本開示から一般的に理解される通り、本発明は、一部は、右半分および左半分のカップリング、次に大環化およびさらなる合成操作によって構築される下の式のマクロライド、
およびその塩に関する。
Zは次の通りである。
[1]式
のエーテル、チオエーテル、またはアミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、Z4は−O−、−S−、または−NRZ2−であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
マクロライドは、下の式の1つのカップリングされた前駆体の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[2]式
のエステル、チオエステル、またはアミド。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、Z4は−O−、−S−、または−NRZ2−であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[3]式
のエステル、チオエステル、またはアミド。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、Z4は−O−、−S−、または−NRZ2−であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[4]式
のアミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
マクロライドは、下の式のカップリングされた前駆体の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[5]式
のアミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[6]式
のアミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合であり、z1およびz2は1または2であり、例えば式
の環系を提供し、
マクロライドは、下の式のカップリングされた前駆体の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[7]式
のアミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合であり、z1およびz2はそれぞれ独立して1または2であり、式
の環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[8]式
のアミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、例えば式
のいずれか1つの環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[9]式
のイミン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[10]式
のニトロアルケン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、式の1つのカップリングされた前駆体の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[11]式
のニトロ化合物。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[12]式
のニトロ化合物。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[13]式
の基。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[14]式
の基。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[15]式
のアミノ基。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[16]式
のケト化合物。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[17]式
のケト基。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2は0、1、または2であり、例えば式
の例えば13、14、15、または16員環系を提供し、
ある態様において、マクロライドは、一部は、下の式のカップリングされた前駆体化合物の大環化(例えば、熱によって誘導される)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
[18]式
のケトン。
L1およびL2はそれぞれ独立して結合または−CH2−であり、z1およびz2はそれぞれ独立して0、1、または2であり、例えば式
の例えば14、15、または16員環系を提供し、
マクロライドは、下の式の1つのカップリングされた前駆体の大環化(例えば、熱によって誘導される大環化)、任意に次に本明細書に記載されるさらなる合成操作によって調製される。
RY1は−OR17でありRY2は水素であるか、またはRY1がハロゲンでありRY2が水素であるか、またはRY1がハロゲンでありRY2がハロゲンであるか、またはRY1およびRY2が連結されてオキソ(=O)基を形成し、
R1a、R1b、R2a、およびR2bのそれぞれは独立して水素、ハロゲン、カルボニル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリールであるか、またはR1aおよびR1bもしくはR2aおよびR2bが一緒になって
を形成し得、
RZaおよびRZbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アミノ、置換アミノ、チオール、置換チオール、カルボニル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
RZ2のそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アミノ、置換アミノ、−C(=O)RZ8、−C(=O)ORZ8、−C(=O)N(RZ8)2、もしくは窒素保護基であるか、または2つのRZ2基が連結されて任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)もしくは任意置換ヘテロアリール環を形成し、
RZ3は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
RZ4はハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
あるいは、RZ3およびRZ4が一緒になって、
を形成し得、
L3は式
の基であり、
は単または二重結合を表し、
R3は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−C(=O)RZ8、−C(=O)ORZ8、−C(=O)N(RZ8)2、酸素保護基、または式
の基であり、
R4は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
R18およびR19のそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
R20およびR21のそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、ハロゲン、カルボニルであるか、またはR20およびR21が連結されて任意置換シクロプロピルもしくはオキシラニル環を形成し、
R5aおよびR5bのそれぞれは独立して水素、ハロゲン、シリル、任意置換アルキル、任意置換カルボシクリル、または任意置換ヘテロシクリルであり、
R6は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換(substitued)アラルキル、任意置換ヘテロアリール、任意置換ヘテロアラルキル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、カルボニル、シリル、またはハロゲンであり、
R7およびR8はそれぞれ独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
R9およびR17はそれぞれ独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−C(=O)RZ8、−C(=O)ORZ8、−C(=O)N(RZ8)2、酸素保護基、または炭水化物であり、
R10は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、カルボニル、シリル、およびハロゲンであり、
G3は−O−、−S−、または−N(RG1)−であり、RG1は水素、任意置換アルキル、または窒素保護基であり、
P1は水素、シリル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または酸素、窒素、もしくはチオール保護基であり、
G1は−OR12または−NR13R14であり、
ただしG1が−OR12であるときには、
R11およびR12は式−C(=O)−の基として連結されて環式カーボネートを提供するか、
またはR11およびR12は連結されず、R11は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素保護基であり、R12は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素保護基、もしくは式
の基であり、
ただしG1が−NR13R14であるときには、
R11およびR13は式−C(=O)−の基として連結されて環式カルバメートを提供するか、
または、R11およびR13は連結されず、R11は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、もしくは酸素保護基であり、R13は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、もしくは窒素保護基であり、
R14は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、窒素保護基、−C(=O)RZ8、または−C(=O)ORZ8、または式
の基であり、
あるいは、R13およびR14が連結されて任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換ヘテロアリールを形成し、
G2は式
の基であり、
ΧG2のそれぞれは−OR15、−SR15、または−N(R15)2であり、
R15のそれぞれは独立してシリル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのR15基が一緒になって任意置換ヘテロアリールもしくはヘテロ環式環を形成し得、
R16aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
LC1およびLC2のそれぞれは独立して結合であるか、または任意置換アルキレン、任意置換アルケニレン、任意置換アルキニレン、任意置換ヘテロアルキレン、任意置換ヘテロアルケニレン、任意置換ヘテロアルキニレン、およびその組み合わせからなる群から選択される連結基であり、
脱離基(LG)は−Br、−I、−Cl、−O(C=O)RLG、または−O(SO)2RLGであり、RLGは任意置換アルキル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
A1およびA2のそれぞれは独立して脱離基(LG)、−SH、−OH、−NH2、−NH−NH2−、−N3、−O−NH2、−C(=O)RX1、
であり、
Aは−NH−、−NH−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−S−、−O−、
であり、
Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−であり、
WはO、S、またはNRW1であり、
RW1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
RW2は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、もしくは任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRW2基が連結されて任意置換環式部分を形成し、
RX1は水素、ハロゲン、または−ORX2であり、RX2は水素、任意置換アルキル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または酸素保護基であり、
R23は任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
RZ8のそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)、任意置換アリール、もしくは任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRZ8基が連結されて任意置換ヘテロシクリル(heterocylyl)もしくは任意置換ヘテロアリール環を形成し、
あるいは、Aは、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択される環式部分である。
カップリングおよび大環化
本明細書において一般的に記載される通り、本発明のマクロライドは左半分(A)と右半分(B)とのカップリングによって調製されて、スキーム8に示されている式(C−1)の化合物、
またはその塩を提供し、L1、L2、L3、G1、G3、R1a、R1b、R2a、R2b、R5a、R5b、R7、R8、R9、R11、z1、およびz2は本明細書において定義される通りであり、
P1は水素、シリル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または酸素、窒素、もしくはチオール保護基であり、
G2は式
の基であり、
R6およびR10は本明細書において定義される通りであり、
XG2のそれぞれは−OR15、−SR15、または−N(R15)2であり、
R15のそれぞれは独立してシリル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのR15基が一緒になって任意置換ヘテロアリールもしくはヘテロ環式環を形成し得、
R16aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
Y1およびY2の1つが−Z4Hまたは−CH2NO2であり、Y1およびY2のもう一方が脱離基(LG)、−C(=O)RZ3、−C(=O)ORZ3、−C(=O)LG、−C(=O)−CH=P(RP1)(RP2)(RP3)、または−C(=O)−CH2−P(O)(ORP2)(ORP3)であり、Z4は−O−、−S−、または−NRZ2−であり、脱離基(LG)、RZ3、RZ4、RP1、RP2、およびRP3は本明細書において定義される通りであり、式Zの種々の結合を提供する。
部分−CH=CH−C(=O)−および−C(=O)−CH=CH−の任意の合成改変が本明細書においてはさらに考えられる。例えば二重結合は還元されて単結合になり得、任意にケトンに対してαの炭素は非水素基RZaによって置換され得る。求核剤は非水素基RZbの1,4−付加によって二重結合と反応し得、任意に次に非水素基RZaによるα置換を行う。本明細書において考えられるα,β−不飽和ケトンの式の種々の合成改変は、それゆえに式
によって包含され、
は単または二重結合を表し、RZaおよびRZbはそれぞれ独立して水素または非水素基である(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アミノ、置換アミノ、チオール、置換チオール、カルボニル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール)。上の式は、それゆえに最初のウィッティヒ反応またはホーナー・エモンズ反応の結合(すなわち、
は二重結合を表し、RZaおよびRZbはそれぞれ水素である)、さらには結合の追加の合成改変(例えば、
は単結合を表し、RZaおよびRZbはそれぞれ独立して水素もしくは非水素基であるか、または
は単結合もしくは二重結合を表し、RZaおよびRZbはそれぞれ独立して水素もしくは非水素基であり、ただしRZaおよびRZbの少なくとも1つは非水素基である)を包含する。ある態様において、
は二重結合を表し、RZaおよびRZbはシス立体配置にある。ある態様において、
は二重結合を表し、RZaおよびRZbはトランス立体配置にある。
ニトロアルドール反応(ヘンリー反応)カップリング生成物ならびにそれから形成される酸化、還元、および/または付加生成物がさらに考えられる。ニトロアルドール反応は、条件の多くの異なるセット(例えば、有機塩基、無機塩基、第4級アンモニウム塩、および/または触媒の使用、ならびにプロトン性もしくは非プロトン性溶媒の使用および/または無溶媒条件の使用)によって触媒または促進され得る。例えば、ニトロアルドール反応に用いられる種々の条件の総説についてはLuzzio Tetrahedron (2001) 915-945参照。
マクロライドのさらなる官能化もまた本明細書において考えられる。例えば、スキーム11および12において示されている通り、マクロライド(C−2)および(C−3)のC3ケトンからヒドロキシル基への還元、任意に次に保護は、それぞれマクロライド(C−4)および(C−5)を提供する。その代わりに、C3のヒドロキシル基は、スキーム13A〜13Bに示されているO−アルキル化またはアシル化によって改変され得、LGは本明細書において定義される脱離基である。ある態様においてR17は−C(=O)RZ8であり、RZ8は任意置換アルキル(例えば任意置換アラルキルまたは任意置換ヘテロアラルキル)である。
C3の酸素の酸化状態を直ちに変更する能力は、この位置のカルボニル基としての保護を可能にし、他の自由なヒドロキシ基は改変される(例えばO−アルキル化)。したがって、具体的な合成シークエンスの種々の時点におけるこの位置の酸化または還元が本明細書において考えられる。
ケトンまたは還元されたマクロライドのさらなる改変もまた本明細書において考えられる。例えば、スキーム14A〜14Bおよび15A〜15Bに示されている通り、C3ケトンC−2もしくはC−3またはC−4もしくはC−5(例えば、R17が水素であるC3のヒドロキシル)は、求電子性のハロゲン化剤(例えばDeoxo-Fluor)によってハロゲン化されて、それぞれC−6などのジェミナル二ハロゲン化物またはC−7などのモノハロゲン化物を与え得、Xはハロゲン(例えばフッ素、臭素、ヨウ素)である。
予備形成された大環の官能化に関る変換の全てについて、環形成前のステップにおけるかかる一般的な変換によるこれらの基の組み込みが、本明細書においては考えられる。具体的な中間体または官能基を取り入れるのに適切なステップのかかる並べ替えは、当業者によって理解される。
ケトライドを合成する代替的な方法
例えば、上で述べたZ結合はアルデヒドとイリドまたはホスホン酸エステルとの間のウィッティヒまたはホーナー・エモンズ反応によって形成され、α,β−不飽和ケト連結された中間体を形成し得る。例えばスキーム30および31参照。ある態様において、
は二重結合を表し、ケトン部分(moeity)およびβ置換基(substitutent)はシス立体配置にある。ある態様において、
は二重結合を表し、ケトン部分およびβ置換基(substitutent)はトランス立体配置にある。
大環化前(例えばスキーム30参照)または大環化(macrocylization)後(例えばスキーム31参照)に取り付けられる環式カルバメートは、α,β−不飽和ケト部分へのアミンNH2R14のマイケル付加、次に結合されたアミノ基−NHR14およびビシナルヒドロキシル基(すなわちR11は水素である)と試薬LG−C(=O)−LGとの反応によって形成され得、各LGは本明細書において定義される脱離基(例えばクロロ)、置換ヒドロキシル(例えば炭酸エステルを提供する)、置換チオール、置換アミノ(例えばイミダゾリル)である。ある態様において、自由なヒドロキシル基は試薬LG−C(=O)−LGによって第1に処理されて(次にNH2R14のアミンが付加される)、不飽和ケトンへの中間体−NHR14基の共役付加前に非環式カルバメートの最初の形成をもたらす。
その代わりに、大環化前(例えばスキーム30参照)または大環化(macrocylization)後(例えばスキーム31参照)に取り付けられる環式カルバメートは、自由なヒドロキシル基(すなわちR11は水素である)とイソシアネート試薬O=C=N−R14との反応、次に不飽和ケトンへの中間体−NHR14基の共役付加によって形成され得る。ある態様において、イソシアネートは自由なヒドロキシル基と反応し、−NHR14は共役付加反応をシングルステップで受ける。ある態様において、中間体の非環式カルバメートは単離される。ある態様においては、塩基が単離された非環式カルバメートに追加されて共役付加反応を促進する。
スキーム32は、他でより詳細にさらに記載される考えられる種々の合成改変を示す。例えば、環式カルバメートの形成後に、取り付けられたケトン部分に対してαの炭素が一置換(例えばRZ3は水素であり、RZ4は非水素である)または二置換(すなわちRZ3およびRZ4が両方とも非水素基である)され得る。ジハロゲン化(例えば、RY1およびRY2のそれぞれはハロゲン(例えばフルオロ)である)によるか、または還元(RY1が−OR17でありRY2が水素であるアルコールを提供する)、次にモノハロゲン化(RY1がハロゲン(例えばフルオロ)であり、RY2が水素である生成物を提供する)によるC3ケトンの合成改変がさらに考えられる。
スキーム33は、エノラートまたはトラップされたエノラートによる本明細書に記載される方法によって調製されたケトライドの追加の官能化を示し、PGは本明細書において定義される酸素保護基である。ある態様において、トラップされたエノラートは、式LG−PGの試薬を用いて保護されたエノールエーテルとしてトラップされ、LGは脱離基であり、PGは本明細書において定義される保護基である。ある態様において、保護されたエノールエーテルまたはエノラートは、式R23−CHOのアルデヒドとのアルドール縮合反応を実施するために用いられ得る。その代わりに、保護されたエノールエーテルは好適な条件下でイミニウム塩と接触させられて、アミノ置換生成物を与え得る。この方法によって作られたアミンは脱離して環外アルケンを提供し得る。
基G1およびR11
それゆえに、ある態様において、Aは上で定義されたいずれかの基であり得、さらに、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるいずれかの環式部分であり得る。
本明細書において示される式(例えば上に示された式(C−1−A)〜(C−567−C’)のいずれかなど)のある側面において、さらなる具体的な組み合わせが、下に提供される通り考えられる。
医薬的に許容される添加剤は、いずれかおよび全ての溶媒、希釈剤、または他の液体基剤、分散、懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘または乳化剤、保存料、固体結合剤、滑剤、および同様のものを、所望の具体的な投与量に適するように含む。医薬組成物、剤の製剤および/または製造における一般的な考慮事項は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2005)に見いだされ得る。
本明細書に記載される医薬組成物は、薬理学の分野において公知のいずれかの方法によって調製され得る。一般的に、かかる調製方法は、本発明のマクロライドを担体および/または1つもしくは2つ以上の他の補助的な成分と結びつけるステップ、次に、必要であるおよび/または望ましい場合には、生成物を所望の単一または複数用量単位に成形および/または容器詰めするステップを含む。
医薬組成物は、バルクで、単一の単位用量として、および/または複数の単一の単位用量として調製、容器詰め、および/または販売され得る。本明細書において用いられる場合、「単位用量」は、本発明のマクロライドの所定量を含む医薬組成物の独立した量である。マクロライドの量は、対象に投与されるマクロライドの投与量および/またはかかる投与量の便利な画分、例えばかかる投与量の1/2または1/3と一般的には等しい。
本発明の医薬組成物中におけるマクロライド、医薬的に許容される添加剤、および/またはいずれかの追加の成分の相対量は、治療される対象の素性、サイズ、および/または状態に依存して、さらに組成物が投与される経路に依存して変わるであろう。例えば、組成物は0.1%〜100%(w/w)のマクロライドを含み得る。
提供される医薬組成物の製造に用いられる医薬的に許容される添加剤は、不活性な希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/もしくは乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤、滑剤、ならびに/または油を含む。ココアバターおよび座薬ワックス、着色料、コーティング剤、甘味料、香料、ならびに芳香剤などの添加剤もまた組成物中に存在し得る。
例示的な希釈剤は炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥澱粉、コーンスターチ、粉糖、およびその混合物を含む。
例示的な造粒および/または分散剤は、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材生成物、天然海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、カルボキシメチル澱粉ナトリウム(澱粉グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、糊化澱粉(スターチ1500)、微結晶澱粉、水不溶性澱粉、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(ビーガム)、ラウリル硫酸ナトリウム、第4級アンモニウム化合物、およびその混合物を含む。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例えばアカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、ウールファット、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状粘土(例えばベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびビーガム(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween−20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween−60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween−80)、ソルビタンモノパルミテート(Span−40)、ソルビタンモノステアレート(Span−60)、ソルビタントリステアレート(Span−65)、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(Span−80))、ポリオキシエチレンエステル(例えばモノステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj−45)、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレン、およびソルトール)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばクレモフォア(商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij−30))、ポリビニルピロリドン、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF68、ポロキサマー188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム、および/またはその混合物を含む。
例示的な結合剤は、澱粉(例えばコーンスターチおよび澱粉糊)、ゼラチン、糖(例えばスクロース、グルコース、ブドウ糖、デキストリン、モラセス、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ガム(例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスエキス、パンワール(panwar)ガム、ガティガム、イサポル(isapol)殻粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、およびカラマツアラボガラクタン)、アルギン酸、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、および/またはその混合物を含む。
例示的な抗酸化剤は、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル(acorbyl)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、ピロ亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを含む。
例示的なキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム、および同様のもの)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えばクエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、酒石酸ならびにその塩および水和物を含む。例示的な抗微生物保存料は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを含む。
例示的な抗真菌保存料は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を含む。
例示的なアルコール保存料は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、およびフェニルエチルアルコールを含む。
例示的な酸性保存料は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を含む。
他の保存料は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロオキシム(deteroxime)メシレート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエンド(toluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylを含む。ある態様において保存料は抗酸化剤である。他の態様において保存料はキレート剤である。
例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質不含水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびその混合物を含む。
例示的な滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸(behanate)グリセリル、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物を含む。
例示的な天然油は、アーモンド、アンズ核、アボカド、ババス、ベルガモット、クロスグリ種子、ルリジサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマシ、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ヒョウタン、葡萄種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、ヤシ、パーム核、ピーチ核、ピーナッツ、ケシ種子、カボチャ種子、セイヨウアブラナ、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、ビャクダン、サザンカ、キダチハッカ、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、椿、ベチバー、クルミ、および小麦胚芽油を含む。例示的な合成油は、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーンオイル、およびその混合物を含むが、それらに限定されない。
経口および非経口投与のための液体剤形は、医薬的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップ、およびエリキシル剤を含む。マクロライドに加えて、液体剤形は、当分野において一般に用いられる不活性な希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジル安息香酸、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにその混合物を含み得る。不活性な希釈剤以外に、経口組成物は補助剤、例えば湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、香料、ならびに芳香剤を含み得る。非経口投与のためのある態様において、本発明の複合体は、可溶化剤、例えばクレモフォール、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびその混合物と混合される。
注射剤調製物、例えば無菌の注射剤の水性または油性懸濁物は、公知技術に従って、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて製剤され得る。無菌の注射剤調製物は、無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての無菌の注射剤溶液、懸濁物、またはエマルションであり得る。用いられ得る許容される基剤および溶媒には、水、リンゲル液(USP)、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁媒体として従来用いられている。この目的のためには、合成モノまたはジグリセリドを含むいずれかの無刺激性の不揮発性油が用いられ得る。加えて、脂肪酸、例えばオレイン酸が注射剤の調製に用いられる。
注射剤製剤は、例えば、細菌リテーナフィルタによる濾過によって、あるいは、無菌化剤を無菌の固体組成物の形態(これは、使用前に無菌の水または他の無菌の注射剤媒体中に溶解または分散され得る)で組み込むことによって、無菌化され得る。
薬物の効果を延ばすためには、多くの場合に、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を減速させることが望ましい。これは、不十分な水可溶性を有する結晶または非結晶物質の液体懸濁物の使用によって達成され得る。次に、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、これは翻って結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。その代わりに、薬物を油性基剤中に溶解または懸濁することによって、非経口的に投与される薬物形態の遅延型吸収が達成される。
直腸または膣内投与のための組成物は典型的には座薬であり、常温で固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔において融けてマクロライドを放出する好適な非刺激性の添加剤または担体(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、もしくは座薬ワックス)と本発明の複合体を混合することによって調製され得る。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、マクロライドは少なくとも1つの不活性な医薬的に許容される添加剤または担体と混合される。それらは例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、ならびに/あるいは(a)充填剤または増量剤、例えば澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア、(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカ澱粉、アルギン酸、あるケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど、(h)吸着剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびに(i)滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物である。カプセル剤、錠剤、および丸薬の場合には、剤形は緩衝剤を含み得る。
類似の型の固体組成物が、ソフトおよびハードの充填ゼラチンカプセル剤の充填剤として用いられ得、ラクトースまたは乳糖、さらには高分子量ポリエチレングリコールおよび同様のものなどの添加剤を用いる。錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸薬、および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび医薬製剤分野において周知の他のコーティングによって調製され得る。それらは任意に乳白剤を含み得、マクロライド(単数または複数)を、専らまたは優先的に腸管のある部位において、任意に遅延型様式で放出する組成物であり得る。用いられ得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。類似の型の固体組成物が、ソフトおよびハードの充填ゼラチンカプセル剤の充填剤として用いられ得、ラクトースまたは乳糖、さらには高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコールおよび同様のものなどの添加剤を用いる。
マクロライドは、上に記載した1つまたは2つ以上の添加剤を有するマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸薬、および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野において周知の他のコーティングによって調製され得る。かかる固体剤形において、マクロライドは、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えばスクロース、ラクトース、または澱粉と混合され得る。かかる剤形は、正常な慣業として、不活性な希釈剤よりも他の追加の物質、例えば錠剤化滑剤および他の錠剤化助剤、かかるステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含み得る。カプセル剤、錠剤、および丸薬の場合には、剤形は緩衝剤を含み得る。それらは任意に乳白剤を含み得、マクロライド(単数または複数)を、専らまたは優先的に腸管のある部位において、任意に遅延型様式で放出する組成であり得る。用いられ得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。
本発明のマクロライドの外用および/または経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト剤、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、および/またはパッチを含み得る。一般的に、マクロライドは、無菌の条件において、医薬的に許容される担体および/またはいずれかの必要とされる保存料および/または緩衝剤と、要求され得る通りに混合され得る。加えて、本発明は経皮パッチの使用を考え、これは多くの場合に、体へのマクロライドの制御された送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えばマクロライドを適切な媒体中に溶解および/または調合することによって調製され得る。その代わりにまたは加えて、速度は、速度制御膜を提供することによってならびに/またはマクロライドをポリマーマトリックスおよび/もしくはゲル中に分散することによって制御され得る。
本明細書に記載される皮内医薬組成物を送達する際の使用のための好適なデバイスは、短針デバイス、例えば米国特許4,886,499、5,190,521、5,328,483、5,527,288、4,270,537、5,015,235、5,141,496、および5,417,662に記載されているものを含む。皮内組成物は、皮膚中への針の有効挿入長を限定するデバイス、例えばPCT公開WO99/34850に記載されているものおよびその機能上の均等物によって投与され得る。液体噴射注射器によっておよび/または角質層を貫いて真皮に達する噴射を作る針によって、液体ワクチンを真皮に送達する噴射注射デバイスが好適である。噴射注射デバイスは例えば米国特許5,480,381、5,599,302、5,334,144、5,993,412、5,649,912、5,569,189、5,704,911、5,383,851、5,893,397、5,466,220、5,339,163、5,312,335、5,503,627、5,064,413、5,520,639、4,596,556、4,790,824、4,941,880、4,940,460、ならびにPCT公開WO97/37705およびWO97/13537に記載されている。圧縮気体を用いて粉末形態のワクチンを加速させ、皮膚の外層を通して真皮に至らせるバリスティックな粉末/粒子送達デバイスが好適である。その代わりにまたは加えて、従来のシリンジが皮内投与の古典的なマントゥー法に用いられ得る。
外用投与に好適な製剤は、液体および/または半液体調製物、例えばリニメント剤、ローション、水中油および/または油中水エマルション、例えばクリーム、軟膏、および/またはペースト剤、および/または溶液および/または懸濁物を含むが、それらに限定されない。外用投与可能な製剤は例えば約1%〜約10%(w/w)のマクロライドを含み得るが、マクロライドの濃度は溶媒中へのマクロライドの可溶性限度まで高くあり得る。外用投与のための製剤は、本明細書に記載される追加の成分の1つまたは2つ以上をさらに含み得る。
本発明の医薬組成物は、口腔からの肺投与に好適な製剤として調製、容器詰め、および/または販売され得る。かかる製剤は、マクロライドを含んで約0.5〜約7ナノメートルまたは約1〜約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。かかる組成物は、便利には、乾燥粉末レザーバ(これには噴射剤流が導かれて粉末を分散し得る)を含むデバイスを用いるおよび/または自己噴射性溶媒/粉末ディスペンサー容器(例えば、密閉容器中の低沸点噴射剤中に溶解および/または懸濁されたマクロライドを含むデバイス)を用いる投与のための乾燥粉末の形態である。かかる粉末は、重量による粒子の少なくとも98%が0.5ナノメートルよりも大きい直径を有し、個数による粒子の少なくとも95%が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。その代わりに、重量による粒子の少なくとも95%が1ナノメートルよりも大きい直径を有し、個数による粒子の少なくとも90%が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は固体微粉末希釈剤、例えば糖を含み得、便利には単位剤形で提供される。
低沸点噴射剤は、一般的に、大気圧において華氏65度未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般的に、噴射剤は組成物の50〜99.9%(w/w)を構成し得、マクロライドは組成物の0.1〜20%(w/w)を構成し得る。噴射剤は、追加の成分、例えば液体非イオン性および/または固体アニオン性界面活性剤および/または固体希釈剤(これは、マクロライドを含む粒子と同じオーダーの粒径を有し得る)をさらに含み得る。
肺送達のために製剤された本発明の医薬組成物は、溶液および/または懸濁物の液滴の形態のマクロライドを提供し得る。かかる製剤は、マクロライドを含む水性のおよび/または希アルコール性の任意に無菌の溶液および/または懸濁物として調製、容器詰め、および/または販売され得、便利にはいずれかのネブライゼーションおよび/または霧化デバイスを用いて投与され得る。かかる製剤は1つまたは2つ以上の追加の成分をさらに含み得、それらは香料(例えばサッカリンナトリウム)、揮発油、緩衝剤、界面活性剤、および/または保存料(例えばメチルヒドロキシ安息香酸)を含むが、それらに限定されない。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均直径を有し得る。
経肺送達に有用だとして本明細書に記載される製剤は、本発明の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は粗粒粉末であり、マクロライドを含み、約0.2〜500マイクロメートルの平均粒子を有する。かかる製剤は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器からの鼻腔による急速な吸入によって投与される。
鼻腔投与のための製剤は、例えば約0.1%(w/w)ほど少し〜100%(w/w)ほど多くのマクロライドを含み得、本明細書に記載される追加の成分の1つまたは2つ以上を含み得る。医薬組成物は、口腔内投与のための製剤として調製、容器詰め、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば従来の方法を用いて作られた錠剤および/またはロゼンジの形態であり得、例えば0.1〜20%(w/w)のマクロライドを含み得、残部は経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物、および任意に本明細書に記載される追加の成分の1つまたは2つ以上を含む。その代わりに、口腔内投与のための製剤は、マクロライドを含む粉末ならびに/またはエアロゾル化および/もしくは霧化溶液および/もしくは懸濁物を含み得る。かかる粉末化、エアロゾル化および/またはエアロゾル化製剤は、分散されたときに約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均粒径および/または液滴サイズを有し得、本明細書に記載の追加の成分の1つまたは2つ以上をさらに含み得る。
医薬組成物は、眼投与のための製剤として調製、容器詰め、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば点眼薬の形態であり得、例えば水性または油性液体担体中のマクロライドの0.1/1.0%(w/w)溶液および/または懸濁物を含む。かかる点薬は、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載される追加の成分の1つもしくは2つ以上の他のものをさらに含み得る。有用な他の眼投与可能な製剤は、マクロライドを微結晶形態でおよび/またはリポソーム調製物中に含むものを含む。点耳薬および/または点眼薬は本発明の範囲内であると考えられる。
本明細書において提供される医薬組成物の記載は、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に主として関するが、当業者には当然のことながら、かかる組成物は、一般的に全ての種類の動物への投与に好適である。組成物を種々の動物への投与にとって好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の改変は周知である。通常の獣医薬理学者は、通常の実験によって、かかる改変を設計および/または実施し得る。
本明細書において提供されるマクロライドは、典型的には、投与の容易さおよび投与量の統一性のために単位剤形で製剤される。しかしながら、当然のことながら、マクロライドの合計の1日量は、担当医によって正しい医学的判断の範囲内において判断されるであろう。いずれかの具体的な対象のための具体的な治療有効用量レベルは、種々の因子に依存するであろう。それらは、治療される疾患、障害、または状態、および障害の深刻さ、用いられる具体的なマクロライドの活性、用いられる具体的な組成物、対象の年齢、体重、一般的な健康、性別、および食事、用いられる具体的なマクロライドの投与時間、投与経路、および排泄速度、治療の長さ、具体的なマクロライドと組み合わせでまたは同時に用いられる薬物、ならびに医学分野において周知の同様の因子を含む。
本明細書において提供されるマクロライドおよび組成物はいずれかの経路によって投与され得る。それらは、経腸(例えば経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、脊髄内、皮下、心室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、外用(例えば、粉末、軟膏、クリーム、および/もしくは点薬による)、粘膜、鼻腔、バッカル(bucal)、舌下、気管内点滴、気管支内点滴、および/もしくは吸入による、ならびに/または経口スプレー、鼻腔スプレー、および/またはエアロゾルとして、を含む。一般的に、最も適切な投与経路は種々の因子に依存するであろう。それらは剤の性質、治療レジメン、および/または対象の状態を含む。経口投与は投与の好ましい様式である。しかしながら、ある態様において、対象は経口投与を忍容する状態にはないかもしれず、それゆえに静脈内、筋肉内、および/または直腸投与もまた投与(adminsitration)の好ましい代替的な(altermative)様式である。
有効量を達成するのに要求されるマクロライドの正確な量は、例えば対象の種、年齢、および一般的な状態、副作用または障害の深刻さ、具体的なマクロライド(単数または複数)の素性、投与の様式、ならびに同様のものに依存して対象毎に変わるであろう。所望の投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎、3日毎、毎週、2週毎、3週毎、または4週毎に送達され得る。ある態様において、所望の投与量は、複数の投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15以上の投与)を用いて送達され得る。
ある態様において、70kgの成人への1日1または2回以上の投与のためのマクロライドの有効量は、約0.1mg〜約3000mg、約0.1mg〜約2000mg、約0.1mg〜約1000mg、約0.1mg〜約100mg、約1mg〜約100mg、または約10mg〜約100mgのマクロライド/単位剤形を含み得る。
ある態様において、本発明のマクロライドは、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約0.1mg/kg〜約100mg/kg、約0.5mg/kg〜約100mg/kg、約10mg/kg〜約100mg/kg、約20mg/kg〜約100mg/kg、約25mg/kg〜約100mg/kg対象の体重/日を1日1または2回以上送達して、所望の治療効果を得るのに十分な投与量レベルで投与され得る。
当然のことながら、本明細書に記載されるマクロライドまたは組成物は、1つまたは2つ以上の追加の治療活性剤との組み合わせで投与され得る。マクロライドまたは組成物は、1つまたは2つ以上の追加の治療活性剤と同時に、その前に、またはそれに続いて投与され得る。一般的に、各剤は、その剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与される。さらに、当然のことながら、この組み合わせに用いられる追加の治療活性剤は単一の組成物中で一緒に投与され得るか、または異なる組成物中で別々に投与され得る。レジメンに用いる具体的な組み合わせは、本発明のマクロライドと追加の治療活性剤との適合性および/または達成されるべき所望の治療効果を考慮に入れることになろう。一般的に、組み合わせで用いられる追加の治療活性剤は、それらが単体で用いられるレベルを超えないレベルで用いられるということが予想される。いくつかの態様において、組み合わせに用いられるレベルは単体で用いられるものよりも低いであろう。
上に記載された方法のいずれかにおいて、1つまたは2つ以上の追加の治療剤(「剤」とも言われる)は、本明細書に記載される通り、本発明のマクロライドと同時に、その前に、またはそれに続いて投与され得る。剤は、本発明のマクロライドと同時に追加され得(同時投与)、本発明のマクロライドの投与前もしくは後に追加され得(連続投与)、またはいずれかのその組み合わせで追加され得る。例えば、ある態様において、剤は第1に投与され、次に剤と本発明のマクロライドとの同時投与を行う。ある態様において、本発明のマクロライドは第1に投与され、次に剤と本発明のマクロライドとの同時投与を行う。上の態様のいずれかにおいて、剤または本発明のマクロライドは同時投与後に単独でさらに投与され得る。
例示的な追加の治療活性剤は、抗生物質、抗ウィルス剤、麻酔薬、抗凝固薬、酵素の阻害剤、ステロイド剤、ステロイド性もしくは非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤、抗原、ワクチン、抗体、充血除去剤、鎮静剤、オピオイド、鎮痛剤(pain-relieving agent)、鎮痛剤(analgesic)、解熱剤、ホルモン、およびプロスタグランジンを含むが、それらに限定されない。治療活性剤は、小有機分子、例えば薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)において提供される米国食品医薬品局によって認可された化合物)、ペプチド、蛋白質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核蛋白質、ムコ蛋白質、リポ蛋白質、合成ポリペプチドまたは蛋白質、蛋白質に連結された小分子、糖蛋白質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を含む。
ある態様において、追加の治療剤は抗生物質である。例示的な抗生物質はペニシリン(例えばペニシリン、アモキシシリン)、セファロスポリン(例えばセファレキシン)、マクロライド(例えばエリスロマイシン、クラリスロマイシン(clarithormycin)、アジスロマイシン、トロレアンドマイシン)、フルオロキノロン(例えばシプロフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン)、スルホンアミド(例えばコ・トリモキサゾール、トリメトプリム)、テトラサイクリン(例えばテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、サンサイクリン、ドキシサイクリン(doxycline)、オーレオマイシン、テラマイシン、ミノサイクリン、6−デオキシテトラサイクリン、ライムサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ロリテトラサイクリン、およびグリシルサイクリン抗生物質(例えばチゲサイクリン))、アミノグリコシド(例えばゲンタマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン)、アミノシクリトール(例えばスペクチノマイシン)、クロラムフェニコール、スパルソマイシン、およびキヌプリスチン/ダルホプリスチン(Syndercid(商標))を含むが、それらに限定されない。
本発明には、キット(例えば医薬パック)もまた包含される。提供されるキットは本発明の医薬組成物またはマクロライドと容器(例えばバイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/もしくはディスペンサーパッケージ、または他の好適な容器)とを含み得る。いくつかの態様において、提供されるキットは任意に第2の容器をさらに含み得、これは本発明の医薬組成物またはマクロライドの希釈または懸濁のための医薬添加剤を含む。いくつかの態様において、容器中に提供される本発明の医薬組成物またはマクロライドと第2の容器とが組み合わされて、1単位の剤形を形成する。
治療の方法
本発明は、本発明のマクロライドを感染性疾患(例えば真菌、細菌、ウィルス、または寄生虫感染)の治療のためおよび炎症状態の治療のために用いることを考える。マクロライドは抗細菌活性、さらには抗寄生虫活性を示すことが公知である。例えばClark et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2000) 10:815-819(抗細菌活性)およびLee et al., J. Med. Chem. (2011) 54:2792-2804(抗細菌および抗寄生虫活性)参照。マクロライドは抗炎症効果を示すこともまた公知である。例えばAmsden, Journal of Antimicrobial Chemotherapy (2005) 55: 10-21(慢性肺炎症症候群)参照。
それゆえに、本明細書において一般的に記載される通り、感染性疾患を治療する方法が提供され、本発明のマクロライドまたはその医薬的に許容される塩の有効量をその必要がある対象に投与することを含む。かかる方法はインビボで(すなわち対象への投与によって)またはインビトロで(例えば、病原体、組織、または細胞の培養体との接触によって)行われ得る。治療することは、本明細書において用いられる場合、治療および予防的治療を包含する。
ある態様において有効量は治療有効量である。例えば、ある態様において、方法は対象の感染性疾患の進行を減速させる。ある態様において、方法は感染性疾患に罹患している対象の状態を改善する。ある態様において、対象は疑診または確診された感染性疾患を有する。
ある態様において有効量は予防有効量である。例えばある態様において、方法は感染性疾患を予防するかまたは感染性疾患の可能性を減らす。例えばある態様において、方法は、感染性疾患を予防するかまたは感染性疾患の可能性を減らすのに十分な量で、本発明のマクロライドをその必要がある対象に投与することを含む。ある態様において、対象は感染性疾患のリスクがある(例えば、疑診または確診された感染性疾患を有する別の対象に曝露されたか、または病原体に曝露されたかもしくは曝露されたと考えられる)。
別の側面において、病原体増殖を阻害するインビトロの方法が提供され、本発明のマクロライドの有効量を細胞の培養体中の病原体(例えば細菌、ウィルス、真菌、または寄生虫)と接触させることを含む。
本明細書において用いられる場合、「感染性疾患」および「微生物感染」は交換可能に用いられ、病原体(例えば真菌、細菌、ウィルス、または寄生虫)による感染を指す。ある態様において、感染性疾患は他の治療に対して耐性の病原体によって引き起こされる。ある態様において、感染性疾患は、多剤寛容または耐性である病原体によって引き起こされる。例えば、感染性疾患は、他の治療の存在下でまたは他の治療の結果として増殖も死滅もしない病原体によって引き起こされる。
ある態様において感染性疾患は細菌感染である。例えばある態様において、細菌感染を治療する方法が提供され、本発明のマクロライドまたはその医薬的に許容される塩の有効量をその必要がある対象に投与することを含む。
ある態様において、マクロライドは、50μg/mL未満、25μg/mL未満、20μg/mL未満、10μg/mL未満、5μg/mL未満、または1μg/mL未満という平均阻害濃度(MIC)を具体的な細菌に関して有する。
ある態様において、細菌は公知の市販マクロライド(例えばアジスロマイシン、クリンダマイシン、テリスロマイシン、エリスロマイシン、スピラマイシン、および同様のもの)に対して感受性である(例えば応答する)かまたは耐性である。公知のマクロライドの一覧は図1もまた参照。ある態様において細菌(bactera)は公知のマクロライドに対して耐性である。例えば、ある態様において細菌はエリスロマイシン耐性(ER)である。
ある態様において、細菌感染は他の抗生物質(例えば、非マクロライド)療法に対して耐性である。例えば、ある態様において病原体はバンコマイシン耐性(VR)である。ある態様において病原体はメチシリン耐性(MR)である。例えば、ある態様において細菌感染はメチシリン耐性S.aureus感染(MRSA感染)である。
ある態様において細菌は排出(例えば、mef、msr)遺伝子型を有する。ある態様において細菌はメチラーゼ(例えばerm)遺伝子型を有する。ある態様において細菌は構成的な遺伝子型を有する。ある態様において細菌は誘導性の遺伝子型を有する。
例示的な細菌感染は、グラム陽性細菌(例えば、Actinobacteria門、Firmicutes門、またはTenericutes門)、グラム陰性細菌(例えば、Aquificae門、Deinococcus-Thermus門、Fibrobacteres/Chlorobi/Bacteroidetes(FCB)門、Fusobacteria門、Gemmatimonadest門、Ntrospirae門、Planctomycetes/Verrucomicrobia/Chlamydiae(PVC)門、Proteobacteria門、Spirochaetes門、またはSynergistetes門)、または他の細菌(例えば、Acidobacteria門、Chlroflexi門、Chrystiogenetes門、Cyanobacteria門、Deferrubacteres門、Dictyoglomi門、Thermodesulfobacteria門、またはThermotogae門)による感染を含むが、それらに限定されない。
ある態様において細菌はFirmicutes門およびEnterococcus属のメンバーである。すなわち、細菌感染はEnterococcus感染である。例示的なEnterococci細菌はE.avium、E.durans、E.faecalis、E.faecium、E.gallinarum、E.solitarius、E.casseliflavus、およびE.raffinosusを含むが、それらに限定されない。
ある態様において細菌はFirmicutes門およびStaphylococcus属のメンバーである。すなわち、細菌感染はStaphylococcus感染である。例示的なStaphylococci細菌は、S.arlettae、S.aureus、S.auricularis、S.capitis、S.caprae、S.carnous、S.chromogenes、S.cohii、S.condimenti、S.croceolyticus、S.delphini、S.devriesei、S.epidermis、S.equorum、S.felis、S.fluroettii、S.gallinarum、S.haemolyticus、S.hominis、S.hyicus、S.intermedius、S.kloosii、S.leei、S.lenus、S.lugdunesis、S.lutrae、S.lyticans、S.massiliensis、S.microti、S.muscae、S.nepalensis、S.pasteuri、S.penttenkoferi、S.piscifermentans、S.psuedointermedius、S.psudolugdensis、S.pulvereri、S.rostri、S.saccharolyticus、S.saprophyticus、S.schleiferi、S.sciuri、S.simiae、S.simulans、S.stepanovicii、S.succinus、S.vitulinus、S.warneri、およびS.xylosusを含むが、それらに限定されない。ある態様においてStaphylococcus感染はS.aureus感染である。ある態様においてS.aureusは排出(例えば、mef、msr)遺伝子型を有する。ある態様においてS.aureusはメチラーゼ(例えばerm)遺伝子型を有する。
ある態様において細菌はFirmicutes門およびBacillus属のメンバーである。すなわち、細菌感染はBacillus感染である。例示的なBacillus細菌はB.alcalophilus、B.alvei、B.aminovorans、B.amyloliquefaciens、B.aneurinolyticus、B.anthracis、B.aquaemaris、B.atrophaeus、B.boroniphilus、B.brevis、B.caldolyticus、B.centrosporus、B.cereus、B.circulans、B.coagulans、B.firmus、B.flavothermus、B.fusiformis、B.globigii、B.infernus、B.larvae、B.laterosporus、B.lentus、B.licheniformis、B.megaterium、B.mesentericus、B.mucilaginosus、B.mycoides、B.natto、B.pantothenticus、B.polymyxa、B.pseudoanthracis、B.pumilus、B.schlegelii、B.sphaericus、B.sporothermodurans、B.stearothermophilus、B.subtilis、B.thermoglucosidasius、B.thuringiensis、B.vulgatis、およびB.weihenstephanensisを含むが、それらに限定されない。ある態様においてBacillus感染はB.subtilis感染である。ある態様においてB.subtilisは排出(例えばmef、msr)遺伝子型を有する。ある態様においてB.subtilisはメチラーゼ(例えばerm)遺伝子型を有する。
ある態様において細菌はFirmicutes門およびStrepococcus属のメンバーである。すなわち細菌感染はStrepococcus感染である。例示的なStrepococcus細菌はS.agalactiae、S.anginosus、S.bovis、S.canis、S.constellatus、S.dysgalactiae、S.equinus、S.iniae、S.intermedius、S.mitis、S.mutans、S.oralis、S.parasanguinis、S.peroris、S.pneumoniae、S.pyogenes、S.ratti、S.salivarius、S.thermophilus、S.sanguinis、S.sobrinus、S.suis、S.uberis、S.vestibularis、S.viridans、およびS.zooepidemicusを含むが、それらに限定されない。ある態様においてStrepococcus感染はS.pyogenes感染である。ある態様においてStrepococcus感染はS.pneumoniae感染である。ある態様においてS.pneumoniaeは排出(例えば、mef、msr)遺伝子型を有する。ある態様においてS.pneumoniaeはメチラーゼ(例えばerm)遺伝子型を有する。
ある態様において、グラム陰性(negtive)細菌はProteobacteria門およびEscherichia属の細菌である。すなわち細菌感染はEscherichia感染である。例示的なEscherichia細菌はE.albertii、E.blattae、E.coli、E.fergusonii、E.hermannii、およびE.vulnerisを含むが、それらに限定されない。ある態様においてEscherichia感染はE.coli感染である。
ある態様において、グラム陰性細菌はProteobacteria門およびHaemophilus属の細菌である。すなわち、細菌感染はHaemophilus感染である。例示的なHaemophilus細菌はH.aegyptius、H.aphrophilus、H.avium、H.ducreyi、H.felis、H.haemolyticus、H.influenzae、H.parainfluenzae、H.paracuniculus、H.parahaemolyticus、H.pittmaniae、Haemophilus segnis、およびH.somnusを含むが、それらに限定されない。ある態様において、Escherichia感染はH.influenzae感染である。
ある態様において、感染性疾患は寄生虫感染による感染である。それゆえに、ある態様において、寄生虫感染を治療する方法が提供され、本発明のマクロライドまたはその医薬的に許容される塩の有効量をその必要がある対象に投与することを含む。
例示的な寄生虫はTrypanosoma種(例えばTrypanosoma cruzi、Trypansosoma brucei)、Leishmania種、Giardia種、Trichomonas種、Entamoeba種、Naegleria種、Acanthamoeba種、Schistosoma種、Plasmodium種(例えばP.flaciparum)、Crytosporidium種、Isospora種、Balantidium種、Loa Loa、Ascaris lumbricoides、Dirofilaria immitis、およびToxoplasma ssp.(例えばT.gondii)を含むが、それらに限定されない。
本明細書において一般的に記載される通り、本発明は炎症状態を治療する方法を促進し、本発明のマクロライドまたはその医薬的に許容される塩の有効量をその必要がある対象に投与することを含む。かかる方法はインビボで(すなわち対象への投与によって)またはインビトロで(例えば、病原体、組織、または培養細胞との接触によって)行われ得る。治療することは、本明細書において用いられる場合、治療および予防的治療を包含する。
ある態様において有効量は治療有効量である。例えば、ある態様において、方法は対象の炎症状態の進行を減速させる。ある態様において、方法は炎症状態に罹患している対象の状態を改善する。ある態様において対象は疑診または確診された炎症状態を有する。
ある態様において有効量は予防有効量である。例えばある態様において、方法は炎症状態を予防するかまたは炎症状態の可能性を減らす。例えばある態様において、方法は、炎症状態を予防するかまたは炎症状態の可能性を減らすのに十分な量で、本発明のマクロライドをその必要がある対象に投与することを含む。ある態様において対象は炎症状態のリスクがある。
用語「炎症状態」は、疼痛(dolor。有害物質の生成および神経の刺激による)、熱(calor。血管拡張による)、発赤(rubor。血管拡張および血流増加による)、腫脹(tumor。液の過剰な流入または限られた流出による)、および/または機能喪失(functio laesa。部分的または完全、一過性または持続性であり得る)の兆候によって特徴づけられる疾患、障害、または状態を指す。炎症は多くの形態をとり、急性、癒着性、萎縮性、カタル性、慢性、硬変性、びまん性、散在性、滲出性、線維素性、線維性(fibrosing)、限局性、肉芽腫性、過形成性、肥厚性、間質性、転移性、壊死性、閉塞性、実質性、線維性(plastic)、増殖性(productive)、増殖性(proliferous)、偽膜性、化膿性、硬化性、漿液性・線維性、漿液性、単純性、特異性、亜急性、化膿性、毒性、外傷性、および/または潰瘍性の炎症を含むが、それらに限定されない。
例示的な炎症状態は、にきびと結びついた炎症、貧血(例えば再生不良性貧血、溶血性自己免疫性貧血)、慢性肺炎症症候群(例えばびまん性汎細気管支炎、嚢胞性線維症、喘息、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患)、動脈炎(例えば多発動脈炎、側頭動脈炎、結節性多発動脈炎、高安動脈炎)、関節炎(例えば結晶性関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、痛風性関節炎、反応性関節炎、関節リウマチ、およびライターの関節炎)、強直性脊椎炎、穀粉症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫疾患、アレルギーまたはアレルギー性反応、動脈硬化、気管支炎、滑液包炎、慢性前立腺炎、結膜炎、シャーガス病、皮膚筋炎(cermatomyositis)、憩室炎、糖尿病(例えば1型糖尿病、2型糖尿病)、皮膚の状態(例えば乾癬、湿疹、熱傷、皮膚炎、そう痒(疥癬))、子宮内膜症、ギラン・バレー症候群、感染、虚血性心疾患、川崎病、糸球体腎炎、歯肉炎、過敏症、頭痛(例えば偏頭痛、緊張型頭痛)、イレウス(例えば、術後イレウスおよび敗血症中のイレウス)、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎(膀胱痛症候群)、胃腸管障害(例えば、消化性潰瘍、局所性腸炎、憩室炎、胃腸管出血、好酸球性消化管障害(例えば好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流症(GORD、またはその同意語GERD)、炎症性腸疾患(IBD)(例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置性大腸炎、ベーチェット病、分類不能大腸炎)、および炎症性腸症候群(IBS)から選択される)、狼瘡、多発性硬化症、モルフェア、重症筋無力症(myeasthenia gravis)、心筋虚血、ネフローゼ症候群、尋常性天疱瘡、悪性貧血(pernicious aneaemia)、消化性潰瘍、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、脳障害(例えばパーキンソン病、ハンチントン病、およびアルツハイマー病)に結びついた神経炎症、前立腺炎、頭蓋放射線傷害に結びついた慢性炎症、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、局所性腸炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、強皮症(schleroderma)、全身性進行性硬化症(scierodoma)、サルコイドーシス、脊椎関節症(spondyloarthopathies)、シェーグレン症候群、甲状腺炎、移植拒絶、腱炎、外傷または損傷(例えば凍傷、刺激性薬剤、毒素、創傷、熱傷、物理的損傷)、血管炎、白斑、およびウェゲナー肉芽腫症を含むが、それらに限定されない。
ある態様において炎症状態は急性炎症状態(例えば、感染からもたらされる炎症など)である。ある態様において炎症状態は慢性炎症状態である。ある態様において、炎症状態は癌と結びついた炎症である。
ジアステレオ選択的なアルドール法
左半分(A)の構築中に、シュードエファナミン(ephanamine)グリシンアミドがアルデヒドおよびケトンへの高度に選択的な付加を受け、高いジアステレオ選択性を有する生成物をシングルステップで作り出すということが発見された。例えばスキームW1参照。かかる反応は、他のキラル補助剤(例えばシュードエフェドリングリシンアミド)を様々なアルデヒドおよびケトンとの組み合わせで用いて幅広く適用可能だと考えられる。
R25は任意置換アルキル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
R26およびR27はそれぞれ独立して任意置換アルキル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
P2は水素、任意置換アルキル、または酸素保護基であり、
R29は任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル(carbocycyl)、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
R8は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、
あるいは、R8およびR29が一緒になって任意置換カルボシクリルまたは任意置換ヘテロシクリル環を形成し得、
G1は−OR12または−NR13R14であり、
R12は水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール,酸素保護基であり、
R13およびR14はそれぞれ独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、もしくは窒素保護基であるか、またはR13およびR14が連結されて環式部分を形成する。
ある態様において、有機塩基がスキームW1のアルドール(adol)反応中に存在する。ある態様において、有機塩基はIA族またはIIA族水酸化物もしくはアルコキシド、有機リチウム、有機ナトリウム、または有機マグネシウムである。ある態様において塩基は有機リチウムである。ある態様において塩基はLDAである。ある態様において塩基はLiHMDSである。ある態様において塩基はNaHMDSである。ある態様において、IA族またはIIA族ハロゲン化物塩がスキームW1のアルドール(adol)反応中に存在する。ある態様において、IA族またはIIA族ハロゲン化物塩は有機塩基と一緒にスキームW1のアルドール(adol)反応中に存在する。ある態様において、ハロゲン化物塩はハロゲン化リチウムである。ある態様において、ハロゲン化物塩はLiClである。
スキームW1に示されている通り、ジアステレオ選択的なアルドール反応は、2つの新たなステレオジェニック中心の形成によって4つまでのジアステレオマー生成物を提供し得る。それらの生成物は、典型的には、式A−20に示されている立体異性体が全ての他の立体異性体よりも濃縮されている。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約1:1〜約100:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約1:1〜約10:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約5:1〜約10:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約10:1〜約100:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約30:1〜約100:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約50:1〜約100:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約80:1〜約100:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。ある態様において、スキームW1のアルドール反応は、約90:1〜約100:1という式A−20の立体異性体対全ての他の立体異性体の比を提供する。
ある態様において、式(A−20)の化合物を高プロトン条件下で加熱することは、W3に示されている通り、式(A−22)の化合物をカルボン酸またはエステルとして提供する。
ある態様において、式(A−20)の化合物は還元剤によって処理されて、W4に示されている式(A−23)の化合物をアルデヒドとして提供する。スキームW4に用いられる還元剤の例は金属水素化物を含む。ある態様において、還元剤は水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、または水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。用いられる還元剤の量は、式(A−20)の化合物と相対的に等量〜過剰量の範囲で適切に選択され得る。
ある態様において式(A−20)の化合物は還元剤によって処理されて、スキームW5に示されている式(A−24)の化合物をアルコールとして提供する。スキームW5に用いられる還元剤の例は金属水素化物を含む。ある態様において、還元剤は水素化アミノホウ素リチウム(lithium amino boronhydride)、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、または水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。用いられる還元剤の量は、式(A−20)の化合物と相対的に等量〜過剰量の範囲で適切に選択され得る。ある態様において、スキームW4の反応は不活性気体、例えば窒素またはアルゴン下で行われる。
ある態様において式(A−20)の化合物は還元剤によって処理されて、スキームW6に示されている式(A−25)の化合物をアミンとして提供する。スキームW6に用いられる還元剤の例は金属水素化物を含む。ある態様において、還元剤は水素化アミノホウ素リチウム(lithium amino boronhydride)、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、または水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。用いられる還元剤の量は、式(A−20)の化合物と相対的に等量〜過剰量の範囲で適切に選択され得る。ある態様において、スキームW4の反応は不活性気体、例えば窒素またはアルゴン下で行われる。
ある態様において式(A−21)または式(A−26)の化合物はホスフィンによって処理されて、スキームW7に示されている通り、それぞれ式(A−27)または式(A−28)の化合物を提供する。ある態様において、有機アミンがスキームW7の反応中に存在する。ある態様において有機アミンは第3級アミンである。ある態様において第3級アミンはEt2 iPrNである。
左半分の構築
本発明のマクロライドの調製に用いられる左半分(A)の構築(下に示されている描かれている2つの異なるやり方)は、本明細書に記載される本発明のジアステレオ選択的なアルドール法を用いて考えられる。しかしながら、このアルドール法を用いて左半分を合成する下の記載は、左半分を調製する多くのやり方の1つであり、本発明を全体として限定するものではない。
ある態様において、左半分の合成は塩基による(A−1)またはその塩の処理によって進み、次に式(A−2)の化合物またはその塩との接触を行って、スキームW−8に示されている式(A−3)のアルドール生成物またはその塩を提供し、
R8、R7、R25、R26、R27、G1、G3、およびP3は本明細書において定義される通りである。
ある態様において、スキームW−16に示されているアルデヒドまたはケトンは、スキームW−18に示されている経路を用いて置換アミンに変換され得る。エルマンスルフィンイミドの形成、次にR1bに由来する求核剤試薬(例えばグリニャールまたは有機リチウム試薬)の付加および補助剤の続いての脱保護は、どちらかの相対的な立体化学を有する所望の置換アミンを作る。
ある態様において、左断片のホスホン酸エステルまたはリンイリドが調製されて、不飽和ケトン結合による右半分のカルボニル部分への結合を可能にし得る(スキームW−20参照)。エステル基は増炭されて、反応性のリン部分を含有する炭素求核剤の付加を可能にする中間体になり得る。
右半分の構築
本発明のマクロライドの調製に用いられる右半分(B)の構築が、本明細書にさらに記載される。しかしながら、右半分を合成する下の記載は、右半分を調製する多くのやり方の1つであり、本発明を全体として限定するものではない。
アルデヒド(A−1)の代替として式(A−5)のアルデヒドまたはその塩がさらに考えられ、これは先の(proceeding)スキームに記載された合成操作と類似に、種々の化合物に変換され得る。例えばスキームE−4参照。
さらに、アルデヒド(A−1)および(A−5)の代替として式(A−9)のアルケニル化合物またはその塩がさらに考えられ、これは先の(proceeding)スキームに記載された合成操作と類似に、種々の化合物に変換され得る。例えばスキームE−5参照。
アルデヒドまたはケトン(例えばスキームE−5に記載されているもの)が改変されて、置換アミン(例えばスキームE−6に記載されているもの)を作り得る。キラルt−ブチルスルフィンイミドの形成、次にRZ4(例えばグリニャールまたは有機リチウム試薬)の求核付加は、C−37またはC−38などの中間体をどちらかの立体化学的な立体配置で作る。キラル補助剤の脱保護は所望のアミンC−39およびC−40をもたらし、それらは続いての大環化反応に用いられる。
アルデヒド(例えばスキームE−5に記載されたもの)はスキームE−7に示されている条件下でさらに改変されて、誘導体化(derivitization)または大環化のための他の有用な中間体に至り得る。式C−42のものなどのホスホニウム塩またはホスホン酸エステル誘導体(RP1、RP2、およびRP3はそれぞれ独立して任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル(carbocycyl)、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである)は、対応するカルボニル含有有機化合物によるアルケン形成によって増炭するために用いられ得る。
より大きい環のサイズ(例えば16員環)を入手するするための大環の右半分の拡大が、本明細書に描かれている通り達成され得る(スキームE−8)。アルコキシホスホニウム塩またはホスホン酸エステル試薬によるアルデヒドの処理は、ビニルエーテルC−12またはC−13を提供する。酸性条件下での加水分解は増炭されたアルデヒド前駆体C−14またはC−15を与える。
本発明のこれらおよび他の側面は、次の実施例の考慮によってさらに認められるであろう。それらは本発明のある具体的な態様を例示することが意図されているが、特許請求の範囲によって定義されるその範囲を限定することは意図されていない。
マクロライドの結合および耐性
マクロライド抗生物質は、図1に示されているマクロライドを例とし、細菌リボソーム中の脱出トンネルを通る新生ペプチドの通過を妨害することによってペプチド合成を阻害する。全ての13〜16員マクロライド抗生物質はほぼ全く同じマクロラクトン(またはアザラクトン)立体配座によって結合し、分子の疎水性面(いくつかのメチル基および1つのエチル基を含む)はペプチジル脱出トンネルの壁と係合し、分子の親水性面(4つのC−OおよびC=O基を含む)はトンネルの疎水性の内部に対して曝露される(図2。ソリスロマイシンの周りの12Å範囲を示す)。例えばBulkley et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2010, 107, 17158-17163、Tu et al., Cell (Cambridge, MA, U. S.) 2005, 121, 257-270、Hansen et al., J. Mol. Biol. 2003, 330, 1061-1075、Llano-Sotelo et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2010, 54, 4961-4970参照。重要な水素結合相互作用はデソサミン糖とリボソームとの間で起こる。これは、ヒト使用がFDAによって認可された全てのマクロライドに存在している(動物用抗生物質のタイロシンでは改変されている)この残基が結合に重要であるという見方と矛盾しない。テリスロマイシンおよびソリスロマイシンの側鎖は、A752−U2609の塩基対とのπスタッキング相互作用に関与して、リボソームとの結合を増強すると信じられている。例えばMankin, Curr. Opin. Microbiol. 2008, 11, 414-421、Douthwaite et al., Mol. Microbiol. 2000, 36, 183-192、Hansen et al., Mol. Microbiol. 1999, 31, 623-631参照。ソリスロマイシンの3−アミノフェニル置換基は、水素結合によってA752およびG748と接触することがX線結晶解析によって示されている。これは、テリスロマイシンと相対的にソリスロマイシンのより高い結合親和性を一部は説明し得る。例えばLlano-Sotelo et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2010, 54, 4961-4970参照。ソリスロマイシンの位置C2のフッ素原子はC2611と疎水性の接触をし、非フッ素化分子と比べてグラム陽性細菌のパネルに対する活性の4〜16倍の増大を説明すると信じられる。例えばLlano-Sotelo et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2010, 54, 4961-4970参照。
マクロライド結合ポケットの改変は、病原性細菌の耐性の主要な形態の1つである。これは、塩基修飾(例えば、erm遺伝子によるA2058ジメチル化)、塩基変異(例えば、A2058G、A2059G、C2611G)、またはリボソームの遠位変異(例えばL4リボソームペプチドの改変)によって引き起こされる結合ポケットのより微妙な変更の形態をとり得る。例えばLeclercq et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1991, 35, 1273-1276、Leclercq et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1991, 35, 1267-1272、Weisblum, Antimicrob. Agents Chemother. 1995, 39, 577-585、Vester et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2001, 45, 1-12、Tu et al., Cell (Cambridge, MA, U. S.) 2005, 121, 257-270参照。マクロライドの半合成的な改変は単にいくつかの位置に限られているが、結合部位との追加の接触によって大いに増大した結合をもたらした。本発明者は、未検討の他の位置の改変がさらなる抗生物質開発の大きな可能性を提供すると信ずる。
本発明の収束的合成法
過去10年は、その構造および機能の両方に関してリボソームの理解の目覚ましい進歩を見た。古細菌および最近では病原性細菌のいくつかの種のリボソームに結合したマクロライド抗生物質の高分解度X線結晶構造は、マクロライド結合の性質の重要な知見を提供した。細菌リボソームおよび特にE.coliなどの病原体生物のリボソームに結合したエリスロマイシンおよび他のマクロライド抗生物質の高度に詳細なモデルが、結晶学者らによってわずか過去3年間に達成された。例えばDunkle et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. (2010) 107: 17152-17157、Llano-Sotelo et al., Antimicrob. Agents Chemother. (2010) 54:4961-4970参照。半世紀の生化学および臨床データと組み合わされて、マクロライド骨格による合理的な薬物設計の基盤は今や極めて十分な情報を有しており、このクラスの新規の抗生物質候補の設計および合成を特に時宜に適ったものとしており、本発明者は大きな可能性を信ずる。
マクロライドの結合に寄与する構造特徴の理解はかつてなく多大であるが、マクロライド骨格の大多数の位置は改変されたことがないので(これは半合成の内在的な制約の結果である)、多くが分からないままである。マクロライド骨格への本発明の合成経路は、半合成的手法を用いては見込みがない多くの位置の改変を可能にする。本発明者は、疎水性結合ポケットとの相互作用がマクロラクトンのアルキル置換基の変形によって増強され得ると信ずる。アルキル、フルオロ、および/またはフルオロアルキルなどの疎水性基が本明細書においては考えられる。マクロライドのC4位の改変は耐性株の改変されたリボソームとの増強された結合をもたらし得、本発明の合成法は、この位置、さらには他の簡単な変形を可能にする。例えばTu et al., Cell (Cambridge, MA, U. S.) (2005) 121:257-270、Hansen et al., Mol. Cell (2002) 10: 117-128参照。本発明の合成法は、大環のサイズおよびヘテロ原子組成の容易な変形を可能にする。デソサミン残基の変形もまた本発明の合成法を用いて容易に達成され、いくつかのアナログの検討を許す。それらは、ermメチラーゼと結びついた、糖とジメチル化されたA2058との間の不都合な相互作用によって特徴づけられる耐性を可能性として克服し得る。例えばRomero et al., Tetrahedron Lett (2005) 46: 1483-1487、Liang et al., Medicinal Chemistry Letters (2005) 15: 1307-1310参照。
マクロライド抗生物質への全合成経路の本発明の設計に際してはいくつかの指針に従った。第1に、手法はコンポーネントに基づく収束的な設計によっており、したがってアナログの倍数的な拡大が各コンポーネントの化学的変形によって可能である。第2に、化学的変換は大規模化可能であるように選択された。したがって、いずれかの候補抗生物質の十分量は、MICスクリーニング、動物試験、および究極的には製造にまで利用可能になり得る。
ジオキソレノンまたはβ−ケトエステルの一般的な熱によって誘導されるマクロラクトン化が考えられ、アシルケテン中間体を経て進み、手の込んだ保護基またはカップリング試薬の必要なしにマクロラクトンを生ずる。ジオキソレノン法はBoeckman et al.によって中サイズのマクロラクトンの調製について開拓された。例えば Boeckman, et al., J. Am. Chem. Soc. (1989) 111:8286-8288参照。β−ケトエステル法はWitzemanによって詳細に検討された。例えばWitzeman, et al., J. Org. Chem. (1991) 56: 1713-1718参照。
本明細書で論じられる結果は、ジオキソレノンまたはβ−ケトエステルを用いるマクロラクトン化が多様な骨格置換について見事に機能するということを証明している。大環化前駆体はほぼ同等の複雑さの2つの半分(左および右半分)から作り出され、それらは翻って多様化可能なビルディングブロックに由来し得る。本発明の収束的なビルディングブロック戦略は各コンポーネントの独立した発生(合成経路、構造構成)を可能にする。
本発明者は、50個よりも多い新規の15員アザライド抗生物質の候補を、マクロライド骨格の5つの右半分と6つの左半分との種々の組み合わせから合成した。それらの全ては新規の化学的実体であり、いずれも半合成によっては調製され得なかった。それらの候補のいくつかを種々の病原体(例えばS.aureus、S.pneumoniae、E.coli、およびH.influenzae、中でもいくつものマクロライド耐性株)に対してスクリーニングした。新たなマクロライドのいくつかは、アジスロマイシンよりも高い活性をマクロライド感受性およびマクロライド耐性細菌の両方に対して有することが見いだされた。
I.右半分の合成
実施例I−1.アリルエノールエーテル出発物質の合成
Boeckman et al., J. Am. Chem. Soc. (1989) 111:8286-8288参照。
実施例I−2.アルコールC4デスメチルからのY2アルデヒドの形成
本発明者が上首尾に合成したジオキソレノンアシルケテン前駆体を有する右半分の代表的な見本を本明細書に示す。それぞれは、ヨウ化アルキル(25または39)とメチルケトン26の容易に大規模化されるカップリングから直線的な7ステップで進む。O−メチル化は28を優れた収率で与えた。酸化的切断はアルデヒド29を曝露し、これは臭化マグネシウムエーテラートの存在下でシリルエノールエーテル30との高度にジアステレオ選択的な向山アルドール縮合を受けて、第2級カルビノール31を優れた収率で提供した。喜ばしいことに、銀(I)トリフレート存在下でのチオピリミジルデソサミン32によるウッドワード条件下のグリコシル化は良好な収率で進み、33を単一のアノマーとして生じた。例えばWoodward et al., J. Am. Chem. Soc. (1981) 103:3213-3215、Woodward et al., J. Am. Chem. Soc. (1981) 103:3210-3213、Woodward et al., J. Am. Chem. Soc. (1981) 103:3215-3217参照。シリル脱保護およびデス・マーチン・ペルヨージナンによる酸化は、完全なC4デスメチルの右半分のアルデヒド34を、グラム量で、25および26から7ステップおよび55%の全体の収率で与えた。金属−ハロゲン交換後に、ルーシェ条件(CeCl3)の使用によって、ケトン基質への付加後にC6第3級(teriary)カルビノールのエピマーを提供する。
実施例I−3.アルコールからのC4デスメチルを有するY2アルデヒドの形成(両方のC6エピマー)
実施例I−4.アルコールからのどちらかのエピマーC4メチルを有するY2アルデヒドの形成
下に示されている通り、エリスロマイシン中に存在するC4メチル基を組み込んだ右半分が、メチル化されたジオキソレノンビルディングブロックを用いることによって入手され、C4の天然およびエピマーの立体化学的な立体配置を両方とも提供し得る。
実施例I−5.C6デスメトキシおよびC4メチルを有するY2アルデヒドの形成
実施例I−6.アルコールからのC6アリルおよびC4メチルを有するY2アルデヒドの形成
実施例I−7.アルコールからのC6デスメトキシアリルを有するY2アルデヒドの形成
実施例I−8.第3級アルコールからのC6O−アリルを有するY2アルデヒドの形成
実施例I−9.C6O−アリルC2デスメチルを有するY2アルデヒドの形成
実施例I−10.アルコールからのY2アルデヒドの形成
実施例I−11.アルコールC4ジメチルからのY2アルデヒドの形成
実施例I−12.アルコールC2デスメチルからのY2アルデヒドの形成
実施例I−13.脱離によるY2短縮アルデヒドの形成
実施例I−14.アルケンの酸化的切断によるY2アルデヒドの形成
実施例I−15.アルケンの酸化的切断によるY2ケトンの形成
実施例I−16.アルケンの酸化的切断によるY2アルデヒドの形成
(A)酸化的切断
(B)酸化的切断およびOR3の脱離
(C)ジオールの酸化的切断
実施例I−17.ビニル基酸化によるY2短縮アルデヒドの形成
実施例I−18.ヨード中間体からのY2−CH2NO2の形成
実施例I−19.Y2増炭アルデヒドの形成
実施例I−20.Y2カルボン酸への酸化
実施例I−21.Y2アミンの形成
実施例I−22.Y2アルデヒドへの付加
実施例I−23.Y2アルデヒドのフッ素化
実施例I−24.Y2アルデヒドの改変のためのクロスメタセシス
例示的な右半分の合成手順
ジオキソレノンによるC2メチルを有する右半分
エーテル(512mL)中の(S)−tert−ブチル(3−ヨード−2−メチルプロポキシ)ジフェニルシラン(74.1g、169mmol)の溶液に、t−BuLi(1.52M、222mL、338mmol)を−78℃で滴下した。もたらされた微濁懸濁物を30min撹拌した。この時点で、TLC(100%ヘキサン)によって完全なハロゲン−リチウム交換が指示された。3:1のエーテル:ベンゼン(123mL、184mmol)中のMgBr2の1.5M溶液(Nakatsuka, M.; Ragan, J. A.; Sammakia, T.; Smith, D. B.; Uehling, D. E.; Schreiber, S. L. J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 5583-5601.)を滴下した。もたらされた懸濁物を30min、−78℃で撹拌し、手短に0℃まで温め(5min)、透明溶液を与えた。再度−78℃まで冷却した後に、エーテル(50mL)中の(R)−1−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタノン(22.15g、154mmol)の溶液(Leyes, A. E.; Poulter, C. D. Org. Lett. 1999, 1, 1067-1070.)をカニューラによって上のグリニャール溶液に滴下した。もたらされた白色混合物を2h、−78℃で撹拌した。TLC(30%酢酸エチル−ヘキサン)によって完全な変換が示された。反応を半飽和NH4Cl溶液(300mL)によってクエンチした。層を分割し、水性層をエーテル(3×300mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(500mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、濾過して濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(10〜15%エーテル、ヘキサン中)、生成物を無色油として与えた(63.0g、90%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.73 - 7.66 (m, 4H), 7.48 - 7.36 (m, 6H), 4.03 - 3.86 (m, 3H), 3.55 (dd, J = 9.8, 5.3 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 9.8, 7.7 Hz, 1H), 3.09 (s, 1H), 2.07 - 1.96 (m, 1H), 1.86 (dd, J = 14.5, 6.3 Hz, 1H), 1.42 (s, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.33 (dd, J = 14.4, 4.5 Hz, 1H), 1.14 (s, 3H), 1.08 (s, 9H), 0.91 (d, J = 6.9 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 135.66, 135.61, 133.31, 133.27, 129.68, 127.68, 127.65, 109.17, 82.02, 71.46, 70.08, 65.12, 43.02, 30.83, 26.87, 26.36, 25.39, 22.49, 19.45, 19.16. FTIR (未希釈), cm-1: 3450 (br), 2957(m), 1369 (s), 1211 (s), 1111 (s), 1066 (s), 823 (s), 738 (s), 702 (s); HRMS (ESI): (C27H40O4Si + H)+計算: 457.2769; 実測: 457.2775.
エーテル(83mL)中のKH(35%分散物、ミネラルオイル中。6.67g、49.9mmol)の懸濁物に、(2R,4R)−5−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−4−メチルペンタン−2−オール(19g、41.6mmol)のエーテル溶液(83mL)を0℃で滴下した。移し替えはエーテル(2×5mL)によって定量化した。もたらされた懸濁物を1h撹拌した。ヨウ化メチル(直前に塩基性アルミナに通した。26.0mL、416mmol)を追加し、混合物をrtまで温めた。2h後に、TLCによって完全な反応が指示された。反応混合物を100mLの半飽和NH4Cl溶液中にゆっくり注加し、100mLのエーテルによって希釈した。層を分離し、水性層をエーテル(2×50mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4によって乾燥し、濾過し、濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(12%〜20%エーテル、ヘキサン中)、生成物を無色油として与えた(19.5g、99%)。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.68 - 7.64 (m, 4H), 7.45 - 7.34 (m, 6H), 4.15 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.91 (dd, J = 8.2, 6.9 Hz, 1H), 3.64 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 3.46 (dd, J = 9.8, 6.2 Hz, 1H), 3.40 (dd, J = 9.8, 6.5 Hz, 1H), 3.19 (s, 3H), 1.90 - 1.82 (m, 1H), 1.58 (dd, J = 14.9, 4.0 Hz, 1H), 1.43 (s, 3H), 1.34 (s, 3H), 1.23 (dd, J = 15.0, 7.8 Hz, 1H), 1.11 (s, 3H), 1.06 (d, J = 2.8 Hz, 9H), 1.02 (d, J = 6.7 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 135.63, 135.59, 133.87, 129.56, 129.54, 127.59, 109.21, 80.14, 77.12, 69.60, 65.51, 49.92, 36.84, 31.28, 26.90, 26.23, 25.02, 19.26, 18.92, 18.50. FTIR (未希釈), cm-1: 2957(m), 1471 (s), 1369 (s), 1211 (s), 1155 (s), 1107 (s), 1066 (s), 823 (s), 738 (s), 700 (s); HRMS (ESI): (C28H43O4Si + H)+ 計算: 471.2925; 実測: 471.2944.
tert−ブチル(((2R,4R)−4−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−4−メトキシ−2−メチルペンチル)オキシ)ジフェニルシラン(19.5g、41.4mmol)を酢酸エチル(138mL)中に溶解し、次に過ヨウ素酸(18.89g、83mmol)を一度に追加した。混合物を1h激しく撹拌した。反応をヘキサン(138mL)によって希釈した。懸濁物をシリカの短いパッドに通し、50%酢酸エチル/ヘキサン(300mL)によって溶出した。濾液を濃縮して、生成物を無色油として与えた(16.8g、99%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.52 (s, 1H), 7.67 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 4H), 7.47 - 7.35 (m, 6H), 3.48 (dd, J = 9.9, 5.7 Hz, 1H), 3.41 (dd, J = 9.8, 6.2 Hz, 1H), 3.24 (s, 3H), 1.90 - 1.77 (m, 2H), 1.42 (dd, J = 14.1, 6.6 Hz, 1H), 1.22 (s, 3H), 1.07 (s, 9H), 0.97 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 204.68, 135.62, 135.60, 133.80, 133.79, 129.55, 127.59, 82.41, 68.97, 51.51, 37.91, 31.31, 26.88, 19.28, 18.58, 17.69. FTIR (未希釈), cm-1: 2958(m), 1735 (s), 1427 (s), 1105 (s), 1080 (s), 823 (s), 738 (s), 700 (s); HRMS (ESI): (C24H34O3Si + H)+ 計算: 399.2350; 実測: 399.2360.
CH2Cl2(105mL)中の(2R,4R)−5−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メトキシ−2,4−ジメチルペンタナール(10.5g、26.3mmol)の溶液を−10℃まで冷却し、臭化マグネシウムジエチルエーテラート(20.41g、79mmol)によって処理した。混合物をこの温度で10min撹拌し、−78℃まで冷却した。(Z)−((4−エチリデン−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)オキシ)トリメチルシラン(13.44mL、52.7mmol)を上の溶液に滴下した。混合物を−78℃で12h撹拌し、この時点でTLC分析(30%酢酸エチル/ヘキサン)によって完全な変換が指示された。反応をエーテル(200mL)および1NのHCl(100mL)の追加によってクエンチした。層を分離し、水性層をEt2O(3×100mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(2×100mL)によって洗浄し、MgSO4によって乾燥した。溶液を濾過し、減圧下で濃縮した。2つのカラムが純粋なsynジアステレオマーを得るために必要であった。第1のカラムでは15:15:70のエーテル/酢酸エチル/ヘキサンによって溶出して、生成物が8:1のジアステレオマー混合物として得られた。第2のカラムではジクロロメタン中の1〜3%アセトンによって溶出して、synジアステレオマー(11.5g、77%)、次にantiジアステレオマー(1.2g、8%)が得られた。主異性体(syn):1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.73 - 7.62 (m, 4H), 7.48 - 7.34 (m, 6H), 3.72 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 9.8, 6.3 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 9.8, 6.5 Hz, 1H), 2.96 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 2.42 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 1.85 (s, 3H), 1.83 - 1.77 (m, 1H), 1.74 (dd, J = 14.3, 3.7 Hz, 1H), 1.66 (s, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.33 (dd, J = 14.2, 7.0 Hz, 1H), 1.21 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.11 (s, 3H), 1.07 (s, 9H), 1.00 (d, J = 6.6 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 168.22, 162.87, 135.59, 135.55, 133.76, 133.72, 129.60, 129.58, 127.61, 104.80, 99.04, 79.57, 73.86, 69.44, 49.08, 36.89, 35.98, 31.44, 26.87, 26.41, 23.62, 19.33, 19.26, 18.90, 14.14, 9.88. FTIR (未希釈), cm-1: 3500 (br), 2931 (m), 1722 (s), 1637 (s), 1388 (s), 1356 (s), 1111 (s), 1072 (s), 702 (s), 613 (s); HRMS (ESI): (C33H45O6Si + H)+ 計算: 569.3293; 実測: 569.3304. 副異性体(anti):1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.68 (d, J = 6.5 Hz, 4H), 7.50 - 7.35 (m, 6H), 3.55 -3.47 (m, 2H), 3.44 (dd, J = 9.8, 6.6 Hz, 1H), 3.10 (s, 3H), 2.94 - 2.88 (m, 1H), 2.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 1.84 (s, 3H), 1.82 - 1.72 (m, 1H), 1.72 - 1.67 (m, 1H), 1.68 (s, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.44 (dd, J = 14.2, 7.1 Hz, 1H), 1.22 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.10 (s, 3H), 1.07 (s, 9H), 1.03 (d, J = 6.7 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 168.23, 162.88, 135.60, 135.57, 133.78, 133.74, 129.62, 129.59, 127.62, 104.82, 99.06, 79.58, 73.88, 69.45, 49.09, 36.90, 35.99, 31.46, 26.88, 26.43, 23.63, 19.34, 19.28, 18.91, 14.15, 9.89. FTIR (未希釈), cm-1: 3483 (br), 2955 (m), 1720 (s), 1639 (s), 1466 (s), 1388 (s), 1359 (s), 1111 (s), 1074 (s), 702 (s), 615 (s); HRMS (ESI): (C33H45O6Si + H)+ 計算: 569.3293; 実測: 569.3292.
乾燥した200mLフラスコに、粉末化した乾燥4Åモレキュラーシーブ(10.0g)、トルエン(41.8mL)、およびCH2Cl2(41.8mL)を仕込んだ。別のフラスコ中で、6−((2R,3R,4R,6R)−7−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−4,6−ジメチルヘプタン−2−イル)−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン(9.5g、16.70mmol)および(2S,3R,4S,6R)−4−(ジメチルアミノ)−6−メチル−2−(ピリミジン−2−イルチオ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネート(16.40g、50.1mmol)の混合物(Velvadapu, V.; Andrade, R. B.; Carbohydr. Res. 2008, 343, 145-150.)をベンゼンによって3回共沸乾燥した。次に、残さをCH2Cl2(30mL)中に溶解した。この溶液を上のモレキュラーシーブ懸濁物にカニューラによって追加した。懸濁物を0℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(21.46g,84mmol)を一度に追加した。混合物を1h、0℃で撹拌した。この時点で、TLC分析(50%酢酸エチル、ヘキサン中)によって出発物質の完全な消費が指示された。反応を飽和水性NH4Cl(10.0mL)によってクエンチし、5min撹拌し、飽和水性NaHCO3(10mL)を追加した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、CH2Cl2(100mL)によって濯ぎ、濾液を飽和水性NaHCO3(20mL)によって洗浄した。有機層をNa2SO4によって乾燥し、濾過して濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(70%酢酸エチル、ヘキサン中)、生成物を白色泡状物として与えた(9.0g、70%)。1H NMR (500 MHz, ベンゼン) δ 7.86 - 7.79 (m, 4H), 7.26 - 7.17 (m, 6H), 4.70 (dd, J = 10.4, 7.5 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 3.89 (dt, J = 10.5, 5.3 Hz, 1H), 3.59 (dd, J = 9.7, 7.5 Hz, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.25 - 3.19 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.52 (td, J = 12.1, 4.5 Hz, 1H), 2.09 (d, J = 12.9 Hz, 6H), 2.03 (s, 3H), 1.85 (dd, J = 14.3, 7.0 Hz, 1H), 1.62 (dt, J = 18.6, 6.1 Hz, 1H), 1.45 (s, 3H), 1.34 (s, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.22 (d, J = 8.5 Hz, 3H), 1.20 (s, 9H), 1.18 (d, J = 8.5 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 167.94, 163.00, 155.17, 135.62, 134.26, 134.21, 129.38, 129.36, 127.47, 104.40, 99.83, 99.61, 79.02, 75.52, 69.16, 69.12, 63.11, 54.64, 49.40, 40.70, 36.40, 33.94, 31.12, 30.86, 26.87, 25.68, 24.38, 20.98, 20.20, 19.79, 19.34, 12.86, 9.77. FTIR (未希釈), cm-1: 2935(m), 1755 (s), 1724 (s), 1641 (s), 1456 (s), 1377 (s), 1265 (s), 1106 (s), 1053 (s), 704 (s), 613 (s); HRMS (ESI): (C43H65NO10Si + H)+ 計算: 784.4451; 実測: 784.4467.
プラスチックバイアル中で、TBDPS−OCH3−EH(9.0g、11.48mmol)をCH3CN(57.4mL)中に溶解し、フッ化水素酸(48%aq、9.90mL、574mmol)をプラスチックシリンジによって追加した。混合物を次に室温で12h撹拌し、この時点でTLC分析(10%メタノール、酢酸エチル中)によって出発物質の完全な消費が指示された。反応溶液を、飽和水性NaHCO3溶液(300mL)を含有するエルレンマイヤー(Erlenmyer)にゆっくり追加した。気体の発生がおさまった後に、混合物をエーテル(3×100mL)によって抽出した。有機層を組み合わせて、1NのHCl(3×25mL)によって抽出した。エーテル層は捨てた。酸性の層を組み合わせて、これに固体NaHCO3をゆっくり追加して、pHを8に調節した。この水溶液をCH2Cl2(3×100mL)によって抽出した。組み合わせたCH2Cl2層をNa2SO4によって乾燥して濾過して濃縮し、生成物を白色泡状物として与えた(5.58g、89%)。1H NMR (500 MHz, ベンゼン) δ 4.85 (dd, J = 10.5, 7.7 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 3.61 (ddd, J = 11.3, 7.2, 4.4 Hz, 1H), 3.49 - 3.36 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.15 - 3.01 (m, 1H), 2.97 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 2.73 (s, 3H), 2.56 (td, J = 12.0, 4.3 Hz, 1H), 2.11 (s, 6H), 1.87 (s, 3H), 1.86 - 1.81 (m, 1H), 1.74 (dd, J = 14.5, 3.1 Hz, 1H), 1.57 (dd, J = 14.4, 9.1 Hz, 1H), 1.41 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.26 (dd, J = 12.8, 2.9 Hz, 1H), 1.16 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 1.11 - 1.04 (m, 1H), 1.02 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.8 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 167.34, 162.79, 155.25, 104.54, 99.84, 79.79, 76.37, 75.48, 69.27, 68.42, 63.05, 54.71, 49.56, 40.69, 38.69, 33.83, 31.07, 30.83, 25.89, 24.19, 20.99, 19.92, 19.86, 13.00, 9.89. FTIR (未希釈), cm-1: 3437 (br), 2939 (m), 1753 (s), 1724 (s), 1641 (s), 1454 (s), 1379 (s), 1267 (s), 1109 (s), 1053 (s), 732 (s); HRMS (ESI): (C27H47NO10 + H)+ 計算: 546.3272; 実測: 546.3280.
CH2Cl2(3.85mL)中のアルコール(2.1g、3.85mmol)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(2.448g、5.77mmol)および水(7.7μL、2μL/mLのCH2Cl2)を追加した。もたらされた乳白色懸濁物を0.5h、rtで撹拌した。反応をエーテル(50mL)、飽和水性Na2S2O3(20mL)、飽和水性NaHCO3(20mL)、およびブライン(20mL)によって希釈した。もたらされた混合物を30min激しく撹拌し、層を分離した。水性層をエーテル(3×20mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(10mL)によって洗浄し、MgSO4によって乾燥し、濾過して濃縮し、生成物を白色泡状物として与えた(2.1g、100%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.36 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 4.62 - 4.51 (m, 2H), 3.86 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.51 - 3.40 (m, 1H), 3.37 (qd, J = 7.3, 3.4 Hz, 1H), 2.97 (s, 3H), 2.81 - 2.69 (m, 1H), 2.47 (ddd, J = 10.9, 7.7, 3.9 Hz, 1H), 2.31 (s, 6H), 1.86 (s, 3H), 1.81 (dd, J = 14.0, 11.1 Hz, 1H), 1.77 - 1.73 (m, 1H), 1.68 (s, 3H), 1.66 (s, 3H), 1.58 (dd, J = 14.1, 3.0 Hz, 1H), 1.43 - 1.30 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.07 (d, J = 3.0 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 2.6 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, ベンゼン) δ 202.57, 166.45, 161.71, 155.83, 104.17, 100.60, 100.46, 78.64, 78.26, 75.43, 69.23, 63.64, 54.18, 49.19, 42.02, 40.51, 37.52, 34.08, 30.22, 25.66, 24.02, 20.84, 20.33, 15.42, 13.14, 10.03. FTIR (未希釈), cm-1: 2937 (m), 1753 (s), 1724 (s), 1643 (s), 1442 (s), 1377 (s), 1265 (s), 1109 (s), 1053 (s); HRMS (ESI): (C27H45NO10 + H)+ 計算: 544.3116; 実測: 544.3139.
リチウムジイソプロピルアミド(1.0M溶液、THF中。ジイソプロピルアミンおよびnBuLiから直前に調製。2.415mL、2.415mmol)をフレームドライしたフラスコに仕込んだ。THF(6.9mL)を追加して体積を補って9.3mLにし、溶液を−78℃まで冷却した。THF(1mL)中のジメチルメチルホスホネート(0.262mL、2.415mmol)の溶液を滴下した。もたらされた溶液を−78℃で15min撹拌した。THF(9.3mL)中のアルデヒド(1.01g、1.858mmol)の溶液をカニューラによって滴下し、反応を30min、−78℃で撹拌した。この時点でTLC(10%メタノール、酢酸エチル中)によってアルデヒドの完全な消費が指示された。反応を飽和水性NH4Cl溶液(10mL)の追加によって−78℃でクエンチし、酢酸エチル(10mL)によって希釈した。混合物をrtまで温め、層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×20mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、Na2SO4によって乾燥し、濃縮した。粗製物質をCH2Cl2(5mL)中に溶解し、デス・マーチン・ペルヨージナン(1.18g、2.79mmol)を一度に追加し、次に水(10μL、2μL/mLのCH2Cl2)。反応をrtで1h撹拌した。この時点で、TLC(10%メタノール、酢酸エチル中)によって、より極性でない化合物への完全な変換が指示された。反応混合物に、Et2O(20mL)、飽和水性NaHCO3(10mL)、および飽和水性Na2S2O3(10mL)を追加した。混合物を30min激しく撹拌した。層を分離し、水性層をEt2Oによって抽出した(2×20mL)。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、MgSO4によって乾燥し、濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を白色泡状物として与えた(0.90g、73%)。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 4.57 - 4.46 (m, 2H), 3.84 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 3.76 (t, J = 3.7 Hz, 3H), 3.74 (d, J = 2.7 Hz, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.42 (dtd, J = 11.9, 5.9, 4.3 Hz, 1H), 3.30 - 3.21 (m, 1H), 3.16 (dd, J = 22.0, 14.7 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 21.0, 14.7 Hz, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.84 - 2.76 (m, 1H), 2.76 - 2.66 (m, 1H), 2.27 (s, 6H), 1.92 (dd, J = 14.1, 10.5 Hz, 1H), 1.78 (s, 3H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.64 (d, J = 12.4 Hz, 3H), 1.62 (s, 3H), 1.47 - 1.40 (m, 1H), 1.38 - 1.28 (m, 1H), 1.23 (s, 3H), 1.23 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 205.81 (d, J = 6.2 Hz), 167.20, 162.75, 155.17, 104.39, 99.91, 99.84, 78.41, 76.52, 75.40, 69.23, 62.97, 54.66, 52.75, 52.74, 49.47, 42.19, 42.17, 40.62, 40.37, 39.31, 33.92, 30.75, 25.79, 24.17, 20.92, 19.78, 18.43, 13.04, 9.64. FTIR (未希釈), cm-1: 2937 (m), 1753 (s), 1716 (s), 1643 (s), 1456 (s), 1377 (s), 1265 (s), 1109 (s), 1053 (s), 731 (s); HRMS (ESI): (C30H52NO13P + H)+ 計算: 666.3249; 実測: 666.3266.
アルデヒド(100mg、0.184mmol)をCH2Cl2(2.62mL)中に溶解し、塩化スズ(II)(6.98mg、0.037mmol)を追加した。溶液をrtで5min撹拌した後、ジメチル(ジアゾメチル)ホスホネート(55.2mg、0.368mmol)をシリンジによって追加した。反応を次に40℃まで温めた。12h後に、TLC(10%メタノール、酢酸エチル中)によってアルデヒドの完全な消費が指示された。反応を酢酸エチル(10mL)および飽和水性NaHCO3(10mL)によって希釈し、激しく撹拌した。層を分離し、水性層を酢酸エチル(3×10mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をNa2SO4によって乾燥して濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を白色泡状物として与えた(75mg、63%)。
β−ケト−t−ブチルエステルによるC2メチルを有さない右半分
アルデヒド(575mg、1.443mmol、1equiv)を共沸蒸留(ベンゼン)によって乾燥し、次にジクロロメタン(11mL)中に溶解した。臭化マグネシウムエチルエーテラート(1.86g、7.21mmol、5.0equiv)をこの溶液に一度に追加し、もたらされた混合物を−78℃まで冷却した。ジクロロメタン(1.5mL)中の1,3−ビストリメチルシリルジエノールエーテル(1.37g、4.33mmol、3.0equiv。調製についてはTakai, K.; Nawate, Y.; Okabayashi, T.;Nakatsuji, H.; Iida, A.; Tanabe, Y. Tetrahedron 2009, 65, 5596-5607参照)の溶液を、シリンジによって5minかけてアルデヒド混合物に−78℃で滴下した。反応混合物をこの温度で3h撹拌し、次に飽和水性塩化アンモニウム溶液(12mL)を追加した。冷却浴を除き、反応フラスコを23℃まで温まらせた。水(40mL)およびジクロロメタン(50mL)を追加し、相を分離した。水性相をジクロロメタン(2×50mL)によって抽出した。有機抽出物を組み合わせて、組み合わせた溶液を無水硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。粗製アルドール混合物を次にメタノール(12mL)中に溶解し、もたらされた溶液を0℃まで冷却した。炭酸カリウム(20mg、0.1equiv)を粗製生成物溶液に一度に追加した。0℃での6minの撹拌後に、水性リン酸カリウム緩衝溶液(pH7.0、0.2M、25mL)を反応溶液に追加した。冷却浴を除き、反応フラスコを23℃まで温まらせた。水(25mL)およびジクロロメタン(60mL)を追加し、相を分離した。水性相をジクロロメタン(2×60mL)によって抽出した。有機抽出物を組み合わせて、組み合わせた溶液を無水硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(10%酢酸エチル−ヘキサン。12%まで段階的に変化)、アルドール生成物をジアステレオマー的に純粋な形態で提供した(490mg、60%)。副アルドールジアステレオマーをジアステレオマー的に純粋な形態で別に単離した(97mg、12%)。注:アルドール生成物のエノール互変異性体(<10%)に対応する明らかに区別可能なピークは非整数階積分によって報告する。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.67 (dd, 4H, J = 7.8, 1.5 Hz), 7.42-7.36 (m, 6H), 4.96 (s, 0.07H), 3.86 (d, 1H, J = 6.3 Hz), 3.53 (dd, 1H, J = 9.8, 5.9 Hz), 3.41 (AB quartet, 2H), 3.40 (dd, 1H, J = 9.8, 5.9 Hz), 3.12 (s, 0.21H), 3.00 (s, 3H), 2.86 (m, 1H), 2.24 (brs, 1H), 1.84-1.78 (m, 1H), 1.63 (dd, 1H, J = 14.2, 4.9 Hz), 1.45 (s, 9H), 1.36 (dd, 1H, J = 14.2, 6.3 Hz), 1.17 (d, 3H, J = 7.3 Hz), 1.09 (s, 3H), 1.06 (s, 9H), 1.02 (d, 3H, J = 6.3 Hz); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 205.6, 166.6, 135.6, 135.6, 133.9, 129.5, 127.6, 81.5, 79.1, 75.1, 69.4, 49.9, 49.1, 47.0, 36.9, 31.5, 27.9, 26.9, 19.9, 19.2, 19.0, 12.9; FTIR (未希釈薄膜), 3487 (w), 2932 (w), 1732 (m), 1707 (m), 1107 (s), 1071 (s), 700 (s) cm-1; HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ C33H50O6SiNa計算, 593.3269; 実測, 593.3278.
アルドール生成物の混合物(1.55g、2.72mmol、1equiv)および2−ピリミジニルチオグリコシド(1.78g、5.43mmol、2.0equiv)の混合物を、共沸蒸留(ベンゼン、2×20mL)によって乾燥した。乾燥した混合物をジクロロメタン(4.0mL)中に溶解し、トルエン(6.5mL)、ジクロロメタン(3.0mL)、および活性化した4Åモレキュラーシーブ(1.5g)の混合物を含有するフラスコにシリンジによって移し替えた。ジクロロメタンの追加分(1.0mL)を用いて、反応フラスコへの完全な移し替えを確実にした。もたらされた混合物を23℃で15min撹拌し、次に0℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(4.19g、16.3mmol、6.0equiv)を、氷冷の撹拌反応混合物に一度に追加した。0℃での90minの撹拌後に、反応混合物をジクロロメタン(10mL)によって希釈し、次に飽和水性塩化アンモニウム溶液(1.5mL)および飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(2.5mL)の連続的な滴下によってクエンチした。もたらされた混合物を23℃まで温まらせ、次にセライトの厚いパッドに通して濾過した。セライトパッドをジクロロメタン(100mL)によって洗浄し、もたらされた濾液を濃縮し、橙茶色泡状物を提供した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(40%酢酸エチル−ヘキサン。70%まで段階的に変化)、グリコシル化生成物**を白色泡状物として与えた(1.09g、51%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.68 (d, 4H, J = 6.3 Hz), 7.42-7.34 (m, 6H), 4.52 (dd, 1H, J = 10.2, 7.8 Hz), 4.40 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 3.95 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 3.75 (s, 3H), 3.67 (dd, 1H, J = 9.8, 4.4 Hz), 3.52-3.46 (m, 1H), 3.35-3.32 (m, 1H), 3.34 (AB quartet, 2H), 3.03-2.97 (m, 1H), 2.78 (s, 3H), 2.78-2.71 (m, 1H), 2.28 (s, 6H), 1.89- 1.82 (m, 1H), 1.74 (brd, 1H), 1.43 (s, 9H), 1.35- 1.30 (m, 2H), 1.26- 1.23 (m, 1H), 1.22 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 1.14 (s, 3H), 1.12 (d, 3H, J = 7.3 Hz), 1.06 (s, 9H), 1.04 (d, 3H, J = 7.8 Hz); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 204.6, 166.7, 155.1, 135.6, 134.2, 134.2, 129.4, 127.5, 101.2, 81.3, 80.8, 78.8, 75.5, 69.3, 69.0, 63.1, 54.7, 50.6, 49.4, 46.2, 40.7, 37.4, 31.4, 30.6, 28.0, 26.9, 20.9, 20.0, 19.6, 19.3, 13.7; FTIR (未希釈薄膜), 2932 (w), 1755 (m), 1709 (w), 1263 (s), 1055 (s), 702 (s) cm-1; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ C43H68NO10Si計算, 786.4607; 実測, 786.4619.
濃水性フッ化水素酸溶液(48%、2.00mL、50.9mmol、40equiv)を、23℃のポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(12mL)中のグリコシル化生成物(1.00g、1.27mmol、1equiv)の溶液に、シリンジによって滴下した。反応溶液を23℃で15h激しく撹拌し、次にプラスチックピペットによって飽和水性重炭酸ナトリウムの氷冷溶液(60mL)に滴下した。もたらされた混合物を酢酸エチル(3×60mL)によって抽出した。有機抽出物を組み合わせて、組み合わせた溶液を無水硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(65%酢酸エチル−ヘキサン。75%まで段階的に変化)、脱保護生成物を白色泡状物として与えた(435mg、62%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.52 (dd, 1H, J = 10.7, 7.8 Hz), 4.42 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 4.09 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 3.76 (s, 3H), 3.57-3.48 (m, 2H), 3.43 (s, 2H), 3.29-3.23 (m, 2H), 3.10-3.05 (m, 1H), 2.98 (s, 3H), 2.75-2.70 (m, 1H), 2.26 (s, 6H), 1.85- 1.80 (brm, 1H), 1.73 (dd, 1H, J = 12.7, 2.4 Hz), 1.55- 1.45 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.35- 1.28 (m, 1H), 1.27 (s, 3H), 1.22 (d, 3H, J = 5.9 Hz), 1.14 (d, 3H, J = 7.3 Hz), 0.92 (d, 3H, J = 6.8 Hz); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 204.5, 166.5, 155.2, 101.2, 81.6, 79.7, 79.5, 75.5, 69.1, 68.2, 62.9, 54.7, 50.4, 49.7, 46.1, 40.6, 38.7, 31.1, 30.6, 27.9, 20.9, 20.0, 19.7, 13.8; FTIR (未希釈薄膜), 2936 (w), 1751 (m), 1709 (m), 1263 (s), 1051 (s) cm-1; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ C27H50NO10計算, 548.3429; 実測, 548.3435.
重炭酸ナトリウム(557mg、6.63mmol、10equiv)およびデス・マーチン・ペルヨージナン(618mg、1.46mmol、2.2equiv)を、0℃のジクロロメタン(10mL)および水(20μL)中のアルコール(363mg、0.663mmol、1equiv)の撹拌溶液に連続的に追加した。もたらされた混合物を23℃まで温まらせた。この温度での1hの撹拌後に、反応混合物をジエチルエーテル(30mL)によって希釈した。飽和水性チオ硫酸ナトリウム溶液(15mL)、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(7mL)、および飽和水性塩化ナトリウム溶液(7ml)を連続して追加し、もたらされた混合物を激しく10min撹拌した。相を次に分離し、水性相をジエチルエチル(3×30mL)によって抽出した。有機抽出物を組み合わせて、組み合わせた溶液を飽和水性チオ硫酸ナトリウム溶液(2×20mL)および飽和水性塩化ナトリウム溶液(20mL)によって連続的に洗浄した。もたらされた有機溶液を次に無水硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。もたらされた黄色固体を直接的に次のステップ(還元的アミノ化)にさらなる精製なしに用いた(粗製アルデヒドは1H−NMR分析によって>90%純度)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.33 (d, 1H, J = 4.9 Hz), 4.52 (dd, 1H, J = 10.7, 7.8 Hz), 4.43 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 4.01 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.78 (s, 3H), 3.52-3.46 (m, 1H), 3.41 (AB quartet, 2H), 3.10-3.05 (m, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.77-2.71 (m, 1H), 2.48-2.43 (m, 1H), 2.30-2.27 (m, 1H), 2.27 (s, 6H), 1.91 (dd, 1H, J = 14.6, 11.2 Hz), 1.76- 1.72 (m, 1H), 1.60 (dd, 1H, J = 14.6, 3.4 Hz), 1.47 (s, 9H), 1.37-1.28 (m, 2H), 1.25 (s, 3H), 1.22 (d, 3H, J = 5.9 Hz), 1.16 (d, 3H, J = 7.3 Hz), 1.06 (d, 3H, J = 6.8 Hz); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 204.4, 204.1, 166.6, 155.2, 101.3, 81.5, 81.1, 78.3, 75.4, 69.1, 63.0, 54.7, 50.6, 49.5, 46.0, 41.9, 40.5, 38.0, 30.5, 27.9, 20.8, 19.9, 15.5, 13.8; FTIR (未希釈薄膜), 2974 (w), 1753 (m), 1724 (m), 1711 (m), 1263 (s), 1053 (m) cm-1; HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ C27H47NNaO10計算, 568.3092; 実測, 568.3094.
C6アリル誘導体の合成
氷水浴中で冷却されたDMF(22mL)中のヒューニッヒ塩基(10.48ml、60.0mmol)の溶液に、ペンタ−4−エン酸(2.041ml、20.00mmol)、HOBT(3.06g、20.00mmol)、およびEDC(4.22g、22.00mmol)を連続的に追加した。溶液を0℃で5分間撹拌した。この間ずっと浅橙色スラリーのままである。(R,R)−シュードエフェナミン(5g、22.00mmol)(直前に粉砕した)を一度に追加し、容器を23℃まで温まらせた。5分後に、一部の生成物はTLCによって可視であった(10%MeOH/DCM、+1%NH4OH)。20分後に溶液は完全に均質になった。1h後に、変換は>50%であった。19hでは、進行は変化していなかった。混合物を水(200mL)によって希釈し、酢酸エチル(3×75mL)によって抽出した。有機層を組み合わせて、もたらされた浅黄色溶液を水(2×100mL)、sat aq NaCl(1×75mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(30%〜50%酢酸エチル対ヘキサン)、N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエチル)−N−メチルペンタ−4−エンアミドを与えた(5.32g、17.19mmol、86%の収率)。
塩化リチウム(3.29g、78mmol)を撹拌子を備えた200mL丸底フラスコに追加し、全体を減圧(0.1mmHg)下で2分間弱火に曝露した。容器およびその内容物を23℃まで放冷し、THF(25mL)およびジイソプロピルアミン(4.16ml、29.2mmol)を追加した。容器を−78℃まで冷却し、BuLi(12.06ml、28.6mmol)を滴下した。溶液を0℃まで温まらせ、5分間この温度で撹拌し、−78℃まで再冷却した。テトラヒドロフラン(20mL+5mLの洗浄)中の(R,R)−シュードエフェナミンペンタ−4−エンアミド(4g、12.93mmol)の溶液をカニューラによって滴下し、混合物を30min、−78℃で撹拌し、23℃まで温まらせ、5分間この温度で撹拌した。THF(10mL)中の(S)−tert−ブチル(3−ヨード−2−メチルプロポキシ)ジフェニルシラン(6.80g、15.51mmol)の溶液を追加し、移し替えはTHF(2×2.5mL)によって定量化した。3h後に変換は<50%であった。41h後に、半sat.aq.塩化アンモニウム(200mL)を追加し、混合物を酢酸エチル(3×100mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(20%〜25%酢酸エチル対ヘキサン)、(S)−2−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエチル)−N−メチルペンタ−4−エンアミドを与えた(5.86g、9.45mmol、73.1%の収率)。
BuLi(12.61ml、29.9mmol)を、−78℃のTHF(32mL)中のジイソプロピルアミン(4.59ml、32.2mmol)の撹拌溶液にシリンジによって追加した。容器を氷水浴に移し替え、0℃まで温まらせた。ボラン−アンモニア錯体(1.051g、30.6mmol)を一度に追加し、気体の激しい発生が観察された。混合物を3分間0℃で撹拌し、次に23℃まで温まらせ、この温度で15分間撹拌した。容器を0℃まで再冷却し、THF(32mL+5mLの洗浄)中の(S)−2−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエチル)−N−メチルペンタ−4−エンアミド(4.75g、7.66mmol)の溶液をカニューラによって追加した。反応容器を次に23℃まで温まらせた(11:50AM)。3h後に、出発物質は完全に消費されていた。容器を氷水浴中で冷却し、激しい撹拌をしながら3M塩化水素酸(90mL)を慎重に追加した。混合物を0〜10℃で30分間撹拌し、次にエーテル(4×100mL)によって抽出した。組み合わせたエーテル抽出物を3MのHCl(100mL)、2MのNaOH(100mL)、sat aq NaCl(100mL)によって洗浄した。洗浄した有機溶液を硫酸ナトリウムによって乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。第1の酸性の水性層を2MのNaOH(〜200mL)によってpH14まで処理して、もたらされた懸濁物をジクロロメタン(2×150mL)によって抽出して、シュードエフェナミン((1R,2R)−2−(メチルアミノ)−1,2−ジフェニルエタノール(1.61g、7.08mmol、92%の収率)を回収した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製(purifed)して(25%エーテル対ヘキサン)、(S)−2−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)ペンタ−4−エン−1−オールを与えた(2.99g、7.54mmol、98%の収率)。ジクロロメタン(25mL、0.1M)中の(S)−2−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)ペンタ−4−エン−1−オール(1g、2.52mmol)の溶液に水(0.045ml、2.52mmol)を追加し、混合物を激しく撹拌した。容器を23℃水浴中に浸漬し、DMP(2.139g、5.04mmol)を追加した。10分後に、sat.aq.重炭酸ナトリウム(15mL)およびsat.aq.チオ硫酸ナトリウム(15mL)を反応混合物に追加し、もたらされた二相の濁った溶液を、各層が均質になるまで(〜30分)急速に撹拌した。層を分離し、水性層をジクロロメタン(2×20mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムに通して濾過し、濾液を濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(5%エーテル対ヘキサン)、生成物を与えた(〜850mg)。
ジクロロメタン(3.5mL。ケトイミドの出発濃度0.2M、最終濃度0.1M)を、磁気撹拌子を備えたフレームドライした25mL丸底フラスコに追加した。容器を0℃まで冷却し、TiCl4(535μl、0.535mmol)(DCM溶液)、次にチタン(IV)テトライソプロポキシド(52.1μl、0.178mmol)を追加した。混合物を15分間この温度で撹拌し、この時点でDCM(1.2mL+0.6mLの洗浄)中の(R)−1−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−メチルペンタン−1,3−ジオン(200mg、0.691mmol)の溶液を追加した。もたらされた黄色溶液にトリエチルアミン(103μl、0.737mmol)を追加し、暗赤色溶液がもたらされた。撹拌を0℃で1h継続し、その時点で容器をドライアイス/アセトン浴中で−78℃まで冷却し、DCM(1.2mL+0.6mLの洗浄)中の(S)−2−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)ペンタ−4−エナール(182mg、0.461mmol)の溶液を滴下した。2h後に、sat.aq.塩化アンモニウムを追加し(10mL)、混合物を激しい撹拌をしながら常温まで温まらせた。層を分離し、水性層をDCM(2×10mL)によって抽出した。有機層を組み合わせて、もたらされた溶液を硫酸ナトリウムのパッドに通して濾過し、クリーム色の濾液を濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(33%〜40%エーテル対ヘキサンの第1カラム、DCM、次に5%エーテル対DCMの第2カラム)、生成物(2R,4R,5S,6S)−1−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−6−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)−5−ヒドロキシ−2,4−ジメチルノン−8−エン−1,3−ジオンを与えた(229mg、>10:1のdr、0.335mmol、72.7%の収率)。
ベンゼン(2.5mL)中の(2R,4R,5S,6S)−1−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−6−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)−5−ヒドロキシ−2,4−ジメチルノン−8−エン−1,3−ジオン(50mg、0.073mmol)の溶液を、活性化したデソサミン(desosmaine)(47.9mg、0.146mmol)を含有する10mL丸底フラスコに追加し、もたらされた溶液を減圧下で蒸発させた。残さを強い減圧(0.1Torr)に10分間曝露し、容器にアルゴンを再充填し、撹拌子およびセプタムを備えさせた。4Åモレキュラーシーブ、次にトルエン(244μl)およびCH2Cl2(244μl)を追加した。溶液を0℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(65.7mg、0.256mmol)を一度に追加した。もたらされた懸濁物は、最初の5分間に粒状沈殿物から微粉状沈殿物へと可視的に変化する。1.5h後に、ジクロロメタン(2mL)、次にsat.aq.NH4Cl(2mL)を追加した。層を5分間激しく混合し、sat.aq.重炭酸ナトリウム(5mL)を追加し、層を激しく混合した。もたらされたエマルションを焼結ガラス漏斗によって濾過し、もたらされた二相混合物を激しく混合して分離した。水性層をジクロロメタン(5mL)によって抽出し、有機相を組み合わせて、もたらされた溶液を硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥した。濾液を減圧下で濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(100%酢酸エチル)、生成物の(2S,3R,4S,6R)−2−(((4S,5S,6R,8R)−9−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−4−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)−6,8−ジメチル−7,9−ジオキソノン(dioxonon)−1−エン−5−イル)オキシ)−4−(ジメチルアミノ)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネートを与えた(43mg、0.048mmol、65.4%の収率)。
HF(80μl、2.224mmol)(48%、水性)を、室温のテフロン(登録商標)チューブ中のアセトニトリル(445μl)中の(2S,3R,4S,6R)−2−(((4S,5S,6R,8R)−9−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−4−((R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−メチルプロピル)−6,8−ジメチル−7,9−ジオキソノン(dioxonon)−1−エン−5−イル)オキシ)−4−(ジメチルアミノ)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネート(40mg、0.044mmol)の溶液に追加した。20h後に、混合物をsat.aq.重炭酸ナトリウム(3mL)によって慎重にクエンチし、全てのバブリングが終わるまで激しく撹拌した。懸濁物をエーテル(3×2mL)によって抽出した。有機層を組み合わせて、もたらされた有機溶液を1MのHCl(2×1mL)によって抽出した。酸性の水性層をsat.aq.重炭酸ナトリウム(〜5mL)によって塩基性化し、もたらされた懸濁物をジクロロメタン(3×2mL)によって抽出した。ジクロロメタン抽出物を組み合わせて、もたらされた透明な無色溶液を硫酸ナトリウムのパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成物の(2S,3R,4S,6R)−2−(((4S,5S,6R,8R)−9−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−4−((R)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6,8−ジメチル−7,9−ジオキソノン(dioxonon)−1−エン−5−イル)オキシ)−4−(ジメチルアミノ)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネートを無色油として提供した(24mg、0.036mmol、82%の収率)。
DMP(32.1mg、0.076mmol)を、室温の水浴に浸漬した5mL丸底フラスコ中の水飽和ジクロロメタン(0.5mL)中の(2S,3R,4S,6R)−2−(((4S,5S,6R,8R)−9−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−4−((R)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6,8−ジメチル−7,9−ジオキソノン(dioxonon)−1−エン−5−イル)オキシ)−4−(ジメチルアミノ)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネート(25mg、0.038mmol)の溶液に追加した。15分後に、DCM(1mL)、sat.aq.重炭酸ナトリウム(1mL)、およびsat.チオ硫酸ナトリウム(1mL)を追加し、溶液を10分間激しく撹拌した。層を分離し、水性層をジクロロメタン(2×1mL)によって抽出した。有機層を組み合わせて、もたらされた溶液を硫酸ナトリウムのパッドに通して濾過した。濾液を濃縮した。−15℃の9:1のメタノール:酢酸(0.3mL)中の左半分のアミン(10.45mg、0.035mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.49mg、0.087mmol)の溶液に、9:1のメタノール:酢酸(0.2mL+0.1mLの洗浄)中の粗製アルデヒド(23mg、0.035mmol)の溶液を追加した。15分後にシアノ水素化ホウ素ナトリウムの第2の分量(5.49mg、0.087mmol)を追加した。1h後に、混合物を0℃の氷浴に移し替えた。4h後に、混合物を一晩ゆっくり常温まで温めた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(2%〜3%〜4%〜5%のMeOH対DCM。0.2%〜0.5%のNH4OH添加物)によって精製して、所望の生成物を与えた(20mg、0.021mmol、60.8%の収率)。
右半分のビルディングブロックの合成
(Z)−((4−エチリデン−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)オキシ)トリメチルシラン:
ステップ1:プロピオン酸フェニル
フェノール(25g、266mmol)および塩化プロピオニル(70mL、797mmol)を、0℃のアセトニトリル(1L)中のトリフルオロメタンスルホン酸(5.88mL、66.4mmol)の溶液に追加した。もたらされた混合物をrtで2h撹拌した。氷水(1L)およびジエチルエーテル(500mL)を混合物に追加した。有機層を分離し、有機層を1M塩化水素(1L)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1L)、ブライン(1L)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ペンタン/ジエチルエーテル、10:1)、プロピオン酸フェニル(35.9g、90%)を無色油として提供した。1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ = 7.38 (t, 2H, J = 7.8 Hz, CH of Ph), 7.22 (t, 1H, J = 7.8 Hz, CH of Ph), 7.08 (d, 2H, J = 7.8 Hz, CH of Ph), 2.60 (q, 2H, J = 7.6 Hz, CH2), 1.27 (t, 3H, J = 7.6 Hz, CH3).
ステップ2:tert−ブチル2−メチル−3−オキソペンタノアート
ヘキサン中のn−ブチルリチウムの2.58M溶液(71.0mL、183mmol)およびヘキサン中のn−ブチルリチウムの2.41M溶液(33.2mL、80mmol)を、0℃のTHF(160mL)中のヘキサメチルジシラザン(58.4mL、275mmol)の溶液に滴下し、混合物を0℃で45min撹拌して、リチウムヘキサメチルジシラジドを(ヘキサンおよびTHF溶液として)調製した。ヘキサン中のn−ブチルリチウムの2.42M溶液(69.0mL、167mmol)およびヘキサン中のn−ブチルリチウムの2.41M溶液(37.8mL、91mmol)を、−78℃のTHF(160mL)中のジイソプロピルアミン(36.3mL、258mmol)の溶液に滴下した。もたらされた混合物を0℃まで温め、10min撹拌し、−78℃まで再冷却した。THF(90mL+35mL×2の洗浄)中のプロピオン酸tert−ブチル(32.5g、250mmol)の溶液を上のリチウムジイソプロピルアミド溶液に追加した。もたらされた混合物を−78℃で15min撹拌した。ヘキサンおよびTHF(323mL、THFによる30mL×2の洗浄)中のリチウムヘキサメチルジシラジドの直前に調製した溶液を追加し、次に5min後にTHF(50mL+25mL×2の洗浄)中のプロピオン酸フェニル(39.4g、263mmol)の溶液を反応混合物に−78℃で追加した。もたらされた混合物を−78℃で撹拌した。1h後に、−78℃の飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)、ジエチルエーテル(300mL)および水(600mL)を混合物にrtで追加した。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×300mL)、ブライン(300mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥した。水性層をジエチルエーテル(2×300mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(2×300mL)、ブライン(300mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥した。有機抽出物を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ペンタン/ジエチルエーテル、40:1〜2:1)、プロピオン酸フェニル、tert−ブチル2−メチル−3−オキソペンタノアート、およびフェノールの混合物を提供した。1M水酸化ナトリウム水溶液(500mL)をジエチルエーテル(250mL)中の混合物の溶液に追加し、もたらされた溶液をrtで1.5h撹拌した。有機層を分離し、1M水酸化ナトリウム水溶液(250mL)、水(250mL)、ブライン(250mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥した。有機抽出物を減圧下で濃縮して、tert−ブチル2−メチル−3−オキソペンタノアート(40.4g、87%)を無色油として提供した。1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ = 3.42 (q, 2H, J = 7.3 Hz, CH2 of Et), 2.64-2.46 (m, 1H, CH), 1.45 (s, 9H, (CH3)3), 1.29 (d, J = 6.6 Hz, CH3 of Me), 1.08 (t, 3H, J = 7.3 Hz, CH3 of Et).
ステップ3:6−エチル−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン
無水酢酸(55.3mL、586mmol)および硫酸(10.4mL、195mmol)を、tert−ブチル2−メチル−3−オキソペンタノアート(36.4g、195mmol)およびアセトン(28.7mL、391mmol)の混合物に0℃で追加し、もたらされた混合物をrtで5h撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(1L)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1.6L)中で希釈した。混合物をrtで2h撹拌した。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1L×2)、ブライン(1L)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮して6−エチル−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン(32.8g、99%)を無色油として提供した。生成物を蒸留によって減圧下で精製した(70℃、520mTorr)。1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ = 2.30 (q, 2H, J = 7.6 Hz, CH2 of Et), 1.82 (s, 3H, CH3 of 5-Me), 1.65 (s, 6H, (CH3)2 of 2-Me), 1.12 (t, 3H, J = 7.6 Hz, CH3 of Et).
(Z)−((4−エチリデン−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)オキシ)トリメチルシラン:
−78℃のTHF(210mL)中のジイソプロピルアミン(25.1mL、176mmol)の溶液に、nBuLi(76mL、ヘキサン中2.32M、176mmol)を滴下した。もたらされた溶液を0℃まで温め、15min撹拌した。溶液を−78℃まで冷却し、THF(50mL+6mLの濯ぎ)中の6−エチル−2,2,5−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オンの溶液をカニューラによって滴下した。1hの−78℃での撹拌後に、直前に蒸留したTMSClを滴下し、混合物を3h、−78℃で撹拌した。混合物をr.t.まで温め、溶媒を減圧下で除いた。残さを乾燥ペンタン(100mL)によって希釈し、濾過した。濾液を濃縮した。粗製物質を減圧蒸留によって精製した(〜200mTorr、63〜67℃)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.40 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 1.66 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.63 (s, 3H), 1.52 (s, 6H), 0.24 (s, 9H).
(S)−tert−ブチルジフェニルシロキシ−3−ヨード−2−メチルプロパン:
ステップ1:(R)−3−tert−ブチルジフェニルシロキシ−2−メチルプロパン−1−オール
酢酸ビニル(286mL、3.11mol)およびリパーゼAK「アマノ」(17.1g)を、クロロホルム(1.5L)中の2−メチル−1,3−プロパンジオール(70g、777mmol)の溶液に追加した。もたらされた混合物をrtで20h撹拌した。リパーゼを濾過によって除き、酢酸エチルによって洗浄した。次に濾液を濃縮して、酢酸(S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(>99%ee)および1,3−ジアセトキシ−2−メチルプロパンの混合物を提供した。混合物を次の反応ステップに分離なしに用いた。tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(79mL、303mmol)を、THF(620mL)中の(S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアセテートおよび1,3−ジアセトキシ−2−メチルプロパン(140g、粗製)の混合物ならびにイミダゾール(41.3g)に滴下した。もたらされた混合物をrtで21h撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(1L)によって希釈し、水(2×1L)およびブラインによって洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。メタノール(61mL)中のナトリウムメトキシドの25%溶液を、0℃のメタノール(1L)中の(R)−3−tert−ブチルジフェニルシロキシ−2−メチルプロピルアセテートおよび1,3−ジアセトキシ−2−メチルプロパンの混合物(194mg、粗製)の溶液に追加した。もたらされた混合物をrtで24h撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(1L)およびn−ペンタン(1L)によって希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)、水(2×1L)、およびブライン(1L)によって洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/ジエチルエーテル、40:1〜20:1〜4:1)、(R)−3−tert−ブチルジフェニルシロキシ−2−メチルプロパン−1−オール(60.9g)を無色油として提供した。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 7.69-7.67 (m, 4H, CH of Ph), 7.46-7.38 (m, 6H, CH of Ph), 3.75-3.57 (m, 4H, CH2OTBDPS, CH2OH), 2.03-1.96 (m, 1H, CH2CH(CH3)CH2), 1.06 (s, 9H, (CH3)3), 0.83 (d, 3H, J = 10.8 Hz, CH2CH(CH3)CH2)
ステップ2:(S)−tert−ブチルジフェニルシロキシ−3−ヨード−2−メチルプロパン
イミダゾール(12.4g、183mmol、2equiv)およびヨウ素(23.2g、91mmol、1equiv)を、ジクロロメタン(180mL)中のトリフェニルホスフィン(24.0g、91mmol、1equiv)の撹拌された溶液に追加した。ジクロロメタン(dicholomethane)(60mL)中の(R)−3−tert−ブチルジフェニルシロキシ−2−メチルプロパン−1−オール(30.0g、91mmol)の溶液を、反応混合物に0℃で追加した。もたらされた混合物をrtで5h撹拌した。少量のヨウ素を追加して、反応混合物の色が淡黄色になるまでトリフェニルホスフィンを「滴定」した。溶媒を減圧下で除いた。シリカ(siliga)ゲル(75g)およびヘキサン(300mL)を残さに追加した。懸濁物を20min撹拌して、トリフェニルホスフィンオキシドおよび塩をシリカに吸着した。次に、混合物をシリカの短いパッドに通して濾過して(n−ヘキサン/ジエチルエーテル、95:5)、(S)−tert−ブチルジフェニルシロキシ−3−ヨード−2−メチルプロパン(35.9g、90%)を無色油として提供した。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 7.69-7.65 (m, 4H, CH of Ph), 7.46-7.36 (m, 6H, CH of Ph), 3.61-3.31 (m, 4H, CH20, CH2I), 1.78-1.68 (m, 1H, CH2CH(CH3)CH2), 1.06 (s, 9H, (CH3)3), 0.96 (d, 3H, J = 10.2 Hz, CH2CH(CH3)CH2).
II.左半分の合成
実施例II−1.Y1アミノの形成
ハイブリッドの「アザケトライド」の左半分への本発明の目下の経路は、シュードエフェナミングリシンアミド(7)およびα−シロキシケトン18の際立った(且つ新規の)アルドールカップリングから直線的な単なる7ステップで進み、α−アミノ−β−ヒドロキシアミド19を単一のジアステレオマーとしてほぼ定量的な収率で与える。この生成物はアザライドの位置C10〜O14に完璧に対応している。この方法は、トレオニンとの立体化学的な相同性を有する1,2−アミノアルコール誘導体の強力な構築を提供するが、ただしアルキル側鎖(トレオニンのメチル)の幅広い改変の可能性がある。
ヒューニッヒ塩基の存在下のホスゲンに対するアルドール生成物19の曝露は、環式カルバメート20を提供した。メチルリチウムによって誘導される補助剤切断はメチルケトン21を供給した(補助剤はこの段階で回収し得る)。尚、重要なことに、新規のC10置換の入手が、種々の有機リチウム求核剤を用いること(例えば、アリール有機リチウム、分岐アルキル有機リチウム、およびヘテロアリール有機リチウム求核剤を用いること)によって利用可能である。この位置はエリスロマイシン(1)においてはメチル基を有しており、半合成的な方法によっては直ちに改変され得ない。アジド−アルキル側鎖(3〜5つのメチレン単位からなる)の導入は2ステップで円滑に進み、多様化可能な中間体23a〜cを提供し、それらは還元的アミノ化条件(酢酸アンモニウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム)を72〜73%の収率で受け、同時に〜15%の副ジアステレオマーを生じた(示されていない)。シリルエーテルの切断は左半分24a〜c(これらはマクロライド骨格の4つの隣接した立体中心を含有する)を合計7ステップで、31〜43%の収率(マルチグラムスケール)で、7および18から提供した。
実施例II−2.補助剤切断前のアルキル化、Y1アルコールおよびケトンの形成
実施例II−3.Y1アミノおよびケトンの形成
実施例II−4.Y1酸の形成
実施例II−5.Y1ケトンの形成
実施例II−6.Y1脱離基(LG)の形成
実施例II−7.アルドール生成物の予備アルキル化、次にカルバメート形成
実施例II−8.補助剤切断前のアルキル化
実施例II−9.アジドへのアルケンリンカーを形成するための臭化ジアリルのアルキル化
実施例II−10.C10アリルを有するY1アミンの形成
実施例II−11.C10ベンジルを有するY1アミンの形成
実施例II−12.C10シクロプロピル基を有するY1アミンの形成
実施例II−13.C10ビニルを有するY1アミンの形成
実施例II−14.C10CH基を有するY1アミンの形成
実施例II−15.Y1増炭アルデヒド前駆体の形成
実施例II−16.HWEまたはウィッティヒ反応のY1アルデヒド前駆体の形成
実施例II−17.Y1ヨウ化ビニル前駆体の形成
例示的な左半分の合成手順
氷水浴によって冷却したアルゴン下の1L丸底フラスコ中のn−ヘキサン(100mL)中の(1R,2S)−1−シクロヘキシル−2−モルホリノ−2−フェニルエタノール(2.065g、7.13mmol。W. A. Nugent: Org. Lett. 2002, 4, 2133-2136によって公開された手順に従って調製した)の懸濁物に、受け側のフラスコに弱い減圧を適用することによって、カニューラによってジエチル亜鉛(285ml、285mmol、Aldrich。1.0M溶液、ヘキサン中)を追加した。移し替え中の受け側のフラスコ中には大量の白煙が存在する。溶液を30分間この温度で撹拌させ、次にメタクロレイン(11.81ml、143mmol。使用直前に蒸留してポリマーおよび安定化剤を除いた)を15分かけて滴下し、淡黄色の均質溶液をもたらした。追加の5分後のTLC(20%EA/H、生成物と比較、KMnO4によって染色)は、所望の生成物および触媒のみを示した。しかしながら、尚、メタクロレインは69℃で沸騰し、その消失を監視することは非常に困難である。15分後には発色は薄まり、溶液は透明で無色となった。3時間後に、2MのHClを慎重に追加した。白色沈殿物が沈降するが、溶液がpH1に達すると再溶解する(〜500mLのHCl)。二相混合物を分液漏斗に移し替えて、層を分離した。水性層をジエチルエーテル(2×250mL)によってさらに抽出し、組み合わせた有機層をブライン(300mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥して濾過し、濾液を減圧(〜40Torr)下で0℃で濃縮した。もたらされた透明な油を100m丸底フラスコに移し替え、移し替えはエーテル(2×5mL)によって定量化した。溶媒を、短経路の蒸留ヘッドによって90℃油浴を用いて常圧で留去した。容器を冷却し、圧力を〜40Torrまで減らした。バブリングが止まったら、系に空気を再充填し、受け側のフラスコを新たなものに交換し、圧力を再度40Torrまで減らした。受け側のフラスコを0℃氷浴中に浸漬し、90℃油浴を用いて蒸留を再開した。生成物は、〜40Torrにおいて67℃という一定の沸点を有する透明な液体として蒸留する。収率:10.04g(70%)。eeはこの段階では決定しなかったが、後の中間体については測定した。1H−NMRおよび13C−NMRデータは文献値と一致した(Paterson, I.; Perkins, M. V.Tetrahedron 1996, 52, 1811-1834、Cossy, J.; Bauer, D.; Bellosta, V. Tetrahedron 2002, 58, 5909-5922)。抽出からの酸性の水性層を組み合わせて、もたらされた溶液をpHが14になるまで2MのNaOHによって塩基性化し、白色固体が沈殿した。もたらされた懸濁物をジクロロメタンによって抽出した(3×100mL)。有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥して濃縮した。残さをヘキサンによって再結晶化して、(1R,2S)−1−シクロヘキシル−2−モルホリノ−2−フェニルエタノールを提供した(1.44g、4.98mmol、69.7%の回収率)。
DMF(160mL)中の(R)−2−メチルペンタ−1−エン−3−オール(8g、80mmol)の溶液に、イミダゾール(10.88g、160mmol)、次にTBDPS−Cl(26.7ml、104mmol)を滴下した。反応溶液を23℃で18時間撹拌し、その時点後にTLC(20%のEA/H)によって出発物質が消費されたことが指示された。反応溶液をヘキサン(200mL)と水(750mL)との間で分割し、激しい混合後に層を分離した。水性層をヘキサン(2×200mL)によってさらに抽出し、組み合わせた有機層を水(2×300mL)によって洗浄した。洗浄した溶液を、ヘキサンによってスラリー充填されたシリカゲルパッド(直径4”、長さ5”)に装填した。パッドをヘキサン(合計4000mL)によって500mL画分ずつ溶出し、生成物を含有する画分(5〜8)を組み合わせて、減圧下で濃縮し、(R)−tert−ブチル((2−メチルペンタ−1−エン−3−イル)オキシ)ジフェニルシラン(25.33g、74.8mmol、94%の収率)を無色油として提供した。TLC (ヘキサン): Rf = 0.24 (UV, KMnO4), 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.73 - 7.65 (m, 4H), 7.46 - 7.33 (m, 6H), 4.78 - 4.74 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 6.8, 5.6 Hz, 1H), 1.69 (s, 3H), 1.53 - 1.45 (m, 2H), 1.09 (s, 9H), 0.68 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 146.0, 136.0, 135.9, 134.8, 134.2, 129.4, 129.4, 127.4, 127.3, 111.6, 78.4, 28.0, 27.0, 19.4, 17.2, 9.0. FTIR (未希釈), cm-1: 2963, 2932, 1728, 1427, 1109, 1063, 714. ESI−TOFの不十分なイオン化が原因で、HRMSは得られなかった。
(R)−tert−ブチル((2−メチルペンタ−1−エン−3−イル)オキシ)ジフェニルシラン(13.65g、40.3mmol)をTHF(112mL)および水(56mL)中に懸濁し、白色スラリーがもたらされた。2,6−ルチジン(9.39ml、81mmol)、次に過ヨウ素酸ナトリウム(34.5g、161mmol)およびオスミウム酸カリウム二水和物(0.149g、0.403mmol)を追加し、溶液を激しく撹拌した。26h後に、濃い白色スラリーを水(400mL)によって希釈し、ヘキサン(3×125mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をチオ硫酸ナトリウム(2×250mL)および飽和硫酸銅(2×250mL)によって洗浄し、洗浄した溶液を硫酸ナトリウムのパッドに通して濾過した。濾液を濃縮して、(R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ペンタン−2−オンを無色油として提供した(13.75g、100%)。TLC (5%エーテル、ヘキサン中): Rf = 0.16 (UV, KMnO4). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.67 - 7.60 (m, 4H), 7.48 - 7.41 (m, 2H), 7.41 - 7.34 (m, 4H), 4.09 (dd, J = 6.5, 5.2 Hz, 1H), 2.08 (s, 3H), 1.71 - 1.52 (m, 2H), 1.13 (s, 9H), 0.82 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 211.3, 135.8, 135.8, 133.5, 133.1, 129.9, 129.9, 127.7, 127.6, 80.2, 27.7, 27.00, 25.8, 19.3, 8.7. FTIR (未希釈), cm-1: 2965, 2934, 2859, 1717, 1427, 1111, 1018, 713. HRMS (ESI): (C21H28O2Si + Na)+ 計算: 363.1751 ; 実測: 363.1763.
生成物のeeは、純粋なヘキサンを溶出剤として用いるキラル固定相OD-Hカラムによる分析によって、168〜218nmの検出により、1.0mL/minの流速で、99%だと決定された。
0℃のTHF(54mL)中のヘキサメチルジシラジン(disilazine)(30.2ml、144mmol)の溶液に、ブチルリチウム(2.62M溶液、ヘキサン中。52.3ml、137mmol)を10分かけて滴下した。リチウムヘキサメチルジシラザンのもたらされた溶液を、使用前に30分間この温度で撹拌した。塩化リチウム(29.8g、703mmol)を、非常に大きいフットボール型撹拌子を有しフレームドライされた2L丸底フラスコに2分かけて強い減圧(vaccuum)下で穏やかに追加した。フラスコが室温まで冷えた後に、(R,R)−シュードエフェナミングリシンアミド(20g、70.3mmol)を追加し、フラスコを排気し、アルゴンを再充填した。乾燥THF(833mL)を追加し、もたらされた懸濁物を5分間撹拌し(グリシンアミドは溶解するが、一部の塩化リチウムは溶解しない)、次にフラスコを0℃まで冷却した。リチウムヘキサメチルジシラジドの溶液を次にカニューラによって10分かけて追加し、浅黄色溶液をもたらした。溶液を30分間この温度で撹拌させた。THF(80mL+20mLの濯ぎ)中の(R)−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ペンタン−2−オン(18.42g、54.1mmol)の溶液を、次にカニューラによって10分かけてグリシンアミドエノラートの撹拌された溶液に移し替えた。移し替え後に、溶液は僅かに増粘した。30分後に、黄色溶液を水(750mL)によって希釈し、混合物を分液漏斗に移し替えた。層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×500mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を水(500mL)およびブライン(500mL)によって洗浄し、洗浄した溶液を硫酸ナトリウムによって乾燥し、フリットガラス漏斗によって濾過し、濾液を濃縮した。残さをシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製して(2%MeOH/ジクロロメタン、0.2%水酸化アンモニウム)、生成物を白色泡状物として提供した(32.97g、98%)。Mp = 56-60 ℃. TLC (5%メタノール-ジクロロメタン + 0.5%飽和水性水酸化アンモニウム溶液): Rf = 0.30 (UV, PMA). 1H NMR (回転異性体の比15:1; 主回転異性体を報告. 500 MHz, CDCl3), δ: 7.77 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 7.70 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 7.42-7.35 (m, 8H), 7.27-7.18 (m, 8H), 6.03 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 5.31 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.91 (br s, 1H), 3.92 (s, 1H), 3.84 (dd, 1H, J = 5.9, 4.9 Hz), 2.94 (s, 3H), 1.79-1.74 (m, 1H), 1.41-1.36 (m, 1H), 1.10 (s, 3 H), 0.98 (s, 9H). 0.58 (t, 3H, J = 7.8 Hz). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 177.8, 141.1, 136.6, 135.9, 135.7, 134.4, 133.1, 129.8, 129.5, 128.5, 128.5, 128.4, 127.8, 127.7, 127.7, 127.4, 127.1, 76.4, 76.1, 72.7, 62.5, 52.6, 32.6, 27.0, 25.0, 19.5, 19.3, 12.1. FTIR (未希釈), cm-1: 3372 (br), 3071 (m), 2934 (s), 2857 (s), 1608 (s), 1105 (m), 909 (s), 698 (s); HRMS (ESI): (C38H48N2O4Si + Na)+ 計算: 647.3276; 実測: 647.3278.
ジイソプロピルエチルアミン(23.7mL、136mmol、3equiv)を、2L丸底フラスコ中のジクロロメタン(850mL)中の出発のアルドール付加物(28.3g、45.3mmol、1equiv)の溶液に追加した。反応容器をドライアイス−アセトン冷却浴中で−78℃まで冷却し、トルエン中のホスゲンの溶液(15%w/w、37.2mL、52.1mmol、1.15equiv)を滴下した。反応の進行は、TLC(ジクロロメタン中の5%メタノール+1%飽和水性水酸化アンモニウム溶液)によって、出発物質の消費によって監視した。30min後に、半飽和塩化アンモニウム溶液(800mL)を追加し、激しい撹拌をしながら反応容器を23℃まで温まらせた。層を分離し、水性層をジクロロメタン(2×250mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を1M水性塩化水素酸溶液(2×500mL)およびブライン(500mL)によって連続的に洗浄した。洗浄した有機相を硫酸ナトリウムによって乾燥し、乾燥した有機相を濾過した。濾液を濃縮して、カルバメート生成物を白色固体として提供した(29.5g、100%)。M.p.: 128-130 ℃. TLC (5% メタノール-ジクロロメタン): Rf = 0.28 (UV, PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.71-7.66 (m, 4H), 7.43-7.32 (m, 8H), 7.23-7.14 (m, 8H), 6.13 (d, 1H, J = 10.1 Hz), 6.02 (br s, 1H), 5.25 (d, 1H, J = 10.1 Hz), 4.74 (s, 1H), 4.16 (br s, 1 H), 3.81 (dd, 1H, J= 6.4, 4.1 Hz), 2.83 (s, 3H), 1.65-1.58 (m, 1H), 1.56-1.51 (m, 1H), 1.15 (s, 3 H), 1.03 (s, 9H). 0.60 (t, 3H, J = 7.3 Hz). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 171.1, 159.4, 141.0, 136.1, 135.8, 135.7, 133.8, 132.4, 129.9, 129.7, 129.1, 128.3, 127.8, 127.7, 127.5, 87.2, 78.3, 71.9, 63.0, 57.7, 30.7, 27.0, 25.7, 19.6, 16.9, 11.3. FTIR (未希釈), cm-1: 3341 (br), 3070, 2940, 2859, 1759, 1633, 1103, 700; HRMS (ESI): (C39H46N2O5SiO + H)+ 計算: 651.3249; 実測: 651.3244.
アルドールカルバメート(29.5g、45.3mmol)を1,4−ジオキサン(100mL)、次にジクロロメタン/ヘキサン(1:1、400mL)によって共沸して、膨らんだ白色固体を作り、これを強い減圧に14h曝露した。容器にアルゴンを再充填し、撹拌子、次にテトラヒドロフラン(280mL、最終濃度0.1M)を追加し、溶液を完全な溶解まで撹拌し、次に−78℃への冷却を行った。イソプロピルマグネシウムクロリド(56.6ml、113mmol)をカニューラによって5分かけて反応混合物に移し替え、黄灰色溶液をもたらした。5分後に、メチルリチウム(57.5ml、90.5mmol)(57.5mL)を追加し、反応容器を浴から除き、0℃まで温まらせた(〜20分)。この時点でメチルリチウムの第2の分量(57.5ml、90.5mmol、1.57M)を追加し、溶液を23℃まで温まらせた。5分後のTLC(5%MeOH/DCM、0.5%NH4OH)によって、所望の生成物への非常に低い変換が指示された。2時間後には白色沈殿物が現れており、TLCによって>50%の変換が指示された。合計24h後には、反応溶液をカニューラによって塩化水素酸の激しく撹拌された1M溶液(750mL)に移し替えた。層を分離し、水性層をジエチルエーテル(2×250mL)によって抽出した。組み合わせた有機抽出物を水(500mL)およびブライン(250mL)によって洗浄した。洗浄した溶液を硫酸ナトリウムによって乾燥して濾過し、濾液を濃縮した。残さをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(25%〜33%酢酸エチル、ヘキサン中)、メチルケトンを白色泡状物として提供した(15.1g、76%)。TLC (33%酢酸エチル, ヘキサン中): Rf = 0.22 (UV, PMA), 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.77 - 7.68 (m, 4H), 7.47 - 7.35 (m, 6H), 7.20 (s, 1H), 4.53 (s, 1H), 3.71 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.62 (ddd, J = 14.9, 7.5, 5.7 Hz, 1H), 1.45 (ddd, J = 14.8, 7.5, 4.8 Hz, 1H), 1.30 (s, 3H), 1.05 (s, 9H), 0.52 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 207.6, 159.1, 136.0, 135.7, 133.9, 132.3, 129.9, 129.7, 127.7, 127.5, 87.6, 79.0, 64.4, 28.8, 26.9, 25.4, 19.5, 18.3, 11.3. FTIR (未希釈), cm-1: 3308 (br), 2963, 2934, 2859, 1757, 1720, 1109, 714. HRMS (ESI): (C25H33NO4Si + H)+ 計算: 440.2252; 実測: 440.2253.
(R,R)−シュードエフェナミンの回収。抽出からの水および塩化水素酸の層を組み合わせて、3MのNaOH(500mL)によってpH14に調節し、もたらされたスラリーを酢酸エチル(3×250mL)によって抽出した。組み合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムによって乾燥し、濃縮した。もたらされた結晶質固体は淡黄色、NMRによれば〜90%の純度であり、文献のデータと一致した(Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 4568-4571)。
(4S,5S)−4−アセチル−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(11.55g、26.3mmol)をベンゼン(200mL)によって共沸し、500mL丸底フラスコ中で強い減圧(〜0.1Torr)に1時間曝露した。フラスコにアルゴンを再充填し、テトラヒドロフラン(125mL)を追加した。固体が完全に溶解した後、混合物を−78℃まで冷却した。NaHMDS(26.3ml、26.3mmol)(1.0M溶液)を滴下して黄色溶液をもたらし、これを30分間−78℃で撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸4−ブロモブチル(11.23g、39.4mmol)をジエチルエーテル(20mL)中の溶液として追加した。5min後に、容器を0℃まで15分かけて温まらせた。0℃での別の15分後に、出発物質はTLC(33%EtOAc、ヘキサン中)によれば完全に消費されていた。反応溶液を半飽和塩化アンモニウム(500mL)に注加した。混合物をエーテル(3×150mL)によって抽出し、有機抽出物をブライン(150mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥して濾過した。濾液を濃縮し、残さをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して(15%〜25%酢酸エチル、ヘキサン中)、粘稠無色油を提供した。これは強い減圧(〜0.1Torr)下で36hかけて撹拌しながらさらに乾燥させた。収率: 13.83 g (92%). TLC (33% EtOAc, ヘキサン中): Rf = 0.46 (UV, PMA), 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.73 (dt, J = 6.1, 1.5 Hz, 2H), 7.67 (dt, J = 6.7, 1.5 Hz, 2H), 7.49 - 7.37 (m, 6H), 4.41 (s, 1H), 3.61 (dd, J = 6.2, 4.6 Hz, 1H), 3.47 (ddd, J = 14.1, 9.4, 6.7 Hz, 1H), 3.34 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.81 (ddd, J = 14.3, 9.3, 5.3 Hz, 1H), 2.22 (s, 3H), 1.77 (dq, J = 8.8, 6.1 Hz, 2H), 1.68 (ddd, J = 14.0, 7.5, 6.2 Hz, 1H), 1.58 - 1.41 (m, 2H), 1.34 (s, 3H), 1.08 (s, 9H), 0.55 (t, J = 7.6 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 205.9, 156.9, 136.1, 135.7, 133.8, 132.3, 130.2, 129.9, 127.9, 127.6, 83.5, 78.5, 68.6, 42.7, 32.7, 29.5, 28.8, 27.0, 26.0, 25.7, 19.5, 16.7, 11.4. FTIR (未希釈), cm-1: 2936, 2861, 2359, 1759, 1720, 1427, 1111, 705. HRMS (ESI): (C29H40BrNO4Si + H)+ 計算: 574.1983; 実測: 574.1989.
いくつかの他の求電子剤は、トリフルオロメタンスルホン酸4−ブロモブチルの代わりに先の手順に用いられ得る。例えば、次の求電子剤は上首尾に実施された。トリフルオロメタンスルホン酸5−ブロモペンチル、トリフルオロメタンスルホン酸2−ブロモプロピル、トリフルオロメタンスルホン酸(E)−4−ブロモブタ−2−エン−1−イル、およびトリフルオロメタンスルホン酸4−ブロモブタ−2−イン−1−イル。
アジ化ナトリウム(1.721g、26.5mmol)を、ジメチルホルムアミド(73mL)中の(4S,5S)−4−アセチル−3−(4−ブロモブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(13.83g、24.07mmol)の溶液に追加し、混合物を大気下で急速に撹拌した。反応の進行は薄層クロマトグラフィーによって監視した(溶出剤としてジクロロメタン中の5%酢酸エチル。溶出前のDMFのストリーキングを減らすための強い減圧に対する各TLCプレートの手短な曝露)。2.5時間後に出発物質は完全に消費された。反応溶液を水(750mL)およびブライン(75mL)によって希釈し、もたらされたスラリーをジエチルエーテル(3×200mL)によって抽出した。有機層を組み合わせて、水(2×300mL)、ブライン(1×300mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(25%酢酸エチル、ヘキサン中)、生成物を無色粘稠油として提供した(12.4g、96%)。TLC (33% EtOAc, ヘキサン中): Rf = 0.44 (UV, PMA), 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.75 - 7.70 (m, 2H), 7.68 - 7.65 (m, 2H), 7.49 - 7.43 (m, 2H), 7.43 - 7.38 (m, 4H), 4.38 (s, 1H), 3.61 (dd, J = 6.2, 4.6 Hz, 1H), 3.45 (ddd, J = 13.9, 9.1, 6.6 Hz, 1H), 3.23 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.81 (ddd, J = 14.1, 9.1, 5.3 Hz, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.74 - 1.64 (m, 1H), 1.54 - 1.35 (m, 4H), 1.34 (s, 3H), 1.08 (s, 9H), 0.55 (t, J = 7.6 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 205.9, 156.9, 136.0, 135.7, 133.8, 132.3, 130.1, 129.9, 127.9, 127.6, 83.5, 78.5, 68.7, 50.7, 43.1, 28.7, 26.9, 26.0, 25.7, 24.7, 19.5, 16.7, 11.4. FTIR (未希釈), cm-1: 3707, 2938, 2864, 2097, 1761, 1720, 1111, 1056, 1040, 704. HRMS (ESI): (C29H40N4O4Si + H)+ 計算: 537.2892; 実測: 537.2898.
(4S,5S)−4−アセチル−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(10.5g、19.56mmol)に、酢酸アンモニウム(15.08g、196mmol)および4Åモレキュラーシーブ(出発物質w/wに対して1:1)、次にメタノール(100mL、0.2M)を追加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.459g、39.1mmol)を固体として追加し、混合物をアルゴン下で200mL丸底フラスコ中で50℃で撹拌した。48h後に撹拌子を除き、混合物を蒸発させて、スラリーを与えた。スラリーを酢酸エチル(200mL)によって希釈し、焼成ガラス漏斗によって濾過した。濾液を1M水酸化ナトリウム(200mL)によって洗浄し、水性層を酢酸エチル(2×100mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(200mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(ジクロロメタン中の2%メタノール+0.2%NH4OH)、2つの生成物を別の画分として提供した。(4R,5S)−4−((R)−1−アミノエチル)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(主ジアステレオマー、6.9g、66%)。外見:無色油。TLC (ジクロロメタン中の10% MeOH, +1% NH4OH): Rf = 0.66 (UV, PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.72 - 7.67 (m, 2H), 7.67 - 7.62 (m, 2H), 7.50 -7.35 (m, 6H), 3.50 (s, 1H), 3.47 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.38 - 3.30 (m, 3H), 3.25 - 3.16 (m, 2H), 1.87 - 1.74 (m, 1H), 1.47 (s, 3H), 1.55 - 1.32 (m, 4H), 1.33 - 1.22 (m, 1H), 1.08 - 1.03 (m, 12H), 0.93 (br s, 2H), 0.68 (t, J = 7.6 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 157.1, 135.9, 135.8, 133.5, 133.1, 130.0, 129.9, 127.8, 127.6, 83.5, 78.8, 65.4, 50.7, 47.7, 43.3, 27.0, 26.0, 25.3, 24.2, 19.5, 17.3, 14.0, 11.7. FTIR (未希釈), cm-1: 2279, 3318, 2934, 2860, 2095, 1748, 1427, 1240, 1109, 1057, 702. HRMS (ESI): (C29H43N503Si + H)+ 計算: 538.3208; 実測: 538.3215. (4R,5S)−4−((S)−1−アミノエチル)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(副ジアステレオマー、1.75g、17%)。外見:無色油。TLC (ジクロロメタン中の10% MeOH, +1% NH4OH): Rf = 0.63 (UV, PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.69 - 7.65 (m, 2H), 7.64 - 7.60 (m, 2H), 7.49 -7.35 (m, 6H), 3.50 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 3.47 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 3.41 - 3.31 (m, 1H), 3.24 -3.18 (m, 3H), 2.97 - 2.88 (m, 1H), 1.84 - 1.74 (m, 1H), 1.56 (s, 3H), 1.53 - 1.38 (m, 4H), 1.36 - 1.27 (m, 1H), 1.14 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.04 (s, 9H), 0.66 (t, J = 7.6 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 157.39, 135.93, 135.73, 133.74, 132.76, 130.01, 129.81, 127.82, 127.46, 84.63, 78.58, 65.09, 50.62, 46.91, 44.01, 26.94, 25.96, 25.37, 24.27, 23.54, 19.38, 14.12, 11.74. FTIR (未希釈), cm-1: 3696, 2936, 2862, 2097, 1748, 1427, 1267, 1111, 1055, 1034, 704. HRMS (ESI): (C29H43N503Si + H)+ 計算: 538.3208; 実測: 538.3221.
フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(1M、テトラヒドロフラン中。15.4mL、15.4mmol)を、23℃のテトラヒドロフラン(64mL)中の(4R,5S)−4−((R)−1−アミノエチル)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−ヒドロキシプロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(6.9g、12.83mmol)の溶液に追加した。16h後に、出発物質はTLC(5%MeOH/DCM、+0.5%NH4OH)によれば完全に消費された。撹拌子を除き、溶液を濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(ジクロロメタン中の5%〜7.5%メタノール+0.5%NH4OH)、生成物を透明な粘稠油として提供した(3.53g、92%)。TLC (10% ジクロロメタン中のMeOH, +1% NH4OH): Rf = 0.49 (PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 3.63 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 3.52 (ddd, J = 14.1, 8.8, 6.7 Hz, 1H), 3.36 - 3.21 (m, 5H), 2.26 (br s, 3H), 1.75 - 1.66 (m, 1H), 1.65 - 1.50 (m, 4H), 1.32 (s, 3H), 1.31 - 1.23 (m, 1H), 1.15 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 157.94, 83.83, 77.77, 63.92, 50.87, 47.02, 43.26, 25.94, 23.90, 23.34, 19.10, 15.99, 10.88. FTIR (未希釈), cm-1: 3680, 3370 (br), 2967, 2938, 2874, 2097, 1720, 1454, 1263, 1053, 1034. HRMS (ESI): (C13H25N503 + Na)+ 計算: 322.1850; 実測: 322.1863.
−78℃のTHF(90mL)中のジイソプロピルアミン(10.51ml、73.7mmol)の溶液に、BuLi(2.50M溶液、ヘキサン中。28.8ml、71.9mmol)を滴下した。容器を氷水浴に移し替えることによって反応溶液を0℃まで温め、アンモニア−ボラン錯体(2.276g、73.7mmol)を一度に追加した。バブリングがおさまった後に、溶液を23℃まで温まらせ、15分間この温度で撹拌した後に0℃まで再冷却した。THF(30mL)中の(4S,5S)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエチル)−N,5−ジメチル−2−オキソオキサゾリジン−4−カルボキサミド(6g、9.22mmol)の溶液をカニューラによって追加し、移し替えはTHFの2×3.0mLの濯ぎによって定量化した。0℃での10分後に、容器を23℃まで温まらせた。1.5時間後に、TLC(10%MeOH/DCM、1%NH4OH。必要な場合は2回行う)によって出発物質の完全な消費が指示された。混合物を氷水浴中で冷却し、4MのHCl(100mL)を非常に慎重に追加した(注意:気体発生!)。混合物を常温まで温まらせ、激しく30分間撹拌し(気体発生は10〜20分間継続した)、ジエチルエーテル(3×75mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を2MのHCl(20mL)、重炭酸ナトリウム(100mL)、sat.aq.NaCl(100mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製し(50%〜100%EtOAc、ヘキサン中)、生成物を白色固体として提供した(2.88g、73%)。TLC(50% EtOAc, ヘキサン中): Rf = 0.1 (UV, PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.77 - 7.70 (m, 4H), 7.47 - 7.37 (m, 6H), 6.82 (s, 1H), 4.07 (dd, J = 6.6, 4.1 Hz, 2H), 3.77 - 3.67 (m, 3H), 1.63 - 1.54 (m, 1H), 1.49 - 1.37 (m, 1H), 1.40 (s, 3H), 1.07 (s, 9H), 0.59 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 159.4, 135.9, 135.7, 133.9, 132.5, 129.8, 129.6, 127.6, 127.4, 86.8, 78.9, 62.0, 58.3, 26.9, 25.3, 19.5, 15.8, 11.2. FTIR (未希釈), cm-1: 3333 (br), 2936, 2959, 1744, 1427, 1109, 702. HRMS (ESI): (C20H33N04Si + H)+ 計算: 428.2252; 実測: 428.2250.
シュードエフェナミンの回収:抽出からの水性層を6MのNaOHによって(pH14に)塩基性化し、DCM(3×50mL)によって抽出した。有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥して濾過し、濾液を濃縮した。もたらされた結晶質固体は淡黄色であり、NMRによって〜90%がシュードエフェナミンであった(1.88g、90%)。1H−NMRスペクトルは文献のデータと一致した(Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 4568-4571)。
ジクロロメタン(12mL)中の(4R,5S)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(2.85g、6.66mmol)の溶液に、HMDS(4.19ml、19.99mmol)を追加した。懸濁物を常温で撹拌した。1時間かけて白色沈殿物は徐々に溶解し、無色の均質溶液をもたらした。3時間後に溶媒を蒸発させ、透明な無色油を強い減圧に曝露した。1時間以内に残さは固化し、固体をスパチュラによって粉末化し、強い減圧に18h曝露した。乾燥した固体を次にテトラヒドロフラン(25mL)中に溶解し、もたらされた溶液を−78℃まで冷却した。NaHMDS(1M溶液、THF中。5.25ml、5.25mmol)を滴下した。溶液を30分間この温度で撹拌し、ジエチルエーテル(5mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸4−ブロモブチル(2.139g、7.50mmol)の溶液を追加した。容器を氷水浴に移し替えた。0℃に達した3分後に、TLCによって、より極性でないスポットへの完全な変換が指示された(20%EA/H)。飽和水性塩化アンモニウム(50mL)を追加し、混合物を0℃で5分間撹拌した。層を分離し、水性層をジエチルエーテル(2×20mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を水(30mL)、ブライン(30mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。残さをDMF(15mL)中に溶解し、アジ化ナトリウム(0.975g、15.00mmol)を一度に追加した。2.5時間後に混合物を水(200mL)によって希釈し、もたらされた懸濁物をジエチルエーテルによって抽出した(3×50mL)。組み合わせた有機抽出物を水(100mL)、ブライン(100mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc、ヘキサン中)によって精製して、(4R,5S)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オンを白色固体として提供した(2.5g、95%)。TLC (50% EtOAc, ヘキサン中): Rf = 0.41 (UV, PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.72 - 7.64 (m, 4H), 7.47 - 7.35 (m, 6H), 3.84 - 3.71 (m, 3H), 3.59 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 3.36 (dt, J = 14.4, 7.5 Hz, 1H), 3.23 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.16 - 3.04 (m, 2H), 1.74 - 1.62 (m, 1H), 1.57 - 1.35 (m, 5H), 1.46 (s, 3H), 1.04 (s, 9H), 0.59 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 157.5, 135.9, 135.6, 133.8, 132.5, 129.8, 129.6, 127.6, 127.3, 83.7, 78.9, 60.9, 59.8, 50.7, 41.9, 26.8, 25.9, 25.3, 24.6, 19.3, 15.3, 11.4. FTIR (未希釈), cm-1: 3425 (br), 2936, 2877, 2097, 1726, 1111, 1057, 702. HRMS (ESI): (C28H40N4O4Si + H)+ 計算: 525.2892; 実測: 525.2896.
23℃水浴中の、水によって飽和したジクロロメタン(9mL)中の(4R,5S)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−(ヒドロキシメチル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(510mg、0.972mmol)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(824mg、1.944mmol)を追加した。45分後に、TLCによって、より極性でないスポットへの完全な変換が指示された(50%EtOAc、ヘキサン中)。反応混合物をジエチルエーテル(30mL)によって希釈し、もたらされたスラリーを10%水性重炭酸ナトリウムおよびsatチオ硫酸(体積で1:1、30mL)によって洗浄した。水性層をジエチルエーテル(2×15mL)によって抽出し、組み合わせた有機層を重炭酸ナトリウム(2×10mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮して粗製アルデヒドを提供し、これをさらなる精製なしに用いた。粗製アルデヒドをTHF(5.0mL)中に溶解し、容器を室温の水浴中に置いた。テトラエトキシチタン(0.509ml、1.944mmol)を2分かけて滴下し、次に固体(S)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(0.118g、0.972mmol)を追加した。17h後に、混合物を飽和水性塩化ナトリウム(5mL)を含有する50mL反応容器に移し替え、濃い白色スラリーをもたらした。移し替えは酢酸エチル(2×5mL)によって定量化し、スラリーは激しく15分間撹拌した。層を分離し、有機層をセライトによって濾過した。ケーキを酢酸エチル(2×5mL)によって洗浄し、濾液をsat.aq.NaCl(10mL)によって洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。粗製物のNMRによって、所望のスルフィンイミンへの〜95%の変換が明らかとなった。これは粗製物を用いてさらなる精製なしに行われた。この中間体は、いくつかのグリニャール試薬または類似の求核剤に対する求電子剤として用いられ得る。その代わりに、(S)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドは逆の(R)−スルフィンイミンを作るために用いられ得、これはトリフルオロメチル化され得る。
ジクロロメタン(16mL)中の(S,E)−N−(((4R,5S)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチル−2−オキソオキサゾリジン−4−イル)メチレン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.0g、1.60mmol)の溶液を、アセトン/ドライアイス浴中で−78℃まで冷却した。臭化アリルマグネシウム(エーテル中の1.0M溶液、3.20mL、3.20mmol)を追加し、反応混合物をこの温度で2h撹拌した。半飽和水性塩化アンモニウム(30mL)を追加し、混合物を激しく撹拌し、常温まで温まらせた。酢酸エチル(30mL)を追加し、層を激しく混合し、分離した。水性層を酢酸エチル(2×20mL)によって抽出し、組み合わせた有機層をブライン(40mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。透明な油状残さをメタノール(8mL)中に溶解し、塩化水素酸(4.0M溶液、ジオキサン中。1.6mL、6.39mmol)を追加した。45分後に、混合物を濃縮し、残さを酢酸エチル(20mL)中に溶解し、2M水酸化ナトリウム(20mL)によって洗浄した。水性層を酢酸エチル(1×20mL)によって抽出し、組み合わせた有機層をsat aq NaCl(20mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して、濃縮した。残さをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して(ジクロロメタン中の2%MeOH+0.2%NH4OH)、(4R,5S)−4−((R)−1−アミノブタ−3−エン−1−イル)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オンを無色油として提供した(843mg、94%)。TLC (EtOAc): Rf = 0.55 (UV, PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 7.69 - 7.66 (m, 2H), 7.65 - 7.61 (m, 2H), 7.48 - 7.35 (m, 7H), 5.71 (ddt, J = 16.9, 10.2, 6.9 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 3.57 (s, 1H), 3.50 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 3.37 (ddd, J = 14.0, 9.8, 6.0 Hz, 1H), 3.26 - 3.19 (m, 2H), 2.99 (dd, J = 10.0, 4.2 Hz, 1H), 2.90 (ddd, J = 14.2, 10.1, 4.5 Hz, 1H), 2.20 - 2.02 (m, 2H), 1.84 - 1.73 (m, 1H), 1.59 (s, 3H), 1.53 - 1.37 (m, 4H), 1.35 - 1.29 (m, 1H), 1.16 (br s, 2H), 1.04 (s, 9H), 0.66 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 157.4, 135.9, 135.7, 135.2, 133.7, 132.8, 130.0, 129.8, 127.8, 127.5, 118.0, 84.7, 78.8, 64.1, 51.3, 50.6, 43.9, 42.3, 27.0, 26.0, 25.5, 24.4, 19.4, 14.2, 11.8. FTIR (未希釈), cm-1: 3364, 2938, 2877, 2097, 1724, 1267, 1111, 1059. HRMS (ESI): (C31H45N5O3 + Na)+ 計算: 586.3184; 実測: 586.3179.上首尾に実施された他のグリニャール試薬は、臭化ベンジルマグネシウム、臭化3−ブロモベンジルマグネシウム、臭化ビニルマグネシウム、および塩化シクロプロピルマグネシウムを含む。
THF(7.5mL)中の(4R,5S)−4−((R)−1−アミノブタ−3−エン−1−イル)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(843mg、1.495mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(2.24mL、2.243mmol)を追加した。18h後に、混合物を濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して(ジクロロメタン中の2〜4%MeOH+0.2%NH4OH)、生成物を浅黄色油として提供した。TLC (EtOAc): Rf = 0.20 (PMA). 1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ: 5.82 - 5.69 (m, 1H), 5.18 -5.10 (m, 2H), 3.76 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.67 - 3.57 (m, 1H), 3.39 (dt, J = 10.5, 1.8 Hz, 1H), 3.31 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.15 - 3.06 (m, 1H), 3.03 - 2.97 (m, 1H), 2.42 - 2.33 (m, 1H), 2.24 -2.13 (m, 1H), 1.75 - 1.67 (m, 1H), 1.66 - 1.53 (m, 4H), 1.43 (s, 3H), 1.35 - 1.22 (m, 1H), 1.05 - 0.96 (m, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 158.1, 135.1, 118.3, 84.6, 78.1, 61.6, 50.9, 50.6, 43.6, 41.5, 26.0, 24.0, 23.4, 16.4, 10.9. FTIR (未希釈), cm-1: 3412 (br), 2972, 2942, 2876, 2098, 1724, 1456, 1261, 1047, 918. HRMS (ESI): (C15H27N5O3 + Na)+ 計算: 348.2006; 実測: 348.2019.
フレームドライした25mL丸底フラスコに、(R,E)−N−(((4R,5S)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチル−2−オキソオキサゾリジン−4−イル)メチレン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(100mg、0.160mmol、1equiv)、テトラブチル(bultyl)アンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(95mg、0.176mmol、1.1equiv)、および3mLのTHFを追加した。透明な淡黄色溶液を、ドライアイスによって冷却されたアセトン浴中で−50℃まで冷却した。この時点で白色沈殿物が形成した。次に、この懸濁物に、トリフルオロメチルトリメチルシラン(28.4μL、0.192mmol、1.2eq)を1mLのTHF中の溶液として追加した。1h後に溶液は再度透明になった。しかしながら、TLC(30%EtOAc/ヘキサン)によって、わずか50%の変換が指示された。反応を室温まで温まらせ、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケートの別の分量(95mg、0.176mmol、1.1eq)を追加した。溶液を次に−50℃まで再冷却し、トリフルオロメチルトリメチルシラン(28.4μL、0.192mmol、1.2eq)の別の分量を1mLのTHF中の溶液として追加した。別の30min.後に、sat.aq.NH4Cl(7mL)を追加した。スラリーを激しい撹拌をしながら23℃まで温まらせ、酢酸エチル(10mL)を追加し、層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×10mL)によってさらに抽出し、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムのパッドに通して濾過し、濾液を濃縮した。残さをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して(8〜10〜30%アセトン/ヘキサン勾配溶出)、(R)−N−((S)−1−((4R,5S)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−5−メチル−2−オキソオキサゾリジン−4−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを白色泡状物として与えた(99mg、0.142mmol、単一のジアステレオマー、89%)。TLC (30% EtOAc, ヘキサン中): Rf = 0.1 (UV, CAM). 1H NMR (399 MHz, CDCl3) δ: 7.67 (d, J=6.63 Hz, 2H), 7.61 (d, J=6.63 Hz, 2H), 7.53 - 7.34 (m, 6H), 4.09 (s, 1H), 4.06 - 3.95 (m, 1H), 3.53 - 3.44 (m, 2H), 3.40 - 3.28 (m, 1H), 3.21 (t, J=6.63 Hz, 2H), 2.83 - 2.71 (m, 1H), 1.81 - 1.68 (m, 1H), 1.55 (s, 3H), 1.52 - 1.47 (m, 1H), 1.46 - 1.38 (m, 3H), 1.31 (d, J=5.85 Hz, 1H), 1.24 (s, 9H), 1.03 (s, 9H), 0.61 (t, J=7.61 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ: 157.01, 135.88 (2C), 135.68 (2C), 133.62, 132.10, 130.31, 129.94, 128.00 (2C), 127.55 (2C), 124.44 (d, J=285.25 Hz), 84.86, 78.24, 59.23, 58.25 (d, J=29.91 Hz), 57.85, 50.54, 43.33, 26.81 (3C), 25.91, 25.62, 24.39, 22.55 (3C), 19.26, 14.13, 11.79. 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ: -70.13 (d, J=7.89 Hz, 3F); FTIR (未希釈) 2934, 2860, 2097, 1759, 1463, 1113, 704, 449 cm-1; HRMS (ESI): (C33H48F3N5O4SSi + H)+ 計算: 696.3221 ; 実測: 696.3226.
フレームドライした5mL丸底フラスコに、(4R,5S)−4−((S)−1−アミノ−2,2,2−トリフルオロエチル)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−ヒドロキシプロピル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(32mg、0.091mmol、1eq.)および500μL無水メタノールを追加した。氷酢酸(25.9μl、0.453mmol、5equiv)、次に(2S,3R,4S,6R)−4−(ジメチルアミノ)−2−(((2R,3R,4R,6R)−4−メトキシ−4,6−ジメチル−7−オキソ−2−(2,2,5−トリメチル−4−オキソ−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)ヘプタン−3−イル)オキシ)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネート(49.2mg、0.091mmol、1equiv)を固体として追加した。溶液をアルゴン下で23℃で2時間撹拌させた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(17.07mg、0.272mmol、3equiv)を溶液に追加した。30min.後に、sat.aq.重炭酸ナトリウム(1mL)を追加した。ジクロロメタン(2mL)を追加し、層を激しく撹拌した。層を次に分離し、水性層をジクロロメタン(2×3mL)によってさらに抽出した。組み合わせた有機層をsat.aq.NaCl(5mL)によって洗浄し、次に硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残さをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製して(90%酢酸エチル/ヘキサン/1%トリエチルアミン添加物)、(2S,3R,4S,6R)−2−(((2R,3R,4R,6R)−7−(((S)−1−((4R,5S)−3−(4−アジドブチル)−5−((R)−1−ヒドロキシプロピル)−5−メチル−2−オキソオキサゾリジン−4−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)−4−メトキシ−4,6−ジメチル−2−(2,2,5−トリメチル−4−オキソ−4H−1,3−ジオキシン−6−イル)ヘプタン−3−イル)オキシ)−4−(ジメチルアミノ)−6−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルメチルカーボネートを透明な無色油として与えた(42mg、0.048mmol、単一のジアステレオマー、53%)。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: 4.61 - 4.53 (m, 2H), 4.13 (s, 1H), 3.85 (d, J=2.93 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.68 - 3.59 (m, 1H), 3.50 - 3.41 (m, 2H), 3.34 (qd, J=7.63, 2.93 Hz, 1H), 3.31 - 3.27 (m, 2H), 3.12 (quin, J=8.20 Hz, 1H), 3.05 (s, 3H), 3.02 (dd, J=8.80, 5.28 Hz, 1H), 2.88 (dt, J=10.42, 5.06 Hz, 1H), 2.73 (t, J=10.56 Hz, 1H), 2.45 (ddd, J=10.56, 8.22, 6.46 Hz, 1H), 2.30 (s, 6 H), 2.18 (d, J=4.11 Hz, 1H), 1.86 (s, 3H), 1.78 - 1.72 (m, 2H), 1.67 (s, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.63 - 1.52 (m, 6H), 1.43 (s, 3H), 1.39 - 1.28 (m, 4H), 1.25 (d, J=5.87 Hz, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.03 (t, J=7.60 Hz, 3H), 1.02 (d, J=7.60 Hz, 3H), 0.95 (d, J=6.46 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ: 167.84, 162.97, 157.93, 155.25, 126.69 (d, J=286.3), 104.51, 99.85, 99.53, 83.86, 79.16, 77.95, 76.71, 75.52, 69.19, 63.03, 59.63 (q, J=25.9 Hz), 56.13, 55.21, 54.70, 50.93, 49.50, 43.10, 40.68 (2C), 39.08, 33.76, 30.83, 29.41, 25.97, 25.75, 24.28, 23.64, 23.28, 21.21, 20.98, 20.20, 16.27, 12.81, 10.82, 9.86; 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ: -70.36 (d, J=7.89 Hz, 3F); FTIR (未希釈): 2959, 2864, 2361, 2342, 2099, 1751, 1269 cm-1; HRMS (ESI): (C40H67F3N6O12 + H)+ 計算: 881.4842; 実測: 881.4872.
III.左および右半分のカップリングおよび大環化
還元的アミノ化
実施例III−1A.還元的アミノ化によるカップリング
3つの左半分(24a〜c)および4つの右半分(34、37、38、42)への効率的な経路が手に入ったところで、2つの半分のカップリングおよび大環化が対応すべき次の最も重要な課題となった。還元的アミノ化条件は一般的に堅牢で信頼できるが、大環化反応にはむらがあり、高度に基質依存的であることが公知である。例えばPaterson et al., Tetrahedron (1985) 41:3569-3624、Nakata, T; Masamune, S, et al., J. Am. Chem Soc. (1981) 103: 1568参照。アシルケテン法の魅力は大きく、マクロラクトンを安定な前駆体から試薬不含の熱条件下で提供し、(アセトン以外は)副生成物がない。例えばBoeckman et al., J. Am. Chem. Soc. (1989) 111:8286-8288、Reber et al., Chem. Soc. Rev. (2009) 38:3022-3034参照。
3つの左半分(24a〜c)および4つの右半分(34、37、38、42)への効率的な経路が手に入ったところで、2つの半分のカップリングおよび大環化が対応すべき次の最も重要な課題となった。還元的アミノ化条件は一般的に堅牢で信頼できるが、大環化反応にはむらがあり、高度に基質依存的であることが公知である。例えばPaterson et al., Tetrahedron (1985) 41:3569-3624、Nakata, T; Masamune, S, et al., J. Am. Chem Soc. (1981) 103: 1568参照。アシルケテン法の魅力は大きく、マクロラクトンを安定な前駆体から試薬不含の熱条件下で提供し、(アセトン以外は)副生成物がない。例えばBoeckman et al., J. Am. Chem. Soc. (1989) 111:8286-8288、Reber et al., Chem. Soc. Rev. (2009) 38:3022-3034参照。
この新たな戦略による第1の全合成アザケトライド抗生物質の調製は下にまとめられており、全合成の右および左半分のいくつかの異なる可能な組み合わせの単に1つとして、左半分24bおよびC4の天然の右半分37を用いている。24bおよび37をカップリングするための還元的アミノ化は、円滑に進んで43を提供した。大いに喜ばしいことに、43をトルエン中で加熱したときには大環化が起こり、44を80%の収率で単一のC2立体異性体として生じた。入手された大環を用いて、メタノールによるメチルカーボネート保護基の除去、次に銅によって触媒されるアジド−アルキンのカップリングは、一連のアリールアナログ45を提供した。その代わりに、大環44がN−フルオロスルホンイミドによってC2をフッ素化され、ならびに/または蟻酸およびホルムアルデヒドによってN−メチル化され、C2−H/FおよびN9a−H/CH3(46〜49)のいずれかの組み合わせを生じ得た。これらの中間体のそれぞれを、銅(I)によって触媒されるカップリングによってさらに多様化して、種々のアリールアルキン50〜52を与えた。
実施例III−2A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−3A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−4A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−5A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−6A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−7A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−8A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−9A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−10A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−11A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−12A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−13A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−14A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−15A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−16A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−17A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−18A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−19A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−20A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−21A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−22A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−23A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−24A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−25A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−26A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−27A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−28A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−29A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−30A.還元的アミノ化によるカップリング
実施例III−31A.還元的アミノ化によるカップリング
イミン形成
実施例III−1B.イミン形成によるカップリング、次にイミンのアルキル化
求核置換
実施例III−1C.求核置換によるカップリング
実施例III−2C.求核置換によるカップリング
実施例III−3C.求核置換によるカップリング
求核1,2−付加
実施例III−D.エステル形成によるカップリング
実施例III−2D.エステル形成によるカップリング
実施例III−3D.アミド形成によるカップリング
実施例III−4D.アミド形成によるカップリング
実施例III−5D.アミド形成によるカップリング
実施例III−6D.アミド形成によるカップリング
ニトロアルドール
実施例III−1E.
ウィッティヒまたはホーナー・ワズワース・エモンズ
実施例III−1F.
実施例III−2F.
IV.大環化後の改変
3つの多様性を作り出す変換(C2フッ素化/アルキル化、N−アルキル化、アジド−アルキンカップリング)を本発明の経路の最後に戦略的に置くことによって、右および左半分に組み込まれた変形を超えてプラットホームを急速に拡大することが可能である。
実施例IV−1.C11のアミノテザーへのアルキル化/カップリング
実施例IV−2.第2級アミンの保護
(A)CHO保護
(B)Boc保護
(C)Me保護
(D)N−アセチル化
(E)アミナールとしてのホルミル保護
実施例IV−3.C6のOR
3置換基へのアルキル化/カップリングおよび脱保護
実施例IV−4.二重結合の官能化
実施例IV−5.C2アニオン形成による官能化
実施例IV−6.C10の改変
実施例IV−7.C3の改変
実施例IV−8.C6の改変
カップリングおよびマクロライド形成の例示的な合成手順
第3部:収束的なカップリング、大環化、および全合成マクロライドの合成
第3部a:C2メチル基を有するアザケトライド
アミン(264mg、0.883mmol)を9:1メタノール:酢酸(3.0mL)中に溶解し、溶液を−15℃まで冷却した(氷/塩)。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(111mg、1.766mmol)を追加した。アルデヒド(480mg、0.883mmol)を1.0mLの9:1メタノール:酢酸中の溶液として追加した。移し替えは2×0.5mLの同じ溶媒によって定量化した。反応の進行はTLC(10%メタノール、酢酸エチル中)によって監視した。アルデヒドの完全な消費(〜1h)に際して、反応混合物を濃縮し、残さをジクロロメタン(10mL)によって希釈し、飽和水性NaHCO3溶液(5mL)によって洗浄した。層を分離し、水性相をジクロロメタン(2×5mL)によって抽出した。組み合わせた有機相を水(5mL)およびブライン(10mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムのパッドに通して乾燥し、濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(3〜5%メタノール、CH2Cl2中)、生成物を白色泡状物として与えた(630mg、86%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.59 - 4.46 (m, 2H), 3.83 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.71 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 3.56 - 3.41 (m, 3H), 3.36 (dd, J = 10.3, 1.8 Hz, 1H), 3.30 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.26 (dd, J = 7.2, 4.7 Hz, 1H), 3.05 (s, 3H), 2.81 - 2.69 (m, 2H), 2.50 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 2.28 (s, 6H), 1.84 (d, J = 8.0 Hz, 3H), 1.83 - 1.71 (m, 3H), 1.70 - 1.66 (m, 3H), 1.64 (s, 3H), 1.63 - 1.53 (m, 5H), 1.41 - 1.32 (m, 3H), 1.31 (s, 3H), 1.25 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.24 (s, 3H), 1.11 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 167.83, 163.15, 157.94, 155.14, 104.50, 100.30, 98.95, 83.32, 79.30, 78.01, 77.45, 75.47, 69.18, 63.06, 61.85, 54.66, 54.46, 54.29, 50.96, 49.67, 43.34, 40.62, 40.42, 37.78, 34.41, 30.65, 28.70, 26.08, 26.03, 24.04, 23.74, 23.53, 23.17, 21.13, 20.91, 19.87, 16.60, 15.64, 13.34, 10.97, 9.83. FTIR (未希釈), cm-1: 3430 (br), 2937 (m), 2096 (s), 1749(s), 1724 (s), 1641 (s), 1442 (s), 1265 (s), 1109 (s), 1051 (s), 995 (s), 734 (s); HRMS (ESI): (C40H70N6O12 + H)+ 計算: 827.5124; 実測: 827.5107.
カップリングされた遊離アルコール(102mg、0.123mmol)を、ベンゼンによって100mLフラスコ中で共沸乾燥した。次にフラスコに乾燥還流コンデンサーをはめた。トルエン(31mL)をコンデンサーによって追加した。溶液は、アルゴンを22ゲージ針によって5minバブリングすることによって脱気した。次にコンデンサーの頂部にセプタムをはめ、アルゴンラインを結合した。溶液を加熱して40h還流させた。TLC分析(10%メタノール、酢酸エチル中)によって完全な変換が指示された。反応混合物を室温まで冷却して濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(2〜3%メタノール、CH2Cl2中)、生成物を白色泡状物として与えた(87mg、92%)。生成物はC2エピマーの7:1混合物として存在する。大環化は還流するクロロベンゼン中でもまた行われ得、その場合には反応は一般的に16h以内に完全になる。1H NMR (C2エピマーの比7:1. 主エピマーを報告. 500 MHz, CDCl3) δ 4.94 (dd, J = 10.9, 2.1 Hz, 1H), 4.55 (dd, J = 10.5, 7.7 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.83 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.68 - 3.55 (m, 3H), 3.40 (s, 1H), 3.37 - 3.24 (m, 2H), 3.03 (dd, J = 7.9, 3.0 Hz, 1H), 3.00 (s, 3H), 2.84 - 2.70 (m, 3H), 2.28 (s, 6H), 2.02 (br, 1H), 2.00 -1.90 (m, 1H), 1.81 - 1.52 (m, 9H), 1.45 (dd, J = 14.5, 3.5 Hz, 1H), 1.41 (s, 3H), 1.38 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.28 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.18 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 1.08 (dd, J = 14.7, 8.8 Hz, 1H), 0.97 (d, J = 7.5 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.87 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 205.59, 171.56, 156.82, 155.07, 100.29, 80.95, 78.36, 75.45, 74.60, 68.98, 65.37, 63.22, 59.10, 58.10, 54.68, 50.90, 49.92, 49.80, 44.94, 43.01, 40.73, 40.60, 30.44, 27.60, 26.18, 24.13, 21.78, 21.63, 21.01, 18.85, 14.20, 14.08, 14.02, 13.82, 10.31. FTIR (未希釈), cm-1: 3300 (s), 2937 (m), 2096(s), 1724 (s), 1643 (s), 1440 (s), 1377 (s), 1263 (s), 1109 (s), 1051 (s); HRMS (ESI): (C37H64N6O11 + H)+ 計算: 769.4706; 実測: 769.4721.
マクロライド(40mg、0.052mmol)をメタノール(10mL)中に溶解した。もたらされた溶液を24h室温で静置し、この時点でTLC(CH2Cl2中の10%メタノール+1%飽和NH4OH)によって出発物質の完全な消費が指示された。溶液を濃縮し、生成物を純粋な形態で与えた(37mg、〜quant.)。1H NMR (C2エピマーの比11:1. 主エピマーを報告. 600 MHz, CDCl3) δ 4.92 (dd, J = 10.9, 2.2 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 3.84 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 3.67 - 3.52 (m, 3H), 3.39 (s, 1H), 3.36 - 3.22 (m, 3H), 3.19 (dt, J = 13.6, 6.8 Hz, 1H), 3.04 (ddd, J = 15.2, 7.6, 3.6 Hz, 1H), 2.99 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 2.80 - 2.70 (m, 2H), 2.48 (ddd, J = 12.3, 10.2, 3.9 Hz, 1H), 2.31 - 2.24 (m, 6H), 1.94 (tdd, J = 15.0, 7.5, 2.2 Hz, 1H), 1.75 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 1.71 - 1.52 (m, 8H), 1.40 (s, 3H), 1.38 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.34 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.26 (d, J = 5.3 Hz, 3H), 1.22 - 1.15 (m, 2H), 0.96 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.87 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 205.83, 171.43, 156.85, 102.83, 81.00, 78.49, 78.34, 75.43, 70.17, 69.38, 65.94, 65.25, 59.17, 57.91, 50.93, 50.04, 49.88, 45.75, 43.04, 41.00, 40.26, 28.50, 27.79, 26.20, 24.13, 21.76, 21.67, 21.26, 18.98, 14.55, 14.42, 14.34, 14.12, 10.37. FTIR (未希釈), cm-1: 3470(br), 3300 (s), 2941 (m), 2096(s), 1739 (s), 1716(s), 1070 (s), 729 (s); HRMS (ESI): (C35H62N6O9 + H)+ 計算: 711.4651; 実測: 711.4630.
マクロライド(10mg、0.014mmol)をCDCl3(0.2mL)中に溶解した。パラホルムアルデヒド(2.53mg、0.084mmol)および蟻酸(5.40μl、0.141mmol)を追加した。混合物を70℃浴中で1.5h加熱した。この時点で、TLC(CH2Cl2中の10%メタノール+1%飽和NH4OH)によって出発物質の完全な消費が指示された。反応をCH2Cl2(2mL)および飽和水性NaHCO3(1mL)によって希釈した。混合物を激しく撹拌し、層を分離した。水性層をCH2Cl2(3×1mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をNa2SO4によって乾燥し、濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の3〜4%メタノール+0.3%飽和NH4OH溶液)、生成物を純粋な形態で与えた(10mg、98%)。生成物はC2エピマーの3:1混合物として存在する。1H NMR (C2エピマーの比3:1. 主エピマーを報告. 500 MHz, ベンゼン) δ 4.92 (dd, J = 9.5, 2.9 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.30 - 4.36 (m, 1H), 4.08 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.62 (ddd, J = 14.4, 8.7, 7.2 Hz, 1H), 3.41 - 3.32 (m, 1H), 3.32 - 3.23 (m, 1H), 3.05 (s, 1H), 3.01 - 2.94 (m, 2H), 2.84 (d, J = 7.6 Hz, 3H), 2.81 - 2.62 (m, 3H), 2.17 - 2.12 (m, 1H), 2.12 - 2.03 (m, 1H), 1.84 (s, 3H), 1.74 (s, 6H), 1.65 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.52 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.55 - 1.40 (m, 6H), 1.35 (s, 3H), 1.33 - 1.25 (m, 1H), 1.23 - 1.08 (m, 2H), 1.05 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.03 - 0.94 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.63 (d, J = 7.0 Hz, 3H). FTIR (未希釈), cm-1: 3470 (br), 2939 (m), 2096(s), 1755 (s), 1716(s), 1070 (s), 991 (s); HRMS (ESI): (C36H64N6O9 + H)+ 計算: 725.4813; 実測: 725.4799.
マクロライド(31mg、0.040mmol)をTHF(1.0mL)中に溶解した。溶液を−78℃まで冷却し、KOtBu(1.0M溶液、THF中。40.3μL、0.040mmol)を滴下した。もたらされた混合物を−78℃で15min、0℃で1min撹拌し、−78℃まで冷却した。THF(0.5mL)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(12.71mg、0.040mmol)の溶液をシリンジによって反応混合物に追加し、0.1mLのTHFによって定量化した。反応を−78℃で30min撹拌した。この時点でTLC分析(10%メタノール、酢酸エチル中)によって完全な変換が指示された。反応を飽和水性NaHCO3(1mL)の追加によってクエンチし、CH2Cl2(10mL)によって希釈して、激しく撹拌した。層を分離し、水性層をCH2Cl2(2×5mL)によって抽出した。組み合わせた有機層を水(5mL)によって洗浄し、Na2SO4によって乾燥して濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィーによって精製して(2〜3%メタノール、CH2Cl2中)、生成物を白色泡状物として与えた(25mg、79%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.99 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.55 (dd, J = 10.2, 7.7 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.14 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.67 - 3.58 (m, 2H), 3.58 - 3.50 (m, 1H), 3.40 - 3.30 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.09 (br, 1H), 3.02 - 2.92 (m, 1H), 2.91 - 2.83 (m, 1H), 2.78 (td, J = 12.1, 4.1 Hz, 1H), 2.72 - 2.63 (m, 1H), 2.30 (s, 6H), 2.05 - 1.91 (m, 2H), 1.85 (d, J = 21.5 Hz, 3H), 1.81 - 1.51 (m, 8H), 1.47 (br s, 3H), 1.45 - 1.39 (m, 3H), 1.40 - 1.32 (m, 1H), 1.30 (s, 3H), 1.27 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 5.3 Hz, 3H), 0.92 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 0.91 (t, J = 7.3 Hz, 3H). HRMS (ESI): (C37H63FN6O11 + H)+ 計算: 787.4617; 実測: 787.4625.
マクロライド(25mg、0.032mmol)をメタノール(10mL)中に溶解した。もたらされた溶液を24h、室温で静置した。この時点でTLC(CH2Cl2中の10%メタノール+1%飽和NH4OH)によって出発物質の完全な消費が指示された。溶液を濃縮して、生成物を純粋な形態で与えた。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.95 (dd, J = 10.9, 1.7 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.66 - 3.50 (m, 4H), 3.38 - 3.30 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.20 (dd, J = 10.2, 7.3 Hz, 1H), 3.13 - 3.06 (m, 1H), 3.03 (s, 1H), 2.95 - 2.89 (m, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 1H), 2.49 (ddd, J = 12.3, 10.4, 3.8 Hz, 1H), 2.28 (s, 6H), 2.00 - 1.90 (m, 2H), 1.85 (d, J = 21.4 Hz, 3H), 1.73 -1.57 (m, 9H), 1.55 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.49 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.26 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.24 - 1.21 (m, 1H), 0.95 - 0.85 (m, 9H).
HRMS (ESI): (C35H61FN6O9 + H)+ 計算: 729.4557; 実測: 729.4548.
マクロライド(20mg、0.028mmol)をtBuOH/H2O(1:1、0.2mL)中に溶解した。3−エチニルアニリン(9.89mg、0.084mmol)、次にアスコルビン酸ナトリウム(0.1M、水中。56.3μL、5.63μmol)およびCuSO4(0.1M、水中。11.25μL、1.125μmol)を追加した。混合物をrtでアルゴン下で撹拌した。16h後に、LC−MSによって完全な変換が指示された。1mLの飽和水性NaHCO3を追加し、もたらされた溶液をCH2Cl2(3×5mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をNa2SO4によって乾燥し、濃縮した。残さをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を淡黄色固体として与えた(15mg、64%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.81 (s, 1H), 7.25 - 7.12 (m, 3H), 6.68 - 6.62 (m, 1H), 4.96 (dd, J = 10.8, 2.0 Hz, 1H), 4.52 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.49 - 4.40 (m, 2H), 4.38 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 3.89 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 3.77 - 3.58 (m, 4H), 3.42 (s, 1H), 3.24 (dd, J = 10.0, 7.5 Hz, 1H), 3.05 (dt, J = 11.0, 6.3 Hz, 1H), 2.96 (s, 3H), 2.84 - 2.71 (m, 2H), 2.59 - 2.48 (m, 1H), 2.32 (s, 6H), 2.09 -1.92 (m, 3H), 1.82 - 1.48 (m, 7H), 1.44 (s, 3H), 1.42 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.37 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 1.29 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.18 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 0.99 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 0.94 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ205.74, 171.70, 157.00, 147.81, 146.87, 131.63, 129.65, 119.60, 116.03, 114.73, 112.21, 102.85, 81.12, 78.49, 78.41, 75.29, 70.17, 69.43, 65.88, 65.49, 59.10, 57.89, 50.10, 49.88, 49.67, 45.73, 42.74, 40.91, 40.23, 28.40, 27.73, 27.52, 24.11, 21.73, 21.66, 21.25, 18.95, 14.54, 14.39, 14.32, 14.08, 10.44. FTIR (未希釈), cm-1: 3452 (m), 2939 (m), 2096 (w), 1739 (s), 1456 (s), 1070 (s), 991 (s), 729 (s); HRMS (ESI):(C43H69N7O9 + H)+ 計算: 828.5230; 実測: 828.5216.
第3部b:C2メチル基を有さないアザケトライド:大環化およびC2官能化
大環前駆体アルコール(301mg、0.363mmol、1equiv)を共沸蒸留(ベンゼン、20mL)によって乾燥した。乾燥した基質をベンゼン(40mL)中に溶解した。もたらされた溶液を、長い大径金属針を用いる20minの乾燥アルゴンのバブリングによって脱気した。針を除き、反応フラスコに還流コンデンサーをはめた。反応溶液を還流しながら12h加熱した。もたらされた溶液を放冷し、次に減圧下で濃縮して淡黄色泡状物を与えた。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(30%アセトン−ヘキサン)、C2デスメチル大環を白色泡状物として提供した(230mg、84%)。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 4.93 (dd, 1H, J = 10.7, 2.4 Hz), 4.54-4.49 (m, 2H), 4.15 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 3.76 (s, 3H), 3.66-3.61 (m, 1H), 3.57-3.51 (m, 2H), 3.39-3.29 (m, 3H), 3.16 (s, 3H), 2.99 (dd, 1H, J = 11.2, 4.9 Hz), 2.92-2.85 (m, 2H), 2.61 (dd, 1H, J = 10.3, 3.9 Hz), 2.29 (s, 6H), 1.96 (app t, 1H, J = 10.2, 10.2 Hz), 1.87-1.80 (m, 2H), 1.68-1.57 (m, 7H), 1.48 (s, 3H), 1.38-1.32 (m, 2H), 1.29 (s, 3H), 1.28 (d, 3H, J = 5.9 Hz), 1.23 (d, 3H, J = 7.3 Hz), 0.96 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.95 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.91 (t, 3H, J = 7.3 Hz); 13C NMR (125 MHz, CD3OD) δ 204.0, 169.1, 159.0, 156.9, 103.0, 83.4, 80.5, 80.2, 79.1, 76.7, 70.3, 65.9, 63.9, 59.9, 57.6, 55.4, 52.0, 51.4, 44.0, 42.4, 40.7, 31.4, 29.3, 27.3, 25.2, 22.5, 22.5, 21.2, 20.0, 14.7, 14.4, 14.2; FTIR (未希釈薄膜), 2938 (w), 2097 (w), 1751 (s), 1715 (m), 1263 (s), 1055 (s) cm-1; HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ C36H62N6NaO11計算, 777.4369; 実測, 777.4351.
ナトリウムtert−ブトキシド(2.0M、テトラヒドロフラン中。21.9μL、0.044mmol、1.1equiv)の溶液を、−40℃のテトラヒドロフラン(0.25mL)中のC2デスメチル大環(30.0mg、0.040mmol、1equiv)の溶液にシリンジによって滴下した。この温度での30minの撹拌後に、ヨウ化アリル(4.0μL、0.044mmol、1.1equiv)を反応溶液に−40℃で追加した。もたらされた溶液を23℃まで1.5hかけてゆっくり温まらせ、次に23℃でさらなる3h撹拌した。反応混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液(0.5mL)の追加によってクエンチした。ジクロロメタン(10mL)および飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(5mL)を連続して追加し、相を分離した。水性相をジクロロメタン(2×10mL)によって抽出した。有機抽出物を組み合わせて、組み合わせた溶液を無水硫酸ナトリウムによって乾燥した。乾燥した溶液を濾過し、濾液を濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(20%アセトン−ヘキサン。25%まで段階的に変化)、C2アリル大環をC2エピマーの5:1混合物として提供した(19.5mg、62%)。注:副C2エピマーに対応する明らかに区別可能なピークは、非整数階積分によって報告する。全ての他の多重ピークの積分は最も近い整数に丸める。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 5.78-5.70 (m, 1H), 5.14 (dd, 1H, J = 17.1, 1.5 Hz), 5.08-5.06 (m, 1H), 4.93 (dd, 1H, J = 9.8, 2.4 Hz), 4.56-4.52 (m, 2H), 4.41 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 4.18 (d, 0.2H, J = 7.3 Hz), 3.91 (d, 0.2H, J = 2.4 Hz), 3.81 (t, 1H, J = 7.1 Hz), 3.78 (s, 0.6 H), 3.77 (s, 3H), 3.71 (dd, 0.2 H, J = 8.8, 5.9 Hz), 3.66-3.56 (m, 4H), 3.41-3.25 (m, 5H), 3.00 (s, 3H), 3.00-2.95 (m, 1H), 2.82-2.70 (m, 5H), 2.50-2.43 (m, 1H), 2.29 (s, 1.2H), 2.28 (s, 6H), 1.99-1.94 (m, 1H), 1.78-1.61 (m, 9H), 1.58-1.52 (m, 2H), 1.46 (dd, 1H, J = 14.6, 3.9 Hz), 1.41 (s, 3H), 1.35 (app t, 1H, J = 12.7, 11.2 Hz), 1.29-1.25 (m, 11H), 1.18 (d, 3H, J = 7.8 Hz), 1.12-1.07 (m, 2H), 0.96 (app t, 6H, J = 7.3, 5.9 Hz), 0.90 (t, 3H, J = 7.6 Hz), 0.84 (t, 0.6H, J = 7.3 Hz); HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ C39H67N6O11計算, 795.4862; 実測, 795.4840.
第3部c:ケトライド
撹拌子を備えた25mLフラスコに無水LiCl(0.153g、3.61mmol)を仕込んだ。容器を弱火によって減圧下(0.1mmHg)で2min加熱した。ホスホネート(2.0g、3.00mmol)をアセトニトリル(15.02mL)中の溶液として、次にジイソプロピルエチルアミン(0.630mL、3.61mmol)を追加した。懸濁物をrtで5min撹拌した。(2R,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチルペンタナール(0.740g、3.00mmol)を未希釈で滴下した。もたらされた懸濁物を次に30℃で撹拌した。12h後に、TLC(10%メタノール、酢酸エチル中)によってホスホネートの完全な消費が指示された。反応混合物をCH2Cl2(30mL)、飽和水性NaHCO3(15mL)によって希釈し、激しく撹拌した。層を分離し、水性層をCH2Cl2(3×20mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をNa2SO4によって乾燥し、濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を白色泡状物として与えた(1.80g、76%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.82 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.63 - 4.48 (m, 2H), 3.82 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.52 (dd, J = 5.8, 4.6 Hz, 1H), 3.48 - 3.40 (m, 1H), 3.38 - 3.30 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.80 - 2.71 (m, 1H), 2.59 (s, 1H), 2.31 (s, 6H), 2.12 (dd, J = 14.1, 10.2 Hz, 1H), 1.82 (s, 3H), 1.80 - 1.74 (m, 1H), 1.66 (s, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.64 - 1.57 (m, 1H), 1.49 - 1.41 (m, 2H), 1.41 - 1.31 (m, 1H), 1.27 (s, 3H), 1.25 (d, J = 6.2 Hz, 4H), 1.21 (s, 3H), 1.07 (d, J = 3.5 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 3.0 Hz, 3H), 0.92 (s, 9H), 0.90 (t, J = 2.8 Hz, 3H), 0.10 (d, J = 1.9 Hz, 6H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 203.61, 167.58, 162.99, 155.24, 147.02, 125.97, 104.34, 99.94, 99.78, 79.32, 78.24, 77.40, 75.63, 75.49, 69.22, 63.04, 54.69, 49.40, 40.67, 39.82, 37.99, 34.12, 30.85, 26.16, 25.95, 25.89, 25.73, 24.32, 20.95, 20.09, 18.93, 18.20, 13.00, 10.75, 9.69, -3.88, -4.43. FTIR (未希釈), cm-1: 3470(br), 2937 (m), 1751 (s), 1716(s), 1639 (s), 1267 (s), 1055 (s), 910 (s); HRMS (ESI): (C40H71NO12Si + H)+ 計算: 786.4818; 実測: 786.4824.
不飽和ケトン(198mg、0.252mmol)をCH2Cl2(2.5mL)中に溶解した。1−アジド−4−イソシアナートブタン(isocyanatobutane)(176mg、1.259mmol)、次にジラウリル酸ジブチルスズ(150μl、0.252mmol)を追加した。反応を80℃で撹拌した。6h後に、LC−MSによって出発物質の完全な消費が指示された。溶媒を除き、残さをDMF(2mL)中に溶解した。DBU(0.038mL、0.252mmol)を追加した。もたらされた溶液をrtでlh撹拌し、この時点でLC−MSによって出発物質の完全な消費が指示された。反応混合物をエーテル(10mL)および水(5mL)によって希釈し、15min激しく撹拌した。層を分離し、水性層をエーテル(2×5mL)によって抽出した。組み合わせたエーテル層をブラインによって洗浄し、MgSO4によって乾燥し、濾過し、濃縮して、C11のd.r.〜10:1を有する環化したカルバメート(比は1H−NMRによって決定した)を与えた。粗製生成物をTHF(2mL)中に溶解し、TBAF(1.0M溶液、THF中。0.378mL、0.378mmol)を追加した。20minで、TLC(10%メタノール、酢酸エチル中)によって、僅かにより極性の化合物への完全な変換が指示された。反応混合物を直接的に濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を白色泡状物として与えた(120mg、59%)。1H NMR (C11エピマーの比10:1. 主エピマーを報告. 500 MHz, CDCl3) δ 4.60 - 4.50 (m, 2H), 4.27 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.51 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.49 - 3.41 (m, 2H), 3.32 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.25 (qd, J = 7.2, 3.4 Hz, 1H), 2.96 (s, 3H), 2.91 - 2.87 (m, 1H), 2.87 - 2.80 (m, 1H), 2.80 - 2.71(m, 2H), 2.29 (s, 6H), 2.02 (dd, J = 14.1, 10.7 Hz, 1H), 1.81 (s, 3H), 1.79 - 1.74 (m, 1H), 1.67 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.63 - 1.51 (m, 5H), 1.45 (dd, J = 14.2, 1.9 Hz, 1H), 1.42 - 1.33 (m, 3H), 1.33 - 1.27 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.07 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.07 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.03 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 212.38, 167.16, 162.69, 156.89, 155.22, 104.51, 100.00, 99.58, 83.44, 78.67, 78.25, 75.41, 69.27, 62.94, 54.67, 54.45, 50.89, 49.62, 41.48, 41.29, 40.68, 40.61, 38.35, 34.02, 30.75, 25.94, 24.12, 23.99, 23.44, 20.92, 20.01, 19.06, 16.50, 13.08, 10.79, 9.72. FTIR (未希釈), cm-1: 3443(br), 2939 (m), 2096 (s), 1747 (s), 1720 (s), 1641 (s), 1265 (s), 1053 (s), 731 (s); HRMS (ESI): (C39H65N5O13 + H)+ 計算: 812.4652; 実測: 812.4666.
環式カルバメート(110mg、0.135mmol)をベンゼンによって共沸乾燥し、50mLフラスコ中のクロロベンゼン(13.5mL)中に溶解した。フラスコに乾燥還流コンデンサーをはめ、装置を凍結−ポンプ−融解のサイクルによって脱気した。溶液を次に加熱して還流させた。16h後に、反応を冷却して濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を白色泡状物として与えた(78mg、76%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.94 (dd, J = 9.1, 3.1 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 10.4, 7.6 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 3.84 - 3.81 (m, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.71 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.55 - 3.42 (m, 2H), 3.37 - 3.25 (m, 2H), 3.10 - 3.00 (m, 1H), 3.00 - 2.89 (m, 1H), 2.76 - 2.66 (m, 1H), 2.66 - 2.57 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.39 (dd, J = 18.0, 9.3 Hz, 1H), 2.26 (s, 6H), 2.01 - 1.88 (m, 1H), 1.78 - 1.66 (m, 4H), 1.66 - 1.47 (m, 5H), 1.43 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.36 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.28 - 1.24 (m, 1H), 1.22 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 1.16 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 0.89 (t, J = 7.4 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 209.98, 203.32, 168.76, 156.80, 155.18, 101.78, 81.62, 81.09, 79.65, 78.57, 75.56, 69.18, 63.24, 59.95, 54.80, 51.52, 51.02, 49.70, 48.45, 43.69, 42.92, 40.72, 40.61, 36.60, 30.17, 26.09, 25.22, 23.52, 20.85, 19.15, 18.20, 18.00, 15.35, 14.83, 10.47.
FTIR (未希釈), cm-1: 2939 (m), 2096 (s), 1751 (s), 1712 (s), 1265 (s), 1053 (s), 993 (s), 731 (s); HRMS (ESI): (C36H59N5O12 + H)+ 計算: 754.4233; 実測: 754.4257.
大環(30mg、0.040mmol)をベンゼンによって共沸乾燥し、THF(0.5mL)中に溶解した。溶液を−78℃まで冷却し、KOtBu(THF中の1.0M溶液、0.044mL、0.044mmol)を滴下した。もたらされた溶液を−78℃で30min撹拌し、−20℃まで5min温め、−78℃まで再冷却した。THF(0.5mL)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(12.55mg、0.040mmol)の溶液を、シリンジによって上のエノラート溶液に追加した。20min後に、LC−MSによって出発物質の完全な消費が示された。反応を、飽和水性NaHCO3(1mL)および酢酸エチル(5mL)を追加することによって−78℃でクエンチした。混合物を激しく撹拌し、層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×5mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、Na2SO4によって乾燥して濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH2Cl2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH4OH)、生成物を与えた(22mg、72%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.94 (dd, J = 8.2, 3.7 Hz, 1H), 4.50 (dd, J = 10.5, 7.6 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.85 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.83 - 3.79 (m, 1H), 3.62 - 3.57 (m, 1H), 3.55 - 3.37 (m, 2H), 3.36 - 3.24 (m, 2H), 3.06 (d, J = 18.4 Hz, 1H), 2.76 - 2.67 (m, 2H), 2.65 - 2.56 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.42 - 2.33 (m, 1H), 2.26 (s, 6H), 2.06 - 1.90 (m, 2H), 1.75 (d, J = 21.4 Hz, 3H), 1.70 - 1.48 (m, 7H), 1.38 (s, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.27 - 1.24 (m, 1H), 1.22 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 0.95 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
HRMS (ESI): (C36H58FN5O12 + H)+ 計算: 772.4139; 実測: 772.4155.
デスメチル−C2−フルオロ−大環(8mg、10.36μmol)をメタノール(1mL)中に溶解し、24h静置した。この時点でLC−MSによって出発物質の完全な消費が指示された。反応混合物を直接的に濃縮して生成物を与えた(7mg、〜quant.)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.94 (dd, J = 8.1, 3.8 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.82 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.75 - 3.66 (m, 1H), 3.56 - 3.49 (m, 1H), 3.49 - 3.40 (m, 1H), 3.37 - 3.23 (m, 2H), 3.24 - 3.14 (m, 1H), 3.09 (d, J = 18.8 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 12.6, 4.1 Hz, 1H), 2.68 - 2.57 (m, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.39 (dd, J = 18.7, 9.9 Hz, 1H), 2.28 (s, 6H), 2.05 - 1.93 (m, 2H), 1.93 - 1.81 (m, 2H), 1.75 (d, J = 21.4 Hz, 3H), 1.72 - 1.46 (m, 6H), 1.39 (s, 3H), 1.32 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.31 (s, 3H), 1.23 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 7.6 Hz, 3H). HRMS (ESI): (C34H56FN5O10 + H)+ 計算: 714.4084; 実測: 714.4101.
C10−デスメチル−C2−フルオロ−ケトライド(7mg、9.81μmol)をtBuOH/H
2O(1:1、0.2mL)中に溶解した。3−エチニルアニリン(3.45mg、0.029mmol)、次にアスコルビン酸ナトリウム(0.1M、水中。19.61μl、1.961μmol)およびCuSO
4(0.1M、水中。4.90μl、0.490μmol)を追加した。混合物をrtでアルゴン下で撹拌した。16h後に、LC−MSによって完全な変換が指示され、1mLの飽和水性NaHCO
3を追加し、もたらされた溶液をCH
2Cl
2(3×5mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をNa
2SO
4によって乾燥し、濃縮した。残さをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(CH
2Cl
2中の2〜3%メタノール+0.2%飽和NH
4OH)、生成物を淡黄色固体として与えた(4.3mg、53%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.81 (s, 1H), 7.26 - 7.13 (m, 3H), 6.68 - 6.61 (m, 1H), 4.96 (dd, J = 8.1, 3.8 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 7.4, 6.2 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.81 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.76 - 3.63 (m, 1H), 3.59 - 3.48 (m, 2H), 3.20 (dd, J = 10.2, 7.3 Hz, 1H), 3.09 (d, J = 18.7 Hz, 1H), 3.06 - 2.99 (m, 1H), 2.63 - 2.55 (m, 1H), 2.55 - 2.45 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.34 (dd, J = 18.7, 9.9 Hz, 1H), 2.29 (s, 6H), 2.09 - 1.81 (m, 5H), 1.77 (d, J = 21.4 Hz, 3H), 1.74 - 1.54 (m, 4H), 1.40 (s, 3H), 1.33 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.28 - 1.26 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.11 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 210.78, 202.42 (d, J = 29.1 Hz), 165.28 (d, J = 23.4 Hz), 157.08, 147.79, 146.83, 131.61, 129.66, 119.72, 116.03, 114.78, 112.21, 104.30, 96.39 (d, J = 207.0 Hz),83.06, 81.30, 81.18, 79.02, 70.29, 69.55, 65.81, 60.66, 49.75, 48.90, 43.63, 42.68, 40.64, 40.22, 39.20, 36.22, 28.24, 27.48, 25.96 (d, J = 23.2 Hz), 25.04, 23.87, 21.12, 18.79, 17.87, 16.10, 15.25, 10.67. FTIR (未希釈), cm
-1: 3381(br), 2974 (s), 2098 (s), 1753 (s), 1712 (s), 1267 (s), 1053 (s), 731 (s); HRMS (ESI): (C
42H
63FN
6O
10 + H)
+ 計算: 831.4662; 実測: 831.4668.
全合成マクロライドの特徴づけデータ
V.糖修飾
改変されたデソサミン残基を有するいくつかのマクロライドは、いくつかの重要なエリスロマイシン耐性病原体に対して強い活性を示す。しかしながら、デソサミン残基の改変は半合成的手法には非実用的である。マクロライド骨格への全合成的手法は、いずれかの糖が直線的なステップ数の変化なしに加えられることを可能にする。新規のマクロライド抗生物質の候補の実用的な合成に適用可能な、右半分の合成のための改変されたデソサミングリコシルドナー(doner)および重要な中間体の合成のための取り組みを実施した。
実施例V−1.6−アリルオキシカルボニルアミノ−D−デソサミンドナー1vの合成
実施例V−2.4,6−ジヒドロキシ−D−デソサミンドナー2vの合成
糖の例示的な合成法
D−デソサミンドナー1vの合成
塩化スルフリル(16.7mL、206mmol、8.0equiv)を、ピリジン(30mL)およびクロロホルム(30mL)中のメチルα−D−グルコピラノシド(5.0g、25.7mmol)の溶液に−78℃で1hかけて滴下した。黄色懸濁物を−78℃で2h撹拌し、rtまで温めた。反応混合物を50℃まで加熱し、40h撹拌した。rtへの冷却後に、溶液をメタノール(15mL)および水(15mL)によって希釈し、続いて固体炭酸ナトリウムのゆっくりとした追加によって中和した。水(5mL)およびメタノール(5mL)中のヨウ化ナトリウム(1.9g、12.7mmol)の溶液を反応混合物に追加し、混合物を追加の10min撹拌した。もたらされた混合物を濾過して不溶性物質を除き、クロロホルム(50mL)によって洗浄した。濾液を2層に分離し、水性層をクロロホルムの5つの25mL分量によって抽出した。組み合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残さをクロロホルムによって再結晶化して、メチル4,6−ジデオキシ−4,6−ジクロロ−α−D−ガラクトピラノシド(3.55g、60%)を無色固体として提供した。1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ = 4.85 (d, 1H, J = 3.8 Hz, H-1), 4.53 (d, 1H, J = 3.1 Hz, H-4), 4.14 (t, 1H, J = 6.5 Hz, H-5), 3.99 (dd, 1H, J = 9.8 Hz, 3.1 Hz, H-3), 3.85 (dd, 1H, J = 9.8 Hz, 3.8 Hz, H-2), 3.67 (d, 2H, J = 6.5 Hz, H-6), 3.48 (s, 3H, OCH3); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 99.4, 70.0, 69.8, 69.4, 62.6, 55.9, 42.8; HRMS (ESI) C7H12Cl2NaO4 [M+Na]+ 計算: 253.0010. 実測: 253.0020.
水素化トリブチルスズ(98.0mL、364mmol、4.8equiv)を、トルエン(613mL)中のメチル4,6−ジデオキシ−4,6−ジクロロ−α−D−グルコピラノシド(17.5g、76mmol)および2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(373mg、2.27mmol、0.03equiv)の溶液に滴下した。反応混合物を12h還流した。rtへの冷却後に、溶液をアセトニトリルによって希釈し、n−ヘキサンの5つの250mL分量によって洗浄した。組み合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残さを水中に溶解し、ジエチルエーテルの5つの250mL分量によって洗浄した。組み合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/アセトン、10:1〜3:1)、メチル4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドおよびメチル6−クロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの混合物(13.2g、quant、30:70)を無色固体として提供した。混合物を次の反応ステップに分離なしに用いた。メチル4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド: 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 4.72 (d, 1H, J = 3.6 Hz, H-1), 3.91-3.78 (m, 2H, H-3, H-5), 3.38 (s, 3H, OCH3), 3.42-3.35 (m, 1H, H-2), 1.96 (ddd, J = 12.3 Hz, 4.8 Hz, 1.6 Hz, H-4α), 1.34 (q, 1H, J = 12.3 Hz, H-4β), 1.19 (d, 3H, J = 6.8 Hz, H-6); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 99.9, 74.4, 68.7, 64.1, 55.1, 39.9, 20.8; HRMS (ESI) C7H14NaO4 [M+Na]+計算: 185.0790. 実測: 185.0767. メチル6−クロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド: 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 4.80 (d, 1H, J = 3.6 Hz, H-1), 3.97-3.83 (m, 2H, H-3, H-5), 3.53 (d, 2H, J = 5.2 Hz, H-6), 3.40 (s, 3H, OCH3), 3.42-3.39 (m, 1H, H-2), 2.05 (dd, J = 12.1 Hz, 3.6 Hz, H-4α), 1.47 (q, 1H, J = 12.1 Hz, H-4β); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 99.8, 74.1, 68.2, 67.9, 55.3, 46.5, 35.7; HRMS (ESI) C7H13ClNaO4 [M+Na]+ 計算: 219.0400. 実測: 219.0397.
アジ化ナトリウム(26.0g、400mmol、メチル6−クロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの5.0equiv)およびテトラメチル尿素(3.95mL、33.6mmol)を、DMF(750mL)中のメチル4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドおよびメチル6−クロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの混合物(22.2g、1:2)の溶液に追加した。反応混合物を140℃で18h撹拌した。rtへの冷却後に、懸濁物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/酢酸エチル、1:1〜0:1、ジクロロメタン/アセトン、3:1)、メチル4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドおよびメチル6−アジド−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの混合物を提供した(22.8g、quant)。塩化tert−ブチルジメチルシリル(71.9g、477mmol、4.0equiv)を、DMF(186mL)中のメチル4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドおよびメチル6−アジド−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの混合物(22.8g)ならびにイミダゾール(64.9g、954mmol、8.0equiv)の溶液に滴下した。反応混合物を60℃で10h撹拌した。rtへの冷却後に、溶液を酢酸エチルによって希釈し、水の5つの200mL分量によって洗浄した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/酢酸エチル、200:1〜80:1)、メチル2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドおよびメチル6−アジド−2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの混合物を提供した(49.9g、quant)。
撹拌子を有する2L丸底フラスコに、メチル2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドおよびメチル6−アジド−2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシドの混合物(49.9g)、10%Pd/C(6.9g、20wt%のメチル6−アジド−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド)、およびTHF(470mL)を追加し、系をセプタムによって密封した。内部の空気を5サイクルの減圧/アルゴンによって水素(バルーン)によって置き換え、混合物をrtで18h撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、THFによって洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/酢酸エチル、40:1〜2:1、酢酸エチル/メタノール、2:1)、メチル2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(15.5g、quant)およびメチル6−アミノ−2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(28.2g、88%)を提供した。
クロロ蟻酸アリル(11.1mL、104mmol、1.5equiv)を、アセトニトリル(250mL)およびメタノール(250mL)中のメチル6−アミノ−2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(28.2g、69.5mmol)およびトリエチルアミン(14.5mL、104mmol、1.5equiv)の溶液に0℃で滴下した。反応混合物をrtで10h撹拌した。トリエチルアミン(4.8mL、35mmol、0.5equiv)およびクロロ蟻酸アリル(3.7mL、35mmol、0.5equiv)を反応混合物に0℃で滴下した。反応混合物をrtで2h撹拌した。溶媒を減圧下で除いた後、残さをジクロロメタンおよび水によって希釈した。もたらされた混合物を2層に分離し、水性層をジクロロメタンの3つの50mL分量によって抽出した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/酢酸エチル、25:1〜5:1)、メチル6−アリルオキシカルボニルアミノ−2,3−ジ(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(34.0g、quant)を無色油として提供した。
撹拌子を有する1L丸底フラスコに、メチル6−アリルオキシカルボニルアミノ−2,3−ビス−(O−tert−ブチルジメチルシリル)−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(34.0g)およびTHF中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1.0M溶液(200mL、200mmol、2.9equiv)を追加した。もたらされた混合物をrtで12h撹拌した。炭酸カルシウム(45.0g)、DOWEX 50WX8-400(135g。精製および活性化なし)、およびメタノール(324mL)を反応混合物に追加し、懸濁物をrtで2h撹拌した。反応混合物をセライトパッドによって濾過し、メタノールによって洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/アセトン、5:1〜2:1)、メチル6−アリルオキシカルボニルアミノ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(17.1g、94%)を無色固体として提供した。
mp: 115-117 ℃; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 5.95-5.85 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.29 (d, 1H, J = 17.2 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.20 (d, 1H, J = 10.4 Hz, OCH2CH=CH2β), 4.75 (d, 1H, J = 3.2 Hz, H-1), 4.56 (d, 2H, J = 4.8 Hz, OCH2CH=CH2), 3.87-3.80 (m, 2H, H-2, H-5), 3.43-3.32 (m, 2H, H-3, H-6α), 3.37 (s, 3H, OCH3), 3.19-3.12 (m, 1H, H-6β), 1.97-1.93 (m, 1H, H-4α), 1.38 (q, 1H, J = 12.0 Hz, H-4β); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 156.3, 132.7, 117.7, 99.7, 74.3, 68.4, 67.1, 65.6, 55.2, 44.7, 35.1; HRMS (ESI) C11H19NNaO6 [M+Na]+ 計算: 284.1110. 実測: 284.1146.
トルエン(42.3mL、98mmol、1.5equiv)中のアゾジカルボン酸ジエチルの40%溶液を、ベンゼン(650mL)中のメチル6−アリルオキシカルボニルアミノ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド(17.1g、65.6mmol)、トリフェニルホスフィン(25.8g、98mmol、1.5equiv)、MS4A(17.3g)の溶液に滴下した。反応混合物を18h還流した。rtへの冷却後に、溶液を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/ジエチルエーテル、5:1〜0:1)、メチル2,3−アンヒドロ−4,6−ジデオキシ−α−D−アロピラノシド(35.0g、粗製)を提供した。
水中のジメチルアミンの40%溶液(270mL、2.41mol、36.7equiv)を、エタノール(310mL)中のメチル2,3−アンヒドロ−4,6−ジデオキシ−α−D−アロピラノシド(35.0g、粗製)の溶液に追加した。反応混合物をrtで40h撹拌した。溶媒を減圧下で除いた後、残さをエタノール(310mL)中に溶解し、水中のジメチルアミンの40%溶液(270mL、2.41mol、36.7equiv)を反応混合物に追加した。反応混合物をrtで40h撹拌した。溶媒を減圧下で除いた後、残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/アセトン、20:1、ジクロロメタン/メタノール、20:1〜5:1)、メチル6−アリルオキシカルボニルアミノ−α−D−デソサミニド(10.2g、54%)を無色油として提供した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 5.95-5.88 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.30 (d, 1H, J = 17.2 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.22 (d, 1H, J = 10.4 Hz, OCH2CH=CH2β), 4.86 (d, 1H, J = 3.2 Hz, H-1), 4.58 (d, 2H, J = 3.6 Hz, OCH2CH=CH2), 3.88-3.85 (m, 1H, H-5), 3.61 (dd, 1H, J = 7.0 Hz, 2.2 Hz, H-2), 3.44-3.34 (m, 4H, H-6α, OCH3), 3.20-3.11 (m, 2H, H-3, H-6β), 2.42 (s, 6H, N(CH3)2), 1.84 (d, 1H, J = 8.2 Hz, H-4α), 1.36 (q, 1H, J = 8.2 Hz, H-4β); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 156.2, 132.6, 117.4, 99.3, 68.3, 67.7, 65.3, 59.8, 54.8, 44.8, 39.6, 24.3; HRMS (ESI) C13H25N2O5 [M+H]+ 計算: 289.1763. 実測: 289.1764.
塩化アセチル(192μL、2.71mmol、5.0equiv)をメチル6−アリルオキシカルボニルアミノ−α−d−デソサミニド(156mg、541μmol)、ピリジン(1.2mL)の溶液に追加した。もたらされた混合物をrtで48h撹拌した。飽和水性NaHCO3(12mL)および酢酸エチル(6mL)を追加し、もたらされた混合物をrtで1h撹拌した。混合物を2層に分離し、水性層を酢酸エチルの3つの10mL分量によって抽出した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/メタノール、1:0〜20:1〜10:1)、メチル2−O−アセチル−6−アリルオキシカルボニルアミノ−a−d−デソサミニド(171mg、96%)を淡黄色油として提供した。1H NMR (アセトン-d6, 600 MHz) δ = 5.95-5.89 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.28 (dd, 1H, J = 17.7 Hz, 1.4 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.14 (dd, 1H, J = 10.8 Hz, 1.4 Hz, OCH2CH=CH2β), 4.80 (dd, 1H, J = 10.5 Hz, 3.8 Hz, H-2), 4.73 (d, 1H, J = 3.8 Hz, H-1), 4.51 (d, 2H, J = 2.4 Hz, OCH2CH=CH2), 3.87-3.83 (m, 1H, H-5), 3.31 (s, 3H, OCH3), 3.28-3.08 (m, 3H, H-3, H-6α, H-6β), 2.23 (s, 6H, N(CH3)2), 2.00 (s, 3H, COCH3), 1.82 (ddd, 1H, J = 12.7 Hz, 4.2 Hz, 2.4 Hz, H-4α), 1.40 (q, 1H, J = 12.7 Hz, H-4β); 13C NMR (アセトン- d6, 100 MHz) δ = 170.5, 157.1 , 134.7, 116.9, 98.6, 71.3, 68.0, 65.4, 58.3, 54.9, 45.8, 40.7, 28.4, 21.0; HRMS (ESI) C15H27N2O6 [M+H]+ 計算: 331.1869. 実測: 331.1864.
メチル2−O−アセチル−6−アリルオキシカルボニルアミノ−α−D−デソサミニド(736mg、2.23mmol)を、無水酢酸、酢酸、および硫酸の溶液(8:2:0.1。前日に調製)(37mL)中に0℃で溶解した。混合物を0℃で30min、次にrtで24h撹拌した。酢酸ナトリウム(296mg)および水(37mL)の追加後に、反応混合物をrtで3h撹拌し、過剰な無水酢酸を分解した。溶媒を減圧下で除いた後、残さを酢酸エチルによって希釈した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)を混合物に追加し、有機層を分離した。水性層を酢酸エチル(3×40mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(40mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮して、6−アリルオキシカルボニルアミノ−1,2−O−ジアセチル−D−デソサミン(α:β=5:1、787mg、99%)を淡黄色油として提供した。1H NMR (アセトン-d6, 600 MHz) 主 (α): δ = 6.14 (d, 1H, J = 4.2 Hz, H- 1), 6.04-5.98 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.42-5.39 (m, 1H, OCH2CH=CH2α), 5.28-5.26 (m, 1H, OCH2CH=CH2β), 4.94 (dd, 1H, J = 10.8 Hz, 3.6 Hz, H-2), 4.72-4.71 (m, 2H, OCH2CH=CH2), 4.16-4.11 (m, 1H, H-5), 3.93-3.78 (m, 2H, H-6α, H-6β), 3.11 (dt, 1H, J = 11.8 Hz, 4.0 Hz, H-3), 2.42 (s, 6H, N(CH3) 2), 2.26 (s, 3H, COCH3), 2.06 (s, 3H, COCH3), 1.89-1.86 (m, 1H, H-4α), 1.47 (q, 1H, J = 12.4 Hz, H-4β); 副 (β): δ = 6.04-5.98 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.50 (d, 1H, J = 8.4 Hz, H- 1), 5.42-5.39 (m, 1H, OCH2CH=CH2α), 5.28-5.26 (m, 1H, OCH2CH=CH2β), 4.82 (dd, 1H, J = 10.8 Hz, 8.4 Hz, H-2), 4.70-4.68 (m, 2H, OCH2CH=CH2), 4.16-4.11 (m, 1H, H-5), 3.98-3.82 (m, 2H, H-6α, H-6β), 2.91-2.87 (m, 1H, H-3), 2.41 (s, 6H, N(CH3)2), 2.24 (s, 3H, COCH3), 1.97 (s, 3H, COCH3), 1.86-1.83 (m, 1H, H-4α), 1.42 (q, 1H, J = 12.4 Hz, H-4β); 13C NMR (アセトン- d6, 100 MHz) 主 (α): δ = 170.3, 169.7, 155.0, 133.0, 118.5, 90.9, 69.9, 69.6, 67.8, 58.4, 47.8, 40.7, 28.4, 26.5, 20.8; HRMS (ESI) C16H27N2O7 [M+H]+ 計算: 359.1818. 実測: 359.1824.
炭酸カリウム(46.1mg、334μmol、1.2equiv)を、メタノール(4.7mL)中の6−アリルオキシカルボニルアミノ−1,2−O−ジアセチル−D−デソサミン(99.7mg、278μmol)の溶液に0℃で追加した。混合物を0℃で28h撹拌した。反応混合物を1MのHClによって酸性化し(pH=ca.6)、減圧下で濃縮した。飽和NaHCO3水溶液を残さに追加して、塩基性化した(pH=ca.9)。混合物を濃縮し、もたらされた不溶性物質を濾過によって除き、エタノールによって洗浄した。濾液を濃縮し、エタノールによって数回、ジクロロメタンによって数回共沸した。残さをジクロロメタンによって溶解し、不溶性物質を濾過によって除き、ジクロロメタンによって洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、6−アリルオキシカルボニルアミノ−D−デソサミン(75.8mg、quant)を淡赤色泡状物として提供した。HRMS (ESI) C12H23N2O5 [M+H]+ 計算: 275.1607. 実測: 275.1609.
トルエン(2.50mL、5.73mmol、1.2equiv)中のアゾジカルボン酸ジエチルの40%溶液を、トルエン(43mL)中のトリブチルホスフィン(1.41mL、5.73mmol、1.2equiv)の溶液に−15℃で10minかけて滴下した。20minの撹拌後、ジクロロメタン(7.2mL+3.6mL×2の洗浄)中の6−アリルオキシカルボニルアミノ−D−デソサミン(1.31g、4.78mmol)の懸濁物を、同じ温度で混合物に追加した。45minの撹拌後、2−メルカプトピリミジン(643mg、5.73mmol)を追加した。もたらされた混合物をrtで24h撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/メタノール、20:1〜5:1)、6−アリルオキシカルボニルアミノ−1−(2−ピリミジンチオ)−D−デソサミン(α:β=1:7、905mg、51%)を淡黄色泡状物として提供した。
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) 主 (β): δ = 8.51 (d, 2H, J = 4.8 Hz, CH of Pym), 6.99 (t, 1H, J = 4.8 Hz, CH of Pym), 5.92-5.85 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.52 (d, 1H, J = 9.5 Hz, H- 1), 5.26 (d, 1H, J = 17.4 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.18 (d, 1H, J = 10.2 Hz, OCH2CH=CH2β), 4.56-4.51 (m, 2H, OCH2CH=CH2), 3.72-3.69 (m, 1H, H-5), 3.53-3.45 (m, 2H, H-6α, H-2), 3.12-3.08 (m, 1H, H-6β), 2.73-2.67 (m, 1H, H-3), 2.31 (s, 6H, N(CH3)2), 1.81-1.78 (m, 1H, H-4α), 1.41 (q, 1H, J = 12.2 Hz, H-4β); 副 (α): δ = 8.54 (d, 2H, J = 4.8 Hz, CH of Pym), 7.00 (t, 1H, J = 4.8 Hz, CH of Pym), 6.68 (d, 1H, J = 5.4 Hz, H- 1), 5.92-5.85 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.26 (d, 1H, J = 17.4 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.18 (d, 1H, J = 10.2 Hz, OCH2CH=CH2β), 4.48 (d, 2H, J = 3.6 Hz, OCH2CH=CH2), 3.91 (dd, 1H, J = 5.4 Hz, 4.5 Hz, H-2), 3.40-3.36 (m, 1H, H-6α), 3.22-3.17 (m, 1H, H-6β), 2.77-2.73 (m, 1H, H-3), 2.30 (s, 6H, N(CH3)2), 1.81-1.78 (m, 1H, H-4α), 1.45-1.36 (m, 1H, H-4β); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) 主 (β): δ = 170.5, 157.4, 156.3, 132.8, 117.4, 117.2, 84.9, 76.9, 67.9, 67.4, 65.5, 45.1 , 40.3, 24.0; HRMS (ESI) C16H25N4O4S [M+H]+ 計算: 369.1597. 実測: 369.1552
ステップ9:6−アリルオキシカルボニルアミノ−2−O−メトキシカルボニル−1−(2−ピリミジンチオ)−D−デソサミン
クロロ蟻酸メチル(92μL、1.19mmol、3.0equiv)を、THF(1.1mL)および飽和炭酸ナトリウム水溶液(1.1mL)中の1−(2−ピリミジンチオ)−6−アリルオキシカルボニルアミノ−D−デソサミン(146mg、396μmol)の溶液に滴下した。反応混合物をrtで3h撹拌した。混合物をアセトンによって希釈し、減圧下で濃縮して混合物中の水を減らした。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン、5:4:1)、6−アリルオキシカルボニルアミノ−2−O−メトキシカルボニル−1−(2−ピリミジンチオ)−D−デソサミン(149mg、88%)を無色泡状物として提供した。1H NMR (CDCl3, 500 MHz) 主 (β): δ = 8.52 (d, 2H, J = 5.0 Hz, CH of Pym), 7.01 (t, 1H, J = 5.0 Hz, CH of Pym), 5.94-5.86 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.60 (d, 1H, J = 5.3 Hz, H- 1), 5.28 (d, 1H, J = 17.0 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.20 (d, 1H, J = 10.0 Hz, OCH2CH=CH2β), 4.84 (t, J = 5.3 Hz, H-2), 4.59-4.52 (m, 2H, OCH2CH=CH2), 3.79 (s, 3H, OCOCH3), 3.73-3.69 (m, 1H, H-5), 3.52-3.47 (m, 1H, H-6α), 3.14-3.09 (m, 1H, H-6β), 2.97-2.92 (m, 1H, H-3), 2.32 (s, 6H, N(CH3)2), 1.89-1.85 (m, 1H, H-4α), 1.53 (q, 1H, J = 12.3 Hz, H-4β); 副 (α): δ = 8.54 (d, 2H, J = 5.0 Hz, CH of Pym), 7.01 (t, 1H, J = 5.0 Hz, CH of Pym), 6.72 (d, 1H, J = 5.2 Hz, H- 1), 5.94-5.86 (m, 1H, OCH2CH=CH2), 5.28 (d, 1H, J = 17.0 Hz, OCH2CH=CH2α), 5.19-5.17 (m, 1H, OCH2CH=CH2β), 5.05 (dd, 1H, J = 10.8 Hz, 5.2 Hz, H-2), 4.51-4.49 (m, 2H, OCH2CH=CH2), 3.81-3.76 (m, 1H, H-5), 3.75 (s, 3H, OCOCH3), 3.47-3.39 (m, 1H, H-6α), 3.23-3.18 (m, 1H, H-6β), 3.06-3.00 (m, 1H, H-3), 2.32 (s, 6H, N(CH3)2), 1.89-1.85 (m, 1H, H-4α), 1.53 (q, 1H, J = 12.3 Hz, H-4β); 13C NMR (CDCl3, 125 MHz) 主 (β): δ = 170.1, 157.4, 156.3, 155.0, 132.9, 117.4, 117.3, 83.1, 76.6, 72.0, 65.5, 64.7, 55.1 , 44.9, 40.6, 26.1 ; HRMS (ESI) C18H27N4O6S [M+H]+ 計算: 427.1651. 実測: 427.1645
D−デソサミンドナー2vの合成
p−アニスアルデヒドジメチルアセタール(50mL、294mmol、1.14equiv)を、DMF(250mL)中のメチルα−D−グルコピラノシド(50g、257mmol)およびD−カンファースルホン酸(1.79g、7.72mmol、0.03equiv)の混合物の懸濁物に追加した。反応混合物を60℃で21h撹拌した。rtへの冷却後に、溶液を減圧下で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(500mL)を残さに追加して、もたらされた混合物を1h撹拌した。沈殿物を濾過し、冷水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(500mL)によって洗浄して、メチル4,6−O−(4−メトキシ)ベンジリデン−α−D−ガラクトピラノシド(78.5g、98%)を無色固体として提供した。mp: 192-194 ℃; 1H NMR (CD3OD, 600 MHz) δ = 7.40 (d, 2H, J = 8.4 Hz, CH of Ar), 6.88 (d, 2H, J = 8.4 Hz, CH of Ar), 5.51 (s, 1H, ArCH), 4.71 (d, 1H, J = 3.8 Hz, H- 1), 4.18 (dd, 1H, J = 8.1 Hz, 3.3 Hz, H-6α), 3.81-3.78 (m, 1H, H-4), 3.78 (s, 3H, OCH3 of An), 3.74-3.68 (m, 2H, H-3, H-6β), 3.50 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 3.8 Hz, H-2), 3.43-3.40 (m, 1H, H-5), 3.42 (s, 3H, OCH3); 13C NMR (CD3OD, 125 MHz) δ = 161.6, 131.5, 128.8, 114.3, 103.0, 102.0, 82.9, 74.1, 72.0, 70.0, 63.9, 55.8, 55.7; HRMS (ESI) C15H21O7 [M+H]+ 計算: 313.1287. 実測: 313.1308.
塩化メタンスルホニル(Methansulfonyl)(2.23mL、28.8mmol、3.0equiv)を、ピリジン(20mL)中のメチル4,6−O−(4−メトキシ)ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド(3.0g、9.61mmol)の溶液に滴下した。反応混合物をrtで21h撹拌した。反応混合物を酢酸エチルによって希釈し、水の100mL分量によって洗浄した。有機層をブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さは次の反応ステップにさらなる精製なしに用いた。水酸化カリウム(1.62g、28.8mmol、3.0equiv)を、メタノール(48mL)およびTHF(32mL)中の残さの懸濁物に追加した。反応混合物を45h還流した。次に水を追加し、反応混合物を酢酸エチルによって希釈し、水の20mL分量によって洗浄した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さを酢酸メチルによって再結晶化し、メチル2,3−アンヒドロ−4,6−O−(4−メトキシ)ベンジリデン−α−D−アロピラノシド(1.50g、53%)を無色固体として提供した。
mp: 193-195 ℃; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ = 7.42 (d, 2H, J = 8.6 Hz, CH of Ar), 6.91 (d, 2H, J = 8.6 Hz, CH of Ar), 5.53 (s, 1H, ArCH), 4.90 (s, 1H, H-1), 4.24 (dd, 1H, J = 16.0 Hz, 10.4 Hz, H-4), 3.81 (s, 3H, OCH3 of An), 3.75-3.64 (m, 3H, H-5, H-6), 3.52 (s, 3H, OCH3), 3.47 (d, 1H, J = 3.0 Hz, H-2), 3.17 (d, 1H, J = 3.0 Hz, H-3); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 160.2, 129.6, 127.6, 113.7, 102.7, 95.3, 77.8, 68.9, 60.0, 55.9, 55.3, 53.1 , 50.8; HRMS (ESI) C15H19O6 [M+H]+ 計算: 295.1182. 実測: 295.1184.
撹拌子を有する25mL丸底フラスコに、メチル2,3−アンヒドロ−4,6−O−(4−メトキシ)−ベンジリデン−α−D−アロピラノシド(4.0g、13.6mmol)、5%Pd/C(1.6g、40wt%のメチル6−アジド−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコoピラノシド)、エタノール(30mL)、およびTHF(90mL)を追加した。系をセプタムによって密封した。内部の空気を5サイクルの減圧/アルゴンによって水素(バルーン)によって置き換え、混合物をrtで18h撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、THFおよびエタノールによって洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残さをアセトン中に溶解し、沈殿物を濾過によって集めて、メチルα−D−グルコピラノシドを与えた(563mg、21%)。濾液を減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/アセトン、20:1〜3:1)、メチル2,3−アンヒドロ−α−D−アロピラノシド(1.67g、70%)を無色固体として提供した。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ = 4.91 (s, 1H, H- 1), 3.88 (s, 1H, H-4), 3.84-3.74 (m, 2H, H-6), 3.58-3.52 (m, 1H, H-5), 3.46 (s, 3H, OCH3), 3.31 (d, 1H, J = 3.8 Hz, H-2), 3.13 (d, 1H, J = 3.8 Hz, H-3); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 96.0, 68.9, 62.6, 62.2, 55.7, 55.5, 49.9; HRMS (ESI) C7H12NaO5 [M+Na]+ 計算: 199.0582. 実測: 199.0580.
水中のジメチルアミンの40%溶液(32.9mL、292mmol、36.7equiv)を、エタノール(37.4mL)中のメチル2,3−アンヒドロ−α−D−アロピラノシド(1.40g、7.95mmol)の溶液に追加した。反応混合物をrtで310h撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、ベンゼンによって3回共沸して、メチル6−ヒドロキシ−α−D−マイカミノシドを提供した(1.76g、粗製物)。
塩化ベンゾイル(4.62mL、39.8mmol)をピリジン(17mL)中のメチル6−ヒドロキシ−α−D−マイカミノシド(1.76g、粗製)の溶液に追加した。もたらされた混合物をrtで38h撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(170mL)および酢酸エチル(85mL)を追加し、もたらされた混合物をrtで1h撹拌した。混合物を2層に分離し、水性層を酢酸エチルの3つの10mL分量によって抽出した。組み合わせた有機層をブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(ジクロロメタン/メタノール、1:0〜50:1)、メチル6−ヒドロキシ−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−マイカミノシド(3.92g、92%)を淡赤色泡状物として提供した。
1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ = 8.12-8.09 (m, 6H, CH of Ph), 7.62-7.57 (m, 3H, CH of Ph), 7.50-7.45 (m, 6H, CH of Ph), 5.73 (d, 1H, J = 2.7 Hz, H-2), 5.71 (dd, J = 6.6 Hz, 3.0 Hz, H-4), 4.90 (d, 1H, J = 2.1 Hz, H- 1), 4.75 (dd, 1H, J = 11.6 Hz, 5.7 Hz, H-6α), 4.65 (dd, 1H, J = 11.6 Hz, 4.2 Hz, H-6β), 4.33-4.31 (m, 1H, H-5), 3.41 (s, 3H, OCH3), 3.38 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 3.0 Hz, H-3), 2.45 (s, 6H, N(CH3)2); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 166.2, 165.9, 165.6, 133.4, 133.2, 133.2, 129.9, 129.8, 129.7, 129.7, 129.7, 128.6, 128.5, 128.4, 102.8, 72.9, 71.2, 69.8, 64.3, 61.1 , 55.9, 42.6; HRMS (ESI) C30H32NO8 [M+H]+ 計算: 532.2128. 実測: 532.2146.
ステップ5:1−O−アセチル(Aacetyl)−6−ヒドロキシ−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−D−マイカミノース
メチル6−ヒドロキシ−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−マイカミノシド(1.31g、2.46mmol)を、無水酢酸、酢酸、および硫酸(8:2:0.1。前日に調製)(41mL)の溶液中に0℃で溶解した。混合物を0℃で30min、次にrtで24h撹拌した。酢酸ナトリウム(327mg)および水(41mL)の追加後に、反応混合物をrtで3h撹拌して、過剰な無水酢酸を分解した。溶媒を減圧下で除いた後に、残さを酢酸エチルによって希釈した。飽和NaHCO3水溶液(50mL)を混合物に追加して、有機層を分離した。水性層を酢酸エチル(3×50mL)によって抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮して、1−O−アセチル−6−ヒドロキシ−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−D−マイカミノース(α:β=2:3、1.17g、85%)を淡赤色泡状物として提供した。HRMS (ESI) C31H32NO9 [M+H]+ 計算: 562.2077. 実測: 562.2083.
ベンゼン(0.4mL+0.5mL×2の洗浄)中のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(145μL、800μmol)およびトリエチルアミン(112μL、800μmol)の溶液を、ベンゼン(5mL)中の2−メルカプトピリミジン(72mg、640μmol)の懸濁物に滴下した。混合物をrtで1h撹拌し、50℃まで加熱した。50℃での24hの撹拌後に、rtまで冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮した。MS4A(200mg)およびジクロロメタン(1.2mL)を残さに追加した。1−O−アセチル−6−ヒドロキシ−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−D−マイカミノース(36mg、64μmol)を混合物に0℃で追加し、もたらされた混合物を−78℃で10min撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(58μL、320μmol)を混合物に−78℃で滴下し、もたらされた混合物を−78℃で撹拌した。30分後に、反応混合物を温め、0℃で撹拌した。30分後に、反応混合物をrtまで温め、rtで40h撹拌した。飽和NaHCO3水溶液(5mL)を混合物に追加した。もたらされた混合物を綿をはめたMONSTR-PETTEに通して濾過し、酢酸エチル(10mL)によって洗浄した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(2×5mL)によって洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残さをシリカのカラムに通して(n−ヘキサン/酢酸エチル、3:1〜2:1)、6−ヒドロキシ−1−(2−ピリミジンチオ)−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−β−D−マイカミノース(23mg、59%)を淡黄色泡状物として提供した。1H NMR (CDCl3, 600 MHz) δ = 8.51 (d, 2H, J = 4.8 Hz, CH of Pym), 8.15 (dd, 2H, J = 7.9 Hz, 1.3 Hz, CH of Ph), 8.05 (dd, 2H, J = 7.9 Hz, 1.3 Hz, CH of Ph), 8.02 (dd, 2H, J = 7.9 Hz, 1.3 Hz, CH of Ph), 7.62-7.58 (m, 2H, CH of Ph), 7.57-7.53 (m, 1H, CH of Ph), 7.46 (dt, 4H, J = 7.9 Hz, 3.0 Hz, CH of Ph), 7.39 (t, 2H, J = 7.9 Hz, CH of Ph), 6.96 (t, 1H, J = 4.8 Hz, CH of Pym), 6.70 (d, 1H, J = 2.8 Hz, H-1), 6.01 (dd, J = 6.8 Hz, 2.8 Hz, H-4), 5.91 (dd, 1H, J = 6.3 Hz, 2.8 Hz, H-2), 4.86-4.83 (m, 1H, H-5), 4.65 (t, 2H, J = 3.8 Hz, H-6), 3.36-3.35 (m, 1H, H-3), 2.54 (s, 6H, N(CH3)2); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ = 166.1, 165.5, 165.3, 157.5, 133.5, 133.4, 133.0, 130.0, 129.8, 129.8, 129.7, 128.7, 128.5, 128.3, 117.2, 81.6, 71.7, 69.9, 63.8, 62.3, 43.9; HRMS (ESI) C33H32N3O7S [M+H]+ 計算: 614.1961. 実測: 614.2010
糖合成の参照物
1. Velvadapu, V.; Andrade, R. B. Carbohydr. Res. 2008, 343, 145-150.
2. van Summeren, R. P.; Feringa, B. L.; Minnaard, A. J. Org. Biomol. Chem. 2005, 3, 2524-2533.
3. Oh, H.-S.; Xuan, R.; Kang, H.-Y. Org. Biomol. Chem. 2009, 7, 4458-4463.
4. Wang, L.-X; Lee, Y. C. J. Chem. Soc, Perkin Trans. 1 1996, 581-591.
5. Rodriguez-Perez, T.; Lavandera, I.; Fernandez, S.; Sanghvi, Y. S.; Ferrero, M.; Gotor, V. Eur. J. Org. Chem. 2007, 2769-2778.
6. Peri, F.; Marinzi, C.; Barath, M.; Granucci, F.; Urbano, M.; Nicotra, F. Bioorg. Med. Chem. 2006, 14, 190-199.
7. Walvoort, M. T. C.; Moggre, G.-J.; Lodder, G.; Overkleeft, H. S.; Codee, J. D. C.; van der Marel, G. A. J. Org. Chem. 2011, 76, 7301-7315.
8. Rehnberg, N.; Magnusson, G. J. Org. Chem. 1990, 55, 5467-5476.
一般的なアルドール法
本明細書において一般的に記載される通り、左半分の構築において、シュードエファナミン(ephanamine)グリシンアミドがアルデヒドおよびケトンへの高度に選択的な付加を受け、高いジアステレオ選択性を有する生成物をシングルステップで作り出すということが発見された(R
29はR
8よりも立体化学的に大きい基である)。図3は、下の表Z1において提供されているエントリー5について、この観察されたジアステレオ選択性のジマーマン・トラックスラーおよびフェルキン・アーンのモデルを示している。表Z2はジアステレオ選択的なアルドール法のさらなる例を示しており、ジアステレオマー比は主異性体(描かれている)対全ての他の副ジアステレオマーの合計の比として表されている。
スキームEX−1は、中間体アルドール生成物からのキラル補助剤の加水分解の例を示している。スキームEX−2は、キラル補助剤の加水分解の代替的な経路の例を示している。スキームEX−3は、キラル補助剤の加水分解後の窒素基保護の例を示している。
生物学的スクリーニング
このプラットホームから作られた合計で50個の新規のマクロライドについて、マクロライド耐性機構(上記参照)に特段の焦点を当てて、B.subtilis、E.coli、S.aureus、S.pneumoniae、およびH.influenzaeの21個超の固有株(いくつかの多剤耐性株を含む)に対するMICデータを集めた。アジスロマイシンは対照のマクロライドとして含まれた。培地希釈MIC決定のためのCLSI標準手順を用いた。現在までに作ったより興味深いアナログのいくつかの試用を表M1〜M8に示す。あるアナログは、アジスロマイシンよりも高い活性を、細菌の全ての株において、特に排出(mef、msr)およびメチラーゼ(erm)遺伝子型(これらは、米国および欧州においてマクロライドに対する耐性の2つの最も普遍的な形態である)を有するS.aureusおよびS.pneumoniaeに対して示す(ermA/B=リボソームメチル化、mefA、msrA=マクロライド排出)。これらの遺伝子型は構成的または誘導性であり得る。「アザケトライド」マクロライドクラスのC4エピ(非天然)異性体がC4天然異性体と相対的に増強された活性を有するという発見は、非常に刺激的である。
将来的には、全ての全合成マクロライドを2段系によって評価し、これはS.aureusおよびS.pneumoniaeのマクロライド感受性株に対する最初の自前スクリーニングを伴う。それらの細菌株に対して閾値活性(4μg/mLまたはそれよりも低いMIC)を有することが見いだされたマクロライドは、次に完全なパネル(16株。マクロライド耐性株を含むグラム陽性およびグラム陰性生物)に対する2次分析を受けさせる。最適化のさらなるラウンド(合成、MIC決定)後に、高度に有望な抗微生物活性を特に耐性株に対して示すマクロライドは、感染のげっ歯類モデルによるさらなる評価を受け得る。
他の態様
特許請求の範囲において、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、逆に指示されていないかまたは文脈から別様に明らかでない限り、1つまたは1つよりも多くを意味し得る。「または」を群の1つまたは2つ以上のメンバー間に含む請求項または記載は、群のメンバーの1つ、1つより多く、または全てが所与の生成物またはプロセスにおいて存在する、用いられる、または別様に関係する場合には、逆に指示されていないかまたは文脈から別様に明らかでない限り満たされていると考えられる。本発明は、所与の生成物またはプロセスにおいて群の正確に1つのメンバーが存在する、用いられる、または別様に関係する態様を含む。本発明は、所与の生成物またはプロセスにおいて群のメンバーの1つより多くまたは全てが存在する、用いられる、または別様に関係する態様を含む。
さらに、本発明は、挙げられる請求項の1つまたは2つ以上からの1つまたは2つ以上の限定、要素、節、および説明の用語が別の請求項に導入されている、全ての変形、組み合わせ、および入れ替えを包含する。例えば、別の請求項に依存するいずれかの請求項は、同じ元の請求項に依存するいずれかの他の請求項に見いだされる1つまたは2つ以上の限定を含むように改変され得る。例えばマーカッシュ群形式において、要素が一覧として示されている場合には、要素の各下位群もまた開示されており、いずれかの要素(単数または複数)は群から除かれ得る。当然のことながら、一般的に、本発明または本発明の側面が具体的な要素および/または特徴を含むと言う場合には、本発明のある態様または本発明のある側面は、かかる要素および/もしくは特徴からなるか、または本質的になる。簡単の目的のために、それらの態様は本明細書において一々具体的に示さなかった。また、用語「を含む」および「を含有する」は開放的であることが意図されており、追加の要素またはステップの包含を許容する。範囲が与えられている場合には、エンドポイントが含まれる。さらに、別様に指示されていないかまたは文脈および当業者の理解から別様に明らかでない限り、範囲として表現されている値は、文脈が明らかに別様に指示しない限り、本発明の異なる態様において、記載された範囲内のいずれかの具体的な値または部分範囲を、範囲の下限の単位の1/10までとり得る。
本願は、種々の登録済み特許、公開済み特許願、雑誌記事、および他の公開を参照しているが、それらの全ては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照物のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書が制御するものとする。加えて、従来技術に属する本発明のいずれかの具体的な態様は、請求項のいずれか1つまたは2つ以上から明示的に除外され得る。かかる態様は当業者に公知であると見なされるので、その除外が本明細書において明示的に示されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれかの具体的な態様は、従来技術に関連するか否かにかかわらず、いずれかの請求項からいずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本明細書に記載される具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはごく通常の実験を用いて確認することが可能であろう。本明細書に記載される本発明の態様の範囲は、上の明細書に限定されることは意図されておらず、正しくは添付された特許請求の範囲において示される通りとする。当業者には当然のことながら、本明細書に対する種々の変化および改変が、次の特許請求の範囲において定義される本発明の趣旨または範囲から逸脱することなしになされ得る。