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JP6553696B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原動機によって回転駆動する原動軸の回転駆動力を被動体を駆動させる従動軸に伝達および遮断するクラッチ装置に関する。
従来から、二輪自動車や四輪自動車などの車両においては、エンジンなどの原動機と車輪などの被動体との間に配置されて原動機の回転駆動力を被動体に伝達または遮断するためにクラッチ装置が用いられている。一般に、クラッチ装置は、原動機の回転駆動力によって回転する複数のフリクションプレートと被動体に連結された複数のクラッチプレートとを互いに対向配置するとともに、これらのフリクションプレートとクラッチプレートとを密着および離隔させることにより回転駆動力の伝達または遮断を任意に行なうことができる。
例えば、下記特許文献1には、クラッチプレートを保持して互いに接近または離隔するクラッチ部材(センタークラッチ)およびプレッシャ部材(プレッシャークラッチ)における互いの対向面に回転駆動力の伝達または遮断を素早く行うためのカム面を備えたクラッチ装置が開示されている。このクラッチ装置は、クラッチ部材に形成されたクラッチ部材側第1カム面(センター側アシストカム面)およびクラッチ部材側第2カム面(センター側スリッパカム面)にプレッシャ部材に形成されたプレッシャ部材側第1カム面(プレッシャー側アシストカム面)およびプレッシャ部材側第2カム面(プレッシャー側スリッパカム面)が乗り上げる際に生じるアシストトルクまたはスリッパトルクによってクラッチ部材とプレッシャ部材とを素早く接近または離隔するように構成されている。
特開2013−137039号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載したクラッチ装置においては、アシストトルクおよびスリッパトルクのうちの一方のトルク値を所望のトルク値に設定するために、例えば、センタークラッチとプレッシャークラッチとの間に設けられているコイルスプリングの強さで設定しようとすると他方のスリッパトルクまたはアシストトルクのトルク値が変更されてしまうという不都合が生じるという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、アシストトルクとスリッパトルクとの間で互いに影響し合うことなく所望する互いに異なるトルク値を設定することができるクラッチ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、原動軸の回転駆動力を従動軸に伝達または遮断するクラッチ装置において、原動軸の回転駆動によって回転駆動するフリクションプレートに対向配置されるクラッチプレートを保持するとともに従動軸に連結されるセンタークラッチと、センタークラッチに対して接近または離隔可能かつ相対回転可能な状態で対向配置されてフリクションプレートまたはクラッチプレートを弾性的に押圧するプレッシャークラッチとを備え、プレッシャークラッチは、軸方向に張り出した傾斜面からなるプレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面をそれぞれ有しており、センタークラッチは、プレッシャー側アシストカム面が接近する際にこのプレッシャー側アシストカム面と摺動し合って前記接近する力を増加させる傾斜面からなるセンター側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面が離隔する際にこのプレッシャー側スリッパカム面と摺動し合って前記離隔する力を増加させる傾斜面からなるセンター側スリッパカム面をそれぞれ有しており、センター側アシストカム面とプレッシャー側アシストカム面との接触面であるアシスト接触面とセンター側スリッパカム面とプレッシャー側スリッパカム面との接触面であるスリッパ接触面とは、センタークラッチの径方向の位置が互いに異なる位置に形成されていることにある。
この場合、アシスト接触面とスリッパ接触面とを互いに異なる径方向位置に形成するには、センター側アシストカム面とセンター側スリッパカム面とを互いに異なる径方向位置に形成する、プレッシャー側アシストカム面とプレッシャー側スリッパカム面とを互いに異なる径方向位置に形成する、およびセンター側アシストカム面とセンター側スリッパカム面とを互いに異なる径方向位置に形成してかつプレッシャー側アシストカム面とプレッシャー側スリッパカム面とを互いに異なる径方向位置に形成することができる。
このように構成した本発明の特徴によれば、クラッチ装置は、センター側アシストカム面とプレッシャー側アシストカム面との接触面であるアシスト接触面とセンター側スリッパカム面とプレッシャー側スリッパカム面との接触面であるスリッパ接触面とをセンタークラッチの径方向の位置を互いに異なる位置に形成することでそれぞれ所望する互いに異なるトルク値を設定することができる。すなわち、本発明によれば、センタークラッチとプレッシャークラッチとの間に設けられているコイルスプリングの強さを変更することなくアシストトルクおよびスリッパトルクをそれぞれ所望するトルク値に設定することができる。
なお、アシストトルクおよびスリッパトルクをそれぞれ所望のトルク値に設定するために、アシストトルク側のカム面の傾斜角とスリッパトルク側のカム面の傾斜角とを互いに異なる傾斜角に設定することも可能であるが、この場合、センタークラッチとプレッシャークラッチとを組み付けた際に両者の間にガタツキが生じることがある。しかし、本発明によれば、アシストトルク側のカム面の傾斜角とスリッパトルク側のカム面の傾斜角とが互いに異なる傾斜角にすることなくアシストトルクおよびスリッパトルクをそれぞれ所望するトルク値に設定することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、プレッシャークラッチは、センタークラッチに対向配置されてプレッシャークラッチとともに一体的に回転する平板リング状のサポートプレートを備えており、プレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面のうちの少なくとも一方は、サポートプレートに形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、プレッシャークラッチにセンタークラッチに対向配置されてプレッシャークラッチとともに一体的に回転する平板リング状のサポートプレートが設けられているとともに、このサポートプレートにプレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面のうちの少なくとも一方が形成されているため、プレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面の各配置位置を含むプレッシャークラッチおよびセンタークラッチの設計の自由度を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、センタークラッチは、プレッシャークラッチに対向配置されてセンタークラッチと一体的に回転する平板リング状のサポートプレートを備えており、センター側アシストカム面およびセンター側スリッパカム面の少なくとも一方は、サポートプレートに形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、センタークラッチにプレッシャークラッチに対向配置されてセンタークラッチとともに一体的に回転する平板リング状のサポートプレートが設けられているとともに、このサポートプレートにセンター側アシストカム面およびセンター側スリッパカム面のうちの少なくとも一方が形成されているため、センター側アシストカム面およびセンター側スリッパカム面の各配置位置を含むプレッシャークラッチおよびセンタークラッチの設計の自由度を向上させることができる。
なお、プレッシャークラッチまたはセンタークラッチにサポートプレートを設けた場合においは、これらのサポートプレートに必ずしもプレッシャー側アシストカム面、プレッシャー側スリッパカム面、センター側アシストカム面およびセンター側スリッパカム面を設けなければならいことはない。すなわち、本発明に係るクラッチ装置においては、プレッシャークラッチまたはセンタークラッチにサポートプレートを設けた場合であっても、プレッシャークラッチにのみプレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面をそれぞれ設けてもよいし、センタークラッチにのみセンター側アシストカム面およびセンター側スリッパカム面を設けてもよいものである。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、スリッパ接触面は、アシスト接触面に対してセンタークラッチの径方向の内側の位置に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、スリッパ接触面がアシスト接触面に対してセンタークラッチの径方向の内側の位置に形成されているため、一般的にスリッパトルクに比べて大きなアシストトルクとの差を大きくしたクラッチ装置のフィーリングを運転者に与えることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、スリッパ接触面は、アシスト接触面に対してセンタークラッチの径方向の外側の位置に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、スリッパ接触面がアシスト接触面に対してセンタークラッチの径方向の外側の位置に形成されているため、一般的にスリッパトルクに比べて大きなアシストトルクとの差を小さくしたクラッチ装置のフィーリングを運転者に与えることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、スリッパ接触面は、アシスト接触面の面積よりも小さい面積で形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、スリッパ接触面の面積がアシスト接触面の面積よりも小さく形成されているため、センター側スリッパカム面およびプレッシャー側スリッパカム面を構成する部分の構成を小型化してセンタークラッチおよびプレッシャークラッチを軽量化することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、センター側スリッパカム面をセンタークラッチにおける内縁部に軸方向にリング状に突出して形成されたセンター内側リング状突出部側に偏らせて同センター内側リング状突出部に一体的に繋がった状態で形成する、またはプレッシャー側スリッパカム面をプレッシャークラッチにおける内縁部に軸方向にリング状に突出して形成されたプレッシャー内側リング状突出部側に偏らせて同プレッシャー内側リング状突出部に一体的に繋がった状態で形成することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、センター側スリッパカム面をセンタークラッチにおけるセンター内側リング状突出部、またはプレッシャー側スリッパカム面をプレッシャークラッチにおけるプレッシャー内側リング状突出部に偏らせてこれらに一体的に繋がった状態で形成しているため、各カム面の成形が容易になるとともに、これらの各カム面、センター内側リング状突出部およびプレッシャー内側リング状突出部の剛性を向上させることができる。
具体的には、センター内側リング状突出部に対してセンター側スリッパカム面を形成することで、このセンター側スリッパカム面上を摺動するプレッシャー側スリッパカム面の径方向の長さを少なくともセンター側スリッパカム面に対向する長さを確保すれば自由に設定することができる。また、プレッシャー内側リング状突出部に対してプレッシャー側スリッパカム面を形成することで、このプレッシャー側スリッパカム面上を摺動するセンター側スリッパカム面の径方向の長さを少なくともプレッシャー側スリッパカム面に対向する長さを確保すれば自由に設定することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記クラッチ装置において、プレッシャー側スリッパカム面をプレッシャークラッチにおける外縁部にリング状に突出して形成されたプレッシャー外側リング状突出部側に偏らせて同プレッシャー外側リング状突出部の内側に一体的に繋がった状態で形成する、またはセンター側スリッパカム面をセンタークラッチにおける外縁部にリング状に突出して形成されたセンター外側リング状突出部側に偏らせて同センター外側リング状突出部の内側に一体的に繋がった状態で形成することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、クラッチ装置は、プレッシャー側スリッパカム面をプレッシャークラッチにおけるプレッシャー外側リング状突出部、またはセンター側スリッパカム面をセンタークラッチにおけるセンター外側リング状突出部に偏らせてこれらに一体的に繋がった状態で形成しているため、各カム面の成形が容易になるとともに、これらの各カム面、プレッシャー外側リング状突出部およびセンター外側リング状突出部の剛性を向上させることができる。
具体的には、プレッシャー外側リング状突出部に対してプレッシャー側スリッパカム面を形成することで、このプレッシャー側スリッパカム面上を摺動するセンター側スリッパカム面の径方向の長さを少なくともプレッシャー側スリッパカム面に対向する長さを確保すれば自由に設定することができる。また、センター外側リング状突出部に対してセンター側スリッパカム面を形成することで、このセンター側スリッパカム面上を摺動するプレッシャー側スリッパカム面の径方向の長さを少なくともセンター側スリッパカム面に対向する長さを確保すれば自由に設定することができる。
本発明の一実施形態に係るクラッチ装置の全体構成の概略をクラッチONの状態で示す断面図である。 図1に示すクラッチ装置内に組み込まれるセンタークラッチの外観構成を概略的に示す斜視図である。 図2に示すセンタークラッチの外観構成を概略的に示す平面図である。 図1に示すクラッチ装置内に組み込まれるプレッシャークラッチの外観構成を概略的に示す斜視図である。 (A),(B)は図1に示すクラッチ装置におけるカム面の作動状態を示しており、(A)はセンター側アシストカム面上にプレッシャー側アシストカム面が乗り上げた状態を模式的に示す断面図であり、(B)はセンター側スリッパカム面上にプレッシャー側スリッパカム面が乗り上げた状態を模式的に示す断面図である。 図1に示すクラッチ装置におけるクラッチOFFの状態を示す断面図である。 本発明の変形例に係るクラッチ装置内に組み込まれるプレッシャークラッチの外観構成を概略的に示す斜視図である。 図7に示すプレッシャークラッチの外観構成を概略的に示す平面図である。 本発明の変形例に係るクラッチ装置の全体構成の概略であってクラッチONの状態を示す断面図である。 図9に示すクラッチ装置内に組み込まれるセンタークラッチの外観構成を概略的に示す斜視図である。 図10に示すセンタークラッチの外観構成を概略的に示す平面図である。 図9に示すクラッチ装置内に組み込まれるプレッシャークラッチの外観構成を概略的に示す斜視図である。 図12に示すプレッシャークラッチの外観構成を概略的に示す平面図である。 (A)〜(D)はサポートプレートがプレッシャークラッチに設けられている場合におけるプレッシャー側アシストカム面、プレッシャー側スリッパカム面、センター側アシストカム面およびセンター側スリッパカム面の形成位置のバリエーションを模式的に示した説明図である。 (A)〜(D)はサポートプレートがセンタークラッチに設けられている場合におけるセンター側アシストカム面、センター側スリッパカム面、プレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面の形成位置のバリエーションを模式的に示した説明図である。
以下、本発明に係るクラッチ装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るクラッチ装置100の全体構成の概略を示す断面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。このクラッチ装置100は、二輪自動車(オートバイ)における原動機であるエンジン(図示せず)の駆動力を被動体である車輪(図示せず)に伝達および遮断するための機械装置であり、同エンジンと変速機(トランスミッション)(図示せず)との間に配置されるものである。
(クラッチ装置100の構成)
クラッチ装置100は、クラッチハウジング101を備えている。クラッチハウジング101は、フリクションプレート103を保持するとともにこのフリクションプレート103にエンジンからの駆動力を伝達するための部品であり、アルミニウム合金材を有底円筒状に成形して構成されている。より具体的には、クラッチハウジング101の筒状部には、内歯歯車状のスプラインが形成されており、このスプラインに複数枚(本実施形態においては5枚)のフリクションプレート103がクラッチハウジング101の軸線方向に沿って変位可能、かつ同クラッチハウジング101と一体回転可能な状態でスプライン嵌合して保持されている。
このクラッチハウジング101は、図示左側側面がトルクダンパ(図示せず)を介してリベット101aによって入力ギア102に取り付けられている。入力ギア102は、エンジンの駆動により回転駆動する図示しない原動軸に連結された駆動ギアと噛合って回転駆動する歯車部品であり、軸受102aを介して後述するシャフト110に回転自在に支持されている。すなわち、クラッチハウジング101は、シャフト110と同心位置でシャフト110と独立して入力ギア102と一体的に回転駆動する。
フリクションプレート103は、クラッチプレート104に押し当てられる平板環状の部品であり、アルミニウム材からなる薄板材を環状に打ち抜いて成形されている。この場合、各フリクションプレート103の外周部には、クラッチハウジング101の前記内歯状のスプラインに噛み合う外歯が形成されている。これらのフリクションプレート103における各両側面(表裏面)には、図示しない複数の紙片からなる摩擦材が貼り付けられているとともに各摩擦材間に図示しない油溝が形成されて構成されている。また、これらのフリクションプレート103は、それぞれ同じ大きさおよび形状に形成されている。
クラッチハウジング101の内側には、複数枚(本実施形態においては4枚)のクラッチプレート104が前記フリクションプレート103で挟まれた状態でセンタークラッチ105およびプレッシャークラッチ111にそれぞれ保持されている。
クラッチプレート104は、前記フリクションプレート103に押し当てられる平板環状の部品であり、SPCC(冷間圧延鋼板)材からなる薄板材を環状に打ち抜いて成形されている。これらのクラッチプレート104における各両側面(表裏面)には、クラッチオイルを保持するための深さ数μm〜数十μmの図示しない油溝が形成されているとともに、耐摩耗性を向上させる目的で表面硬化処理がそれぞれ施されている。
また、各クラッチプレート104の内周部には、センタークラッチ105に形成されたセンター側嵌合部108およびプレッシャークラッチ111に形成されたプレッシャー側嵌合部115にそれぞれスプライン嵌合する内歯歯車状のスプラインがそれぞれ形成されている。これらのクラッチプレート104は、それぞれ同じ大きさおよび形状に形成されている。なお、前記摩擦材は、前記フリクションプレートに代えてこのクラッチプレート104に設けられていてもよい。
センタークラッチ105は、図2および図3にそれぞれ示すように、前記クラッチプレート104およびプレッシャークラッチ111をそれぞれ収容するとともにエンジンの駆動力を変速機側に伝達するための部品であり、アルミニウム合金材を略円筒状に成形して構成されている。より具体的には、センタークラッチ105は、主として、センター内側リング状突出部105a、内側板部105bおよびセンター外側リング状突出部105cを一体的に形成して構成されている。
センター内側リング状突出部105aは、プレッシャークラッチ111を保持しつつシャフト110に接続される部分であり、センタークラッチ105の内縁部に軸方向にリング状に突出した円筒状に形成されている。このセンター内側リング状突出部105aの内周面には、センタークラッチ105の軸線方向に沿って内歯歯車状のスプラインが形成されており、このスプラインにシャフト110がスプライン嵌合している。すなわち、センタークラッチ105は、クラッチハウジング101およびシャフト110と同心位置でシャフト110とともに一体的に回転する。
内側板部105bは、センター内側リング状突出部105aとセンター外側リング状突出部105cとの間に形成された部分であり、円周状に配置された3つのセンター側カム部106の間に3つの支柱貫通孔107がそれぞれ形成されて構成されている。3つのセンター側カム部106は、センター側アシストカム面106aおよびセンター側スリッパカム面106bを形成する凸状の部分であり、センタークラッチ105の周方向に沿って延びて形成されている。この場合、3つのセンター側カム部106は、センタークラッチ105の周方向に沿って均等に形成されている。そして、各センター側カム部106におけるセンタークラッチ105の周方向の両端部には、センター側アシストカム面106aおよびセンター側スリッパカム面106bがそれぞれ形成されている。
各センター側アシストカム面106aは、後述するプレッシャー側アシストカム面112aと協働してフリクションプレート103とクラッチプレート104との圧接力を増強する力であるアシストトルクを発生させるための部分であり、センタークラッチ105の円周方向に沿って徐々にプレッシャークラッチ111側に張り出す傾斜面でそれぞれ構成されている。この場合、各センター側アシストカム面106aは、各支柱貫通孔107に面する向きでそれぞれ形成されている。また、各センター側アシストカム面106aは、センター側カム部106がセンター内側リング状突出部105aに一体的に繋がった状態で径方向外側の外周部に形成されたセンター側嵌合部108の近傍まで延びて形成されている。
各センター側スリッパカム面106bは、後述するプレッシャー側スリッパカム面112bと協働してフリクションプレート103とクラッチプレート104とを早期に離隔させて半クラッチ状態に移行させる力であるスリッパトルクを生じさせるための部分であり、センター側アシストカム面106aとは周方向の反対側にセンター側アシストカム面106aと同じ方向に傾斜する傾斜面でそれぞれ構成されている。この場合、各センター側スリッパカム面106bは、センター側アシストカム面106aとは反対側のプレッシャークラッチ111側に面する向きでそれぞれ形成されている。
そして、各センター側スリッパカム面106bは、センター側カム部106がセンター内側リング状突出部105aに一体的に繋がった状態で径方向外側に延びて形成されている。この場合、各センター側スリッパカム面106bは、各センター側アシストカム面106aが径方向に延びる長さよりも短い長さで形成されている。これにより、各センター側スリッパカム面106bは、各センター側アシストカム面106aが形成された径方向位置よりも内側の位置に各センター側アシストカム面106aの面積よりも小さい面積で形成されている。
なお、前記したクラッチ装置100の半クラッチ状態とは、クラッチ装置100におけるフリクションプレート103とクラッチプレート104とが完全に密着する前の状態においてエンジンの駆動力の一部が駆動輪側に伝達される不完全な伝達状態のことである。
3つの支柱貫通孔107は、後述する3つの筒状支柱113をそれぞれ貫通させるための貫通孔である。これら3つの支柱貫通孔107は、前記3つのセンター側カム部106の間の位置にセンタークラッチ105の周方向に沿って均等に形成されている。
センター外側リング状突出部105cは、前記複数枚のクラッチプレート104の一部を保持する部分であり、センタークラッチ105の外縁部に軸方向にリング状に突出した円筒状に形成されるとともにこの円筒状に形成された部分の端部がフランジ状に張り出して形成されている。このセンター外側リング状突出部105cにおける前記円筒状に形成された部分の外周面には、センター側嵌合部108が形成されている。
センター側嵌合部108は、クラッチプレート104を、フリクションプレート103を挟んだ状態でセンタークラッチ105の軸線方向に沿って変位可能かつ同センタークラッチ105と一体回転可能な状態保持する部分であり、外歯歯車状のスプラインで構成されている。また、センター側嵌合部108は、このセンター側嵌合部108を構成するスプラインの一部に突出歯108aが形成されている。
突出歯108aは、クラッチプレート104および/またはフリクションプレート103の脱落を防止するための部分であり、センター側嵌合部108を構成するスプライン歯の一つがプレッシャークラッチ111におけるプレッシャー側嵌合部115の逃げ部115a上に達する長さに延びて形成されている。この突出歯108aは、前記3つのセンター側カム部106に対してそれぞれセンタークラッチ105の径方向外側に隣接する位置に形成されている。すなわち、突出歯108aは、センタークラッチ105の周方向に沿って均等配置で3つ設けられている。
シャフト110は、中空状に形成された軸体であり、一方(図示左側)の端部側が円筒状の軸受102aを介して入力ギア102およびクラッチハウジング101を回転自在に支持するとともに、前記スプライン嵌合するセンタークラッチ105をナット110aを介して固定的に支持する。このシャフト110における他方(図示左側)の端部は、二輪自動車における図示しない変速機に連結されている。すなわち、シャフト110は、本発明における従動軸に相当する。
プレッシャークラッチ111は、フリクションプレート103を押圧することによってこのフリクションプレート103とクラッチプレート104とを互いに密着させるための部品であり、アルミニウム合金材をクラッチプレート104の外径と略同じ大きさの外径の略円盤状に成形して構成されている。より具体的には、プレッシャークラッチ111は、図4に示すように、主として、内側板部111aおよびプレッシャー外側リング状突出部111bを一体的に形成して構成されている。
内側板部111aは、円周状に配置された3つのプレッシャー側カム部112の間に3つの筒状支柱113がそれぞれ有してセンタークラッチ105におけるセンター内側リング状突出部105aの外周面上に摺動自在な状態で嵌合している。すなわち、プレッシャークラッチ111は、クラッチハウジング101、センタークラッチ105およびシャフト110と同心位置でセンタークラッチ105およびシャフト110とは独立して回転可能に設けられている。
3つのプレッシャー側カム部112は、プレッシャー側アシストカム面112aおよびプレッシャー側スリッパカム面112bを形成する凸状の部分であり、プレッシャークラッチ111の周方向に沿って延びて形成されている。この場合、3つのプレッシャー側カム部112は、プレッシャークラッチ111の周方向に沿って均等に形成されている。そして、各プレッシャー側カム部112におけるプレッシャークラッチ111の周方向の両端部には、プレッシャー側アシストカム面112aおよびプレッシャー側スリッパカム面112bがそれぞれ形成されている。
各プレッシャー側アシストカム面112aは、前記センタークラッチ105のセンター側アシストカム面106a上を摺動する部分であり、プレッシャークラッチ111の円周方向に沿って徐々にセンタークラッチ105側に張り出す傾斜面で構成されている。すなわち、センター側アシストカム面106aとプレッシャー側アシストカム面112aとでアシスト機構が構成されている。この各プレッシャー側アシストカム面112aは、プレッシャー側カム部112が後述するプレッシャー側嵌合部115に一体的に繋がった状態で径方向内側の筒状支柱113まで延びて形成されている。
各プレッシャー側スリッパカム面112bは、前記センター側スリッパカム面106b上を摺動する部分であり、プレッシャー側アシストカム面112aとは周方向の反対側にプレッシャー側アシストカム面112aと同じ方向に延びる傾斜面でそれぞれ構成されている。すなわち、センター側スリッパカム面106bとプレッシャー側スリッパカム面112bとでスリッパ機構が構成されている。
これらの各プレッシャー側スリッパカム面112bは、前記各プレッシャー側アシストカム面112aと同様に、プレッシャー側カム部112がプレッシャー側嵌合部115に一体的に繋がった状態で径方向内側の筒状支柱113まで延びて形成されている。すなわち、各プレッシャー側スリッパカム面112bは、各プレッシャー側アシストカム面112aと径方向の長さおよび面積がそれぞれ同じ長さおよび面積で形成されている。なお、各プレッシャー側スリッパカム面112bは、センター側スリッパカム面106bに対向する位置にセンター側スリッパカム面106bと同じ面積で形成されていてもよいことは当然である。
3つの筒状支柱113は、サポートプレート114aを支持するためにセンタークラッチ105の軸方向に柱状に延びた円筒状の部分であり、その内周部に取付ボルト114bがネジ嵌合する雌ネジが形成されている。これら3つの筒状支柱113は、プレッシャークラッチ111の周方向に沿って均等に形成されている。
サポートプレート114aは、クラッチスプリング114cをセンタークラッチ105の内側板部105bとで挟むための部品であり、金属材を平板リング状に板状体に形成して構成されている。このサポートプレート114aは、センタークラッチ105に対してプレッシャークラッチ111とは反対側に対向する位置に取付ボルト114bを介してプレッシャークラッチ111に取り付けられており、このプレッシャークラッチ111とともに一体的にセンタークラッチ105に対して変位するとともに相対回転する。また、このサポートプレート114aの中央部には、ベアリングを介してレリーズピン114dが設けられている。
クラッチスプリング114cは、プレッシャークラッチ111をセンタークラッチ105側に押圧することによってプレッシャークラッチ111のプレッシャー外側リング状突出部111bをフリクションプレート103に押圧するための弾性体であり、ばね鋼を螺旋状に巻いたコイルスプリングによって構成されている。このクラッチスプリング114cは、3つの筒状支柱113の各間にそれぞれ配置されている。
レリーズピン114dは、クラッチ装置100の回転駆動力の伝達状態を切断状態とする際にサポートプレート114aを押圧するための棒状部品であり、一方(図示右側)の端部が図示しないクラッチレリーズ機構に接続されている。ここで、クラッチレリーズ機構とは、クラッチ装置100が搭載される自走式車両の運転者のクラッチ操作レバー(図示しない)の操作によってレリーズピン114dをシャフト110側に押圧する機械装置である。
プレッシャー外側リング状突出部111bは、前記複数枚のクラッチプレート104の他の一部を保持する部分であり、プレッシャークラッチ111の外縁部の軸方向にリング状に突出した円筒状に形成されるとともにこの円筒状に形成された部分の端部がフランジ状に張り出して形成されている。このプレッシャー外側リング状突出部111bにおける前記円筒状に形成された部分の外周面には、プレッシャー側嵌合部115が形成されている。
プレッシャー側嵌合部115は、クラッチプレート104を、フリクションプレート103とともにプレッシャークラッチ111の軸線方向に沿って変位可能、かつ同プレッシャークラッチ111と一体回転可能な状態で保持する部分であり、外歯歯車状のスプラインで構成されている。
この場合、プレッシャー側嵌合部115を構成するスプラインは、センター側嵌合部108を構成するスプラインと同じ歯先円、歯底円および歯厚で形成されているとともに、センター側嵌合部108を構成するスプライン歯よりも短い歯幅で形成されている。また、プレッシャー側嵌合部115は、プレッシャー側嵌合部115を構成するスプラインの一部に逃げ部115aが形成されている。
逃げ部115aは、前記突出歯108aの物理的干渉を防止するための部分であり、プレッシャー側嵌合部115を構成するスプライン歯の一つが省略されて曲面で構成されている。より具体的には、逃げ部115aは、突出歯108aが位置するプレッシャー側嵌合部115上の一つのスプライン歯が省略されるとともに、この省略されたスプライン歯に対して周方向の両側にそれぞれ隣接する2つの歯底と面一に直接繋がった凹凸のない平らな円弧面で構成されている。したがって、逃げ部115aは、3つの突出歯108aに対応してプレッシャークラッチ111の周方向に沿って均等配置で形成されている。
そして、このクラッチ装置100内には、所定量のクラッチオイル(図示しない)が充填されている。クラッチオイルは、主として、フリクションプレート103とクラッチプレート104との間に供給されてこれらの間で生じる摩擦熱の吸収や摩擦材の摩耗を防止する。すなわち、このクラッチ装置100は、所謂湿式多板摩擦クラッチ装置である。
(クラッチ装置100の作動)
次に、上記のように構成したクラッチ装置100の作動について説明する。このクラッチ装置100は、前記したように、車両におけるエンジンと変速機との間に配置されるものであり、車両の運転者によるクラッチ操作レバーの操作によってエンジンの駆動力の変速機への伝達および遮断を行なう。
具体的には、クラッチ装置100は、図1および図5(A)にそれぞれ示すように、車両の運転者(図示せず)がクラッチ操作レバー(図示せず)を操作しない場合においては、クラッチレリーズ機構(図示せず)がレリーズピン114dを押圧しないため、プレッシャークラッチ111がクラッチスプリング114cの弾性力によってフリクションプレート103を押圧する。これにより、センタークラッチ105は、フリクションプレート103とクラッチプレート104とが互いに押し当てられて摩擦連結されたクラッチONの状態となって回転駆動する。すなわち、原動機の回転駆動力がセンタークラッチ105に伝達されてシャフト110が回転駆動する。
このようなクラッチON状態においては、センタークラッチ105に形成されたセンター側アシストカム面106aにプレッシャークラッチ111に形成されたプレッシャー側アシストカム面112aが乗り上げるカム作用(図においてa矢印)によってプレッシャークラッチ111がセンタークラッチ105に対して相対回転しながら接近する方向に変位(図においてb矢印)して押圧力が急激に強まるアシスト機能が作用する。これにより、プレッシャークラッチ111は、アシスト機構によって強い力でセンタークラッチ105に押し付けられる。
この場合、プレッシャークラッチ111がセンタークラッチ105に押し付けられるアシストトルクTaは、下記数1によって規定される。ここで、「μa」はセンター側アシストカム面106aとプレッシャー側アシストカム面112aとが摩擦接触するアシスト接触面Faにおける摩擦係数であり、「Ra」はアシスト接触面Faの有効径であり、「Pa」はセンタークラッチ105に作用する原動軸側からの回転駆動力である。また、アシスト接触面Faの有効径Raは、センタークラッチ105(またはプレッシャークラッチ111)の回転中心Oと、アシスト接触面Faにおけるセンタークラッチ105(またはプレッシャークラッチ111)の径方向の幅の中心位置との間の距離である。なお、図3においては、アシスト接触面Faを薄いハッチングで示すとともにスリッパ接触面Fsを濃いハッチングで示している。
(数1)
Ta=μa×Ra×Pa
また、クラッチON状態において、運転者による変速機に対するシフトダウン操作などによってエンジン側の回転数よりも駆動輪側の回転数が上回った場合には、シャフト110の回転数が入力ギア102の回転数を上回ってクラッチ装置100にバックトルクが作用することがある。この場合、クラッチ装置100は、図5(B)に示すように、センタークラッチ105に形成されたセンター側スリッパカム面106bにプレッシャークラッチ111に形成されたプレッシャー側スリッパカム面112bが乗り上げるカム作用(図においてc矢印)によってプレッシャークラッチ111がセンタークラッチ105に対して相対回転しながら離隔する方向に変位(図においてd矢印)して押圧力が急激に弱まるスリッパ機能が作用する。これにより、クラッチ装置100は、フリクションプレート103とクラッチプレート104とが互いに離隔し始めて互いに押し付け合っている状態が弱まって摩擦連結が弱まる状態になる。
この場合、プレッシャークラッチ111がセンタークラッチ105から離隔する際に作用するスリッパトルクTsは、前記アシストトルクTaと同様に、下記数2によって規定される。ここで、「μb」はセンター側スリッパカム面106bとプレッシャー側スリッパカム面112bとが摩擦接触するスリッパ接触面Fsにおける摩擦係数であり、「Rs」はスリッパ接触面Fsの有効径であり、「Ps」はプレッシャークラッチ111に作用する従動軸側からの回転駆動力である。また、スリッパ接触面Fsの有効径Rsは、センタークラッチ105(またはプレッシャークラッチ111)の回転中心Oと、スリッパ接触面Fsにおけるセンタークラッチ105(またはプレッシャークラッチ111)の径方向の幅の中心位置との間の距離である。なお、図5においては、スリッパ接触面Fsをハッチングで示している。
(数2)
Ts=μs×Rs×Ps
この場合、仮に、摩擦係数μaと摩擦係数μsとが同一でかつ回転駆動力Paと回転駆動力Psとが同一であった場合には、スリッパトルクTsはアシストトルクTaよりも小さくなる。すなわち、クラッチ装置100は、アシスト接触面Faの有効径Raおよびスリッパ接触面Fsの有効径RsによってアシストトルクTaおよびスリッパトルクTsを所望するトルク値にそれぞれ設定することができる。
なお、クラッチONの状態においては、センタークラッチ105におけるセンター外側リング状突出部105cに形成された突出歯108aは、プレッシャークラッチ111におけるプレッシャー側嵌合部115に形成された逃げ部115a上に位置して互いに重なっている。このため、センター側嵌合部108とプレッシャー側嵌合部115との境界部分に存在するフリクションプレート103および/またはクラッチプレート104は、突出歯108aによってセンター外側リング状突出部105cおよびプレッシャー外側リング状突出部111bからそれぞれ脱落することはない。
また、スリッパ機能が作用した場合において、突出歯108aは、プレッシャークラッチ111に対して相対的に回転変位するが、プレッシャークラッチ111のプレッシャー側嵌合部115には逃げ部115aが隣接する歯底と面一で一体的に繋がって形成されているため、プレッシャー側嵌合部115を構成するスプライン歯に衝突するなど物理的に干渉することはない。
一方、クラッチ装置100は、図6に示すように、車両の運転者がクラッチ操作レバーを操作した場合においては、クラッチレリーズ機構(図示せず)がレリーズピン114dを押圧するため、プレッシャークラッチ111がクラッチスプリング114cの弾性力に抗してセンタークラッチ105から離隔する方向に変位する。これにより、センタークラッチ105は、フリクションプレート103とクラッチプレート104との摩擦連結が解消されたクラッチOFFの状態となるため、回転駆動が減衰または回転駆動が停止する状態となる。すなわち、原動機の回転駆動力がセンタークラッチ105に対して遮断される。
この場合、センター側アシストカム面106aとプレッシャー側アシストカム面112a、およびセンター側スリッパカム面106bとプレッシャー側スリッパカム面112bとはそれぞれ離隔した状態であるため、アシストトルクTaおよびスリッパトルクTsはそれぞれ発生しない。
また、このクラッチOFFの状態においては、センタークラッチ105におけるセンター外側リング状突出部105cに形成された突出歯108aは、プレッシャークラッチ111におけるプレッシャー側嵌合部115に形成された逃げ部115a上に重ならない離隔した位置でかつセンター側嵌合部108のセンター側の端面とプレッシャー側嵌合部115のプレッシャー側の端面との間の離隔した隙間上に位置する。このため、センター側嵌合部108とプレッシャー側嵌合部115との境界部分に存在していたフリクションプレート103および/またはクラッチプレート104は、突出歯108aによってセンター外側リング状突出部105cおよびプレッシャー外側リング状突出部111bから脱落することはない。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、クラッチ装置100は、センター側アシストカム面106aとプレッシャー側アシストカム面112aとの接触面であるアシスト接触面Faとセンター側スリッパカム面106bとプレッシャー側スリッパカム面112bとの接触面であるスリッパ接触面Fsとをセンタークラッチ105の径方向の位置を互いに異なる位置に形成することでそれぞれ所望する互いに異なるトルク値を設定することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記に示す各変形例においては、上記実施形態におけるクラッチ装置100と同様の構成部分にはクラッチ装置100に付した符号に同一の符号または対応する符号を付して、その説明は適宜省略する。
例えば、上記実施形態においては、クラッチ装置100は、センター側アシストカム面106aに対してセンター側スリッパカム面106bを径方向内側の位置に形成することで、アシスト接触面Faに対してスリッパ接触面Fsをセンタークラッチ105の径方向の内側の位置に形成した。ここで、センター側アシストカム面106aおよびセンター側スリッパカム面106bの径方向上の位置は、アシスト接触面Faおよびスリッパ接触面Fsの各径方向上の幅の中心位置で比較している。
一方、プレッシャー側アシストカム面112aおよびプレッシャー側スリッパカム面112bは、プレッシャークラッチ111(センタークラッチ105)の径方向上において互いに同じ位置でかつ同じ長さで形成した。すなわち、クラッチ装置100は、センタークラッチ105におけるセンター内側リング状突出部105aの外側面に一体的に繋がった状態でセンター側スリッパカム面106bを形成するとともにセンター側アシストカム面106aの径方向の長さよりも短い長さで形成した。これにより、クラッチ装置100は、各カム面の成形を容易にすることができるとともに、これらの各カム面およびセンター内側リング状突出部105aの剛性を向上させることができる。
しかし、クラッチ装置100は、スリッパ接触面Fsは、アシスト接触面Faに対してセンタークラッチ105の径方向の内側の位置に形成されていればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、例えば、クラッチ装置100は、センター側アシストカム面106aに対してセンター側スリッパカム面106bを径方向内側の位置に形成することに代えてまたは加えて、プレッシャー側アシストカム面112aに対してプレッシャー側スリッパカム面112bを径方向内側の位置に形成してもよい。
また、上記実施形態においては、スリッパ接触面Fsは、アシスト接触面Faに対してセンタークラッチ105の径方向の内側の位置に形成した。これによれば、クラッチ装置100は、一般的にスリッパトルクTsに比べて大きなアシストトルクTaとの差を大きくしたクラッチ装置のフィーリングを運転者に与えることができる。しかし、クラッチ装置100は、センター側アシストカム面106aおよびプレッシャー側アシストカム面112aと、センター側スリッパカム面106bおよびプレッシャー側スリッパカム面112bとをセンタークラッチ105の径方向における位置を互いに異なる位置に形成すればよい。
したがって、例えば、図7および図8にそれぞれに示すように、クラッチ装置100は、プレッシャー側スリッパカム面112bを、プレッシャー側アシストカム面112aに対してプレッシャークラッチ111(センタークラッチ105)の径方向の外側の位置に形成してスリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対してセンタークラッチ105の径方向の外側の位置に形成することもできる。すなわち、クラッチ装置100は、センター側スリッパカム面106bおよび/またはプレッシャー側スリッパカム面112bを、センター側アシストカム面106aおよび/またはプレッシャー側アシストカム面112aに対してセンタークラッチ105の径方向の外側の位置に形成してスリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対してセンタークラッチ105の径方向の外側の位置に形成することもできる。これらによれば、クラッチ装置100は、一般的にスリッパトルクTsに比べて大きなアシストトルクTaとの差を小さくしたクラッチ装置のフィーリングを運転者に与えることができる。
なお、スリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対して径方向に外側に形成する場合においては、クラッチ装置100は、プレッシャークラッチ111におけるプレッシャー外側リング状突出部111bの内側面に一体的に繋がった状態でプレッシャー側スリッパカム面112bを形成するとともにプレッシャー側アシストカム面112aの径方向の長さよりも短い長さで形成することで各カムの成形を容易にすることができるとともに、これらの各カム面およびプレッシャー外側リング状突出部111bの剛性を向上させることができる。また、図8においては、アシスト接触面Faを薄いハッチングで示すとともにスリッパ接触面Fsを濃いハッチングで示している。
また、上記実施形態においては、スリッパ接触面Fsは、アシスト接触面Faの接触面積よりも小さい面積で形成されている。これによれば、クラッチ装置100は、センター側スリッパカム面106bおよびプレッシャー側スリッパカム面112bを構成する部分の構成を小型化してセンタークラッチ105およびプレッシャークラッチ111を軽量化することができる。しかし、スリッパ接触面Fsは、アシスト接触面Faの接触面積と同一または大きく形成することもできるものである。
また、上記実施形態においては、クラッチ装置100は、クラッチ装置100の外部に設けられたクラッチレリーズ機構(図示せず)がレリーズピン114dを押圧するとクラッチOFFとなる所謂外切り型で構成した。しかし、本発明に係るクラッチ装置は、クラッチ装置の内部に設けられたクラッチレリーズ機構によってクラッチOFFとなる所謂内切り型で構成することできる。
具体的には、クラッチ装置200は、図9に示すように、クラッチハウジング101、入力ギア102、フリクションプレート103、クラッチプレート104、センタークラッチ105、センター側カム部106、支柱貫通孔107、センター側嵌合部108、シャフト110、プレッシャークラッチ111、プレッシャー側カム部112、筒状支柱113、サポートプレート114a、取付ボルト114b、クラッチスプリング114c、レリーズピン114dおよびプレッシャー側嵌合部115にそれぞれ相当するクラッチハウジング201、入力ギア202、フリクションプレート203、クラッチプレート204、センタークラッチ205、センター側カム部206、支柱貫通孔207、センター側嵌合部208、シャフト210、プレッシャークラッチ211、プレッシャー側カム部212、筒状支柱213、サポートプレート214a、取付ボルト214b、クラッチスプリング214c、レリーズピン214dおよびプレッシャー側嵌合部215をそれぞれ備えて構成されている。
この場合、センタークラッチ205は、プレッシャークラッチ211側に筒状に延びて形成されたセンター内側リング状突出部205aの内側にセンター側カム部206が一体的に繋がった状態で形成されるとともに内側板部205b上に筒状支柱213が形成されている。また、筒状支柱213は、支柱貫通孔207内を貫通してサポートプレート214aが取付ボルト214bによって取り付けられる3つの柱状の部分であり、センタークラッチ205に一体的に形成されている。
また、プレッシャークラッチ211は、センター側嵌合部208よりも大径のプレッシャー側嵌合部215(つまり、本発明において上記実施形態における突出歯108aおよび逃げ部115aは必須の構成ではない)の内側に形成された内側板部211aにプレッシャー側カム部212、支柱貫通孔207およびプレッシャー内側リング状突出部216がそれぞれ形成されている。この場合、支柱貫通孔207は、クラッチスプリング214cを収容した状態で筒状支柱213が貫通する部分であり、センタークラッチ205側に向かって突出した有底の筒状に形成されている。また、プレッシャー内側リング状突出部216は、プレッシャークラッチ211の内縁部に軸方向にリング状に突出して形成された筒状の部分であり、支柱貫通孔207およびプレッシャー側カム部212の各内側の外表面で形成されている。
シャフト210の内部には、プッシュロッド217が摺動自在な状態で設けられている。プッシュロッド217は、レリーズピン214dを押圧することによりクラッチOFFの状態とするための棒状に部品である。このプッシュロッド217は、このプッシュロッド217を駆動する電動機からなるアクチュエータ(図示せず)などの部品とともに前記クラッチレリーズ機構を構成する。
このクラッチ装置200においても、センタークラッチ205の径方向におけるアシスト接触面Faとスリッパ接触面Fsとの位置を異ならせて構成することができる。例えば、クラッチ装置200は、スリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対して径方向の外側に形成する場合には、図10および図11にそれぞれ示すように、センタークラッチ205におけるセンター外側リング状突出部205cの内側面に一体的に形成した3つのセンター側カム部206から径方向内側に向かってセンター側アシストカム面206aおよびセンター側スリッパカム面206bをそれぞれ延ばして形成することができる。
この場合、各センター側スリッパカム面206bは、各センター側アシストカム面206aが径方向に延びる長さよりも短い長さで形成されている。これにより、各センター側スリッパカム面206bは、各センター側アシストカム面206aが形成された径方向位置よりも外側の位置に各センター側アシストカム面206aの面積よりも小さい面積で形成される。
また、この場合、プレッシャークラッチ211においては、プレッシャー内側リング状突出部216の外側面に一体的に形成した3つのプレッシャー側カム部212から径方向外側に向かってプレッシャー側アシストカム面212aおよびプレッシャー側スリッパカム面212bをそれぞれ延ばして形成する。この場合、プレッシャー側スリッパカム面212bは、径方向の長さをプレッシャー側アシストカム面212aと同じ長さに形成してもよいし、センター側スリッパカム面206bに対応する位置に同じ長さで形成してもよい。
なお、スリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対して径方向に外側に形成する場合においては、クラッチ装置200は、センタークラッチ205におけるセンター外側リング状突出部205cの内側面に一体的に繋がった状態でセンター側スリッパカム面206bを形成するとともにセンター側アシストカム面206aの径方向の長さよりも短い長さで形成することで各カムの成形を容易にすることができるとともに、これらの各カム面およびセンター外側リング状突出部205cの剛性を向上させることができる。また、図11においては、アシスト接触面Faを薄いハッチングで示すとともにスリッパ接触面Fsを濃いハッチングで示している。
一方、スリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対して径方向の内側に形成する場合には、例えば、図12および図13にそれぞれ示すように、クラッチ装置200は、プレッシャークラッチ211におけるプレッシャー内側リング状突出部216の外側面に一体的に形成した3つのプレッシャー側カム部212から径方向外側に向かってプレッシャー側アシストカム面212aおよびプレッシャー側スリッパカム面212bをそれぞれ延ばして形成することができる。
この場合、各プレッシャー側スリッパカム面212bは、各プレッシャー側アシストカム面212aが径方向に延びる長さよりも短い長さで形成される。これにより、各プレッシャー側スリッパカム面212bは、各プレッシャー側アシストカム面212aが形成された径方向位置よりも内側の位置に各プレッシャー側アシストカム面212aの面積よりも小さい面積で形成される。
また、この場合、センタークラッチ205においては、センター外側リング状突出部205cの内側面に一体的に形成した3つのセンター側カム部206から径方向内側に向かってセンター側アシストカム面206aおよびセンター側スリッパカム面206bをそれぞれ延ばして形成する。この場合、センター側スリッパカム面206bは、径方向の長さをセンター側アシストカム面206aと同じ長さに形成してもよいし、プレッシャー側スリッパカム面212bに対応する位置に同じ長さで形成してもよい。
なお、スリッパ接触面Fsをアシスト接触面Faに対して径方向に内側に形成する場合においては、クラッチ装置200は、プレッシャークラッチ211におけるプレッシャー内側リング状突出部216の外側面に一体的に繋がった状態で各プレッシャー側スリッパカム面212bを形成するとともに各プレッシャー側アシストカム面212aの径方向の長さよりも短い長さで形成することで各カムの成形を容易にすることができるとともに、これらの各カム面およびプレッシャー内側リング状突出部216の剛性を向上させることができる。また、図13においては、アシスト接触面Faを薄いハッチングで示すとともにスリッパ接触面Fsを濃いハッチングで示している。
また、上記実施形態および各変形例においては、図14(A)に示すように、プレッシャー側アシストカム面112a,212aおよびプレッシャー側スリッパカム面112b,212bをそれぞれプレッシャークラッチ111,211にのみ形成した。しかし、これらのプレッシャー側アシストカム面112a,212aおよびプレッシャー側スリッパカム面112b,212bは、センタークラッチ105,205に対向して形成されていればよい。したがって、プレッシャー側アシストカム面112a,212aおよびプレッシャー側スリッパカム面112b,212bは、図14(B)〜(D)にそれぞれ示すように、少なくとも一方をセンタークラッチ105,205に対してプレッシャークラッチ111,211と一体的に回転するサポートプレート114a,214aに形成するようにしてよい。
これらの場合、プレッシャー外側リング状突出部111b,211bおよびプレッシャー内側リング状突出部216もサポートプレート114a,214aに形成することができる。また、これらの場合、センター側アシストカム面106a,206aおよびセンター側スリッパカム面106b,206bは、センタークラッチ105,205におけるサポートプレート114a,214aに形成されたプレッシャー側アシストカム面112a,212aおよび/またはプレッシャー側スリッパカム面112b,212bに対向する側の面に形成される。
また、上記実施形態および各変形例においては、サポートプレート114a,214aは、センタークラッチ105,205に対向する位置でプレッシャークラッチ111,211に一体的に連結されてプレッシャークラッチ111,211と一体的に回転するように構成せれている。しかし、サポートプレート114a,214aは、図15(A)〜(D)にそれぞれ示すように、プレッシャークラッチ111,211に対向する位置でセンタークラッチ105,205に一体的に連結されてセンタークラッチ105,205と一体的に回転するように構成することもできる。
この場合、センター側アシストカム面106a,206aおよびセンター側スリッパカム面106b,106bは、図15(A)に示すように、センタークラッチ105,205にのみ形成することができる。また、センター側アシストカム面106a,206aおよびセンター側スリッパカム面106b,106bは、図15(B)〜(D)にそれぞれ示すように、少なくとも一方をプレッシャークラッチ111,211に対してセンタークラッチ105,205と一体的に回転するサポートプレート114a,214aに形成することもできる。
これらの場合、センター外側リング状突出部105c,205cおよびセンター内側リング状突出部105a,205aもサポートプレート114a,214aに形成することができる。また、これらの場合、プレッシャー側アシストカム面112a,212aおよびプレッシャー側スリッパカム面112b,212bは、プレッシャークラッチ111,211におけるサポートプレート114a,214aに形成されたセンター側アシストカム面106a,206aおよび/またはセンター側スリッパカム面106b,206bに対向する側の面に形成される。
なお、図14(A)〜(D)および図15(A)〜(D)においては、プレッシャー側アシストカム面112a,212aとセンター側アシストカム面106a,206aを「A」を付した箱で示し、プレッシャー側スリッパカム面112b,212bとセンター側スリッパカム面106b,206bを「S」を付した箱で示している。
O…センタークラッチの回転中心、Fa…アシスト摩擦面、Ta…アシストトルク、μa…アシスト摩擦面の摩擦係数、Ra…アシスト側のカム中心の有効径、Pa…原動軸側からの回転駆動力、Fs…スリッパ摩擦面、Ts…スリッパトルク、μs…スリッパ摩擦面の摩擦係数、Rs…スリッパ側のカム中心の有効径、Ps…従動軸側からの回転駆動力、
100…クラッチ装置、101…クラッチハウジング、101a…リベット、102…入力ギア、102a…軸受、103…フリクションプレート、104…クラッチプレート、105…センタークラッチ、105a…センター内側リング状突出部、105b…内側板部、105c…センター外側リング状突出部、106…センター側カム部、106a…センター側アシストカム面、106b…センター側スリッパカム面、107…支柱貫通孔、108…センター側嵌合部、108a…突出歯、
110…シャフト、110a…ナット、111…プレッシャークラッチ、111a…内側板部、111b…プレッシャー外側リング状突出部、112…プレッシャー側カム部、112a…プレッシャー側アシストカム面、112b…プレッシャー側スリッパカム面、113…筒状支柱、114a…サポートプレート、114b…取付ボルト、114c…クラッチスプリング、114d…レリーズピン、115…プレッシャー側嵌合部、115a…逃げ部、
200…クラッチ装置、201…クラッチハウジング、202…入力ギア、203…フリクションプレート、204…クラッチプレート、205…センタークラッチ、205a…センター内側リング状突出部、205b…内側板部、205c…センター外側リング状突出部、206…センター側カム部、206a…センター側アシストカム面、206b…センター側スリッパカム面、207…支柱貫通孔、208…センター側嵌合部、210…シャフト、211…プレッシャークラッチ、211a…内側板部、211b…プレッシャー外側リング状突出部、212…プレッシャー側カム部、212a…プレッシャー側アシストカム面、212b…プレッシャー側スリッパカム面、213…筒状支柱、214a…サポートプレート、214b…取付ボルト、214c…クラッチスプリング、214d…レリーズピン、215…プレッシャー側嵌合部、216…プレッシャー内側リング状突出部、217…プッシュロッド。

Claims (8)

  1. 原動軸の回転駆動力を従動軸に伝達または遮断するクラッチ装置において、
    前記原動軸の回転駆動によって回転駆動するフリクションプレートに対向配置されるクラッチプレートを保持するとともに前記従動軸に連結されるセンタークラッチと、
    前記センタークラッチに対して接近または離隔可能かつ相対回転可能な状態で対向配置されて前記フリクションプレートまたは前記クラッチプレートを弾性的に押圧するプレッシャークラッチとを備え、
    前記プレッシャークラッチは、
    軸方向に張り出した傾斜面からなるプレッシャー側アシストカム面およびプレッシャー側スリッパカム面をそれぞれ有しており、
    前記センタークラッチは、
    前記プレッシャー側アシストカム面が接近する際にこのプレッシャー側アシストカム面と摺動し合って前記接近する力を増加させる傾斜面からなるセンター側アシストカム面および前記プレッシャー側スリッパカム面が離隔する際にこのプレッシャー側スリッパカム面と摺動し合って前記離隔する力を増加させる傾斜面からなるセンター側スリッパカム面をそれぞれ有しており、
    前記センター側アシストカム面と前記プレッシャー側アシストカム面との接触面であるアシスト接触面と前記センター側スリッパカム面と前記プレッシャー側スリッパカム面との接触面であるスリッパ接触面とは、前記センタークラッチの径方向の位置が互いに異なる位置に形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項1に記載したクラッチ装置において、
    前記プレッシャークラッチは、
    前記センタークラッチに対向配置されて前記プレッシャークラッチとともに一体的に回転する平板リング状のサポートプレートを備えており、
    前記プレッシャー側アシストカム面および前記プレッシャー側スリッパカム面のうちの少なくとも一方は、
    前記サポートプレートに形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  3. 請求項1に記載したクラッチ装置において、
    前記センタークラッチは、
    前記プレッシャークラッチに対向配置されて前記センタークラッチと一体的に回転する平板リング状のサポートプレートを備えており、
    前記センター側アシストカム面および前記センター側スリッパカム面の少なくとも一方は、
    前記サポートプレートに形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載したクラッチ装置において、
    前記スリッパ接触面は、
    前記アシスト接触面に対して前記センタークラッチの径方向の内側の位置に形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載したクラッチ装置において、
    前記スリッパ接触面は、
    前記アシスト接触面に対して前記センタークラッチの径方向の外側の位置に形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載したクラッチ装置において、
    前記スリッパ接触面は、
    前記アシスト接触面の面積よりも小さい面積で形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  7. 請求項4に記載したクラッチ装置において、
    前記センター側スリッパカム面を前記センタークラッチにおける内縁部に軸方向にリング状に突出して形成されたセンター内側リング状突出部側に偏らせて同センター内側リング状突出部に一体的に繋がった状態で形成する、または前記プレッシャー側スリッパカム面を前記プレッシャークラッチにおける内縁部に軸方向にリング状に突出して形成されたプレッシャー内側リング状突出部側に偏らせて同プレッシャー内側リング状突出部に一体的に繋がった状態で形成することを特徴とするクラッチ装置。
  8. 請求項5に記載したクラッチ装置において、
    前記プレッシャー側スリッパカム面を前記プレッシャークラッチにおける外縁部にリング状に突出して形成されたプレッシャー外側リング状突出部側に偏らせて同プレッシャー外側リング状突出部の内側に一体的に繋がった状態で形成する、または前記センター側スリッパカム面を前記センタークラッチにおける外縁部にリング状に突出して形成されたセンター外側リング状突出部側に偏らせて同センター外側リング状突出部の内側に一体的に繋がった状態で形成することを特徴とするクラッチ装置。
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