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JP6289933B2 - 酸性水中油型乳化調味料 - Google Patents

酸性水中油型乳化調味料 Download PDF

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JP6289933B2 JP2014030921A JP2014030921A JP6289933B2 JP 6289933 B2 JP6289933 B2 JP 6289933B2 JP 2014030921 A JP2014030921 A JP 2014030921A JP 2014030921 A JP2014030921 A JP 2014030921A JP 6289933 B2 JP6289933 B2 JP 6289933B2
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Description

本発明は、酸性水中油型乳化調味料に関し、詳細には、炒め油の代わりとして調理に用いるだけで、香辛料等による調味を行わずに、特有のコク味を炒め料理に付与することができる、酸性水中油型乳化調味料に関する。
従来、少量の油を入れ十分に熱したフライパンや中華鍋等の調理器具に、野菜や肉などの食材を投入し、次いで手早く加熱調理し調味する炒め料理が、家庭やレストラン等で多く喫食されている。また、このような炒め料理をより簡便に調理できる、炒め料理用の調味液等も提案されている(例えば特許文献1)。
炒め料理にコク味を付与するため、炒め油の代わりにマヨネーズ等の乳化調味料を用いる方法も提案されているが、マヨネーズ等の調味料を炒め料理に使用する際には、コク味が薄まってしまい物足りなさを感じる場合があった。
また、マヨネーズを加えるタイミングの工夫や、塩や胡椒、香辛料等による調味が必要な場合があり、調理の簡便さに欠けるという問題もあった。
さらに、近年では、より深みがありかつ広がりのある特有のコク味を付与できる炒め物用の調味料の開発も望まれている。
特開2000−333636号公報
そこで、本発明の目的は、炒め油の代わりとして調理に用いるだけで、香辛料等による調味を行わずに、特有のコク味を炒め料理に付与することができる、新たな酸性水中油型乳化調味料を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定の原料を含有し、かつ特定の水分活性を有する酸性水中油型乳化調味料において、乳化調味料に加水して加温後、冷却した時の粘度を、加水前の粘度に対して特定の範囲内に調節することにより、香辛料等による調味を行わずに、特有のコク味を炒め料理に付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)卵黄、増粘剤及び食用油脂を含有する酸性水中油型乳化調味料において、
前記乳化調味料の20℃における粘度が、80Pa・s以上500Pa・s以下であり、
前記増粘剤が少なくとも熱水溶解性増粘剤を含み、
水分活性が0.73以上0.90以下であり、
100質量部の前記乳化調味料と20質量部の水とで混合物を調製した後、90℃以上100℃以下で5分間加熱し、次いで20℃に冷却した時の粘度が、加熱前の前記混合物の20℃における粘度よりも高く、かつ加水前の前記乳化調味料の20℃における粘度の15%以上60%以下であり、
加熱後冷却時の前記混合物の乳化状態が維持されていることを特徴とする、
酸性水中油型乳化調味料、
(2)(1)に記載の酸性水中油型乳化調味料において、
前記卵黄が少なくともホスフォリパーゼA処理卵黄を含む、
酸性水中油型乳化調味料、
(3)(1)又は(2)に記載の酸性水中油型乳化調味料において、
前記増粘剤が、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、及び糊化澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の冷水溶解性増粘剤と、
タピオカ澱粉及びジェランガムからなる群から選択される少なくとも1種の前記熱水溶解性増粘剤とを含む、
酸性水中油型乳化調味料、
(4)(1)〜(3)に記載の酸性水中油型乳化調味料において、
前記食用油脂の含有量が、前記乳化調味料の全量に対して、40質量%以上75質量%である、
酸性水中油型乳化調味料、
である。
本発明によれば、炒め油の代わりとして調理に用いるだけで、香辛料等による調味を行わずに、特有のコク味を炒め料理に付与することができる、酸性水中油型乳化調味料を提供することができる。したがって、酸性水中油型乳化調味料を用いた種々のメニューの提案等、乳化調味料の更なる需要拡大が期待できる。
<本発明の特徴>
本発明は、卵黄、増粘剤及び食用油脂を含有する酸性水中油型乳化調味料において、前記乳化調味料の20℃における粘度が、80Pa・s以上500Pa・s以下であり、前記増粘剤が少なくとも熱水溶解性増粘剤を含み、水分活性が0.73以上0.90以下であり、100質量部の前記乳化調味料と20質量部の水とで混合物を調製した後、90℃以上100℃以下で5分間加熱し、次いで20℃に冷却した時の粘度が、加熱前の前記混合物の20℃における粘度よりも高く、かつ加水前の前記乳化調味料の20℃における粘度の15%以上60%以下であり、加熱後冷却時の前記混合物の乳化状態が維持されていることに特徴を有する。
このような構成により、香辛料等による調味を行わずに、特有のコク味を炒め料理に付与することができる、酸性水中油型乳化調味料を製造することができる。
本発明においては、加水前の乳化調味料の20℃における粘度と、乳化調味料に加水した混合物の加熱前及び加温後冷却した時の20℃における粘度との関係を規定することで、炒め料理における調理時の一連の状態変化、すなわち、加水前の常温状態から、炒め料理の水分と混ざった後に高温へと加熱され、その後常温近くまで冷却されるという一連の状態変化を経た後の乳化調味料の状態を表している。加熱後冷却時の混合物の乳化状態が維持されているということは、炒め料理に付与された乳化調味料も乳化状態を維持でき、特有のコク味を炒め料理に付与することができる。
<酸性水中油型乳化調味料>
酸性水中油型乳化調味料とは、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散して水中油型の乳化状態が維持された酸性乳化調味料のことをいう。このような酸性水中油型乳化調味料としては、一般的にマヨネーズ類又は半固体状乳化ドレッシング等と称されるものが挙げられる。
<酸性水中油型乳化調味料のpH>
本発明による酸性水中油型乳化調味料のpHは、常温流通可能とするために、4.6以下に調整されたものであるとよく、さらに3.5以上4.6以下であるとよく、特に4.0以上4.6以下Pa・sであるとよい。乳化調味料のpHが上記数値範囲内であれば、保存性が良好となる。
<酸性水中油型乳化調味料の水分活性>
本発明による酸性水中油型乳化調味料の水分活性(Aw)は、0.73以上0.90以下であり、0.75以上0.90以下であるとよく、さらに0.75以上0.85以下であるとよい。乳化調味料の水分活性が0.73未満であると、調味料が炒め料理の表面にほとんど付着しないため、特有のコク味を炒め料理に十分付与することができない。また、乳化調味料の水分活性が0.90を超えると、特有のコク味を炒め料理に十分付与することができない。
なお、本発明における乳化調味料の水分活性は、水分活性測定装置(novasina社製、型番:LabMaster−aw)を用い25℃で測定した値である。
<酸性水中油型乳化調味料の粘度>
本発明による酸性水中油型乳化調味料の20℃における粘度(以下、「加水前粘度」と称することがある)は、80Pa・s以上500Pa・s以下であり、100Pa・s以上400Pa・s以下であるとよく、さらに100Pa・s以上300Pa・s以下であるとよい。乳化調味料の加水前粘度が上記数値範囲内であれば、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
なお、本発明における乳化調味料の粘度は、BH型粘度計を用い、ローター:No.6及び回転数:2rpmの測定条件で、2回転後の示度から換算した値である。
<酸性水中油型乳化調味料と水との混合物の粘度>
本発明による酸性水中油型乳化調味料は、100質量部の乳化調味料と、20質量部の水とで混合物を調製した後、90℃以上100℃以下で5分間加熱し、次いで20℃に冷却した時の粘度(以下、「加水加熱後冷却時粘度」と称することがある)が、加熱前の混合物の20℃における粘度(以下、「加水後粘度」)よりも高く、かつ加水前粘度の15%以上60%以下であり、25%以上60%以下であるとよく、さらに35%以上60%以下であるとよい。乳化調味料の加水加熱後冷却時粘度が加水後粘度以下であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適さない。また、乳化調味料の加水加熱後冷却時粘度が加水前粘度の15%未満であると、調味料が炒め料理の表面にほとんど付着しないため、特有のコク味を炒め料理に十分付与することができない。また、加水加熱後冷却時粘度が加水前粘度の60%を超えると、流動性が低いため炒め料理の調味液として適さず、特有のコク味を炒め料理に十分付与することができない。なお、加水後粘度は、10Pa・s以上200Pa・s以下であるとよく、さらに15Pa・s以上150Pa・s以下であるとよく、特に20Pa・s以上100Pa・s以下であるとよい。乳化調味料の加水後粘度が上記数値範囲内であれば、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<卵黄>
本発明による酸性水中油型乳化調味料に配合する卵黄は、乳化材として一般的に用いている卵黄であれば特に限定されるものではない。
例えば、鶏卵を割卵し卵白と分離して得られた生卵黄や、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩若又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられ、特にホスフォリパーゼAを用いて酵素処理を施したホスフォリパーゼA処理卵黄(以下、「リゾ化卵黄」と称することがある)を用いるのがよい。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いても良い。
また、前記リゾ化卵黄の前記酵素処理による加水分解の程度としては、リゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計量に対するリゾホスファチジルコリンの割合がイアトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合、その値(本発明の「リゾ化率」)が、10%以上80%以下であるとよく、さらに30%以上70%以下であるとよい。リゾ化率が上記範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<卵黄含有量>
本発明による酸性水中油型乳化調味料中の卵黄の含有量は、固形分換算で0.1質量%以上10質量%以下であるとよく、0.5質量%以上8質量%以下であるとよい。乳化調味料中の卵黄の含有量が上記範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<リゾ化卵黄の割合>
本発明に用いる卵黄中のリゾ化卵黄の割合は、固形分換算で卵黄全体の20質量%以上90質量%以下であるとよく、さらに40質量%以上90質量%以下であるとよく、特に60質量%以上90質量%以下であるとよい。リゾ化卵黄の割合が上記範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<増粘剤>
本発明による酸性水中油型乳化調味料に配合する増粘剤は、従来公知の食品用増粘剤を用いることができ、下記の冷水溶解性増粘剤と、下記の熱水溶解性増粘剤とを組み合わせて用いるのがよい。冷水溶解性増粘剤と、熱水溶解性増粘剤とを組み合わせて用いることで、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<冷水溶解性増粘剤>
冷水溶解性増粘剤とは、その略2wt%水溶液、より具体的には、増粘剤を1〜3wt%の範囲に調製した水分散液が5℃で熱可塑性ゲルを形成するものである。
冷水溶解性増粘剤としては、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、糊化澱粉等を挙げることができ、これらを1種で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<熱水溶解性増粘剤>
熱水溶解性増粘剤とは、加熱前では20℃において第1の増粘剤の多くあるいは全部が水に溶解していないために増粘作用が発揮されず、90℃に加熱すると水に溶解ないしゾル化することにより増粘作用が発揮され、その後に冷却するとゲル化し、20℃においても増粘作用が発揮されるものである。
熱水溶解性増粘剤としては、タピオカ澱粉、ジェランガム等が挙げることができ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<増粘剤含有量>
本発明による酸性水中油型乳化調味料中の増粘剤の含有量は、0.05質量%以上10質量%以下であるとよく、さらに0.05質量%以上5質量%以下であるとよい。冷水溶解性増粘剤と熱水溶解性増粘剤の合計の含有量が上記数値範囲内であればよく、さらに、冷水溶解性増粘剤の含有量は、0.01質量%以上5質量%以下であるとよく、熱水溶解性増粘剤の含有量は0.01質量%以上5質量%以下であるとよい。乳化調味料中の増粘剤の含有量が上記数値範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<食用油脂>
本発明による酸性水中油型乳化調味料に配合する食用油脂は、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油等の植物油の精製油、並びにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等の化学的若しくは酵素的処理を施したもの等を使用することができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<食用油脂含有量>
本発明による酸性水中油型乳化調味料中の食用油脂の含有量は、40質量%以上75質量%以下であるとよく、さらに45質量%以上70質量%以下であるとよく、特に50質量%以上65質量%以下であるとよい。食用油脂の含有量が上記範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<食酢含有量>
本発明による酸性水中油型乳化調味料には、食酢を配合することができる。乳化調味料中の食酢含有量は、酸度5%で1質量%以上20質量%以下であるとよく、1質量%以上18質量%以下であるとよい。食酢の含有量が上記範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<調味料含有量>
本発明による酸性水中油型乳化調味料には、調味料を配合することができる。調味料としては、砂糖、塩、及びグルタミン酸Na等が挙げられる。乳化調味料中の調味料の含有量は、0.001質量%以上20質量%以下であるとよく、0.005質量%以上15質量%以下であるとよい。
<香味食材>
本発明による酸性水中油型乳化調味料には、香味食材を配合することができる。香味食材としては、香味食材の粉砕物、又は香味食材の香気成分を含有した香味油脂などが挙げられる。また、香味食材としては、例えば、ニンニク、ショウガ、コショウ、ゴマ又はその焙煎品等を粉砕処理したもの等が挙げられる。これらの香味食材を用いることで、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<香味食材含有量>
本発明による酸性水中油型乳化調味料中の香味食材の含有量は、0.001質量%以上15質量%以下であるとよく、さらに0.005質量%以上10質量%以下であるとよい。香味食材の含有量が上記数値範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
<水相中水溶性粉体原料濃度>
本発明による酸性水中油型乳化調味料の水相中水溶性粉体原料濃度は、15質量%以上50質量%以下であるとよく、さらに20質量%以上40質量%以下であるとよく、特に20質量%以上30質量%以下であるとよい。水相食塩濃度が上記数値範囲内であると、炒め油の代わりとして炒め料理の調理に用いるのに適し、特有のコク味を炒め料理に付与し易くなる。
なお、水相中水溶性粉体原料濃度は、下記式(I)により算出した。
(食塩+調味料)/(100−食用油脂)×100 (%) ・・・(I)
<酸性水中油型乳化調味料の製造方法>
本発明による酸性水中油型乳化調味料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、卵黄、増粘剤、食塩、食酢、及び清水等をミキサーで均一に混合し水相原料混合液を調製する。次いで、当該水相原料混合液を撹拌しながら、食用油脂を徐々に注加することにより、酸性水中油型乳化調味料を製造する。なお、得られた酸性水中油型乳化調味料は、例えばポリプロピレン製の容器やボトルに充填することができる。
本発明による酸性水中油型乳化調味料を用いることで、香辛料等による調味を行わずに、特有のコク味を炒め料理に付与することができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<酸性水中油型乳化調味料の製造>
下記の手順に従い、表1〜3に示す配合で仕上がり100kgの酸性水中油型乳化調味料を製造した。なお、清水の配合量の残部とは、酸性水中油型乳化調味料の全原料の合計配合量(100質量部)と、清水以外の原料の合計配合量との差である。また、表1〜3には、水相中水溶性粉体原料濃度((食塩+調味料)/(100−食用油脂)×100)(%)を示した。
[実施例1]
まず、卵黄として生卵黄2質量部及びリゾ化卵黄6質量部、増粘剤としてジェランガム0.05質量部及びキサンタンガム0.1質量部、食塩6質量部、食酢(酸度5%)7質量部、調味料として砂糖及びグルタミン酸Naを合計で2質量部、香辛料2質量部、並びに清水(残部)をミキサーで均一に混合して水相原料混合液を調製した後、当該水相原料混合液を撹拌しながら、食用油脂65質量部を徐々に注加することにより、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
なお、リゾ化卵黄は生卵黄をホスフォリパーゼA2で処理したリゾ化率50%のものを用いた。
[実施例2]
実施例1において、ジェランガムの配合量を0.1質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[実施例3]
実施例1において、ジェランガムの配合量を0.5質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[実施例4]
実施例1において、ジェランガムの代わりにタピオカ澱粉0.1質量部を配合した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[実施例5]
実施例1において、ジェランガムの配合量を0.1質量部に変更し、かつキサンタンガムの配合量を0.2質量部に変更し、さらに食塩の配合量を8質量部に変更し、食用油脂の配合量を50質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[比較例1]
実施例1において、ジェランガムの代わりにタマリンドシードガム0.1質量部を配合した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[比較例2]
実施例2において、食塩の配合量を25質量部に変更し、さらに食用油脂の配合量を50質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[実施例6]
実施例2において、食塩の配合量を15質量部に変更し、さらに食用油脂の配合量を60質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[比較例3]
実施例2において、食塩の配合量を3質量部に変更し、さらに食用油脂の配合量を70質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[実施例7]
実施例2において、生卵黄の配合量を6質量部に変更し、かつリゾ化卵黄の配合量を2質量部に変更した以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
[実施例8]
実施例2において、卵黄として生卵黄の配合量を8質量部に変更し、かつリゾ化卵黄を配合しなかった以外は同様に調製して、酸性水中油型乳化調味料を製造した。
<酸性水中油型乳化調味料のpHの測定>
上記の実施例及び比較例で得られた酸性水中油型乳化調味料のpHをpH測定器((株)堀場製作所製、型番:pH METER F−22)を用いて測定した。測定結果を表1〜3に示した。
<酸性水中油型乳化調味料の水分活性の測定>
上記の実施例及び比較例で得られた酸性水中油型乳化調味料の25℃における水分活性(Aw)を水分活性測定装置(novasina社製、型番:LabMaster−aw)を用いて測定した。測定結果を表1〜3に示した。
<酸性水中油型乳化調味料の粘度の測定>
まず、上記の実施例及び比較例で得られた酸性水中油型乳化調味料の20℃における粘度(Pa・s)(加水前粘度)をBH型粘度計(東京計器(株)製、型番:B−148)を用いて、ローター:No.6及び回転数:2rpmの測定条件で測定した。測定結果を表1〜3に示した。
次に、酸性水中油型乳化調味料100質量部に清水20質量部を加えてガラス棒で撹拌し均一に混合した後、20℃における粘度(Pa・s)を、上記と同様の条件で上記粘度計を用いて測定した。次いで、前記混合物40mLを50mL容のホリプロピレン容器(Falconコニカルチューブ50mL)に移した。次に、前記ホリプロピレン容器を95℃以上100℃以下の熱水で加熱した。前記混合物の品温が90℃に達温後、90℃以上100℃以下で5分間加熱した。次いで20℃に水冷した時の粘度(Pa・s)(加水加熱後冷却時粘度)を、上記と同様の条件で上記粘度計を用いて測定した。測定結果を表1〜3に示した。
上記の加水前粘度及び加水加熱後冷却時粘度の測定結果から、加水加熱後冷却時粘度/加水前粘度(%)を算出した。測定結果を表1〜3に示した。
<炒め料理の風味の評価>
上記の実施例及び比較例で得られた酸性水中油型乳化調味料を用いて、炒め料理を製造した。まず、表面温度が常温(20℃)の炒め調理器具(フライパン)に、酸性水中油型乳化調味料15gを投入し、中火で30秒加熱しながら撹拌を行った。次いで、炒め調理器具の表面温度が100℃に達した時点で、一口大にカットした食材(ベーコン15g、キャベツ100g)を投入し、加熱しながら炒め調理を行い、炒め料理を製造した。得られた炒め料理の風味を下記の評価基準で評価した。評価結果を表1〜3に示した。
[炒め料理の風味の評価基準]
○:特有のコク味が炒め料理に十分付与されており、風味は良好であった。
△:炒め料理に付与した特有のコク味が多少薄いが、風味は問題なかった。
×:特有のコク味が炒め料理に十分付与されておらず、風味は物足りなかった。
Figure 0006289933
表1の結果から、増粘剤の種類及び配合量が、酸性水中油型乳化調味料の粘度に影響していることが分かった。さらに、乳化調味料の加水加熱後冷却時粘度が加水後粘度よりも高く、かつ「加水加熱後冷却時粘度/加水前粘度(%)」が特定の数値範囲内にあることで、乳化調味料が炒め料理の表面に良く付着して、特有のコク味が炒め料理に十分付与することができ、炒め料理の風味が良好になることが分かった。
なお、実施例1乃至5、比較例1の乳化調味料の加水加熱冷却時の乳化状態は維持されていた。
Figure 0006289933
表2の結果から、食用油脂及び食塩の配合量が、酸性水中油型乳化調味料の水分活性に影響していることが分かった。さらに、乳化調味料の水分活性が特定の数値範囲内にあることで、乳化調味料が炒め料理の表面に良く付着して、特有のコク味が炒め料理に十分付与することができ、炒め料理の風味が良好になることが分かった。
なお、実施例6、比較例2及び3の乳化調味料加の水加熱冷却時の乳化状態は維持されていた。
Figure 0006289933
表3の結果から、卵黄中のリゾ化卵黄の割合が特定の数値範囲内にあることで、乳化調味料が炒め料理の表面に良く付着して、特有のコク味が炒め料理に十分付与することができ、炒め料理の風味が良好になることが分かった。
なお、実施例7及び8の加水加熱冷却時の乳化状態は維持されていた。

Claims (4)

  1. 卵黄、増粘剤及び食用油脂を含有する炒め調理用酸性水中油型乳化調味料において、
    前記乳化調味料の20℃における粘度が、80Pa・s以上500Pa・s以下であり、
    前記増粘剤が少なくとも熱水溶解性増粘剤を含み、
    水分活性が0.73以上0.90以下であり、
    100質量部の前記乳化調味料と20質量部の水とで混合物を調製した後、90℃以上100℃以下で5分間加熱し、次いで20℃に冷却した時の粘度が、加熱前の前記混合物の20℃における粘度よりも高く、かつ加水前の前記乳化調味料の20℃における粘度の35%以上60%以下であり、
    加熱後冷却時の前記混合物の乳化状態が維持されていることを特徴とする、
    炒め調理用酸性水中油型乳化調味料。
  2. 請求項1に記載の炒め調理用酸性水中油型乳化調味料において、
    前記卵黄が少なくともホスフォリパーゼA処理卵黄を含む、
    炒め調理用酸性水中油型乳化調味料。
  3. 請求項1又は2に記載の炒め調理用酸性水中油型乳化調味料において、
    前記増粘剤が、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、及び糊化澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の冷水溶解性増粘剤と、
    タピオカ澱粉及びジェランガムからなる群から選択される少なくとも1種の前記熱水溶解性増粘剤とを含む、
    炒め調理用酸性水中油型乳化調味料。
  4. 請求項1〜3に記載の炒め調理用酸性水中油型乳化調味料において、
    前記食用油脂の含有量が、前記乳化調味料の全量に対して、40質量%以上75質量%である、
    炒め調理用酸性水中油型乳化調味料。
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