JP6943737B2

JP6943737B2 - 電線用外装体及び外装体付きワイヤーハーネス

Info

Publication number: JP6943737B2
Application number: JP2017223975A
Authority: JP
Inventors: 貴志押野; 耕一前野; 直之児島; 英行池田; 好一亀井
Original assignee: THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.; Furukawa Automotive Systems Inc
Current assignee: THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.; Furukawa Automotive Systems Inc
Priority date: 2017-11-21
Filing date: 2017-11-21
Publication date: 2021-10-06
Anticipated expiration: 2037-11-21
Also published as: EP3716424A1; WO2019102939A1; CN111279566A; EP3716424A4; US20200358270A1; JP2019097284A; US11837855B2

Description

本発明は、ワイヤーハーネス等の電線の外周に装着される電線用外装体及び外装体付きワイヤーハーネスに関する。

車両等に配索される電線には、分岐部が形成されている場合があり、該分岐部にて電線が分岐されている。分岐部を有する電線の外周に装着される電線用外装体として、電線側壁部に枝線部用孔部が形成されている電線の保護部材が提案されている（特許文献１）。特許文献１では、前記枝線部用孔部は、本線部から分岐した枝線部が通される分岐用の孔であり、枝線部用孔部から、枝線部が引き出される。

しかし、特許文献１の枝線部用孔部では、枝線部用孔部へ分岐した電線を通線するには、分岐した電線の先端から分岐部まで枝線部用孔部へ順送りしなければならない。従って、特許文献１の枝線部用孔部では、分岐した電線の通線作業が煩雑であるという問題があった。

また、電線の先端には、予め、接続用のコネクタ部材が設けられている場合があり、該コネクタ部材の外形寸法は、一般的に、電線の外径よりも大きい。このため、特許文献１では、枝線部用孔部の寸法は分岐した電線の外径よりも大きく設定する必要がある。従って、枝線部用孔部に通線された分岐した電線は、その位置規制が十分にはできない場合があるという問題があった。

特開２０１５−２３１２４８号公報

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、分岐した電線の通線作業が容易であり、分岐した電線を通線させる孔部の寸法を分岐した電線の外径よりも大きく設定しなくてもよく、分岐した電線を通線させる孔部に通線された電線の位置規制に優れた電線用外装体を提供することを目的とする。

本発明の要旨構成は以下の通りである。
［１］樹脂シートが折り曲げられて形成された、電線の外周に装着される電線用外装体であって、
前記電線の延び方向に沿って延在し、前記電線を収容する収容部を形成する複数の壁部を備え、
前記複数の壁部のうち、少なくとも１つの壁部が、第１の切り欠きを有する外側壁面と、該外側壁面と重なり合う、第２の切り欠きを有する内側壁面と、を有する壁面重ね合わせ部を備え、該第１の切り欠きと該第２の切り欠きが重ね合わされて枝線部用貫通孔が形成されている電線用外装体。
［２］前記樹脂シートが、熱可塑性樹脂発泡シートである［１］に記載の電線用外装体。
［３］前記外側壁面が、前記内側壁面と別体である［１］または［２］に記載の電線用外装体。
［４］前記外側壁面の先端部が、前記電線の延び方向に沿って、前記内側壁面の先端部と対向している［１］乃至［３］のいずれか１つに記載の電線用外装体。
［５］前記枝線部用貫通孔が、前記樹脂シートの折曲部と接していない［１］乃至［４］のいずれか１つに記載の電線用外装体。
［６］前記枝線部用貫通孔の縁部が、前記折曲部から５ｍｍ以上離れている［５］に記載の電線用外装体。
［７］前記枝線部用貫通孔の形状が、ひし形、三角形、円形、長方形または楕円形である［１］乃至［６］のいずれか１つに記載の電線用外装体。
［８］前記枝線部用貫通孔の角部が、丸形状を有する［１］乃至［６］のいずれか１つに記載の電線用外装体。
［９］前記丸形状が、Ｒ２．０ｍｍ以上の曲部を有する［８］に記載の電線用外装体。
［１０］外装体付きワイヤーハーネスであって、
１本以上の電線と、
［１］乃至［９］のいずれか１つに記載の電線用外装体と、を備え、
前記電線用外装体は、前記電線の外周に装着されている外装体付きワイヤーハーネス。

本発明の電線用外装体の態様によれば、第１の切り欠きを有する外側壁面と第２の切り欠きを有する内側壁面とが重ねられることで、第１の切り欠きと第２の切り欠きが重ね合わされて壁部に枝線部用貫通孔が形成されていることにより、分岐した電線（枝線）を枝線部用貫通孔へ通線する作業が容易化される。また、本発明の電線用外装体の態様によれば、枝線部用貫通孔の寸法を分岐した電線の外径よりも大きく設定しなくてもよく、枝線部用貫通孔に通線された電線に対して、優れた位置規制を発揮する。

本発明の電線用外装体の態様によれば、電線用外装体を形成する樹脂シートを熱可塑性樹脂発泡シートとすることにより、電線用外装体を軽量化することができる。

本発明の電線用外装体の態様によれば、外側壁面の先端部が、電線の延び方向に沿って内側壁面の先端部と対向していることにより、分岐した電線を枝線部用貫通孔へ通線する作業がさらに容易化される。

本発明の電線用外装体の態様によれば、枝線部用貫通孔が樹脂シートの折曲部と接していないことにより、電線用外装体の座屈等による変形が防止されて、電線用外装体の長手方向の強度が向上する。

本発明の電線用外装体の態様によれば、枝線部用貫通孔の角部が丸形状を有することにより、枝線部用貫通孔の角部に応力が集中することを防止して、電線用外装体の長手方向の強度が向上する。

（ａ）図は、本発明の第１実施形態例に係る電線用外装体の斜視図、（ｂ）図は、本発明の第１実施形態例に係る電線用外装体の側面図、（ｃ）図は、本発明の第１実施形態例に係る電線用外装体の正面図である。（ａ）図は、本発明の第２実施形態例に係る電線用外装体の斜視図、（ｂ）図は、本発明の第２実施形態例に係る電線用外装体の側面図、（ｃ）図は、本発明の第２実施形態例に係る電線用外装体の正面図である。（ａ）図は、本発明の第３実施形態例に係る電線用外装体の斜視図、（ｂ）図は、本発明の第３実施形態例に係る電線用外装体の側面図、（ｃ）図は、本発明の第３実施形態例に係る電線用外装体の正面図である。（ａ）図は、本発明の第４実施形態例に係る電線用外装体の斜視図、（ｂ）図は、本発明の第４実施形態例に係る電線用外装体の側面図、（ｃ）図は、本発明の第４実施形態例に係る電線用外装体の正面図である。（ａ）図は、本発明の第５実施形態例に係る電線用外装体の斜視図、（ｂ）図は、本発明の第５実施形態例に係る電線用外装体の側面図、（ｃ）図は、本発明の第５実施形態例に係る電線用外装体の正面図である。

以下、本発明の実施形態例に係る電線用外装体について、図面を用いながら説明する。

まず、図１を用いて、本発明の第１実施形態例に係る電線用外装体を用いた外装体付きワイヤーハーネスの実施形態例について説明する。本発明の実施形態例に係る外装体付きワイヤーハーネス１００は、複数の電線が束ねられたワイヤーハーネス１１０と、ワイヤーハーネス１１０の外周に装着される第１実施形態例に係る電線用外装体１と、を有する。ワイヤーハーネス１１０は、電線用外装体１によって外部環境から保護されている。

図１（ａ）に示すように、ワイヤーハーネス１１０には、分岐部から分岐した電線（枝線）１１１が設けられており、枝線１１１は、電線用外装体１の枝線部用貫通孔１１から引き出されている。なお、図１においては、ワイヤーハーネス１１０、枝線１１１を、それぞれ、１本の円柱形状で示しているが、ワイヤーハーネス１１０、枝線１１１は、それぞれ、１本以上の電線を備えたものである。

次に、本発明の第１実施形態例に係る電線用外装体１について説明する。
図１（ａ）に示すように、電線用外装体１は、ワイヤーハーネス１１０の延び方向（図１の長手方向ｘ）に沿って延在する複数の壁部１２を備えており、複数の壁部１２に囲まれて形成され、ワイヤーハーネス１１０を収容する収容部１３を有している。図１（ｃ）に示すように、電線用外装体１では、短手方向の断面形状は四角形状となっている。

図１（ａ）に示すように、第１実施形態例に係る電線用外装体１では、複数の壁部１２は、第１の壁部材１４と第１の壁部材１４とは別体である第２の壁部材１５とから形成されている。第１の壁部材１４は、１枚の樹脂シート（例えば、熱可塑性樹脂発泡シート）を折り曲げることにより形成されている。第１の壁部材１４は、折曲部２０ａ、２０ｂを折り曲げることにより、底壁部２１と、底壁部２１の端縁から折曲部２０ａを介して連設された外側側壁部２２と、底壁部２１の端縁から折曲部２０ｂを介して連設された外側側壁部２３とを有している。第１の壁部材１４は、正面視コ字状の形状を有している。

第２の壁部材１５は、第１の壁部材１４と同様に、１枚の樹脂シート（例えば、熱可塑性樹脂発泡シート）を折り曲げることにより形成されている。第２の壁部材１５は、折曲部２０ｃ、２０ｄを折り曲げることにより、蓋壁部２５と、蓋壁部２５の端縁から折曲部２０ｃを介して連設された内側側壁部２６と、蓋壁部２５の端縁から折曲部２０ｄを介して連設された内側側壁部２７とを有している。第２の壁部材１５は、正面視コ字状の形状を有している。

すなわち、電線用外装体１では、正面視コ字状の第２の壁部材１５が、正面視コ字状の第１の壁部材１４の内部に、底壁部２１と蓋壁部２５とが対向するように嵌め込まれることで、複数の壁部１２が形成されている。また、外側側壁部２２と内側側壁部２６は重なり合って、壁面重ね合わせ部となっており、外側側壁部２３と内側側壁部２７は重なり合って、壁面重ね合わせ部となっている。電線用外装体１では、外側側壁部２２と内側側壁部２６は接触して重なり合っており、外側側壁部２３と内側側壁部２７も接触して重なり合っている。また、内側側壁部２６の先端部は、底壁部２１の折曲部２０ａに達し、内側側壁部２７の先端部は、底壁部２１の折曲部２０ｂに達している。外側側壁部２２の先端部は蓋壁部２５の折曲部２０ｃに達し、外側側壁部２３の先端部は蓋壁部２５の折曲部２０ｄに達している。

外側側壁部２２の先端部が、ワイヤーハーネス１１０の延び方向に沿って、内側側壁部２６の先端部と対向している。また、外側側壁部２３の先端部が、ワイヤーハーネス１１０の延び方向に沿って、内側側壁部２７の先端部と対向している。

図１（ａ）に示すように、収容部１３は、底壁部２１、内側側壁部２６、２７、外側側壁部２２、２３、蓋壁部２５で囲まれた部分である。収容部１３は、底壁部２１、内側側壁部２６、２７、外側側壁部２２、２３、蓋壁部２５により長手方向ｘにおける一側と他側が貫通した筒状に形成されており、ワイヤーハーネス１１０を収容することができる。

図１（ａ）、（ｂ）に示すように、外側側壁部２２には、第１の切り欠き３１が、先端部から折曲部２０ａ方向へ設けられている。電線用外装体１では、複数（図１では、２つ）の第１の切り欠き３１が設けられている。また、外側側壁部２２と重なり合う内側側壁部２６には、第２の切り欠き３２が、先端部から折曲部２０ｃ方向へ設けられている。第２の切り欠き３２の少なくとも一部の領域が第１の切り欠き３１の少なくとも一部の領域と重なり合う位置に、第２の切り欠き３２が設けられている。電線用外装体１では、第１の切り欠き３１が複数設けられていることに対応して、複数（図１では、２つ）の第２の切り欠き３２が設けられている。第１の切り欠き３１と第２の切り欠き３２の形状、寸法は、特に限定されないが、図１では、第１の切り欠き３１と第２の切り欠き３２は、相互に、同じ形状且つ同じ寸法となっている。第１の切り欠き３１と第２の切り欠き３２が重ね合わされることで、枝線部用貫通孔１１が形成されている。従って、第１の切り欠き３１と第２の切り欠き３２は、枝線１１１の引き出し位置に設けられている。

なお、枝線部用貫通孔１１の形状は、特に限定されず、例えば、枝線１１１の短手方向の形状、寸法に応じて適宜選択可能であり、電線用外装体１では、略ひし形となっている。

第１の切り欠き３１は折曲部２０ａには達していない。また、第２の切り欠き３２も折曲部２０ｃには達していない。上記から、枝線部用貫通孔１１は、樹脂シートの折曲部２０ａ、２０ｃと接していない態様となっている。すなわち、枝線部用貫通孔１１は、底壁部２１、蓋壁部２５とは接していない。従って、内側側壁部２６のうち、第２の切り欠き３２底部と折曲部２０ｃとの間の領域は、外部に露出した態様となっている。枝線部用貫通孔１１が折曲部２０ａ、２０ｃと接していないことにより、電線用外装体１の座屈等による変形が防止されて、電線用外装体１の長手方向ｘの強度が向上する。なお、電線用外装体１では、枝線部用貫通孔１１の縁部が、折曲部２０ａ、２０ｃから５ｍｍ以上離れている。これにより、枝線部用貫通孔１１のある部分においても、折曲部２０ａ、２０ｃで外側側壁部２２および内側側壁部２６を容易に折り曲げることができる。

図１（ｂ）に示すように、枝線部用貫通孔１１の角部には、丸形状が形成されている。枝線部用貫通孔１１の角部が丸形状を有することにより、枝線部用貫通孔１１の角部に応力が集中することを防止して、電線用外装体１の長手方向ｘの強度が向上する。丸形状の曲率半径は、特に限定されないが、Ｒ２．０ｍｍ以上が好ましく、Ｒ３．０ｍｍ以上が特に好ましい。また、丸形状の曲率半径は、Ｒ２０ｍｍ以下が好ましく、Ｒ１０ｍｍ以下が特に好ましい。

電線用外装体１に用いられる樹脂シートは折り曲げが可能であれば、特に限定されず、熱可塑性樹脂シートおよび熱硬化性樹脂シートのいずれのシートも用いることができる。種々の樹脂シートの中で、軽量性、形状設計の自由度、コスト等の点で、熱可塑性樹脂発泡シートが好ましい。熱可塑性樹脂発泡シートの樹脂種については、熱可塑性樹脂であれば、特に限定されず、いずれも使用可能であり、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。

電線用外装体１に用いられる熱可塑性樹脂発泡シートの密度は、特に限定されないが、例えば、機械的特性の異方性を防止、すなわち、機械的特性を等方化して、電線用外装体１の設計の自由度を向上させる点から、２００Ｋｇ／ｍ^３以上１０００Ｋｇ／ｍ^３以下が好ましく、軽量性と機械的強度とのバランスをより向上させる点から、３００Ｋｇ／ｍ^３以上６００Ｋｇ／ｍ^３以下がより好ましく、３５０Ｋｇ／ｍ^３以上５５０Ｋｇ／ｍ^３以下が特に好ましい。

熱可塑性樹脂発泡シートの厚さは、特に限定されないが、例えば、折り曲げ容易性と機械的強度とのバランスをより向上させる点から、０．８０ｍｍ以上５．０ｍｍ以下が好ましく、１．０ｍｍ以上２．５ｍｍ以下が特に好ましい。また、熱可塑性樹脂発泡シートには、両面または片面に、非発泡層が形成されていてもよい。すなわち、熱可塑性樹脂発泡シートは、発泡層と該発泡層上に形成された非発泡層とを有する構成としてもよい。熱可塑性樹脂発泡シートの表面に非発泡層が形成されていることにより、電線用外装体１の機械的強度が向上して、収容されるワイヤーハーネス１１０の保護性能がより向上するとともに、電線用外装体１の耐摩耗性が向上して優れた耐久性が得られる。非発泡層の厚さは、特に限定されないが、例えば、１０μｍ以上１００μｍ以下が挙げられる。

また、熱可塑性樹脂発泡シートの発泡層の気泡数密度は、特に限定されないが、その下限値は、機械的特性の異方性をより確実に防止して設計の自由度をさらに向上させる点から、８００個／ｍｍ^３以上が好ましく、１０００個／ｍｍ^３以上が特に好ましい。一方で、上記気泡数密度の上限値は、優れた機械的強度を得る点から、１０^１０個／ｍｍ^３以下を挙げることができる。なお、本発明における気泡数密度は、熱可塑性樹脂発泡シートの縦断面のＳＥＭ写真を撮影し、当該ＳＥＭ写真上において発泡層中の任意の１００×１００μｍの領域に存在する気泡数ｎを計数し、１ｍｍ^２当たりに存在する気泡数を算出した。得られた数値を３／２乗することで１ｍｍ^３当たりの気泡数に換算し気泡数密度とした。

次に、本線から分岐した枝線１１１を有するワイヤーハーネス１１０を、電線用外装体１へ装着して外装体付きワイヤーハーネス１００を形成する方法について説明する。

まず、電線用外装体１を形成するための母材となる樹脂シート（例えば、熱可塑性樹脂発泡シート）から、電線用外装体１を構成する第１の壁部材１４に相当する部分と第１の壁部材１４とは別体である第２の壁部材１５に相当する部分を、それぞれ切り出す、切り出し加工を行う。

次に、第１の壁部材１４となる樹脂シートを、底壁部２１に対して外側側壁部２３が略垂直方向となるように、折曲部２０ｂにて折り曲げて外側側壁部２３と底壁部２１を形成する。次に、第２の壁部材１５となる樹脂シートを、蓋壁部２５に対して内側側壁部２７が略垂直方向となるように、折曲部２０ｄにて折り曲げて内側側壁部２７と蓋壁部２５を形成する。次に、内側側壁部２７と外側側壁部２３とを重ね合わせて壁面重ね合わせ部を形成し、内側側壁部２７と外側側壁部２３とを接合する。内側側壁部２７と外側側壁部２３の接合手段としては、例えば、接着剤や粘着テープ等の接着手段、超音波溶着、熱溶着等の溶着手段、係止部材、リベット等を用いた嵌合手段、ホッチキス等を用いた貫通固定手段等を挙げることができる。これにより、底壁部２１と蓋壁部２５間が長手方向ｘに沿って開口した形状となる。

次に、底壁部２１と蓋壁部２５との間から、枝線１１１を有するワイヤーハーネス１１０を装入する。その後、第２の壁部材１５となる樹脂シートを、内側側壁部２７に対して内側側壁部２６が略平行となるように、折曲部２０ｃにて折り曲げて内側側壁部２６を形成する。樹脂シートを折曲部２０ｃにて折り曲げる時、第２の切り欠き３２内に枝線１１１の分岐部近傍を収容する。さらに、第１の壁部材１４となる樹脂シートを、外側側壁部２３に対して外側側壁部２２が略平行となるように、折曲部２０ａにて折り曲げて、内側側壁部２６と重ね合わせるように外側側壁部２２を形成する。樹脂シートを折曲部２０ａにて折り曲げる時、第２の切り欠き３２内に収容されている枝線１１１の分岐部近傍を、第１の切り欠き３１内にも収容する。枝線１１１の分岐部近傍が、第２の切り欠き３２内及び第１の切り欠き３１内に収容されることで、枝線部用貫通孔１１に、枝線１１１の分岐部近傍が収容される。

次に、内側側壁部２６と外側側壁部２２とを、上記接合手段等を用いて接合する。これにより、枝線部用貫通孔１１から枝線１１１が引き出された態様で、収容部１３内にワイヤーハーネス１１０が挿通された状態で収容される。

電線用外装体１では、枝線１１１の先端から分岐部まで枝線部用貫通孔１１へ順送りすることなく、枝線部用貫通孔１１へ枝線１１１を通線できるので、枝線１１１を枝線部用貫通孔１１へ通線する作業が容易化される。また、電線用外装体１では、枝線１１１の先端を枝線部用貫通孔１１へ挿入することなく、枝線部用貫通孔１１へ枝線１１１を通線できるので、枝線部用貫通孔１１の寸法を分岐した電線の外径よりも大きく設定しなくてもよく、枝線部用貫通孔１１に通線された枝線１１１に対して、優れた位置規制を発揮する。

次に、本発明の第２実施形態例に係る電線用外装体について説明する。なお、第１実施形態例に係る電線用外装体と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。

図２に示すように、第２実施形態例に係る電線用外装体２では、枝線部用貫通孔１１の形状は、略三角形となっている。電線用外装体２では、第１の切り欠き３１の形状が、第２の切り欠き３２の形状とは異なる態様となっている。第１の切り欠き３１は長方形状であり、直線状である底部が、略三角形状である枝線部用貫通孔１１の底辺を構成している。一方で、第２の切り欠き３２の底部は、略三角形である枝線部用貫通孔１１の２つの斜辺部を形成している。電線用外装体２でも、枝線の先端から分岐部まで枝線部用貫通孔１１へ順送りすることなく、枝線部用貫通孔１１へ枝線を通線できるので、枝線を枝線部用貫通孔１１へ通線する作業を容易化できる。

次に、本発明の第３実施形態例に係る電線用外装体について説明する。なお、第１、第２実施形態例に係る電線用外装体と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。

図３に示すように、第３実施形態例に係る電線用外装体３では、枝線部用貫通孔１１の形状は、略円形となっている。電線用外装体３では、第１の切り欠き３１の形状が、第２の切り欠き３２の形状と同じ態様となっている。第１の切り欠き３１の底部が半円弧状の形状であり、略円形である枝線部用貫通孔１１の下側の半円を構成している。第２の切り欠き３２の底部も、半円弧状の形状であり、略円形である枝線部用貫通孔１１の上側の半円を構成している。電線用外装体３でも、枝線の先端から分岐部まで枝線部用貫通孔１１へ順送りすることなく、枝線部用貫通孔１１へ枝線を通線できるので、枝線を枝線部用貫通孔１１へ通線する作業を容易化できる。

次に、本発明の第４実施形態例に係る電線用外装体について説明する。なお、第１〜第３実施形態例に係る電線用外装体と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。

図４に示すように、第４実施形態例に係る電線用外装体４では、枝線部用貫通孔１１の形状は、略長方形となっている。より具体的には、図４では、枝線部用貫通孔１１の形状は、角丸長方形となっている。電線用外装体４では、第１の切り欠き３１の形状が、第２の切り欠き３２の形状と同じ態様となっている。図４では、第１の切り欠き３１の形状と第２の切り欠き３２の形状は、いずれも、略矩形状となっている。

電線用外装体４では、第１の切り欠き３１の底部は直線状であり、角丸長方形の長手方向の一辺を構成している。第１の切り欠き３１の両側辺部が、角丸長方形の短手方向の対向する両辺を構成している。また、第２の切り欠き３２の底部は直線状であり、角丸長方形の長手方向の他辺を構成している。第２の切り欠き３２の両側辺部が、第１の切り欠き３１の両側辺部と重なり合って、角丸長方形の短手方向の対向する両辺を構成している。電線用外装体４でも、枝線の先端から分岐部まで枝線部用貫通孔１１へ順送りすることなく、枝線部用貫通孔１１へ枝線を通線できるので、枝線を枝線部用貫通孔１１へ通線する作業を容易化できる。

次に、本発明の第５実施形態例に係る電線用外装体について説明する。なお、第１〜第４実施形態例に係る電線用外装体と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。

図５に示すように、第５実施形態例に係る電線用外装体５では、枝線部用貫通孔１１の形状は、略楕円形となっている。電線用外装体５では、第１の切り欠き３１の形状が、第２の切り欠き３２の形状と同じ態様となっている。第１の切り欠き３１の底部が半楕円弧状の形状であり、略楕円形である枝線部用貫通孔１１の下側の半楕円を構成している。第２の切り欠き３２の底部も、半楕円弧状の形状であり、略楕円形である枝線部用貫通孔１１の上側の半楕円を構成している。電線用外装体５でも、枝線の先端から分岐部まで枝線部用貫通孔１１へ順送りすることなく、枝線部用貫通孔１１へ枝線を通線できるので、枝線を枝線部用貫通孔１１へ通線する作業を容易化できる。

次に、本発明の他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例の電線用外装体では、複数の壁部１２のうち、外側側壁部２２と内側側壁部２６の壁面重ね合わせ部に枝線部用貫通孔１１が設けられていた。すなわち、対向する側壁部のうち、一方の側壁部に枝線部用貫通孔１１が設けられていたが、さらに、外側側壁部２３と内側側壁部２７の壁面重ね合わせ部にも、枝線部用貫通孔１１が設けられてもよい。すなわち、対向する両側壁部に枝線部用貫通孔１１が設けられてもよい。また、上記各実施形態例の電線用外装体では、底壁部２１と蓋壁部２５には、壁面重ね合わせ部は形成されていなかったが、これに代えて、底壁部２１及び／または蓋壁部２５にも、さらに、壁面重ね合わせ部を形成し、該壁面重ね合わせ部にも、枝線部用貫通孔１１が設けられてもよい。

上記各実施形態例の電線用外装体では、短手方向の断面形状は四角形状であったが、短手方向の断面形状は、特に限定されず、これに代えて、例えば、三角形状、五角形以上の多角形としてもよい。また、上記各実施形態例に係る電線用外装体では、ワイヤーハーネス１１０が略直線状に延在していることに対応して、複数の壁部１２は、ワイヤーハーネス１１０の延び方向に沿って直線状に形成されていたが、これに代えて、複数の壁部１２は、延在方向の途中で、ワイヤーハーネスの形状に沿うように分岐されていてもよく、また、ワイヤーハーネスの形状に沿うように曲げられていてもよい。また、収容部１３は、ワイヤーハーネス１１０の形状に沿うように、拡径、縮径されていてもよい。

また、上記各実施形態例の電線用外装体では、複数の壁部１２は、第１の壁部材１４と第１の壁部材１４とは別体である第２の壁部材１５とから形成されていたが、第１の壁部材１４と第２の壁部材１５とは一体であってもよい。例えば、第２の壁部材１５を無くし、第１の壁部材１４を折曲部２０ｄから折曲部２０ｃ、さらに折曲部２０ａに向かって延長し、第１の壁部材１４を周回することによって、複数の壁部１２を形成する。第１の壁部材１４を折曲部２０ａの位置まで伸延させる場合には、壁面重ね合わせ部は、外側側壁部２２と内側側壁部２６においてのみ形成される。

本発明では、枝線を枝線部用貫通孔へ通線する作業が容易化され、枝線部用貫通孔の寸法を枝線の外径よりも大きく設定しなくてもよく、枝線部用貫通孔に通線された枝線に対して、優れた位置規制を発揮するので、例えば、自動車に配索されるワイヤーハーネスの外装体の分野で利用価値が高い。

１、２、３、４、５電線用外装体
１１枝線部用貫通孔
１３収容部
２２、２３外側側壁部
２６、２７内側側壁部
３１第１の切り欠き
３２第２の切り欠き

Claims

樹脂シートが折り曲げられて形成された、電線の外周に装着される電線用外装体であって、
前記電線の延び方向に沿って延在し、前記電線を収容する収容部を形成する複数の壁部を備え、
前記複数の壁部のうち、少なくとも１つの壁部が、第１の切り欠きを有する外側壁面と、該外側壁面と重なり合う、第２の切り欠きを有する内側壁面と、を有する壁面重ね合わせ部を備え、該第１の切り欠きと該第２の切り欠きが重ね合わされて枝線部用貫通孔が形成され、
前記樹脂シートが、発泡層と該発泡層上に形成された非発泡層とを有する熱可塑性樹脂発泡シートである電線用外装体。
前記外側壁面が、前記内側壁面と別体である請求項１に記載の電線用外装体。
前記外側壁面の先端部が、前記電線の延び方向に沿って、前記内側壁面の先端部と対向している請求項１または２に記載の電線用外装体。
前記枝線部用貫通孔が、前記樹脂シートの折曲部と接していない請求項１乃至３のいずれか１項に記載の電線用外装体。
前記枝線部用貫通孔の縁部が、前記折曲部から５ｍｍ以上離れている請求項４に記載の電線用外装体。
前記枝線部用貫通孔の形状が、ひし形、三角形、円形、長方形または楕円形である請求項１乃至５のいずれか１項に記載の電線用外装体。
前記枝線部用貫通孔の角部が、丸形状を有する請求項１乃至５のいずれか１項に記載の電線用外装体。
前記丸形状が、Ｒ２．０ｍｍ以上の曲部を有する請求項７に記載の電線用外装体。
外装体付きワイヤーハーネスであって、
１本以上の電線と、
請求項１乃至８のいずれか１項に記載の電線用外装体と、を備え、
前記電線用外装体は、前記電線の外周に装着されている外装体付きワイヤーハーネス。