JP6566707B2 - 経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤 - Google Patents
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Description
非特許文献1および2には、ピロカルピンは内服することで唾液分泌促進作用があることが報告されている。
特許文献1ならびに非特許文献3および4には、セビメリンは内服することで唾液分泌促進作用があることが報告されている。
そのため、内服薬投与による療法では、副作用発生の回避が困難となり、また、効果の持続時間が短いために服用頻度を多くする必要があった。
[1]ムスカリン受容体作動薬を含有する、経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[2]ムスカリン受容体作動薬の配合量が唾液分泌促進剤の全重量に対して0.1〜50重量%である、上記[1]記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[3]可溶化剤として1,3−ブチレングリコールを含む、上記[1]または[2]記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[4]ムスカリン受容体作動薬がピロカルピン、セビメリンおよび製薬学的に許容されるそれらの塩から選択される、上記[1]〜[3]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[5]リニメント剤、ローション剤、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤、軟膏剤、クリーム剤およびゲル剤よりなる群から選択される剤形である、上記[1]〜[4]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[6]テープ剤およびパップ剤よりなる群から選択される剤形である、上記[1]〜[4]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[7]ムスカリン受容体作動薬を含有する、口腔乾燥症改善用の経皮吸収型唾液腺局所投与製剤;
[8]口腔乾燥症状改善用の経皮吸収型唾液腺局所投与製剤を製造するための、ムスカリン受容体作動薬の使用;
[9]経口投与する場合に比べて唾液分泌を長時間持続させることを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[10]経口投与する場合に比べて発汗および/または胃腸障害が抑制されることを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[11]ムスカリン受容体作動薬の徐放作用を特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤;
[12]1日あたり1回適用する、上記[1]〜[6]のいずれか1に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤
を提供する。
本発明の唾液分泌促進剤は、ムスカリン受容体作動薬と1,3−ブチレングリコールを含有する。
本発明の唾液分泌促進剤を軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤といった塗布剤として適用する場合には、ムスカリン受容体作動薬の含有量は、唾液分泌促進剤の重量に対して0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%である。テープ剤またはパップ剤といった貼付剤として適用する場合には、ムスカリン受容体作動薬の含有量は、唾液分泌促進剤の重量に対して1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜40重量%である。
静置型フランツセルおよびStrat−MTMは、薬剤経皮吸収性のin vitro評価で使用することが確立されている器具である(Biopharm. Drug Disps. 33:pp.218-228 (2012)、Pharmazie, 66:pp.849-852 (2011))。
本発明の唾液分泌促進剤は、耳下腺、顎下腺または舌下腺などの大唾液腺付近の皮膚表面に適用して投与する経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤である。本発明の唾液分泌促進剤中のムスカリン受容体作動薬は大唾液腺を直接刺激することにより、ムスカリン受容体作動薬の血中濃度を抑えつつ大唾液腺における有効組織濃度を達成することができる。したがって、本発明の唾液分泌促進剤は、多汗や胃腸障害などの副作用の発現を抑えつつ大唾液腺に局所的かつ長時間にわたって奏功して、唾液の分泌量を増加させることができる。
可溶化剤のスクリーニング
ヒト皮膚モデル膜(商品名Strat-M、Merck Millipore)を装着した静置型フランツセル(拡散面積約0.636cm2)を用いて、種々の可溶化剤によるムスカリン受容体作動薬のin vitro皮膚透過性試験を行った。37℃に保温したフランツセルのレシーバー相(容量約15mL)に、レシーバー液(生理食塩水)を満たした。ヒト皮膚モデル膜をフランツセルのジョイント部にセットし、中央部に種々の可溶化剤で調製したムスカリン受容体作動薬、ピロカルピン塩酸塩(1%(w/w)、200μL)をドナー相に添加し、フランツセル内を37℃に保ち、試験を開始した。経時的に一定量のレシーバー液をサンプリングし、同量のレシーバー液(生理食塩水)を補充した。採取したレシーバー液に含まれるピロカルピンの量を高速液体クロマトグラフィー(機器名:Alliance HPLC system(Waters)、カラム:Chromolith Performance RP-18e(Merck Millipore)、温度:25℃、溶離:リン酸バッファー(pH=3)/メタノール=980/20、検出条件:214 nm)で測定した。24時間後に透過した結果を以下の表1に示す。
2価アルコールの透過性試験
可溶化剤として下記の2価アルコールを用いる以外は試験例1と同様にして、種々の可溶化剤によるムスカリン受容体作動薬のin vitro皮膚透過性試験を行った。24時間後に透過した結果を以下の表2に示す。
可溶化剤による経時的透過性試験
試験例1と同じヒト皮膚モデル膜およびフランツセルを用いて、1,3-ブチレングリコールによるピロカルピン塩酸塩およびセビメリン塩酸塩の経時的なin vitro皮膚透過性試験を行った。その結果を以下の表4および表5に示す。
したがって、可溶化剤として1,3-ブチレングリコールを用いた経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤は、副作用が抑制され、効果が長時間にわたって奏功され、投与頻度を少なく抑えられる薬剤を提供することが示された。
ラット皮膚を用いた透過性試験
ヒト皮膚モデル膜の代わりにラット皮膚(SD雄性ラット、7週齢、背部皮膚)を用い、以下の処方により公知の方法に従って調製した製剤を塗布する以外は、試験例1と同様にして1,3-ブチレングリコールによるピロカルピンの皮膚透過性試験を行った。結果を以下の表6に併せて示す。
ラットにおける唾液分泌促進試験
ラット首部をバリカンで剃毛し、アルコール消毒した。剃毛したラットの耳下腺および顎下腺および舌下腺近傍の皮膚に試験例4で調製したピロカルピン製剤(軟膏)を適用し、適用後1、2、4および6時間に唾液分泌量を測定した。唾液分泌量の測定は、測定直前にラット口中の唾液を綿球で完全に除去した後、口中に新たに綿球を入れて5分後に取り出した際の重量差を分泌唾液量とした。比較例として同量のプラセボ製剤を大唾液腺近傍から経皮投与した場合と、同量のピロカルピン製剤を背中皮膚から経皮投与した場合と、静脈投与した場合の分泌唾液量を測定した。その結果を図1に示す。
試験例5の実験に供したラットにおいて、ピロカルピンの血中濃度と大唾液腺濃度の比率を静脈投与5分後を1として、表7に示した。
したがって、可溶化剤として1,3-ブチレングリコールを用いた経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤は、大唾液腺を直接刺激することにより、ムスカリン受容体作動薬の血中濃度を抑えつつ大唾液腺における有効組織濃度を達成することができることが示唆された。
Claims (10)
- ピロカルピン、セビメリンおよび製薬学的に許容されるそれらの塩から選択されるムスカリン受容体作動薬と可溶化剤として1,3−ブチレングリコールとを含有する、経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- ムスカリン受容体作動薬の配合量が唾液分泌促進剤の全重量に対して0.1〜50重量%である、請求項1記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- リニメント剤、ローション剤、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤、軟膏剤、クリーム剤およびゲル剤よりなる群から選択される剤形である、請求項1または2に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- テープ剤およびパップ剤よりなる群から選択される剤形である、請求項1または2に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- ピロカルピン、セビメリンおよび製薬学的に許容されるそれらの塩から選択されるムスカリン受容体作動薬と可溶化剤として1,3−ブチレングリコールとを含有する、口腔乾燥症改善用の経皮吸収型唾液腺局所投与製剤。
- 口腔乾燥症状改善用の経皮吸収型唾液腺局所投与製剤を製造するための、ピロカルピン、セビメリンおよび製薬学的に許容されるそれらの塩から選択されるムスカリン受容体作動薬と可溶化剤として1,3−ブチレングリコールとの使用。
- 経口投与する場合に比べて唾液分泌を長時間持続させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- 経口投与する場合に比べて発汗および/または胃腸障害が抑制されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- ムスカリン受容体作動薬の徐放作用を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
- 1日あたり1回適用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤。
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