応じて、上り方向と下り方向とのいずれかと連続渋滞経路の車両進行方向とが対応する場合に、その連続渋滞経路の優先度Prを高くするように、優先度Prを算出する。
図29の例では、優先度算出部304は、S314及びS316の処理で、朝方の時間帯では、連続渋滞経路#1,#2,#3,#4の優先度Prを高くし、連続渋滞経路#5の優先度Prを低くする。一方、優先度算出部304は、S314及びS316の処理で、夕方の時間帯では、連続渋滞経路#5の優先度Prを高くし、連続渋滞経路#1,#2,#3,#4の優先度Prを低くする。このように、優先度算出部304は、時間帯に応じて、優先度Prを適切に算出することが可能となる。
また、環状路線については、時計回り及び反時計回りの両方向とも、時間帯によらないで、交通需要が高い。したがって、図28に例示するように、環状路線については、時計回り及び反時計回りの両方向が、常時、重点方向と設定されている。図29の例では、優先度算出部304は、S314及びS316の処理で、時間帯によらないで、連続渋滞経路#6の優先度Prを高くする。
このように、連続渋滞経路の進行方向が重点方向と対応している場合に優先度Prを加算することで、交通需要が高い経路に対して優先的に対処することが可能となる。なお、S316の処理で加算される優先度Prは、段階的であってもよい。例えば、同じ進行方向であっても、連続渋滞経路が都市中心部に近いほど、優先度Prを高くしてもよい。
次に、優先度算出部304は、連続渋滞経路の車線数が予め定められた閾値Th1以上であるか否かを判定する(ステップS318)。また、例えばTh1=3である。ここで、連続渋滞経路の車線数は、連続渋滞経路の全行程における車線数の平均値であってもよい。車線数がTh1以上である場合(S318のYES)、優先度算出部304は、優先度Prを加算する(ステップS320)。なお、加算値については、優先度を算出する際に車線数をどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。
車線数が多い経路の渋滞が解消すると、その経路を使用できる車両の数が増大する。言い換えると、車線数が少ない経路の渋滞が解消しても、車線数が多い経路の渋滞が解消した場合と比較して、その経路を使用できる車両はそれほど増えない。実施の形態3のように、車線数が多い連続渋滞経路の優先度を高くすることにより、渋滞が解消したときの効果の大きな経路に対して、優先的に対処することが可能となる。したがって、実施の形態3にかかる交通監視装置100を使用することによって、限られた物的及び人的リソースを効果的に使用して、都市全体の渋滞を効率的に解消することが可能となる。
なお、閾値Th1は、1つとは限られなく、複数であってもよい。この場合、優先度Prも、段階的に加算され得る。例えば、Th11=3、Th12=4であるとする。この場合、車線数が3以上4未満であるときに、優先度Prが「1」加算されてもよい。また、車線数が4以上であるときに、優先度Prが「2」加算されてもよい。
次に、優先度算出部304は、連続渋滞経路の渋滞度が予め定められた閾値Th2以上であるか否かを判定する(ステップS322)。ここで、連続渋滞経路の渋滞度は、図7で示す処理で算出された、各交差点40の渋滞度Dj(連続渋滞経路の進行方向に対応する車線における渋滞度Dj)の合計又は平均値であってもよい。連続渋滞経路の渋滞度が閾値Th2以上である場合(S322のYES)、優先度算出部304は、優先度Prを加算する(ステップS324)。なお、加算値については、優先度を算出する際に渋滞度をどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。
なお、閾値Th2は、1つとは限られなく、複数であってもよい。この場合、優先度Prも、段階的に加算され得る。例えば、Th21及びTh22(Th21<Th22)が設定されているとする。この場合、渋滞度がTh21以上Th22未満であるときに、優先度Prが「1」加算されてもよい。また、渋滞度がTh22以上であるときに、優先度Prが「2」加算されてもよい。
次に、優先度算出部304は、連続渋滞経路の渋滞原因に対する対策に要するコスト(資源)が予め定められた閾値Th3以下であるか否かを判定する(ステップS326)。ここで、渋滞原因に対する対策に要するコスト(資源)とは、人的リソース及び物的リソースを含む。人的リソースは、例えば、派遣すべき現場警察官等の人数(工数)である。物的リソースは、例えば、必要な警備車両及び工事車両等の数及びこれらの運用に要する費用等である。
なお、コストは、人的リソース及び物的リソースを、適宜、所定の関数に応じて数値化したものであってもよい。また、コストは、連続渋滞経路の対処すべき交差点(渋滞誘発交差点等)の数に比例してもよい。つまり、対処すべき交差点の数が少ない程、優先度が高くなり得る。また、コストは、処理対象とした連続渋滞経路について、原因判定部120及び対策提示部130が行う処理(図20のS250及びS260等)と実質的に同様の処理を行うことで、算出され得る。この場合、図17に例示した対策情報において、渋滞原因(例えば「交通事故」)とコストを示す数値とが予め対応付けられていてもよい。
渋滞原因に対する対策に要するコストが閾値Th3以下である場合(S326のYES)、優先度算出部304は、優先度Prを加算する(ステップS328)。なお、加算値については、優先度を算出する際にコストをどれだけ重視するかによって、適宜設定され得る。なお、閾値Th3は、1つとは限られなく、複数であってもよい。この場合、優先度Prも、段階的に加算され得る。例えば、Th31及びTh32(Th31<Th32)が設定されているとする。この場合、渋滞度がTh31以上Th32未満であるときに、優先度Prが「1」加算されてもよい。また、渋滞度がTh32以上であるときに、優先度Prが「2」加算されてもよい。
このように、優先度算出部304は、連続渋滞経路の渋滞の原因に対する対策に要する資源が小さいほど、連続渋滞経路の優先度を高くする。これにより、実施の形態3にかかる交通監視装置100を用いて、物的及び人的リソースが限られているときに、少ないリソースで解消できる渋滞を優先的に解消することができる。したがって、限られた物的及び人的リソースを効果的に使用して、都市全体の渋滞を効率的に解消することが可能となる。
次に、優先度算出部304は、全ての連続渋滞経路について優先度を算出したか否かを判定する(ステップS330)。全ての連続渋滞経路について優先度が算出されていない場合(S330のNO)、S312の処理に戻る。一方、全ての連続渋滞経路について優先度が算出された場合(S330のYES)、優先度算出部304は、S310の処理を終了する。
次に、原因判定部120は、S310の処理で算出された優先度の高い連続渋滞経路の少なくとも1つの交差点40について、渋滞原因を判定する(図26のステップS350)。具体的には、原因判定部120は、図8のS152の処理及び図20のS250の処理と実質的に同様の処理を行うことで、連続渋滞経路の渋滞原因を判定し得る。このとき、原因判定部120は、例えば、優先度の最も高い連続渋滞経路の渋滞原因を判定してもよいし、予め定められた閾値よりも高い優先度の連続渋滞経路の渋滞原因を判定してもよい。これにより、優先度の高い連続渋滞経路の渋滞原因を、より適切に判定することが可能となる。
また、連続渋滞経路が渋滞交差点グループである場合、原因判定部120は、その渋滞交差点グループの先頭の交差点40(渋滞誘発交差点)の渋滞原因を判定する。また、連続渋滞経路が複数の渋滞交差点グループを含む場合、原因判定部120は、連続渋滞経路に含まれる渋滞誘発交差点それぞれについて、渋滞原因を判定する。
そして、対策提示部130は、図6のS160及び図20のS260処理と同様にして、対策情報を用いて、S350で判定された渋滞原因に対する対策方法を提示する(ステップS360)。これにより、オペレータは、連続渋滞経路で発生した渋滞原因に対する対策を、容易に検討することができる。したがって、連続渋滞経路の渋滞に対する対策を、より効率的に実行することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、図6のS160の処理はなくてもよい。また、図7のS114、S118、S122の処理の1つ以上はなくてもよい。また、図21のS222の処理はなくてもよい。しかしながら、S222の処理を行うことによって、より適切に、渋滞誘発交差点を判定することができる。また、図26のS350及びS360の処理はなくてもよい。また、図27のS318、S322、S326の処理の1つ以上はなくてもよい。
また、上述した実施の形態においては、原因情報格納部122及び対策情報格納部132が交通監視装置100に設けられているとしたが、このような構成に限られない。原因情報格納部122及び対策情報格納部132は、交通監視装置100に設けられていなくてもよい。原因情報格納部122及び対策情報格納部132は、交通監視装置100と通信可能な装置に設けられていてもよい。
また、上述した実施の形態においては、対策提示部130は、対策方法を、画像等によって視覚により視認可能に表示するように構成されているが、このような構成に限られない。対策提示部130は、音声によって、対策方法を提示してもよい。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の交差点それぞれの付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報に基づいて、前記複数の交差点それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点を渋滞交差点と判定する渋滞判定手段と、
複数の連続した前記渋滞交差点を含む複数の連続渋滞経路それぞれについて、少なくとも前記連続渋滞経路における車両進行方向に基づいて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出する優先度算出手段と
を有する交通監視装置。
(付記2)
前記優先度算出手段は、前記連続渋滞経路における前記車両進行方向が道路網における予め定められた重点方向に対応する場合に、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記1に記載の交通監視装置。
(付記3)
前記優先度算出手段は、一日のうちの時間帯に応じて、都市の中心部へ向かう上り方向と都市の中心部から離れる下り方向とのいずれかと前記連続渋滞経路の車両進行方向とが対応する場合に、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記2に記載の交通監視装置。
(付記4)
前記優先度算出手段は、前記連続渋滞経路の車線数が多いほど、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記1から3のいずれか1項に記載の交通監視装置。
(付記5)
前記優先度算出手段は、前記連続渋滞経路の渋滞の原因に対する対策に要する資源が小さいほど、前記連続渋滞経路の優先度を高くする
付記1から4のいずれか1項に記載の交通監視装置。
(付記6)
前記優先度が最も高い前記連続渋滞経路、又は、予め定められた閾値よりも高い優先度の前記連続渋滞経路の、少なくとも1つの前記交差点について、渋滞の原因を判定する原因判定手段
をさらに有する付記1から5のいずれか1項に記載の交通監視装置。
(付記7)
渋滞の原因と対策方法とが対応付けられた対策情報を用いて、前記原因判定手段によって判定された渋滞の原因に対する対策方法を提示する対策提示手段
をさらに有する付記6に記載の交通監視装置。
(付記8)
交差点それぞれの付近の状態を検出する複数の検出装置と、
前記交差点の交通を監視する交通監視装置と
を有し、
前記交通監視装置は、
複数の交差点それぞれの付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報に基づいて、前記複数の交差点それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点を渋滞交差点と判定する渋滞判定手段と、
複数の連続した前記渋滞交差点を含む複数の連続渋滞経路それぞれについて、少なくとも前記連続渋滞経路における車両進行方向に基づいて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出する優先度算出手段と
を有する
交通監視システム。
(付記9)
前記優先度算出手段は、前記連続渋滞経路における前記車両進行方向が道路網における予め定められた重点方向に対応する場合に、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記8に記載の交通監視システム。
(付記10)
前記優先度算出手段は、一日のうちの時間帯に応じて、都市の中心部へ向かう上り方向と都市の中心部から離れる下り方向とのいずれかと前記連続渋滞経路の車両進行方向とが対応する場合に、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記9に記載の交通監視システム。
(付記11)
前記優先度算出手段は、前記連続渋滞経路の車線数が多いほど、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記8から10のいずれか1項に記載の交通監視システム。
(付記12)
前記優先度算出手段は、前記連続渋滞経路の渋滞の原因に対する対策に要する資源が小さいほど、前記連続渋滞経路の優先度を高くする
付記8から11のいずれか1項に記載の交通監視システム。
(付記13)
前記交通監視装置は、
前記優先度が最も高い前記連続渋滞経路、又は、予め定められた閾値よりも高い優先度の前記連続渋滞経路の、少なくとも1つの前記交差点について、渋滞の原因を判定する原因判定手段
をさらに有する
付記8から12のいずれか1項に記載の交通監視システム。
(付記14)
前記交通監視装置は、
渋滞の原因と対策方法とが対応付けられた対策情報を用いて、前記原因判定手段によって判定された渋滞の原因に対する対策方法を提示する対策提示手段
をさらに有する
付記13に記載の交通監視システム。
(付記15)
複数の交差点それぞれの付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得し、
前記車両情報に基づいて、前記複数の交差点それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点を渋滞交差点と判定し、
複数の連続した前記渋滞交差点を含む複数の連続渋滞経路それぞれについて、少なくとも前記連続渋滞経路における車両進行方向に基づいて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出する
交通監視方法。
(付記16)
前記連続渋滞経路における前記車両進行方向が道路網における予め定められた重点方向に対応する場合に、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記15に記載の交通監視方法。
(付記17)
一日のうちの時間帯に応じて、都市の中心部へ向かう上り方向と都市の中心部から離れる下り方向とのいずれかと前記連続渋滞経路の車両進行方向とが対応する場合に、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記16に記載の交通監視方法。
(付記18)
前記連続渋滞経路の車線数が多いほど、前記連続渋滞経路の前記優先度を高くする
付記15から17のいずれか1項に記載の交通監視方法。
(付記19)
前記連続渋滞経路の渋滞の原因に対する対策に要する資源が小さいほど、前記連続渋滞経路の優先度を高くする
付記15から18のいずれか1項に記載の交通監視方法。
(付記20)
前記優先度が最も高い前記連続渋滞経路、又は、予め定められた閾値よりも高い優先度の前記連続渋滞経路の、少なくとも1つの前記交差点について、渋滞の原因を判定する
付記15から19のいずれか1項に記載の交通監視方法。
(付記21)
渋滞の原因と対策方法とが対応付けられた対策情報を用いて、前記判定された渋滞の原因に対する対策方法を提示する
付記20に記載の交通監視方法。
(付記22)
複数の交差点それぞれの付近に存在する車両の走行状態に関する車両情報を取得するステップと、
前記車両情報に基づいて、前記複数の交差点それぞれについて、渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生した交差点を渋滞交差点と判定するステップと、
複数の連続した前記渋滞交差点を含む複数の連続渋滞経路それぞれについて、少なくとも前記連続渋滞経路における車両進行方向に基づいて、渋滞を解消するための対策を施す優先度を算出するステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2018年3月29日に出願された日本出願特願2018-066014を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。