JP6810251B2 - フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物、フレキソ印刷原版、フレキソ印刷版、及び、共重合体 - Google Patents
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Description
フレキソ印刷においては、旧来より印刷版としてネガフィルムを使用して製版する方法と、コンピューター上で処理された情報を印刷版状に直接描画してレリーフを作製するコンピューター製版技術(以下、CTP技術)を使用した方法とがあり、近年ではCTP技術を使用した方法が主流になりつつある。
一方、CTP技術を使用する場合は、感光層の上に赤外線アブレーション層を積層し、この赤外線アブレーション層に直接レーザー等で描画後、感光層に紫外線を照射し、未硬化部分を除去することでレリーフ像を形成する。
最近では、この未硬化部分の除去を、水を主成分とする現像液によって行う(水現像する)ことによりレリーフ像を形成することがある。
このような感光層に用いる感光性樹脂組成物は、必要とする画像を忠実に得るために、組成物中の各成分が細かく均一に分散していることが好ましく、また、製版時間の短縮のために、その感光性樹脂組成物を用いたフレキソ印刷原版は、現像速度が速いことが好ましい。さらに、製版後は水性インキの使用に耐え、付着したインキを水で洗い落とす必要があることから、感光性樹脂組成物は、硬化後の水膨潤率が低いことが好ましく、また、その感光性樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版は、当然耐刷性は高いことが求められる。
また、特許文献2には、さらに親水性光重合性モノマーを含有し、ラテックスが親水性光重合性モノマー中に分散した分散相を形成している感光性樹脂組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、水分散ラテックスが不飽和二重結合を含有する反応性乳化剤を用いた乳化重合により合成され、内部架橋したものである感光性樹脂組成物が開示されている。
当該樹脂組成物を用いた場合、現像速度は改善されるが、親水性成分が、疎水性成分の外部に配置されているため、外部からの吸湿性が高くなるという問題を有している。これを用いた印刷版は、インキ付着後の耐刷性が低下したりする問題がある。
一方、特許文献3に記載の水系現像可能な感光性樹脂組成物は、印刷版の耐刷性は高いものの、水系現像液に対する現像性に優れないという問題がある。
また、フレキソ印刷用の印刷版を作製する際に、水系現像液を用いるため、耐水性も求められる。
[1]
少なくとも、
親水性共重合体(A)、
熱可塑性エラストマー(B)、
光重合性モノマー(C)、
光重合開始剤(D)、
可塑剤(E)、及び、
酸性基を有する重合体(F)
を含有するフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物であって、
前記酸性基を有する重合体(F)が、酸価10〜400mgKOH/gの酸性基を有す
る重合体であり、前記酸性基を有する重合体(F)をフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物
中に1〜50質量%含有し、
中和滴定で測定される前記フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の酸価が、1〜100m
gKOH/gである、フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[2]
前記感光性樹脂組成物を硬化物としたとき、前記硬化物の断面観察において、
前記親水性共重合体(A)が存在する領域の面積をA、NanoIRによって観察され
る酸成分が存在する領域の面積をBとし、AとBとが一致する面積をCとしたとき、C/
Aが80〜98%となる、[1]に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[3]
前記酸性基を有する重合体(F)のSP値が、9.0以上16.0以下である、[1]
又は[2]に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[4]
前記酸性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、硫酸基、リン酸基、
ホスホン酸基、ホスフィン酸基、及びフェノール基からなる群から選ばれる少なくとも1
種である、[1]〜[3]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[5]
前記酸性基を有する重合体(F)が、重量平均分子量1000以上のポリ(メタ)アク
リル骨格を有するポリマーである、[1]〜[4]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[6]
2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合基を含有する架橋性重合体(G)
をさらに含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[7]
前記架橋性重合体(G)が、数平均分子量1,000以上300,000未満であり、
ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格、水素化ポリブタジエン骨格、ポリ(メタ)ア
クリレート骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有する重合体であり、
前記エチレン性不飽和結合基が、(メタ)アクリレートである、[6]に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[8]
前記架橋性重合体(G)が、酸価1〜400mgKOH/gである、[6]又は[7]
に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[9]
前記架橋性重合体(G)に対する前記親水性共重合体(A)の重量比率が、1%以上3
0%未満である、[6]〜[8]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[10]
前記架橋性重合体(G)が、酸価1〜400mgKOH/gの酸構造を含む、[6]〜[9]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[11]
前記感光性樹脂組成物を硬化物としたとき、前記硬化物の断面観察において、
前記親水性共重合体(A)を含む相のうち、相面積が3μm2以上100μm2未満で
ある相が占める割合が、20面積%以上である、[1]〜[10]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[12]
前記親水性共重合体(A)を構成する単量体単位の総量100質量部に対して、
前記エラストマー(B)の含有量が、50質量部以上400質量部以下であり、
前記光重合性モノマー(C)の含有量が、10質量部以上200質量部以下であり、
前記光重合開始剤(D)の含有量が、0.1質量部以上50質量部以下であり、
前記可塑剤(E)の含有量が、1.0質量部以上400質量部以下であり、
前記酸性基を有する重合体(F)の含有量が、5質量部以上800質量部以下である、[1]〜[11]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[13]
前記親水性共重合体(A)が、該親水性共重合体(A)を構成する単量体単位の総量1
00質量部に対して、3.0質量部以上25質量部以下のカルボキシル基を有する不飽和
単量体単位、20質量部以上60質量部以下の共役ジエン系単量体単位、10質量部以上
30質量部以下の芳香族ビニル化合物単位、及び25質量部以上45質量部以下のアルキ
ル(メタ)アクリレート単位、を含有する、[1]〜[12]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[14]
前記親水性共重合体(A)のゲル分率が、80%以上99%以下であり、
前記親水性共重合体(A)のトルエン膨潤度が、3.0以上15以下である、[1]〜
[13]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[15]
前記親水性共重合体(A)のフィルム吸水率が、30%以上である、[1]〜[14]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[16]
前記親水性共重合体(A)が、不飽和二重結合を含む反応性乳化剤に由来する単位を含
む、内部架橋した重合体粒子である、[1]〜[15]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[17]
以下の工程1〜3をこの順に含む、[1]〜[16]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の製造方法:
工程1;親水性共重合体(A)含有水分散液に、酸性基を有する重合体(F)及び/又は
架橋性重合体(G)、並びに可塑剤(E)、を添加する工程、
工程2;工程1で得られた、前記親水性共重合体(A)含有水分散液から水を除去し、親
水性共重合体(A)を含む混合物を得る工程、
工程3;工程2で得られた、前記混合物に、エラストマー(B)、重合性不飽和単量体(
C)、光重合開始剤(D)、及び可塑剤(E)を添加して、混練する工程。
[18]
支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有し、
前記感光性樹脂層は、[1]〜[16]のいずれかに記載されたフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物を含む、フレキソ印刷原版。
[19]
[18]に記載のフレキソ印刷原版から作製されたフレキソ印刷版であって、
10%IPA溶液で24時間浸漬後において、べた部のテーパー摩耗試験器による10
00回の耐摩耗試験での摩耗量が、10mg/cm2以下であり、かつ、
菱形パターンのテーパー摩耗試験器による2000回の耐摩耗試験での摩耗量が、20
mg以下である、フレキソ印刷版。
本実施形態のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物は、水系現像液によるフレキソ印刷版の感光性樹脂組成物層に好適に用いることができる。
本実施形態において、「親水性共重合体(A)」とは、少なくとも親水性のカルボキシル基を有する不飽和単量体、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル化合物、及びアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位(単量体単位)を含有する、内部架橋した重合体粒子を意味する。
カルボキシル基を有する不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、一塩基酸単量体、及び二塩基酸単量体等が挙げられる。より具体的には一塩基酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、桂皮酸、及びこれらの一塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。二塩基酸単量体としては、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、及びこれらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。本実施形態において、カルボキシル基を有する不飽和単量体は少なくとも1種類を使用すればよく、複数種類のカルボキシル基を有する不飽和単量体を同時に用いてもよい。
共役ジエン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等が挙げられる。本実施形態において、共役ジエン系単量体は少なくとも1種類を使用すればよく、複数種類の共役ジエン系単量体を同時に用いてもよい。これらのうちでは、入手性の点で、ブタジエンが好ましい。
また、共役ジエン単量体の含有量は、親水性共重合体(A)が含有する単量体単位の総量100質量部に対して、好ましくは20質量部以上80質量部以下であり、より好ましくは20質量部以上70質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以上60質量部以下であり、よりさらに好ましくは30質量部以上60質量部以下である。80質量部以下であることにより、良好な耐刷性を持つ版が得られ、20質量部以上であることにより、耐水性や耐刷性の低下を抑制することができる。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、及びアルキルスチレン等が挙げられる。本実施形態において、芳香族ビニル化合物は少なくとも1種類を使用すればよく、複数種類の芳香族ビニル化合物を同時に用いてもよい。これらのうちでは、スチレン、及びα−メチルスチレンが好ましい。
「アルキル(メタ)アクリレート」とは、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレートの総称を意味する。アルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。本実施形態において、アルキル(メタ)アクリレートは少なくとも1種類を使用すればよく、複数種類のアルキル(メタ)アクリレートを同時に用いてもよい。これらのうちでは、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレートのガラス転移温度が−30℃以下のアルキルアクリレートが好ましい。
親水性共重合体(A)において、上記カルボキシル基を有する不飽和単量体、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル化合物、及びアルキル(メタ)アクリレート以外に使用できる不飽和単量体(以下、「その他の不飽和単量体」ともいう。)としては、特に限定されないが、例えば、多官能ビニル化合物、水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン化ビニル類、アミノ基を有す塩基性単量体、ビニル含有含窒素複素環単量体、オレフィン、ケイ素含有α、β―エチレン性不飽和単量体、アリル化合物等が挙げられる。
親水性共重合体(A)を構成する、カルボキシル基を有する不飽和単量体、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル化合物、及び、アルキル(メタ)アクリレート、並びに、任意で含まれていてもよい、その他の不飽和単量体の含有量は、合計で100質量部となることが好ましい。
「多官能ビニル化合物」とは、1分子中にビニル結合を2個以上有する単量体(但し、共役ジエン単量体は除く)であり、芳香族多官能ビニル化合物や多官能(メタ)アルキルアクリレート等が挙げられる。
乳化重合に使用される乳化剤(界面活性剤)は、耐水性や耐刷性の点で、反応性乳化剤が好ましい。
上記反応性乳化剤は、不飽和二重結合を含む反応性乳化剤であることが好ましい。不飽和二重結合は、ラジカル重合することができる。乳化重合に不飽和二重結合を含む反応性乳化剤が使用される場合、本実施形態における親水性共重合体(A)は、不飽和二重結合を含む反応性乳化剤に由来する単位を含む、内部架橋した重合体粒子となる。
本実施形態において用いることのできる反応性乳化剤は、より好ましくは、分子構造中にラジカル重合性の二重結合、親水性官能基及び疎水性基をそれぞれ有し、且つ一般の乳化剤と同様に、乳化、分散、及び湿潤機能を持つもので、親水性共重合体を乳化重合するときに、反応性乳化剤を除いた不飽和単量体100質量部に対して、単独で0.1質量部以上用いることで粒径が5〜500nmの重合物が合成できる乳化(界面活性)剤である。分子構造中のラジカル重合性の二重結合の構造例としてはビニル基、アクリロイル基、或いはメタアクリロイル基等が挙げられる。分子構造中の親水性官能基の例としては硫酸基、硝酸基、燐酸基、ホウ酸基、カルボキシル基等のアニオン性基、又はアミノ基等のカチオン性基、又はポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン鎖構造等や水酸基等が挙げられる。分子構造中の疎水性基としてはアルキル基、フェニル基等が挙げられる。この反応性乳化剤はその構造に含まれる親水性官能基の構造の種類によりアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤等を含む。また、それらは分子構造中のラジカル重合性の二重結合、親水性官能基及び疎水性基は複数の種類の構造、官能基を有することも可能である。
本実施形態において、親水性共重合体(A)を乳化重合で合成する場合には、必要に応じて、非反応性乳化剤を用いることもできる。ここで、必要に応じて用いられる非反応性乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、スルホン酸塩、サルフェート、リン酸エステル、ポリリン酸エステル、サリコジン酸アシル、等のアニオン界面活性剤;ニトリル化油脂誘導体、油脂誘導体、脂肪酸誘導体、α−オレフィン誘導体等のカチオン界面活性剤;アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、プロポキシレート、脂肪族アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン界面活性剤が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、親水性共重合体(A)の重合には、既知の連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、硫黄元素を含む連鎖移動剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルカンチオール;メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等のチオアルキルアルコール;チオグリコール酸、チオプロピオン酸等のチオアルキルカルボン酸;チオグリコール酸オクチルエステル、チオプロピオン酸オクチルエステル等のチオカルボン酸アルキルエステル;ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィドが挙げられる。その他に、連鎖移動剤の例としては、ターピノーレン、ジペンテン、t−テルピネン及び四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの中で、アルカンチオールは連鎖移動速度が大きく、また得られる重合物の物性バランスが良いので好ましい。
本実施形態において、親水性共重合体(A)の重合には、必要に応じて重合反応抑制剤を用いることができる。「重合反応抑制剤」とは、乳化重合系に添加することにより、ラジカル重合速度を低下させる化合物を意味する。より具体的には、重合速度遅延剤、重合禁止剤、ラジカル再開始反応性が低い連鎖移動剤、及びラジカル再開始反応性が低い単量体である。重合反応抑制剤は、一般に、重合反応速度の調整及び乳化重合物の物性の調整に用いられる。これらの重合反応抑制剤は回分操作或いは連続操作で反応系に添加される。重合反応抑制剤を用いた場合、共重合体被膜の強度が向上し、耐刷性が向上する。反応メカニズムの詳細は不明であるが、重合反応抑制剤はポリマーの立体構造に密接に関与していると思われ、このことにより共重合体被膜の物性の調整に効果があるものと推定している。
ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤及び有機系開始剤のいずれも使用できる。このようなものとしては、特に限定されないが、例えば、水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられ、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイド等があり、また他に、POLYMER HANDBOOK (3rd edition)、J.Brandrup及びE.H.Immergut著、John Willy&Sons刊(1989)に記載されている化合物が挙げられる。
親水性共重合体(A)のゲル分率は、80%以上99%以下であることが好ましい。より好ましくは85%以上99%以下であり、さらに好ましくは90%以上99%以下である。ゲル分率が80%以上99%以下の範囲であると、印刷時の耐刷性が良好である傾向にある。
親水性共重合体(A)のトルエン膨潤度は、3.0以上15以下であることが好ましい。より好ましくは3.5以上14以下であり、さらに好ましくは3.5以上13以下である。3.5以以上であることにより良好な耐刷性が得られ、15以下であることにより露光後の良好な現像性が得られる傾向にある。
ゲル分率(%)=Y(g)/0.5(g)×100
トルエン膨潤度=X(g)/Y(g)
親水性共重合体(A)のフィルム吸水率は30%以上であることが好ましい。より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。フィルム吸水率が30%以上であることにより、露光時の良好な現像性が得られる傾向にある。
フィルム吸水率(%)=(W−V)(g)/V(g)×100
本実施形態における熱可塑性エラストマー(B)とは、常温(25℃)においてゴム弾性を示すエラストマーであり、例えば、熱可塑性ブロック共重合体、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル−ブタジエン、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。中でも熱可塑性ブロック共重合体が好ましい。本明細書において、熱可塑性エラストマー(B)を単にエラストマー(B)ともいう。
上記モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。また、共役ジエンモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
熱可塑性ブロック共重合体としては、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(例えば、D−KX405(クレイトン製)等)や、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。ここで、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン共重合体中には、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−イソプレン共重合体等のジブロック体が混ざっていてもよい。また、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン共重合体中のブタジエン部やイソプレン部に、スチレンとブタジエンあるいはイソプレンとがランダム共重合されたものでもよい。
ここでエラストマー(B)中におけるモノビニル置換芳香族炭化水素単位の含有量は、低すぎる場合には感光性樹脂組成物のコールドフローを引き起こして良好な厚み精度が得られず、また、高すぎる場合はフレキソ印刷版の硬度が高くなりすぎて良好な印刷品質が得られないため、8〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
なお、モノビニル置換芳香族炭化水素単位及び共役ジエン単位の平均含有量や、エラストマー(B)の共役ジエンセグメント中のビニル結合単位の平均比率は、IRスペクトルやNMRで求めることができる。
エラストマー(B)の含有量が50質量部未満であると、耐刷性の低下や、極性のあるインキの膨潤率が増加する傾向にある。また、エラストマー(B)の含有量が400質量部超過であると、水系現像液に対する現像性が低下する傾向にある。
エラストマー(B)の質量部と、親水性共重合体(A)の質量部との比(エラストマー(B)の質量部/親水性共重合体(A)の質量部)は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.9以下であり、さらに好ましくは0.8以下である。
本実施形態における重合性不飽和単量体(C)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸及びマレイン酸等のカルボン酸のエステル類;アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体;アリルエステル;スチレン及びその誘導体;並びに、N置換マレイミド化合物;等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態における(D)の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチロールベンゾイン、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェイニルエーテル、α−t−ブチルベンゾイン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、2,2−ジエチキシフェニルアセトフェノン、ベンジル、ピバロイン、アンスラキノン、ベンズアンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−クロルアンスラキノン等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明形態において使用される可塑剤(E)としては、特に限定されないが、例えば、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油;液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体等、液状のジエンを主体とする共役ジエンゴム;数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステル;親水性共重合体等が挙げられる。
本発明形態において使用される酸性基を有する重合体(F)としては、当該重合体の酸価が10〜400mgKOH/gであることが好ましい。
酸性基の構造としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、フェノール基等が挙げられる。これらの基の中ではカルボキシル基が好ましい。また、酸性基の構造における、アルカリ金属、NH3等によって酸が中和される際に生成する中和塩の比率は、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。中和塩の比率が30%以下であることにより、耐水性を高く保つことができる傾向にある。
酸性基を有しないビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリジン等の芳香族モノビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチレ(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等を用いることができる。また、重合速度及び重合中の安定性等の観点から、許容されうる範囲内においてブタジエン、イソプレン等の共役二重結合化合物や酢酸ビニル等のビニルエステル類や4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン類も非酸性ビニルモノマーとして使用することができる。これらの酸性基を有しないビニルモノマーは単独で使用してもよく、二種以上を組み合せ使用してもよい。
さらに、酸性基を有する重合体(F)は、酸性基を有していれば、さらにアクリロニトリルに由来する単位等のその他繰り返し単位を含有していてもよい。
上記共役ジエン化合物の具体例としては、例えば、ブタジエンやイソプレン等が挙げられる。
上記ポリマーにおいて、酸性基は、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位中に含まれていてもよいし、これとは異なる繰り返し単位中に含まれていてもよい。すなわち、上記ポリマーは、例えば、共役ジエン化合物を重合した後に、得られた重合体を酸変性することによって製造してもよく、酸性基を有するモノマーと共役ジエン化合物とを共重合することによって製造してもよい。酸性基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ビニルスルホン酸、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、芳香族スルホン酸等が挙げられる。
さらに、上記ポリマーは、共役ジエンに由来する繰り返し単位を有し、かつ、少なくとも一種類の繰り返し単位中にカルボキシル基を有していれば、さらにアクリロニトリルに由来する単位等のその他の繰り返し単位を含有していてもよい。
酸性基を有する重合体(F)中の酸構造はカルボキシル基、スルホン基、フォスフェート基等が好ましく、より好ましくはカルボキシ基を有する重合体である。酸性基を有する重合体(F)は1種類の酸性基で構成されていてもよく、2種類以上の酸性基で構成又は酸性基を有する複数の重合体を混合させてもよい。
酸性基を有する重合体(F)は、重量平均分子量1000以上のポリ(メタ)アクリル骨格を有するポリマーであることが好ましい。
本実施形態におけるフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物は、主に、親水性共重合体(A)を含む相とエラストマー(B)を含む相からなる海島構造となり、現像は親水性共重合体(A)を含む相が開始点となって始まると考えられる。組成物にカルボン酸変性アクリルポリマーが含まれることによって、親水性共重合体(A)を容易に分散させることができ、樹脂組成物中において親水性共重合体(A)を含む相の親水性度が高くなり、これによって現像性が高まると推定される。しかしながら、本実施形態はこの推定によって限定されない。
また、酸性基を有する親水性重合体(F)は、合成することによって調製することもでき、例えば、東亜合成研究年報、TREND,1999,第2号,20〜26を参照して調製することができる。具体的には、可塑剤(E)は、アクリル酸と、過硫酸ナトリウム等の重合開始剤と、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤とを、反応させることによって、合成することができる。反応温度、重合開始剤及び連鎖移動剤の添加量を適宜調整することによって、酸価を制御することができる。
SP値が9.0以上であることにより、現像時間が短縮できる傾向にある。SP値が16.0以下であることにより、透明性が高くなる傾向にある。
SP値とは、溶解性パラメーターを意味し、重合体の分子を構成する各官能基の分子引力定数法によって計算することできる。
SP値は、重合体の官能基量(カルボン酸)によって調整できる。
本実施形態における架橋性重合体(G)とは、光照射により重合及び架橋し、印刷原版に形状維持及び物性保持のための緻密なネットワークを形成する役割を有する。本実施形態における架橋性重合体(G)は、2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合基を含有する。
本実施形態で使用する架橋性重合体(G)としては、光重合性オリゴマーを使用することが好ましい。光重合性オリゴマーの架橋性重合体を使用した場合、親水性共重合体(A)及び(B)エラストマーとも相溶し、緻密な架橋状態(網目)になり、耐刷性が向上する。
架橋性重合体(G)が(A)成分と同じ骨格構造をもつことで、相溶性が向上し反発弾性等の向上がみられる。
架橋性重合体(G)がポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格、及び、水素化ポリブタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有する重合体である場合、架橋性重合体(G)の数平均分子量は、好ましくは1,000以上300,000未満であり、より好ましくは2,000〜200,000であり、さらに好ましくは3,000〜150,000である。架橋性重合体(E)の数平均分子量が1,000未満では(A)成分と相溶し過ぎ、硬度が硬くなるために好ましくない。一方、数平均分子量が300,000以上である場合、架橋状態(網目)が密にならず、耐刷性が劣る。
架橋性重合体(G)がポリアクリレート骨格を有する重合体である場合、架橋性重合体(G)の数平均分子量は、好ましくは1,000〜300,000であり、より好ましくは2,000〜200,000であり、さらに好ましくは3,000〜150,000である。架橋性重合体(G)の数平均分子量が1,000未満では(A)成分と相溶し過ぎ、硬度が硬くなるために好ましくない。一方、数平均分子量が300,000を越えた場合、(A)成分と相溶できなくなり、架橋状態(網目)が密にならず、耐刷性が劣る。
架橋性重合体(G)としては、具体的には、共役ジエン不飽和化合物の単独重合体又は共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体によって構成される。
かかる共役ジエン不飽和化合物の単独重合体又は共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体としては、例えば、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。この中でも、液状ポリブタジエン、OH基やカルボキシル基等で変性された液状ポリブタジエンの末端変性物、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体のカルボン酸変性物、液状スチレン−ブタジエン共重合体、カルボン酸変性アクリルポリマーが好ましい。
液状ポリブタジエン、液状ポリブタジエンの末端変性物、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体のカルボン酸変性物、液状スチレン−ブタジエン共重合体、カルボン酸変性アクリルポリマーを架橋性重合体(G)として用いると、混練成型性及び水現像性を向上させるとともに、架橋性共重合体(G)がエラストマー(B)に容易に混合でき、耐刷性が向上するため、好ましい。
共役ジエン系重合体の末端及び/又は側鎖エチレン性不飽和基を導入する方法は特に限定されないが、例えば、(1)過酸化水素を重合開始剤として得られた水酸基末端共役ジエン系重合体の末端の水酸基に(メタ)アクリル酸等のモノエチレン性不飽和カルボン酸を脱水反応によりエステル結合させる、若しくは、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルをエステル交換反応によりエステル結合させる方法、(2)共役ジエン化合物と少なくとも一部に不飽和カルボン酸(エステル)を含むエチレン性不飽和化合物を共重合して得られた共役ジエン系重合体にアリルアルコール、ビニルアルコール等のエチレン性不飽和アルコールを反応させる方法、等が挙げられる。
架橋性重合体(G)中のエチレン性不飽和結合基としては、(メタ)アクリレートであることが好ましい。
架橋性重合体(G)における酸価は、好ましくは1〜400mgKOH/gである。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、さらに、界面活性剤、及びポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(H)を含有してもよい。
界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(例えば、NT−12(第一工業製薬製)等)、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C2〜C16)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C2〜C16)エーテルリン酸エステル・モノエタノールアミン塩、アルキル(C2−C16)リン酸エステルナトリウム、アルキル(C2−C16)リン酸エステル・モノエタノールアミン塩、ラウリルスルホコハク酸ジナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリルジナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(C2−C20)スルホコハク酸ジナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルファーオレフィンスルホン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸カリウム塩等のアニオン系界面活性剤;
アルキル(C8−C20)トリメチルアンモニウムクロライド、アルキル(C8−C20)ジメチルエチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート、ステアリルジメチルアミノプロピルアミド、トリブチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、オクタン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のイオン性界面活性剤;
ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエーテルとポリエーテルポリオールの混合物、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンスルホン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、フェノキシエタノール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシレチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリル酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノココレート、ソルビタンモノカプレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノココエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、オクチルポリグリコシド、ブチルポリグリコシド、ショ糖安息香酸エステル、ショ糖酢酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルの非イオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等のアニオン系反応性界面活性剤;
ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル等の非イオン性反応性界面活性剤;等が挙げられる。
これらの上記化合物(H)のうち、非イオン性界面活性剤、非イオン性反応性界面活性剤、ポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましい。
化合物(H)の含有量は、親水性共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上15質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上10質量部未満であり、さらに好ましくは1質量部以上5質量部未満である。0.1質量部未満の場合は、水系現像液に対する現像性が低くなる傾向にあり、15質量部以上の場合は、得られるフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物のHazeが高くなったり、現像後の乾燥時間が長くなったり、水系インクに対する耐溶剤性が下がったりする傾向にある。
酸価が1〜100mgKOH/gであることにより、吸水性を抑えながら、水系現像液に対する現像性を向上させることができる。
酸価は、現像性の観点から、1mgKOH/g以上であり、好ましくは5mgKOH/g以上であり、より好ましくは20mgKOH/g以上である。また、酸価は、耐水性の観点から、100mgKOH/g以下であり、好ましくは80mgKOH/g以下であり、より好ましくは60mgKOH/g以下である。
酸価は、好ましくは5〜80mgKOH/gであり、より好ましくは20〜60mgKOH/gである。
上記の構成を満たす樹脂組成物は、水系現像液を用いて現像するフレキソ印刷原版の感光性樹脂組成物層に好適に用いることができる。
本実施形態のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物における酸価は、例えば、酸性基を含有する重合体(F)及び/又は2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合基を含有する架橋性重合体(G)の酸価を調整したり、配合比を調整したりすることによって、1〜100mgKOH/gに制御することができる。
本実施形態においては、フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の硬化物の断面を観察した際に、該樹脂組成物の硬化物の断面において、親水性共重合体(A)を含む相が占める割合(面積率SA)が15%以上50%未満であることが好ましい。
本実施形態においては、フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の硬化物の30μm四方の断面を観察した際に、親水性共重合体(A)を含む相のうち、相面積が3μm2以上100μm2未満である相の割合が、好ましくは20面積%以上である。
上記原子力間顕微鏡のSPM位相モード等による観察により30μm四方の画像を得る。得られた画像から、相対的な硬さ情報に基づき画像処理を行い、親水性共重合体(A)を含む相と、その他の相、すなわち、エラストマー(B)を含む相とを分離し、親水性共重合体(A)を含む各相について、面積を求め、ヒストグラムを作成する。ヒストグラムを作成する際の閾値は、測定によって得られた位相像と上記の画像処理した親水性共重合体(A)を含む相の領域が一致するように決定する。このヒストグラムより親水性共重合体(A)を含む相の総面積に対する、相面積が3μm2以上100μm2以下である親水性共重合体(A)を含む相の面積和の割合(%)を求めることができる。
また、上記割合の上限は、100面積%が理想であるが、99%以下であってもよく、98%以下であってもよい。
一方、親水性共重合体(A)を含む相のサイズが大きすぎる場合には、ブラシ等によって親水性共重合体(A)を含む相を削り取りやすくなるが、印刷版とした際に、耐摩耗性がその他の相よりも劣る親水性共重合体(A)を含む相が大きくなることにより、印刷版の摩耗や欠けが起きやすくなり、結果として耐刷性が落ちると推定される。
しかしながら、本発明の効果の機序はこれらの推定に限定されない。
フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の硬化物を、クライオミクロトームを使用して200nmから500nmの超薄切片を得る。この超薄切片をアナシスインスツルメント社製AFM−IR NanoIR2を用い、5μm角のAFM画像を得る。次に同じ測定範囲で、光源としてQuantum Cascade Laser、カンチレバーにコンタクトプローブを用いて酸成分が出る波長でマッピングを行い、マッピングデータを得る。例えば、酸性基がカルボン酸である場合は1700〜1710cm−1に固定して、測定を行う。
得られたAFM像とマッピングデータを次にように画像ソフトを用いて処理を行う。先ずそれぞれAFM像及びマッピングデータを縦と横を同じピクセル数のデータに変換し、次に8ビット化処理、フィルタリング処理を行った後、大津法により二値化し、AFM画像より親水性共重合体を含む相の面積をA、酸性基を含有する相の面積をBとして求める。更に2つの画像の差異画像を作成し、一致している部分をCとして求め、一致した部分の面積C及び親水性共重合体を含む相の面積AをC/Aとすることで、面積一致率を求めることができる。この面積一致率は50%がランダムであり一致していないことを意味する。
しくは80%以上98%以下、さらに好ましくは85%以上98%以下である。
面積一致率C/Aが70%以上であることにより、親水性共重合体を含む相に酸成分を
有する化合物(F)が多く含まれ、耐吸湿性や耐水性を維持しながら、水系現像液に対す
る現像性を高めることができる傾向にある。
面積一致率C/Aを調整する方法としては、種々挙げられるが、例えば、親水性共重合
体(A)と可塑剤のSP値を調整することや、後述するフレキソ印刷版用感光性樹脂組成
物の製造方法における可塑剤の添加のタイミングを調整すること等が挙げられる。
上述したフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の製造方法は、例えば、以下に記載の工程1〜3をこの順に含む製造方法であることが好ましい。これらの工程については、公知の方法をそれぞれ適用することが可能である。
工程1;親水性共重合体(A)を含有する水分散液に、酸性基を含有する重合体(F)及び/又は架橋性重合体(G)、並びに可塑剤を添加する工程、
工程2;工程1で得られた、上記親水性共重合体(A)含有水分散液から水を除去し、親水性共重合体(A)を含む混合物を得る工程、
工程3;工程2で得られた、混合物に、エラストマー(B)、重合性不飽和単量体(C)、光重合開始剤(D)、及び可塑剤(E)を添加して、混練する工程。
上記混合物は、具体的には、親水性共重合体(A)に、少なくとも酸性基を有する化合物(F)、及び、可塑剤(E)、任意で界面活性剤等の化合物(H)、安定剤等を混合してから、蒸留等により水を取り除いたものを使用する。
水を取り除く方法としては、ニーダー、ナウターミキサー、リボコーン等のバッチ式乾燥機を用いてもよいし、脱揮押し出し機、薄膜蒸留機、CDドライヤー、KRCニーダー、SCプロセッサー等の連続式乾燥機を用いてもよい。
このようにして混合物の乾燥物を得た後に、エラストマー(B)、重合性不飽和単量体(C)、光重合開始剤(D)、及び可塑剤(E)と共に、押し出し機、バンバリミキサー、ニーダー等、各種公知の混練装置を用いて混練することにより、親水性状重合体が存在する領域の酸強度を上げた(つまり面積一致率を向上させた)感光性樹脂組成物を調製することができる。
本実施形態のフレキソ印刷原版又はフレキソ印刷版は、支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有する。また、感光性樹脂層は、上述したフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物を含む。以下、フレキソ印刷原版を含むフレキソ印刷版について、フレキソ印刷原版、製版したフレキソ印刷版の順に説明する。ここで、フレキソ印刷原版について説明する内容は、製版されたフレキソ印刷版についても同様に適用される。
支持体としては、特に限定されないが、例えば、支持フィルムが挙げられる。支持フィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、並びに、ポリアミドフィルム等が挙げられる。
また、支持体と感光性樹脂層との間に接着層をさらに有することが好ましい。接着層としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタンやポリアミド、熱可塑性エラストマー等のバインダーポリマーと、イソシアネート化合物やエチレン性不飽和化合物等の接着有効成分を有する組成が挙げられる。さらに、接着剤層には、種々の補助添加成分、例えば、可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、染料等を添加することができる。また、接着層と支持体であるポリエステルフィルムとの間にさらに高い接着力を得るために、少なくとも1層以上の下引き層をさらに有することが好ましい。
感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物は、通常粘着性を有するので、製版時にその上に重ねられるネガフィルムとの接触性をよくするために、或いは、ネガフィルムの再使用を可能にするために、感光性樹脂層表面に溶剤可溶性の保護層をさらに有してもよい。保護層としては、例えば、洗い出し液として用いられる溶剤に可溶な物質を含み、薄くてたわみ性のあることが好ましい。保護層としては、例えば、結晶性1,2−ポリブタジエンや可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステル等を含む保護層が挙げられ、中でも可溶性のポリアミドが好ましい。これらの物質は適当な溶剤に溶かしてその溶液を直接感光性樹脂層表面にコーティングしてもよいし、いったんポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムにコーティングして、上記物質がコーティングされたフィルムを感光性樹脂層にラミネートして転写させてもよい。
本実施形態のフレキソ印刷原版又はフレキソ印刷版においては、フレキソ印刷版の感光性樹脂層の断面を観察した際に、該樹脂組成物の硬化物の断面において、親水性共重合体(A)を含む相が占める割合(面積率SA)が15%以上50%未満であることが好ましい。また、感光性樹脂組成物の硬化物の断面について上述した内容は、上記フレキソ印刷版の感光性樹脂層の断面についても同様に適用される。
フレキソ印刷原版からフレキソ印刷版を製版するには、一般的に次のような方法をとるのが一般的である。本実施形態のフレキソ印刷版は、本実施形態のフレキソ印刷原版から作製される。
本実施形態の共重合体は、上述した、カルボキシル基を有する不飽和単量体単位、共役ジエン系単量体単位、芳香族ビニル化合物単位、及びアルキル(メタ)アクリレート単位を含有する。
また、本実施形態の共重合体は、上述した親水性共重合体(A)と同様に、該共重合体が含有する単量体単位の総量100質量部に対して、3.0質量部以上25質量部以下の前記カルボキシル基を有する不飽和単量体単位、20質量部以上60質量部以下の前記共役ジエン系単量体単位、10質量部以上30質量部以下の前記芳香族ビニル化合物単位、及び25質量部以上45質量部以下の前記アルキル(メタ)アクリレート単位、を含有する。
本実施形態の共重合体は、親水性を有し、感光性樹脂組成物に用いられる。また、本実施形態の共重合体からフレキソ印刷原版を得ることができる。
得られたフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物から熱プレス成型やカレンダー処理又は押出成型等により、所望の厚さの感光層を形成することが可能である。
本実施形態のフレキソ印刷原版は、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステル等の支持体の上に感光層を設けた積層体としてもよい。
また、感光層の支持体と逆の面には、感光層に直接描画するための赤外線アブレーション層、又は、ネガフィルムとの接触性を良くするためと、ネガフィルムの再利用を可能にするための、水系で現像可能な可とう性フィルム層(透明画像担体層、粘着防止層ともいう。)を設けてもよい。
支持体、赤外線アブレーション層、及び可とう性フィルム層は、例えば、感光層をシート状に成型した後に、ロールラミネートにより感光層に密着させることができる。ラミネート後に、さらに加熱プレスを行って、感光層の表面精度を向上させることもできる。
本実施形態においては、フレキソ印刷原版の感光層に描画後の赤外線アブレーション層又は透明画像担体を通じて光照射して潜像を形成した後、未照射部分を、水系現像液を用いて除去(現像)することにより、レリーフ(印刷版)が得られる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック附加物等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、平均炭素数10〜22の飽和又は不飽和脂肪酸塩等が挙げられる。
また、pH調整剤としては、例えば、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等が挙げられる。pH調整剤としては、水に溶かしやすいことから、ケイ酸ソーダが好ましい。
これらの現像助剤は、例えば、現像液に通常0.1〜50質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲で添加混合して使用することができる。
現像後の印刷版は、オーブン中で例えば50℃で15〜120分間乾燥を行うことが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物を含む感光層は、その組成によっては乾燥が終わった後も版表面にべたつきが残ることがある。その場合、公知の表面処理方法により、べたつきを除去することができる。このような表面処理方法としては波長300nm以下の活性光線による露光処理が好ましい。
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に水125質量部と、反応性乳化剤として(α−スルフォ(1−ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩「アデカリアソープSE1025」(旭電化工業製)2質量部とを初期仕込みし、内温を80℃に昇温し、スチレン10質量部、ブタジエン50質量部、ブチルアクリレート32質量部、メタアクリル酸5質量部、及び、アクリル酸2質量部からなる単量体混合物とt−ドデシルメルカプタン2質量部の油性混合液と、水20質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2質量部、水酸化ナトリウム0.2質量部、(α−スルフォ(1−ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩2質量部からなる水溶液をそれぞれ5時間および6時間かけて一定の流速で添加した。
ついで、80℃の温度をそのまま1時間保って、重合反応を完了した後、冷却した。さらに、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整した後スチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的にはろ液の固形分濃度が40質量%になるように調整して実施例に用いる親水性共重合体(A)の水分散液を得た。
また、この水分散液100質量部に対して、可塑剤(E)である液状ポリブタジエン[LBR352:クラレ製]10質量部、及び、液状カルボン酸変性アクリルポリマー(F)[CBB−3098:綜研化学製]100質量部を混合しながら80℃で減圧乾燥し、親水性共重合体(A)と、可塑剤(E)と、液状カルボン酸変性アクリルポリマー(F)との混合乾燥物を得た。
製造例1と同様にして親水性共重合体(A)の水分散液を得た後、該水分散液中に含まれる親水性共重合体100質量部に対して、可塑剤(E)である液状ポリブタジエン[LBR352]10質量部を添加し、混合しながら80℃で減圧乾燥し、親水性共重合体(A)と可塑剤(E)との混合乾燥物を得た。
アニオン性極性官能基としてカルボン酸基を有するアニオン性ポリマーであるエチレン−アクリル酸共重合体[SG−2000:鉛市製、20質量%水溶液]10質量部、カーボンブラック[BONJET CW−2:オリエント化学工業製、20質量%水溶液]5質量部、離型剤[KF−351:信越化学工業製]0.05質量部、水30質量部、エタノール15質量部を混合し、アブレーション層形成用の塗工溶液を得た。
このアブレーション層形成用の塗工溶液をカバーフィルムとなる約100μmの厚さのPETフィルムに、乾燥後の膜厚が3μmとなるようにコーティングし、90℃で2分間の乾燥処理を施して、アブレーション層とカバーフィルムとの積層体を得た。
(1)感光性樹脂組成物の製造
製造例1で得られた、親水性共重合体(A)と可塑剤(E)と液状カルボン酸変性アクリルポリマー(F)とを含む混合物150質量部と、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体[D−KX405:クレイトン製]100質量部を、加圧ニーダーを用いて140℃で混合後、液状ポリブタジエン[LBR−352:クラレ製]110質量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート10質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート10質量部、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン5質量部、界面活性剤:[ポリオキシエチレンアルキルエーテル(NT−12):日本乳化剤製]2質量部、及び、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール5質量部の混合物を15分掛けて少しずつ加えて、加え終えてさらに20分混練し、感光性樹脂組成物を得た。
上記感光性組成物を取り出し、エラストマー含有接着剤がコートされた厚さ100μmのポリエステルフィルム(以下PETと略す)と、厚さ5μmのポリビニルアルコール(PVA)層がコートされた厚さ100μmのPETの間でサンドイッチし、120℃に加熱したプレス機を用いて厚さ1.14mmの板状に成型し、次いで、PVA層がコートされたPETをはがし、支持体(PET)−感光層からなる積層体を得た。
得られた積層体に、製造例3で得られた赤外線アブレーション層を感光層と接するようにラミネートして印刷原版を得た。
印刷原版の支持体(接着剤がコートされたPET)の側から、硬化後のパターン高さ(RD)が0.6mm程度となるように、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2−SS)を用いて露光した。
次に、赤外線アブレーション層のカバーフィルムを剥がし、ESKO製レーザー描画機(CDI)を用いて赤外線アブレーション層に描画した後、赤外線アブレーション層の側から前記露光機で10分間露光した。
露光後、ニッサン石鹸1%の水溶液(水系現像液)を調製し、日本電子精機製現像機(JOW−A3−P)を用いて、40℃で現像(現像)し、未露光部を除去した。尚、現像時間は、予め、未露光の印刷原版を5分現像して削れた厚みd(mm)を測定しておき、所望のパターン高さ(RD=0.6(mm))に合せて、RD×d×1.5(分)を計算し、その時間とした。
乾燥後、紫外線殺菌ランプ、紫外線ケミカルランプで後露光して、印刷版を得た。
(a)フレキソ印刷版用樹脂組成物、酸性基を含有する重合体(F)、及び、架橋性重合体(G)の酸価の測定
フレキソ印刷版用樹脂組成物の酸価は、当該樹脂組成物1gを秤量し、水とTHFの混合溶媒(体積比(水:THF)5:5)50mLに添加し、40℃で1時間攪拌後、そこに0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を滴下し、中和点から求めた。
日本電子精機製現像機(JOW−A3−P)にニッサン石鹸1%水溶液を充填し、(2)で得られた印刷原版の赤外線アブレーション層のカバーフィルムを剥がして40℃で5分間現像した。1mm現像するのに要する時間(分)を測定した。現像時間が短い方がよく、現像時間が10分以下/mm未満を◎、15分/mm未満を○、20分/mm未満を△、20分/mm以上を×とした。
[べた部の耐摩耗性]
印刷版の版面の強さ(耐刷性)を、擬似的に、摩耗輪(テスター産業株製テーバー摩耗試験器、硬質摩耗輪)を用いて評価した。全面ベタ部の印刷版を作製し、印刷版を水性インキの代替として10%イソプロピルアルコール水溶液に24h浸漬した後に、荷重500g、H22摩耗輪を用いて1000回転後の版面の摩耗量を測定した。摩耗量は、減量分を摩耗輪がベタ部と接触する面積で割って求めた。摩耗量が、2mg/cm2以下を◎、10mg/cm2未満を○とし、10mg/cm2以上を×とした。
[菱形パターンの耐摩耗性]
印刷版の版面の強さ(耐刷性)を、擬似的に、摩耗輪(テスター産業株製テーバー摩耗試験器、硬質摩耗輪)を用いて評価した。3mm角の菱形パターン及び、3mm幅線のデザインを有する印刷版を作製し、荷重250g、H38摩耗輪を用いて2000回転後の版面の摩耗量を測定した。摩耗量が、20mg以下を◎、30mg未満を○とし、30mg以上を×とした。
上記(1)で作製された感光性樹脂組成物を、2枚の離形処理された厚み100μmのPETフィルムではさみ、120℃に加熱したプレス機にて、1.14mm厚みの板に成型した。日本電色工業社製Hazeメーター(NDH−5000)を使用し、未硬化状態で1.14mm厚に成型した板のHazeを測定した。Hazeが30以下を○、30を超えて50未満を△、50以上を×とした。
さらに、40℃、80%RHの恒温槽内に上記成型した板を1週間静置した。
初期のHazeと1週間静置後のHazeとの差(吸湿Haze)が30以下を〇、30を超えて50未満を△、50以上を×とした。
上記(3)で作製された印刷版を水に24時間浸漬させ、浸漬前の重量からの増加分(%)を計算した。その値は、少ない方が良いことを意味する。1.5%以下を合格とした。
1.5%以下を○とし、1.5%超過を△とした。
露光した成形品の中央部からシートに水平に小片を切り出し、クライオミクロトームにより切削面を出し、観察用試料の薄膜切片を得た。
Bruker社製原子力間顕微鏡(AFM)[Dimension Icon]の走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いて、薄膜切片の断面を観察した。観察に際してはTappingモードを選択し、カンチレバーとして長さ125μm、幅40μm、厚さ4μmのSi製矩形型カンチレバーを使用した。該カンチレバーはBruker社からNCHVとして市販されているものであり、ばね定数は40N/m程度である。
データ処理はDimension Icon付属のデータ処理ソフトウエアNanoscope Analysisを用いて行った。図1のように位相像を表示し、Plane fit処理によって画像全体のゆがみを補正したのち、Flatten処理により、親水性共重合体(A)を含む相を示す明るい領域を均一化させた。
次に、Particle Analysisにより、図2に示すように親水共重合体(A)を含む相と、エラストマー(B)を含む相とに二値化し、親水性共重合体(A)を含む相の30μm四方での面積率を求めた。
また、親水性共重合体(A)を含む各相について、画像処理によって得られた親水性共重合体(A)を含む相が測定によって画像処理前の位相像と一致するように画像を確認しながら閾値を設定して相面積を測定し、ヒストグラムを作成した。このヒストグラムに基づき、親水性共重合体(A)を含む相の総面積に対する、相面積が3μm2以上100μm2未満である相の面積和の割合(%)を算出した。
露光した成形品の中央部からシートに水平に小片を切り出し、クライオミクロトームにより切削面を出し、観察用試料の薄膜切片を得た。薄膜切片の厚みは200〜500μmの範囲であった。
アナシスインスツルメント社製NanoIR2スペクトロスコピーを用いて、薄膜切片の断面を観察した。観察に際してはカンチレバーにコンタクトプローブであるEX−TnIRを用い、先ず5μm角範囲でAFM画像である高さ像を得た。次に光源にQuantum Cascade Laserでプローブフォースを0.3Vに設定してカルボン酸領域として1706cm−1、比較としてベースラインである1850cm−1に設定してIRマッピングを行った。
データ処理はImageJを用いて行った。各データを縦○、横△にデータ分解し、AFM画像とIRマッピングデータのピクセル数を一致させた。次に各画像データを8ビットデータに変換、フィルタリングを行った。フィルタリングは中央値算出をRadiusで指定した。更に大津法で二値化した後、各々の画像を照らし合わせる差異画像を作成した。差異画像の一致数と全体ピクセル数から一致率、即ち面積一致率(%)を求めた。
酸性基を有する重合体(F)である液状カルボン酸変性アクリルポリマーの種類及び量及びエラストマー(B)の量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、表1に示す組成の感光性樹脂組成物、並びに、その樹脂組成物からなるフレキソ印刷用原版及び印刷版を得た。
得られた感光性樹脂組成物、印刷原版及び印刷版の評価結果を表2に示す。
製造例2で得られた親水性共重合体(A)の水分散液を乾燥させたもの50質量部と、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体[D−KX−405:クレイトン製]100質量部を、加圧ニーダーを用いて130℃で混合後、液状ポリブタジエン[LBR−352:クラレ製]110質量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート10質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート10質量部、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン5質量部、10質量部のLIR−410若しくはUC−203、界面活性剤:[ポリオキシエチレンアルキルエーテル(NT−12):日本乳化剤製]2質量部、及び、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール5質量部の混合物を15分掛けて少しずつ加えて、加え終えてさらに20分混練し、感光性樹脂組成物を得た。
この感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてフレキソ印刷原版及び印刷版を得た。
得られた感光性樹脂組成物、フレキソ印刷原版及び印刷版の評価結果を表2に示す。
親水性共重合体(A)の水分散液を乾燥させたもの50質量部と、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体[D−KX−405:クレイトン製]100質量部を、加圧ニーダーを用いて130℃で混合後、液状ポリブタジエン[LBR−352:クラレ製]130質量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート10質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート10質量部、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン5質量部、界面活性剤:[ポリオキシエチレンアルキルエーテル(NT−12):日本乳化剤製]2質量部、及び、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール5質量部の混合物を15分掛けて少しずつ加えて、加え終えてさらに20分混練し、感光性樹脂組成物を得た。
この感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてフレキソ印刷原版及び印刷版を得た。
得られた感光性樹脂組成物、フレキソ印刷原版及び印刷版の評価結果を表2に示す。
Z250(ダイセル・オルネクス製)
UC−3000(東亜合成製)
CBB3098(綜研化学製)
BR−605(三菱レーヨン製)
LIR−410(クラレ製)
Claims (19)
- 少なくとも、
親水性共重合体(A)、
熱可塑性エラストマー(B)、
光重合性モノマー(C)、
光重合開始剤(D)、
可塑剤(E)、及び、
酸性基を有する重合体(F)
を含有するフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物であって、
前記酸性基を有する重合体(F)が、酸価10〜400mgKOH/gの酸性基を有す
る重合体であり、前記酸性基を有する重合体(F)をフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物
中に1〜50質量%含有し、
中和滴定で測定される前記フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の酸価が、1〜100m
gKOH/gである、フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記感光性樹脂組成物を硬化物としたとき、前記硬化物の断面観察において、
前記親水性共重合体(A)が存在する領域の面積をA、NanoIRによって観察され
る酸成分が存在する領域の面積をBとし、AとBとが一致する面積をCとしたとき、C/
Aが80〜98%となる、請求項1に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記酸性基を有する重合体(F)のSP値が、9.0以上16.0以下である、請求項1又は2に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
- 前記酸性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、硫酸基、リン酸基、
ホスホン酸基、ホスフィン酸基、及びフェノール基からなる群から選ばれる少なくとも1
種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記酸性基を有する重合体(F)が、重量平均分子量1000以上のポリ(メタ)アク
リル骨格を有するポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合基を含有する架橋性重合体(G)
をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記架橋性重合体(G)が、数平均分子量1,000以上300,000未満であり、
ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格、水素化ポリブタジエン骨格、ポリ(メタ)ア
クリレート骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有する重合体であり、
前記エチレン性不飽和結合基が、(メタ)アクリレートである、請求項6に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記架橋性重合体(G)が、酸価1〜400mgKOH/gである、請求項6又は7
に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記架橋性重合体(G)に対する前記親水性共重合体(A)の重量比率が、1%以上3
0%未満である、請求項6〜8のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記架橋性重合体(G)が、酸価1〜400mgKOH/gの酸構造を含む、請求項6
〜9のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記感光性樹脂組成物を硬化物としたとき、前記硬化物の断面観察において、
前記親水性共重合体(A)を含む相のうち、相面積が3μm2以上100μm2未満で
ある相が占める割合が、20面積%以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記親水性共重合体(A)を構成する単量体単位の総量100質量部に対して、
前記エラストマー(B)の含有量が、50質量部以上400質量部以下であり、
前記光重合性モノマー(C)の含有量が、10質量部以上200質量部以下であり、
前記光重合開始剤(D)の含有量が、0.1質量部以上50質量部以下であり、
前記可塑剤(E)の含有量が、1.0質量部以上400質量部以下であり、
前記酸性基を有する重合体(F)の含有量が、5質量部以上800質量部以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記親水性共重合体(A)が、該親水性共重合体(A)を構成する単量体単位の総量1
00質量部に対して、3.0質量部以上25質量部以下のカルボキシル基を有する不飽和
単量体単位、20質量部以上60質量部以下の共役ジエン系単量体単位、10質量部以上
30質量部以下の芳香族ビニル化合物単位、及び25質量部以上45質量部以下のアルキ
ル(メタ)アクリレート単位、を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記親水性共重合体(A)のゲル分率が、80%以上99%以下であり、
前記親水性共重合体(A)のトルエン膨潤度が、3.0以上15以下である、請求項1
〜13のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 前記親水性共重合体(A)のフィルム吸水率が、30%以上である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
- 前記親水性共重合体(A)が、不飽和二重結合を含む反応性乳化剤に由来する単位を含
む、内部架橋した重合体粒子である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。 - 以下の工程1〜3をこの順に含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物の製造方法:
工程1;親水性共重合体(A)含有水分散液に、酸性基を有する重合体(F)及び/又は
架橋性重合体(G)、並びに可塑剤(E)、を添加する工程、
工程2;工程1で得られた、前記親水性共重合体(A)含有水分散液から水を除去し、親
水性共重合体(A)を含む混合物を得る工程、
工程3;工程2で得られた、前記混合物に、エラストマー(B)、重合性不飽和単量体(
C)、光重合開始剤(D)、及び可塑剤(E)を添加して、混練する工程。 - 支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有し、
前記感光性樹脂層は、請求項1〜16のいずれか一項に記載されたフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物を含む、フレキソ印刷原版。 - 請求項18に記載のフレキソ印刷原版から作製されたフレキソ印刷版であって、
10%IPA溶液で24時間浸漬後において、べた部のテーパー摩耗試験器による10
00回の耐摩耗試験での摩耗量が、10mg/cm2以下であり、かつ、
菱形パターンのテーパー摩耗試験器による2000回の耐摩耗試験での摩耗量が、20
mg以下である、フレキソ印刷版。
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