JP6198469B2 - 水中油型乳化調味料 - Google Patents
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Description
プロセスチーズは、加熱溶融後に所望の形態に形成して製品化できるという特徴があり、ブロック型やスライス形状など、非常にバラエティに富んだ形状の製品が市場に流通している(特許文献1)。
このような半固形状乳化食品は、細口のノズルから吐出して線描きすることにより、曲線状のトッピングを形成することも容易であり、トッピング形態の自由度が高い。
しかし、このようなトッピング材を含め、従来のマヨネーズ様食品、クリーム様食品等の半固形状乳化食品では、加熱したときに、チーズが加熱溶融したようなツヤは得られなかった。
(1)サイリウムシードガムと、澱粉分解物とを含有し、
前記サイリウムシードガムが非溶解状態で分散されてなる、
水中油型乳化調味料、
(2)(1)記載の水中油型乳化調味料において、
乳化性澱粉をさらに含有する、
水中油型乳化調味料、
(3)(1)または(2)に記載の水中油型乳化調味料において、
卵黄を0.1〜5%(固形分換算)含有する、
水中油型乳化調味料、
である。
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載の水中油型乳化調味料において、
前記水中油型乳化調味料を昇温速度2.5℃/分で20℃から90℃まで昇温させ、その後、降温速度10℃/分で90℃から20℃まで降温させた場合の、複素粘性率が、
20℃から90℃まで昇温したときは徐々に低下し続け、
かつ、90℃から20℃まで降温したときは徐々に上昇し続ける、
水中油型乳化調味料、
である。
これにより、線描きのように自由度の高いパターンで塗布されたトッピングであって、かつ加熱溶融したチーズのような外観を有するトッピングを、食品表面に形成することができる。
本発明の水中油型乳化調味料は、加熱とその後の冷却により、加熱溶融したチーズのようなツヤを呈することに特徴を有する。
具体的には、サイリウムシードガムと、澱粉分解物とを含有する。
前記サイリウムシードガムが非溶解状態で分散されてなる。
ここで、図1は、本発明の水中油型乳化調味料について、レオメータを用いて測定される温度と複素粘性率(昇温速度2.5℃/分、測定周波数1Hz)との関係を示したものである。図中、横軸は20.0℃から90.0℃までの温度を示し、縦軸は水中油型乳化調味料の複素粘性率の対数値を示している。
本発明の水中油型乳化調味料は、サイリウムシードガムと、澱粉分解物とを含有し、前記サイリウムシードガムが非溶解状態で分散されてなり、食用油脂が油滴として水相中にほぼ均一に分散して水中油型の乳化状態となっているものである。
本発明の水中油型乳化調味料の製品形態としては、食用油脂、食酢および卵黄を含有するマヨネーズ類または半固形状乳化ドレッシング等のpHが4.6以下の酸性水中油型乳化調味料のほか、クリームソース、ホワイトソース、オランデーズソース等を挙げることができる。これらの中でも、食用油脂、食酢および卵黄を含有する酸性水中油型乳化調味料は、線描きのように自由度の高いパターンでトッピングを形成できる一方で、特に、加熱とその後の冷却により、油分離や凝固を起こしやすく、加熱溶融したチーズとは全く異なる外観となる。しかし、本発明によれば、このような酸性水中油型乳化調味料であっても、加熱とその後の冷却により、加熱溶融したチーズのようなツヤを呈する。したがって、本発明は、このような酸性水中油型乳化調味料において好適に実施できる。
<サイリウムシードガム>
本発明の水中油型乳化調味料は、サイリウムシードガムを含有する。
本発明の水中油型乳化調味料に用いるサイリウムシードガムとしては、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせることができるサイリウムシードガムであれば、いずれのものでもよい。
サイリウムシードガムとは、オオバコ科の植物(Plantago ovata FORSK.)の種子の外皮を、粉砕して得られたもの又はこれを温時〜熱時水で抽出して得られる多糖類(ガム類)のことであり、例えば、イサゴール、プランタゴ・オバタ種皮から得られるものを使用することができる。
特に、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすく、かつ、水中油型乳化調味料を加熱した後冷却した際、加熱溶融したチーズのようなツヤを呈しやすいことから、冷水での粘度発現性を抑制したサイリウムシードガムを用いるとよい。
本発明の水中油型乳化調味料は、サイリウムシードガムが非溶解状態で分散されてなる。
本発明において、非溶解状態とは、サイリウムシードガムの一部又は全部が水に溶解せず、この状態のサイリウムシードガムが水中油型乳化調味料中にほぼ均一に分散していることをいう。すなわち、本発明の水中油型乳化調味料において、サイリウムシードガムの少なくとも一部又は全部が溶解せずに存在しており、より具体的には、サイリウムシードガムは膨潤(吸水)した状態で粒子として存在している。
一般的にサイリウムシードガムは、分子量や精製方法等によって冷水に一部は溶けるものの完全には溶けにくく、また凝集性が極めて高く水中に塊状となって存在する。そのため、従来、水中油型乳化調味料にサイリウムシードガムを使用する際には、サイリウムシードガムを水相に分散した状態で70〜100℃の温度に加熱して融解させていた。
よって、本発明において、サイリウムシードガムを非溶解状態で水中油型乳化調味料中にほぼ均一に分散させるためには、従来のサイリウムシードガムの使用方法とは異なり、水中油型乳化調味料の製造工程において、サイリウムシードガムの融点付近の70℃を超える温度で加熱することなく製造する必要がある。
本発明の水中油型乳化調味料は、サイリウムシードガムの種類にもよるが、加熱とその後の冷却により、加熱溶融したチーズのようなツヤを十分呈することができるように、サイリウムシードガムを0.3%以上含有することができ、さらに0.5%以上含有することができる。
また、細口のノズルから吐出しやすく線描き等の自由度が高いトッピングを形成しやくす、かつ、水中油型乳化調味料を加熱後冷却したときに良好な食感を得られやすいように、サイリウムシードガムを2%以下含有することができ、さらに1.5%以下含有することができる。
本発明の水中油型乳化調味料は、澱粉分解物を含有する。
本発明の水中油型乳化調味料に用いる澱粉分解物としては、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせることができる澱粉分解物であれば、いずれのものでもよい。
例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉類を分解して得られるデキストリン、マルトデキストリン、水飴等が挙げられる。
また、水中油型乳化調味料を加熱した後冷却した際、水中油型乳化調味料の表面にツヤのある被膜を形成しやすいように、DE40以下の澱粉分解物を用いるとよく、さらにDE25以下の澱粉分解物を用いるとよい。
なお、DEは澱粉分解物における分解の程度を表す指標であり、DEの値が大きくなるにつれ分解の程度が高くなる。
本発明の水中油型乳化調味料は、澱粉分解物の種類にもよるが、加熱とその後の冷却により、加熱溶融したチーズのようなツヤを十分呈することができるように、澱粉分解物を3%以上含有することができ、さらに5%以上含有することができる。
また、細口のノズルから吐出しやすく線描き等の自由度が高いトッピングを形成しやくす、かつ、水中油型乳化調味料を加熱後冷却したときに良好な食感を得られやすいように、澱粉分解物を20%以下含有することができ、さらに15%以下含有することができる。
本発明の水中油型乳化調味料は、乳化剤として、例えば、卵黄、卵白、全卵、レシチン、リゾレシチン、乳蛋白、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、乳化性澱粉等を含有することができる。
本発明の水中油型乳化調味料は、さらに乳化性澱粉を含有することができる。
本発明の水中油型乳化調味料に用いる乳化性澱粉としては、食用であり、乳化性を有する澱粉であれば特に限定はない。
例えば、乳化性を有する加工澱粉が挙げられ、特に、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすいことから、加工澱粉の中でもオクテニルコハク酸エステル化処理した澱粉を用いるとよい。また、当該処理澱粉はさらに酸で部分分解処理したものでもよく、酵素で部分分解処理したものでもよく、アルファ化したものでもよい。
本発明の水中油型乳化調味料は、後述する卵黄の含有量にもよるが、乳化性澱粉を0.1〜5%含有することができ、さらに0.5〜3%含有することができる。
乳化性澱粉の含有量が前記範囲であることにより、水中油型乳化調味料を加熱する前の油滴の微細化と、それによる水中油型乳化調味料の粘度発現と安定化に寄与する。さらに、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすくすることができる。
本発明の水中油型乳化調味料は、さらに卵黄を0.1〜5%(固形分換算)含有することができる。特に、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすくすることができるように、卵黄を0.5〜4%(固形分換算)含有するとよく、さらに1〜3%(固形分換算)含有するとよい。
また、卵黄の含有量が前記範囲であることにより、水中油型乳化調味料を加熱する前の油滴の微細化と、それによる水中油型乳化調味料の粘度発現と安定化に寄与する。
即ちリゾ化卵黄を挙げることができる。
本発明の水中油型乳化調味料において、油相は主成分として食用油脂を含有することができる。
食用油脂としては、従来の水中油型乳化調味料で使用される種々の食用油脂であれば特に限定するものではなく、具体的には、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、ごま油、こめ油、パーム油、パームオレイン、オリーブ油、落花生油、やし油、しそ油、乳脂、牛脂、ラード、魚油等の動植物油又はこれらの精製油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、エステル交換油のような化学的あるいは酵素処理等を施して得られる油脂等の1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
また、これら食用油脂としては、生クリームや牛乳等の食用油脂を含む原料により配合してもよい。
前記食用油脂の配合量としては、一般的な水中油型乳化調味料と同程度にすればよいが、特に、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすく、本発明の水中油型乳化調味料を加熱した際に、加熱によりチーズが溶融したときのような状態変化を示しやすいことから、食用油脂の配合量は10〜40%とするとよく、10〜35%とするとよい。
また、食用油脂を前記範囲とするとともに、水中油型乳化調味料の水分含有量を35〜70%にすることにより、さらに水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすく、本発明の水中油型乳化調味料を加熱した際に、加熱によりチーズが溶融したときのような状態変化を示しやすくすることができる。
本発明の水中油型乳化調味料には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分のほかに水中油型乳化調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、食酢(醸造酢)、クエン酸、乳酸、レモン果汁等の酸味剤、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖等の各種調味料、キサンタンガム等の増粘多糖類(サイリウムシードガムを除く)、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、各種エキス、辛子粉、胡椒等の香辛料、各種蛋白質やこれらの分解物、ダイス状のゆで卵、きゅうりのピクルス、玉ねぎ、パセリ等のみじん切りにした野菜等を挙げることができる。このうち、食塩、調味料及び糖類を少なくとも含んでいるとよい。
本発明の水中油型乳化調味料は、食品表面に塗布し、オーブン、スチーマー等で加熱した際、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1に示すような関係をもたせやすく、かつ、状態変化しても食品表面から垂れ落ちないように、50Pa・s以上であるとよく、さらに75Pa・s以上であるとよく、さらに100Pa・s以上であるとよい。
また、細口のノズルから吐出しやすく線描き等の自由度が高いトッピングを形成しやすく、かつ、水中油型乳化調味料を加熱後冷却したときに良好な食感を得られやすいように、前記粘度は500Pa・s以下であるとよく、さらに450Pa・s以下であるとよい。
本発明の水中油型乳化調味料は、水中油型乳化調味料自体の温度と複素粘性率に、図1A、Bに示すような関係(動的粘性特性)をもたせることを特徴としている。
具体的には、本発明の水中油型乳化調味料の昇温速度2.5℃/分で20.0℃から90.0℃に昇温させて複素粘性率を測定し、温度と複素粘性率の対数値の関係をグラフにプロットした場合に、複素粘性率が20℃から90℃まで徐々に低下し続ける(図1A)。
また、90.0℃まで昇温後、本発明の水中油型乳化調味料の速度10℃/分で90.0℃から20.0℃に降温させて複素粘性率を測定し、温度と複素粘性率の対数値の関係をグラフにプロットした場合に、複素粘性率が90℃から20℃まで徐々に増加し、昇温する前とほぼ同等の複素粘性率に戻る。
一方、図1B、2B、3Bは、温度と複素粘性率(降温速度10℃/分、測定周波数1Hz)との関係を、本発明の水中油型乳化調味料と、従来の種々の水中油型乳化調味料について示したものである。図中、横軸は90.0℃から20.0℃までの温度を示し、縦軸は種々の水中油型乳化調味料の複素粘性率の対数値を示している。
図1A、B:後述する実施例1の水中油型乳化調味料
図2A、B:後述する比較例2の水中油型乳化調味料
図3A、B:後述する比較例5の水中油型乳化調味料
図1Bを参照すると、実施例1の水中油型乳化調味料は、複素粘性率が90℃から20℃まで徐々に増加し、昇温する前とほぼ同等の複素粘性率に戻る。
このような動的粘性特性は、サイリウムシードガムおよび澱粉分解物を含有し、前記サイリウムシードガムを非溶解状態で分散した場合に生じる。この場合、本発明の水中油型乳化調味料を加熱すると、加熱によりチーズが溶融したときのように状態が変化し、その後冷却することにより、加熱溶融したチーズのようなツヤを呈する。
図2Bを参照すると、比較例2の水中油型乳化調味料は、複素粘性率が90℃から20℃まで、温度降下に伴って大きく増加し、20℃から90℃まで昇温する前よりも複素粘性率が大幅に増加する。
このような動的粘性特性は、サイリウムシードガム以外の増粘多糖類を非溶解状態で分散した場合に生じる。この場合、水中油型乳化調味料を加熱すると、加熱中に急激に粘度が増加するため、加熱によりチーズが溶融したときのような状態変化とならない。また、加熱後の冷却により、大幅に粘度が増加するため、加熱溶融したチーズのようなツヤを呈しない。
図3Bを参照すると、比較例5の水中油型乳化調味料は、複素粘性率が90℃から20℃まで、温度降下に伴って大きく低下し、昇温する前よりも複素粘性率が大幅に低下する。
このような動的粘性特性は、従来の一般的なマヨネーズ様食品で得られる。この場合、水中油型乳化調味料を加熱すると、加熱中に油分離することにより急激に粘度が低下し、その際水分が蒸発するため、その後冷却した際、加熱溶融したチーズのようなツヤを有さない。
本発明の水中油型乳化調味料の製造方法は、サイリウムシードガムを水相に分散した状態では70℃以上に加熱することなく製造する方法であり、サイリウムシードガムを水相に分散した状態では70℃以上に加熱しない点以外は、常法に従うことができる。
すなわち、サイリウムシードガムをあらかじめ水相に分散させた後、その水相を油相と混合乳化しても、又はサイリウムシードガムを、あらかじめ油相に分散させた後、その油相を水相と混合乳化しても、混合乳化後にはサイリウムシードガムは水相で分散する。
したがって、水相にサイリウムシードガムが非溶解状態で分散している本発明の水中油型乳化調味料を製造するためには、水相と油相との混合乳化前に、サイリウムシードガムを水相に分散させても油相に分散させてもよく、さらには水相と油相の混合乳化後にサイリウムシードガムを分散させてもよいが、いずれの場合においても水相にサイリウムシードガムが分散している状態では70℃以上に加熱しないようにする。
これに対し、サイリウムシードガムを水相に分散した状態であらかじめ70℃以上に加熱すると、サイリウムシードガムの多くは60〜100℃で溶解し始めるため、水相に十分な量で非溶解状態のサイリウムシードガムを分散させることが困難となり、水中油型乳化調味料を加熱した後に冷却にしても、加熱溶融したチーズのようなツヤを呈することが困難となる。
(1)水中油型乳化調味料の調製
下記の配合割合にて、水中油型乳化調味料としてマヨネーズ様食品を調製した。すなわち、食酢(酢酸酸度4%)、清水、デキストリン(DE18)、生卵黄、食塩、砂糖、サイリウムシードガム、グルタミン酸ナトリウム、辛子粉、キサンタンガムをホモミキサー(特殊機化工業製、T.K.オートホモミキサーMA)を用いて撹拌混合し、水相部を調製した。次いで、水相部をホモミキサーで撹拌しながら食用植物油を徐々に注加して粗乳化し、さらにコロイドミルを用いて精乳化した。次に、得られた乳化物を、容量300mLの三層ラミネート樹脂からなり、先端に直径10mmの内容物の吐出穴が設けられている可撓性チューブ容器に充填することにより、本発明のマヨネーズ様食品を調製した。
なお、本実施例の水中油型乳化調味料においては、澱粉分解物としてデキストリン(DE18)を使用した。
得られたマヨネーズ様食品の粘度(25℃)は、240Pa・sであった。
(油相)
食用植物油 30%
(水相)
食酢(酢酸酸度4%) 26%
デキストリン(DE18) 10%
生卵黄(固形分含量50%) 6%
食塩 4%
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム 2%
サイリウムシードガム 2%
砂糖 2%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
辛子粉 0.5%
キサンタンガム 0.4%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
(2−1)加熱による状態変化と冷却後のツヤの評価
得られた実施例1のマヨネーズ様食品を、可撓性チューブ容器の吐出穴から、スライスした食パンの切断面全体に押し付けながら絞り出し、一辺5cmの正方形状(厚さ約2mm)になるようトッピングを形成した。また、対照として、市販の「とろける」タイプスライスチーズ(厚さ2mm)を一辺5cmの正方形状になるよう切断し、食パンの上に載せた。次に、それぞれを、オーブンで焼成(200℃、10分間)し、常温になるまで冷却した後、次の基準で目視により評価した。
A:対照と同程度に伸びて広がっており、加熱による伸展性に優れている。
B:対照よりも伸びにくく、加熱による伸展性にやや劣るが問題のない程度である。
C:加熱前と変化がほとんどなく、対照よりも伸びにくく、加熱による伸展性に劣る。
A:対照と同程度のツヤを有している。
B:対照よりもややツヤがないが、問題のない程度である。
C:表面がでこぼこしているか、くすんでおり、対照のようなツヤはない。
実施例1のマヨネーズ様食品の動的粘性特性を次の測定条件で測定し、温度と複素粘性率の関係を求めた。
・測定装置:レオメータAR−G2(ティー・エイ・インスツルメントジャパン(株))
・ジオメトリー:Φ40mm パラレルプレート、アルミニウム製
・ギャップ:1400μm
・測定モード:温度変化測定(Temperature ramp)
・初期温度設定:20.0℃(測定温度になってから3分間平衡化後、測定)
・昇温設定:20.0℃から90.0℃に昇温
・昇温速度:2.5℃/分
・降温設定:90.0℃から20.0℃に降温
・降温速度:10℃/分
・動的歪み(固定):0.01%
・振幅周波数(固定):6.283rad/s(1Hz)
・試料量:約2g
・評価値:η*(Pa・s):複素粘性率
本発明の水中油型乳化調味料の温度と複素粘性率の対数値の関係をグラフにプロットした場合に、図1Aから、複素粘性率が20.0℃から90.0℃まで徐々に低下し続けることがわかる。一方、図1Bから、複素粘性率が90.0℃から20.0℃まで徐々に増加し、昇温する前とほぼ同等の複素粘性率に戻ることがわかる。
[比較例1]
実施例1のマヨネーズ様食品の調製において、調製した水相部を70℃まで加熱した後、水相部を撹拌しながら食用植物油を徐々に注加して粗乳化した以外は、実施例1と同様の方法でマヨネーズ様食品を調製した。得られた比較例1のマヨネーズ様食品の粘度は460Pa・sであった。
また、実施例1と同様に加熱による状態変化と冷却後のツヤの評価を行った。結果を表1に示す。
特開2010−154818号の実施例1と同様にして、以下の配合割合で比較例2のマヨネーズ様食品を調製した。すなわち、サイリウムシードガムを含有しない従来のトッピング形成用のマヨネーズ様食品を調製した。得られた比較例2のマヨネーズ様食品の粘度は150Pa・sであった。
(油相)
食用植物油 40%
(水相)
食酢(酢酸酸度10%) 10%
生卵黄(固形分含量50%) 10%
食塩 3%
タマリンドシードガム(加熱溶解性) 1%
ゼラチン(加熱溶解性) 1%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
図2Aから、複素粘性率が20℃から40℃付近の間では徐々に低下し、40℃から70℃付近の間では徐々に増加し、70℃付近から90℃の間では温度上昇に伴って大きく増加することがわかる。
図2Bから、複素粘性率が90℃から20℃まで、温度降下に伴って大きく増加し、昇温する前よりも複素粘性率が大幅に増加することがわかる。
実施例1のマヨネーズ様食品において、デキストリン(DE18)の代わりに表2に示す澱粉分解物を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3、4、5のマヨネーズ様食品を調製した。
また、澱粉分解物を配合せず、減少分を清水に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例3のマヨネーズ様食品を調製した。
[実施例6]
実施例1のマヨネーズ様食品において、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを配合せず、減少分を清水に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、実施例6のマヨネーズ様食品を調製した。得られた実施例6のマヨネーズ様食品の粘度は、250Pa・sであった。
[実施例7]
実施例1のマヨネーズ様食品において、生卵黄の配合量を9%にして、増加分は清水の配合量を減少させた以外は、実施例1と同様にして、実施例7のマヨネーズ様食品を調製した。得られた実施例7のマヨネーズ様食品の粘度は、260Pa・sであった。
[比較例4]
下記の配合割合にした以外は、実施例1と同様の方法にて比較例4のマヨネーズ様食品を調製した。すなわち、従来のマヨネーズ様食品を調製した。
(油相)
食用植物油 75%
(水相)
食酢(酢酸酸度4%換算) 11%
生卵黄(固形分含量50%) 10%
食塩 1%
タマリンドシードガム(冷水溶解性) 0.2%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
図3Aから、複素粘性率が20℃から80℃付近の間では徐々に低下するが、80℃付近から90℃の間では温度上昇に伴って大きく低下することがわかる。
また、図3Bから、複素粘性率が90℃から20℃まで、温度降下に伴って大きく低下し、昇温する前よりも複素粘性率が大幅に低下することがわかる。
実施例7の水中油型乳化調味料として、以下の配合割合でクリームソースを調製した。すなわち、生クリーム、バター、デキストリン(DE18)、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、サイリウムシードガム、食塩、及び清水をミキサーに入れて撹拌混合した。次いで、得られた混合物を容量300gの三層ラミネート容器に充填することにより、実施例7のクリームソースを調製した。
得られた実施例7のクリームソースの粘度は200Pa・sであった。
(油相)
生クリーム 50%
菜種油 8%
バター 5%
(水相)
デキストリン(DE18) 10%
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム 2%
サイリウムシードガム 2%
食塩 1%
砂糖 1%
チキンブイヨン 1%
オニオンパウダー 1%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
Claims (4)
- サイリウムシードガムと、澱粉加水分解物とを含有し、
前記サイリウムシードガムが非溶解状態で分散されてなり、
前記澱粉加水分解物がDE9以上である、
水中油型乳化調味料。 - 請求項1記載の水中油型乳化調味料において、
乳化性澱粉をさらに含有する、
水中油型乳化調味料。 - 請求項1または請求項2に記載の水中油型乳化調味料において、
卵黄を0.1〜5%(固形分換算)含有する、
水中油型乳化調味料。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の水中油型乳化調味料において、
前記水中油型乳化調味料を昇温速度2.5℃/分で20℃から90℃まで昇温させ、
その後、降温速度10℃/分で90℃から20℃まで降温させた場合の、複素粘性率が、
20℃から90℃まで昇温したときは徐々に低下し続け、
かつ、90℃から20℃まで降温したときは徐々に上昇し続ける、
水中油型乳化調味料。
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