JP2022044038A - ドネペジル含有経皮吸収液剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、症状が進んだ認知症患者は抗認知症薬物を服用することが困難となる場合が少なくない。
本明細書において、「アルキル」とは、直鎖状、分岐状または環状のアルキルを意味し、好ましくは総炭素数(C)が2~18である。また、本明細書において、「アルコール」とは、直鎖状、分岐状または環状の飽和または不飽和アルコールを意味する。
本開示の一つの実施形態によれば、経皮吸収液剤は、ドネペジルまたはその塩と、水溶性添加剤とを含んでなることを特徴としている。ドネペジルと水溶性添加剤とを組み合わせた液剤を用いると、高度の薬物フラックスを達成し、ひいてはドネペジルを経皮的かつ効率的に生体に投与しうることは意外な事実である。
経皮吸収製剤は、ドネペジルまたはその塩と、水溶性添加剤を適宜混合撹拌して製造することができる。混合の順序、撹拌速度・時間等の条件は、当業者が適宜決定することができる。
本開示の好ましい態様によれば、経皮吸収液剤は、1週間1回皮膚に塗布して適用(塗布時間24時間)する場合、認知症を顕著に効果的に治療するのに特に有利である。したがって、本開示の好ましい態様によれば、上記経皮吸収液剤は1週間1回皮膚に塗布する(塗布時間24時間)ために用いられる。
上記生体としては、哺乳動物等が挙げられるが、好ましくはヒトである。
(1)ドネペジルまたはその塩と、水溶性添加剤とを含んでなる、経皮吸収液剤。
(2)前記水溶性添加剤が、多価アルコール、アミノ基を有する高分子化合物、高級モノアルコール、多価アルコール脂肪酸エステル、炭酸エステル モノアルコール脂肪酸エステルおよび高級脂肪酸からなる群から選択される少なくとも一つである、(1)に記載の経皮吸収液剤。
(3)前記水溶性添加剤が、多価アルコール、アミノ基を有する高分子化合物、ならびに、高級モノアルコールおよび/または多価アルコール脂肪酸エステルを含んでなる 、(1)または(2)に記載の経皮吸収液剤。
(4)前記水溶性添加剤が、さらに炭酸エステルを含んでなる、(3)に記載の経皮吸収液剤。
(5)前記ドネペジルまたはその塩が、0.5~20質量%である、(1)~(4)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(6)前記多価アルコールが、2~6価アルコールである、(2)~(5)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(7)前記多価アルコールが、グリセリンまたはプロピレングリコールである、(2)~(6)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(8)前記アミノ基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルと、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルおよびこれらの組み合わせから選択されるモノマー単位とから構成されるコポリマーである(2)~(7)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(9)前記アミノ基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエチルコポリマーである、(2)~(8)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(10)前記高級モノアルコールが、炭素数6~25のモノアルコールである、(2)~(9)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(11)前記高級モノアルコールが、オレイルアルコールである、(2)~(10)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(12)前記多価アルコール脂肪酸エステルが、糖アルコール脂肪酸エステルまたはグリコール脂肪酸エステルである、(2)~(11)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(13)前記多価アルコール脂肪酸エステルが、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸プロピレングリコール、またはモノラウリン酸プロピレングリコールである、(2)~(12)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(14)前記モノアルコール脂肪酸エステルが、モノアルコール高級脂肪酸エステルである、(2)~(13)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(15)前記モノアルコール脂肪酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピルである、(2)~(14)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(16)前記高級脂肪酸が、炭素数6~20の脂肪酸である、(2)~(15)のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
(17)前記高級脂肪酸が、イソステアリン酸である、(2)~(16)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(18)前記炭酸エステルが、炭酸プロピレンである、(2)~(17)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(19)1週間1回投与するための、(2)~(18)のいずれかに記載の経皮吸収液剤。
(20)ドネペジルまたはその塩と、水溶性添加剤とを含んでなる混合液を加熱する工程を含んでなる、(1)~(19)のいずれかに記載の経皮吸収液剤の製造方法。
(21)前記混合液が澄明になるまで加熱する、(20)に記載の製造方法。
処方1の製造
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液に室温で攪拌しながら、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピルを順次加え、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液に室温で攪拌しながら、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、エタノールを順次加え、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液に室温で攪拌しながら、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、セタノールを順次加え、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液に室温で攪拌しながら、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール400を順次加え、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液に室温で攪拌しながら、ミリスチルアルコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピルを順次加え、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液に室温で攪拌しながら、ミリスチルアルコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、モノラウリン酸プロピレングリコールを順次加え、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液にミリスチルアルコールを加え、100℃で3分間加熱し、混合液とした。次に、この混合液にオイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、イソステアリン酸、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、およびモノラウリン酸プロピレングリコールを加えて攪拌し、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。この懸濁液にミリスチルアルコールを加え、100℃で3分間加熱し、混合液とした。次に、この混合液にオイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコール、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、およびモノラウリン酸プロピレングリコールを加えて攪拌し、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールおよびミリスチルアルコールにドネペジル塩酸塩を分散させ、白濁した懸濁液を得た。さらに、100℃で7分間加熱し、混合液とした。混合液にオイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、オレイルアルコールを加えて再度100℃で7分加熱し、さらにモノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、およびモノラウリン酸プロピレングリコールを加えて攪拌し、液剤を得た。
以下の表1に示す処方でドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。すなわち、プロピレングリコールにドネペジル塩酸塩を加えて攪拌し、白濁した懸濁液を得た。さらに、懸濁液にオイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)を加えた。この懸濁液を80℃で30秒間加熱し、室温下で30秒攪拌した。この加熱し、攪拌する工程を計8回繰り返し、混合溶液とした。混合溶液にオレイルアルコール、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、およびモノラウリン酸プロピレングリコールを順次加えて攪拌し、液剤を得た。
処方例1~10により得られた製剤について、ドネペジル塩酸塩の皮膚透過性試験を行ない、経皮吸収性の評価を行なった。透過試験装置には縦型拡散セルを用いて試験を行った。具体的には、レセプター液(pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS))を満たした縦型拡散セルの開口部に、真皮側がレセプター液に接するようにヘアレスマウス腹部皮膚を取り付けた。角質層側にセルキャップを取り付け、セルキャップと皮膚および縦型拡散セルをセルホルダーで固定した。皮膚の角質層側にドネペジル液剤を200μL適用した時刻を実験開始時刻とし、経時的にレセプター液を200μL採取した。採取した溶液中のドネペジル濃度を高速液体クロマトグラフィーで測定した。5時間目におけるドネペジル累積皮膚透過量(Q5)〔μg/cm2〕を算出し、さらに5時間目までの最大フラックス(Fmax)〔μg/cm2/hour〕を算出しその結果を表1に示した。
処方11~13の製造
以下の表2に示す処方で、種々の高級モノアルコール(オレイルアルコール)の濃度を有するドネペジル塩酸塩の液剤(処方例11~13)を調製した。ドネペジル塩酸塩にプロピレングリコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)の順に秤量して加え、80℃で4分加熱し取り出して室温下で4分撹拌した。この工程を合計2回行った。澄明になったのを確認し、室温程度まで戻ったところでオレイルアルコールを無添加、5%または10%加えて撹拌した。澄明になったことを確認し、さらにモノラウリン酸ソルビタンを加えて撹拌した。均一に分散したことを確認し、さらにミリスチン酸イソプロピルを加えて撹拌した。モノカプリル酸プロピレングリコールを加えて澄明になるまで撹拌した。
処方10および処方12について、ヒト血中ドネペジル濃度推移をソフトウェアSKIN-CAD(登録商標)(株式会社バイオコムシステムズ)を使用して計算した。ヘアレスマウス皮膚で透過試験を行い、累積透過量のプロファイルからフラックスと、時間遅れ(td)を算出し、これをソフトウェアに入力した。また、ヒトの角質層の厚さとして20μmを入力した。また、ヒトへ投与した場合の体内動態パラメータとして、消失速度定数0.008hr-1および分布容積13.5±1.5L/kg(「アリセプト」医薬品インタビューフォーム第30版、p48、「消失速度定数」等参照)を使用し、消失速度定数0.008hr-1および分布容積810L(成人男性の体重を60kgとして)をソフトウェアに入力した。それぞれの液剤の濃度をソフトウェアに代入し、用法に関する値として計算時間4週間、投与回数4回、投与のタイミング(0~24時間目(1週目の1日目)、168時間目~192時間目(2週目の1日目)、336時間目~360時間目(3週目の1日目)、504時間目~528時間目(4週目の1日目))を入力した。
処方10および12の液剤のドネペジル血中濃度推移はドネペジルを含有するアリセプト錠5mgまたは8mgを1日1回14日間反復投与した際の被験者の血中濃度推移と同様であった(「アリセプト」医薬品インタビューフォーム第30版、p42、「反復投与」参照)。処方10および12の液剤により従来よりも長い投与間隔での治療が可能になることがわかった。
処方12の液剤の一定量(0.6~1.0mL、ドネペジル0.03~0.05g)を異なる皮膚適用面積(80cm2、160cm2または240cm2)に適用した。
処方14の製造
以下の表3に示す処方で、ドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。ドネペジル塩酸塩にプロピレングリコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、炭酸プロピレンの順に秤量して加え、80℃で4分加熱し取り出して室温下で4分撹拌した。この工程を合計2回行った。澄明になったのを確認し、室温程度まで戻ったところでオレイルアルコールを5%加えて撹拌した。澄明になったことを確認し、さらにモノラウリン酸ソルビタンを加えて撹拌した。均一に分散したことを確認し、さらにミリスチン酸イソプロピルを加えて撹拌した。モノカプリル酸プロピレングリコールを加えて澄明になるまで撹拌した。
処方15の製造
以下の表4に示す処方で、ドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。ドネペジル塩酸塩にプロピレングリコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、炭酸プロピレンの順に秤量して加え、80℃で4分加熱し取り出して室温下で4分撹拌した。この工程を合計2回行った。澄明になったのを確認し、室温程度まで戻ったところでオレイルアルコールを5%加えて撹拌した。澄明になったことを確認し、さらにモノラウリン酸ソルビタンを加えて撹拌した。均一に分散したことを確認し、さらにミリスチン酸イソプロピルを加えて撹拌した。モノカプリル酸プロピレングリコールを加えて澄明になるまで撹拌した。
以下の表4に示す処方で、ドネペジル塩酸塩の液剤を調製した。ドネペジル塩酸塩にプロピレングリコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、炭酸プロピレンの順に秤量して加え、80℃で8分加熱し取り出して室温下で4分撹拌した。澄明になったのを確認し、室温程度まで戻ったところでオレイルアルコールを5%加えて撹拌した。澄明になったことを確認し、さらにモノラウリン酸ソルビタンを加えて撹拌した。均一に分散したことを確認し、さらにミリスチン酸イソプロピルを加えて撹拌した。モノカプリル酸プロピレングリコールを無添加、5%または15%加えて澄明になるまで撹拌した。
処方19~22の製造
表4に示す処方で、種々のモノアルコール脂肪酸エステル(ミリスチン酸イソプロピル)の濃度を有するドネペジル塩酸塩の液剤(処方例19~22)を調製した。ドネペジル塩酸塩にプロピレングリコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、炭酸プロピレンの順に秤量して加え、80℃で8分加熱し取り出して室温下で4分撹拌した。澄明になったのを確認し、室温程度まで戻ったところでオレイルアルコールを5%加えて撹拌した。澄明になったことを確認し、さらにモノラウリン酸ソルビタンを加えて撹拌した。均一に分散したことを確認し、さらにミリスチン酸イソプロピルを無添加、1.25%、5%または10%加えて撹拌した。モノカプリル酸プロピレングリコールを加えて澄明になるまで撹拌した。
処方23~25の製造
表4に示す処方で、種々のモノラウリン酸ソルビタンの濃度を有するドネペジル塩酸塩の液剤(処方例23~25)を調製した。ドネペジル塩酸塩にプロピレングリコール、オイドラギット(登録商標)E-100(粉砕品)、炭酸プロピレンの順に秤量して加え、80℃で8分加熱し取り出して室温下で4分撹拌した。澄明になったのを確認し、室温程度まで戻ったところでオレイルアルコールを5%加えて撹拌した。澄明になったことを確認し、さらにモノラウリン酸ソルビタンを無添加、10%または15%加えて撹拌した。均一に分散したことを確認し、さらにミリスチン酸イソプロピルを加えて撹拌した。モノカプリル酸プロピレングリコールを加えて澄明になるまで撹拌した。
試験例3と同様に、処方14について、ヒト血中ドネペジル濃度推移をソフトウェアSKIN-CAD(登録商標)を使用して計算した。ヒト皮膚で透過試験を行い、累積透過量のプロファイルからフラックスと、時間遅れ(td)を算出し、これをソフトウェアに入力した。ヒトの角質層の厚さ、ヒトへ投与した場合の体内動態パラメータは試験例3と同じ値を用いた。液剤の濃度をソフトウェアに代入し、用法に関する値として計算時間4週間、投与回数4回、投与のタイミング(0~24時間目(1週目の1日目)、168時間目~192時間目(2週目の1日目)、336時間目~360時間目(3週目の1日目)、504時間目~528時間目(4週目の1日目))を入力した。処方14の液剤の一定量(0.8または1.0mL、ドネペジル0.04または0.05g)を異なる皮膚適用面積(80cm2、160cm2、240cm2または320cm2)に適用した。
in vitroヘアレスマウス皮膚透過試験結果からin vivoヒト血中濃度を計算した結果と、in vitroヒト皮膚透過試験結果からin vivoヒト血中濃度を計算した結果は大きく変わらないことが示された。したがって、本発明の液剤を適切な条件で適用することにより、アリセプト5mg錠の連続投与時のドネペジル最低血中濃度(トラフ値)を下回らずに、1週間ドネペジルの血中濃度を保てることが示された。
ヒト残存試験
皮膚テスト用パッチテープ(商品名:パッチテスター「トリイ」(リバテープ製薬株式会社製))に処方14のドネペジル液剤を40mg含浸させた。液剤を含浸させた皮膚テスト用パッチテープを3名の被験者の両腕にそれぞれ1か所ずつ貼付した。片方のパッチテスターを貼付直後に剥離し、パッチテスターから回収した薬物量と皮膚表面を拭き取り回収した薬物量の和を測定することで、貼付直後に皮膚に吸収されずに残存している薬物の量を求めた(M0)。通気性の良好なカバーパッチを24時間貼付するパッチテスターの上にサポートとして貼付し、入浴時(シャワー)には防水用のカバーパッチをさらに上から貼付し、入浴後に剥がした。24時間後、もう片方のパッチテスターとカバーパッチを剥離し、それらから回収した薬物量と皮膚表面を拭き取り回収した薬物量の和を測定することで、貼付直後に皮膚に吸収されずに残存している薬物の量を求めた(M24)。得られたM0およびM24を以下の数1に代入し、薬剤利用率(%)を得た。
Claims (21)
- ドネペジルまたはその塩と、水溶性添加剤とを含んでなる、経皮吸収液剤。
- 前記水溶性添加剤が、多価アルコール、アミノ基を有する高分子化合物、高級モノアルコール、多価アルコール脂肪酸エステル、炭酸エステル、モノアルコール脂肪酸エステルおよび高級脂肪酸からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の経皮吸収液剤。
- 前記水溶性添加剤が、多価アルコール、アミノ基を有する高分子化合物、ならびに、高級モノアルコールおよび/または多価アルコール脂肪酸エステルを含んでなる、請求項1または2に記載の経皮吸収液剤。
- 前記水溶性添加剤が、さらに炭酸エステルを含んでなる、請求項3に記載の経皮吸収液剤。
- 前記ドネペジルまたはその塩が、0.5~20質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記多価アルコールが、2~6価アルコールである、請求項2~5のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記多価アルコールが、グリセリンまたはプロピレングリコールである、請求項2~6のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記アミノ基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルと、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルおよびこれらの組み合わせから選択されるモノマー単位とから構成されるコポリマーである、請求項2~7のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記アミノ基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエチルコポリマーである、請求項2~8のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記高級モノアルコールが、炭素数6~25のモノアルコールである、請求項2~9のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記高級モノアルコールが、オレイルアルコールである、請求項2~10のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記多価アルコール脂肪酸エステルが、糖アルコール脂肪酸エステルまたはグリコール脂肪酸エステルである、請求項2~11のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記多価アルコール脂肪酸エステルが、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸プロピレングリコール、またはモノラウリン酸プロピレングリコールである、請求項2~12のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記モノアルコール脂肪酸エステルが、モノアルコール高級脂肪酸エステルである、請求項2~13のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記モノアルコール脂肪酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピルである、請求項2~14のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記高級脂肪酸が、炭素数6~20の脂肪酸である、請求項2~15のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記高級脂肪酸が、イソステアリン酸である、請求項2~16のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 前記炭酸エステルが、炭酸プロピレンである、請求項2~17のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- 1週間1回投与するための、請求項2~18のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤。
- ドネペジルまたはその塩と、水溶性添加剤とを含んでなる混合液を加熱する工程を含んでなる、請求項1~19のいずれか一項に記載の経皮吸収液剤の製造方法。
- 前記混合液が澄明になるまで加熱する、請求項20に記載の製造方法。
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CN119497616A (zh) * | 2022-05-02 | 2025-02-21 | 株式会社基诺制药 | 含有苯胺衍生物的皮肤用外用剂 |
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