本発明の説明
構造A-L-BのPROTAC化合物を使用し、BETブロモドメインタンパク質の迅速、効果的および長期の細胞内分解を達成するために実証された本出願人により開発されたものとして、新規な小分子アプローチがここに記載される。本化合物のPROTAC誘発タンパク質分解能力は、VHLへの結合について確認され、プロテアソーム活性をブロックする際に逆転することが示され、およびVHLの、およびその自然な基質HIF-1αの内因性の、生理学的レベルを妨害しないことが実証された。構造A-L-BのPROTAC化合物を用いる実験は、調査したすべての化合物が低濃度でBRD2およびBRD3よりも優先的にBRD4の分解を示すことを確認した。
さらに、式A-L-B、MZ1の強力で、および選択的なPROTAC化合物により処理して得られる下流の遺伝子発現パターンは、BRD4依存性遺伝子MYC、P21およびAREGについてJQ1抑制に類似するが、FAS、FGFR1およびTYRO3についてはそうではないことを示した。
下文に詳述するように、本発明に従うPROTACsについての実験結果は、JQ1によるBETタンパク質サブファミリー全体の抑制に比べて、MZ1によるBRD4の選択的枯渇から生じる異なる薬理学的応答を示唆する。特定の理論に拘束されることは何ら望まないが、追加の実験により、BRD4のブロモドメインのBRD2およびBRD3の高度に相同なブロモドメインに対する結合についての優先が、精製されたタンパク質の関連内でITCによって観察されないことが確認されたので、観察された選択性は、BRD4の表面上のリジン残基のポリユビキチン化で、BRD2およびBRD3のものと比較して、優先的かつより一層効率的なものから生じ得る。代わりに、または加えて、本発明者らはまた、本発明のPROTAC化合物への結合の結果として、VHLとBRD4との間のBRD2/3と比較して優先的な直接的相互作用が起こり、より一層生産的なVHL:PROTAC:BRD4三元複合体の形成が誘発される。
上文に示したように、本出願人は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式I:
のE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、
式中、Lは式Iの化合物に直接結合する基であり、および式中、Lは-(CH
2)
nL
1(CH
2O)
p-であり、式中、L
1は、共有結合、5または6員の複素環または1、2または3個の窒素原子を含む芳香族複素環、フェニル、-(C
2-C
4)アルキン、-SO
2-、または-NH-であり、
式中、XはCまたはNであり、
式中、nおよびpは無関係に0ないし10であり、
式中、R
1は、Lに対する共有結合性C-リンク結合を有する-(CH
2)
mQ
v基、(C
1-C
4)アルキル基、またはC-リンク(C
3-C
4)複素環式基であり、
式中、mは0、1または2であり、およびvは0または1であり、そこでは、mが0であるとき、vは1であり、
式中、Qは、(C
3-C
4)-C-リンク窒素を含む複素環式基であり、そこではQ基における環原子の一は-NHC(O)基、または-C(O)基により随意に置換され、
式中、前記R
1基はF、CNまたはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R
2aはOH、-CHF
2、-CF
3、NH
2またはFであり、
式中、R
2bはHまたはFであり、
式中、R
3およびR
4は、H、Lに対する共有結合性C-リンク、共有結合性O-リンク、または共有結合性C(O)-リンク結合から無関係に選ばれ、
R
5は、-(C
1-C
3)アルキル基またはLに対する共有結合性C-リンク結合であり、
式中、Yは
であり、
式中、ZはCR
6R
7R
8またはSR
6R
7R
8R
9R
10であり、
式中、R
11は共有結合性C-リンク結合または
であり、
式中、R
12は-C(O)-、-C(S)-または-C(=)-R
13基であり、
式中、ZがCR
6R
7R
8であるとき、R
6およびR
7はそれぞれ無関係に-(C
1-C
3)アルキル基であるか、または式中、R
6およびR
7はC-原子と一緒にそれにそれらが付着して-(C
3-C
4)シクロアルキル基を形成し、
式中、ZがCR
6R
7R
8であるとき、R
8は、-(C
1-C
3)アルキル基、-(CH
2)
qR
8*基で、そこでは、qは、0、1または2であるもの、-C(O)-R
8*基、または-N(H)-R
8*基であり、
およびそこでは、R
8*は、Lに対する共有結合性C-リンク結合、またはHであり、
またはそこでは、ZがSR
6R
7R
8R
9R
10であるとき、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10は各々次の:F;または-(C
1-C
3)アルキル基から無関係に選ばれ、
式中、R
13はH、Fまたは-(C
1-C
3)アルキル基であり、および
そこでは、-(C
1-C
3)アルキル基、または-(C
3-C
4)シクロアルキル基は、Y基において存在し、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換され、
および、式中、Bは、ユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合する追加の随意のリガンドであり、およびL基に対する-C-連結を通してAにリンクする、PROTAC化合物、
またはその薬学的に許容可能な、塩、鏡像体、立体異性体、水和物、溶媒和物、もしくは多形体を開発した。
有利には、ここに詳述するような式I、または式IAの新規な小分子E3結合性リガンドは、標的タンパク質結合性リガンドBに、IまたはIAでの多数の異なる位置にてリンカーLを介して、R1、R3、R4、R5、またはR8位置にてLに対する共有結合性C-リンク結合を介してリンクすることができる。そのように、更なる態様に従い、本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式I、または式IAのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、AはBと、AおよびLの間の、ここに規定されるようなR1、R3、R4、R5、またはR8から無関係に選ばれる式Iまたは式IAの化合物上の位置にて共有結合性結合を介してリンクするものを提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、Lは-(CH
2)
n(CH
2O)
p-基であり、式中、XはCまたはNであり、式中、nおよびpは同じ値をもち、および0ないし6の間であり、式中、R
1は、Lに対する共有結合性C-リンク結合を有する-(CH
2)
m基、またはC
1-C
4アルキル基であり、式中、mは1または2であり、式中、R
2aはOH、-CHF
2、またはFであり、式中、R
2bはHまたはFであり、式中、R
3およびR
4は、HまたはL結合に対する共有結合性C-リンク結合から無関係に選ばれ、式中、R
5は、-(C
1-C
3)アルキル基またはLに対する共有結合性C-リンク結合であり、式中、Yは
であり、
式中、ZはCR
6R
7R
8またはSR
6R
7R
8R
9R
10であり、式中、R
11は共有結合性C-リンク結合または
基であり、
式中、R
12は-C(O)-または-C(=)-R
13基であり、式中、ZがCR
6R
7R
8であるとき、R
6およびR
7はそれぞれ無関係に-(C
1-C
3)アルキル基であるか、または式中、R
6およびR
7はC-原子と一緒にそれにそれらが付着して-(C
3-C
4)シクロアルキル基を形成し、および式中、ZがCR
6R
7R
8であるとき、R
8は、-(C
1-C
3)アルキル基、-(CH
2)
qR
8*基、-C(O)-R
8*基、-N(H)-R
8*基であり、そこでは、qは、0、1または2であり、およびそこでは、R
8*は、Lに対する共有結合性C-リンク結合、またはHであり、およびそこでは、ZがSR
6R
7R
8R
9R
10であるとき、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10は各々次の:Fまたは-(C
1-C
3)アルキル基から無関係に選ばれ、式中、R
13はH、Fまたは-(C
1-C
3)アルキル基であり、そこでは、-(C
1-C
3)アルキル基、または-(C
3-C
4)シクロアルキル基は次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換され、
および、式中、Bは、ユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合する追加の随意のリガンドであり、およびL基に対する-C-連結を通してAにリンクする、化合物、
またはその薬学的に許容可能な、塩、鏡像体、立体異性体、水和物、溶媒和物、もしくは多形体を提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、およびLは上文に詳述するようなリンカーであり、および式中、Bが存在する化合物を提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、およびLは上記に詳述するような任意の態様に従うリンカーであり、式中、Yは
であり、R
6R
7、R
8およびR
13は上文に規定されるようなものであり、およびWはOまたはSでありうる化合物を提供する。
上文に規定するような構造A-L-BのPROTACsにおける使用のための式Iの化合物の好ましい基において、Yは、YA、YB、またはYC、好適には、式中、YはYAまたはYB、およびより一層好適には、式中、YはYAまたはYBであり、および式中:
YがYAであるとき、WはOであり、およびR6、R7およびR8はメチル基であり;および
YがYBであるとき、WはOであり、およびR6、R7およびR8はメチル基である。
このように、本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、R1ないしR5、X、LおよびBはここに規定される任意の態様に従い、および式中、Yは、YA、YB、またはYCであり、WはOまたはSであり、好適には、式中、Yは、YA、またはYBであり、およびWはOまたはSであり、より一層好適には、式中、YがYAであるとき、WはOであり、およびR6、R7およびR8はメチル基であり;およびYがYBであるとき、WはOであり、およびR6、R7およびR8はメチル基である化合物を提供する。
上文に規定するような構造A-L-BのPROTACsにおける使用のための式Iの化合物の好ましい基において、および式中、Lは式Iの化合物に直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、そこではbは、1ないし10、好適には、1ないし6、より一層好適には、1ないし4、および特に2、3または4である。
このようにして、本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、R1ないしR5、X、YおよびBはここに規定される任意の態様に従い、および式中、Lは式Iの化合物に直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、そこではbは、1ないし10、好適には、1ないし6、より一層好適には、1ないし4、および特に2、3または4である化合物を提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物、および好ましくは、式中、Aは下文に規定するような式IAのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、Lは式Iの化合物にR
1位置にて直接結合する-(CH
2CH
2O)
b-基であり、
式中、XはNであり、
式中、bは1ないし10、好ましくは、1ないし6、より一層好ましくは、1ないし4、および特に、2、3または4であり、
式中、R
1はLに対する共有結合性C-リンク結合であり、
式中、R
2aはOH、F、NH
2またはCHF
2、好ましくは、OH、FまたはCHF
2、より一層好ましくは、OHであり、
式中、R
2bはH、FまたはCl、好ましくは、HまたはF、より一層好ましくは、Fであり、
R
3およびR
4は、共にHであり、
式中、R
5は-CH
3基であり、
式中、Yは、
であり、
式中、WはOまたはSであってよく、式中、R
6R
7、R
8およびR
13は化合物の任意の基に従い上文に規定されるようなもの、化合物の好適な、またはより一層好適な基、およびとりわけ、式中、R
6、R
7、およびR
8は各々無関係に(C
1-C
3)アルキル基であり、または式中、R
6およびR
7はC-原子と一緒にそれにそれらが付着して(C
3-C
4)シクロアルキル基を形成し、式中、R
13はH、Fまたは(C
1-C
3)アルキル基であり、式中、WはOまたはSであってよく、好ましくは、式中、WはOであり、および好ましくは、式中、Yは
であり、
式中、R
6、R
7、およびR
8は各々無関係に(C
1-C
3)アルキル基であり、より一層好ましくは、式中、R
6、R
7、およびR
8はすべてメチル基であり、および式中、WはOであり、
および式中、Bは、ユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合する追加の随意のリガンドであり、およびL基に対する-C-連結を通してAにリンクする、化合物、
またはその薬学的に許容可能な、塩、鏡像体、立体異性体、水和物、溶媒和物、もしくは多形体を提供する。
ここでは、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物、および好ましくは、式中、Aは下文に規定するような式IAのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、Lは、式Iの化合物にR
1位置にて直接結合する-(CH
2CH
2O)
b-基であり、
式中、XはNであり、
式中、bは1ないし10、好ましくは、1ないし6、より一層好ましくは、1ないし4、および特に、2、3または4であり、
式中、R
1はLに対する共有結合性C-リンク結合であり、
式中、R
2aはOHであり、
式中、R
2bはHであり、
R
3およびR
4は、共にHであり、
式中、R
5は-CH
3基であり、
式中、Yは、
であり、
式中、WはOまたはSであってよく、および式中、R
6R
7、R
8およびR
13は化合物の任意の基に従い上文に規定されるようなもの、化合物の好適な、またはより一層好適な基、およびとりわけ、式中、R
6、R
7、およびR
8は各々無関係に(C
1-C
3)アルキル基であり、または式中、R
6およびR
7はC-原子と一緒にそれにそれらが付着して(C
3-C
4)シクロアルキル基を形成し、式中、R
13はH、Fまたは(C
1-C
3)アルキル基であり、式中、WはOまたはSであってよく、好ましくは、式中、WはOであり、および好ましくは、式中、Yは
であり、
および式中、R
6、R
7、およびR
8は各々無関係に(C
1-C
3)アルキル基であり、より一層好ましくは、式中、R
6、R
7、およびR
8はすべてメチル基であり、および式中、WはOであり、
式中、Bは、ユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合するリガンドであり、およびL基に対する-C-連結を通してAにリンクし、および好ましくは、式中、Bは、ブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内のBRD4タンパク質の分解を選択的に誘導する化学的部分であり、および特に、式中、Bは次の:JQ1;-I-BET 726;I-BET 762から無関係に選ばれる、化合物、またはその薬学的に許容可能な、塩、鏡像体、立体異性体、水和物、溶媒和物、もしくは多形体を追加的に提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、およびLは上記に詳述するような任意の態様に従うリンカーであり、式中、Aは一般式IAをもち、およびR
1ないしR
5、X、Y、LおよびB基は、上文に規定するようなものであり、式中、IAは:
である、化合物を提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、およびLは上記に詳述するような任意の態様に従うリンカーであり、式中、Aは一般式IAをもち、式中、R1ないしR5、X、LおよびBは、上文に規定するようなものであり、式中、Yは、ここで上記に規定するようなYA、YB、またはYCである、PROTAC化合物を提供する。
本発明は、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、Lは上文に詳述するような任意の態様に従うリンカーであり、式中、Bは、上文に規定するような任意の態様に従って規定されるようなものであり、および好ましくは、式中、Aは一般式IAであり、式中、R
1ないしR
5、X、Y、LおよびBは上文に規定されるようなものであり、好ましくは、式中、Yは、
であり、
式中、R
6、R
7、R
8およびR
13はここで上記に規定されるようなものであり、式中、WはOまたはSであってよく、
式中、Lは式Iの化合物にR
1;R
3;R
4;R
5;またはR
8から無関係に選ばれる位置にて直接結合する-(CH
2CH
2O)
b-基であり、式中、Xは、CまたはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは、1ないし6、より一層好ましくは、1ないし4、および特に、2、3または4である、PROTAC化合物を提供する。
構造A-L-Bをもち、式中、Aは式I、好適には、式IAのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、LおよびBは上記に詳述するような任意の態様に従い、特に、式中、LはPEG1ないしPEG4基であり、および式中、Bは次の:JQ1;-I-BET 726;I-BET 762から無関係に選ばれ、および式中、L-基は式IまたはIAの化合物にR1位置にて直接結合する、PROTAC化合物は、上文に規定されるようなものであり、および下文に規定されるようなものである。
加えて、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、LおよびBは上記に詳述するような任意の態様に従い、および式中、L-基は式IまたはIAの化合物にR1、R3、R4、R5またはR8*位置にて直接結合する、模範的なPROTAC化合物は、下文に規定されるようにグループIないしVIIにおいて提供される。
またここでは、構造A-L-Bをもち、式中、Aは式IのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であり、式中、Lは上記に詳述するような任意の態様、または好適な、もしくは詳細な態様に従うリンカーであり、および式中、Aは一般式IAをもち、式中、R1ないしR5、X、LおよびBは上文に規定されるようであり、および式中、YはYA、YB、またはYCであり、好適には、式中、YはYAまたはYBであり、およびより一層好適には、式中、YはYAまたはYBであり、および式中:YがYAであるとき、WはOであり、およびR6、R7およびR8はメチル基であり;およびYがYBであるとき、WはOであり、およびR6、R7およびR8はメチル基である、PROTAC化合物のグループが提供される。
ここに使用されるように、以下の用語は、特記しない限り、以下に規定されるような意味を有する:
「Ca-Cbアルキル」は、それ自体で、またはCa-Cbハロアルキル、などの複合的表現において、指定された炭素原子の数を有する直鎖または分枝アルキルラジカルを表し、例は、C1-C4アルキルは、1から4個までの炭素原子をもつアルキルラジカル(アルキル基とも言う)を意味する。本発明で使用するのに好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec.ブチル、およびtert.ブチルを含め、C1-C4アルキルである。
「C2-C4アルキン」は、2から4個までの炭素原子および一つの炭素-ツー-炭素三重結合を有する直鎖または分枝アルキル基、例は、エチン(C2H2)、プロピン(C3H4)、および1-ブチン(C4H6)を表す。
用語「Me」はメチルを意味し、および「MeO」はメトキシを意味する。
用語「Ce-Cf環式」は、「C3-C4」シクロアルキル」基を意味し、および示された炭素原子数を有する環状一価アルキル基を表し、例は、C3-C4シクロアルキルは、3または4個の炭素原子を有する環式一価アルキル基を意味する。
用語「アミノ」は、ラジカル-NH2を表す。
用語「ハロ」は、たとえば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードなどのようなハロゲンラジカルを表す。好ましいハロ基はフルオロである。
用語「Ph」は、フェニルを意味し、例えば、ここでのR11またはYB基において、「Ph」は、ラジカル-C6H5を表す。
用語「5または6員の複素環式環」は、1、2または3個の窒素ヘテロ原子を含む安定な飽和単環式5または6員環を表す。
「5または6員の複素環式芳香族」または「ヘテロアリール」という用語は、5または6個の環原子を有する1-3個の窒素ヘテロ原子を含む安定な単環式芳香族環を表す。
ここにL基として使用するための5または6員の複素環または複素環芳香族の典型的な配置には、次の:トリアゾール;ジアゾール;ピラゾール;ピロリジン;ピロリジン;ピロール;ピラゾリジン;ピラゾリン;ピラゾール;ピペリジン;ピリジン;ピペラジン;ピラジン;ピリミジン;ピリミダジン;トリアジン-4,5-ジヒドロイミダゾールが含まれる。ここにL基として使用するための5または6員の複素環または複素芳香環の好ましい立体配置は、1,2,3-トリアゾール、1,3-ジアゾール、およびピペラジンである。ここにL基として使用するための模範的な5または6員の複素環式または複素芳香族環は、次の:
から無関係に選ばれる。
用語「C-リンク(C
3-C
4)酸素含有複素環式基」は、1個の酸素または1個の窒素ヘテロ原子を含む安定な飽和単環式3または4員環を表す。ここでR
1基として使用するための3または4員複素環の典型的な配置には、次の:アジリジン;オキシラン;アゼチジン;およびオキセタンが含まれる。ここでR
1基として使用するための3または4員複素環の好ましい立体配置は、オキシランおよびアゼチジンである。ここでR
1基として使用するための模範的な3または4員複素環式環は、次の:
から無関係に選ばれる。
ここに使用されるように、用語「=O」は、すなわち、-C(O)-において、炭素原子に付着したときにカルボニル部分を形成する。その原子の価数が許す限り、原子はオキソ基のみを運ぶことができることに注目すべきである。
ここに使用されるように、用語「=C」は、すなわち、-C(=)-R13において、不飽和炭素-ツー-炭素二重結合を意味する。
ここに使用されるように、用語「薬学的に許容可能な塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織と、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、およびその他同種類のものなどを伴わず、接触させて使用するのに適し、および合理的な利益/危険比に見合った本発明のプロセスによって形成された化合物のその塩を意味する。薬学的に許容可能な塩は当分野においてよく知られる。たとえば、S.M. Berge(ベルゲ)ら、J. Pharmaceutical Sciences(ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシーズ)、66:1-19(1977)において薬学的に許容可能な塩が詳細に記載されている。塩は、本発明の化合物の最終的な分離および精製の間に、または遊離塩基官能基を適切な有機酸と別々に反応させることによって、インサイツで(その場でとも言う)調製することができる。ここでの使用に適する薬学的に許容可能な塩の例には、制限されないが、たとえば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などのような無機酸により、またはたとえば、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸のような有機酸により、またはたとえば、イオン交換などのような当技術で使用される他の方法を用いて形成されるアミノ基の塩が含まれる。
他の薬学的に許容可能な塩には、制限されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、およびその他同種類のものなどが含まれる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびその他同種類のものなどが含まれる。さらなる薬学的に許容可能な塩には、適切なときに、たとえば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、1から6個までの炭素原子を有するアルキル、スルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などのような対イオンを用いて形成される非毒性アンモニウム、第4級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。
本発明のPROTAC化合物は、インビボで本発明の化合物を放出する薬学的に許容可能なプロドラッグとして施与することができる。ここで使用される「プロドラッグ」は、代謝手段によって(例は、加水分解によって)インビボで変換可能であり、インスタント発明の式によって描写される任意の化合物を与える化合物を意味する。種々の形態のプロドラッグは、本技術で知られ、たとえば、「Design and Application of Prodrugs, Textbook of Drug Design and Development、Chapter 5(プロドラッグの設計および適用、薬物設計および開発のテキストブック、第5章)、113-191(1991);Bundgaard(バンドガード)ら、Journal of Drug Deliver Reviews(ジャーナル・オブ・ドラッグ・デリバー・レビューズ)、8:1-38(1992);およびBernard Testa(バーナード・テスタ)およびJoachim Mayer(ジョアキム・マイヤー)、「Hydrolysis In Drug and Prodrug Metabolism - Chemistry, Biochemistry and Enzymology(薬物における加水分解およびプロドラッグ代謝-化学、生化学および酵素学」John Wiley and Sons、Ltd.(ジョン・ウィリ・アンド・サンズ社)(2003)。
この発明によって想定される置換基および変数の組合せは、安定な化合物の形成をもたらすものだけである。ここに使用されるように、用語「安定な」は、製造を可能にするのに十分な安定性を所持し、およびここに詳述される目的に有用であるのに十分な期間化合物の完全性を維持する化合物を指す(例は、対象への治療上の、または予防上の施与)。
関連用語は、上記に提供される規定および技術分野における普通の使用に沿って解釈されるべきである。
本発明はまた、構造A-L-Bの同位体標識されたPROTAC化合物、ならびに式Iの化合物または式Iの任意のサブグループを含み、式中、1以上の原子はその原子の同位体、すなわち、自然界に典型的に見られる原子(群、複数もありうることを示す)と同じ原子番号であるが異なる原子の質量を有する原子によって置き換えられる。構造A-L-BのPROTAC化合物、式Iの化合物、または式Iの任意のサブグループに組み込むことができる同位体の例には、制限されないが、水素で、たとえば、2Hおよび3H(重水素についてDおよび三重水素についてTとも示される)などのようなもの、炭素で、たとえば、11C、13Cおよび14Cなどのようなもの、窒素で、たとえば、13Nおよび15Nなどのようなもの、酸素で、たとえば、15O、17Oおよび18Oなどのようなもの、リンで、たとえば、31Pおよび32Pなどのようなもの、イオウで、たとえば、35Sなどのようなもの、フッ素で、たとえば、18Fなどのようなもの、塩素で、たとえば、36Clなどのようなもの、臭素で、たとえば、75Br、76Br、77Brおよび82Brなどのようなもの、ヨウ素で、たとえば、123I、124I、125Iおよび131Iなどのようなものの同位体が含まれる。同位体標識化合物に含まれる同位体の選定は、その化合物の特定の用途に依存するであろう。たとえば、薬物または基質組織分布アッセイのために、たとえば、3Hまたは14Cなどのような放射性同位体が組み込まれる化合物が概して最も有用であろう。放射線イメージング用途、たとえば、陽電子放射断層撮影法(PET)のために、陽電子放出同位体で、たとえば、11C、18F、13Nまたは15Oなどのようなものが有用であろう。より一層重い同位体で、たとえば、重水素、すなわち、2Hなどのようなものの取り込みは、構造A-L-B、式Iの化合物、または式IのいずれかのサブグループのPROTAC化合物に、より一層大きな代謝安定性を提供することができ、それは、たとえば、インビボでの化合物の半減期の増加、または必要とされる投薬量の低減をもたらしうる。
構造A-L-B、式Iの化合物、または式Iの任意のサブグループの同位体標識されたPROTAC化合物は、以下のここでのスキームおよび/または例に記載のものと類似したプロセスによって、適切な同位体標識試薬または対応する非同位体標識試薬または出発材料の代わりの出発材料を用いることによって、または当業者に知られる慣習的な技術によって調製することができる。
ここでの好ましい態様において、ここに規定されるような構造A-L-B-のPROTAC化合物で使用するための式Iの化合物は、規定された立体異性体として表される。そのような化合物の絶対配置は、たとえば、X線回折またはNMRおよび/または既知の立体化学の出発物質からの含意などのような当技術で知られるの方法を用いて決定することができる。
本発明に従う薬剤組成物は、好ましくは、指示された立体異性体の実質的に立体異性的に純粋な調製物を含む。
ここに言及する化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、前記化合物または中間体の同じ基本分子構造の他のエナンチオマーまたはジアステレオマー形態を実質的に含まない異性体として規定される。特に、「立体異性体的に純粋な」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰(すなわち、1つの異性体の最小90%および他の可能な異性体の最大10%)、最大で100%の立体異性体過剰量まで(すなわち、1つの異性体の100%および他のものはない)を有する化合物または中間体に、より一層詳細には、90%から最大100%の立体異性体過剰量を有する化合物または中間体に、さらにより一層詳細には、94%から最大100%の立体異性体過剰量を有し、および最も詳細には、97%から最大100%の立体異性体過剰量を有するものに関する。「エナンチオマー的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は、同様なやり方に理解されるべきであるが、次いで問題の混合物のエナンチオマー過剰量およびジアステレオマー過剰量についてそれぞれ考慮しなければならない。
ここに詳述されるような化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、当技術で知られる手順の適用によって得ることができる。例として、エナンチオマーは、光学活性な酸または塩基とのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化によって互いに分離されてもよい。その例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸である。あるいはまた、エナンチオマーは、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー技術によって分離することができる。前記純粋な立体化学的異性体形態はまた、反応が立体特異的に起こるならば、対応する純粋な立体化学的異性体形態の適切な出発物質から誘導することもできる。好ましくは、特定の立体異性体が望ましい場合、前記化合物は、立体特異的な調製方法によって合成される。これらの方法は、有利には鏡像異性的に純粋な出発物質を使用する。
ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物で使用するための式Iの化合物のジアステレオマーラセミ化合物は、慣習的な方法によって別々に得ることができる。好都合に採用され得る適切な物理的分離方法は、たとえば、選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例は、カラムクロマトグラフィーである。
本発明は、構造A-L-Bを有し、式中、Aが式IまたはIAのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合性リガンド化合物であるPROTAC化合物を提供し、およびLは上に詳述した態様のいずれかによるリンカーであり、式中、Bはブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内のBRD4タンパク質の分解を選択的に誘導する化学的部分であり、および随意にBは、次の:JQ1;-I-BET 726;I-BET 762から無関係に選ばれる。
本発明は、構造A-L-BのPROTAC化合物で、式中、Bは、ブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内のタンパク質に結合する化学的部分であるもの、好ましくは構造A-L-BのPROTAC化合物で、式中、Bは、ブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内で、BRD2、BRD3およびBRD4から無関係に選ばれるタンパク質に結合する化学的部分であるもの、および特に、構造A-L-BのPROTAC化合物で、式中、Bは、ブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内のBRD4タンパク質の分解を選択的に誘導する化学的部分であるものを提供する。
さらなる態様において、本発明は、薬として使用するための、ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物を提供する。
ここに使用されるように「対象」という用語は、哺乳動物に言及する。したがって対象は、たとえば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、およびその他同種類のものなどに言及する。好ましくは、対象はヒトである。対象がヒトであるとき、対象はここではペイシェント(患者)と呼んでよい。
「処置する」、「処置する」および「処置」は、疾患および/またはそれに付随する症状を緩和または軽減する方法に言及する。
用語「治療上有効な量」は、疾患、状態の病気または疾病を処置、治癒または改善するのに有効な量を意味する。
本発明のさらなる態様は、ブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリー内のBRD2、BRD3およびBRD4の1以上のタンパク質のタンパク質活性の調節解除に関連する疾患または状態の予防または処置のための方法を提供し、そこでは、前記疾患または状態に悩まされる(罹患するとも言う)か、またはさらされる可能性がある対象に対し、構造A-L-BのPROTAC化合物の施与が含まれる。本発明の関連する態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または状態の処置または予防における構造A-L-BのPROTAC化合物の使用を提供する。さらなる関連態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または状態の処置または予防のためにここに規定される構造A-L-BのPROTAC化合物の使用を提供する。
本発明のさらなる態様は、ブロモおよびエクストラターミナル(BET)ファミリーのタンパク質BRD2、BRD3およびBRD4内の1以上のタンパク質のタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または状態の予防または処置のための方法を提供し、それには、治療上有効な量の構造A-L-BのPROTAC化合物を前記疾患または状態に悩まされるか、またはさらされる可能性がある対象に施与することが含まれる。本発明の関連する態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または状態の処置または予防において構造A-L-B(structure A-L-Bin the treatment or prophylaxis)のPROTAC化合物の治療上有効な量の使用を提供する。さらなる関連態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または状態の処置または予防のために、ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物の治療上有効な量の使用を提供する。
本発明のさらなる態様は、BETファミリーのタンパク質のブロモドメイン内のBRD4タンパク質の選択的分解に関係する疾患または状態の予防または処置のための方法を提供し、それには、ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物を前記疾患または条件にさらされる可能性がある対象に施与することが含まれる。本発明の関連する態様は、BETファミリーのタンパク質のブロモドメイン内のBRD4タンパク質の選択的分解に関係する疾患または状態の処置または予防のために構造A-L-BのPROTAC化合物の使用を提供する。さらなる関連態様は、BETファミリーのタンパク質のブロモドメイン内のBRD4タンパク質の選択的分解に関係する疾患または条件の処置または予防のために構造A-L-BのPROTAC化合物の使用を提供する。
ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物の施与を介して処置することができるブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質BRD2、BRD3およびBRD4内の1以上のタンパク質のタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または状態には、次の:ガン;良性の増殖性疾患;感染性または非感染性炎症事象;自己免疫疾患;炎症性疾患;全身性炎症反応症候群;ウイルス性感染および疾患;および病的(opthamological、眼科学的か)条件が含まれる。
本発明はまた、PROTAC化合物構造A-L-Bを提供し、式中、Bは、ブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内のタンパク質に結合する化学的部分であり、および式中、Aは式Iまたは式IAの化合物であり、特に、ここに詳述される任意の態様、または好ましい態様に従い、薬において使用するために、特に、次の:BRD2、BRD3およびBRD4から無関係に選ばれるタンパク質のブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリー内のタンパク質への結合に関与するところの条件または疾患において使用するために、および特に、次の:ガン;良性増殖性疾患;感染性または非感染性炎症事象;自己免疫疾患;炎症性疾患;全身性炎症反応症候群;ウイルス性感染および疾患;および病的条件から無関係に選ばれる1以上の条件または疾患の処置において使用するためのものである。
ここではまた、ここでの任意の態様に従い、式A-L-BのPROTAC化合物が、有効量の式A-L-BのPROTAC化合物の、ここでの任意の態様に従っての、哺乳動物、特に、かかる処置を必要とするヒトに対する施与によって、ガンの処置において使用するために、およびガンの処置の方法のためにも提供される。
ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物の施与を介して処置されうるガンのタイプには、次の:上皮細胞障害に関連するガン腫タイプのガン、たとえば、乳ガン(胸部ガンとも言う)、前立腺ガン、肺ガン膵ガンおよび結腸のガンのようなもの;間葉系細胞障害に関連する肉腫タイプのガン;リンパ腫;白血病、たとえば、急性骨髄性白血病などのようなもの;たとえば、精巣ガンおよび卵巣ガンなどのような、多能性細胞に関連するガンおよび/またはガン腫が含まれる。
本発明の化合物がその処置において使用することができるガンの例には、次の:副腎癌、腺房細胞癌、聴神経腫、末端性黒子性黒色腫(acral lentigious melanoma、acral lentiginous melanoma)、先端汗腺腫(acrospiroma)、急性好酸球性白血病、急性赤白血病(急性赤芽球性白血病)、急性リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺ガン、円柱腫(腺様嚢胞ガン)、腺腫、腺様歯原性腫瘍(腺エナメル上皮腫)、腺扁平上皮ガン、脂肪組織腫瘍、副腎皮質ガン、成人T細胞白血病/リンパ腫、侵襲性NK細胞白血病(急速進行性NK細胞白血病)、AIDS関連リンパ腫、胞状横紋筋肉腫、胞状軟部肉腫、エナメル芽細胞線維種(ameloblastic fibroma)、未分化大細胞リンパ腫、組織非形成性甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星状細胞腫、非定型奇形性胸部腫瘍(非定型奇形性横紋筋肉腫様腫瘍)、B細胞性慢性リンパ性白血病(B細胞慢性リンパ球性白血病)、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞性リンパ腫、基底細胞ガン、胆道ガン、膀胱ガン、胚芽腫(芽細胞腫)、骨ガン、Brenner(ブレンナー)腫瘍、褐色腫(Brown tumor、嚢胞性線維性骨炎)、バーキットリンパ腫(Burkitt's lymphoma)、乳ガン、脳ガン、ガン腫、上皮内ガン(carcinoma in situ)、ガン肉腫、軟骨腫瘍、セメント質腫、骨髄肉腫、軟骨腫(chondroma、内軟骨腫)、脊索腫、絨毛ガン(合胞体腫)、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫(clear-cell sarcoma)、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮頸ガン、結腸直腸ガン、デゴス病(Degos disease)、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍(dysembryoplastic neuroepithelial tumor)、未分化胚細胞腫、胎児性ガン、内分泌腺腫瘍、卵黄嚢腫瘍(内胚葉洞腫瘍)、腸症型T細胞リンパ腫(腸関連T細胞リンパ腫)、食道粘膜ガン、胎児封入奇形(fetus in fetu、胎児内胎児)、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺ガン、神経節神経腫(神経節細胞腫)、胃腸ガン、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛ガン、巨細胞性繊維芽細胞腫、骨の巨細胞腫、神経膠腫(グリア腫瘍)、膠芽腫(多形膠芽腫)、神経膠腫(グリオーマ)、大脳神経膠腫症、グルカゴン産生腫瘍、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、ギナンドロブラストーマ、胆嚢ガン、胃ガン、ヘアリー細胞白血病、血管芽腫、頭頸部ガン、血管周皮腫(血管周囲細胞腫)、血液学的悪性腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma)、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉ガン、腸ガン、腎臓ガン、喉頭ガン、悪性黒子、致死性壊疽性ガン(lethal midline carcinoma)、白血病、ライディッヒ細胞腫(leydig cell tumor)、脂肪肉腫、肺ガン、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫(lymphoepithelioma)、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(acute myelogeous leukemia)、慢性リンパ性白血病、肝ガン、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、マルト(MALT)リンパ腫(粘膜関連リンパ組織リンパ腫)、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞性リンパ腫(周辺ゾーンB細胞リンパ腫)、肥満細胞性白血病、縦隔胚細胞腫瘍、胸部髄様ガン、髄様甲状腺ガン、髄芽腫(髄芽細胞腫)、メラノーマ、髄膜腫、メルケル細胞ガン、中皮腫、転移性尿路上皮ガン、混合ミュラー環腫瘍(mixed Mullerian tumor)、粘液性腺腫瘍、多発性骨髄腫、筋組織腫瘍、茸状肉芽腫(菌状息肉症)、類粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽腔ガン、神経鞘腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫(ニューローマ)、結節性黒色腫、眼球ガン、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫(乏突起細胞膠腫)、好酸性顆粒細胞腫(オンコサイトーマ)、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔ガン、骨肉腫、卵巣癌、上肺溝腫瘍(パンコースト腫瘍)、乳頭様甲状腺ガン、傍神経節腫(パラガングリオーマ)、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、形質細胞腫、多胚腫(polyembryoma)、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、原発性腹膜ガン(preimary peritoneal cancer)、前立腺ガン、膵臓ガン、咽頭ガン、腹膜偽粘液腫、腎腺ガン(腎細胞ガン)、腎髄質ガン、網膜神経膠腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒター変形(Richter's transformation)、直腸ガン、肉腫、神経鞘腫症(Schwannomatosis)、精上皮腫(セミノーマ)、セルトリ細胞腫、性索間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚ガン、スモールブルー円形細胞腫瘍(small blue round cell tumors)、小細胞ガン、軟部組織肉腫、ソマトスタチン産生腫瘍、煤煙性疣贅、脊椎腫瘍、脾臓辺縁帯リンパ腫、類上皮ガン(扁平上皮ガン)、滑膜肉腫、セザリー病、小腸ガン、扁平上皮ガン、胃ガン、T細胞リンパ腫、精巣ガン、莢膜細胞腫、甲状腺ガン、移行上皮ガン、咽頭ガン、尿膜管ガン(膀胱ガン)、泌尿生殖器ガン、尿路上皮ガン、ぶどう膜黒色腫、子宮ガン、いぼ状ガン、視路(視覚伝導路)神経膠腫、外陰ガン、膣ガン、ワルデンシュトレーム・マクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、腎腫(腎芽腫、ウィルムス腫瘍)、血液ガン(たとえば、白血病などのようなもの)、上皮ガンで、肺ガン、乳ガンおよび結腸ガンを含むもの、正中ガン(midline carcinomas)、間葉性、肝性、腎性および神経学的腫瘍が含まれる。
このように、本発明の化合物が、処置において用いることができる良性増殖性障害の例には、制限されないが、良性軟部組織腫瘍、骨腫瘍、脳および脊髄腫瘍、眼瞼および眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌新生物、鼻茸、下垂体腫瘍、プロラクチノーマ(プロラクチン産生腺腫)、偽性脳腫瘍、脂漏性疣贅(脂漏性角化症)、甲状腺結節、膵臓の嚢胞性新生物(cystic neoplasms of the pancreas)、血管腫、声帯小結節、ポリープおよび嚢胞、キャッスルマン病、慢性パイロニダ病(chronic pilonidal disease、慢性毛巣病)、皮膚線維腫、ピラール嚢胞(毛の嚢胞)、化膿性肉芽腫、および若年性ポリポーシス症候群が含まれる。
ここではまた、任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物を、感染性および非感染性炎症事象および自己免疫性および他の炎症性疾患、障害および症候群の処置において使用するために、ならびに、感染性および非感染性炎症事象および自己免疫性および他の炎症性疾患の障害および症候群の処置の方法を、ここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物の有効量を、哺乳動物、特にそのような処置を必要とするヒトへの施与によって提供する。本発明の化合物を、処置において用いることができる感染性および非感染性炎症事象および自己免疫性および他の炎症性疾患、障害および症候群の例には、制限されないが、次の:炎症性骨盤疾患(PID)、痛風、胸膜炎、湿疹、脾炎(脾臓炎)、喉頭炎、甲状腺炎(甲状腺腫炎)、前立腺炎、咽頭炎、サルコイド(類肉腫)、脂漏(脂漏性皮膚炎)、膜性腸炎(粘液性腸炎、過敏性大腸、過敏性腸症候群、過敏性大腸症候群とも言う)(IBS)、憩室炎、尿道炎、皮膚日焼け、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆のう炎(cholocystitus)、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー反応、クローン病(Crohn's disease)、過敏性腸症候群(膜性腸炎とも言う)、潰瘍性大腸炎、シェーグレン病(Sjogren's disease)、組織移植片拒絶反応(tissue graft rejection)、移植臓器の超急性拒絶反応、喘息(気管支喘息とも言う)、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、自己免疫性多腺性疾患(autoimmune polyglandular disease、多腺性自己免疫症候群としても知られる)、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、ハイマン腎炎(糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発硬化症、ソメ・ミオパチー(some myopathies)、強皮症、血管炎、自己免疫性溶血性および血小板減少性状態(autoimmune hemolytic and thrombocytopenic states)、グッドパスチャー症候群(Goodpasture's syndrome、肺腎症候群とも言う)、アテローム性動脈硬化(粥状硬化とも言う)、アジソン病(Addison's disease)、パーキンソン病(Parkinson's disease、振戦麻痺とも言う)、アルツハイマー病(Alzheimer's disease)、I型糖尿病、敗血症性ショック(septic shock)、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus、播種性紅斑性狼瘡とも言う)、(SLE)、関節リウマチ(リウマチ性関節炎とも言う)、乾癬性関節炎(関節症性乾癬とも言う)、若年性関節炎、変形性関節症(osteoarthritis、骨関節症とも言う)、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ワルデンシュトレーム・マクログロブリン血症(Waldenstrom macroglobulinemia)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変性関節疾患(degenerative joint disease、骨関節症とも言う)、白斑、自己免疫性下垂体不全(autoimmune hypopituatarism)、ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome)、ベーチェット病(Behcet's disease、3症状症候群とも言う)、スクレラシエルマ(scleracierma)、茸状肉芽腫(mycosis fungoides、菌状息肉症とも言う)、急性炎症反応(たとえば、急性呼吸窮迫症候群および虚血/再灌流傷害などのようなもの)、グレーブス病(Graves' disease、バセドウ病とも言う)が含まれる。
他の実施態様では、本発明は、全身性炎症反応症候群の処置において使用するために、ここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物を、および有効量のここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物の、哺乳動物、特に、そのような処置を必要とするヒトへの施与による全身性炎症反応症候群の処置方法を提供する。本発明の化合物が処置において使用され得る全身性炎症応答症候群の例には、次の:LPS誘発内毒素ショックおよび/または細菌誘発敗血症が含まれる。
ここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物の施与を介して処置され得る自己免疫疾患および自己免疫関連疾患には、次の:急性散在性脳脊髄炎(ADEM);急性壊死性出血性白質脳炎;アジソン病;無ガンマグロブリン血症;円形脱毛症;アミロイドーシス(類澱粉症とも言う);強直性脊椎炎;抗GBM(抗糸球体基底膜とも言う)/抗TBM腎炎;抗リン脂質抗体症候群(抗リン脂質症候群とも言う)(APS);自己免疫性血管浮腫(巨大蕁麻疹とも言う);自己免疫性再生不良性貧血;自己免疫性自律神経障害;自己免疫性肝炎;自己免疫性高脂血症;自己免疫性免疫不全;自己免疫内耳疾患(AIED);自己免疫性心筋炎;自己免疫卵巣炎;自己免疫性膵炎;自己免疫性網膜疾患;自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP);自己免疫性甲状腺疾患;自己免疫蕁麻疹;軸索およびニューロン神経障害(axonal & neuronal neuropathies);バロー病(Balo disease);ベーチェット病;水疱性類天疱瘡;心筋症;キャッスルマン病;セリアック病(celiac disease、グルテン腸症とも言う);シャーガス病(Chagas disease);慢性疲労症候群;慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP);慢性再発性多巣性骨髄炎(chronic recurrent multifocal ostomyelitis、耳状炎)(CRMO);チャーグ・ストラウス症候群(Churg-Strauss syndrome、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症とも言う);食細胞性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡(cicatricial pemphigoid/benign mucosal pemphigoid);クローン病;コーガン症候群;寒冷アグルチニン病(cold agglutinin disease、寒冷凝集素症とも言う);先天性心臓ブロック(congenital heart block);コクサッキー心筋炎;CREST病;本態性(必須とも言う)混合性クリオグロブリン血症;脱髄性ニューロパシー;疱疹状皮膚炎;皮膚筋炎;デビック病(視神経脊髄炎とも言う)(neuromyelitis optica、神経鞘炎とも言う);円板状狼瘡(discoid lupus);ドレスラー症候群(心筋梗塞後症候群、ドレッサー症候群とも言う);子宮内膜症;好酸球性食道炎;好酸球性筋膜炎;結節性紅斑;実験的アレルギー性脳脊髄炎;エヴァンス症候群;線維筋痛症(筋肉リウマチとも言う);線維化胞隔炎(線維化性肺胞炎とも言う);巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎);巨細胞性心筋炎;糸球体腎炎;グッドパスチャー症候群(肺腎症候群、腎炎合併肺性紫斑病とも言う);好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグ・ストラウス症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症とも言う)(GPA)(以前はウエゲナー肉芽腫症、多発血管炎性肉芽腫症などと呼ばれていた);グレーヴス病;ギラン・バレー症候群;ハシモト脳炎;ハシモト甲状腺炎;溶血性貧血;ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(IgA血管炎とも言う);妊娠性疱疹(ヘルペス妊娠とも言う);低ガンマグロブリン血症;特発性血小板減少性紫斑病(ITP);IgA腎症(IgA腎炎とも言う);IgG4関連硬化性疾患(IgG4-related sclerosing disease);免疫調節性リポタンパク質;封入体筋炎;間質性膀胱炎;若年性関節炎;若年性糖尿病(1型糖尿病);若年性筋炎;カワサキ症候群;ランバート・イートン症候群(ランバート・イートン筋無力症症候群とも言う);白血球破砕性血管炎;扁平苔癬;硬化性苔癬(lichen sclerosus、強皮症とも言う);木質結膜炎;線状IgA疾患(LAD);ループス(SLE);ライム病;メニエール病;顕微鏡的多発性血管炎;混合性結合組織病(MCTD);モーレン角膜潰瘍(蚕食性角膜潰瘍とも言う);ムッハ-ハベルマン病(Mucha-Habermann disease);多発性硬化症;重症筋無力症;筋炎;ナルコレプシー(睡眠発作とも言う);神経脊髄炎(デビック病とも言う);好中球減少;眼性瘢痕性類天疱瘡(ocular cicatricial pemphigoid);視神経炎;回帰性リウマチ(パリンドローム性リウマチとも言う);PANDAS(パンダス)(Streptococcus(連鎖球菌)に関連する小児自己免疫神経精神障害);腫瘍随伴性小脳変性症(傍腫瘍性小脳変性症とも言う);発作性夜間血色素尿症(PNH);パリー・ロンベルグ症候群;パーソネージ-ターナー症候群(Parsonnage-Turner syndrome、パーソンネージ-ターナー症候群とも言う);周辺部ぶどう膜炎(pars planitis、扁平扁平炎とも言う)(peripheral uveitis、末梢ブドウ膜炎);天疱瘡;末梢性ニューロパチー;静脈周囲脳脊髄炎(perivenous encephalomyelitis);悪性貧血;POEMS症候群(クロウ・深瀬症候群とも言う);結節性多発動脈炎(結節性動脈周囲炎とも言う);I型、II型、およびIII型の自己免疫性多腺性症候群(autoimmune polyglandular syndrome);リウマチ性多発筋痛(リウマチ性多発性筋炎とも言う);多発性筋炎;心筋梗塞後症候群(postmyocardial infarction syndrome);心臓切開後症候群(postpericardiotomy syndrome、心膜後切除症候群とも言う);プロゲステロン性皮膚炎;原発性胆汁性肝硬変;原発性硬化性胆管炎;乾癬;乾癬性関節炎;特発性肺線維症;壊疽性膿皮症(膿皮腺腫とも言う);赤芽球癆(純粋な赤血球形成不全とも言う);レイノー現象;反応性関節炎;反射性交感神経性ジストロフィー(肩手症候群とも言う);ライター症候群;再発性多発軟骨症;むずむず脚(エクボム症候群、むずむず脚症候群、不穏下肢症候群とも言う);オーモンド病(後腹膜線維症等とも言う);リウマチ熱;関節リウマチ(リウマチ性関節炎とも言う);類肉腫(サルコイドーシスとも言う);シュミット症候群;強膜炎(壊死性強膜炎とも言う);強皮症;シェーグレン症候群;精子および精巣の自己免疫;全身強直症候群(スティフパーソン症候群とも言う);遅延性心内膜炎(亜急性細菌性心内膜炎とも言う)(SBE);スザック症候群(スサック症候群とも言う);交感性眼炎(交感神経性眼炎とも言う);タカヤス病(脈なし病、高安動脈炎等とも言う);側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎;血小板減少性紫斑病(TTP);トロサ-ハント症候群;横断性脊髄炎;1型糖尿病;潰瘍性大腸炎;未分化結合組織疾患(UCTD);ブドウ膜炎;血管炎;小胞水疱性皮膚病(膀胱膿疱性皮膚症とも言う);白斑;ヴェゲナー肉芽腫症(現在、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)と呼ばれる)が含まれる。
当業者には容易に理解されるように、炎症性および自己免疫障害または条件としてここに規定されるものの中の条件および疾患の間にはある程度の重複があり、これらはそのような条件の複雑な性質および各々の個体の対象の提示を考慮して予想される。
ここでは、ここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物を、ウイルス感染および疾患の処置に使用するために、およびここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物の有効量を、哺乳動物、特にそのような処置を必要とするヒトに施与することによってウイルス感染および疾患の処置の方法がさらに提供される。本発明の化合物を処置において用いることができるウイルス感染および疾患の例には、次の:制限されないが、ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、B型肝炎ウイルス(hepatis B virus)、およびC型肝炎ウイルスを含め、エピソームベースのDNAウイルスが含まれる。
ここにはまた、ここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物を、ウイルス感染の処置において用いるために、およびここでの任意の態様に従う有効量の式A-L-BのPROTAC化合物を、哺乳動物、特にそのような処置を必要とするヒトに施与することによって、ウイルス感染の処置方法を提供する。本発明の化合物を処置において用いることができるウイルス感染の例には、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルスおよび他のDNAウイルスが含まれる。
ここではまた、病的適応症(ophthamological indications、眼科的適応症か)の処置において用いるために、ここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物を、およびここでの任意の態様に従う有効量の式A-L-BのPROTAC化合物の、哺乳動物、特にそのような処置を必要とするヒトへの施与によって病的適応症の処置方法を提供する。本発明の化合物を処置において用い得る病的適応症の例には、ドライアイが含まれる。
本発明のさらなる態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または条件の予防または処置方法を提供し、それには、ここに規定される構造A-L-BのPROTAC化合物の、前記疾患または条件に悩まされるか、またはさらされる可能性がある対象への施与が含まれ、そこでは、前記疾患または条件は、次の:ガン;良性の増殖性疾患;感染性または非感染性炎症事象;自己免疫疾患;炎症性疾患;全身性炎症反応症候群;ウイルス性感染および疾患;および病的条件から無関係に選ばれる。本発明の関連する態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または条件の処置または予防においてここに規定されるような構造A-L-BのPROTAC化合物の使用を提供し、そこでは、前記疾患または条件は、次の:ガン;良性の増殖性疾患;感染性または非感染性炎症事象;自己免疫疾患;炎症性疾患;全身性炎症反応症候群;ウイルス性感染および疾患;および病的条件から無関係に選ばれる。さらなる関連態様は、BETタンパク質活性の調節解除に関係する疾患または条件の処置または予防のために、ここに規定される構造A-L-BのPROTAC化合物の使用を提供し、そこでは、前記疾患または条件は、次の:ガン;良性の増殖性疾患;感染性または非感染性炎症事象;自己免疫疾患;炎症性疾患;全身性炎症反応症候群;ウイルス性感染および疾患;および病的条件から無関係に選ばれる。
ここでは、ブロモドメインインヒビターが示される疾患または条件の処置において使用するために、ここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物を、およびここでの任意の態様に従う式A-L-BのPROTAC化合物の有効量の、哺乳動物、特にそのような処置を必要とするヒトへの施与によるブロモドメインインヒビターが示される疾患または条件の処置の方法を提供する。本発明の化合物を処置において使用され得るブロモドメインインヒビターが示される疾患または条件の例には、たとえば、敗血症、火傷、膵炎、重大な外傷、出血および虚血などのような全身性炎症反応症候群に関連する疾患が含まれる。
そのような使用または方法において、構造A-L-BのPROTAC化合物は、好ましくは、そのような治療を必要とする対象に、次の:SIRS、ショックの発症、多臓器機能不全症候群の適応症を減少させるために、診断の時点で施与され、それには、急性肺損傷、ARDS、急性の腎臓、肝臓、心臓および胃腸の傷害および死亡の発症が含まれる。
あるいはまた、敗血症、出血、広範な組織損傷、SIRSまたはMODSの高いリスクが認識される他の状況において、構造A-L-BのPROTAC化合物は、好ましくは、そのようなリスクからの保護が必要な対象に、たとえば、敗血症、出血、広範な組織損傷、SIRSまたはMODSの高いリスクに関係する外科手術または他の処置に先立ち施与される。
特定の実施形態によれば、敗血症、敗血症症候群、敗血症ショックおよび/または内毒素血症の処置に使用するために構造A-L-BのPROTAC化合物の使用がここに提供される。
別の実施形態によれば、ここには、急性または慢性の膵炎、または火傷の処置の処理における使用のために構造A-L-BのPROTAC化合物の使用が提供される。
ブロモドメインインヒビターが示され、構造A-L-BのPROTAC化合物が処置に使用され得る疾患または条件のさらなる例には、単純ヘルペス感染および再活性化、口唇ヘルペス、帯状ヘルペス感染および再活性化、水痘、帯状疱疹、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルスとも言う)、子宮頚部新生物、アデノウイルス感染で、たとえば、急性呼吸器疾患などのようなものを含むもの、ならびにポックスウイルス感染で、牛痘、痘瘡およびアフリカブタコレラウイルス(イボイノシシ病ウイルスとも言う)などのようなものが含まれる。
さらなる実施形態によれば、皮膚または頸部上皮のヒトパピローマウイルス感染の処置の処理における使用のために構造A-L-BのPROTAC化合物の使用が、ここに提供される。
さらなる態様では、ここには、上文に示される任意の疾患または条件の処置に使用するために、式A-L-BのPROTAC化合物が提供され、そこでは、前記処置は、処置される疾患または条件において、タンパク質メチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化および/またはインビボでのアポトーシスの1以上を調節する。
さらなる態様によれば、式A-L-BのPROTAC化合物は、次の:ガン;炎症性疾患;および/またはウイルス性疾患から無関係に選ばれる疾患または条件の処置においてタンパク質メチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化および/またはインビボでのアポトーシスの1以上の調節における使用のために提供される。
別の態様によれば、ガン、炎症性疾患および/またはウイルス性疾患の処置において、タンパク質メチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化および/またはインビボでのアポトーシスの1以上を調節する治療上の方法が提供され、そこでは、前記方法は、治療上有効な量の1以上の構造A-L-BのPROTAC化合物が、そのような治療を必要とする対象に施与することによって提供される。
下文に例示するように、本発明のPROTAC化合物は、BETタンパク質の細胞内破壊を誘発する。
ここにおいても示されるように、たとえば、化合物MZ1などのようなものの、構造A-L-BのPROTAC化合物は、可逆的で、長期的で、予想外に選択的なBRD4の除去をBRD2およびBRD3よりも強力におよび迅速に誘導する。さらに、JQ1に応答する選定されたガン関連遺伝子の遺伝子発現プロファイルは、式Iの化合物、MZ1によって誘発された明確で、およびより一層制限された転写応答を示した。このことは、BRD4の選択的抑制と一致する。
したがって、本発明は、タンパク質のブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリー内のタンパク質に結合する式1のPROTAC化合物を提供する。本発明はさらに、構造A-L-BのPROTAC化合物を提供し、ここでLは上文にきていされるようなものであり、ここでAは上文に規定されるような式Iまたは式IAの化合物であり、およびここでBはブロモ-およびエクストラ-ターミナル(BET)ファミリーのタンパク質内のタンパク質に結合する化学的部分であり、およびここで前記タンパク質は、次の:BRD2、BRD3およびBRD4から無関係に選ばれる。本発明は、特に、構造A-L-BのPROTAC化合物を提供し、ここで、Lは上文に規定されるようなものであり、ここで、Aは、上文に規定されるような式Iまたは式IAの化合物であり、およびここで、Bは、ブロモ-およびエクストラ-てーみなる(BET)ファミリーのタンパク質内のBRD4タンパク質の分解を選択的に誘導する化学的部分である。
細胞内BETタンパク質分解を達成するために先に示したように、本出願人は、小分子PROTAC(タンパク質分解TArgeting(ターゲティング)キメラ)アプローチを利用した。PROTAC化合物は、リンカーユニットによって連結された2つのリガンドを含むヘテロ二官能性化合物である。PROTAC化合物またはPROTACsにおいて、本発明によれば、1つのリガンド(A)、ここに規定される式I、またはIAの化合物はE3ユビキチンリガーゼタンパク質に結合し、および他のリガンド(B)は興味がある標的タンパク質に結合し、それによってリガーゼおよび標的を近接近させられる。
特定の理論に拘束されることを望まないが、ここに提案されるのは、次に、興味がある標的タンパク質のポリユビキチン化およびその後のプロテアソーム依存性分解を引き金にするこの近接である。PROTACの包括的なレベルでのアプローチについての補強証拠を、既知の概念実証によって提供し、そこでは、代わりのPROTACsが分解のために用いられた:エストロゲン-受容体、Cyrus(サイラス)K.、Wehenkel(ウェーンケル)M.、Choi(チョウイ)E. Y.、Swanson(スワンソン)H.、およびKim(キム)K. B.、「Two-headed PROTAC: An effective new tool for targeted protein degradation(両頭PROTAC:標的タンパク質分解のための有効な新しいツール)」。ChemBioChem(ケムバイオケム:ア・ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ケミカル・バイオロジー)、11、1531-1534(2010);アンドロゲン受容体、Sakamoto(サカモト)K.M.ら、「Development of Protacs to target cancer-promoting proteins for ubiquitination and degradation(ユビキチン化および分解のためのがん促進タンパク質を標的とするProtacsの開発」。Mol. Cell. Proteomics(モレキュラー・アンド・セルラー・プロテオミクス)2、1350-8(2003);メチオニンアミノペプチダーゼ-2、Sakamoto、K.M.ら、「Protacs: chimeric molecules that target proteins to the Skp1-Cullin-F box complex for ubiquitination and degradation(Protacs:ユビキチン化および分解のためにSkp1-カリン-Fボックス複合体にタンパク質を標的化するキメラ分子」、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)、98、8554-9(2001);ならびにアリール炭化水素受容体、Lee(リー)H.、Puppala(パプラ)D.、Choi, E. Y.、Swanson, H. & Kim, K. B.「Targeted degradation of the aryl hydrocarbon receptor by the PROTAC approach: A useful chemical genetic tool(PROTACアプローチによるアリール炭化水素受容体の標的化分解:有用な化学遺伝的ツール)」ChemBioChem 8、2058-2062、(2007)。
今日まで、すべての第1世代PROTACsにはE3リガーゼリガンドとしてペプチド部分を含む。たとえば、転写因子低酸素誘導因子1アルファサブユニット(HIF-1α)由来のヒドロキシプロリン含有ヘプタペプチド配列ALA-Hyp-YIPが広く使用されており、およびSchneekloth(シュネークロス)J. S.ら、「Chemical Genetic Control of Protein Levels: Selective in Vivo Targeted Degradation(タンパク質レベルの化学的遺伝子制御:選択的インビボ標的分解)」。J. Am. Chem. Soc.(ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ)によって記載され、これは、Hon(ホン)W.-C.らによって「Structural basis for the recognition of hydroxyproline in HIF-1 alpha by pVHL(pVHLによるHIF-1アルファでのヒドロキシプロリンの認識のための構造的基礎)」。Nature(ネイチャー)、417、975-8(2002)において確認されたように、E3リガーゼフォンヒッペルリンダウタンパク質(VHL)へのHIF-1α結合の最小エピトープを表す。
本出願人は、これらの第1世代のPROTACsの高いペプチド的性質が、たとえば、細胞内安定性が低く、および細胞の透過性が悪いなどのような物理化学的特性を悪くし、それが化学的プローブとしてのそれらの適用性、ならびに治療上の開発でのそれらの潜在的有用性を制限したと認識した。
これらの制限を克服するために、本出願人は、現在の非ペプチド性PROTACアプローチで使用するために、式Iの小分子を含め、新規なPROTACsを開発した。特定の態様において、このアプローチは、構造A-L-BのPROTAC化合物において新規な最適化された小分子薬物様リガンド(A)を利用し、およびこれらが標的BETブロモドメインに適用され、およびBRD4の効果的でかつ選択的な分解を強力に誘導することを実証する。
ある態様によれば、本発明は、上文に規定される構造A-L-BをもつPROTAC化合物を提供し、そこでは、Bが存在し、および式中、Bはユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合するリガンドであり、およびそこでは、前記標的タンパク質は、構造タンパク質、受容体、酵素、細胞表面タンパク質、細胞の統合機能に関連するタンパク質で、触媒活性、アロマターゼ活性、運動活性、ヘリカーゼ活性、代謝プロセス(同化および異化(catrabolism、カタラボリスム))、抗酸化活性、タンパク質分解、生合成、キナーゼ活性を有するタンパク質、オキシドレダクターゼ活性、トランスフェラーゼ活性、ヒドロラーゼ活性、リアーゼ活性、イソメラーゼ活性、リガーゼ活性、酵素調節活性(enzyme regulator activity)、シグナルトランスデューサ(シグナル伝達物質)活性、構造分子活性、結合活性(タンパク質、脂質炭水化物(lipid carbohydrate))、受容体活性、細胞運動性、膜融合、細胞間情報伝達、生物学的プロセスの調節、発達、細胞分化、刺激に対する反応、行動タンパク質(behavioral proteins)、細胞接着タンパク質、細胞死に関与するタンパク質、輸送に関与するタンパク質(タンパク質輸送体活性、核輸送、イオン輸送体活性、チャネル輸送体活性、キャリア活性、パーミアーゼ活性、分泌活性、電子伝達体(electron transporter)活性、病原性、シャペロン調節活性、核酸結合活性、転写調節因子活性、細胞外構成およびバイオジェネシス(新生)活性を含めて、および翻訳調節因子活性に関与するタンパク質を含めるものからなる群より選ばれる。
ある態様によれば、本発明は、上文に規定されるような構造A-L-BをもつPROTAC化合物を提供し、ここでは、Bが存在し、および式中、Bはユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合するリガンドであり、およびそこでは、標的タンパク質は、B7.1およびB7、TI FR1m、TNFR2、NADPHオキシダーゼ、BclIBaxおよびアポトーシス経路における他のパートナー、C5a受容体、HMG-CoAレダクターゼ、PDE Vホスホジエステラーゼタイプ、PDE IVホスホジエステラーゼタイプ4、PDE I、PDEII、PDEIII、スクアレンシクラーゼインヒビター、CXCR1、CXCR2、酸化窒素(NO)シンターゼ、シクロオキシゲナーゼ1、シクロオキシゲナーゼ2,5H受容体、ドーパミン受容体、Gタンパク質、すなわち、Gq、ヒスタミン受容体(以下、受容体をレセプターと称することがある)、5-リポキシゲナーゼ、トリプターゼセリンプロテアーゼ、チミジラート(チミジル酸)シンターゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、GAPDHトリパノソーマル、グリコーゲンホスホリラーゼ、炭酸脱水酵素、ケモカイン受容体、JAW STAT、RXRおよび同様物(similar)、HIV1プロテアーゼ、HIV1インテグラーゼ、インフルエンザ、ノイラミニダーゼ、B型肝炎逆転写酵素、ナトリウムチャネル、多剤耐性(MDR)、プロテインP-グリコプロテイン(およびMRP)、チロシンキナーゼ、CD23、CD124、チロシンキナーゼp56 lck、CD4、CD5、IL-2レセプター、IL-1レセプター、TNF-アルファR、ICAM1、Cat+チャネル、VCAM、VLA-4インテグリン、セレクチン、CD40/CD40L、ニューロキニン(newokinins)およびレセプター、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ、p38MAPキナーゼ、Ras1Raf1MEWERK経路、インターロイキン-1変換酵素、カスパーゼ、HCV、NS3プロテアーゼ、HCV NS3 RNAヘリカーゼ、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ、ライノウイルス、3Cプロテアーゼ、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)、プロテアーゼ、サイトメガロウイルス(CMV)プロテアーゼ、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ、サイクリン依存性キナーゼ、血管内皮増殖因子、オキシトシンレセプター、ミクロソーム転移タンパク質インヒビター、胆汁酸トランスポーターインヒビター、5アルファレダクターゼインヒビター、アンジオテンシン11、グリシンレセプター、ノルアドレナリン再取り込みレセプター、エンドセリンレセプター、神経ペプチドおよびレセプター、アデノシンレセプター、アデノシンキナーゼおよびAMPデアミナーゼ、プリン作動性レセプター(P2Y1、P2Y2、P2Y4、P2Y6、P2X1-7)、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ、NGF用の受容体TrkA、ベータアミロイド、チロシンキナーゼFlk-IIKDR、ビトロネクチンレセプター、インテグリンレセプター、Her-21 neu、テロメラーゼ抑制、サイトゾルホスホリパーゼA2およびEGFレセプターチロシンキナーゼ、エクジソン20-モノオキシゲナーゼ、GABAゲーテッドクロライドチャネルのイオンチャネル、アセチルコリンエステラーゼ、電圧感受性ナトリウムチャネルタンパク質、カルシウム放出チャネル、およびクロライドチャネル;アセチルCoAカルボキシラーゼ、アデニルサクシネートシンテターゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、およびエノールピルビルシキマートホスファートシンターゼからなる群より選ばれる。
一態様によれば、本発明は、上文に規定される構造A-L-BをもつPROTAC化合物を提供し、そこでは、Bが存在し、式中、Bはユビキチンリガーゼによって分解される標的タンパク質またはポリペプチドに結合するリガンドであり、およびそこでは、Bは、Hsp90インヒビター;ホスファターゼインヒビター、MDM2インヒビター、ヒトBETブロモドメイン含有タンパク質を標的とする化合物、HDACインヒビター、ヒトリジンメチルトランスフェラーゼインヒビター、RAF受容体を標的とする化合物、FKBPを標的とする化合物、血管新生インヒビター、免疫抑制化合物、アリール炭化水素受容体を標的とする化合物、アンドロゲン受容体を標的とする化合物、エストロゲン受容体を標的とする化合物、甲状腺ホルモン受容体を標的とする化合物、HIVプロテアーゼを標的とする化合物、HIVインテグラーゼを標的とする化合物、HCVプロテアーゼを標的とする化合物またはアシルタンパク質チオエステラーゼ1および/または2を標的とする化合物である。
ある態様によれば、本発明は、必要なペイシェント(主としてヒトでの患者とも言う)での標的タンパク質を分解する方法を提供し、それには、ここに規定されるような有効量の構造A-L-BのPROTAC化合物を前記ペイシェントに施与すること、または前記PROTACの有効量を施与することによって、ペイシェントにおいて標的タンパク質を分解するために前記PROTACの使用が含まれる。
ある態様によれば、本発明は、細胞においてタンパク質を標的化する方法で、それには、ここに規定されるような構造A-L-Bの有効量のPROTAC化合物に前記細胞を曝露することが含まれるもの、または前記PROTACの使用で、その有効量に前記細胞を曝露することが含まれるものを提供する。
本PROTACsの調製のための包括的プロセス
本出願人は、特定のVHLリガンドおよびBETブロモドメインリガンドを一緒に連結することが実証されたPROTACsのグループを開発した。本出願人による最初の研究により、既知の化合物VHL-1およびVHL-2は、VHLに対し300nM未満のKd値を有する強力なバインダー(結合剤とも言う)であることが、Galdano(ガルダノ)C.ら、「Structure-guided design and optimization of small molecules targeting the protein-protein interaction between the von Hippel-Lindau (VHL) E3 ubiquitin ligase and the hypoxia inducible factor (HIF) alpha subunit with in vitro nanomolar affinities(フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)E3ユビキチンリガーゼと低酸素誘導因子(HIF)アルファサブユニットとの間のインビトロでのナノモル親和性によるタンパク質-タンパク質相互作用を標的とする小分子の構造情報に基づく設計および最適化)」。J. Med. Chem.(ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー)57、8657-63(2014)において確立された(図1a)。タンパク質-リガンド結晶構造の検査により、化合物VHL-1およびVHL-2において末端アセチル基のメチル基が溶媒に曝露され、およびこれがリンカー(L)についての適切な結合点として選定されたことが示された。これを図5に示す。本発明で提供されるPROTACアプローチが標的タンパク質に結合することを確認するために、BETインヒビター、JQ1をブロモドメイン補充足場(bromodomain-recruiting scaffold)(B)として選定し、およびそのt-ブチルエステル基をリンカー(L)のための潜在的な結合点(potential_connecting point)として選定し、なぜなら、それは、図5に例示され、およびここに議論されるような共結晶構造によって示されるように、それが溶媒曝露され、およびBETブロモドメインとの主要な相互作用に関与しないからである。
3または4個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール鎖を含む異なる長さのリンカー(L)を、最初の概念証明実験においてJQ1とVHLリガンドとを連結するように選定した。
望ましいリガンドを達成するために、包括的に適用可能な2段階合成戦略が考案された。まず、一方の端部にカルボン酸を、他方の端部にアジド基を伴ったリンカーを、HATU媒介アミド結合形成によってVHLリガンドの末端遊離アミンと連結させた。第二段階では、アジド基をアミンに還元し、およびその後エステル加水分解したJQ1類似体のカルボン酸とのアミド結合形成により、望ましいPROTAC化合物MZ1、MZ2、MZ3およびcisMZ1を与えた(図1b)。
標的タンパク質へのPROTAC分子の結合に関する実験データ
PROTAC分子が、親リガンドと同様の様式で標的タンパク質VHLおよびBETブロモドメインへのそれらの結合を保持しているかどうかを評価するために、図1c、エントリー1-6に、および図14および15に関連して下文に述べるように、等温滴定熱量測定(ITC)実験を実行した。構造ALB、MZ1の化合物は、ブロモドメインを結合するために同じJQ1部分を共有するすべてのPROTAC分子の代表として選定され、BRD2、BRD3およびBRD4の個々の第1および第2ブロモドメインに滴定された。測定された結合親和性(115-380nMのKdおよびΔH(-6.1ないし-10.0kcal/mol))は、Filippakopoulos(フィリップパコポウロス)P.らの「Selective inhibition of BET bromodomains(BETブロモドメインの選択的抑制)」、Nature 468、1067-1073(2010)において未修飾JQ1についての文献で報告されたものとよく比較される。BRD4ブロモドメインの文献値は、図1c、エントリー7および8に例示される。このデータは、JQ1結合様式が、本発明による構造A-L-BのPROTACsの状況において保存されていることを強く示唆する。
VHLタンパク質への結合が標的タンパク質のE3リガーゼへの動員にとって重要であるので、構造A-L-BのPROTAC化合物、MZ1およびMZ3のVHL-エロンギンB-エロンギンC複合体(VBC)への結合もITCを用いて定量した。これらの実験からのデータを図1c、エントリー(項目とも言う)9、および10に例示する。
測定された親和性(それぞれ、MZ1およびMZ3についての150および310nMのKd)およびΔH(それぞれ、MZ1およびMZ3についての-6.9および-4.9kcal/mol)は、親の未修飾リガンドVHL-1(Kd=185nM、ΔH=-5.5kcal/mol、エントリー11)およびVHL-2(Kd=290nM、ΔH=-5.3kcal/mol)についての文献に報告されるものにきわめて密に比較された。
本出願人は、構造A-L-Bの一群のPROTAC化合物、そこでは、XがNであり、および環上の中心のR基(C-4位のR2a基)は、式Iの化合物においてヒドロキシル基であり、次に、中心のヒドロキシプロリン部分のヒドロキシル基の立体化学は、VHLへのリガンド結合にとって重要である。このことは、化合物cis(シス)MZ1の合成によって確認された。この化合物は、ヒドロキシル基を有するC-4位の逆の立体中心を除いて、構造的にMZ1と同一である。cisMZ1についての実験データは、ITC実験においてVHLに対する任意の測定可能な結合親和性を示さなかった。これらの実験結果は、図1c、エントリー12に例示され、およびしかる後cisMZ1は、細胞アッセイにおいてネガティブコントロール化合物として選定された。
したがって、本発明は、構造A-L-BのPROTAC化合物の一群を提供し、そこでは、Aは、上文に規定されるような式IAの化合物であり、式中、XはNであり、およびR2a(C-4位の中心のR-基)は、トランス-立体化学をもつヒドロキシル基である。
本発明は、構造A-L-BのPROTAC化合物を提供し、そこでは、Aは、式IAの化合物であり、式中、XはNであり、およびR2a(C-4位の中心のR-基)はトランス立体化学をもつヒドロキシル基であり、そこでは、前記PROTAC化合物は、次の:
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-14-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,13-ジオキソ-6,9-ジオキサ-3,12ジアザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-17-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-20-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,19-ジオキソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3,18-ジアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((2S,5S)-5-ベンジル-2-(tert-ブチル)-20-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,7,19-トリオキソ-9,12,15-トリオキサ-3,6,18-トリアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4S)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-17-(S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((2S)-2-(tert-ブチル)-20-(6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)-4,19-ジオキソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3,18-ジアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((2S)-2-(tert-ブチル)-17-(6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)-4,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((2S,5S)-5-ベンジル-2-(tert-ブチル)-20-(6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)-4,7,19-トリオキソ-9,12,15-トリオキサ-3,6,18-トリアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-1-(4-((2S,4R)-1-アセチル-4-((4-クロロフェニル)アミノ)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)フェニル)-12-(tert-ブチル)-1,10-ジオキソ-5,8-ジオキサ-2,11-ジアザトリデカン-13-オイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;
(2S,4R)-1-((S)-1-(4-((2S,4R)-1-アセチル-4-((4-クロロフェニル)アミノ)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)フェニル)-15-(tert-ブチル)-1,13-ジオキソ-5,8,11-トリオキサ-2,14-ジアザヘキサデカン-16-オイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド;および
(2S,4R)-1-((S)-1-(4-((2S,4R)-1-アセチル-4-((4-クロロフェニル)アミノ)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)フェニル)-18-(tert-ブチル)-1,16-ジオキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-2,17-ジアザノナデカン-19-オイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド
から無関係に選ばれる、化合物、
またはその薬学的に許容可能な、塩、鏡像体、立体異性体、水和物、溶媒和物、もしくは多形体である。
上文に議論したように、構造A-L-Bを有するPROTAC化合物が提供され、そこでは、Aは構造I、好ましくは式IAのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合リガンド化合物であり、ここでLおよびBは上文に詳述した態様のいずれかに従い、式中、L基は、R1、R3、R4、R5またはR8位置にて式IまたはIAの化合物に直接結合する。L基が式IまたはIAの化合物にR1、R3、R4、R5またはR8位置で直接結合する模範的な化合物は、下文でIないしVIII群に提供される。
本発明により、追加的に、構造A-L-Bを有するPROTAC化合物が提供され、そこでは、AはテーブルIないしVIIIに示すように、グループIないしVIIIのいずれかで識別される化合物から無関係に選ばれる式IAの化合物であり、およびそこでは、LおよびBは、上文の態様のいずれかに従って規定されるようなものである。
グループI。R8位置でLに対して連結を有し、およびR8=-CH2-R8*である式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-(CH2)qR8*基で、そこでは、qは1であり、およびそこでは、R8*はLに対する共有結合性C-リンク結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)-、または-C(S)-であり、および式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、そこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-(CH2)qR8*基で、そこでは、qは1であり、およびそこでは、R8*はLに対する共有結合性C-リンク結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)-、または-C(S)-であり、および式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、そこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループIIA。Lに対するリンクをR8位置において有し、およびR8=-C(O)-R8*である式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7はそれらが付着するC-原子と共にシクロプロピルアルキル基を形成し、式中、R8は-C(O)-R8*基であり、そこでは、R8*はLに対する共有結合性C-リンク結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)-であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基またはシクロプロピルアルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-C(O)-R8*基であり、そこでは、R8*はLに対する共有結合性C-リンク結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)-であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキルまたはシクロプロピルアルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループIIB。Lに対するリンクをR8位置において有し、およびR8=-N(H)-R8*である式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-N(H)R8*基であり、そこでは、R8*はLに対してN-リンクする共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-N(H)R8*基であり、そこでは、R8*は共有結合性結合で、それはLに対してN-リンクされ、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループIIIA。Lに対するリンクをR8位置において有し、およびR8=-C(O)-R8*である式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-C(O)R8*基であり、そこでは、R8*はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7は共にCH3基であり、式中、R8は-C(O)R8*基であり、そこでは、R8*はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループIIIB。Lに対するリンクをR8位置において有し、およびR8は(CH2)qR8*である式Iの追加の化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7はC-原子とそれにそれらが付着してシクロプロピルアルキル基を形成し、式中、R8は-(CH2)qR8*基で、そこでは、q=1であり、およびそこでは、R8*はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、そこでは、-(C1-C3)アルキルまたはシクロプロピルアルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7はC-原子とそれにそれらが付着してシクロプロピルアルキル基を形成し、式中、R8は-(CH2)qR8*基で、そこでは、q=1であり、およびそこでは、R8*はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキルまたはシクロプロピルアルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループIIIC。Lに対するリンクをR8*位置において有し、およびR8は-N(H)-R8*である式Iの更なる化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7はC-原子とそれにそれらが付着してシクロプロピルアルキル基を形成し、式中、R8は-N(H)R8*基であり、そこでは、R8*はLに対してN-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR8位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、式中、R6およびR7はC-原子とそれにそれらが付着してシクロプロピルアルキル基を形成し、式中、R8は-N(H)R8*基であり、そこでは、R8*はLに対してN-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループIV。Lに対するリンクをR4位置において有する式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR4位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3はHであり、式中、R4はLに対してC-またはO-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、および式中、R6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR4位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3はHであり、式中、R4はLに対してC-またはO-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループV。Lに対するリンクをR3位置において有する式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR3位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R4はHであり、式中、R3はLに対してC-またはC(O)リンクされる共有結合性結合であり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR3位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、FまたはNH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3はLに対してC-またはC(O)リンクされる共有結合性結合であり、式中、R4はHであり、式中、R5は-CH3であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)、またはC(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループVI。Lに対するリンクをR5位置において有する式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR5位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR5位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はCH3基であり、そこでは、前記R1基は、次の:F;CN;またはC(O)から無関係に選ばれる一以上の基によって随意に置換されてよく、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
グループVII。Lに対するリンクをR3位置において有する式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、X、R1、R2a、R2b、R4ないしR13は、上文のグループV化合物について規定されるようなものであり、およびそこでは、Lは、式IAの化合物にR3位置にて、グループVIIでの立体化学に従って直接結合する-(CH2CH2O)b-基である。
グループVIII。Lに対するリンクをR1位置において有する式Iの化合物。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR1位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはNであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5はCH3基であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
したがって、ここにはまた、式IAの化合物も提供され、そこでは、Yは、R11-Z-R12であるか、またはそこでは、Yは、上文に規定されるようなもので、YA、YBまたはYCであり、ここで、Lは、式IAの化合物にR1位置にて直接結合する-(CH2CH2O)b-基であり、式中、XはCであり、式中、bは1ないし10、好ましくは1ないし6、より一層好ましくは1ないし4であり、式中、R1はLに対してC-リンクされる共有結合性結合であり、式中、R2aはOH、F、NH2または-CHF2であり、式中、R2bはF、ClまたはHであり、式中、R3およびR4は共にHであり、式中、R5はCH3基であり、式中、ZはCR6R7R8であり、およびR6、R7およびR8はすべて-CH3基であるか、または式中、ZはSR6R7R8R9R10であり、およびR6ないしR10ではすべてF基であり、式中、R11は共有結合性結合または-NHC(O)メチルベンジル-基であり、式中、R12は-C(O)または-C(S)であり、式中、R13はH、Fまたは-(C1-C3)アルキル基であり、およびそこでは、-(C1-C3)アルキル基は、次の:メチル;OH;またはFから無関係に選ばれる一以上の置換基によって随意に置換される。
構造A-L-BのPROTACsの調製のためのプロセスは、化学分野、−下文の材料および方法において詳細に提供される。構造A-L-BのPROTACsを提供するためにR1、R3、R4、R5またはR8位置でLにリンクするのに適した式I、または式IAの化合物の調製のために処理されたものを、特にここに詳述する。
包括的な方法論は、式I(A)のE3結合リガンドを調製し、および次いでこれを選定されたリンカー(L)にカップリングすることである。これにより、式(II)の中間体アジド化合物が提供され、およびここでのスキーム1に例示されるような構造A-L-N3を有する。次いで、式IIの中間体化合物は、たとえば、ここでのスキーム2に例示されるように還元アミノ化を介するなどのような任意の適切なカップリング反応を介して、望ましいタンパク質標的結合リガンド(B)にカップリングされる。
スキーム1は、対応するアミン(10)ないし(12)から、下文の例のセクションにおいて詳述する中間体アジド化合物(13)ないし(16)の形成のための経路を提供する。熟練化学者(当業者と言うことがある)には理解されるように、スキーム1に概説されるようなリンカーカップリング方法の使用、およびここでの例のセクションでのスキーム3および4に提供されるように、アジド-リンカー基および式Iの化合物の調製のための一般的方法論を介して、ここに詳述される式Iの任意の化合物を、任意の適切なリンカー基Lと一緒に連結させて、構造Az-L-Aをもつ式IIの中間体アジドを提供することができる。本発明は、さらに、ここに規定されるように式IIの化合物を提供する。
スキーム2は、以下の例のセクションで詳述するようにPROTAC化合物MZ1、MZ2およびMZ2の形成のための経路を、当業者が理解するであろうように式IIの対応するアジドから、スキーム2において概要を述べた方法論の使用を介して提供し、ここに詳述される式IIの任意のアジド化合物は、リンカー基LとBとのカップリングを介して任意のタンパク質標的結合リガンドBと一緒に連結されて、ここに規定するようなA-L-Bを提供することができる。
構造A-L-BのPROTAC化合物は、ここでのスキーム1および2に概説されるように包括的方法に従い、および特に以下の化学分野−材料および方法に詳述された実験手順に従って調製することができる。熟練した化学者によって容易に理解されるように、適切な保護/脱保護戦略を用いて、カップリング工程の1つ以上の間に式Iおよび/またはIIの化合物上の脆弱な官能基を保護することができる。
生物学的方法
生物物理学
タンパク質の発現および精製:
タンパク質発現のための単一のBETブロモドメイン構築物BRD2 BD1、BRD2 BD2、BRD3 BD1、BRD3 BD2、BRD4 BD1およびBRD4 BD2を含むプラスミドpNIC28-Bsa4を、Baud、M.G. J.ら、Chemical biology. A bump-and-hole approach to engineer controlled selectivity of BET bromodomain chemical probes。Science、346、638-41(2014)。その後の発現および精製は、わずかな改変を加えたukZuber(ユーケーズバー)らの方法に基づいた。コンピテントE. coli(大腸菌とも言う)BL21(DE3)細胞中の新たに形質転換されたプラスミドDNAからの単一コロニーを、50μg/mLのカナマイシンを含む10mLのLB培地中で37℃で一晩増殖させた。次に、スターター培養物を50μg/mLのカナマイシンを含む新鮮なLuria Broth(ルリア・ブロス)(LB)培地で1:100に希釈した。細胞増殖を37℃および200rpmで約2.5(OD 600)の光学密度にし、その時点で温度を18℃に下げた。培養物が18℃で平衡に達すると、0.4mMのイソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)を用いてタンパク質発現を18℃で一晩誘導した。遠心分離(6℃で10分間8000rpm、Beckman Coulter Avanti(ベックマン・クールター・アバンティ)J-20 XP遠心分離機上のJLA 8.1000ローター)によって翌日バクテリアを収集し、および-20℃で貯蔵するためにペレットとして凍結させた。His6タグ化タンパク質を発現する細胞のペレットを溶解緩衝剤(50mM HEPESのpH 7.5、25℃、150mM NaCl、40mMイミダゾールおよび2mMβ-メルカプトエタノール)に再懸濁した。完全プロテアーゼインヒビターカクテル(Complete Protease Inhibitor Cocktail)(Roche(ロシュ社))の1錠剤を再懸濁物に添加し、細胞を4℃でフレンチプレスを用いて溶解させた。10μg/mLのDNアーゼIおよび10mMのMgCl2を用いて室温で20分間インキュベートした後、細胞破片を遠心分離、4℃、20,000×gにより除去した。この溶解産物を、AKTApure(エクタピュア)システム(GE Healthcare(GEヘルスケア社))上のHis Trap HP 5mL Niセファロースカラム(GE Healthcare Life Sciences(GEヘルスケアライフサイエンス社))上の固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。同じ緩衝剤において250mMイミダゾールに対する直線勾配を用いてHis6タグ化タンパク質を溶出させた。Ni精製後、プールされた溶出画分を4mLの容量に濃縮し、およびAKTApureシステム上で次の緩衝剤:20mM HEPES pH 7.5、150mM NaClを用いてSuperdex(スーパーデックス)75 16/60 Hiload(ハイロード)ゲル濾過カラム(GE Healthcare)でのサイズ排除クロマトグラフィーによりさらに精製した。純度を確認するために、サンプルをSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によってモニターした。次に、純粋なタンパク質を液体窒素で急速凍結し、および-80℃で保存した。しかる後、タンパク質の質量および純度を質量分析によって確認した。
等温滴定熱量測定(ITC):
ITC実験は、MicroCalTM(マイクロカル商品名)からのITC 200機器にて、測定セル中の濃度15μM、およびシリンジ濃度150μMにより行った。実験をPROTACとしてタンパク質滴定中に行い、MZ3の場合を除いて、PROTAC中にタンパク質を滴定した。BETタンパク質実験は、pH7.5および温度30℃の100mM NaClを含む20mM HEPESを含む緩衝剤において行った。
試薬
プロテアソームインヒビターMG132および放射性免疫沈降アッセイバッファ(RIPA緩衝剤)は、Sigma Aldrich(シグマ・アルドリッチ社)から購入した。DMEM培地、リン酸緩衝化塩類溶液(PBS)および熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)は、Gibco(ギブコ社)、Life Technologies(ライフ・テクノロジーズ社)から購入した。Complete Mini EDTA free Protease inhibitor cocktail(完全ミニEDTAフリー・プロテアーゼ・インヒビター・カクテル)をRocheから購入した。Life TechnologiesからのLipofectamine(R)(リポフェクタミン商標)RNAiMAX Transfection Reagent(トランスフェクション試薬)。Life TechnologiesからのsiRNA、cat. #(カタログ番号)4390843、4392420(s12070)、4390824(s15545&s23901)。PromegaからのFuGene 6 Transfection Reagent(E2691)。
組織培養
HeLaおよびU2OS細胞を、10%FBS、1%L-グルタミンおよび100U/mlペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM中で培養した。細胞を37℃および5%CO2で30継代以下維持した。
細胞処理
低分子干渉RNA
siRNA抑制調査のために、細胞を6ウェルプレートに平板培養し、50-60%コンフルエントになるまで増殖させた。リポフェクタミン試薬の存在下、BRD2、BRD3またはBRD4を標的とするsiRNA、またはネガティブコントロールsiRNAを、最終濃度12nMで細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション後、細胞をPROTAC化合物で処理するためにさらに24時間培養したか、または遺伝子発現調査のために48時間後に収集した。
単一時点処置(Single time point treatment)
処置実験のために、細胞を2ml培地中500000細胞/ウェルで6ウェルプレートに移した。沈降12時間後、200μlの培地を除去し、および次いで培地において10倍濃縮化合物溶液と交換した。最終DMSO濃度は0.01%v/vであった。
時間経過実験
時間依存性処理のために、細胞を2ml培地中の300000細胞/ウェルで6ウェルプレートに移した。処理のために、200μlの培地を除去し、および次いで培地において10倍濃縮化合物溶液と交換した。処理は収集前の所定の時点で行った。
タンパク質回収実験
細胞を2ml培地中の300000細胞/ウェルで6ウェルプレートに移した。処理のために、200μlの培地を除去し、次いで培地において10倍濃縮化合物溶液と交換した。処理の4時間後、培地を吸引し、および処理なしの新鮮な培地と交換した。所定の時点で細胞を収集した。
ウエスタンブロッティング
タンパク質抽出物のために、皿を氷上に置いた。培地を吸引し、および組織層を氷冷PBSで2回洗浄した。プロテアーゼインヒビターを含む120μlのRIPA緩衝剤を加え、および細胞を細胞スクレーパーで表面から剥離させた。遠心分離によって不溶性画分を除去した後、上清のタンパク質濃度をPierce(ピアス)TM BCAタンパク質アッセイキットによって決定した。タンパク質抽出物を、3-8%Tris-Acetate NuPage(R)(トリス-アセタート・ヌページ)(商標)Novex(ノベックス)(R)(Life Technologies)ポリアクリルアミドゲル上でSDS-PAGEにより分画し、およびLife Technologiesからのi-Blot(アイ-ブロット)(R)2を用いてニトロセルロース膜に移した。次いで、膜を、0.1%Tween(トゥイーン)-20を含むトリス緩衝化塩類溶液(TBS)中の3.5%ウシ血清アルブミン(BSA)でブロックした。タンパク質を検出するために、以下の一次抗体を所定の濃度で用いた:抗BRD2(Abcam(アブカム社)、ab139690、EPR7642)1:2000、抗BRD3(Abcam、ab50818、208C3a)1:500、抗BRD4(Abcam、ab128874、EPR5150(2))1:1000、抗-Hif-1α(BD Biosciences、610959、クローン54)1:1000、抗VHL(細胞シグナル伝達技術、2738S)1:750、抗β-アクチン(Cell Signaling Technology(セル・シグナリング・テクノロジー社)、2738S)1:750、抗β−アクチン(Cell Signaling Technology、4970S、13E5)1:2000。視覚化のために、Li-Cor Biosciences(Li-Corバイオサイエンシーズ社)のOdyssey system(オデッセー・システム)を、Li-Cor Biosciencesからの次のsecondary fluorescent Antibodies(セカンダリー・フルオレセント。アンティボディーズ、二次蛍光抗体)と共に用いた:IRDye800CW Goat Anti-Mouse(ヤギ抗マウス)(926-32210)、IRDye800CW Donkey Anti-Rabbit(ロバ抗ウサギ)(926-32213)、共に1:10000の濃度のもの。膜を4℃で12時間または25℃で4時間のいずれかで対応する抗体とともにインキュベートした。異なる抗体とのインキュベーションの間に、膜をpH2のグリシン・HClの0.25M溶液でストリッピングした。
RNA抽出およびリアルタイムPCR
目的の遺伝子の発現レベルをRT-PCRによって分析した。上記の処理後、細胞を採取し、およびRNAをQiagen RNeasy Mini Kit(cat. #:74104)により抽出した。逆転写は、Bio-Rad iScript cDNA synthesis Kit(バイオ-ラッド社・アイスクリプトcDNA合成キット)(cat. #:170-8891)を用いて250-500ngの抽出RNAを用いて行った。cDNAサンプルを25倍に希釈した。遺伝子特異的プライマーは、Baratta(バラッタ)M.G.ら、An in-tumor genetic screen reveals that the BET bromodomain protein, BRD4, is a potential therapeutic target in ovarian carcinoma.(腫瘍内の遺伝子スクリーニングにより、BETブロモドメインタンパク質、BRD4は、卵巣癌における治療標的の可能性があることが明らかにされる)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 112、232-7(2014)に記載されるようにUCSC Genome Browser(UCSCゲノムブラウザ)を用いて設計した。
Bio-Rad CFX96 Touch Real-Time PCR system(タッチ・リアル-タイムPCRシステム)を使用してすべてのPCR反応を行い、および増幅はQuanta PerfeCTa(R)SYBR(R)Green FastMix for iQ(アイキューのためのクオンタ・パーフェクタ商標サイバー商標グリーン・ファストミックス(cat. #:95071)を使用して行った。熱サイクル条件は、95℃で10分間、95℃で10秒間および60℃で30秒間の45サイクル、続いて融解曲線分析のための95℃までの上昇温度ステップであった。実験は各データ点について3回行った。データは、Bio-RadからのCFX Manager software(CFXマネージャー・ソフトウェア)を使用して分析し、およびコントロール遺伝子GAPDHに対して標準化することによって遺伝子発現における相対的定量化を決定した。
蛍光顕微鏡法:
GFPタグ付きBRD4を一過的に発現するHeLa細胞を調製した。全長野生型BRD4を含むプラスミドpcDNA5/FRT/TO-GFPは、前述のようにBaudらの方法に従って得られる。HeLa細胞は、2.5mLの培地中のガラス底マイクロウェルディッシュ(MatTek(マットテク社)、P35G-1.5-14-C)上にプレーティングし、および50-60%コンフルエンスまで増殖させた。次いで、FuGene 6 Transfection Reagent(フジーン6トランスフェクション試薬)(Promega、E2691)の存在下で4μgのプラスミドDNAを細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションの12時間後、培地を、0.5μg/mLのテトラサイクリンを補充した新鮮な培地と交換して除去し、GFP-BRD4の発現を誘導した。18時間後、培地を、テトラサイクリンを含まない新鮮な培地と交換して再度除去した。6時間後、PROTAC化合物MZ1またはシス-MZ1をプレートに添加した。処理の直後に、個々の細胞プレートから与えられた蛍光が、480nmでの励起および525nmでの発光を伴うDeltaVision Elite imaging system(デルタビジョン・エリート・イメージング・システム)で観察された。個々の細胞の画像を定期的な時間間隔で作成し、経時的な蛍光の変化を観察した。
HeLa細胞における化合物の活性に関する生物学的データ
構造A-L-BのPROTAC化合物の生物学的活性をHeLa細胞で最初に調べた。
構造A-L-BのPROTACsがBETタンパク質の分解を誘導することができることを実証するために、コントロールsiRNAでトランスフェクトしたHeLa細胞を、構造A-L-B、MZ1-3のPROTAC化合物の1μMにより、ネガティブコントロールJQ1およびcisMZ1と共に24時間処理した。このデータを図1dに例示する。平行して、BRD2、BRD3およびBRD4を有するHeLa細胞を個々に、およびそれぞれのsiRNAでトランスフェクションすることによって別々にサイレンシングし、ビヒクルDMSOで処理してRNAiノックダウンのタンパク質枯渇効果および構造A-L-BのPROTACsを比較した。
BETタンパク質存在度は、文献方法に従ってSDS-PAGEにより評価し、続いて対応する特異的抗体を用いてウェスタンブロットし、BRD2、BRD3またはBRD4をそれぞれプローブした。すべての3つのPROTAC化合物、MZ1、MZ2およびMZ3は、BRD4の十分な除去を示し、24時間の処理後に検出可能なタンパク質は観察されなかった。対照的に、BRD2およびBRD3の除去は24時間後に完全ではなかった。MZ1は、3つの化合物の中で最も高い効力を示した。4つのPEG単位を含むより一層長いリンカーを除いてMZ1に構造的に類似するMZ2は、MZ1と比較してより一層弱い除去効果を示した。リンカーとVHLリガンドとの間に追加のフェニルアラニン部分を含むMZ3は、MZ1およびMZ2に対してBRD2およびBRD3を除去する効果があまりなかった。
タンパク質を検出するために、以下の市場で入手可能な一次抗体を所定の濃度で用いた:抗BRD2(Abcam、ab139690、EPR7642)1:2000、抗BRD3(Abcam、ab50818、208C3a)1:500、抗BRD4(Abcam、ab128874、EPR5150(2))1:1000、anti-Hif-1α(BD Biosciences、610959、クローン54)1:1000、抗VHL(Cell Signaling Technology、2738S)1:750、抗β-Actin(Cell Signaling Technology、4970S、13E5)1:2000、抗hHR23b(Abcam、ab86781)1:2000、抗DDB1(Abcam、ab109027、EPR6089)1:50000。
視覚化のために、Li-Cor Biosciencesからの以下の市場で入手可能な二次蛍光抗体を用いた市販のOdyssey systemを使用した:IRDye800CWヤギ抗マウス(926-32210)、IRDye800CWロバ抗ウサギ(926-32213)、共に1:10000の濃度である。
組み合わせて、タンパク質分解、枯渇および存在量のデータは、本発明による構造A-L-BのPROTACsによるBETタンパク質の強力かつ有効な分解を実証した。驚くべきことに、このデータはさらに、BRD2およびBRD3よりもBRD4に対する優先的な分解効果を示す。
本発明による構造A-L-BのPROTACsによるBRD2およびBRD3を超えるBRD4に対する優先的な分解効果は、予測不可能であり、それは、親化合物JQ1がpan-BETインヒビターであることが知られ、および試験された構造A-L-Bの3つのPROTACsの各々がBETブロモドメインと同様の親和性で結合することが実証されたからである。
本出願人は、この前例のない単一の標的選択性に対する追加の根拠を提供するために、構造A-L-BのPROTACsのさらなる特徴付けを行った。
化合物の用量および時間依存性細胞内活性に関する実験データ
化合物の用量および時間依存性の細胞内活性を評価するために、HeLa細胞をまず種々の濃度の3つのPROTACs、MZ1、MZ2およびMZ3で処理した(図2a)。3つすべてのPROTACsは、高濃度でより一層高い活性を有する濃度依存性BET除去活性を示した。初期の実験のように、MZ1は最も活性な化合物であり、1μMまでの化合物濃度ですべてのBETタンパク質の90%より多くが除去されると判明した。
注目すべきことに、これらの実験は、3つのPROTAC化合物のすべてを用いてBRD2およびBRD3を超えたBRD4の優先的除去を確認した。この優先度は、PROTACsのより一層低い濃度、0.1~0.5μMでの処置を伴ってより一層顕著である。構造A-L-BのPROTACsの経時的な活性を研究するために、HeLa細胞を1μMまたは0.1μMのMZ1で処理し、および細胞BETタンパク質レベルを時間経過実験でモニターした。図2bは、MZ1を用いた代表的なデータを例示し、および図6は、他の化合物を用いた追加データを示す。BRD4は、一貫してタンパク質レベルの最強かつ最速の減少を示したが、経時的なBETタンパク質の漸進的除去がすべての実験配置で観察された。安心を与えるように(Reassuringly)、DMSOまたはJQ1またはcisMZ1(図3a)のいずれかの存在下では、図7および図3aにそれぞれ示されたデータによって確認されるように、BETタンパク質分解は観察されなかった。
構造A-L-BのPROTACsによるBRD4のための優先的除去の観察が別の細胞株で観察できるかどうかを検証するために、同じ研究をU2OS骨肉腫細胞で行い、および同じ活性プロファイルを観察した。このデータを図8に例示する。
BETタンパク質分解プロセスを視覚化するために、緑色蛍光タンパク質(GFP)タグ化BRD4タンパク質をコードするプラスミドをU2OS細胞にトランスフェクトし、細胞核内のBRD4の蛍光読み取りを可能にした。GFP-BRD4を発現する細胞を、24時間後に5μMのMZ1または5μMのcisMZ1のいずれかで処理し、および蛍光を経時的に観察した。活性なPROTAC化合物MZ1の存在下では、わずか3時間後に蛍光シグナルの完全な枯渇が観察されたが、cisMZ1は、実験の過程で蛍光シグナルに変化をもたらさなかった。これらの実験の結果を図2cおよび図9に例示する。
このデータは、構造A-L-B、MZ1のPROTAC化合物の存在のために、BRD4が細胞核から時間依存的に除去されることを確認した。
総合すれば、これらの実験からの結果は、構造A-L-BのPROTACsの時間および用量応答活性プロファイルが、BRD2およびBRD3を超える選択的な様式でBRD4の迅速かつ有効なPROTAC誘導分解をもたらすことを確認した。
メカニズムについての実験データ
機械的な洞察を得るために、PROTAC媒介タンパク質分解のVHL-およびプロテアソーム依存性を最初に調べた。図3aに示される結果によって例示するように、cisMZ1は経時的にBETタンパク質の任意の分解を誘導しえず、PROTACの有効性はVHLの生産的な動員に依存することが実証された。プロテアソームインヒビターMG-132を用いてプロテアソーム活性に及ぼすPROTAC誘導性タンパク質分解の依存性を評価した。MG132による処理は、すべてのBETタンパク質のMZ1誘導性分解を完全に排除した。これは、図3bでのレーン3および6の比較によって確認され、およびアプローチの予想されるプロテアソーム依存性を確立する。しかし、興味深いことに、構造A-L-BのPROTACの非存在下、MG132処置は、BETタンパク質レベルにおいて、単独で、またはJQ1との組合せのいずれでも有意な蓄積を示さなかった。このことは、図3bのレーン1および2とそれぞれ4および5との比較によって確認される。これらの結果は、BETタンパク質に対する基礎的プロテアソーム活性レベルは、それらの条件下では無視し得るものであり、本発明によって提供される構造A-L-BのPROTAC化合物による処理の結果としてだけ著しいことを示唆する。
E3リガーゼ(VHL)レベルに対するPROTAC処理のための生物学的データ
構造A-L-BのPROTAC化合物の生物学的活性をさらに評価するために、本出願人は、構造A-L-BのPROTACsによる処置が、その標的E3リガーゼ(VHL)のレベルおよびHIF-1α、VHLの自然な基質のレベルに何らかの効果を有するかどうかを決定した。
図3cに示すデータによって実証されるように、PROTAC化合物、MZ1(1μM)の存在下でのVHLレベルは、36時間までの間は影響を受けないままであった。このデータは、E3リガーゼの量がPROTAC結合によって影響を受けないことを指し示す。他方で、本PROTACsのVHLリガンド部分は、HIF-1αを補充するために使用されるVHL上の同じ結合部位を占めるので、本PROTACsはまた、VHLに対するHIF-1αの結合を、細胞内でのHIF-1αの潜在的な安定化につながる可能性がある範囲にまで効率的にブロックすることができた。
そのような効果は、HIF-1α転写活性のアップレギュレーションとして望ましくなく、潜在的に低酸素応答の誘導をもたらす可能性のあるBETタンパク質の分解に起因する効果を混乱させ、および潜在的に望ましくない副作用を引き起こすであろう。何らかのHIF-1α安定化が観察され得るかどうかを評価するために、HeLa細胞を、PROTAC、MZ1、およびまたコバルト(II)塩化物により、ポジティブコントロールを模擬する低酸素症として処置した。
これらの実験の結果は、10μMまでのMZ1の濃度でさえ、HIF-1α安定化のいかなる証拠も明らかにしなかったが、CoCl2の存在下では明らかなHIF-1α安定化が観察された。これらの知見を図3dに例示する。構造A-L-Bの本PROTACsでの処理によるBETタンパク質の除去が可逆的であるかどうかを決定するため、および細胞が効果を逆転させるのにどれくらいの時間がかかるかを確定するために、HeLa細胞を、初期に1μMのMZ1により4時間処理し、その後、この化合物を培地から取り出し、および次いでタンパク質レベルのモニタリングをさらに48時間にわたって行った。洗浄された細胞は、洗浄後20時間までだけ細胞内BRD4の検出可能な回収を示したが、その一方、洗浄ステップの不在下では48時間後でもタンパク質は検出されなかった。これらの知見を図3eに例示する。図10は、BRD2およびBRD3の時間依存レベルをモニターする対応実験について得られた結果を例示する。
まとめると、これらの結果は、PROTAC誘導タンパク質分解が、VHLへの結合、プロテアソーム活性に厳密に依存し、およびVHLおよびHIF-1αの双方の正常な内因性レベルを妨げないことを実証する。
さらに、観察された分解効果は、化合物を除去しても、迅速であるだけでなく、持続的であり、かつ、長期にわたる。
BETインヒビター、たとえば、JQ1などのようなものは、様々な遺伝子の発現に影響を及ぼすことが知られる。個々のBETファミリーメンバーの選択的ターゲティングは、BETタンパク質のゲノム占有パターンが同一ではないため、明確でより一層制限された転写反応を誘発すると予測される。構造A-L-BのPROTACsを用いてBETタンパク質を除去すること、および特に、BRD2およびBRD3を超えてBRD4の選択的分解を誘導することの機能的な結果を評価するために、本出願人はJQ1処置およびBETタンパク質抑制:MYC、P21、AREG、FAS、TYRO3およびFGFR1に応答するガン関連遺伝子の選定のmRNA発現プロファイルをモニターした。BRD4活性に対するMYCおよびP21発現の依存性は十分に特徴付けられる。MYCは、細胞周期の進行を刺激し、およびガンにおいて誤制御(misregulation、誤調節とも言う)により何度も発現され、従って下流のMYC依存性遺伝子の連続的な過剰発現が導かれる。骨関連腫瘍ならびに白血病およびリンパ腫細胞系において、JQ1処置またはBRD4のサイレンシングは、MYCのダウンレギュレーションをもたらすことが示された。MYCは、細胞周期CDKインヒビターP21、腫瘍抑制因子の転写を抑制する。MYCのダウンレギュレーションおよび結果として生じるP21の抑制解除(脱抑制)は細胞周期停止を促進する。MYCおよびP21の十分に特徴付けられたBRD4依存性とは対照的に、FASは、腫瘍壊死因子受容体ファミリーに属するプロアポトーシスタンパク質をコードし、BRD2の枯渇によりダウンレギュレートされ、その一方、増殖因子AREGおよびFGFR1ならびにタンパク質チロシンキナーゼTYRO3は、任意のBETタンパク質特異的調節についてはほとんど知られていない。
これらの4つの遺伝子はJQ1による処置に強く応答することが知られるため、JQ1によって引き起こされるpan-BET抑制効果と、構造A-L-BのPROTAC、MZ1によって引き起こされる選択的BRD4分解との間を比較するために遺伝子の代表的なセットとして含まれた。
100nMで24時間のMZ1での処置は、これが、BRD2およびBRD3を超えてBRD4の選択的分解を達成するための最適条件および最低有効濃度を提供し、その一方、BETブロモドメイン抑制のために潜在的干渉を同時に最小限に抑え、図2aのパネルIおよび図2bのパネルIIに示される結果に例示されるように選定された。さらに、JQ1部分およびJQ1を欠き、ならびにJQ1を伴う、図11に例示されるネガティブコントロールVHL-1-リンカー化合物VHL-1'での処置も、比較を提供するために行った。MYCレベルは24時間後に回復したが、MZ1の処置は、図12に示すように、12時間後、JQ1と同様にMYCのダウンレギュレーションをもたらした。図4aに示すように、MZ1およびJQ1による処置は、図12および24hにも例示されるように、12時間後のP21およびAREGの両方の同様のアップレギュレーションをもたらした。
興味深いことに、およびJQ1とは対照的に、それは、FAS、TYRO3およびFGFR1の有意な変化をもたらすが、構造A-L-BのPROTAC、MZ1は、これらの遺伝子に対してより一層微妙で、および有意性のより一層低い効果を示した。これらの結果を図4aおよび図12に例示する。
何らの特定の理論に拘束されることを望まないが、遺伝子調節において観察されるそのような相違が、MZ1によって引き起こされる他の2つのBETタンパク質に対するBRD4の優先的分解の結果であり得ることがここにおいて提案される。この仮説を試験するために、siRNAを用いて個々のBRD2、BRD3またはBRD4遺伝子を抑制してタンパク質除去効果を模擬する実験を行った。これらの結果を図13に例示し、および図4bに示す結果で例示されるように、興味がある標的遺伝子の遺伝子発現レベルの分析を行った。MYC、P21およびAREGレベルは、BRD4の抑制によって影響を受けることが確認されたが、これらの実験は、FASが、BRD2だけの抑制によりダウンレギュレーションされるが、BRD4ではそうでなく(図4bに例示されるようなもの)、その一方で、FASR1が、BRD3またはBRD4のいずれかの抑制によりアップレギュレート(上方制御)されることが確認された。
これらの結果は、構造A-L-B、MZ1のPROTACによるBRD2およびBRD3を超えるBRD4の優先的な分解と一致し、および本発明による構造A-L-BのPROTACsについて、パン選択的(pan-selective)インヒビターJQ1に比較してより一層のBRD4選択的な薬理学的プロファイルを指摘する。
本発明のPROTAC化合物は、任意の慣習的な経路、特に経腸的に、例は、経口的に、例は、錠剤またはカプセルの形態で、または非経口的に、例は、注入可能な溶液または懸濁物の形態で、局所的に、例は、ローション、ゲル、軟膏またはクリームの形態で、または鼻または坐剤の形態で薬剤組成物として施与することができる。遊離形態または薬学的に許容可能な塩形態で、少なくとも1の薬学的に許容可能な担体または希釈剤と共に、本発明のPROTAC化合物を含む薬剤組成物は、混合、造粒またはコーティング方法によって慣習的な方法において製造することができる。たとえば、経口組成物はタブレットまたはゼラチンカプセルであることができ、それには、活性成分と一緒に、a)希釈剤、例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)潤滑剤、例は、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;タブレットについてはまた、c)結合剤、例は、珪酸アルミニウムマグネシウム、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびまたはポリビニルピロリドン;必要に応じて、d)崩壊剤、例は、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、風味剤および甘味剤が含まれる。注入可能な組成物は、水性等張溶液または懸濁物であることができ、および坐剤は、脂肪エマルジョンまたは懸濁物から調製することができる。組成物はまた、滅菌されてよく、および/またはアジュバント、たとえば、保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝剤のようなものを含有してもよい。加えて、それらはまた、他の治療上有益な物質を含んでよい。経皮的適用に適する調剤物には、有効量の本発明のPROTAC化合物と共に担体が含まれる。担体には、宿主の皮膚を通過するのを助けるために吸収可能な薬理学的に許容可能な溶媒を含むことができる。たとえば、経皮的デバイスは、バッキング部材、化合物を随意に担体と共に含有するリザーバ、化合物を長期の時間にわたって制御された所定の速度で宿主の皮膚に送るために随意に速度制御バリア、およびデバイスを皮膚に固定する手段を含む包帯の形態である。マトリクス経皮調剤物(Matrix transdermal formulations)も使用することができる。局所適用、例は、皮膚および目のための適切な調剤物は、好ましくは、当技術でよく知られる水溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。そのようなものは、可溶化剤、安定化剤、等張化剤、緩衝剤および保存剤を含み得る。
本発明の薬剤組成物は、1以上の薬学的に許容可能な担体と共に調剤された本発明のPROTAC化合物の治療上有効な量を含む。ここに使用されるように「薬学的に許容可能な担体」という用語は、任意のタイプの非毒性、不活性固形物、半固形物または液状の充填剤、希釈剤、カプセル化材料または製剤助剤を意味する。
本発明の薬剤組成物は、ヒトおよび他の動物に、経口、経直腸、非経口、嚢内(intracisternally、大槽内とも言う)、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、またはドロップによるようなもの)、頬側、または経口または経鼻スプレーとして施与することができる。
経口施与のための液状剤形には、薬学的に許容可能なエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシルが含まれる。活性化合物に加え、液状剤形には、この技術で普通に用いられる不活性希釈剤、たとえば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、たとえば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物などのようなものが含まれる。不活性希釈剤に加え、経口組成物はまた、アジュバント、たとえば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などのようなものを含むこともできる。
注入可能な調製物、たとえば、滅菌された注入可能な水性または油性懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知の技術に従って調剤化することができる。滅菌した注入可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒において滅菌した注入可能ば溶液、懸濁物またはエマルションであってよく、たとえば、1,3-ブタンジオールにおける溶液のようなものである。使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌された固定油(不揮発性油)は、溶媒または懸濁性媒体として慣習的に使用される。この目的のため、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含め、任意の低刺激性固定油(bland fixed oil)を使用することができる。さらに、たとえば、オレイン酸などのような脂肪酸は、注射可能物質の調製において使用される。薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注入からの薬物の吸収を遅らせることが望ましいことが多い。このことは、低水溶性の結晶質または非晶質の液状懸濁物の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次にその溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいはまた、非経口施与された薬物形態の遅延された吸収は、薬物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることによって達成される。
直腸または膣施与のための組成物は、好ましくは、本発明のPROTAC化合物を、適切な非刺激性賦形剤または担体、環境(周囲とも言う)温度では固形であるが体温で液状である、たとえば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは座剤ワックスなどのようなものと混合することによって調製することができる坐剤であるのが好ましく、および従って、直腸または膣腔において融解し、および活性化合物を放出する。同様のタイプの固形組成物はまた、ラクトースまたはミルクシュガー(乳糖とも言う)ならびに高分子量ポリエチレングリコールおよびその他同種類のものなどのような賦形剤を用いて、軟質および硬質ゼラチンカプセルにおいて充填剤として使用することができる。
PROTAC化合物はまた、上記のように1以上の賦形剤と共にマイクロカプセル化形態において提供することができる。錠剤、ドラジェ(糖衣錠とも言う)、カプセル、丸薬、および顆粒の固形の剤形は、コーティングおよびシェルで、たとえば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび薬剤調剤技術でよく知られる他のコーティングなどのようなものにより調製することができる。そのような固形剤形では、活性化合物は、少なくとも1の不活性希釈剤で、たとえば、ショ糖、ラクトースまたはデンプンなどのようなものと混合されてもよい。そのような剤形はまた、通常の慣習であるように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例は、打錠潤滑剤および他の錠剤化助剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースも含み得る。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
本発明の化合物の局所または経皮施与のための剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉体、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが含まれる。活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容可能な担体および必要とされることがある任意の必要な保存剤または緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤、眼軟膏、粉体(散剤)および溶液も、この発明の範囲内であると考えられる。軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、この発明の活性化合物に加えて、動物および植物油脂、油、ワックス、パラフィン、でんぷん、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含むことができる。
粉体およびスプレーは、本発明のPROTAC化合物に加えて、賦形剤、たとえば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉体、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、通例の噴射剤、たとえば、クロロフルオロハイドロカーボンなどのようなものをさらに含むことができる。経皮パッチは、体内への化合物の制御されたデリバリーを提供するという追加の利点をもつ。そのような剤形は、化合物を適切な媒体において溶解または分配することによって作成することができる。吸収促進剤はまた、皮膚を横切る化合物の流量を増加させるために使用することができる。速度は、速度制御膜を提供することにより、またはポリマーマトリクスまたはゲルにおいて化合物を分散させることによって制御することができる。
本発明の処置の方法によれば、疾患、条件、または障害は、対象で、たとえば、ヒトまたは他の動物などのようなものにおいて、本発明の治療上有効な量のPROTAC化合物を対象に対し、望ましい結果を達成するために必要な量および時間で施与することによって処置または予防される。ここに使用されるように、本発明の化合物の「治療上有効な量」という用語は、対象において障害の症状を減少させるのに十分な量の化合物を意味する。医療技術において十分に理解されるように、この発明のPROTAC化合物の治療上有効な量は、任意の医療的処置に適用可能な妥当な利益/リスク比でありうる。
本化合物の投与量は、多くの因子で、疾患のタイプ、ペイシェントの齢および一般的な条件(全身状態とも言う)、施与される特定の化合物、および薬物により経験された毒性または有害作用の存在またはレベルを含むものに従い変動することがある。適切な投与量範囲の代表例は、約0.025mgほどの低いものから約1000mgまでである。しかしながら、施与される投薬量は、一般に、医師の裁量に委ねられる。
哺乳動物ペイシェントのための多種多様な薬剤剤形を採用することができる。固形投与量が経口投与に使用される場合、調製物は、錠剤、硬質ゼラチンカプセル、トローチまたはロゼンジの形態であってもよい。固形担体の量は広範囲に変動するが、概して、PROTAC化合物の量は約0.025mgから約1gまでであり、固形体担体の量は、望ましい錠剤、硬質ゼラチンカプセル、トローチまたはロゼンジサイズの差を補う。したがって、錠剤、硬質ゼラチンカプセル、トローチまたはロゼンジは、好都合には、たとえば、0.025mg、0.05mg、0.1mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、25mg、100mg、250mg、500mg、または1000mgの本化合物を含む。錠剤、硬質ゼラチンカプセル、トローチまたはロゼンジは、1日に1回、2回または3回都合よく与えられる。
概して、本発明のPROTAC化合物は、単独でまたは1以上の治療剤と組み合わせて、当技術で知られる通常のおよび許容可能ないずれかでもの任意のモード(方式とも言う)を介して治療上有効な量で施与される。治療上有効な量は、疾患の重篤度、対象の齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力および他の要因に依存して広く変動し得る。
一定の実施態様では、本発明の化合物の治療上の量または投与量は、約0.1mg/kgから約500mg/kgまで、あるいはまた、約1から約50mg/kgまでの範囲に及び得る。概して、本発明に従う処置レジメンは、このような処置を必要とするペイシェントへの、約10mgから約1000mgまでのこの発明の化合物(群、複数もありうる)を1日に1回または複数回施与することを含む。治療上の量または用量はまた、施与経路、ならびに他の薬剤との同時使用の可能性に依存して変動する。対象の条件が改善されると、必要に応じて、この発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量を投与することができる。続いて、投与量または施与の頻度、または双方を、症状の関数として、症状が所望のレベルまで軽減され、処置を止めるべきときに改善された状態が維持されるレベルまで低下させることができる。しかし、対象は、疾患症状の何らかの再発時に、長期間にわたって断続的な処置を必要とする可能性がある。しかしながら、本発明の化合物および組成物の全日使用量は健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定のペイシェントに対する特異的な抑制的用量は、様々な因子で、処置される障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;ペイシェントの齢、体重、全身の健康状態、性および食餌;施与の時間、施与の経路、および使用される特定の化合物の排泄速度;処置の持続時間;使用される特定の化合物との組合せまたは同時に使用される薬物;および医療技術においてよく知られる因子のようなものを含むものに依存する。
本発明はまた、薬学的組合せを提供し、例は、キットで、それには、a)ここに開示される本発明のPROTAC化合物で、遊離形態または薬学的に許容可能な塩形態の第1の薬剤、およびb)少なくとも1の共薬剤が含まれる。キットは、その施与のための指示書を含むことができる。ここに使用されるように、用語「同時施与」または「併用施与」またはその種の他のものなどは、選定された治療上の薬剤を単一のペイシェントに施与することを包含することを意味し、および必ずしも同じ投与経路によってまたは同時に施与されない処置レジメンを含むことが意図される。ここに使用されるように用語「薬学的組合せ」は、一よりも多くの活性成分の混合または組み合わせから得られ、および活性成分の固定および非固定の組み合わせの双方を含む生成物を意味する。「固定された組合せ」という用語は、活性成分(有効成分とも言う)、例は、本発明のPROTAC化合物および併用剤(co-agent)は共に、単一の実体または投与量の形態で同時にペイシェントに施与される。用語「固定されてない組合せ」は、活性成分、例は、本発明のPROTAC化合物および併用剤は、共に、同時に、一斉に、または連続して、特定の時間制限なしに別個の実体としてペイシェントに施与され、そこでは、そのような施与は、ペイシェントの体内で2つの化合物の治療上有効な量を提供する。後者はまた、カクテル療法、例は、3以上の活性成分の施与にも適用される。薬学的に許容可能な担体として役立ち得る材料のいくつかの例には、制限されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質で、たとえば、ヒト血清アルブミンなどのようなもの、緩衝剤物質で、たとえば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウムなどのようなもの、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質で、たとえば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などのようなもの、コロイド状シリカ、マグネシウムトリシリケート(三ケイ酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリラート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂(ウール脂肪とも言う)などのようなもの、糖類で、たとえば、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどのようなもの;でんぷんで、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのようなもの;セルロースおよびその誘導体で、たとえば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのようなもの;粉体トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤で、たとえば、ココアバターおよび座薬ワックスなどのようなもの、油で、たとえば、ピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油;グリコール;たとえば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのようなもの;エステルで、たとえば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのようなもの、寒天;緩衝剤で、たとえば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどのようなもの;アルギン酸;発熱物質を含まない水、等張性塩類溶液(生理食塩水とも言う);リンゲル溶液;エチルアルコール、およびホスファート(リン酸塩とも言う)緩衝液、ならびに他の無毒性の適合性潤滑剤で、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどのようなものが含まれ、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、着香剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤はまた、処方者の判断に従って、組成物中に存在していてもよい。
生物学的結果
ここに詳述するように、本発明のPROTAC化合物は、BETタンパク質の分解を誘導することが実証された。テーブル1は、例として、本発明のPROTAC化合物のいくつかのタンパク質存在量データの若干を示す。テーブル1に示すインビトロ(in vitro)データは、BETタンパク質の強力かつ有効な分解、ならびにBRD2およびBRD3よりもBRD4に対するそれらの優先的な分解効果に対する本発明のPROTAC化合物の有効性を確認する。
本出願人は、代替のB-基を有する構造A-L-BのさらなるPROTAC化合物の生物学的試験を実行し、JQ1ベースのB-基を有する構造A-L-BのPROTAC化合物について得られた試験結果に関連して、ここに議論するものと一致して活性プロファイルを見出した。
化学-材料および方法
NMRスペクトルは、Bruker(ブルカー)500 Ultrashield(ウルトラシールド)またはBruker Ascend(ブルカー・アセンド)400で記録した。化学シフトをppmで示し、および残留溶媒シグナルを基準とした:1Hδ=7.26(CDCl3)、13Cδ=77.16(CDCl3)。高分解能マススペクトル(HRMS)をBruker micrOTOF(ブルカー・マイクロトフ)で記録した。特に明記しない限り、すべての化学物質は市場で入手可能であり、およびさらに精製することなく使用した。エナンチオピュア(+)-JQ-1は、米国、Princeton(プリンストン)所在のMedchemexpress LLC(メドケムエクスプレス社)から購入した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Teledyne Isco Combiflash(テレダイン・イスコ社・コンビフラッシュ)RfまたはRf200iを用いて行った。予備充填カラムとして、RediSep(レディセプ)Rf Normal Phase Disposable Columns(標準相処分可能カラム)を使用した。分取HPLCは、Waters X-Bridge(ウォーターズX-ブリッジ)C18カラム(100mm×19mm;5μm粒径)を有するGilson Preparative HPLC System(ギルソン分取HPLCシステム)上で、および水相にて0.1%アンモニアを含む水において20%ないし95%アセトニトリルの勾配により実行した。
等温滴定熱量測定
タンパク質濃度15μMおよびリガンド濃度150μM(エントリー(項目とも言う)1-6)を用い30℃で滴定を行った。MZ1およびシスMZ1のVBCへの25℃での同じ濃度への滴定(図1でのエントリー9および12参照)の一方、25℃でのVBCタンパク質(150μM)のMZ3(15μM)への逆滴定を行った(図1でのエントリー10参照)。
式Iの化合物(A-基)の合成のための包括的手順
ここに規定されるように式Iの任意の化合物は、スキーム3での包括的方法論に従い、以下の段階で適切な試薬を選定することにより調製することができる:C-またはN-5員環の選定、およびそこでの置換基の段階(iii)での選定;段階(iv)におけるY-基の選定。
スキーム3での模範的調製に使用される条件は以下の通りである:(i)Pd(OAc)2、KOAc、DMAc、還流、O/N;(ii)NaBH4、CoCl2、MeOH、0℃、90分;(iii)Boc-Hyp-OH、DIPEA、HATU、DMF、rt(室温)、30分;(iv)TFA/DCM 1:1、rt、30分;(v)Boc-L-tert-ロイシン、DIPEA、HATU、DMF、室温、30分;(vi)TFA/DCM 1:1、室温、30分;(vii)無水酢酸、N(Et)3、DCM、室温、90分。
当業者には理解されるように、スキーム3に示した包括的手順を使用し、および適切な出発物質の選定を介し、およびBoc保護された化合物(4)および(5)の製造のために提供された方法を使用することにより、式Iの化合物またはここに規定されるように式IAの化合物の調製に使用するのに適した任意のBoc保護アミンを調製することができる。
特に、ステップ(iii)において、代わりの試薬、たとえば、異なるR2aおよび/またはR2b基を有する代わりの最終化合物を提供するためなどのようなものに、それにステップ(iii)においてヒドロキシプロリンを使用して上記例に提供されるものに、たとえば、式中、R2aが-NH2、F、または-CF3であり、および式中、R2bがHであるか、または式中、R2aおよびR2bが双方ともFである化合物などのようなもの、次いで関連する代替的な市場で入手可能な材料は、脱保護または保護された形態で、ここに記載された方法論に従って、いずれも使用することができる。そのような使用に適した模範的な市場で入手可能な材料には:2-トリフルオロメチル;2-フルオロプロリン;2,2-ジフルオロプロリン;および2-アミノプロリンが含まれる。さらに理解されるように、ステップ(iii)での使用に適したさらなる試薬は、ヒドロキシプロリンから難なく調製することができ、または1の、または他の市場で入手可能な代替物、たとえば、2-アミノプロリン(ここで、R2aは-NH2であり、R2bはHである)から、最終的化合物において、ヒドロキシルプロリンから出発して作成することができる。
Boc-脱保護のための包括的方法は、ここでのスキーム4に提供される。
(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)メタンアミン(2)。
DMAc(8mL)中の4-ブロモベンゾニトリル(1.5g、8.24mmol(ミリモル)、1当量)およびPd(OAc)2(2mg、0.08mmol、0.1mol%)の溶液に、KOAc(1.62g、16.5ミリモル、2当量)および4-メチルチアゾール(1.63g、1.49mL、16.5mmol、2当量)を加えた。得られる混合物を150℃に加熱し、および一昼夜撹拌した。混合物を水で希釈し、およびDCM(3×)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4にて乾燥させ、および減圧下で蒸発させて、対応するシアノ誘導体を、報告されたスペクトルデータと一致するベージュ色の固体(1.67g、7.99mmol、97%)として取得した。メタノール(15mL)中のシアノ-誘導体生成物(270mg、1.3mmol、1当量)の溶液を0℃に冷却した。CoCl(282mg、2.2mmol、1.5当量)を添加し、続いてNaBH4(274mg、7.2mmol、5当量)を少量ずつ加えた。得られる混合物を90分間撹拌し、反応物を水および水酸化アンモニウムでクエンチし、および混合物をクロロホルム(6×)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、および減圧下で蒸発させて暗褐色の油状物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物である調製化合物(preparative compound)(4)を、報告されたスペクトルデータと一致する黄色油状物として取得した(76.5mg、0.40mmol、29%(分離された))。
(2S、4R)-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)-カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシラート(3)。
DMF中の調製化合物(2)(340mg、1.66mmol、1当量)の溶液に、Boc-Hyp-OH(383mg、1.66mmol、1当量)を加え、および溶液を室温で撹拌した。DIPEA(4当量)を滴下して加え、および混合物を室温で5分間撹拌した。HATU(1.1当量)を加え、および混合物を室温でさらに別の30分間撹拌した。水を加え、および混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機相をブライン(×2)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、および減圧下で蒸発させて対応する粗生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー精製により精製して、報告されたスペクトルデータと一致する望ましい調製化合物(3)(658mg、1.58mmol、95%)を取得した。MS(ESI):[M+1]計算値418.2;観察値418.2。
tert-ブチル((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)-ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-カルバマート(4)
(2S,4R)-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)-カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシラートの溶液を上に示す包括的方法論に従って調製し、(340mg、0.81mmol)の1:1のTFA:DCM(8mL)にて室温で30分間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、さらに精製することなく、対応する脱保護中間体(TFA塩)を褐色油状物として取得した(330mg、0.77mmol、98%)。包括的方法Aに従い、脱保護した中間体(330mg、0.77mmol、1当量)およびBoc-L-tert-ロイシン(178mg、0.77mmol、1当量)から、化合物(4)を黄色固体として取得し(400mg、0.75mmol、98%)、これを次のステップのために直接使用した。MS(ESI):[M+1]計算値531.3;観察値531.3。
tert-ブチル-((S)-1-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバマート(5)
化合物(4)(1.2g、2.26mmol)の溶液に対し1:1のTFA:DCM(20mL)において、室温で30分間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、対応する中間体(TFA塩)を得、その一部を次のステップに直接使用した。DMF中の得られた脱保護アミン(TFA塩、419mg、0.77mmol、1当量)の溶液に、Boc-L-フェニルアラニン(204mg、0.77mmol、1当量)を加え、および溶液を室温で撹拌した。DIPEA(4当量)を滴下し、および混合物を室温で5分間撹拌した。HATU(1.1当量)を加え、および混合物を室温でさらに別の30分間撹拌した。水を加え、および混合物を酢酸エチル(×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(×2)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、および減圧下で蒸発させて対応する粗生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー精製により精製して、最終化合物(5)褐色固体とし産生した(492mg、0.73mmol、94%)。
tert-ブチル(2S,4S)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシラート(8)
DCM中の(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)メタンアミン(500mg、2.43mmol、1当量)の溶液に、(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(565mg、2.43mmol、1当量)および1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-(HATU)(827mg、2.68mmol、1.1当量)を添加した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.70ml、9.72mmol、4当量)の添加により反応のpHを>9に調整した後、反応物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を水で洗浄し、および有機相をMgSO4で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、ヘキサン中の10%ないし70%アセトンの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製した。収量:587mg(58%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)1.45(s、9H)、2.14-2.23(m、1H)、2.34-2.39(m、1H)、2.51(s、3H)、3.44-3.53(m、2H)、4.40-4.46(m、4H)、4.58(dd、1H、J(H、H)=7.08Hz、J(H、H)=14.9Hz)、7.32-7.39(m、4H)、7.51-7.54(m、1H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ12.7、28.4、35.9、55.9、57.2、59.7、70.9、81.0、127.8、129.7、131.2、137.7、148.7、150.4、155.9、162.8、173.5;HRMS m/z計算値(calc.)C21H28N3O4S[M+H+]について418.1795、実測値418.1786。
tert-ブチル((S)-1-((2S,4S)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバマート(9)
化合物(8)を以下のようにboc-脱保護して、8*TFAを取得した。8*TFA(604mg、1.40mmol、1当量)および(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタン酸(324mg、1.40mmol、1当量)をDCM(100ml)において溶解した。HATU(798mg、2.10mmol、1.5当量)の添加後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(978μl、5.60mmol、4当量)の添加によりpHを>9に調整し、および反応物を25℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を水で洗浄し、および残った有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。真空中で溶媒を除去した後、ヘキサン中の10%ないし60%アセトンの勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製した。収量:300mg(40%)。1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.90(s、9H)、1.41(s、9H)、2.16-2.23(m、1H)、2.36-2.40(m、1H)、2.52(s、3H)、3.78-3.91(m、2H)、4.18(d、1H、J(H,H)=8.35Hz)、4.29(dd、1H、J(H、H)=5.08Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.48(s、1H)、4.64(dd、1H、J(H,H)=7.08Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.77(d、1H、J(H,H)=8.84Hz)、5.12(d、1H、J(H,H)=8.96Hz)、5.56(s、1H)、7.33-7.39(m、4H)、7.52-7.56(m、1H)、8.69(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ14.3、16.1、22.8、26.4、28.5、32.0、35.1、58.5、58.7、60.0、71.2、80.0、128.3、129.8、131.4、131.7、137.4、148.6、150.6、155.8、172.7、173.0;HRMS m/z計算値C27H39N4O5S[M+H+]について531.2636、実測値531.2660。
Boc-脱保護のための包括的手順:スキーム3でのステップvi、vii
スキーム4は、様々な中間体Boc保護アミン(4)、(5)、(9)、(10)、(11)および(12)の脱保護のための方法を例示し、それらは、式I、式中、X=Nであり、R
1ないしR
5基が特定され、および式中、Yが(i)または(ii)であり得る化合物の調製における使用に適する。誤解を避けるために、式Iの化合物の製造に使用するのに適した、そしてスキーム3での段階(i)ないし(v)に示された方法に従って調製される任意の中間体Boc保護アミンは、脱保護して、以下の手順に従って、式Iの化合物(A-グループ)を提供する。
N-Boc保護化合物をジクロロメタン(10ml/1mmol)に溶解した。トリフルオロ酢酸(10ml/1mmol)を加え、および反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。3回、ジクロロメタン(5ml/1mmol)を添加し、および次いで溶媒を再び真空中で除き残留トリフルオロ酢酸を除去した。
アジド-リンカー基(Az-L)の合成
ここに規定されるように式IIの中間体化合物の調製において使用するのに適する任意のアジド-リンカーは、アジド-リンカー化合物(6)および(7)を適切な出発物質の選定によって調製するためのスキーム5に概要を示した包括的方法に従って調製することができる。
化合物(6)をトリエチレングリコールから出発して合成した。
トリエチレングリコール(120mmol、3当量)を無水THF(80ml)に溶解し、およびトリエチルアミン(80mmol、2当量)を加えた。無水THF(10ml)中の0℃の塩化p-トルエンスルホニル(40mmol、1当量)を45分かけて滴下して加えた。反応混合物を室温まで温め、および一晩撹拌した。次いで、溶媒を真空中で除去し、および粗混合物を、ヘプタン中の30%-90%酢酸エチルの勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
トシラート(20mmol、1当量)をエタノールにおいて溶解し、アジ化ナトリウム(40mmol、2当量)を加え、および反応混合物を加熱して18時間還流させた。室温に冷却した後、溶媒を真空除去し、および残留物を水に溶解した。水相をジクロロメタンで3回抽出した。次いで、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、および次いで溶媒を真空中で除去した。
無水THF(25ml)に溶解したアジド(10mmol、1当量)の溶液に0℃で水素化ナトリウム(20mmol、2当量)を加え、および反応混合物を45分間撹拌した。次いで、無水THF(25ml)中のブロモ酢酸(10mmol、1当量)を添加し、および反応混合物を室温まで温め、および18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を1M塩酸でpH2に酸性化し、および水相をジクロロメタンにより3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、および次いでジクロロメタン中の10%メタノールを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(6)を取得した。
化合物(7)を、化合物(6)について提供される方法に従って、テトラエチレングリコールから出発して合成した。
AをAz-Lにカップリングさせて式IIの中間体アジドを得るための包括的手順:
スキーム1に概説されるように、望ましいリンカー、たとえば、Az-PEG-リンカー(6)または(7)(1.2mmol、1.2当量)のDCM(40ml)1の溶液に、出発アミン、たとえば、調製化合物(10)、(11)または(12)(1mmol、1当量)を加えた。HATU(570mg、1.5mmol、1.5当量)を加え、およびDIPEA(700μl、4mmol、4当量)の添加によりpHを>9に調整した。25℃で4時間撹拌した後、反応混合物を水で抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、および蒸発乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン中の0%-6%メタノールの勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、構造Az-L-Aの望ましい中間体アジドを取得した。
N-Boc保護A基から出発してAをAz-L基にカップリングするための包括的手順
N-boc保護化合物、たとえば、調製化合物(4)または(5)を、ジクロロメタン(10ml/1mmol)に溶解した。トリフルオロ酢酸(10ml/1mmol)を加え、および反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。3回、ジクロロメタン(5ml/1mmol)を添加し、および次いで溶媒を再び真空中で除去して残留トリフルオロ酢酸を除去した。得られるTFAアンモニウム塩(1mmol、1当量)を、DCM(40ml)中のAz-PEG-リンカー(1.2mmol、1.2当量)の溶液に添加した。HATU(570mg、1.5mmol、1.5当量)を加え、およびDIPEA(700μl、4mmol、4当量)の添加によりpHを>9に調整した。25℃で4時間撹拌した後、反応混合物を水で抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、および蒸発乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン中の0%-6%メタノールの勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
ここに詳述されているようにアジド(13)、(14)、(15)、(16)、MZP-59、MZP-12、MZP-9、MZP-20、およびMZP-39は、上記の包括的方法に従って適切な出発アミンまたは保護されたアミンおよび適切なAz-PEGリンカーから調製された。
(2S,4R)-1-((S)-14-アジド-2-(tert-ブチル)-4-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(13)
収量:491mg(76%);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.95(s、9H)、2.09-2.14(m、1H)、2.52(s、3H)、2.58-2.63(m、1H)、2.85(s、1H)、3.37(t、2H、J(H,H)=10.1Hz)、3.60(dd、1H、J(H,H)=3.63Hz、J(H,H)=11.4Hz)、3.64-3.69(m、10H)、3.96-4.05(m、2H)、4.12-4.14(m、1H)、4.34(dd、1H、J(H,H)=5.20Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.46(d、1H、J(H,H)=8.35Hz)、4.53-4.59(m、2H)、4.75(t、1H、J(H,H)=7.88Hz)、7.27(s、1H)、7.33-7.38(m、5H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ16.2、26.6、34.8、35.7、43.5、50.9、56.7、57.4、58.4、70.2、70.3、70.5、70.7、70.8、70.9、71.3、128.4、129.7、131.2、131.7、138.2、148.7、150.4、170.6、170.8、171.8;HRMS m/z計算値C30H44N7O7S[M+H+]について646.3017、実測値646.3023。
(2S,4R)-1-((S)-17-アジド-2-(tert-ブチル)-4-オキソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3-アザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(14)
収量:607 mg(88%);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.95(s、9H)、2.10-2.15(m、1H)、2.51-2.58(m、4H)、2.96(d、1H、J(H,H)=3.00Hz)、3.39-3.41(m、2H)、3.60-3.67(m、15H)、3.97-4.05(m、2H)、4.07-4.09(m、1H)、4.35(dd、1H、J(H,H)=5.33Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.49(d、1H、J(H,H)=8.50Hz)、4.53-4.57(m、2H)、4.73(t、1H、J(H,H)=7.90Hz)、7.15(d、1H、J(H,H)=8.45Hz)、7.30-7.38(m、5H)、8.68(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ16.2、26.5、26.6、35.0、35.9、43.4、50.8、56.8、57.3、58.5、70.2-71.3、128.3、129.7、131.1、131.8、138.3、148.6、150.5、170.7、170.8、171.6;HRMS m/z計算値C32H48N7O8S[M+H+]について690.3280、実測値690.3308。
(2S,4R)-1-((2S,5S)-17-アジド-5-ベンジル-2-(tert-ブチル)-4,7-ジオキソ-9,12,15-トリオキサ-3,6-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(15)
収量642 mg(81 %);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.89(s、9H)、2.12-2.16(m、1H)、2.51-2.56(m、4H)、2.97-3.01(m、2H)、3.09-3.14(m、1H)、3.33-3.37(m、2H)、3.51-3.65(m、12H)、3.89-3.92(m、2H)、3.99-4.01(m、1H)、4.34(dd、1H、J(H,H)=5.18Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.42-4.47(m、1H)、4.50-4.54(m、2H)、4.64-4.70(m、1H)、4.74(t、1H、J(H,H)=7.80Hz)、7.01-7.09(m、1H)、7.15-7.24(m、4H)、7.31-7.37(m、5H)、7.43-7.48(m、1H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ16.2、26.6、35.6、36.5、37.5、43.3、50.7、54.0、56.9、58.0、58.7、70.1-71.1、127.0、128.2、128.7、129.4、129.6、131.0、131.7、136.4、138.2、148.5、150.4、170.6、171.1、171.1、171.3;HRMS m/z計算値C39H52N8O8S[M+H+]について793.3702、実測値793.3707。
(2S,4S)-1-((S)-14-アジド-2-(tert-ブチル)-4-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(16)
収量194mg(30 %);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.93(s、9H)、2.14-2.21(m、1H)、2.35-2.39(s、1H)、2.52(s、3H)、3.36(t、2H、J(H,H)=5.08Hz)、3.63-3.68(m、10H)、3.79-3.82(m、1H)、3.91-3.95(m、1H)、3.95-4.05(m、2H)、4.30(dd、1H、J(H,H)=5.06Hz、J(H,H)=14.90Hz)、4.45-4.50(m、1H)、4.53(d、1H、J(H,H)=9.16Hz)、4.64(dd、1H、J(H,H)=7.08Hz、J(H,H)=14.88Hz)、4.74(d、1H、J(H,H)=8.96Hz)、5.53(d、1H、J(H,H)=9.92Hz)、7.18(d、1H、J(H,H)=9.05Hz)、7.33-7.39(m、4H)、7.50-7.53(m、1H)、8.68(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ16.2、26.4、35.1、35.2、43.7、50.8、56.6、58.8、60.0、70.2-71.3、128.3、129.8、131.4、131.6、137.5、148.7、150.5、169.9、172.0、172.7;HRMS m/z計算値C30H44N7O7S[M+H+]646.3017について、実測値646.3040。
(2S、4R)-1-((S)-2-アセトアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(18)。
1:1のTFA:DCM(5mL)中のリガンド(配位子とも言う)、調製化合物(4)(257mg、0.48mmol)の溶液を室温で30分間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、対応する中間体(TFA塩)を得、これを次のステップに直接使用した。TFA塩(275mg、0.50mmol、1当量)をDCMにおいて溶解し、およびトリエチルアミン(3当量)を溶液に加えた。混合物を室温で10分間攪拌した後、無水酢酸(1.5当量)を添加し、そして反応物を室温で90分間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて対応する粗生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、望ましい化合物(7)を無色油状物として取得した(65.3mg、0.14mmol、27%)。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ8.67(s、1H)、7.35(dd、J=15.0、10.0Hz、4H)、4.71(t、J=10.0Hz、1H)、4.56-4.48(m,3H)、4.33(dd、J=15.0、10.0、1H)、4.07(d、J=10Hz、1H)、3.60(dd、J=10.0,5.0Hz,1H)、2.60(s,2H)、2.50(s,3H)、2.14-2.10(m,1H)、1.98(s、3H)、0.93(s、9H)。13CNMR(CDCl3、125MHz):δ172.1、170.9、170.8、150.4、148.7、138.2、131.8、131.2、129.7、128.3、70.2、58.6、57.7、56.8、45.7、43.2、36.0、35.0、26.5、8.6。HRMS(ESI)m/z:[M+1]計算値C24H33N4O4Sについて:473.2222;観察値473.2211。
(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-59)
収量:411mg(68%);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.95(s、9H)、2.08-2.13(m、1H)、2.52(s、3H)、2.58-2.63(m、1H)、2.89(br、1H)、3.38-3.41(m、2H)、3.61(dd、1H、J(H,H)=3.7、J(H,H)=11.4)、3.66-3.70(m、6H)、4.01(q、2H、J(H,H)=15.5)、4.09-4.12(m、1H)、4.33(dd、1H、J(H,H)=5.2、J(H,H)=14.9)、4.48(d、1H、J(H,H)=8.55)、4.54-4.59(m、2H)、4.75(t、1H、J(H,H)=7.9)、7.24(d、1H、J(H,H)=8.5)、7.33-7.38(m、5H)、8.68(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ16.0、26.5、34.9、35.8、43.4、50.7、56.8、57.3、58.5、67.2、70.2、70.3、70.5、71.2、127.6、128.4、128.6、129.7、130.4、138.4、150.7、170.6、170.7、171.6;HRMS m/z計算値C28H40N7O6S[M+H+]について602.2755、実測値602.2769。
(2S,4R)-1-((S)-14-アジド-2-(tert-ブチル)-4-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-12)
収量:491mg(76 %);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.95(s、9H)、2.09-2.14(m、1H)、2.52(s、3H)、2.58-2.63(m、1H)、2.85(s、1H)、3.37(t、2H、J(H,H)=10.1Hz)、3.60(dd、1H、J(H,H)=3.6Hz、J(H,H)=11.4Hz)、3.64-3.69(m、10H)、3.96-4.05(m、2H)、4.12-4.14(m、1H)、4.34(dd、1H、J(H,H)=5.2Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.46(d、1H、J(H,H)=8.4Hz)、4.53-4.59(m、2H)、4.75(t、1H、J(H,H)=7.9Hz)、7.27(s、1H)、7.33-7.38(m、5H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ16.2、26.6、34.8、35.7、43.5、50.9、56.7、57.4、58.4、70.2、70.3、70.5、70.7、70.8、70.9、71.3、128.4、129.7、131.2、131.7、138.2、148.7、150.4、170.6、170.8、171.8;HRMS m/z計算値C30H44N7O7S[M+H+]について646.3017、実測値646.3023。
(2S、4R)-1-((S)-17-アジド-2-(tert-ブチル)-4-オキソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3-アザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-9)
収量:607mg(88%);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.95(s、9H)、2.10-2.15(m、1H)、2.51-2.58(m、4H)、2.96(d、1H、J(H,H)=3.0Hz)、3.39-3.41(m、2H)、3.60-3.67(m、15H)、3.97-4.05(m、2H)、4.07-4.09(m、1H)、4.35(dd、1H、J(H,H)=5.3Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.49(d、1H、J(H,H)=8.5Hz)、4.53-4.57(m、2H)、4.73(t、1H、J(H,H)=7.9Hz)、7.15(d、1H、J(H,H)=8.5Hz)、7.30-7.38(m、5H)、8.68(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ16.2、26.5、26.6、35.0、35.9、43.4、50.8、56.8、57.3、58.5、70.2-71.3、128.3、129.7、131.1、131.8、138.3、148.6、150.5、170.7、170.8、171.6;HRMS m/z計算値C32H48N7O8S[M+H+]について690.3280、実測値690.3308。
(2S,4R)-1-((2S,5S)-17-アジド-5-ベンジル-2-(tert-ブチル)-4,7-ジオキソ-9,12,15-トリオキサ-3,6-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-20)
収量642 mg(81 %);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.89(s、9H)、2.12-2.16(m、1H)、2.51-2.56(m、4H)、2.97-3.01(m、2H)、3.09-3.14(m、1H)、3.33-3.37(m、2H)、3.51-3.65(m、12H)、3.89-3.92(m、2H)、3.99-4.01(m、1H)、4.34(dd、1H、J(H,H)=5.2Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.42-4.47(m、1H)、4.50-4.54(m、2H)、4.64-4.70(m、1H)、4.74(t、1H、J(H,H)=7.8Hz)、7.01-7.09(m、1H)、7.15-7.24(m、4H)、7.31-7.37(m、5H)、7.43-7.48(m、1H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ16.2、26.6、35.6、36.5、37.5、43.3、50.7、54.0、56.9、58.0、58.7、70.1-71.1、127.0、128.2、128.7、129.4、129.6、131.0、131.7、136.4、138.2、148.5、150.4、170.6、171.1、171.1、171.3;HRMS m/z計算値C39H52N8O8S[M+H+]について793.3702、実測値793.3707。
(2S,4S)-1-((S)-14-アジド-2-(tert-ブチル)-4-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-39)
収量194mg(30 %);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.93(s、9H)、2.14-2.21(m、1H)、2.35-2.39(s、1H)、2.52(s、3H)、3.36(t、2H、J(H,H)=5.1Hz)、3.63-3.68(m、10H)、3.79-3.82(m、1H)、3.91-3.95(m、1H)、3.95-4.05(m、2H)、4.30(dd、1H、J(H,H)=5.1Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.45-4.50(m、1H)、4.53(d、1H、J(H,H)=9.2Hz)、4.64(dd、1H、J(H,H)=7.1Hz、J(H,H)=14.9Hz)、4.74(d、1H、J(H,H)=9.0Hz)、5.53(d、1H、J(H,H)=9.9Hz)、7.18(d、1H、J(H,H)=9.1Hz)、7.33-7.39(m、4H)、7.50-7.53(m、1H)、8.68(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ16.2、26.4、35.1、35.2、43.7、50.8、56.6、58.8、60.0、70.2-71.3、128.3、129.8、131.4、131.6、137.5、148.7、150.5、169.9、172.0、172.7;HRMS m/z計算値C30H44N7O7S[M+H+]について646.3017、実測値646.3040。
(S)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)酢酸(17)
(+)-JQ-1(50mg、109μmol)をギ酸(3ml)に溶解し、25℃で18時間撹拌した。水の添加後、反応混合物をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、および蒸発乾固させて表題化合物を得、これを次の反応ステップに直接使用した。収量42.1mg(96%)。
脱保護された中間体から構造A-L-BのPROTACsを製造するための包括的手順
出発アジド、構造Az-L-Aのもの、たとえば、中間体化合物(13)(40μmol)のようなものを、メタノール(5ml)に溶解した。炭上の触媒量のパラジウム(10重量%)を添加し、および次いで反応混合物を水素ガスの雰囲気下、25℃で約3時間撹拌した。次いで、反応混合物をセリットのプラグを通してろ過し、および得られる溶液を蒸発乾固させて、出発アジドに対応する、望ましい中間体アミンを得、これをさらに精製することなく望ましいB-基に連結した。
中間体アミン、この包括的な例においては、中間体化合物(13)のアミン当量(35μmol、1.4当量)および望ましいB-基、この包括的な例においては適切なB-基には:JQ1(11.4mg、25μmol、1当量)の遊離酸、またはI-BET726(10.9mg、25μmol、1当量)、またはI-BET762(9.92mg、25μmol、1当量)の遊離酸が含まれ、それを次いでDCM(2ml)に溶解した。次いで、HATU(14.3mg、37.5μmol、1.5当量)を添加し、および得られる混合物のpHを、DIPEA(17.5μl、100μmol、4当量)を添加することにより>9に調整した。反応混合物を25℃で18時間撹拌した後、溶媒を真空中で除去した。粗生成物の精製は、望ましいPROTACを与えるために、包括的な情報に記載されたように分取HPLCによって達成された。
誤解を避けるために、そのような中間体アミンは、対応する脱保護されたアジドから、任意の適切な方法によって、および特に、パラジウムでの還元を介して、調製され、得られるアミンは、さらに精製することなく直接利用される。
スキーム2に概説されるように、適切な出発Az-L-A化合物および望ましいB基の使用によって、中間体化合物(13)から出発して、概説される包括的手順に従って、構造A-L-Bの任意のPROTAC化合物を調製することができる。
ここに後に詳述するようにPROTAC化合物MZ1、MZ2、MZ3、MZP-11、MZP-15、MZP-25、MZP-54、MZP-55、MZP-60およびMZP-61は、適切な出発アジドおよびB-基からの上記包括的方法論に従って調製された。
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-17-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[1,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZ1)(MZP-22)
収量:9.51 mg(22 %);1H-NMR(CDCl3、500MHz)・.97(s、9H)、1.66(s、3H)、2.12-2.17(m、1H)、2.39(s、3H)、2.43-2.49(m、1H)、2.51(s、3H)、2.61(s、3H)、3.31-3.35(m、2H)、3.47-3.74(m、13H)、4.11-4.14(m、2H)、4.27-4.33(m、2H)、4.49-4.55(m、2H)、4.65-4.69(m、3H)、4.84(t、1H、J(H,H)=7.9Hz)、7.23-7.25(m、1H)、7.29-7.39(m、9H)、7.91-7.94(m、1H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)・1.9、13.2、14.6、16.2、26.6、35.6、36.4、38.2、39.9、43.3、54.3、56.9、57.3、59.0、70.1-70.9、71.7、128.2、128.9、129.6、130.1、130.9、131.0、131.2、131.8、132.0、136.7、136.8、138.4、148.6、149.9、150.4、156.0、164.0、171.0、171.3、171.4;HRMS m/z計算値C49H61ClN9O8S2[M+H+]について1002.3768、実測値1002.3786。
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-20-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,19-ジオキソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3,18-ジアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZ2)(MZP-21)
収量:10.1 mg(23 %);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.96(s、9H)、1.65(s、3H)、2.12-2.17(m、1H)、2.39(s、3H)、2.44-2.48(m、1H)、2.51(s、3H)、2.62(s、3H)、3.37-3.45(m、2H)、3.53-3.69(m、16H)、4.01(d、1H、J(H,H)=15.7Hz)、4.06-4.09(m、1H)、4.15-4.18(m、1H)、4.33(dd、1H、J(H,H)=5.4Hz、J(H,H)=15.0Hz)、4.41-4.47(m、2H)、4.54(dd、2H、J(H,H)=6.5Hz、J(H,H)=15.1Hz)、4.62-4.67(m、2H)、4.80(t、1H、J(H,H)=8.0Hz)、7.29-7.39(m、9H)、7.44(t、1H、J(H,H)=6.1Hz)、7.56-7.58(m、1H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ11.9、13.2、14.6、16.2、26.6、35.6、36.4、38.2、39.9、43.3、54.3、56.9、57.2、59.0、70.1-70.9、71.7、128.2、128.9、129.6、130.1、130.9、131.0、131.2、131.8、132.0、136.7、136.8、138.4、148.6、149.9、150.4、156.0、164.0、171.0、171.3、171.4;HRMS m/z計算値C51H65ClN9O9S2[M+H+]について1046.4030、実測値1046.4067。
(2S,4R)-1-((2S,5S)-5-ベンジル-2-(tert-ブチル)-20-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,7,19-トリオキソ-9,12,15-トリオキサ-3,6,18-ジアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZ3)(MZP-24)
収量:33.0 mg(58 %);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ0.90(s、9H)、1.64(s、3H)、2.09-2.14(m、1H)、2.39(s、3H)、2.48-2.54(m、4H)、2.64(s、3H)、3.06-3.12(m、1H)、3.14-3.20(m、2H)、3.41-3.69(m、15H)、3.94(q、2H、J(H,H)=16.3Hz)、4.03(d、1H、J(H,H)=11.1Hz)、4.29(dd、1H、J(H,H)=5.4Hz、J(H,H)=15.0Hz)、4.47(s、1H)、4.52(dd、1H、J(H,H)=6.5Hz、J(H,H)=15.0Hz)、4.60(d、1H、J(H,H)=9.1Hz)、4.62-4.66(m、1H)、4.70(t、1H、J(H,H)=7.0Hz)、4.75(t、1H、J(H,H)=7.7Hz)、6.99(d、1H、J(H,H)=8.8Hz)、7.15-7.24(m、7H)、7.31-7.36(m、7H)、7.66(d、1H、J(H,H)=8.0Hz)、7.82-7.84(m、1H)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、126MHz)δ11.9、13.2、14.5、16.2、17.5、18.8、26.5、35.8、36.3、36.8、38.3、39.6、42.0、43.3、53.8、54.2、54.7、57.2、57.7、58.9、69.9-70.8、126.8、128.2、128.6、128.8、129.4、129.5、130.0、130.8、131.1、131.2、131.8、132.0、136.9、137.0、138.3、148.5、150.0、150.4、155.9、170.8、170.9、171.0、171.3、171.4;HRMS m/z計算値C58H70ClN10O9S2[M+H+]について1149.4452、実測値1149.4473。
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-14-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[1,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,13-ジオキソ-6,9-ジオキサ-3,12-ジアザテトラデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-60)
収量:22.2mg(66%);1H-NMR(CDCl3、500MHz)δ1.09(s、9H)、1.66(s、3H)、2.20-2.26(m、1H)、2.35-2.40(m、4H)、2.45(s、3H)、2.55(s、3H)、3.09-3.13(m、1H)、3.44(dd、1H、J(H,H)=3.0、J(H,H)=15.9)、3.54-3.61(m、8H)、3.81-4.07(m、6H)、4.21(d、2H、J(H,H)=5.8)、4.57-4.63(m、2H)、4.86-4.94(m、2H)、7.02(d、2H、J(H,H)=8.0)、7.11(d、2H、J(H,H)=8.0)、7.24(d、1H、J(H,H)=8.3)、7.36(d、2H、J(H,H)=8.4)、7.64(d、1H、J(H,H)=10.0)、8.24-8.30(m、2H)、8.65(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ11.8、13.3、14.5、16.2、26.6、36.3、37.2、38.3、39.7、42.7、53.9、56.5、57.5、59.3、69.8、70.3、70.4、71.5、127.7、128.8、129.0、130.1、130.2、131.2、131.3、131.4、131.6、131.9、136.7、136.9、138.5、148.4、149.9、150.2、156.2、163.3、170.4、170.6、171.1、172.1;HRMS m/z計算値C47H57ClN9O7S2[M+H+]について958.3505、実測値958.3498。
(2S,4R)-1-((S)-1-(4-((2S,4R)-1-アセチル-4-((4-クロロフェニル)アミノ)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)フェニル)-15-(tert-ブチル)-1,13-ジオキソ-5,8,11-トリオキサ-2,14-ジアザヘキサデカン-16-オイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-54)
収量:17.1mg(71%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.93(s、9H)、1.18(s、1H、J(H,H)=6.3)、2.01-2.08(m、3H)、2.22(s、3H)、2.37-2.43(m、1H)、2.50(s、3H)、2.64-2.70(m、1H)、3.21(s、1H)、3.53-3.65(m、14H)、3.73-3.77(m、1H)、3.86-3.94(m、2H)、4.18-4.33(m、3H)、4.42-4.62(m、4H)、4.88-4.89(m、1H)、6.64(d、2H、J(H,H)=8.7)、7.13(d、2H、J(H,H)=8.7)、7.20-7.23(m、2H)、7.30-7.35(m、6H)、7.50-7.51(m、4H)、7.80(d、2H、J(H,H)=8.2)、8.66(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ16.2、21.5、23.2、26.5、35.5、36.3、40.1、41.1、43.3、47.7、50.3、56.9、57.0、58.7、69.7、70.1、70.3、70.4、70.5、71.1、114.7、122.7、122.9、126.0、126.6、127.0、127.9、128.2、129.4、129.6、131.1、133.6、136.4、137.8、138.3、143.3、145.9、150.4、167.5、169.6、170.3、171.0、171.2;HRMS m/z計算値C55H67ClN7O9S[M+H+]について1036.4404、実測値1036.4356。
(2S,4R)-1-((S)-1-(4-((2S,4R)-1-アセチル-4-((4-クロロフェニル)アミノ)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)フェニル)-18-(tert-ブチル)-1,16-ジオキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-2,17-ジアザノナデカン-19-オイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-55)
収量:14.6mg(58%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.93(s、9H)、1.18(d、1H、J(H,H)=6.3)、2.06-2.10(m、3H)、2.22(s、3H)、2.44-2.50(m、4H)、2.63-2.69(m、1H)、3.45(s、1H)、3.56-3.63(m、18H)、3.81-4.00(m、3H)、4.16-4.24(m、2H)、4.30-4.35(m、1H)、4.46-4.56(m、3H)、4.69(m、1H、J(H,H)=7.84)、4.84-4.92(m、1H)、6.62(d、2H、J(H,H)=8.6)、7.13(d、3H、J(H,H)=8.6)、7.22-7.27(m、溶媒ピーク下、2H)、7.31-7.37(m、5H)、7.50-7.53(m、4H)、7.83(d、2H、J(H,H)=8.2)、8.66(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ16.2、21.5、23.2、26.5、35.4、36.2、40.0、41.2、43.3、47.6、50.4、56.9、57.1、58.7、69.9、70.3、70.7、71.1、114.6、122.7、126.0、126.6、127.1、127.9、128.2、129.4、129.6、131.0、133.5、136.4、137.9、138.3、143.3、145.9、150.5、167.4、169.6、170.4、171.0、171.3;HRMS m/z計算値C57H71ClN7O10S[M+H+]について1080.4666、実測値1080.4623。
(2S,4R)-1-((S)-1-(4-((2S,4R)-1-アセチル-4-((4-クロロフェニル)アミノ)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)フェニル)-12-(tert-ブチル)-1,10-ジオキソ-5,8-ジオキサ-2,11-ジアザトリデカン-13-オイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-61)
収量:14.5mg(42%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.95(s、9H)、1.19(d、3H、J(H,H)=6.3)、1.25-1.36(m、1H)、1.80(br、2H)、1.93-1.99(m、1H)、2.24(s、3H)、2.32-2.38(m、1H)、2.50(s、3H)、2.64-2.70(m、1H)、3.13-3.23(br、1H)、3.48-3.81(m、11H)、3.90-74.07(m、3H)、4.15-4.22(m、2H)、4.37-4.53(m、4H)、4.88-4.91(m、1H)、6.58-6.62(m、3H)、7.13(d、2H、J(H,H)=8.60)、7.21-7.23(m、2H)、7.31-7.33(m、2H)、7.51-7.60(m、5H)、7.78-7.79(m、1H)、7.91(d、2H、J(H,H)=8.12)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ16.2、21.5、23.2、26.5、36.1、36.3、40.0、41.3、43.4、50.6、57.0、57.2、58.9、70.2、70.7、70.8、71.0、71.8、114.6、122.6、123.0、126.1、126.7、127.0、128.2、128.4、129.5、129.6、131.2、131.7、133.5、136.5、137.9、143.5、145.9、148.6、150.5、167.7、169.6、170.8、170.9、171.3;HRMS m/z計算値C53H63ClN7O8S[M+H+]について992.4142、実測値992.4091。
MZP-15 MZP-11およびMZP-25はジアステレオ異性体混合物である。したがって、NMRスペクトルは非常に複雑であり、および解釈が困難である。
(2S,4R)-1-((2S)-2-(tert-ブチル)-17-(6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)-4,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-15)
収量:16.5mg(47%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.98-0.99(m、9H)、2.20-2.28(m、2H)、2.35-2.46(m、2H)、2.49-2.50(m、3H)、2.55-2.57(m、3H)、3.25-3.74(m、20H)、3.78(s、3H)、4.06-4.22(m、3H)、4.29-4.41(m、2H)、4.49-4.58(m、2H)、4.63-4.71(m、2H)、4.81-4.87(m、1H)、6.84-6.85(m、1H)、7.16-7.20(m、1H)、7.28-7.40(m、7H)、7.45-7.52(m、2H)、8.02-8.11(m、1H)、8.28-8.31(m、1H)、8.62-8.63(m、1H)、8.70(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ12.0、12.1、16.0、26.6、35.6、35.8、36.7、36.9、38.0、38.1、39.9、40.0、43.2、53.5、53.6、53.7、56.0、56.9、57.3、57.5、59.1、59.2、70.2、70.4、70.5、70.6、70.8、70.9、71.2、71.7、116.0、118.2、120.3、125.0、126.2、128.1、128.2、128.6、128.7、129.2、129.5、130.4、130.5、130.6、131.1、135.5、137.0、137.1、137.2、138.6、138.7、148.3、150.3、150.6、156.7、158.3、166.4、166.6、170.7、170.9、171.0、171.1、171.3、171.5、171.7;HRMS m/z計算値C50H61ClN9O9S[M+H+]について998.3996、実測値998.3996。
(2S,4R)-1-((2S)-2-(tert-ブチル)-20-(6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)-4,19-ジオキソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3,18-ジアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-11)
収量:6.40mg(18%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.97(s、9H)、2.14-2.20(m、1H)、2.32-2.40(m、1H)、2.50(s、3H)、2.56(s、3H)、3.31-3.47(m、4H)、3.51-3.71(m、18H)、3.77-3.78(m、3H)、3.98-4.17(m、3H)、4.31-4.40(m、1H)、4.50-4.56(m、2H)、4.61-4.68(m、2H)、4.75-4.80(m、2H)、6.83-6.84(m、1H)、7.16-7.19(m、1H)、7.30-7.42(m、8H)、7.45-7.48(m、2H)、7.53-7.57(m、1H)、7.72-7.74(m、1H)、7.80-7.83(m、1H)、8.66(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ12.2、16.2、26.5、35.7、36.6、36.7、38.4、39.5、43.2、53.7、56.0、56.9、57.0、57.2、59.0、70.1、70.4、70.5、70.7、70.8、71.0、71.2、116.0、118.1、124.9、126.4、128.2、128.6、129.5、130.3、130.8、131.0、131.8、137.0、137.1、137.2、138.5、138.6、148.5、150.4、150.6、156.6、158.2、166.5、170.5、170.6、170.7、170.8、171.1、171.2、171.4、171.5;HRMS m/z計算値C52H65ClN9O10S[M+H+]について1042.4258、実測値1042.4251。
(2S,4R)-1-((2S,5S)-5-ベンジル-2-(tert-ブチル)-20-(6-(4-クロロフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-4H-ベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-4-イル)-4,7,19-トリオキソ-9,12,15-トリオキサ-3,6,18-トリアザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(MZP-25)
収量:21.2mg(53%);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.89-0.91(m、9H)、1.43-1.45(m、1H)、1.52-1.57(m、1H)、2.16-2.21(m、1H)、2.42-2.56(m、7H)、3.07-3.19(m、2H)、3.36-3.69(m、16H)、3.78-3.79(m、3H)、3.88-4.07(m、3H)、4.29-4.38(m、1H)、4.47-4.53(m、2H)、4.58-4.78(m、4H)、5.26-5.30(m、1H)、6.82-6.86(m、1H)、7.14-7.22(m、7H)、7.30-7.36(m、6H)、7.40-7.53(m、3H)、7.68-7.70(m、1H)、7.88-7.95(m、1H)、8.66(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ12.2、16.2、26.5、35.8、35.9、36.2、36.8、37.1、38.3、39.7、43.3、53.7、54.8、55.3、56.0、57.2、57.7、57.8、58.9、59.0、69.9、70.0、70.2、70.3、70.6、70.8、116.0、118.1、124.9、126.3、126.9、128.3、128.6、128.7、129.4、129.6、130.4、130.9、131.0、137.0、137.1、138.4、148.6、150.4、150.6、156.7、156.8、158.2、158.3、166.4、170.8、170.9、171.0、171.3、171.5;HRMS m/z計算値C59H70ClN10O10S[M+H+]について1145.4680、実測値1145.4647。
(2S,4S)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-17-((S)-4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-4,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザヘプタデカノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(シスMZ1)(MZP-42)
収量:19.7mg(37 %);1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ0.99(s、9H)、1.65(s、3H)、2.18-2.21(m、2H)、2.38(s、3H)、2.49(s、3H)、2.60(s、3H)、3.35-3.69(m、14H)、3.85-3.88(m、1H)、3.93-3.96(m、1H)、4.08(q、2H、J(H,H)=15.5Hz)、4.25(dd、1H、J(H,H)=5.2Hz、J(H,H)=15.1Hz)、4.40-4.44(m、1H)、4.53-4.64(m、3H)、4.80-4.83(m、1H)、5.75(d、1H、J(H,H)=10.3Hz)、7.24(d、1H、J(H,H)=9.7Hz)、7.27-7.39(m、8H)、7.43(t、1H、J(H,H)=5.4Hz)、8.08(t、1H、J(H,H)=6.2Hz)、8.67(s、1H);13C-NMR(CDCl3、101MHz)δ11.9、13.2、14.5、16.2、26.5、35.2、35.8、38.7、39.7、43.4、54.4、56.6、58.6、60.0、70.1-71.3、128.0、128.8、129.5、130.0、130.9、131.1、131.7、132.1、136.7、136.8、137.8、148.5、149.9、150.4、155.8、163.8、170.2、170.8、171.4、173.3;HRMS m/z計算値C49H61ClN9O8S2[M+H+]について1002.3768、実測値1002.3791。