JP2005267269A - 交通管制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 交通問題が発生している発生地点を正確に推定し、その地点で発生している交通問題を解消するための対策案を交通状況の時間的推移に基づいて生成することにより、交通管制にかかる業務を効率化できる交通管制装置を提供する。
【解決手段】 交通管制装置1は、対象道路網における交通状況の時間的推移を交通状況記憶部3に記憶している。交通管制装置1は、この交通状況の時間的推移から、渋滞等の慢性的な交通問題が発生している地点を推定し、この地点に対して交通問題を解消するための対策案を生成する。そして、この対策案を実行した後、実際の交通状況を用いて対策案の妥当性を検証し、以降の対策案の生成時におけるノウハウとして利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】 交通管制装置1は、対象道路網における交通状況の時間的推移を交通状況記憶部3に記憶している。交通管制装置1は、この交通状況の時間的推移から、渋滞等の慢性的な交通問題が発生している地点を推定し、この地点に対して交通問題を解消するための対策案を生成する。そして、この対策案を実行した後、実際の交通状況を用いて対策案の妥当性を検証し、以降の対策案の生成時におけるノウハウとして利用する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、道路網の交通問題に対する対策案、例えば慢性的な渋滞解消のための対策案、イベント等の予定事象の開催にともなう交通規制案、事故等の突発的事象の発生にともなう交通規制案、を自動的に生成し、実行する交通管制装置に関する。
従来より、道路網における交通状況の悪化防止や改善のために、交通管制センタに設置した交通管制装置で道路網における現実の交通状況を管理し、交差点に設置されている信号灯器の制御や、ドライバへの渋滞や通行規制等の交通状況の通知等の交通施策を行っている。具体的には、信号制御パラメータの変更、道路に設置された道路情報表示盤に渋滞が発生している道路や、通行規制を実施している道路等を表示することが行われている。信号制御パラメータは、周知のように、サイクル、スプリット、オフセットである。サイクルは信号灯器の1周期の時間であり、スプリットは1サイクルに占める青時間の割合であり、オフセットは交差点間のサイクル開始タイミングの差(相対オフセット)、または基準交差点とのサイクル開始タイミングの差(絶対オフセット)である。
従来の交通管制センタでは、制御対象である道路網(以下、対象道路網と言う。)の複数の地点に設置した車両検出センサにより、各地点における車両の通過台数、平均速度、リンク旅行時間、停止回数等を計測し、この計測値に基づいて対象道路網の交通状況を数分間隔(1〜5分間隔)で判断し、出力する。車両検出センサは、CCDカメラで撮像した画像を処理して車両を感知する画像式、超音波センサにより車両を感知する超音波式、光センサにより車両を感知する光学式等がある。
また、道路を撮像した画像を処理して得られた車両の移動量に関する特徴量をニューラルネットに入力し、交通状況として該道路の渋滞度を判定し、出力する装置が特許文献1に記載されている。さらに、与えられた交通計画の下での不具合である交通問題を検出し、検出した交通問題を解消するための信号制御パラメータ等の変更案(対策案)を生成する装置が特許文献2に記載されている。
特開平5−40896号公報
特許第3446924号公報
しかしながら、従来の交通管制装置は、発生している交通問題を解消するための対策案を生成する構成であり、その時点における交通状況に対する対策案しか生成できない。このため、例えば、慢性的に渋滞が発生している道路に対して、直前の交通状況を考慮した対策案しか生成することができず、実行するときの交通状況を考慮した対策案を生成することができない。したがって、生成した対策案を実行したときに、交通問題が解消されなかったり、より大きな交通問題が起こる等の問題があった。
また、道路網における交通状況をオペレータに提示し、交通問題が発生しているかどうかの確認や、発生している交通問題を解消するための対策案の生成をオペレータに行わせると、オペレータの作業負担が大きい。
そして、交通問題を解消する対策案の評価を立案時点で十分に行い、この対策案を実際に実行したときの交通状況から、この対策案の実績を客観的に評価し、以後の対策案の立案に反映させることにより、上記の問題を解決し、交通管制業務を効率的、且つ継続的に実施できるの交通管制装置が要望されている。
この発明の目的は、交通問題が発生している発生地点を正確に推定し、その地点で発生している交通問題を解消するための対策案を交通状況の時間的推移に基づいて生成することにより、交通管制にかかる業務を効率化できる交通管制装置を提供することにある。
また、この発明は、交通問題を解消する対策案の評価を立案時点で十分に行い、この対策案を実際に実行したときの交通状況から、この対策案の実績を客観的に評価し、以後の対策案の立案に反映させることにより、上記の問題を解決し、交通管制業務を効率的、且つ継続的に実施できるの交通管制装置を提供することを目的とする。
この発明の交通管制装置は、上述の課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)対象道路網の複数の地点に設置した複数の車両検出センサによる車両検出信号に基づいて、この対象道路網の交通状況の時間的推移を蓄積的に記憶する交通状況記憶手段と、
前記交通状況記憶手段が蓄積的に記憶している対象道路網の交通状況の時間的推移から、交通問題の発生地点を推定する交通状況評価手段と、
前記交通状況評価手段が推定した交通問題の発生地点に対して、前記交通状況記憶手段が記憶している交通状況の時間的推移に基づいて、発生している交通問題を解消するための対策案を生成する対策案生成手段と、
前記対策案生成手段が生成した対策案を出力する対策案出力手段と、を備えている。
前記交通状況記憶手段が蓄積的に記憶している対象道路網の交通状況の時間的推移から、交通問題の発生地点を推定する交通状況評価手段と、
前記交通状況評価手段が推定した交通問題の発生地点に対して、前記交通状況記憶手段が記憶している交通状況の時間的推移に基づいて、発生している交通問題を解消するための対策案を生成する対策案生成手段と、
前記対策案生成手段が生成した対策案を出力する対策案出力手段と、を備えている。
この構成では、交通状況記憶手段が車両検出センサによる車両検出信号に基づいて、交通状況の時間的推移、例えば通過車両台数、車両の平均速度等の時間的推移を記憶する。交通状況評価手段は、交通状況記憶手段が記憶している交通状況の時間的推移から、交通問題が発生している発生地点を推定する。例えば、車両平均速度が閾値よりも低い時間と、高い時間との比(車両平均速度が閾値よりも低い時間/車両平均速度が閾値よりも高い時間)や、閑散時と混雑時とにおけるリンク旅行時間の比(閑散時のリンク旅行時間/混雑時のリンク旅行時間)が予め定めた閾値を超えている場合に、交通問題の発生地点(慢性的に渋滞が発生している地点)であると推定する。対策案生成手段が、交通問題の発生地点であると推定された地点に対して、発生している交通問題を解消するための対策案を生成する。対策案生成手段が生成する対策案は、発生している交通問題の種類により異なるが、信号制御パラメータの更新、車線規制等の通行規制等である。
このように、交通状況の時間的推移から交通問題が発生しているかどうかを判断し、交通問題が発生している地点に対して、その地点における交通状況の時間的推移に基づいて対策案を生成するので、そのときの交通状況を考慮した対策案を生成することができ、交通管制業務の適正化、および効率化が図れる。
(2)前記対策案生成手段が提案した対策案を実施した場合における交通状況をシミュレーションし、前記交通状況評価手段が推定した交通問題が解消されるかどうかを確認するシミュレーション手段を備え、
前記対策案生成手段は、前記シミュレーション手段により、前記交通状況評価手段が推定した交通問題が解消されないことが確認された場合、この交通問題を解消するための対策案を再生成する。
前記対策案生成手段は、前記シミュレーション手段により、前記交通状況評価手段が推定した交通問題が解消されないことが確認された場合、この交通問題を解消するための対策案を再生成する。
この構成では、対策案生成手段が生成した推定された交通問題に対する対策案を、シミュレーション手段によるシミュレーションで検証し、推定した交通問題が解消されない場合に、再度対策案生成手段が対策案を再生成する構成としたので、不適当な対策案が実施されるのを防止できる。
(3)交通問題を入力する交通問題入力手段を備え、
前記対策案生成手段は、前記交通問題入力手段により入力された交通問題について解消するための対策案を生成する機能を有する。
前記対策案生成手段は、前記交通問題入力手段により入力された交通問題について解消するための対策案を生成する機能を有する。
この構成では、オペレータが予定されているイベント等により生じる交通問題を入力すると、その交通問題に対する対策案が生成されるので、予定されているイベント当日の対策案を事前に準備しておくことができる。
(4)前記対策案生成手段が対策案を生成した交通問題、およびその対策案を対応づけて記憶する対策案記憶手段を備え、
前記対策案生成手段は、前記対策案記憶手段に記憶されている記憶内容を参照して対策案を生成する。
前記対策案生成手段は、前記対策案記憶手段に記憶されている記憶内容を参照して対策案を生成する。
この構成では、対策案記憶手段が過去に生成した対策案と、交通問題とを対応づけて記憶しており、対策案生成手段はこの記憶内容を参照して、例えばこれから生成する対策案の交通問題に類似する対策案を検索し、その対策案に基づいて今回の交通問題に対する対策案を生成する。したがって、対策案の生成にかかる時間の短縮が図れる。
(5)前記対策案生成手段は、学習機能を有する。
この構成では、学習機能設けて、エキスパートシステム化することにより、いつ、どこで、どのような交通問題が発生するかといった簡単な情報を入力するだけで、その対策案を簡単、且つ短時間で得ることができる。
この発明によれば、交通状況の時間的推移から交通問題が発生しているかどうかを判断し、交通問題が発生している地点に対して、その地点における交通状況の時間的推移に基づいて対策案を生成するので、そのときの交通状況を考慮した対策案を生成することができ、交通管制業務の適正化、および効率化が図れる。
以下、この発明の実施形態である交通管制装置について説明する。
図1はこの発明の実施形態である交通管制装置の構成を示す図であり、図2は制御対象の道路網を示す図である。交通管制装置1は、制御対象の道路網(以下、対象道路網と言う。)の交差点毎に、設置されている信号灯器11を制御する信号制御パラメータを決定する信号制御部2と、対象道路網のリンク毎に交通状況の時間的推移を記憶する交通状況記憶部3と、対象道路網に設置された道路情報表示盤12(以下、単に表示盤と言う。)における交通状況の表示を制御する情報提供部4と、対象道路網のリンク毎に交通問題が発生していないかどうかを判定する交通状況評価部5と、交通問題が発生しているリンクに対する対策案を生成する対策案生成部6と、対策案生成部6が生成した対策案を実行したときの交通状況をシミュレーションするシミュレーション部7と、過去に生成した対策案、およびそのときの交通問題を対応づけて記憶する知識データベース8と、オペレータに対する画面表示を行う表示部9と、オペレータが入力操作を行う操作部10と、を備えている。
信号制御部2は、対象道路網の交差点毎に設置されている信号灯器11に対する信号制御パラメータを決定し、通知する。各交差点の信号灯器11は、信号制御部2から通知された信号制御パラメータで動作する。信号制御部2が決定する信号制御パラメータは、サイクル、スプリット、オフセットである。サイクルは信号灯器11の1周期の時間であり、スプリットは1サイクルに占める青時間の割合であり、オフセットは交差点間のサイクル開始タイミングの差(相対オフセット)、または基準交差点とのサイクル開始タイミングの差(絶対オフセット)である。
交通状況記憶部3は、対象道路網の複数の地点に設置した車両検出センサにより検出された交通状況を、その時点における交通状況として蓄積的に記憶することにより、対象道路網のリンク毎に交通状況の時間的推移を記憶する。車両検出センサ13は、CCDカメラで撮像した画像を処理して車両を感知する画像式、超音波センサにより車両を感知する超音波式、光センサにより車両を感知する光学式等である。車両検出センサ13は、通過車両の台数、走行速度等の検出が、リアルタイムに行える。また、直進車両、右折車両、左折車両の台数の比率、所謂分岐率、を測定することができる画像式の車両検出センサを交差点に設置することにより、交差点での分岐率の検出も行える。交通状況記憶部3が記憶する交通状況は、通過車両の台数、平均走行速度、リンク旅行時間等である。
情報提供部4は、対象道路網に設置されている道路情報表示盤12に対して、例えば事故の発生場所、渋滞の発生場所、目的地までの旅行時間の表示を指示し、ドライバに対して現在の交通状況を通知する。交通情報評価部5は、対象道路網のリンク毎に交通状況記憶部3が記憶している交通状況の時間的推移から交通問題が発生しているかどうかを判定する。交通情報評価部5において交通問題が発生しているとされたリンクに対して、対策案生成部6がこの交通問題を解消するための対策案を生成し、シミュレーション部7が今回生成された対策案を実行したときの交通状況をシミュレーションする。知識データベース8は、対策案生成部6が生成した対策案に、そのときの交通問題、および対策案の実施前後における交通状況の時間的推移を対応づけて記憶する。また、知識データベース8は、対象道路網の地図データも記憶している
以下、この発明の実施形態である交通管制装置1の動作について説明する。
以下、この発明の実施形態である交通管制装置1の動作について説明する。
この実施形態の交通管制装置1は、対象道路網のリンク毎に、そのリンクの交通状況を数分間隔(1〜5分間隔)で交通状況記憶部3に蓄積的に記憶している。これにより、対象道路網のリンク毎に交通状況の時間的推移を示すデータを交通状況記憶部3に記憶している。また、この実施形態の交通管制装置1は、
(1)慢性的な渋滞等、日常的に発生している交通問題を解消するための信号制御パラメータの対策案の生成、および実行
(2)予定されているイベント等の予定事象の開催時に円滑な交通流を確保するための交通規制の対策案の生成
(3)事故等の突発的事象の発生時に円滑な交通流を確保するための対策案の生成、および実行、の3つの処理を行う。
(1)慢性的な渋滞等、日常的に発生している交通問題を解消するための信号制御パラメータの対策案の生成、および実行
(2)予定されているイベント等の予定事象の開催時に円滑な交通流を確保するための交通規制の対策案の生成
(3)事故等の突発的事象の発生時に円滑な交通流を確保するための対策案の生成、および実行、の3つの処理を行う。
まず、(1)慢性的な渋滞等、日常的に発生している交通問題を解消するための信号制御パラメータの対策案の生成、および実行にかかる動作について説明する。図3は、この動作を示すフローチャートである。交通管制装置1は、上述したように交通状況記憶部3に対象道路網のリンク毎に交通状況の時間的推移を示すデータを記憶している。
交通管制装置1の交通状況評価部5は、対象道路網内に存在するリンク毎に、交通状況記憶部3が記憶しているそのリンクの交通状況の時間的推移から、慢性的に渋滞が発生しているかどうかを判定し、慢性的に渋滞が発生している場所を抽出する(s1〜s4)。s1では、最も簡単な例としては、閑散時と混雑時とのにおけるリンク旅行時間、および平均速度の比(閑散時/混雑時)の少なくとも一方が、予め定めた値を一定時間連続して超えていれば、慢性的に渋滞が発生している場所であると判定する。交通管制装置1は、表示部9においてs2で抽出した全てのリンクをリスト形式で表示する(s5)。これにより、オペレータは慢性的に渋滞が発生している場所、言い換えれば慢性的に交通問題が発生している場所、を簡単に確認できる。交通管制装置1は、s5で表示部9において表示したリンクの中から、いずれかのリンクが選択されると(s6)、今回選択されたリンクについて、周辺の地図を表示部9に表示する(s8)。一方、交通管制装置1は、s6でリンクの選択が行われずに、s7で終了の選択が行われると本処理を終了する。
また、s8で選択されたリンク周辺の地図を表示する際に、地図上に車両検出センサ13の設置位置をマーキングしたり、その設置日時などのセンサ管理情報を表示してもよい。また、日別や月別の交通量などの多様な統計情報や現在の信号制御パラメータ等の表示を行ってもよい。さらには、選択したリンクに画像式の車両検出センサ13が設置されていれば、この車両検出センサ13が現在撮像しているリンクの映像を表示部9に表示してもよい。このようにすれば、オペレータは表示部9に表示された情報から、s6で選択したリンクにおける現在の交通状況等を簡単に確認できる。交通管制装置1は、s8で地図を表示したリンク(s6で選択されたリンク)について、信号制御パラメータの対策案の生成を行うかどうかの選択を受け付ける(s9)。ここで、オペレータが対策案の生成を行わない旨の入力を行うと、s5に戻る。
一方、オペレータが対策案の生成を行う旨の入力を行うと、対策案生成部6が交通状況記憶部3に記憶している該当リンクの交通状況の時間的推移を読み出し(s10)、これに基づいて信号制御パラメータの変更案を生成する(s11)。s11では、今回選択されたリンク内の交差点だけでなく、その周辺のリンクの交差点についても信号制御パラメータの変更案を生成する。s11で生成される変更案が、この発明で言う交通問題を解消するための対策案である。また、s11では過去に交通問題を解消するために生成した対策案を後述するように知識データベース8に記憶しており、この知識データベース8に記憶している過去の対策案を参照して、今回の交通問題を解消するための対策案を生成する。言い換えれば、交通管制装置1は交通問題を解消する対策案の作成にかかる学習機能を有している。
交通管制装置1は、s11で信号制御パラメータ案を生成すると、今回対策案である信号制御パラメータの変更案を生成した全ての交差点を含むエリアをシミュレーションエリアに設定し(s12)、シミュレーション部7においてs11で生成した信号制御パラメータを用いて、シミュレーションを実行する(s13)。s13にかかるシミュレーションでは、バス路線等、優先度を上げる必要がある路線について優先度の設定が行える。また、s13でシミュレーションを実行しているとき、表示部9においてシミュレーションエリアにおける車両の走行状況をアニメーション等で表示してもよい。シミュレーション部7は、シミュレーションエリアにおける交通状況のシミュレーションが完了すると、今回のシミュレーションによる交通状況の評価値を算出する(s14)。s14では、現状の交通状況の時間的推移と、シミュレーション結果として得られた交通状況の時間的推移とにおける、リンク旅行時間、停止回数、平均速度等の比率の総和を評価値として算出する。リンク旅行時間、や停止回数については、その値が小さくなればよいので、現状/シミュレーション結果により評価値を算出し、反対に平均速度については大きくなればよいので、シミュレーション結果/現状により評価値を算出する。
交通管制装置1は、s14で評価値を算出すると、この評価値の大きさから、信号制御パラメータの変更により交通状況が改善されるかどうかを判定する(s15)。s15にかかる判定は、s14で算出した評価値が予め定めた値よりも大きいかどうかにより判定する。交通管制装置1は、s15で交通状況が改善されないと判定すると、s11に戻って前記処理を繰り返し、信号制御パラメータ案を再生成する。
交通管制装置1は、s15で交通状況が改善されると判定すると、s11で生成した信号制御パラメータ案を該当する信号灯器11に通知し、信号制御パラメータの更新を指示する(s16)。この指示を受けた信号灯器11は信号制御パラメータを更新し、更新した信号制御パラメータで動作を開始する。これにより、今回の対策案の実行が開始される。また、交通管制装置1は、知識データベース8に、今回対策案として生成した信号制御パラメータ、対策前の交通状況の時間的推移、シミュレーション結果における交通状況の時間的推移を対応づけて記憶し(s17)、s5に戻る。
このように、この実施形態の交通管制装置1は、交通問題が発生している場所に対してこの交通問題を解消するための対策案を生成したときに、生成した対策案が適正であるかどうかをシミュレーションで確認してから実行する構成であるので、不適性な対策案を実行して、より大きな交通問題が引き起こされるという事態になるのを十分に抑えることができる。
さらに、この実施形態の交通管制装置1は、上記処理で交通問題を解消する対策案を実行したリンクについて、今回の対策案を評価する評価処理を行う。図4は、この評価処理を示すフローチャートである。交通管制装置1は、交通問題を解消するための対策案を実行してからある程度の期間が経過すると、この対策案を実行したリンクについて、この期間における交通状況の時間的推移を交通状況記憶部3から読み出す(s21)。また、知識データベース8から、この対策案を実行するときに記憶させたシミュレーション結果を読み出す(s22)。そして、交通管制装置1は、s21で読み出した実際の交通状況と、s22で読み出したシミュレーション結果と、の差異を確認し、ここで確認した差異が予め定めたものよりも大きければ(s23)、その差異が生じた原因を確認する(s24)。そして、その原因を知識データベース8に記憶している該当するシミュレーション結果に対応づけて記憶する(s25)。反対に、s23で差異が予め定めたものよりも小さければ、データに知識データベース8に記憶している該当するシミュレーション結果に対策案が適正であったことを示す情報を付加する(s26)。
このように、交通管制装置1は、交通問題を解消するための対策案を実行したリンクについて、その対策案が適正であったかどうかを評価、検証し、その評価結果を知識データベース8に記憶する。また、上述したs11で交通問題を解消するための対策案を生成するときに、この知識データベース8の記憶内容をノウハウとして利用することができ、対策案の生成における学習効果も得られる。
次に、(2)予定されているイベント等の予定事象の開催時に円滑な交通流を確保するための交通規制の対策案の生成、および実行について説明する。図5は、予定事象の開催時に円滑な交通流を確保するための交通規制の対策案の生成、および実行にかかる動作を示すフローチャートである。まず、オペレータが予定事象の種別(マラソン、道路工事等)、開催日時、開催場所等の予定事象情報を入力する(s31)。交通管制装置1は、入力された予定事象情報に基づいて、交通規制を行う規制対象エリアを決定し(s32)、s32で決定したエリアについて交通状況記憶部3から交通状況の時間的推移を読み出す(s33)。s33では、予定事象の開催日時と同じ曜日の交通状況の時間的推移を読み出したり、または予定事象が定期的に行われている行事であれば、前回や前々回の開催時における交通状況の時間的推移を読み出す。
交通管制装置1は、s33で読み出した交通状況の時間的推移を下にして、s32で決定した記載対象エリアにおける交通規制案を対策案生成部6で生成する(s34)。s34で生成する交通規制案がこの発明で言う交通問題を解決するための対策案であり、ここでは通行を規制する道路や、その周辺道路における信号制御パラメータ案等を生成する。交通管制装置1は、s34で生成した交通規制案を実行した場合における交通状況をシミュレーション部7でシミュレーションする(s35)。そして、s35のシミュレーション結果からs34で生成した交通規制案の妥当性を判断する(s36)。s36では、例えば、周辺道路網において大渋滞が発生しないかどうかにより妥当性を判断する。
交通管制装置1は、s36で妥当性がないと判断すると、s34に戻って、交通規制案を再生成する。反対に、s36で妥当性があると判断すると、予定事象の内容、s34で生成した交通規制案、s35で行ったシミュレーション結果を対応づけて知識データベース8に記憶する(s37)。
交通管制装置1は、予定事象の開催日までの間、この予定事象の開催にともなう交通規制等の情報を道路情報表示盤12で表示する等して、一般に知らせる。
また、交通管制装置1は、予定事象の開催時に、上記処理で生成した交通規制案を実行する。そして、この予定事象が終わると、今回の交通規制案を評価する評価処理を行う。図6は、この評価処理を示すフローチャートである。交通管制装置1は、予定事象が終わると、予定事象の開催時における交通状況の時間的推移を交通状況記憶部3から読み出す(s41)。また、知識データベース8から、この交通規制案のシミュレーション結果を読み出す(s42)。そして、交通管制装置1は、s41で読み出した実際の交通状況と、s42で読み出したシミュレーション結果と、の差異を確認し、ここで確認した差異が予め定めたものよりも大きければ(s43)、その差異が生じた原因を確認する(s44)。そして、その原因を知識データベース8に記憶している該当するシミュレーション結果に対応づけて記憶する(s45)。反対に、s43で差異が予め定めたものよりも小さければ、データに知識データベース8に記憶している該当するシミュレーション結果に交通規制案が適正であったことを示す情報を付加する(s46)。
このように、交通管制装置1は、予定事象の開催時に実行した交通規制案が適正であったかどうかを評価、検証し、その評価結果を知識データベース8に記憶する。また、上述したs34で交通規制案を生成するときに、この知識データベース8の記憶内容をノウハウとして利用することができ、対策案の生成における学習効果も得られる。
次に、(3)事故等の突発的事象の発生時に円滑な交通流を確保するための対策案の生成、および実行について説明する。図7は、事故等の突発的事象の発生時における交通管制装置の動作を示すフローチャートである。交通管制装置1は、事故等の突発的事象の発生を検知すると、この処理を開始する。事故等の突発的事象の検知は、車両検出センサ13により得られている交通状況が急激に悪化した場合、例えば渋滞が急に発生した場合、に事故等が発生したと判断する。交通管制装置1は、警報を発してオペレータに事故等の突発的事象の発生を報知するとともに、突発事象の発生現場に画像式の車両検出センサ13が設置されていれば、この車両検出センサ13が現在撮像している突発事象の発生現場の現在の映像を表示部9に表示する(s51)。
交通管制装置1は、発生現場周辺の道路を規制エリアに決定し(s52)、この規制エリアにおける信号制御パラメータ等の対策案を対策案生成部6で生成する(s53)。そして、シミュレーション部7において、s53で生成した対策案を実行した場合をシミュレーションし(s54)、そのシミュレーション結果から対策案の妥当性を判断する(s55)。
交通管制装置1は、s55で生成した対策案について妥当性がないと判断すると、s53に戻って対策案を再生成する。反対にs55で生成した対策案について妥当性があると判断すると、知識データベース8に今回の突発事象の発生日時、発生場所、対策案、シミュレーション結果を対応づけて記憶する(s56)。
また、交通管制装置1は、今回発生した突発的事象が解消されると、今回の対策案について評価処理を行う。図8は、この評価処理を示すフローチャートである。交通管制装置1は、突発的事象の発生から解消までの間における交通状況の時間的推移を交通状況記憶部3から読み出す(s61)。また、知識データベース8から、この対策案案のシミュレーション結果を読み出す(s62)。そして、交通管制装置1は、s61で読み出した実際の交通状況と、s62で読み出したシミュレーション結果と、の差異を確認し、ここで確認した差異が予め定めたものよりも大きければ(s63)、その差異が生じた原因を確認する(s64)。そして、その原因を知識データベース8に記憶している該当するシミュレーション結果に対応づけて記憶する(s65)。反対に、s63で差異が予め定めたものよりも小さければ、データに知識データベース8に記憶している該当するシミュレーション結果に交通規制案が適正であったことを示す情報を付加する(s66)。
このように、交通管制装置1は、突発的事象の発生に対する対策案が適正であったかどうかを評価、検証し、その評価結果を知識データベース8に記憶する。また、上述したs53で対策案を生成するときに、この知識データベース8の記憶内容をノウハウとして利用することができ、対策案の生成における学習効果も得られる。したがって、事故等の突発的事象が発生した場合に、すぐに迂回路を決定したり、渋滞等の交通問題の発生を抑えるための信号制御パラメータの変更が行え、円滑な交通環境を提案できる。
また、対策案生成部6は、エキスパートシステム化し、過去の学習結果を基に、信号制御パラメータや、予定事象の開催時における交通規制案や、事故等の突発的事象の発生による対策案を、自動生成するようにしてもよい。
1−交通管制装置
2−信号制御部
3−交通状況記憶部
4−情報提供部
5−交通状況評価部
6−対策案生成部
7−シミュレーション部
8−知識データベース
11−信号灯器
12−道路情報表示盤
13−車両検出センサ
2−信号制御部
3−交通状況記憶部
4−情報提供部
5−交通状況評価部
6−対策案生成部
7−シミュレーション部
8−知識データベース
11−信号灯器
12−道路情報表示盤
13−車両検出センサ
Claims (6)
- 対象道路網の複数の地点に設置した複数の車両検出センサによる車両検出信号に基づいて、この対象道路網の交通状況の時間的推移を蓄積的に記憶する交通状況記憶手段と、
前記交通状況記憶手段が蓄積的に記憶している対象道路網の交通状況の時間的推移から、交通問題の発生地点を推定する交通状況評価手段と、
前記交通状況評価手段が推定した交通問題の発生地点に対して、前記交通状況記憶手段が記憶している交通状況の時間的推移に基づいて、発生している交通問題を解消するための対策案を生成する対策案生成手段と、
前記対策案生成手段が生成した対策案を出力する対策案出力手段と、を備えた交通管制装置。 - 前記対策案生成手段は、前記対象道路網の交差点に設置された信号灯器の信号制御パラメータを決定する請求項1に記載の交通管制装置。
- 前記対策案生成手段が提案した対策案を実施した場合における交通状況をシミュレーションし、前記交通状況評価手段が推定した交通問題が解消されるかどうかを確認するシミュレーション手段を備え、
前記対策案生成手段は、前記シミュレーション手段により、前記交通状況評価手段が推定した交通問題が解消されないことが確認された場合、この交通問題を解消するための対策案を再生成する請求項1または2に記載の交通管制装置。 - 交通問題を入力する交通問題入力手段を備え、
前記対策案生成手段は、前記交通問題入力手段により入力された交通問題について解消するための対策案を生成する機能を有する請求項1〜3のいずれかに記載の交通管制装置。 - 前記対策案生成手段が対策案を生成した交通問題、およびその対策案を対応づけて記憶する対策案記憶手段を備え、
前記対策案生成手段は、前記対策案記憶手段に記憶されている記憶内容を参照して対策案を生成する請求項1〜4のいずれかに記載の交通管制装置。 - 前記対策案生成手段は、学習機能を有する請求項1〜5のいずれかに記載の交通管制装置。
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---|---|---|---|---|
JP2008059390A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Toshiba Corp | 道路車線運用支援システム |
WO2011158482A1 (ja) * | 2010-06-16 | 2011-12-22 | パナソニック株式会社 | 事故削減施策シミュレーション装置および事故削減施策シミュレーション方法 |
US12136339B2 (en) | 2018-03-29 | 2024-11-05 | Nec Corporation | Traffic monitoring apparatus, traffic monitoring system, traffic monitoring method, and non-transitory computer readable medium storing program |
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2004
- 2004-03-18 JP JP2004079006A patent/JP2005267269A/ja active Pending
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