JP6666196B2 - 漆黒調加飾フィルム、加飾成形品、及び、漆黒調加飾フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
セパレーター11を設けることにより、漆黒調加飾フィルム10の製造、運搬、保存中に粘接着剤層12が露出しないようにして、粘接着剤層12の劣化防止や、漆黒調加飾フィルム10の取扱い性向上が可能となる。セパレーター11は、基材への貼付の直前に剥離すればよい。
粘接着剤層12は、粘着機能(感圧接着性)及び接着機能の少なくとも一方を有するものであれば特に限定されない。粘接着剤層12は、初期タック力(ベタツキ)が高く、基材に貼り付けた後も濡れた状態を保ち、剥離が容易である粘着剤と、初期タック力が低く、基材に貼り付けた後に固体化し、剥離し難い接着剤との両方の性質を備えていることが好ましく、初期タック力に優れ、かつ、基材に貼り付け後に固体化し基材から剥離し難いものであってもよい。粘接着剤層12に用いる粘着剤は、特に限定されず、常温で粘着力を発現する粘着剤であってもよいし、加熱することで粘着力を発現するホットメルト粘着剤であってもよい。真空・圧空成形等に用いる観点からは、粘接着剤層12は、ホットメルト接着剤を含有するものが好ましい。ホットメルト接着剤は、溶剤を含有しないため、真空・圧空成形による漆黒調加飾フィルム10の貼り付けに好適である。上記ホットメルト接着剤としては、例えば、ポリエステル系ホットメルト接着剤、アクリル系ホットメルト接着剤、ゴム系ホットメルト接着剤、シリコーン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。
ベースフィルム層13は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、及び、黒色顔料を含有する。ベースフィルム層13の樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を用いることにより、比較的低温(約120℃)で漆黒調加飾フィルム10を基材に貼り付ける際(成形時)に、3次元曲面部の形状への優れた追従性(成形性)が得られるという利点がある。また、塩化ビニル系樹脂を含有するフィルムは、伸びがよく、破断し難いことから、3次元曲面部への貼り付けが容易である。
表面フィルム層14は、塩化ビニル系樹脂又はアクリル系樹脂を含有する。すなわち、表面フィルム層14は、ポリ塩化ビニルフィルム(PVCフィルム)又はアクリルフィルムと一般に呼ばれるものであってもよい。表面フィルム層14に塩化ビニル系樹脂又はアクリル樹脂を用いることにより、高い透明性と比較的低温(約120℃)での良好な成形性を得ることができる。なお、ここでの「比較的低温」とは、塩化ビニル系樹脂及びアクリル樹脂以外の透明樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)を成形する場合の成形温度と比べて低温であることを意味している。黒色のベースフィルム層13に重ねることで、漆黒調加飾フィルム10の表面に光沢を付与することができるため、表面フィルム層14には高い透明性が求められる。また、比較的低温での良好な成形性とは、漆黒調加飾フィルム10を加熱しながら基材に貼り付ける際(成形時)に、3次元曲面部の形状への追従性に優れることを指す。
より簡易な構成で漆黒調の外観を得る観点からは、粘接着剤層12とベースフィルム層13と表面フィルム層14との間に他の層は介さず、粘接着剤層12とベースフィルム層13が接することが好ましく、また、ベースフィルム層13と表面フィルム層14とが接することが好ましい。
伸張率(%)={(Lb−La)/La}×100 (1)
[粘接着剤層の形成]
厚さ100μmのセパレーター(東レ株式会社製、ルミラー)の一方の面に、コンマバーコーターを用いて、乾燥厚さが40μmとなるようにホットメルト接着剤(日立化成ポリマー社製、ハイボン7663)を塗工し、塗膜を形成した。上記塗膜を乾燥炉にて80℃で1分間、加熱乾燥することによって、塗膜中の溶剤を除去し、粘接着剤層を形成した。
まず、黒色顔料を含有するマスターバッチを作成した。バンバリーミキサーを用いて、マスターバッチ全体の重量に対して、黒色顔料を25重量%、平均重合度1000のポリ塩化ビニル25 重量%、可塑剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOP)50重量%を溶融混練して、マスターバッチを作製した。上記黒色顔料としては、一次平均粒子径が13nmのカーボンブラックを用いた。
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部、可塑剤としてDOP(ジェイプラス社製)15重量部を、バンバリーミキサーで3〜5分間溶融混練し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、カレンダー加工によりフィルム状に加工し、上記ベースフィルム層に積層して、厚さ80μmの表面フィルム層を形成した。
実施例2では、表面フィルム層として、アクリル系樹脂を含有するフィルムを用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例2の漆黒調加飾フィルムを作製した。表面フィルム層は、アクリル系樹脂を含有するフィルムとして、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)フィルム(三菱レイヨン株式会社製、アクリプレンHBS006)を用いた。上記PMMAフィルムの全光線透過率は93%、厚さは50μmであった。上記PMMAフィルムをベースフィルム層上に、熱ラミネートにより積層し、表面フィルム層を形成した。これにより、実施例2の漆黒調加飾フィルムを得た。実施例2の漆黒調加飾フィルムの構成を下記表1に示す。
実施例1と同様にして、下記表1及び2に示した構成の漆黒調加飾フィルムを作製した。なお、粘接着剤層は、全て実施例1と同様のものを用いた。
実施例及び比較例で作製した漆黒調加飾フィルムについて、下記の方法により、(1)引張強度、(2)伸張率、(3)成形前の外観、(4)成形後の外観、及び、(5)曲面形状への成形性を評価した。その結果を下記表1及び2に示した。
漆黒調加飾フィルムを縦15cm、横2.5cmに切断し、80℃の環境下で1分放置した。その後、セパレーターを剥離し、試験片とした。引張試験機(島津製作所社製、AG−100NXplus)を用いて、JIS K 7162に準拠した方法で引張試験を行い、試験片が破断した際の引張張力(MPa)を測定した。測定温度は80℃、引張速度は200mm/minであった。上記引張強度が1〜30MPaであれば、3次元曲面部への貼り付けに好適である。
伸張率は、上記引張試験で得た引張強度を用いて、下記式(1)によって求めた。下記式(1)中、Laは、引張試験を行う前の試験片の長さであり、Lbは、引張試験において試験片が破断した際の時の試験片の長さである。伸張率が150%以上であると、3次曲面部を有する基材の形状に充分に追従することができる。
伸張率(%)={(Lb−La)/La}×100 (1)
漆黒度合(黒味の深さ)、輝度感(表面の光沢)を目視で確認し、黒色塗料を用いた塗装品との外観の違いを以下の基準で評価した。
○:漆黒度合及び輝度感に差がない。
△:輝度感に差はないが、漆黒度合が劣る。
×:漆黒度合及び輝度感が劣る。
漆黒調フィルムからセパレーターを剥がし、真空・圧空成形(TOM成形により伸張率100%で基材に貼り付けた。その後、漆黒度合(黒味の深さ)、輝度感(表面の光沢)を目視で確認し、成形前の漆黒調フィルムとの外観の違いを以下の基準で評価した。基材としては、ABS樹脂製のスマートフォン用カバーを用いた。
○:漆黒度合及び輝度感に変化がない。
△:基材の色は確認できないものの、漆黒度合及び輝度感が低下した。
×:漆黒度合及び輝度感が低下し、基材の色が確認できた。
700mm×700mmに切断した漆黒調加飾フィルムからセパレーターを剥離し、成形温度120℃で真空・圧空成形(TOM成形)により、3次元曲面部を有する基材へ貼り付け、100%以上伸長して3次元曲面部の形状に追従するか否かに基づき、以下の基準で判定した。基材としては、ABS樹脂製のスマートフォン用カバーを用いた。
〇:基材の端部までフィルムが追従しており、フィルムの破れ、剥がれがない。
△:基材の端部までフィルムが追従しているが、破れがある。
×:基材の端部までフィルムが追従せず、剥がれている。
11 セパレーター
12 粘接着剤層
13 ベースフィルム層
14 表面フィルム層
Claims (7)
- 粘接着剤層、ベースフィルム層、及び、表面フィルム層が順に積層され、
前記ベースフィルム層は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、及び、黒色顔料を含有し、
前記黒色顔料の含有量は、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上、10重量部以下であり、
前記ベースフィルム層の厚さは、100μm以上、300μm以下であり、
前記表面フィルム層は、塩化ビニル系樹脂又はアクリル系樹脂を含有し、
前記表面フィルム層の全光線透過率は、80%以上であり、
前記ベースフィルム層の厚さに対する前記表面フィルム層の厚さの比は、0.3以上、1.0以下であることを特徴とする漆黒調加飾フィルム。 - 前記アクリル系樹脂は、ポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1に記載の漆黒調加飾フィルム。
- 前記黒色顔料は、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の漆黒調加飾フィルム。
- 前記漆黒調加飾フィルムは、80℃での引張強度が1〜30MPaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の漆黒調加飾フィルム。
- 前記漆黒調加飾フィルムは、80℃での伸張率が150%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の漆黒調加飾フィルム。
- 3次元曲面部を有する基材と、前記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、
前記加飾フィルムは、請求項1〜5のいずれかに記載の漆黒調加飾フィルムであり、前記粘接着剤層を介して前記3次元曲面部に貼り付けられていることを特徴とする加飾成形品。 - 粘接着剤層を形成する工程と、
黒色顔料と塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを含有するマスターバッチに、更に塩化ビニル系樹脂を混合して黒色樹脂組成物を得る工程と、
前記黒色樹脂組成物を前記粘接着剤層上に積層し、ベースフィルム層を形成する工程と、
前記ベースフィルム層上に塩化ビニル系樹脂又はアクリル系樹脂を含有する樹脂組成物を積層し、表面フィルム層を形成する工程とを有し、
前記マスターバッチ全体に対する、前記黒色顔料の含有量は、20〜25重量%であり、
前記黒色樹脂組成物における前記黒色顔料の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上、10重量部以下であり、
前記ベースフィルム層の厚さは、100μm以上、300μm以下であり、
前記表面フィルム層の全光線透過率は、80%以上であり、
前記ベースフィルム層の厚さに対する前記表面フィルム層の厚さの比は、0.3以上、1.0以下であることを特徴とする漆黒調加飾フィルムの製造方法。
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