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JP6967490B2 - 閉塞診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクの内部空間とキャニスタとの間を連通するベント路の閉塞診断を行う閉塞診断装置に関する。
内燃機関を備える車両では、燃料タンクへ給油を行うと、燃料タンクの内部空間における液体燃料の占有体積が増える。このため、同内部空間における気相域の占有体積が相対的に減少して、気相域の圧力(以下、「タンク内圧」という。)が大気圧と比べて高くなる。すると、燃料タンク内に滞留していた気相域の燃料蒸気が大気中へ出ようとする。仮に、燃料蒸気が大気中へ放出されると、大気を汚染してしまう。
そこで、燃料蒸気の大気中への放出に起因する大気汚染を防ぐ目的で、従来の燃料タンクシステムでは、燃料タンク及び大気間を連通するベント路に、燃料蒸気を吸着する吸着材を有するキャニスタを介在させるように設け、キャニスタの吸着材に燃料蒸気を吸着させることで大気汚染を防ぎつつタンク内圧を低く抑えるようにしている。
例えば、特許文献1に係る燃料蒸気処理装置は、燃料タンク、キャニスタ、燃料タンク及びキャニスタ間を連通する燃料蒸気のベント路に設けられ、燃料タンクを大気から遮断する密閉弁、並びに、燃料蒸気密閉系のリーク診断機能を有する診断モジュールを備える。診断モジュールは、キャニスタを大気に対し開放又は遮断する切換弁、内圧センサ、密閉弁及び切換弁の開閉指令を行う制御部、燃料蒸気密閉系のリーク診断を行う診断部、並びに、燃料蒸気密閉系に圧力を発生させる負圧ポンプを備える。
診断モジュールの診断部は、キャニスタ側のリーク診断前に、燃料蒸気密閉系全体としてのリーク診断を行う。診断部は、密閉弁が閉止しかつ切換弁が遮断している状態で、負圧ポンプによる発生負圧に対し、タンク内圧センサの検出値が所定の範囲を超えて変動するか否かに基づき密閉弁の開放異常を含む機能診断を行う。
特許文献1に係る燃料蒸気処理装置によれば、密閉弁の開放異常を含む機能診断を適確に行うことができる。
特開2014−126006号公報
いま、特許文献1に係る燃料蒸気処理装置において、密閉弁を開放した状態で、負圧ポンプによる発生負圧を用いて、ベント路の閉塞診断を試みたとする。かかるケースでは、例えば、負圧ポンプの作動単位時間に、負圧ポンプによる基準排気速度を乗算することで、単位時間当たりの排気量、すなわち、燃料タンク及びベント路を含む燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積を推定し、かかる密閉空間体積の推定値が所定の基準範囲に収束しているか否かに基づいて、ベント路の閉塞診断を行うことができる。
ところが、本発明者らの研究によると、燃料タンク及びベント路を含む燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積の推定値は、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気量の多少等の外乱の影響を受けて変動する傾向があることが判った。このように、密閉空間体積の推定値が前記外乱の影響を受けて変動すると、密閉空間体積の推定値に基づいてベント路の閉塞診断を行う場合に、その診断精度が損なわれてしまう。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、燃料タンク及びベント路を含む燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積の推定値に基づくベント路の閉塞診断を高精度で遂行可能な閉塞診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)に係る発明は、燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクの内部空間で生じた燃料蒸気を吸着するキャニスタと、前記燃料タンクの内部空間と前記キャニスタとの間を連通するベント路とを備える燃料タンクシステムに適用され、前記ベント路に係る閉塞診断を行う閉塞診断装置であって、前記ベント路に係る内圧の情報を取得する情報取得部と、負圧源の作動により前記ベント路に存する流体の流量制御を行う流量制御部と、前記負圧源の作動に伴う、前記燃料タンク及び前記ベント路を含む燃料蒸気密閉系からの前記流体の排気量が、予め定められる排気量閾値を超えたか否かに係る判定を行う排気量判定部と、前記ベント路に係る閉塞診断を行う閉塞診断部と、を備え、前記ベント路に係る閉塞診断が行われれる閉塞診断期間では、当該負圧源の作動開始時を始期とする所定の単位時間長にわたって前記負圧源の作動が継続され、前記閉塞診断部は、前記閉塞診断期間内において前記負圧源の作動によって前記ベント路に係る内圧を初期差圧だけ減圧するのに要する時間長、及び前記流体の排気速度に基づいて前記燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積を推定する共に、当該推定結果である推定体積が予め設定される体積閾値を超えるか否かに基づいて前記ベント路に係る閉塞診断を行い、前記ベント路に係る閉塞診断では、前記推定体積が前記体積閾値以下の場合に、前記ベント路が閉塞している疑いがある旨の判定を下す一方、前記推定体積が前記体積閾値を超える場合に、前記ベント路が閉塞していない旨の診断を下し、前記ベント路が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合、前記流体の排気量が前記排気量閾値を少なくとも超えるまで、前記ベント路に係る閉塞診断を保留することを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、燃料タンク及びベント路を含む燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積の推定値に基づくベント路の閉塞診断を高精度で遂行することができる。
本発明の実施形態に係る閉塞診断装置の概要を表す全体構成図である。 本発明の実施形態に係る閉塞診断装置に備わる診断モジュール(通常時)の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る閉塞診断装置に備わる診断モジュール(閉塞診断時)の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る閉塞診断装置の機能ブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る閉塞診断装置が実行する閉塞診断処理の流れを表すフローチャート図である。 燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気が診断精度に与える影響度が小さい場合の、閉塞異常が生じていない正常状態のベント路の内圧を負圧ポンプによって減圧した際の閉塞診断に係る各値の時間推移を表すタイムチャート図である。 燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気が診断精度に与える影響度が比較的大きい場合の、閉塞異常が生じていない正常状態のベント路の内圧を負圧ポンプによって減圧した際の閉塞診断に係る各値の時間推移を表すタイムチャート図である。 燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気が診断精度に与える影響度が比較的大きい場合の、閉塞異常が生じている状態のベント路の内圧を負圧ポンプによって減圧した際の閉塞診断に係る各値の時間推移を表すタイムチャート図である。 燃料タンク内に燃料蒸気が残存しない場合に負圧ポンプによって密閉空間を所定時間減圧した際に内圧の変化が生じる機序を概念的に表す説明図である。 燃料タンク内に燃料蒸気が残存する場合に負圧ポンプによって密閉空間を所定時間減圧した際に内圧の変化が生じる機序を概念的に表す説明図である。 燃料タンク内に燃料蒸気が残存する場合の内圧の経時変化特性と、燃料タンク内に燃料蒸気が残存しない場合の内圧の経時変化特性とを対比して表す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置について、図面を適宜参照して詳細に説明する。
〔本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の概要〕
はじめに、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の概要について、燃料蒸気を処理する役割を果たす燃料蒸気処理装置10に包含される閉塞診断装置11を、駆動源として内燃機関及び電動モータ(いずれも不図示)を備えるハイブリッド車両に適用した例をあげて、図面を参照して説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材又は相当する部材間には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズ及び形状は、説明の便宜のため、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
図1Aは、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の概要を表す全体構成図である。図1Bは、閉塞診断装置11に備わる診断モジュール49(通常時)の概略構成図である。図1Cは、閉塞診断装置11に備わる診断モジュール49(閉塞診断時)の概略構成図である。図2は、閉塞診断装置11の機能ブロック構成図である。
閉塞診断装置11を包含する燃料蒸気処理装置10は、図1Aに示すように、ガソリン等の燃料を貯留する燃料タンク13と、燃料タンク13で生じた燃料蒸気を吸着する機能を有するキャニスタ15と、閉塞診断装置11の統括制御を行うECU(Electronic Control Unit)17と、などを備える。
燃料タンク13には、フューエルインレットパイプ19が設けられている。フューエルインレットパイプ19には、その上流部19aと燃料タンク13との間を連通接続する循環パイプ20が設けられている。フューエルインレットパイプ19のうち燃料タンク13の反対側には、給油ガンのノズル(いずれも不図示)が挿入される給油口19bが設けられている。給油口19bには、ねじ式のキャップ23が取り付けられている。
燃料タンク13には、燃料タンク13内に貯留された燃料を汲み上げて燃料供給通路33を介して不図示のインジェクタへと送り出す燃料ポンプモジュール35が設けられている。また、燃料タンク13には、燃料タンク13とキャニスタ15との間を連通接続するベント路37が設けられている。ベント路37は、燃料蒸気の流通路としての機能を有する。
ベント路37のうち燃料タンク13への連通路37a1には、フロート弁37a11が設けられている。フロート弁37a11は、給油に伴う燃料の液面の上昇により、燃料タンク13内における気相域の圧力であるタンク内圧が上昇した場合に閉止するように動作する。具体的には、フロート弁37a11は、燃料タンク13内に燃料が満たされている満タン時に閉止することにより、燃料が燃料タンク13からベント路37の連通路37a1へと進入するのを防いでいる。
ベント路37の途中には、密閉弁41が設けられている。
なお、以下の説明において、ベント路37のうち、密閉弁41を境として燃料タンク13側を第1ベント路37aと呼び、密閉弁41を境としてキャニスタ15側を第2ベント路37bと呼ぶ場合がある。また、第1及び第2ベント路37a,37bを総称するときには、単にベント路37と呼ぶ。
密閉弁41は、燃料タンク13の内部空間を大気から遮断し(図1Aで閉止状態を表す符号41a参照)、又は大気に連通させる(図1Aで開放状態を表す符号41b参照)機能を有する。具体的には、密閉弁41は、ECU17から送られてくる開閉制御信号に従って動作する常時閉止型の電磁弁である。密閉弁41は、前記の開閉制御信号に従って、燃料タンク13の内部空間を大気から遮断する一方、大気に連通させるように動作する。
第2ベント路37bに設けられるキャニスタ15は、燃料蒸気を吸着するための活性炭からなる吸着材(不図示)を内蔵している。キャニスタ15の吸着材は、ベント路37を介して燃料タンク13側から送られてくる燃料蒸気を吸着する。キャニスタ15には、第2ベント路37bの他に、パージ通路45、及び、大気導入通路47がそれぞれ連通接続されている。
キャニスタ15は、大気導入通路47を介して取り入れた空気を、キャニスタ15の吸着材に吸着された燃料蒸気と共に、パージ通路45を介してインテークマニホールドへと送るパージ処理を実行するように動作する。
パージ通路45のうち、キャニスタ15の反対側は、不図示のインテークマニホールドに連通接続される。一方、大気導入通路47のうち、キャニスタ15の反対側は、大気に連通接続される。大気導入通路47には、診断モジュール49が設けられている。
診断モジュール49は、燃料蒸気密閉系のリーク診断及び閉塞診断を遂行する際に用いられる機能部材である。診断モジュール49は、図1B,図1Cに示すように、大気導入通路47、及び、大気導入通路47に対して並列に設けられるバイパス通路57を備える。大気導入通路47には、切換弁53が設けられている。切換弁53は、キャニスタ15を大気に対して開放又は遮断する機能を有する。
具体的には、切換弁53は、ECU17から送られてくる切換信号に従って動作する電磁弁である。切換弁53は、非通電のオフ状態でキャニスタ15を大気に連通させる(図1B参照)一方、ECU17から切換信号が供給されるオン状態でキャニスタ15を大気から遮断させる(図1C参照)。
これに対し、バイパス通路57には、負圧ポンプ51、内圧センサ55、及び、基準オリフィス59が設けられている。負圧ポンプ51は、単位時間当たりの吐出容積が一定の定容積型ポンプである。負圧ポンプ51は、燃料蒸気密閉系に存する流体を大気中に排出することにより、燃料蒸気密閉系の内圧を大気圧Patmに対して負圧にする機能を有する。負圧ポンプ51は、本発明の「負圧源」に相当する。
ここで、燃料蒸気密閉系とは、燃料タンク13、ベント路37、密閉弁41、キャニスタ15、大気導入通路47、及び、診断モジュール49を含む閉空間をいう。燃料蒸気密閉系は、燃料タンク13側及びキャニスタ15側を含んで構成される。燃料タンク13側は、燃料タンク13から第1ベント路37aを介して密閉弁41に至る閉空間である。キャニスタ15側は、密閉弁41から第2ベント路37bを介してキャニスタ15を通り、さらに大気導入通路47を介して診断モジュール49に至る閉空間である。
なお、以下の説明において、燃料蒸気密閉系の閉空間を、「密閉空間」と省略する場合がある。
内圧センサ55は、燃料蒸気密閉系の内圧を検出する機能を有する。ただし、切換弁53がキャニスタ15を大気に連通する大気連通側に切り換えられた(図1B参照)状態で、負圧ポンプ51が吸引動作をしていないケースでは、内圧センサ55は、大気圧Patmを検出する。
また、切換弁53が大気連通側に切り換えられた状態で、基準オリフィス59を介して負圧ポンプ51が吸引動作をしているケースでは、内圧センサ55は、大気圧Patmに対して負圧となる基準差圧Pref(例えば図4A参照)を検出する。基準差圧Prefは、基準オリフィス59の孔径dと同径のリーク孔がベント路37に空いている状態で負圧ポンプ51を吸引動作しているケースと同等の負圧値に収束する。
こうして収束した内圧センサ55の検出値(負圧値)は、リーク判定閾値として、ECU17に備わる不図示の不揮発性メモリに記憶される。リーク判定閾値は、燃料蒸気密閉系に基準オリフィス59の孔径dを超える大きさのリーク孔が空いているか否かを診断する際の目安として用いられる。なお、基準オリフィス59の孔径dは、診断対象となるリーク孔の径寸法を考慮して適宜の値に設定される。
さらに、切換弁53がキャニスタ15を大気から遮断する大気遮断側に切り換えられた(図1C参照)状態で、密閉弁41の開放(図1Aで開放状態を表す符号41b参照)により燃料タンク13及びキャニスタ15間がベント路37を介して連通しているケースでは、内圧センサ55は、ベント路37に係る内圧Pvt(以下、「ベント路圧Pvt」と省略する場合がある。)を検出する。この場合、ベント路圧Pvtは、燃料タンク13に係る内圧、及びキャニスタ15に係る内圧と等しい。内圧センサ55で検出された圧力情報は、ECU17へと送られる。
基準オリフィス59は、燃料蒸気密閉系のリーク診断を遂行する場合において、リークが生じているか否かを判定するためのリーク判定閾値を設定する際に用いられる。また、基準オリフィス59は、閉塞診断に先立って、基準排気速度Qrefを算出する際に用いられる。基準排気速度Qrefの算出手順について、詳しくは後記する。
ECU17は、本発明の「情報取得部」・「流量制御部」・「排気量判定部」・「閉塞診断部」として機能する。ECU17には、図2に示すように、入力系として、イグニッションスイッチ30、内圧センサ55、大気圧Patmを検出する機能を有する大気圧センサ58、及び、外気温度Toを検出する機能を有する外気温センサ60がそれぞれ接続されている。大気圧センサ58で検出された大気圧情報、及び外気温センサ60で検出された外気温情報は、ECU17へと送られる。
また、ECU17には、図2に示すように、出力系として、前記の密閉弁41、負圧ポンプ51、切換弁53、及び、報知部63がそれぞれ接続されている。報知部63は、燃料蒸気密閉系のリーク診断、及び閉塞診断に関する情報を報知する機能を有する。具体的には、報知部63としては、車室内に設けられる液晶ディスプレイなどの表示部(不図示)やスピーカなどの音声出力部を好適に用いることができる。
ECU17は、図2に示すように、情報取得部65、診断部67、及び、制御部69を備えて構成される。
ECU17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、ROMに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行し、ECU17が有する情報取得機能、閉塞診断機能、及び、閉塞診断装置11全体の統括制御機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
情報取得部65は、内圧センサ55で検出される例えばベント路37に係る圧力情報、大気圧センサ58で検出される大気圧情報、及び、外気温センサ60で検出される外気温情報を取得する機能を有する。
診断部67は、燃料蒸気密閉系のリーク診断及び閉塞診断を行う機能を有する。詳しく述べると、診断部67は、排気量判定部71、及び閉塞診断部73を備えて構成されている。
排気量判定部71は、閉塞診断期間において負圧ポンプ(負圧源)51を用いた減圧によって燃料タンク13及びベント路37を含む燃料蒸気密閉系からキャニスタ15及び大気導入通路47を介した流体(空気/燃料蒸気の混合気体)の大気への累積排気量CVes(図3,図4A等参照)が、予め定められる排気量閾値CVthを超えたか否かに係る判定を行う機能を有する。
累積排気量CVes及び排気量閾値CVthの定義・趣旨について、詳しくは後記する。
閉塞診断部73は、基本的には、ベント路37に係る閉塞診断を行う機能を有する。
詳しく述べると、閉塞診断部73は、例えば、ベント路37に係る閉塞診断が行われれる閉塞診断期間(図4Aの時刻t12〜t15で規定される第1閉塞診断期間等参照)のうち初期期間(図4Aの時刻t12〜t13で規定される第1初期期間等参照)において、負圧ポンプ51の作動に伴ってベント路圧Pvtが大気圧Patmに対して初期差圧Ppr(図4A〜図4C参照)だけ減圧されるのに要する時間、及び流体の排気速度(詳しくは後記)に基づいて燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積を推定する。
また、閉塞診断部73は、例えば前記推定結果である第1及び第2推定体積Ves_1,Ves_2(図4A〜図4C参照)が、予め設定される体積閾値Vth(図4A〜図4C参照)を超えるか否かに基づいてベント路37に係る閉塞判定を行う機能を有する。
なお、以下の説明において、第1及び第2閉塞診断期間を総称する場合、単に「閉塞診断期間」と呼ぶ。また、第1及び第2初期期間を総称する場合、単に「初期期間」と呼ぶ。さらに、第1及び第2推定体積Ves_1,Ves_2を総称する場合、単に「推定体積Ves」と呼ぶ。
ベント路37に係る閉塞判定の趣旨、体積閾値Vthについて、詳しくは後記する。
さらに、閉塞診断部73は、例えば、前記閉塞診断期間の終了時点におけるベント路圧Pvtが、大気圧Patmに対する臨界差圧Pcrt(図4A〜図4C参照;詳しくは後記する)に到達したか否かに基づいて、ベント路37での微小リーク有無に係るリーク判定を行う機能を有する。
ベント路37に係るリーク判定について、詳しくは後記する。
制御部69は、例えば、内燃機関の停止中に、密閉弁41を開放させる開放指令を行うと共に、切換弁53を遮断させる遮断指令を行う機能を有する。
また、制御部69は、例えば、負圧ポンプ(負圧源)51の作動によりベント路37に存する流体(空気/燃料蒸気の混合気体)の流量制御を行う機能を有する。制御部69は、本発明の「流量制御部」に相当する。
〔本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の動作について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11が実行する閉塞診断処理の流れを表すフローチャート図である。
なお、図3に示す例では、イグニッションスイッチ30がオフされ、かつECU17がスリープモードにある前提で、閉塞診断処理を実行する例を示している。ここで、ECU17のスリープモードとは、イグニッションスイッチ30のオフ時点からの経過時間が所定時間を超えたか否かに係る監視のみに機能を限定することで省電力を実現するECU17の動作モードをいう。
また、閉塞診断処理中の密閉弁41及び切換弁53の状態は、密閉弁41が開放状態(図1Aで開放状態を表す符号41b参照)にある一方、切換弁53がキャニスタ15を大気から遮断させる遮断状態(図1C参照)にあるものとする。
閉塞診断処理では、ベント路37に係る閉塞の有無を診断する。ベント路37に係る閉塞の態様としては、例えば、密閉弁41の閉塞異常、ベント路37への異物の詰まり、フロート弁37a11の閉塞異常等が想定される。
定流量制御により負圧ポンプ51の吸引動作が一定である前提で、ベント路37に閉塞異常が生じていると、ベント路37が閉塞していない正常なケースと比べて、負圧が印加される密閉空間の体積が小さくなる。
そこで、本閉塞診断処理では、負圧ポンプ51の作動に伴ってベント路圧Pvtが減圧されるのに要する時間、及び流体の排気速度に基づいて密閉空間体積を推定し、密閉空間の推定体積Vesが体積閾値Vth(図4A〜図4C参照)を超えるか否かに基づいて、ベント路37に係る閉塞有無を診断している。
なお、図3に示すフローチャートでは、判定及び診断という文言が混在している。この点について、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の説明では、判定は一応の結果を表す一方、診断は確定した結果を表すといったように、判定に比べて診断の方が、より重みが大きいものと定義している。
図3に示すステップS11において、ECU17の診断部67は、閉塞診断回数カウンタnの値を「1」に初期化する。これにより、閉塞診断処理を遂行するための準備が整う。
ここで、閉塞診断回数カウンタnとは、基準排気速度Qrefの算出期間の経過後に、所定の閉塞診断期間を費やす閉塞診断が行われた回数を表す。閉塞診断回数カウンタnの初期値は1である。閉塞診断回数カウンタnの値は、ECU17に備わる記憶部(不図示)に記憶されている。
ステップS12において、ECU17の診断部67は、密閉空間(燃料蒸気密閉系の閉空間)の第n推定体積Ves_nを取得する。なお、ステップS12における第n推定体積Ves_nの取得処理は、閉塞診断処理と並列に行えばよい。
ここで、第n推定体積Ves_nとしては、図4Bに示す例では、第1推定体積Ves_1及び第2推定体積Ves_2が相当する。
第1推定体積Ves_1とは、第1閉塞診断期間(図4Bの時刻t12〜t15で規定される期間参照)のうち第1初期期間(図4Bの時刻t12〜t13で規定される期間参照:ただし、第1閉塞診断期間の時間長>第1初期期間の時間長)において、ベント路圧Pvtが大気圧Patmにリセットされた密閉空間に存する流体を負圧ポンプ51を用いて吸引することで初期差圧Ppr(=P(t12)−P(t13):例えば図4B参照)だけ減圧するのに要する時間長(|t12−t13|:例えば図4B参照)、及び、基準排気速度Qrefに基づいて推定される密閉空間体積である。なお、第1推定体積Ves_1の算出手順について、詳しくは後記する。
第1閉塞診断期間とは、ベント路37に係る閉塞診断を行うための期間であって、基準排気速度Qrefの算出期間(図4Bの時刻t11〜t12で規定される期間参照)に連なる期間である。
同様に、第2推定体積Ves_2とは、第2閉塞診断期間(図4Bの時刻t15〜t17で規定される期間参照)のうち第2初期期間(図4Bの時刻t15〜t16で規定される期間参照:ただし、第2閉塞診断期間の時間長>第2初期期間の時間長)において、ベント路圧Pvtが大気圧Patmにリセットされた密閉空間に存する流体を負圧ポンプ51を用いて吸引することで初期差圧Ppr(=P(t15)−P(t16):例えば図4B参照)だけ減圧するのに要する時間長(|t15−t16|:例えば図4B参照)、及び、基準排気速度Qrefに基づいて推定される密閉空間体積である。なお、第2推定体積Ves_2の算出手順について、詳しくは後記する。
第2閉塞診断期間とは、ベント路37に係る閉塞診断を行うための期間であって、第1閉塞診断期間に連なる期間である。
基準排気速度Qrefとは、負圧ポンプ51を用いてベント路37を減圧した際に生じることが見込まれる流速の予測値[L/sec]である。基準排気速度Qrefとしては、基準オリフィス59を介してベント路37に存する流体を負圧ポンプ51を用いて吸引した際の排気速度を実測して用いればよい。なお、基準排気速度Qrefは、ベント路37の内圧Pvt(以下、「ベント路圧Pvt」と省略する場合がある。)に対して正線形の相関関係がある。そのため、基準排気速度Qrefとしては、ベント路圧Pvtの変化に応じて補正した値を適宜採用してもよい。
ステップS13において、ECU17の診断部67は、ステップS12で取得した第n推定体積Ves_nが予め設定される体積閾値Vth(例えば図4B参照)を超えるか否かに基づいてベント路37に係る閉塞判定を行う。
ステップS13の閉塞判定の結果、第n推定体積Ves_nが体積閾値Vthを超える旨の判定が下された場合(ステップS13のYes)、ECU17の診断部67は、処理の流れをステップS18へとジャンプさせる。
一方、ステップS13の閉塞判定の結果、第n推定体積Ves_nが体積閾値Vthを超えない旨の判定が下された場合(ステップS13のNo)、ECU17の診断部67は、ベント路37が閉塞している疑いがあるとみなして、処理の流れを次のステップS14へと進ませる。
ステップS14において、ECU17の診断部67に属する排気量判定部71は、第n初期期間の終了時点(図4A〜図4Cの時刻t13参照)において、燃料タンク13及びベント路37を含む燃料蒸気密閉系からの流体(空気/燃料蒸気の混合気体)の累積排気量CVesを取得する。なお、ステップS14における累積排気量CVesの取得処理は、閉塞診断処理と並列に行えばよい。
ここで、累積排気量CVesとは、閉塞診断期間(図4B,図4Cの例では、第1及び第2閉塞診断期間)のうち所定の時点において、負圧ポンプ51を用いた減圧によって大気中へ排出される、燃料蒸気密閉系からの流体(空気/燃料蒸気の混合気体)量の累積値である。累積排気量CVesを取得するに際しては、例えば、閉塞診断期間のはじめから所定の時点に至る迄の時間長(秒)に基準排気速度Qref(リットル/秒)を乗算すればよい。
累積排気量CVesを取得する趣旨は次の通りである。すなわち、例えば、累積排気量CVesが燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積と同等の値に至るということは、ベント路37に係る閉塞診断に伴う負圧ポンプ51を用いた減圧によって燃料蒸気密閉系に係る密閉空間に残存する燃料蒸気がいったん大気中へ排出されて、同密閉空間に残存する燃料蒸気の濃度が薄まることを意味する。これは、同密閉空間に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度を抑制することを意味する。
そこで、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11では、全ての閉塞診断期間における累積排気量CVesを取得し、取得した累積排気量CVesが排気量閾値CVthを少なくとも超えるまで、ベント路37に係る閉塞診断を保留することとした。
なお、排気量閾値CVthとしては、例えば、燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積と同等の値を適宜設定すればよい。
ステップS15において、ECU17の診断部67に属する排気量判定部71は、ステップS14で取得した累積排気量CVesが、排気量閾値CVthを超えるか否かに係る排気量判定を行う。
ステップS15の排気量判定の結果、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えない旨の判定が下された場合(ステップS15のNo)、ECU17の診断部67に属する排気量判定部71は、処理の流れを次のステップS16へ進ませる。
一方、ステップS15の排気量判定の結果、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超える旨の判定が下された場合(ステップS15のYes)、ECU17の診断部67に属する排気量判定部71は、処理の流れをステップS17へジャンプさせる。
ステップS16において、ECU17の診断部67は、閉塞診断回数カウンタnの値に「1」を加算する処理を行う。その後、ECU17の診断部67は、処理の流れをステップS12へ戻し、以降の処理を順次行わせる。
ステップS17において、ECU17の診断部67に属する閉塞診断部73は、ベント路37に係る閉塞ありとの診断を下す。その後、ECU17の診断部67は、一連の閉塞診断処理を終了させる。
さて一方、ステップS18において、ECU17の診断部67に属する閉塞診断部73は、ベント路37に係る閉塞なしとの診断を下す。その後、ECU17の診断部67は、一連の閉塞診断処理を終了させる。
〔本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の時系列動作〕
次に、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の時系列動作について、図4A〜図4Cを参照してさらに詳細に説明する。
〔参考例1(診断結果:閉塞なし)〕
まず、参考例1(診断結果:閉塞なし)に係る閉塞診断装置11の時系列動作について、図4Aを参照して説明する。
図4Aは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気が診断精度に与える影響度が小さい場合の、閉塞異常が生じていない正常状態のベント路圧Pvtを負圧ポンプ51を用いて減圧した際の閉塞診断に係る各値の時間推移を表すタイムチャート図である。
図4Aに示す時刻t11〜t12では、基準排気速度Qrefが算出される。この算出時には、診断モジュール49の切換弁53をオフ状態にすることでキャニスタ15を大気に連通させた(図1B参照)状態で、負圧ポンプ51を吸引動作させる。この吸引動作によって、内圧センサ55は、大気圧Patmに対して負圧となる基準差圧Pref(例えば図4A参照)を検出する。
基準オリフィス59の孔径dは既知である。このため、下記式(1)を用いて、基準排気速度Qrefを算出することができる。
Figure 0006967490
式(1)における各値の定義は下記の通りである。
π:円周率
d:基準オリフィス59の孔径[m]
A:流量係数
ΔP:圧力差[Pa]
ρ:空気密度[g/m3]
流量係数Aは、理論流量を実際の流量に補正するための係数である。流量係数Aは、ベント路圧Pvtの変化に応じて可変の値をとることができる。圧力差ΔPは、大気圧Patmとベント路圧Pvtとの差圧(Patm−Pvt)である。空気密度ρは、以下の式(2)で算出される。
Figure 0006967490
式(2)における各値の定義は下記の通りである。
Patm:大気圧[Pa]
R:乾燥空気の気体定数(=2.87)
To :外気温度[°C]
273.15:摂氏を絶対温度に変換するための換算値
以上のように、式(1)及び式(2)を用いることで、ベント路37における流体の基準排気速度Qrefを算出することができる。
図4Aに示す時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)では、閉塞診断処理が遂行される。この閉塞診断処理では、診断モジュール49の切換弁53をオン状態にすることでキャニスタ15を大気から遮断させた(図1C参照)状態で、負圧ポンプ51が吸引動作させられる。この吸引動作によって、内圧センサ55の検出値であるベント路圧Pvtは、大気圧Patmに対して負圧となる臨界差圧Pcrtの付近まで右肩下がりで漸減してゆく。
時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)のうち時刻t12〜t13で規定される第1初期期間では、ベント路圧Pvtが大気圧Patmにリセットされた密閉空間に存する流体を負圧ポンプ51を用いて吸引することで初期差圧Ppr(=P(t12)−P(t13):図4A参照)だけ減圧するのに要する第1時間長Δt1(=|t12−t13|)、及び、基準排気速度Qrefに基づいて、次の式(3)を用いて第1推定体積Ves_1が算出される。
Figure 0006967490
式(3)における各値の定義は下記の通りである。
Ves_1:第1推定体積[立方メートル]
Patm :大気圧[Pa]
Ppr :初期差圧値=P(t12)−P(t13)[Pa]
Qref :基準排気速度[L/sec]
Δt1 :第1時間長=|t12−t13|[sec]
本参考例1では、第1推定体積Ves_1と、図4Aに示す体積閾値Vthとの大小関係を比較することで、ベント路37に係る閉塞判定を行う。
ここで、図4Aに示す体積閾値Vthは、密閉空間体積の推定値に基づいてベント路37に係る閉塞判定を行う際に参照される値である。本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11において、密閉空間の仕様は設計段階で予め設定されている。そこで、この設計仕様を用いて得た密閉空間体積の理論値を、体積閾値Vthとして採用すればよい。また、シミュレーションや実験を通して得た値を、体積閾値Vthとして採用してもよい。さらに、理論値、シミュレーションや実験を通して得た値に代えて、これらの値に誤差を考慮した余裕値を加えた値を、体積閾値Vthとして採用してもよい。
図4Aに示す例では、第1初期期間の終期である時刻t13において、第1推定体積Ves_1が体積閾値Vthを超えている。
ベント路37に係る閉塞判定の原理は次のとおりである。すなわち、ベント路37に閉塞が生じていない場合、所定の差圧だけ減圧するのに要する時間長Δt1は比較的長くなる。そのため、減圧に伴う流体の流通量、すなわち、第1推定体積Ves_1が比較的大きくなる。こうしたケースでは、第1推定体積Ves_1が体積閾値Vthを超える。そこで、「閉塞なし」のベント路37に係る閉塞判定を下す。
一方、ベント路37に閉塞が生じている場合、所定の差圧だけ減圧するのに要する時間長Δt1は比較的短くなる。そのため、減圧に伴う流体の流通量、すなわち、第1推定体積Ves_1が比較的小さくなる。こうしたケースでは、第1推定体積Ves_1が体積閾値Vthに満たない。そこで、「閉塞あり」のベント路37に係る閉塞判定を下す。
参考例1では、第1推定体積Ves_1と、体積閾値Vthとの大小関係を比較することでベント路37に係る閉塞判定が行われる。第1閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果は「閉塞なし」である。
これは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が小さい(再診断は不要である)ことを意味する。その結果、参考例1では、時刻t13の時点で「閉塞なし」の診断が下されている。
ちなみに、参考例1では、時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)のうち時刻t14において、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えている。ところが、時刻t13の時点で「閉塞なし」の診断を下すに際し、参考例1では、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えているか否かは考慮していない。
ただし、時刻t13の時点における「閉塞なし」の閉塞判定結果と、時刻t14の時点における累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えている旨との両者を考慮して、時刻t13の時点で「閉塞なし」の診断を下す構成を採用しても構わない。
以上説明した参考例1は、図3において、(ステップS13のYes)→(ステップS18:ベント路37に係る閉塞なし)の処理の流れが相当する。参考例1では、図4Aに示す時刻t13において「閉塞なし」の確定診断が下されている。
〔実施例1(診断結果:閉塞なし)〕
次に、実施例1(診断結果:閉塞なし)に係る閉塞診断装置11の時系列動作について、図4Bを参照して説明する。
図4Bは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気が診断精度に与える影響度が比較的大きい場合の、閉塞異常が生じていない正常状態のベント路圧Pvtを負圧ポンプ51を用いて減圧した際の閉塞診断に係る各値の時間推移を表すタイムチャート図である。
参考例1の時系列動作と、実施例1の時系列動作とでは、相互に共通の動作部分が存在する。そこで、両者間の相違部分に注目して説明することで、実施例1の動作説明に代えることとする。
図4Bに示す時刻t11〜t12では、図4Aに示す参考例1と同様に、基準排気速度Qrefが算出される。
図4Bに示す時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)では、参考例1と同様に、閉塞診断処理が遂行される。
時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)のうち時刻t12〜t13で規定される第1初期期間では、参考例1と同様の手順を用いて、第1推定体積Ves_1が算出される。第1推定体積Ves_1と、体積閾値Vthとの大小関係を比較することでベント路37に係る閉塞判定が行われる。第1閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果は、実施例1と同様に、「閉塞あり」である。
これは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が比較的大きい(再診断を要する)ことを意味する。その結果、後記の実施例2では、実施例1と同様に、時刻t13の時点で「診断保留(再診断要)」の判定が下されている。
図4Cに示す実施例2では、実施例1と同様に、時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)のうち時刻t14において、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えている。これにより、実施例2の時刻t14において、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が十分に小さくなっている。
時刻t15〜t17(第2閉塞診断期間)のうち時刻t15〜t16で規定される第2初期期間では、第1推定体積Ves_1と同様の算出手順を用いて、第2推定体積Ves_2が算出される。第2推定体積Ves_2と、体積閾値Vthとの大小関係を比較することでベント路37に係る閉塞判定が行われる。第2閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果は、第1閉塞診断期間におけるそれと同様に「閉塞あり」である。
これは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が比較的大きい(再診断済み)ことを意味する。その結果、実施例2では、時刻t16の時点における「閉塞あり」の閉塞判定結果、及び、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えている旨の両者を考慮して、時刻t16の時点で「閉塞あり」の診断が下される。
以上説明した実施例1は、図3において、(ステップS13のNo)→(ステップS15のNo)→(ステップS13のYes)→(ステップS18:ベント路37に係る閉塞なし)の処理の流れが相当する。実施例1では、図4Bに示す時刻t16において「閉塞なし」の確定診断が下されている。
ここで、実施例1において、第1閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果が「閉塞あり」であるのに第2閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果が「閉塞なし」となるケースがいかなる機序で生じるのか?について、図5A〜図5Cを参照して説明する。
図5Aは、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存しない場合に負圧ポンプ51によって密閉空間を所定時間減圧した際にベント路圧Pvtの変化が生じる機序を概念的に表す説明図である。図5Bは、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存する場合に負圧ポンプ51によってベント路37を所定時間減圧した際にベント路圧Pvtの変化が生じる機序を概念的に表す説明図である。図5Cは、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存する場合の内圧の経時変化特性と、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存しない場合の内圧の経時変化特性とを対比して表す説明図である。
いま、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存しない(燃料タンク13が空気で満たされている)ケースを考える。ベント路圧Pvtは、図5Aに示すように、「Po」であるとする。この状態で、密閉空間(燃料タンク13、ベント路37、キャニスタ15を含む)を所定時間(x秒間)だけ負圧ポンプ51を用いて減圧した。
このケースでは、x秒後において、図5Aに示すように、所定容積の空気が密閉空間の外に排出される。負圧ポンプ51は定容積型ポンプだからである。その結果、ベント路圧Pvtは「3/4Po」まで減圧された(図5C参照)。キャニスタ15では燃料蒸気が吸着されない。密閉空間の減圧によってキャニスタ15を通して密閉空間の外へ排出される流体中に燃料蒸気が残存しないためである。
次に、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存する(燃料タンク13が空気/燃料蒸気の混合流体で満たされている)ケースを考える。ベント路圧Pvtは、図5Bに示すように、前記と同様に「Po」であるとする。この状態で、密閉空間を所定時間(x秒間)だけ負圧ポンプ51を用いて減圧した。
このケースでは、x秒後において、図5Bに示すように、所定容積の空気が密閉空間の外に排出される。負圧ポンプ51は定容積型ポンプだからである。また、燃料蒸気がキャニスタ15に吸着されて凝縮(容積が低下)する。密閉空間の減圧によってキャニスタ15を通して密閉空間の外へ排出される流体中に燃料蒸気が残存するためである。その結果、ベント路圧Pvtは「1/2Po」まで減圧された(図5C参照)。
要するに、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存するケースでは、燃料タンク13内に燃料蒸気が残存しないケースと比べて、ベント路圧Pvtの減圧速度が増す(図5C参照)。このベント路圧Pvtの減圧速度の増大傾向は、燃料蒸気の濃度が高いほど大きくなる。そのため、推定体積Vesとして比較的小さい値が算出される。こうしたケースでは、推定体積Vesが体積閾値Vthに満たない。
その結果、本来であれば「閉塞なし」の判定が得られるところ、密閉空間内の燃料蒸気の濃度やキャニスタ15の燃料蒸気に係る吸着容量の状態によっては、「閉塞あり」の誤判定が下されるおそれがあった。
ただし、本発明者らの研究によると、前記の誤判定が生じるケースは、第1閉塞診断期間のうち初期(第1初期期間)に限られることがわかった。その理由は、キャニスタ15の燃料蒸気に係る吸着容量には限界があり、吸着容量が飽和状態に陥ると、もはや燃料蒸気を吸着しなくなること、もともと燃料タンク13内における燃料蒸気の濃度が高い場合、キャニスタ15の燃料蒸気に係る吸着容量は飽和に近い状態にあること、が挙げられる。
要するに、第1閉塞診断期間のうち初期(第1初期期間)の閉塞判定において「閉塞あり」の判定が下されたとしても、第2閉塞診断期間のうち初期(第2初期期間)の閉塞判定において「閉塞なし」の判定が下された場合には、ベント路37に係る閉塞なしの確定診断を下せるケースがあることがわかった。
〔実施例2(診断結果:閉塞あり)〕
次に、実施例2(診断結果:閉塞あり)に係る閉塞診断装置11の時系列動作について、図4Cを参照して説明する。
図4Cは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気が診断精度に与える影響度が比較的大きい場合の、閉塞異常が生じている状態のベント路圧Pvtを負圧ポンプ51を用いて減圧した際の閉塞診断に係る各値の時間推移を表すタイムチャート図である。
実施例1の時系列動作と、実施例2の時系列動作とでは、相互に共通の動作部分が存在する。そこで、両者間の相違部分に注目して説明することで、実施例2の動作説明に代えることとする。
図4Cに示す時刻t11〜t12では、実施例1と同様に、基準排気速度Qrefが算出される。
図4Cに示す時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)では、実施例1と同様に、閉塞診断処理が遂行される。
時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)のうち時刻t12〜t13で規定される第1初期期間では、実施例1と同様の手順を用いて、第1推定体積Ves_1が算出される。第1推定体積Ves_1と、体積閾値Vthとの大小関係を比較することでベント路37に係る閉塞判定が行われる。第1閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果は、実施例1と同様に、「閉塞あり」である。
これは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が比較的大きい(再診断を要する)ことを意味する。その結果、実施例2では、実施例1と同様に、時刻t13の時点で「診断保留(再診断要)」の判定が下されている。
実施例2では、実施例1と同様に、時刻t12〜t15(第1閉塞診断期間)のうち時刻t14において、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えている。これにより、実施例2の時刻t14において、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が十分に小さくなっている。
時刻t15〜t17(第2閉塞診断期間)のうち時刻t15〜t16で規定される第2初期期間では、第1推定体積Ves_1と同様の算出手順を用いて、第2推定体積Ves_2が算出される。第2推定体積Ves_2と、体積閾値Vthとの大小関係を比較することでベント路37に係る閉塞判定が行われる。第2閉塞診断期間におけるベント路37に係る閉塞判定結果は、第1閉塞診断期間におけるそれと同様に「閉塞あり」である。
これは、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断の精度に与える影響度が大きい(再診断済み)ことを意味する。その結果、実施例2では、時刻t16の時点における「閉塞あり」の閉塞判定結果、及び、累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えている旨の両者を考慮して、時刻t16の時点で「閉塞あり」の診断が下される。
以上説明した実施例2は、図3において、(ステップS13のNo)→(ステップS15のNo)→(ステップS13のNo)→(ステップS15のYes)→(ステップS17:ベント路37に係る閉塞あり)の処理の流れが相当する。実施例2では、図4Cに示す時刻t16において「閉塞あり」の確定診断が下されている。
〔本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1に対応)に基づく閉塞診断装置11は、燃料を収容する燃料タンク13と、燃料タンク13の内部空間で生じた燃料蒸気を吸着するキャニスタ15と、燃料タンク13の内部空間とキャニスタ15との間を連通するベント路37とを備える燃料タンクシステムに適用され、ベント路37に係る閉塞診断を行う閉塞診断装置が前提となる。
第1の観点に基づく閉塞診断装置11は、ベント路37に係る内圧の情報を取得する情報取得部65と、負圧ポンプ(負圧源)51の作動によりベント路37に存する流体の流量制御を行う制御部(流量制御部)69と、負圧ポンプ51の作動に伴う、燃料タンク13及びベント路37を含む燃料蒸気密閉系からの流体の累積排気量CVesが、予め定められる排気量閾値CVthを超えたか否かに係る判定を行う排気量判定部71と、ベント路37に係る閉塞診断を行う閉塞診断部73と、を備える。
ベント路37に係る閉塞診断が行われれる閉塞診断期間(例えば、図4Bに示す第1閉塞診断期間及び第2閉塞診断期間を参照)では、負圧ポンプ51の作動開始時を始期とする所定の単位時間長にわたって負圧ポンプ51の作動が継続される。
閉塞診断部73は、閉塞診断期間内において負圧ポンプ51の作動によってベント路37に係る内圧(ベント路圧)Pvtを初期差圧Pprだけ減圧するのに要する時間長(例えば、図4Bの|t12−t13|を参照)、及び流体の基準排気速度Qrefに基づいて燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積を推定する共に、当該推定結果である推定体積Vesが予め設定される体積閾値Vthを超えるか否かに基づいてベント路37に係る閉塞診断を行う。
ベント路37に係る閉塞診断では、推定体積Vesが体積閾値Vth以下の場合に、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定を下す一方、推定体積Vesが体積閾値Vthを超える場合に、ベント路37が閉塞していない旨の診断を下す。ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合、流体の累積排気量CVesが排気量閾値CVthを少なくとも超えるまで、ベント路37に係る閉塞診断を保留する。
第1の観点に基づく閉塞診断装置11では、診断部67の閉塞診断部73は、燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積の推定結果である推定体積Vesが、体積閾値Vthを超えるか否かに基づいて、ベント路37に係る閉塞診断を行う。ベント路37に係る閉塞診断では、推定体積Vesが体積閾値Vth以下の場合に、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定を下す一方、推定体積Vesが体積閾値Vthを超える場合に、ベント路37が閉塞していない旨の診断を下す。
診断部67の閉塞診断部73は、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合、流体の累積排気量CVesが排気量閾値CVthを少なくとも超えるまで、ベント路37に係る閉塞診断を保留する。
第1の観点に基づく閉塞診断装置11によれば、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合、流体の累積排気量CVesが排気量閾値CVthを少なくとも超えるまで、ベント路37に係る閉塞診断を保留するため、燃料蒸気密閉系に残存する燃料蒸気の影響を抑制して、燃料タンク13及びベント路37を含む燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積の推定値に基づくベント路37の閉塞診断を高精度で遂行することができる。
なお、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11の説明では、判定は一応の結果を表す一方、診断は確定した結果を表すといったように、判定に比べて診断の方が、より重みが大きいものと定義している。
また、第2の観点(請求項2に対応)に基づく閉塞診断装置11は、第1の観点に基づく閉塞診断装置11であって、排気量閾値CVthは、燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積に基づいて設定される構成を採用することとした。
第2の観点に基づく閉塞診断装置11によれば、排気量閾値CVthは、燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積に基づいて設定されるため、ベント路37に係る閉塞診断に伴う負圧ポンプ51を用いた減圧によって燃料蒸気密閉系に係る密閉空間に残存する燃料蒸気がいったん大気中へ排出されて、同密閉空間に残存する燃料蒸気の濃度が薄まる。
その結果、同密閉空間に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断精度に与える影響度が抑制される。
したがって、ベント路37に係る閉塞診断精度の向上に寄与することができる。
また、第3の観点(請求項3に対応)に基づく閉塞診断装置11は、第1又は第2の観点に基づく閉塞診断装置11であって、診断部67の閉塞診断部73は、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、ベント路37に係る閉塞診断を再度行う構成を採用することとした。
第3の観点に基づく閉塞診断装置11によれば、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、ベント路37に係る閉塞診断を再度行うため、再度の閉塞診断では燃料蒸気密閉系に係る密閉空間に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断精度に与える影響度が抑制される。
したがって、ベント路37に係る閉塞診断精度の向上に寄与することができる。
また、第4の観点(請求項4に対応)に基づく閉塞診断装置11は、第1又は第2の観点に基づく閉塞診断装置11であって、診断部67の閉塞診断部73は、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、流体の累積排気量CVesが排気量閾値CVthを少なくとも超えるまで、ベント路37に係る閉塞診断を繰り返し行う構成を採用することとした。
第4の観点に基づく閉塞診断装置11によれば、ベント路37が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、流体の累積排気量CVesが排気量閾値CVthを少なくとも超えるまで、ベント路37に係る閉塞診断を繰り返し行うため、流体の累積排気量CVesが排気量閾値CVthを超えた後に行われるベント路37に係る閉塞診断では燃料蒸気密閉系に係る密閉空間に残存する燃料蒸気がベント路37に係る閉塞診断精度に与える影響度が抑制される。
したがって、ベント路37に係る閉塞診断精度の向上に寄与することができる。
また、第5の観点(請求項5に対応)に基づく閉塞診断装置11は、第1〜第4のいずれか一の観点に基づく閉塞診断装置11であって、第1及び第2閉塞診断期間(閉塞診断期間)は、負圧ポンプ51の作動によってベント路圧Pvtを初期差圧Pprだけ減圧するのに要する時間長を有する第1及び第2初期期間(初期期間)を含み、当該初期期間の時間長は、第1及び第2閉塞診断期間(閉塞診断期間)に係る所定の単位時間長と比べて短い時間長に設定される構成を採用してもよい。
第5の観点に基づく閉塞診断装置11によれば、第1及び第2初期期間(初期期間)の時間長は、第1及び第2閉塞診断期間(閉塞診断期間)に係る所定の単位時間長と比べて短い時間長に設定されるため、閉塞診断を行うための準備期間(例えば図4A〜図4Cに示す時刻t13−t15で規定される期間を参照)を除く実質的な時間長を短縮することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明に係る実施形態において、ベント路37に密閉弁41を設ける例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。密閉弁41は、これを省略してもよい。
また、本発明に係る実施形態において、大気圧センサ58が備わる例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。大気圧センサ58は、これを省略してもよい。この場合において、切換弁53がキャニスタ15を大気に連通する大気連通側に切り換えられている場合(図1B参照)、内圧センサ55は大気圧Patmを検出することを利用して、内圧センサ55に、大気圧Patmを検出させる構成を採用すればよい。
また、本発明に係る実施形態において、排気量閾値CVthとしては、燃料蒸気密閉系の体積と同等の値を適宜設定する態様を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。排気量閾値CVthとして、燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積を超える、例えば2倍・3倍等の適宜の値を設定しても構わない。
また、本発明に係る実施形態において、駆動源として内燃機関及び電動モータを備えるハイブリッド車両に対して、本発明の実施形態に係る閉塞診断装置11を適用する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。動力源として内燃機関のみを備えた車両に対して、本発明を適用してもよい。
11 閉塞診断装置
13 燃料タンク
15 キャニスタ
37 ベント路
51 負圧ポンプ(負圧源)
65 情報取得部
67 診断部
69 制御部(流量制御部)
71 排気量判定部
73 閉塞診断部

Claims (5)

  1. 燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクの内部空間で生じた燃料蒸気を吸着するキャニスタと、前記燃料タンクの内部空間と前記キャニスタとの間を連通するベント路とを備える燃料タンクシステムに適用され、前記ベント路に係る閉塞診断を行う閉塞診断装置であって、
    前記ベント路に係る内圧の情報を取得する情報取得部と、
    負圧源の作動により前記ベント路に存する流体の流量制御を行う流量制御部と、
    前記負圧源の作動に伴う、前記燃料タンク及び前記ベント路を含む燃料蒸気密閉系からの前記流体の排気量が、予め定められる排気量閾値を超えたか否かに係る判定を行う排気量判定部と、
    前記ベント路に係る閉塞診断を行う閉塞診断部と、を備え、
    前記ベント路に係る閉塞診断が行われれる閉塞診断期間では、当該負圧源の作動開始時を始期とする所定の単位時間長にわたって前記負圧源の作動が継続され、
    前記閉塞診断部は、
    前記閉塞診断期間内において前記負圧源の作動によって前記ベント路に係る内圧を初期差圧だけ減圧するのに要する時間長、及び前記流体の排気速度に基づいて前記燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積を推定する共に、当該推定結果である推定体積が予め設定される体積閾値を超えるか否かに基づいて前記ベント路に係る閉塞診断を行い、
    前記ベント路に係る閉塞診断では、前記推定体積が前記体積閾値以下の場合に、前記ベント路が閉塞している疑いがある旨の判定を下す一方、前記推定体積が前記体積閾値を超える場合に、前記ベント路が閉塞していない旨の診断を下し、
    前記ベント路が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、前記流体の排気量が前記排気量閾値を少なくとも超えるまで、前記ベント路に係る閉塞診断を保留する
    ことを特徴とする閉塞診断装置。
  2. 請求項1に記載の閉塞診断装置であって、
    前記排気量閾値は、前記燃料蒸気密閉系に係る密閉空間体積に基づいて設定される
    ことを特徴とする閉塞診断装置。
  3. 請求項1又は2に記載の閉塞診断装置であって、
    前記閉塞診断部は、
    前記ベント路が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、前記ベント路に係る閉塞診断を再度行う
    ことを特徴とする閉塞診断装置。
  4. 請求項1又は2に記載の閉塞診断装置であって、
    前記閉塞診断部は、
    前記ベント路が閉塞している疑いがある旨の判定が下された場合に、前記流体の排気量が前記排気量閾値を少なくとも超えるまで、前記ベント路に係る閉塞診断を繰り返し行う
    ことを特徴とする閉塞診断装置。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の閉塞診断装置であって、
    前記閉塞診断期間は、前記負圧源の作動によって前記ベント路に係る内圧を初期差圧だけ減圧するのに要する時間長を有する初期期間を含み、
    当該初期期間の時間長は、前記閉塞診断期間に係る前記所定の単位時間長と比べて短い時間長に設定される
    ことを特徴とする閉塞診断装置。
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