JP2017032845A - フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
その構成体から印刷版を製造する方法は、構成体の支持体側とは反対側の面に透明画像担体(ネガフィルム)を密着させ、そのフィルムを通じて活性光線を照射し、特定部分を選択的に光硬化することで画像を形成させた後、未露光部分を水系現像液で除去することでレリーフを形成する。このような水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物は、水現像性と水性インキが付着した状態での耐刷性という、相反する性能の両立が大きな課題である。
例えば、特許文献1の実施例には、感光性樹脂組成物として親水性ポリマー、疎水性ポリマー、可塑剤、光重合性不飽和単量体及び光重合開始剤を含有し、可塑剤として、分子量が1万以上6以下で1,2−ビニル含有量が25%以下のブタジエンの重合体、イソプレンの重合体あるいはブタジエン・イソプレンブロック共重合体の混合物が提案されている。ここでは、水系現像液による現像性、版強度等に優れたフレキソ版を提供することを目的としている。しかし、可塑剤の分子量が大きいことや、親水性成分が少ないため、現像性や耐刷性が不十分である。
[1](A)親水性化合物、(B)熱可塑性エラストマー、(C)液状ゴム、(D)重合性不飽和単量体、(E)光重合開始剤、及び、(F)現像促進剤を含むフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[2](A)親水性化合物が、乳化重合で合成されたものである、[1]に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[3]フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物100質量部に対して、(A)親水性化合物を15〜40質量部、(B)熱可塑性エラストマーを10〜40質量部、(C)液状ゴムを3〜40質量部、(D)重合性不飽和単量体を1〜30質量部、(E)重合開始剤を0.1〜10質量部、(F)現像促進剤を0.1〜10質量部含む、[1]または[2]に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
[4](F)現像促進剤が、塩基で中和されたアクリル酸の重合体である、[1]から[3]のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
本実施形態において、親水性化合物(A)とは、少なくとも1つの親水性の官能基を有し常温固体のポリマーをいい、25℃の純水100gに対する溶解度が25g未満であることが好ましい。親水性の官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基、水酸基、およびこれらの塩が挙げられる。 具体的には、ラジカル系共重合体、ポリアミド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエステル系重合体あるいはウレタン系共重合体等が挙げられる。
親水性の不飽和単量体としては、酸性官能基含有不飽和単量体が好ましく、酸性官能基含有不飽和単量体としてはカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基、ホウ酸基あるいは水酸基を有するエチレン性不飽和単量体などが例示される。酸性官能基含有不飽和単量体の使用量は不飽和単量体全量のうち1〜30質量部が好ましい。不飽和単量体全量に対する酸性官能基含有不飽和単量体の使用量を1質量部以上とすると水現像が良好となり、30質量部以下とすると感光性樹脂の吸湿量が一定以下に保たれるためインキによる膨潤が抑えられ、感光性樹脂を製造する際の混合時における加工性が維持される。
ラジカル系共重合体に用いられる親水性の不飽和単量体の具体例としては、共役ジエン、芳香族ビニル化合物、水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン化ビニル類、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物等があげられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。また、親水性の不飽和単量体として2個以上の付加重合可能な基を有する単量体を使用してもよい。
本実施形態において、熱可塑性エラストマー(B)としては、親水性基を有しない常温固体のポリマーが好ましく、具体例としては熱可塑性ブロック共重合体、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリウレタン系エラストマー等を例示することができる。これらのうちでは、常温付近でゴム弾性を示し、塑性変形し難く、また押出機等で組成物を混合するときに熱で可塑化し易い熱可塑性ブロック共重合体が好ましい。
熱可塑性ブロック共重合体の中でも、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られる熱可塑性エラスマーがより好ましい。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレン等が挙げられ、これらを重合して得られる熱可塑性エラスマーの代表的な例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。熱可塑性エラストマー(B)100質量部中におけるモノビニル置換芳香族炭化水素単位の含有量は、露光前の感光性樹脂版が積層されたときの耐コールドフロー性の抑制の観点から8質量部以上が好ましく、印刷版の硬度を一定以下に保ち印刷品質の低下を抑制する観点から50質量部以下が好ましい。熱可塑性エラストマーの共役ジエンセグメント中のビニル結合の平均比率は、印刷版の画像再現性の点で、5%以上が好ましく、印刷版表面の粘着性を抑制する点で、40%以下が好ましい。10〜35%の範囲がさらに好ましい。熱可塑性エラストマー中のモノビニル置換芳香族炭化水素単位及び共役ジエン単位の平均含有量や、熱可塑性エラストマー中のビニル結合単位の平均比率は、IRスペクトルやNMRで求められる。
熱可塑性エラストマー(B)の使用量は、感光性樹脂組成物100質量部のうち、印刷版の高物性(伸長率(伸び))、耐水性あるいは耐インキ膨潤性の点で、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、水系現像性の点で、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましい。
本実施形態において、液状ゴム(C)とは、30℃において液体のエラストマーをいい、ジエン単位を含むものが挙げられる。ジエンとしては、入手性の点で、イソプレンおよびブタジエンが好ましく、耐カケ性の点で、ブタジエンがより好ましい。液状の共役ジエンゴムは、2種類以上を併用しても良い。液状の共役ジエンゴムは分子鎖の両末端が極性官能基で修飾されていてもよい。極性官能基としてはカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基等を挙げることができる。
液状ゴム(C)中の数平均分子量(Mn)は、取り扱い性と感光性樹脂組成物の相溶性の点で、低い方が良く、一方、耐カケ性の点で高い方が良い。1000〜50000の範囲であれば良いが、2000〜30000の範囲がより好ましく、3000〜20000の範囲がさらに好ましい。
液状ゴム(C)の含有量は、画像再現性、耐カケ性および柔軟性の点で、感光性樹脂組成物100質量部中に、3質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、印刷版用感光性構成体の固体維持性の点で、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましい。
重合性不飽和単量体(D)とは、重合開始剤から発生したラジカルによってラジカル重合することが可能な不飽和単量体である。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、アリルエステル、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物等が挙げられる。その具体的な例としては、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどのアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメタクリレート;ペンタエリトリットテトラアクリレート及びテトラメタクリレート等;N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド;スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、N−ラウリルマレイミド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性不飽和単量体(D)の使用量は、感光性樹脂組成物100質量部に対して、細かい点や文字の形成性の点で1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、露光前の感光性樹脂版が積層されたときの耐コールドフロー性や印刷版の硬度を一定に保ち印刷品質の低下を抑制する点で30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
光重合開始剤(E)とは、紫外線等の光線の照射によってラジカルを発生させる開始剤である。
光重合開始剤(E)の例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2 ,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤(E)の使用量は感光性樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。細かい点や文字の形成性の点で0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、紫外線等の活性光の透過率低下による露光感度低下の点で10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
本実施形態において、現像促進剤(F)とは、水溶性、水膨潤性又は水分散性を有するポリマーをいい(ただし、親水性化合物(A)を除く)、25℃の純水100gに対して25g以上溶解する水溶性を有するポリマーが好ましい。
現像促進剤(F)の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリアミド、水溶性ポリウレタン、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩等を例示することができる。これらのうちでは、水溶性が高く、他の成分との親和性の高い、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩(塩基で中和されたアクリル酸の重合体)、部分鹸化ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリウレタンが好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
現像促進剤(F)の使用量は感光性樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。現像促進効果発現の点から0.1部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、インクに対する耐膨潤性や耐カケ性の点から10部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には前記した必須成分の他に、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記各成分(A)〜(F)及び任意の添加剤を押出機やニーダ等を用いて混合することにより製造することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、熱プレス成型やカレンダー処理または押出成型により所望の厚さの感光性樹脂組成物層とすることができる。この感光性樹脂組成物層を、そのまま感光性樹脂版(原版)として用いてもよいし、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をロールラミネート等により感光性樹脂組成物層に密着させて積層して、感光性樹脂版としてもよい。さらに、積層後に加熱プレスして精度の良い感光性樹脂版を得ることもできる。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、その組成によっては粘着性を生じることがあるので、その上に重ねられる透明画担体(ネガフィルム)との接触性の改良と、その画像担体の再利用のために、感光性樹脂組成物層のレリーフが形成される側の表面に水系現像液で除去可能な可とう性フィルム層等を設けても良い。
感光性樹脂組成物層を光硬化するのに用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などがある。
感光性樹脂組成物層に光照射して画像を形成させた後、未照射の未硬化部分を水系現像液を用いて除去(現像)することでレリーフが得られる。
本実施形態の感光性樹脂組成物と組み合わせて使用する現像液としては、水あるいは水と界面活性剤を含有した水系現像液が挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性の界面活性剤が挙げられ、これらを単独でもしくは二種類以上混合して用いられる。
アニオン系界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、および平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等があげられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、サパミン型第4級アンモニウム塩、あるいはピリジウム塩等があげられる。
ノニオン系界面活性剤の具体的な例としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキシド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキシド付加物、油脂のアルキレンオキシド付加物、およびポリプロピレングリコールアルキレンオキシド付加物、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールとソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルおよびアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等があげられる。
両性界面活性剤の具体的な例としては、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムやラウリルジメチルベタイン等があげられる。界面活性剤の濃度には特に制限はないが、通常現像液全量に対して0.5〜10質量部の範囲で使用される。
現像助剤の沸点は、常圧で130℃以上であることが好ましい。沸点がこれより低い場合、現像液から水を蒸発させて凝縮液として回収する際に溶剤の相当量が水に同時に流去される傾向がある。あるいはこれを現像液の濃度調整の目的で利用する際に、現像液の性能を安定にするために同伴された溶剤の量を測定して調整しなければならないなどの手間がかかる。必要に応じて、消泡剤、分散剤、腐食抑制剤、腐敗防止剤を併用しても良い。
感光性樹脂組成物の組成によっては乾燥が終わった後も版表面にベトツキが残っている場合がある。その場合、公知の表面処理方法により、ベトツキを除去することができる。このような表面処理方法としては、波長300nm以下の活性光線による露光処理が好ましい。
[実施例1〜9、比較例1〜3]
(1)親水性化合物(A)の合成
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に水125質量部および乳化剤(α−スルホ−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩、(商品名:アデカリアソープSE1025(旭電化工業製))3質量部を初期仕込みし、内温を重合温度に昇温し、アクリル酸2質量部、メタクリル酸5質量部、ブタジエン60質量部、スチレン15質量部、2−エチルヘキシルアクリレート18質量部とt−ドデシルメルカプタン2質量部の油性混合液と水28質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2質量部、水酸化ナトリウム0.2質量部および乳化剤(商品名:アデカリアソープSE1025(旭電化工業製))1質量部からなる水溶液をそれぞれ5時間および6時間かけて一定の流速で添加した。そして、そのままの温度で1時間保って、重合反応を完了した後、冷却した。ついで、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的には固形分濃度が40wt%になるように調整して親水性共重合体溶液(親水性化合物(A)の水分散液)を得た。
親水性共重合体の数平均粒子径は、40nmであった。粒子径は粒度分析計(商品名:MICROTRC粒度分析計(型式:9230UPA)(日機装株式会社製))を用いて数平均粒子径として求めた。を得た。
(1)で得た親水性化合物(A)、表1に示した質量比の液状ゴム(C)、表1に示した現像促進剤(F)(ポリアクリル酸ナトリウム、部分鹸化ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、又は、水溶性ポリウレタン)および酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを混合し、エバポレーター、オープンニーダーを用いて水分を除去することで得られた組成物と、熱可塑性エラストマー(B)としてスチレンブタジエンブロック共重合体(商品名:クレイトンD−KX405(クレイトンポリマージャパン製))を、表1に示した質量部比で、加圧ニーダを用いて120℃で5分混合した。得られた組成物に、表1記載の重合性不飽和単量体(D)、光重合開始剤(E)として2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンを、表1に示した質量比で、10分かけて少しずつ加えて、加え終えてからさらに5分間混練し、感光性樹脂組成物を得た。
この感光性樹脂組成物を取り出し、片面に熱可塑性エラストマーを用いた接着剤がコートされた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、片面に厚さ5μmのポリビニルアルコール(PVA)がコートされた厚さ100μmのPETフィルムでサンドイッチしてプレス機を用いて120℃で厚み1mmの板状積層体に成形し感光性樹脂版を得た。
(2)で得た感光性樹脂版を、接着剤がコートされたPETフィルムの側から、硬化層の厚さが0.5mm程度となるように、紫外線露光機(商品名:JE−A2−SS(日本電子精機製))を用いて露光した。
次に、PVAがコートされた方のPETフィルムを、PVAが感光性樹脂面に残るようにして剥ぎ、その上に印刷画像のネガフィルムを密着させ前記露光機で10分間露光した。
露光後に、ネガフィルムを剥がして、高級アルコールアルキレンオキシド付加物4wt%、ジエチレングリコールジブチルエーテル0.4wt%、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5wt%および炭酸ナトリウム0.4wt%の水溶液(水系現像液)を調製し、洗浄機(商品名:JOW−A3−P(日本電子精機製))を用いて、40℃で洗浄し(現像し)、未露光部を除去した。
乾燥後、紫外殺菌線ランプ、紫外線ケミカルランプで後露光して印刷版を作成した。
(a)水系現像液による現像性(現像時間)
上記の水系現像液と洗浄機を用いて、露光していない感光性樹脂版を10分間洗浄し、洗浄により減少した樹脂層の厚み(t)を測定し、10min/t(mm)を計算して、1mm現像するのに要する時間(1mm現像時間)(min/mm)を算出した。
現像時間は短い方がよく、1mm現像時間が10min未満を○、10min以上12min/mm未満を△、12min/mm以上を×とした。
(b)耐版拭き性(耐カケ性)
耐版拭き性とは、水性インキを拭き取る作業における印刷版画像部の破損し難さの程度を指す。耐版拭き性の強さを、擬似的に測定した。8ポイントから12ポイントの大きさの文字を有する印刷版をネガフィルムを用いて作成し、水性インキの代替の10%イソプロピルアルコール水溶液(室温)に16時間浸漬した後に、NP式耐刷力試験機(新村印刷株式会社製、被接触体3:8cm×6cmの大きさの布(商品名:ハイテクロス(カネボウ社製))、荷重1kg)を用いて300回左右に擦ったときの文字の破壊の程度を顕微鏡で観察した。
印刷版の耐版拭き性の評価として、文字が破壊されていなければ○、破壊された文字の数が1文字であれば△、破壊された文字の数が2文字以上であれば×とした。
Claims (4)
- (A)親水性化合物、(B)熱可塑性エラストマー、(C)液状ゴム、(D)重合性不飽和単量体、(E)光重合開始剤、及び、(F)現像促進剤を含むフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
- (A)親水性化合物が、乳化重合で合成されたものである、請求項1に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
- フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物100質量部に対して、(A)親水性化合物を15〜40質量部、(B)熱可塑性エラストマーを10〜40質量部、(C)液状ゴムを3〜40質量部、(D)重合性不飽和単量体を1〜30質量部、(E)重合開始剤を0.1〜10質量部、(F)現像促進剤を0.1〜10質量部含む、請求項1または2に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
- (F)現像促進剤が、塩基で中和されたアクリル酸の重合体である、請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版用感光性樹脂組成物。
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