[go: up one dir, main page]

JP7019436B2 - 化粧材 - Google Patents

化粧材 Download PDF

Info

Publication number
JP7019436B2
JP7019436B2 JP2018015207A JP2018015207A JP7019436B2 JP 7019436 B2 JP7019436 B2 JP 7019436B2 JP 2018015207 A JP2018015207 A JP 2018015207A JP 2018015207 A JP2018015207 A JP 2018015207A JP 7019436 B2 JP7019436 B2 JP 7019436B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
sensitive adhesive
pressure
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018015207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019130802A (ja
Inventor
悠子 相賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2018015207A priority Critical patent/JP7019436B2/ja
Publication of JP2019130802A publication Critical patent/JP2019130802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7019436B2 publication Critical patent/JP7019436B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)

Description

本発明は、化粧材に関する。
従来、基材(被着体)に化粧フィルムを貼り付けることにより、意匠が付与された化粧材を作製することが行われている。化粧材又は化粧フィルムに関係する先行技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1~4が挙げられる。
特許文献1には、基材上に、絵柄層と、フッ素系樹脂表面層とを少なくとも具備することを特徴とする化粧材が開示されている。
特許文献2には、ポリ塩化ビニルフィルム層、粘着剤層、セパレーターの順に積層され、前記粘着剤層は、アクリル酸メチルと炭素数が4のアルコキシ基を含むアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、及び、ガラス転移温度が115℃以下であり、かつ、重量平均分子量が5千~10万である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有し、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、前記共重合体100重量部に対して1~40重量部であることを特徴とする加飾成形用フィルムが開示されている。
特許文献3には、基材上に、少なくとも装飾層、プライマー層及び表面保護層を順に有する加飾シートであって、該表面保護層が、(A)電離放射線硬化性樹脂及び(B)反応性官能基Aを有する紫外線吸収剤を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる層であり、該(A)電離放射線硬化性樹脂が炭素数13~25のアルキル基と電離放射線硬化性官能基を有し、かつポリカプロラクトン変性されていることを特徴とする化粧シートが開示されている。
特許文献4には、基材、接着層、着色層および透明樹脂層を有する化粧シートであって、前記着色層中には、高輝性顔料が含有されているとともに、バインダー樹脂として塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体と、アクリル樹脂とが用いられており、前記透明樹脂層の紫外線透過率が8%以下(380nm)であることを特徴とする化粧シートが開示されている。
特開平10-44329号公報 特開2017-132205号公報 特開2012-206376号公報 特開2007-261143号公報
ところで、浴室、洗面所等の水回りの壁装に用いられる化粧材については、長期使用による化粧フィルムの変色を防止できる耐候性だけでなく、温水等の浸水に対して化粧フィルムの剥離(浮き)、変色、粘着力低下を防止できる耐水性が求められていた。しかしながら、化粧フィルムの粘着力は、粘着剤層の組成だけでなく、基材の材質や樹脂フィルムの材質との関係によっても変動することから、基材の材質等によっては耐水性と耐候性の両方を向上した化粧材を得ることは困難であった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、耐水性及び耐候性に優れた化粧材を提供することを目的とする。
本発明者は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂で構成される基材に、ポリ塩化ビニルを含有するトップフィルムを貼り付けた化粧材に着目し、耐水性及び耐候性を向上する方法について種々検討した。その結果、アクリル系粘着剤及びエポキシ系硬化剤を含有する粘着剤層を用いれば、基材の材質やトップフィルムの材質との関係が最適化され、良好な耐水性が得られることを見出した。更に、本発明者は、トップフィルムに対して、特定量の紫外線吸収剤を配合することにより、耐水性を損なうことなく、良好な耐候性が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の化粧材は、基材、粘着剤層、及び、トップフィルムが順に積層されてなる化粧材であって、上記基材は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂で構成され、上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤及びエポキシ系硬化剤を含有する粘着剤組成物の硬化物であり、上記トップフィルムは、ポリ塩化ビニル及び紫外線吸収剤を含有し、上記紫外線吸収剤の含有量は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.1~5重量部であることを特徴とする。
上記粘着剤層の厚さは、20~80μmであることが好ましい。上記エポキシ系硬化剤の含有量は、上記アクリル系粘着剤100重量部に対して、0.05~5重量部であることが好ましい。本発明の化粧材は、上記粘着剤層と上記トップフィルムとの間に、ポリ塩化ビニルを含有するベースフィルムを備えてもよく、また、上記ベースフィルムと上記トップフィルムとの間に、印刷層を備えてもよい。上記トップフィルムは、抗菌剤、防カビ剤又は抗菌抗カビ剤を含有することが好ましい。
本発明によれば、耐水性及び耐候性に優れた化粧材を実現できる。
本発明の化粧材の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の化粧材の別の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の化粧材の更に別の一例を模式的に示した断面図である。
本発明の化粧材は、基材、粘着剤層、及び、トップフィルムが順に積層されてなる化粧材であって、上記基材は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂で構成され、上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤及びエポキシ系硬化剤を含有する粘着剤組成物の硬化物であり、上記トップフィルムは、ポリ塩化ビニル及び紫外線吸収剤を含有し、上記紫外線吸収剤の含有量は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.1~5重量部であることを特徴とする。なお、本明細書において、「フィルム」は、「シート」と同義であり、厚さによって両者を区別していない。
図1は、本発明の化粧材の一例を模式的に示した断面図である。図1に示した化粧材は、基材11、粘着剤層12及びトップフィルム13が順に積層された構造を有する。基材11の外表面側に、粘着剤層12を介してトップフィルム13が貼り付けられていることにより、基材11自身の外観とは異なる外観を有する意匠性の高い部材とされている。すなわち、トップフィルム13が、化粧材の外表面を構成する。
[基材]
基材11は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で構成される。ABS樹脂は、剛性、耐衝撃性、耐熱性、耐寒性、加工性等に優れており、表面加工が容易である。
ABS樹脂は、発泡ABS樹脂であってもよい。発泡体とすることで、軽量化することができ、加工性、断熱性、難燃性等を向上することができる。発泡方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、発泡剤としてアゾジカルボン酸アミド等を用いてもよく、発泡助剤として酢酸亜鉛、金属石鹸、タルク類等を用いてもよい。
基材11の形状は特に限定されないが、例えば、平板状が挙げられる。
[粘着剤層]
粘着剤層12は、アクリル系粘着剤及びエポキシ系硬化剤を含有する粘着剤組成物の硬化物である。エポキシ系硬化剤がアクリル系粘着剤中の官能基と化学反応又は相互作用し、アクリル系粘着剤が架橋されることにより、粘着剤組成物が硬化する。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を含む粘着剤である。アクリル系粘着剤は、粘着性、加工性、耐熱老化性、耐湿老化性、耐候性に優れるとともに、比較的安価である。
上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又はその共重合体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキル基の炭素数が2~18、好ましくは4~12の第一級~第三級アルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とから得られるエステル等が挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体の合成に用いられる共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有するとともに、カルボキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等〕、ヒドロキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等〕、スルホキシル基〔例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等〕、アミノ基〔例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチルエステル等〕、アミド基〔例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等〕、アルコキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等〕等の官能基を側鎖に有する単量体を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N-ビニル-2-ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましい。特に、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50~98重量%と、1種又は2種以上の共重合性単量体2~50重量%を共重合して得られる共重合体が好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、60万~100万であることが好ましい。上記重量平均分子量が60万~100万の範囲内であると、充分な粘着力を発現することができる点で有利である。これに対して、上記重量平均分子量が60万未満では、糊残りが発生するおそれがあり、一方、上記重量平均分子量が100万を超えると、濡れ性低下によって、所望の粘着力を発現することが難しいことがある。上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、70万~90万であることがより好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。なお、測定条件は以下の通りである。
装置名:HLC-8120(東ソー社製)
カラム:G7000HXL 7.8mmID×30cm 1本 GMHXL 7.8mmID×30cm 2本 G2500HXL 7.8mmID×30cm 1本(東ソー社製)
サンプル濃度:1.5mg/mlになるようにテトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
上記エポキシ系硬化剤はエポキシ基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N′-ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
上記エポキシ系硬化剤の含有量は、アクリル系粘着剤100重量部(固形分)に対して、0.05~5重量部であることが好ましい。上記含有量が0.05重量部未満であると、架橋密度が低いため、粘着剤層12の凝集力が不充分となり、糊残りが発生する。上記含有量が5重量部を超えると、粘着力が低下するおそれがある。エポキシ系硬化剤の含有量は、アクリル系粘着剤100重量部(固形分)に対して、0.1~4.0重量部であることがより好ましい。
上記粘着剤組成物は、更に、触媒を含有してもよい。触媒としては、エポキシ系硬化剤の反応に用いられる触媒が挙げられ、例えば、ジラウリル酸ジ-n-ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記粘着剤組成物は、更に、疎水性有機溶剤等の溶剤を含有してもよい。上記疎水性有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、鉱油、石油エーテル等が挙げられる。
また、上記粘着剤組成物には、本発明の化粧材に要求される特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、安定剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、粘着付与剤、染料、顔料等の各種添加剤が添加されていてもよい。
上記粘着剤組成物の塗工量は、10~90g/m(乾燥時重量換算)であることが好ましい。言い換えれば、上記粘着剤組成物を乾燥させた粘着剤層12の塗工量が10~90g/mであることが好ましい。上記塗工量が10~90g/mの範囲に調整されることによって、粘着剤層12の粘着力を確保することができる。上記塗工量が10g/m未満では、粘着力が不充分なことがある。上記塗工量が90g/mを超えると、粘着剤層12が糊残りしやすくなる。上記塗工量のより好ましい下限は30g/mである。上記塗工量が30g/m以上であると、基材11の表面の凹凸に対する充分な追従性が得られる。上記塗工量のより好ましい上限は70g/mである。
上記粘着剤層12の厚さは、20~80μmであることが好ましい。上記厚さが20μm未満では、充分な粘着性を得ることができない場合があり、上記厚さが80μmを超えると、粘着性がさほど向上しない。また、粘着剤組成物中に溶剤が含まれる場合には、上記厚さが80μmを超えると、乾燥炉にて溶剤を揮発させる際に気泡が粘着剤層に残り、意匠が損なわれるおそれがある。更に、粘着剤組成物中の溶剤を揮発させるための時間が長くなり、生産性が著しく低下するおそれがある。上記粘着剤層12のより好ましい厚さは、20~60μmである。
[トップフィルム]
トップフィルム13は、ポリ塩化ビニル(PVC)を含有する。ポリ塩化ビニルを用いれば、トップフィルム13を基材11に貼り付ける成形時に、伸びがよく、破断し難いため、基材11の表面形状への優れた追従性(成形性)が得られる。
ポリ塩化ビニルとしては、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
上記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル;フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の単量体の共重合体における含有量は、通常、50重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。50重量%を超えると、トップフィルム13の耐屈曲性が低下するおそれがある。上記ポリ塩化ビニルのなかでも、寸法安定性が得られる点から、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
上記ポリ塩化ビニルの平均重合度は特に限定されず、求められるフィルムの硬さや、硬さの調整に用いられる可塑剤の量に応じて調整されるものであり、例えば、800~1300とされる。上記平均重合度の好ましい上限は1050である。上記平均重合度が800~1300の範囲内であると、比較的低温での成形性が特に良好である。これに対して、上記平均重合度が800未満では、成形時におけるエンボス形状を維持しにくくなるおそれがある。一方、上記平均重合度が1300を超えると、基材の表面形状への追従性が不充分となるおそれがある。
トップフィルム13は、紫外線吸収剤を含有する。紫外線吸収剤の種類としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が用いられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いれば、ポリ塩化ビニルとの相溶性が充分に確保されることから、耐候性の良好なトップフィルム13が得られる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等が挙げられる。これらのベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-[2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-tert-アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.1~5重量部である。上記含有量が0.1重量部未満であると、紫外線吸収剤による耐候性の向上が不充分となる。上記含有量が5重量部を超えると、紫外線吸収剤がトップフィルム13の表面に移行し、ブリードするおそれがある。紫外線吸収剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.2~2.0重量部であることが好ましい。
トップフィルム13は、可塑剤を含有していてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、従来からポリ塩化ビニルに配合されているものを用いることができ、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸オクチル(ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP))、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル等のフタル酸ジエステル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸ジエステル;トリクレジルホスフエート、トリオクチルホスフエート等のリン酸トリエステル;エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;高分子ポリエステル可塑剤等を挙げることができる。
上記高分子ポリエステル可塑剤としては、例えば、フタル酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステル;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステルを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤の数平均分子量は、350~3000であることが好ましい。上記数平均分子量が350未満では、可塑剤がフィルム表面にブリードするおそれがある。一方、上記数平均分子量が3000を超えると、可塑剤の添加によりフィルムを柔軟にする効果が充分に得られず、トップフィルム13が硬くなり過ぎることで、施工性が低下するおそれがある。
トップフィルム13における可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、10~35重量部であることが好ましい。上記含有量の範囲内であれば、比較的低温での成形性が特に良好である。上記含有量が10重量部未満では、トップフィルム13が硬くなり過ぎることで、施工性が低下するおそれがある。一方、上記含有量が35重量部を超えると、可塑剤がフィルム表面にブリードするおそれがある。上記可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、15~28重量部であることがより好ましい。
トップフィルム13は、抗菌剤、防カビ剤又は抗菌抗カビ剤を含有することが好ましい。抗菌剤、防カビ剤又は抗菌防カビ剤を配合することにより、本発明の化粧材を浴室、台所、洗面所、トイレ等の水回りの壁装用の化粧材として用いても、充分な抗菌性能や防カビ性能が得られる。抗菌剤としては、例えば、無機系の金属イオン化合物が用いられる。防カビ剤としては、例えば、有機系防カビ剤が用いられる。抗菌抗カビ剤としては、例えば、有機窒素硫黄系化合物、有機複素環化合物が用いられる。
上記有機窒素硫黄系化合物は、分子内に窒素原子及び硫黄原子を含む有機化合物であれば限定されず、例えば、チアゾール系化合物、イソチアゾロン系化合物、チオカーバメート系化合物が挙げられ、なかでも、チアゾール系化合物が好適に用いられる。チアゾール系化合物の具体例としては、例えば、2-(1,3-チアゾール-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾールが挙げられる。なお、有機窒素硫黄系化合物は、1種のみ用いられてもよく、2種以上用いられてもよい。
上記有機窒素硫黄系化合物の含有量は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.5~5.0重量部であることが好ましい。上記含有量が0.5重量部未満では、有機窒素硫黄系化合物を配合した効果が充分に得られないおそれがある。一方、上記含有量が5.0重量部を超えると、耐候性が低下するおそれがある。
上記有機複素環化合物は、分子内に複素環を含む有機化合物であれば限定されず、例えば、ピリジン系化合物、キノリン系化合物、トリアジン系化合物、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられ、なかでも、ピリジン系化合物が好適に用いられる。なお、有機複素環化合物は、1種のみ用いられてもよく、2種以上用いられてもよい。
上記有機複素環化合物は、上記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.1~5.0重量部配合されていることが好ましい。上記含有量が0.1重量部未満では、有機複素環化合物を配合した効果が充分に得られないおそれがある。一方、上記含有量が5.0重量部を超えると、耐候性が低下するおそれがある。
トップフィルム13は、必要に応じて、安定剤、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、充填剤、希釈剤等の他の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、ポリ塩化ビニルに一般的に配合されるものを使用することができる。
トップフィルム13の厚さは特に限定されないが、50~450μmであることが好ましい。上記厚さが50μm未満では、フィルム自体の強度が不足し、耐久性・耐候性が低下するおそれがある。一方、上記厚さが450μmを超える場合には、フィルムのコシが強すぎて、基材11への貼付けが困難になるおそれがある。また、上記厚さに合わせて紫外線吸収剤の含有量を多くしないと、耐候性を向上する効果が充分得られなくなるおそれがあるが、紫外線吸収剤の含有量が多くなることで、紫外線吸収剤がトップフィルム13の表面に移行し、ブリードするおそれがある。
トップフィルム13は、意匠が施されたものであってもよい。意匠の種類は特に限定されず、任意の色、柄(模様)を付与することができる。意匠は、トップフィルム13の全面に施されてもよく、部分的に施されてもよい。意匠を付与する方法は特に限定されず、例えば、エンボス加工等が挙げられる。エンボスの仕様によってトップフィルム13の意匠性を変えることができる。
エンボス加工は、トップフィルム13の表面に型を押し付けてエンボス形状(凹凸形状)を付与するものである。トップフィルム13は、樹脂成分としてポリ塩化ビニルを用いているので、比較的低温(約130℃)で良好な成形性を有し、エンボス加工に適している。
本発明の化粧材は、基材11、粘着剤層12、トップフィルム13以外に、例えば、ベースフィルム、印刷層、プライマー層等の他の層を含んでいてもよい。
図2は、本発明の化粧材の別の一例を模式的に示した断面図である。図2に示した化粧材は、基材11、粘着剤層12、ベースフィルム14及びトップフィルム13が順に積層された構造を有する。ベースフィルム14を設けることにより、化粧材の色合いを調整し、意匠性を高めることができる。
ベースフィルム14は、ポリ塩化ビニルを含有するものであることが好ましい。ベースフィルム14中のポリ塩化ビニルは、組成及び平均分子量等の点で、トップフィルム13中の塩化ビニル樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ベースフィルム14は、可塑剤を含有していてもよい。ベースフィルム14中の可塑剤は、組成、含有量及び数平均分子量等の点で、トップフィルム13中の可塑剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、トップフィルム13及びベースフィルム14は、積層されることから、基本的には同じ硬さであることが好ましい。そのため、トップフィルム13及びベースフィルム14は、厚さが同じであれば、可塑剤の含有量も同じであることが好ましい。
ベースフィルム14は、必要に応じて、安定剤、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、充填剤、希釈剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、ポリ塩化ビニルに一般的に配合されるものを使用することができ、トップフィルム13中の添加剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、ベースフィルム14は、トップフィルム13とは異なり、紫外線吸収材を含んでいなくてもよい。
ベースフィルム14の厚さは特に限定されないが、50~200μmであることが好ましい。
図3は、本発明の化粧材の更に別の一例を模式的に示した断面図である。図3に示した化粧材は、基材11、粘着剤層12、ベースフィルム14、印刷層(インキ層)15及びトップフィルム13が順に積層された構造を有する。印刷層15を設けることにより、意匠性を高めることができる。
印刷層15は、ベースフィルム14の表面全体を覆うものであってもよく、部分的に覆うものであってもよい。例えば、印刷層15が、任意の図柄や情報等に対応する平面形状である場合には、印刷層15がベースフィルム14の表面を部分的に覆うことになる。
印刷層15を形成するための印刷方法としては特に限定されず、例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷等が挙げられる。インクジェット印刷の具体例としては、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体・アクリル系インクを、インクジェットプリンターによりベースフィルム14上に吐出する方法が挙げられる。グラビア印刷の具体例としては、1液硬化型インク又は2液硬化型インクを使用する方法が挙げられる。また、ベースフィルム14の表面には、印刷の定着性を向上させるために表面処理が施されてもよい。
本発明の化粧材の用途としては特に限定されないが、例えば、壁面に取り付ける化粧板(壁装材)、室内ドア、クローゼットやキッチンの扉、家具、フローリング等の内装材が挙げられる。また、浴室、台所、洗面所、トイレ等の水回りの壁装に好適に用いられる。本発明の化粧材によれば、塗装よりも簡易かつ安全な方法で、塗装品と同等の意匠性が得られる。
本発明の化粧材は、従来公知の製造方法を利用して製造することができる。基材11としては、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形、カレンダー成形、熱溶融積層法等の成形方法によりABS樹脂を、本発明の化粧材の用途に応じた形状に成形したものを使用することができる。
粘着剤層12の形成方法は特に限定されず、例えば、セパレーター上にバーコーター等を用いて、粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成した後、該塗膜を加熱乾燥することによって硬化させる方法等の従来公知の方法を用いることができる。この場合、セパレーター上に形成した粘着剤層12を、トップフィルム13やベースフィルム14に貼り合わせることで化粧フィルムを製造することができる。化粧フィルムは、更に、必要に応じて、裁断、ロール状への巻き取り等の処理が行われる。セパレーターは、基材11への貼付の直前に剥離すればよい。セパレーターを設けることにより、化粧フィルムの製造、運搬、保存中に粘着剤層12が露出しないようにして、粘着剤層12の劣化防止や、化粧フィルムの取扱い性向上が可能となる。
上記セパレーターとしては特に限定されないが、粘着剤層12を損傷することなく容易に剥離できるものが好適であり、例えば、粘着剤層12と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって易剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂フィルム(離型フィルム);上質紙、グラシン紙等の紙(離型紙);紙と被覆層との積層フィルム等が挙げられる。
トップフィルム13及びベースフィルム14は、例えば、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の従来公知の成形法によって作製することができる。上記カレンダー成形に用いられるカレンダー形式としては、例えば、逆L型、Z型、直立2本型、L型、傾斜3本型等が挙げられる。
印刷層15は、上述したように、インクジェット印刷、グラビア印刷等の印刷法により形成することができる。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル(PVC)100重量部に対して、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル(DINP)20重量部及びエポキシ化大豆油(DIC社製、「W-100-EL」)3重量部と、有機窒素硫黄系化合物としてのチアゾール系化合物(住化エンバイロメンタルサイエンス社製、「ネオシントールAF-80」)1.5重量部と、有機複素環化合物としてのピリジン系化合物(大和化学工業社製、「バイオデンSK-40H」)0.5重量部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、「LA-29」)1重量部とを添加し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ80μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。得られたPVCフィルムをトップフィルムとして使用した。
平均重合度1000のポリ塩化ビニル(PVC)100重量部に対して、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(DINP)20重量部及びエポキシ化大豆油(DIC社製、「W-100-EL」)3重量部を添加し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ80μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。得られたPVCフィルムをベースフィルムとして使用した。
次に、ベースフィルムの一方の面に、インクジェットプリンターにより、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体・アクリル系インクを用いて印刷層を形成した。続いて、ベースフィルムの印刷層が形成された面に、トップフィルムを熱ラミネートにて貼り合わせ、積層フィルムを作製した。
また、厚さ100μmのセパレーター(二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム)の一方の面に、コンマバーコーターにて乾燥厚さが40μmとなるようにアクリル系粘着剤溶液を塗工し、塗膜を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル系粘着剤(綜研化学社製「SK2094」)100重量部に対して、エポキシ系硬化剤(綜研化学社製「E-AXM」)を1.2重量部配合したものであった。上記塗膜を乾燥炉にて80℃で1分間、加熱乾燥することによって、塗膜中の溶剤を除去し、粘着剤層を作製した。
次に、セパレーターと積層フィルムとを粘着剤層を介して貼り合わせ、化粧フィルムを作製した。その後、化粧フィルムのセパレーターを剥離して露出させた粘着剤層とABS樹脂製の平板状の基材とを貼り合わせ、実施例1の化粧材を得た。
(実施例2~4及び比較例1~5)
下記表1及び2に示すように、トップフィルム、粘着剤層及び基材について変更したこと以外は、実施例1と同様にして、化粧フィルム及び化粧材を作製した。
(実施例5)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル(PVC)100重量部に対して、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル(DINP)20重量部及びエポキシ化大豆油(DIC社製、「W-100-EL」)3重量部と、抗菌剤としての無機系の金属イオン化合物(富士ケミカル社製、「バクテキラー BM-102MT」)0.56重量部と、有機系防黴剤(エム・アイシー(MIC)社製、「PBM-OJ」)0.75重量部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、「LA-29」)1重量部とを添加し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ70μmのシート状に成形し、PVCフィルム(トップフィルム)を作製した。その後は、下記表1に示すように、粘着剤層について変更したこと以外は、実施例1と同様にして化粧フィルム及び化粧材を作製した。
(実施例6~9)
下記表1及び2に示すように、トップフィルム及び粘着剤層について変更したこと以外は、実施例5と同様にして、化粧フィルム及び化粧材を作製した。
(評価試験)
実施例及び比較例で作製した化粧材又は化粧フィルムについて、下記の方法により評価した。その結果を下記表1に示した。
(1)耐候性
化粧フィルムを促進耐候性試験機(サンシャインウェザーメーター)に500時間投入した。試験終了後に取り出した化粧フィルムのPVCフィルム側の表面に変色が発生しているか否かを確認した。
(判定基準)
〇:著しい変色は発生しなかった
×:著しい変色が発生した
(2)耐水性
化粧材を60℃の温水に1日浸漬させ、温水から取り出し水気をふき取ってから2時間風乾させた後、目視にて外観を確認した。
(判定基準)
〇:表面の浮き、及び、著しい変色が発生しなかった
×:表面の浮き、又は、著しい変色が発生した
(3-1)熟成後の接着強度
化粧フィルムを縦150mm、横25mmに切断し、セパレーターを剥離して試験片とした。各試験片の粘着剤層をABS樹脂製の平板状の基材に貼り付けた後、40℃で3日間熟成させた。その後、JIS Z 0237に準拠した方法で180°引きはがし試験を行い、化粧材の接着強度(単位:N/25mm)を測定した。
(3-2)温水試験後の接着強度
粘着剤層と基材とを貼り合わせてから60℃の温水に1日浸漬させ、温水から取り出し水気をふき取ってから2時間風乾させた後、上記(3-1)と同様にして、化粧材の接着強度を測定した。
(4)耐収縮性(目開き試験)
粘着剤層と基材とを貼り合わせてから1日放置した後、化粧フィルムに十字形状の切り込みを入れた。60℃で48時間放置後に切り込み部分のフィルム間の距離を測定した。
Figure 0007019436000001
上記表1中、硬化剤の含有量の単位「phr」は、粘着剤100重量部に対する重量部数を表している。また、上記表1に示した粘着剤A~E及び硬化剤A~Dの品番は、以下の通りである。粘着剤A~Eはいずれも、アクリル系粘着剤である。硬化剤A及びBは、エポキシ系硬化剤であり、硬化剤Cは、イソシアネート系硬化剤であり、硬化剤Dは、金属キレート系硬化剤である。
<粘着剤>
A:SK2094(綜研化学社製)
B:EXK-14-136(東洋インキ社製)
C:EXK-16-128(東洋インキ社製)
D:バインゾールR-8510E(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
E:EXK-14-434(東洋インキ社製)
<硬化剤>
A:E-AXM(綜研化学社製)
B:BXX5983TF(東洋インキ社製)
C:B-45(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
D:BXX4805(東洋インキ社製)
下記表2に、上記表1中の紫外線吸収剤の配合A~Dの詳細を示す。表2に示した紫外線吸収剤A、Bの品番は、以下の通りである。
<紫外線吸収剤>
A:アデカ1413(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ADEKA社製)
B:LA-29(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ADEKA社製)
Figure 0007019436000002
表1から分かるように、実施例1~9の化粧材(化粧フィルム)は、耐候性、耐水性、接着強度及び耐収縮性のいずれについても良好な結果であった。一方、比較例1及び5の化粧材(化粧フィルム)は、紫外線吸収剤が添加されていなかったため、耐候性が不充分であった。比較例2の化粧材(化粧フィルム)は、粘着剤層が含有する粘着剤と硬化剤の組み合わせが実施例のものとは異なっていたため、耐水性や温水試験後の接着強度が不充分であった。比較例3の化粧材(化粧フィルム)は、粘着剤層が含有する粘着剤と硬化剤の組み合わせは実施例1と同じであったが、基材の材質が実施例1とは異なっていたため、温水試験後の接着強度が不充分であった。比較例4の化粧材(化粧フィルム)は、粘着剤層が含有する粘着剤と硬化剤の組み合わせが実施例のものとは異なっていたため、耐水性が不充分であった。
11 基材
12 粘着剤層
13 トップフィルム
14 ベースフィルム
15 印刷層

Claims (5)

  1. 基材、粘着剤層、ポリ塩化ビニルを含有するベースフィルム、及び、トップフィルムが順に積層されてなる化粧材であって、
    前記基材は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂で構成され、
    前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤及びエポキシ系硬化剤を含有する粘着剤組成物の硬化物であり、
    前記トップフィルムは、ポリ塩化ビニル及び紫外線吸収剤を含有し、
    前記紫外線吸収剤の含有量は、前記ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.1~5重量部であることを特徴とする化粧材。
  2. 前記粘着剤層の厚さは、20~80μmであることを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記エポキシ系硬化剤の含有量は、前記アクリル系粘着剤100重量部に対して、0.05~5重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記ベースフィルムと前記トップフィルムとの間に、印刷層を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の化粧材。
  5. 前記トップフィルムは、抗菌剤、防カビ剤又は抗菌抗カビ剤を含有することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の化粧材。
JP2018015207A 2018-01-31 2018-01-31 化粧材 Active JP7019436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015207A JP7019436B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 化粧材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015207A JP7019436B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 化粧材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019130802A JP2019130802A (ja) 2019-08-08
JP7019436B2 true JP7019436B2 (ja) 2022-02-15

Family

ID=67544643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018015207A Active JP7019436B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 化粧材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7019436B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111808305A (zh) * 2019-11-21 2020-10-23 苏州欧邦塑胶有限公司 一种复合装饰膜基膜的制备方法
JP7615529B2 (ja) * 2019-11-29 2025-01-17 Toppanホールディングス株式会社 化粧シート及び化粧シートの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008213387A (ja) 2007-03-07 2008-09-18 Sekisui Chem Co Ltd 装飾用粘着シート
JP2016190481A (ja) 2015-03-30 2016-11-10 大日本印刷株式会社 加飾シート
JP2016203434A (ja) 2015-04-17 2016-12-08 ダイハツ工業株式会社 加飾シート
JP2017132205A (ja) 2016-01-29 2017-08-03 バンドー化学株式会社 加飾成形用フィルム及び加飾成形品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10166513A (ja) * 1996-12-11 1998-06-23 Sekisui Chem Co Ltd 防カビ性化粧シート

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008213387A (ja) 2007-03-07 2008-09-18 Sekisui Chem Co Ltd 装飾用粘着シート
JP2016190481A (ja) 2015-03-30 2016-11-10 大日本印刷株式会社 加飾シート
JP2016203434A (ja) 2015-04-17 2016-12-08 ダイハツ工業株式会社 加飾シート
JP2017132205A (ja) 2016-01-29 2017-08-03 バンドー化学株式会社 加飾成形用フィルム及び加飾成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019130802A (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201922903A (zh) Pvc組合物、薄膜、積層體及相關方法
JP7044110B2 (ja) 加飾フィルム
JP7019436B2 (ja) 化粧材
JP6943579B2 (ja) 金属蒸着フィルム及び加飾成形品
JP6734077B2 (ja) 金属調加飾フィルム及び加飾成形品
KR101242387B1 (ko) 장식시트용 염화비닐수지 조성물 및 이를 이용한 장식 시트
JP6863502B1 (ja) 化粧部材、及び化粧部材の製造方法
JP2010013597A (ja) 耐候性アクリル系フィルムおよびシート
JP7063540B2 (ja) 化粧フィルム及び装飾構造体
KR100843612B1 (ko) 데코시트
JP2018062071A (ja) エンボス化粧シート及びその製造方法
JP6666196B2 (ja) 漆黒調加飾フィルム、加飾成形品、及び、漆黒調加飾フィルムの製造方法
JP6846175B2 (ja) 加飾用フィルム及び加飾成形品
KR102479623B1 (ko) 점착제 및 이를 포함하는 물품
JP7387362B2 (ja) 加飾フィルム及び加飾成形品
JP2022065428A (ja) ポリ塩化ビニルフィルム及び多層フィルム
JP6736451B2 (ja) 金属蒸着フィルムの製造方法
JP5054287B2 (ja) 壁紙用防汚フィルム
JP2011046190A (ja) 化粧用フィルム
JP6953138B2 (ja) 加飾フィルム及び加飾成形品
JPH11152343A (ja) 化粧シート用フィルム
JP2019123096A (ja) 不燃性化粧シート
JP2021175597A (ja) 化粧材
JP2016107410A (ja) 加飾用接着シート
JP6400976B2 (ja) 印刷物保護フィルム用基材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7019436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150