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JP6154540B2 - 船舶特性推定装置 - Google Patents

船舶特性推定装置 Download PDF

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JP6154540B2
JP6154540B2 JP2016505098A JP2016505098A JP6154540B2 JP 6154540 B2 JP6154540 B2 JP 6154540B2 JP 2016505098 A JP2016505098 A JP 2016505098A JP 2016505098 A JP2016505098 A JP 2016505098A JP 6154540 B2 JP6154540 B2 JP 6154540B2
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Description

本発明は、船舶の特性を推定する船舶特性推定装置に関する。
従来より、船舶の状態(経時的に変化する船舶の特性)を正確に把握するための様々な試みがなされている。例えば、特許文献1には、船舶に取り付けられた各種センサによって検出された運転情報(船舶の主機の温度、圧力、回転数等)に基づいて、船舶の状態を診断可能なシステムが開示されている。
特開2002−316692号公報
ところで、船舶の状態を把握するにあたり、船舶の対水速度(水に対する船舶の速度)に影響を与えるパラメータの値と、各値に対応する実際の船舶の対水速度との関係を把握することは、非常に重要である。この関係性を把握することで、例えば一例として、船舶の航行計画をより正確に立てることができるようになる。しかし、上述した特許文献には、このことについては何ら記載されていない。
例えば、船舶の対水速度に影響を与えるパラメータとして、船舶のプロペラの回転数、及び船舶に対する風力、が挙げられる。そして、ある船舶において、プロペラの回転数と、該回転数に起因する船舶の対水速度との関係性を把握しようとすると、船舶の対水速度に影響を与える他のパラメータ(風力等)を一定に保った状態で実験を行う必要があり、非常に手間がかかる。これは、船舶に対する風力と、該風力に起因する船舶の対水速度との関係性を把握する場合も、同様である。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、船舶の対水速度に影響を与えるパラメータの値と、該パラメータに起因する船舶の対水速度との関係性を、容易に把握することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る船舶特性推定装置は、航行する船舶が位置する対象地点における表層流の速度ベクトルである表層流速度ベクトル、及び、前記対象地点における前記船舶のプロペラの回転数の入力を受け付けるとともに、受け付けられた前記表層流速度ベクトルの値及び前記回転数の値の組み合わせにより特定される各条件に対応する値を、前記プロペラの回転に起因する前記船舶の速度ベクトルであるプロペラ推進速度ベクトルと前記表層流速度ベクトルとが合成された対象速度ベクトル、と推定して出力する推定器と、前記推定器で推定された前記対象速度ベクトルとしての出力値と、前記表層流速度ベクトルとに基づき、前記プロペラ推進速度ベクトルを算出するプロペラ推進速度算出部と、を備えている。
(2)好ましくは、前記プロペラ推進速度算出部は、前記推定器から出力された前記出力値から、前記表層流速度ベクトルを減算することにより、前記プロペラ推進速度ベクトルを算出する。
(3)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る船舶特性推定装置は、航行する船舶が位置する対象地点における該船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部と、前記対象地点における表層流の速度ベクトルである表層流速度ベクトル、及び、前記対象地点における前記船舶のプロペラの回転数の入力を受け付けるとともに、受け付けられた前記表層流速度ベクトルの値及び前記回転数の値の組み合わせにより特定される各条件に対応する値を、前記プロペラの回転に起因する前記船舶の速度ベクトルであるプロペラ推進速度ベクトルと前記表層流速度ベクトルとが合成された対象速度ベクトル、と推定して出力する推定器と、前記推定器で推定された前記対象速度ベクトルとしての出力値と、前記対地速度算出部で算出された前記対地速度ベクトルとに基づき、前記対象地点における前記船舶に対する風力に起因する前記船舶の速度ベクトルである風力推進速度ベクトルを算出する風力推進速度算出部と、を備えている。
なお、対地速度とは、地面に対する速度である。
(4)好ましくは、前記風力推進速度算出部は、前記対地速度ベクトルから、前記推定器から出力された前記出力値を減算することにより、前記風力推進速度ベクトルを算出する。
(5)好ましくは、前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成されている。
(6)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部を更に備え、前記推定器は、前記各条件に対応する複数の前記対地速度ベクトルの平均値を前記出力値として出力するように、構成されている。
(7)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部と、前記推定器からの前記出力値と、前記対地速度ベクトルで算出された前記対地速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該対地速度ベクトルとの誤差が少なくなるように、前記推定器を更新する更新部と、を更に備えている。
(8)更に好ましくは、前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成され、それぞれに、前記表層流速度ベクトルに関する情報及び前記回転数のいずれかが入力される複数の入力ユニットと、前記対象速度ベクトルとしての前記出力値を出力する出力ユニットとを有し、前記ニューラルネットワークにおける入力側のユニットから出力される値には、結合係数が乗算された後、出力側のユニットに伝送され、前記更新部は、前記出力値と、教師信号としての前記対地速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該教師信号との誤差が少なくなるように、前記結合係数を更新する。
(9)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部と、前記船舶に搭載され、GNSS信号を受信するGNSS信号受信部と、を更に備え、前記対地速度算出部は、前記GNSS信号受信部で受信されたGNSS信号、及び該GNSS信号が受信された時刻に基づき、前記対地速度ベクトルを算出する。
(10)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記回転数を検出するプロペラ回転数検出部と、前記表層流速度ベクトルを計測する潮流計と、を更に備え、前記推定器には、前記プロペラ回転数検出部で検出された前記回転数と、前記潮流計で計測された前記表層流速度ベクトルと、が入力される。
(11)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る船舶特性推定装置は、航行する船舶が位置する対象地点における前記船舶のプロペラの回転数を受け付けるとともに、受け付けられた前記回転数の各値に対応する値を、前記プロペラの回転に起因する
前記船舶の速度ベクトルであるプロペラ推進速度ベクトル、と推定して出力する推定器、を備えている。
(12)好ましくは、前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成されている。
(13)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記船舶の対水速度ベクトルを算出する対水速度算出部を更に備え、前記推定器は、前記回転数の検出時における複数の前記対水速度ベクトルであって、前記回転数の各値に対応する複数の前記対水速度ベクトル、の平均値を、前記プロペラ推進速度ベクトルとして出力するように、構成されている。
(14)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記船舶の対水速度ベクトルを算出する対水速度算出部と、前記推定器からの出力値と、前記対水速度算出部で算出された前記対水速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該対水速度ベクトルとの誤差が少なくなるように、前記推定器を更新する更新部と、を更に備えている。
(15)更に好ましくは、前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成され、前記回転数が入力される入力ユニットと、前記出力値を出力する出力ユニットとを有し、前記ニューラルネットワークにおける入力側のユニットから出力される値には、結合係数が乗算された後、出力側のユニットに伝送され、前記更新部は、前記出力値と、教師信号としての前記対水速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該教師信号との誤差が少なくなるように、前記結合係数を更新する。
(16)好ましくは、前記船舶特性推定装置は、前記推定器から出力された出力値と、前記対象地点における前記船舶の対水速度ベクトルとに基づき、前記対象地点における前記船舶に対する風力に起因する前記船舶の速度ベクトルである風力推進速度ベクトル、を算出する風力推進速度算出部、を更に備えている。
(17)更に好ましくは、前記風力推進速度算出部は、前記対水速度ベクトルから、前記推定器から出力された前記出力値を減算することにより、前記風力推進速度ベクトルを算出する。
本発明によれば、船舶の対水速度に影響を与えるパラメータの値と、該パラメータに起因する船舶の対水速度との関係性を、容易に把握できる。
本発明の実施形態に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す推定器の構成の一例を示す模式図である。 対象速度、プロペラ推進速度、及び表層流速度の関係を示すベクトル図である。 表示部に表示される主機特性の一例を示す図である。 推定器からの出力値が、対象速度に収束する理由を説明するための図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 図7に示す推定器について詳細に説明するための図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 図10に示す学習係数設定処理部の構成を示すブロック図である。 記憶部に記憶されるテーブルと、そのテーブルの各セルに対応して記憶される自己組織化マップSOMと、を模式的に示す図である。 変形例に係る表層流推定装置の学習係数設定処理部の構成を示すブロック図である。 記憶部に記憶されるテーブルと、そのテーブルの各セルに対応して記憶される学習データとを示す図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 学習データの補完について説明するための模式図である。 表示部に表示される回転速度計の一例を示す図であって、(A)は主機が劣化していない状態時における回転速度計の図、(B)は主機がやや劣化した状態時における回転速度計の図、(C)は主機が劣化して修理が必要となった状態時における回転速度計の図、である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 表示部に表示される風力特性の一例を示す図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 図20の表示部の表示例の一例を示す図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 図22に示す推定器の構成の一例を模式的に示す図である。 推定器からの出力値が、プロペラ推進速度に収束する理由を説明するための図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 図26に示す推定器について詳細に説明するための図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 変形例に係る船舶特性推定装置の構成を示すブロック図である。 対水速度、プロペラ推進速度、及び風力推進速度Vの関係を示すベクトル図である。 対水速度を算出するための対水速度算出部の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係る船舶特性推定装置1ついて、図を参照して説明する。本発明の実施形態に係る船舶特性推定装置1は、自船(船舶)に搭載されている。船舶特性推定装置1は、船舶の対水速度のうち、該船舶のプロペラの回転に起因する速度を推定する。船舶特性推定装置1では、所定のタイミング毎に所定のパラメータ(本実施形態では、自船のプロペラの回転数、船首方向表層流速度、及び右舷方向表層流速度)が自動で求められるとともに、各パラメータの値の組み合わせにより特定される条件毎に、自船のプロペラの回転に起因する速度が算出される。
なお、以下では、船舶の対水速度のうち、該船舶のプロペラの回転に起因する速度を、プロペラ推進速度と称する。
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る船舶特性推定装置1の構成を示すブロック図である。船舶特性推定装置1は、図1に示すように、GPS信号受信部2と、プロペラ回転数検出部3と、潮流計4と、演算部10と、表示部5と、を備えている。
GPS信号受信部2は、航法衛星(図示省略)から送信される航法信号(GNSS信号)としてのGPS信号を受信するための、GNSS信号受信部として設けられている。GPS信号受信部2は、例えば、GPSアンテナによって構成されている。GPS信号受信部2で受信されたGPS信号(すなわち、自船の位置情報)は、該GPS信号が受信された時刻とともに、演算部10に通知される。
なお、本実施形態では、GNSS信号受信部としてGPS信号受信部2を用いているが、これに限らず、その他のGNSSシステムにおいて用いられる受信部を用いてもよい。ここで、GNSSとは、全地球航法衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite Systems)の略語である。このGNSSは、米国により運営される「GPS」、欧州により運営される「GALILEO」及びロシアにより運営される「GLONASS」等の総称である。
プロペラ回転数検出部3は、自船の推力を発生させるためのプロペラの単位時間当たりの回転数を検出するためのものであって、例えば、回転数を検出可能なセンサによって構成されている。プロペラ回転数検出部3で検出された回転数は、演算部10に通知される。
潮流計4は、自船位置における海水の表層部分の流速、具体的には、船首方向表層流速度、及び右舷方向表層流速度を計測するためのものであって、例えば自船の船底において水中に露出するように装備される。潮流計4では、自船位置における比較的浅い部分の表層流が計測される。潮流計4で計測された船首方向表層流速度及び右舷方向表層流速度は、演算部10に通知される。
演算部10は、GPS信号受信部2、プロペラ回転数検出部3、及び潮流計4から通知された各種情報に基づき、所定のタイミング毎に、自船位置(対象地点)におけるプロペラ推進速度を推定する。演算部10は、対地速度算出部11と、推定器12と、プロペラ推進速度算出部13と、結合係数更新部14と、主機特性算出部15を備えている。
対地速度算出部11は、GPS信号受信部2から通知される自船の位置情報、及びその自船位置情報が取得された時刻に基づき、自船の対地速度(対地速度ベクトル)を算出する。具体的には、対地速度算出部11は、少なくとも2つのタイミングにおける自船位置、及び各自船位置の位置情報が取得された時刻に基づき、自船の対地速度を算出する。対地速度算出部11は、このようにして算出した対地速度を、結合係数更新部14に通知する。
推定器12は、自船位置におけるプロペラ推進速度と表層流速度とが合成された速度(以下、対象速度と称する)を推定するように構成されている。本実施形態では、推定器12には、プロペラ回転数検出部3で検出された自船のプロペラの回転数、及び潮流計で計測された自船位置における船首方向表層流速度及び右舷方向表層流速度、が入力される。推定器12は、これらの入力値の組み合わせによって特定される条件(ある回転数、ある船首方向表層流速度、及びある右舷方向表層流速度、の組み合わせで特定される条件)に対応する値を、対象速度(対象速度ベクトル)として、プロペラ推進速度算出部13に出力する。
図2は、推定器12の構成の一例を模式的に示す図である。本実施形態では、推定器12は、一般的に知られているニューラルネットワークを用いて構成されている。具体的には、推定器12は、入力層を構成する複数の入力ユニットUIN_1,UIN_2,UIN_3と、隠れ層を構成する複数の中間ユニットUMID_1,UMID_2,UMID_3と、出力層を構成する出力ユニットUOUT_1,UOUT_2と、を備えている。なお、図2に示す推定器12の構成はあくまで一例であり、各層におけるユニット数、隠れ層の層数については、図2に示す限りでない。
推定器12では、各入力ユニットUIN_1,UIN_2,UIN_3に各入力値(プロペラの回転数等)が入力されると、それらの入力値に対して結合係数WI,Mが乗算さ
れて、隠れ層の中間ユニットUMID_1,UMID_2,UMID_3に出力される。隠れ層の各中間ユニットUMID_1,UMID_2,UMID_3は、入力された各値を合計し、その合計値に基づく値に結合係数WM,Oを乗算して出力ユニットUOUT_1,UOUT_2に出力する。出力ユニットUOUT_1,UOUT_2は、入力された各値を合計し、その合計値に基づく値を出力値として、結合係数更新部14に出力する。なお、上記推定器12に入力される値は、必ずしも、プロペラ回転数等、パラメータの値そのもののでなくてもよく、それらのパラメータと一対一の関係にある数値(例えば一例として、回転数と比例して変化する電圧値)等であってもよい。
推定器12では、初期状態においては、各結合係数Wに適当な初期値が設定されている。そして、各結合係数Wは、結合係数更新部14によって随時、更新される。具体的には、各結合係数Wは、推定器12から出力される出力値と、潮流計4で計測された表層流速度(教師信号)との誤差が少なくなるように、結合係数更新部14によって更新される。これにより、推定器12から出力される出力値は、詳しくは後述するが、結合係数Wが更新される毎に、対象速度に収束していく。
プロペラ推進速度算出部13は、推定器12から出力された対象速度としての出力値、及び潮流計4で計測された表層流速度に基づき、プロペラ推進速度を算出する。具体的には、プロペラ推進速度算出部13は、対象速度から表層流速度を減算することにより、プロペラ推進速度を算出する。
図3は、対象速度ベクトルVと、プロペラ推進速度ベクトルVと、表層流速度ベクトルVとの関係を示すベクトル図である。上述のように、対象速度ベクトルVは、プロペラ推進速度ベクトルVと、表層流速度ベクトルVとを合成したベクトルである。よって、プロペラ推進速度算出部13が、上述のように、対象速度ベクトルVから表層流速度ベクトルVを減算することにより、プロペラ推進速度ベクトルVが算出される。
結合係数更新部14は、推定器12から出力される出力値と、対地速度算出部11で算出された対地速度(教師信号)との誤差が少なくなるように、推定器12の結合係数Wを更新する。結合係数更新部14は、例えば一例として、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)を用いて、結合係数Wを更新する。
主機特性算出部15は、船舶の主機(船舶において推力を発生させるための機構部分)の特性を算出するためのものである。本実施形態では、主機特性算出部15は、プロペラの回転数に対するプロペラ推進速度を算出する。主機特性算出部15は、プロペラ推進速度算出部13で算出された、プロペラ回転数毎のプロペラ推進速度に基づき、例えば一例として回帰分析を用いることにより、主機特性を求める。
図4は、表示部5に表示される主機特性の一例を示す図である。表示部5には、図4の実線に示すような主機特性が表示される。
一般的に、主機特性は、新艇のトライアル時又は修理直後において、理想的な特性、具体的には、プロペラの回転数に対するプロペラ推進速度が速くなるような特性となる(図4破線参照)。よって、例えば、新艇のトライアル時の主機特性と、現時点での自船の主機特性とを比較することにより、エンジンの劣化状態、船体表面の汚損状態等を推測することができる。ユーザは、これらの状態を知ることにより、より正確な運航計画、異常点検の必要性等を判断することができる。
[推定器から出力される出力値について]
図5は、推定器12から出力される出力値が、該推定器12の結合係数Wが更新される毎に、対象速度(プロペラ推進速度Vと表層流速度Vとを合成した速度)に収束していく理由を説明するための図である。上述のように、推定器12に記憶される各結合係数Wは、推定器12から随時出力される値と、随時算出される教師信号としての対地速度との誤差が小さくなるように、結合係数更新部14によって更新される。
風速は、海域、時刻、気象条件等に起因して、その大きさ及び向きが異なる。よって、プロペラの回転数及び表層流速度が同じ場合における対地速度には、あらゆる大きさ及び向きの風速成分が含まれていると考えられる。よって、これらを平均化すると、風速成分が互いに打ち消し合い、プロペラ推進速度及び表層流速度を合成した速度成分、すなわち対象速度成分が残る。すなわち、推定器12の結合係数Wが、上述のように、推定器12の出力値と対地速度との誤差が小さくなるように更新されていくと、対地速度に含まれる風速成分の影響が徐々に小さくなるため、推定器12の出力値は、上述した対象速度成分に収束していく。従って、学習が十分進んだ段階においては(すなわち、結合係数が十分な回数、更新された段階においては)、推定器12からの出力値を、対象速度と推定することができる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る船舶特性推定装置1では、プロペラの回転数、潮流計4で計測された表層流速度、及び推定器12によって推定された対象速度に基づいて、プロペラ推進速度を算出している。これにより、プロペラの回転数と、その回転数のときの船舶の対水速度(プロペラ推進速度)との関係性を、比較的容易に把握することができる。
従って、本実施形態に係る船舶特性推定装置1によれば、船舶の対水速度に影響を与えるパラメータであるプロペラの回転数と、それに対応する船舶の対水速度(プロペラ推進速度)との関係性、すなわち主機特性を、容易に把握できる。
また、船舶特性推定装置1では、推定器12を、ニューラルネットワークを用いて構成している。これにより、対象速度を出力可能な推定器12を適切に構成することができる。
また、船舶特性推定装置1では、推定器12の出力値と、対地速度算出部11で算出された対地速度との誤差が少なくなるように、推定器12を更新している。これにより、学習機能を備えた推定器12を構成することができる。しかも、船舶特性推定装置1では、正確な対象速度を推定するために必要な多量のデータを航行中に蓄積することができるため、学習データ(ある条件時における対地速度のデータ)を予め準備する手間を省くことができる。
また、船舶特性推定装置1では、推定器12の出力値と、対地速度算出部11で算出された対地速度との誤差が少なくなるように、推定器12に記憶された結合係数Wを更新している。これにより、推定器12を適切に更新することができる。
また、船舶特性推定装置1では、対象速度から表層流速度を減算することにより、プロペラ推進速度を算出している。これにより、プロペラ推進速度を、更に容易に算出することができる。
また、船舶特性推定装置1では、広く普及しているGNSS、特にGPSを利用して、対地速度を正確に算出することができる。しかも、一般的な船舶には、GPSアンテナが搭載されている場合が多いため、新たな装置等を導入することなく、対地速度を算出する
ことができる。
また、船舶特性推定装置1では、自船に搭載されたプロペラ回転数検出部3及び潮流計4により、プロペラの回転数、及び表層流速度を検出している。よって、船舶特性推定装置1では、一般的な機器として普及しているプロペラ回転数検出部3及び潮流計4を利用して、プロペラ推進速度を推定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
[変形例]
(1)図6は、変形例に係る船舶特性推定装置1aの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1aは、図1に示す船舶特性推定装置1と異なり、結合係数更新部14が省略された構成となっている。すなわち、本変形例に係る船舶特性推定装置1aは、学習機能を有さない。また、本変形例に係る船舶特性推定装置1aは、GPS信号受信部2及び対地速度算出部11も、省略された構成となっている。
本変形例に係る船舶特性推定装置1aでは、予め取得された多くの学習データ(ある条件時における対地速度のデータ)に基づいて結合係数Wが決定された推定器12aによって、対象速度としての出力値が出力される。このような構成であっても、上記実施形態の場合と同様、プロペラ推進速度を容易に算出することができる。
(2)図7は、変形例に係る船舶特性推定装置1bの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1bは、上記実施形態に係る船舶特性推定装置1と比べて、推定器12bの構成が大きく異なっている。具体的には、推定器12bが、ニューラルネットワークを用いて構成されておらず、記憶部16及び更新部17を備えた構成となっている。
図8は、図7に示す推定器12bについて詳細に説明するための図である。
記憶部16には、図8に示すように、マトリックス状のテーブルが記憶されている。このテーブルには、表層流速度の各値(X1,X2,X3,…)及び回転数の各値(R1,R2,R3,…)の組み合わせによって特定される各条件(テーブルの各セルに対応)のときに算出された、対地速度が記憶されている。図8では、1つの対地速度の値が、1つの丸印で示されている。すなわち、記憶部16には、例えば、表層流速度がX1であり且つ回転数がR1のときに算出された対地速度の値が、5つ、記憶されている。
推定器12bに、プロペラ回転数検出部3で検出された回転数(例えばR2)と、潮流計4で計測された表層流速度(例えばX3)と、が入力されると、推定器12bは、回転数がR2であり且つ表層流速度がX3であるセルに含まれる対地速度(図8の場合、11個)の平均値を算出する。そして、推定器12bは、その平均値を出力値として出力する。
図5を用いて上述したように、ある条件(ある回転数及びある表層流速度の組み合わせで特定される条件)における対地速度を平均化すると、対地速度に含まれる風速成分が互いに相殺されるため、その平均値は、対象速度(プロペラ推進速度と表層流速度とを合成した速度)に近い値になる。従って、本変形例に係る推定器12bによっても、適切に対象速度を推定することができる。
更新部17は、推定器12bに入力された回転数及び表層流速度が検出されたタイミン
グにおいて算出された対地速度を用いて、記憶部16に記憶されているテーブルを更新する。具体的には、所定の回転数(例えばR3)及び所定の表層流速度(例えばX2)に算出された対地速度を、R3及びX2で特定されるセルに追加する。この動作が随時、行われることにより、航行中であっても学習データが蓄積され、より正確に対象速度を推定することができる。すなわち、本変形例に係る推定器12bも、学習機能を有している。その結果、より正確にプロペラ推進速度を算出できる。
なお、本変形例において更新部17、GPS信号受信部2、及び対地速度算出部11を省略した構成とすることにより、学習機能を有さない船舶特性推定装置1cを構成することができる(図9参照)。この場合、記憶部16に、予め所得した複数の学習データ(図8における丸印1つに対応するデータ)を記憶させておく必要がある。
(3)図10は、変形例に係る船舶特性推定装置1dの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1dは、学習係数設定処理部20を更に備えている。
推定器12dは、上記実施形態の場合と同様、ニューラルネットワークを用いて構成されるとともに、いわゆる教師あり学習によって結合係数が随時、更新されるように構成されている。船舶特性推定装置1dでは、該推定器12dからの出力値と教師信号(対地速度)との誤差が計算される。そして、船舶特性推定装置1dは、その誤差を学習信号として出力層側のユニットから入力層側のユニットへ伝播させながら、結合係数Wを更新していく。結合係数の修正量は、次の(1)式で与えられる。
[数1]
ΔWi,j n,n-1(t)=ηδi nj n-1+αΔWi,j n,n-1(t−1)…(1)
式(1)において、ΔWi,j n,n-1(t)は、n−1層のユニットjとn層のユニットiの間の結合の重みに対する修正量、ηは学習係数、δi nはn層目のユニットiからn−1層の各ユニットへ戻される学習信号、Xj n-1はn−1層のユニットjの出力値、αは安定化係数、ΔWi,j n,n-1(t−1)は前回の修正量、を示す。なお、n−1層目の層は、n層目の層よりも1つ、入力側の層である。
図11は、学習係数設定処理部20の構成を示すブロック図である。学習係数設定処理部20は、式(1)における学習係数を随時、設定するためのものである。学習係数設定処理部20は、図11に示すように、記憶部21と、SOM更新部22と、カウント部23と、学習係数算出部24と、学習係数設定部25と、を有している。
図12は、記憶部21に記憶されるテーブルと、そのテーブルの各セルに対応して記憶される自己組織化マップSOMと、を模式的に示す図である。図12に示すように、記憶部21には、所定のプロペラ回転数毎及び所定の表層流速度毎にメッシュ状に切られたテーブルが記憶されている。このテーブルの各セルには、対応する自己組織化マップSOMが記憶されている。本変形例の各自己組織化マップSOMは、n×n個のユニットで構成された2次元SOMである。各ユニットには、入力ベクトルと同次元の参照ベクトルが記憶されている。初期状態(学習が行われていない状態)では、各ユニットには、適当な参照ベクトルが設定されている。
SOM更新部22は、入力ベクトル(所定のタイミング毎に入力されるプロペラの回転数、表層流速度、対地速度、等で構成されるベクトル)に応じて、SOMを更新する。具体的には、SOM更新部22は、入力された回転数及び表層流速度が含まれるセルに記憶されるSOMを、以下のようにして更新する。
具体的には、SOM更新部22は、入力ベクトルとのユークリッド距離が最も近いユニットを勝者ユニットとし、その勝者ユニットに記憶される参照ベクトルと、勝者ユニットの周囲のユニットに記憶される参照ベクトルとを、次の(2)式に基づいて、更新する。
[数2]
i(t+1)=mi(t)+hi(t)[x(t)−mi(t)]…(2)
但し、miは参照ベクトル、x(t)は入力ベクトル、hiは、c・exp(−dis/α)で表される近傍関数である。近傍関数において、cは学習率係数、dis=|x−m|である。ここで、mは、x(t)とのユークリッド距離を最小にする参照ベクトルである。
SOM更新部22は、随時入力される入力ベクトルによって、上述した式(2)を用いて、自己組織化マップSOMを随時、更新する。
カウント部23は、入力ベクトルとの差(ユークリッド距離)がある閾値以下となる参照ベクトルを有するユニットの数をカウントする。
学習係数算出部24は、カウント部23でカウントされた値の逆数をとり、その値を学習係数として算出する。すなわち、カウント値が多い場合(類似する入力データが多い場合)には学習係数が小さくなり、カウント値が少ない場合(類似する入力データが少ない場合)には学習係数が大きくなる。
学習係数設定部25は、学習係数算出部24で算出された値を、推定器12dに通知し、(1)式における学習係数ηとして設定する。推定器12dは、その学習係数ηを用いて、(1)式に基づいて結合係数を更新した後、更新された結合係数に基づいて、対水速度ベクトルを算出する。
本変形例によれば、類似する学習データ(入力ベクトル)が多数、蓄積されている場合には、学習係数が小さくなる。この場合、上述した式(1)より明らかなように、結合係数の修正量ΔWi,j n,n-1(t)が小さくなる。一方、類似する学習データが蓄積されていない、又は少ししか蓄積されていない場合には、学習係数が大きくなる。この場合、式(1)より明らかなように、結合係数の修正量が大きくなる。これにより、本変形例によれば、類似する学習データが多く蓄積されることに起因する、推定器からの出力値の偏りを抑制することができる。
(4)図13は、変形例に係る船舶特性推定装置の学習係数設定処理部40の構成を示すブロック図である。本変形例に係る学習係数設定処理部40は、上述した変形例の学習係数設定処理部20の場合と同様、ニューラルネットワークを用いて構成された推定器で用いられる式(1)の学習係数ηを設定するためのものである。しかし、本変形例に係る学習係数設定処理部40は、上述した変形例の学習係数設定処理部20と構成が異なる。本変形例の学習係数設定処理部40は、図13に示すように、記憶部41と、学習係数算出部42と、学習係数設定部43と、を有している。
図14は、記憶部41に記憶されるテーブルと、そのテーブルの各セル(各エリア)に対応して記憶される学習データとを示す図である。図14に示すように、記憶部41には、上述した変形例の場合と同様、所定のプロペラ回転数毎及び所定の表層流速度毎にメッシュ状に切られたテーブルが記憶されている。本変形例では、各エリアに記憶されている学習データが、各学習データの対地速度に応じてマッピングされている。具体的には、図14に示すように、所定の船首方向対地速度毎、及び所定の右舷方向対地速度毎にメッシ
ュ状に切られた複数のサブエリアを有するマップにおいて、各学習データが、対地速度に応じてマッピングされている。
学習係数算出部42は、直近で入力された学習データが含まれるサブエリアに記憶される学習データの数(図14の場合は4)を、該サブエリアが含まれるエリアの全サブエリアのうち最も学習データの数が多いサブエリアに記憶される学習データの数(図14の場合はサブエリアAの10)で除算した値の逆数を正規化した値を、学習係数として設定する。そして、学習係数設定部43は、上記変形例の学習係数設定部25と同様、学習係数算出部42で設定された学習係数を推定器に通知し、(1)式における学習係数ηとして設定する。このような構成であっても、学習係数を適切に設定することができる。
(5)図15は、変形例に係る船舶特性推定装置1eの構成を示すブロック図である。本変形例では、船舶特性推定装置1eの一部を構成するGPS信号受信部2等と、演算部10eとが、別々の場所に搭載されている。具体的には、本変形例では、GPS信号受信部2と、プロペラ回転数検出部3と、潮流計4とが、自船に搭載され、演算部10eが、例えば陸地に設置されたデータセンタ30に設けられている。そして、本変形例に係る船舶特性推定装置1eは、自船に搭載された送信部19a及び受信部19bを備えている。
送信部19aは、GPS信号受信部2、プロペラ回転数検出部3、及び潮流計4で検出された各種データを、アンテナを介してデータセンタ30に送信する。データセンタ30の演算部10hでは、当該各種データに基づいて、上記実施形態の場合と同様、プロペラ推進速度を算出する。演算部10eは、プロペラ推進速度を算出し、これらをデータベース部31に保存する。受信部19bは、データベース部31に保存されたプロペラ推進速度を受信する。このデータは、表示部5に表示される。
本変形例では、上記実施形態の場合と異なり、比較的計算負荷の大きい演算部を、自船とは異なる場所に設けることができる。これにより、自船に演算部を搭載しなくても、自船位置における表層流速度を推定することができる。
(6)また、上述した実施形態及び各変形例において、学習データの蓄積が十分でない場合に、学習データを補完することもできる。
図16は、学習データの補完について説明するための模式図である。例えば、ある条件下で航行している船に対して、左舷後方45度からの表層流が作用している場合と、右舷後方45度からの表層流が作用している場合(表層流の大きさは互いに同じ)とでは、その進行方向が左右対称になると予想される。よって、図16を参照して、例えば、プロペラ回転数が所定の回転数、表層流の向きが左舷後方45度、表層流速度が所定の大きさ、のときに、対地速度がVであった場合、その学習データに基づいて、以下のようにデータを補完することができる。具体的には、プロペラ回転数及び表層流速度の大きさは上記学習データと同じであり、表層流の向きが右舷後方45度、のときの学習データとして、左右反転させたベクトルV'を補完することができる。このように学習データを補完することにより、例えば学習データの蓄積が不十分な初期段階であっても、精度よくプロペラ推進速度を推定することができる。
(7)上記実施形態では、潮流計4を用いて表層流速度を計測したが、これに限らず、潮流計4とは異なる機構の表層流推定装置等によって推定してもよい。
(8)上記実施形態では、表示部5に主機特性グラフを表示することにより、現時点における主機の状態をユーザに通知したが、これに限らない。具体的には、主機の劣化状態を示す指標を、表示部において表示することもできる。
図17は、表示部に表示される回転速度計6の一例を示す図である。回転速度計6には、回転速度の数値が記された目盛部6aが設けられていて、指示針6bがプロペラの回転速度を指し示すように構成されている。
そして、本実施形態では、指示針6bの色が、主機の劣化状態を示す指標として機能する。具体的には、主機特性が劣化していない状態では、指示針6bの色が、図17(A)に示すように、例えば青色(ハッチングなし)で表示される。また、主機特性がやや劣化した状態では、指示針6bの色が、図17(B)に示すように、例えば黄色(間隔が広いハッチング)で表示される。そして、主機特性が大きく劣化し修理が必要な状態になると、指示針6bの色が、図17(C)に示すように、例えば赤色(間隔が狭いハッチング)で表示される。これにより、ユーザは、主機特性の劣化を視覚的に容易に認識することができる。
上述した主機特性の劣化状態は、例えば一例として、新艇のトライアル時又は修理直後の主機の所定回転数時におけるプロペラ推進速度と、現時点での主機の所定回転数時におけるプロペラ推進速度との比に基づいて、判定することができる。
なお、主機の劣化状態を示す指標としては、上述のような色に限らず、例えば、劣化状態に対応する模様とすることもでき、或いは、劣化状態に応じて回転速度計6の明度が徐々に暗くなるようにすることもできる。
また、図17では、主機の劣化状態に応じて、指示針6bの色を変化させたが、これに限らず、例えば主機の回転速度がデジタル表示される場合には、デジタル表示された数字の色を、主機の劣化状態に応じて変化させてもよい。その他、主機の劣化状態を示す指標であれば、その劣化状態を示すアナウンス等の文字等、どのようなものであってもよい。
(9)図18は、変形例に係る船舶特性推定装置1fの構成を示すブロック図である。上記実施形態及び各実施形態では、船舶の特性として、プロペラ推進速度及び主機特性を算出した。これに対して、本変形例によれば、船舶の特性として、風力推進速度(自船に対する風力に起因する自船の対水速度)を算出することができる。本変形例に係る船舶特性推定装置1fは、図18に示すように、GPS信号受信部2と、プロペラ回転数検出部3と、潮流計4と、演算部10fと、表示部5と、を備えている。
GPS信号受信部2、プロペラ回転数検出部3、及び潮流計4は、上記実施形態の場合と同様の構成であり、上記実施形態の場合と同様に動作する。
演算部10fは、対地速度算出部11と、推定器12と、風力推進速度算出部26と、結合係数更新部14と、風力特性算出部27を備えている。対地速度算出部11、推定器12、結合係数更新部14は、上記実施形態の場合と同様の構成であり、上記実施形態の場合と同様に動作する。
風力推進速度算出部26は、上述したように、自船に対する風力に起因する自船の対水速度である風力推進速度を算出する。本実施形態では、風力推進速度算出部26は、推定器12から出力された対象速度としての出力値、及び対地速度算出部で算出された対地速度に基づき、風力推進速度を算出する。具体的には、風力推進速度算出部26は、対地速度から対象速度(推定器12からの出力値)を減算することにより、風力推進速度を算出する。
図3を参照して、対地速度Vは、対象速度Vと風力推進速度VWindとを合成し
たベクトルである。よって、風力推進速度算出部26が、上述のように、対地速度Vから対象速度Vを減算することにより、風力推進速度VWindが算出される。
風力特性算出部27は、船舶に対する風力によって、船舶がどのような速度で移動するかを算出するためのものである。本実施形態では、風力特性算出部27は、風力の方向及び大きさに対する風力推進速度を算出する。
図19は、表示部5に表示される風力特性の一例を示す図である。表示部5には、例えば一例として、図19に示すような風力特性が表示される。図19では、風速の大きさがV[m/s]、V[m/s]、V[m/s]の場合のそれぞれにおいて、水平方向における各方位から風が吹いてきたと仮定した場合における、自船の移動速度(すなわち、風力推進速度)が表示される。これにより、ユーザは、どのような風向及び風速のときに、自船がどれくらい流されるか(移動するか)を知ることができる。そうすると、ユーザは、例えば一例として、今後の航路をより適切に推測することができる。
なお、上記実施形態に係る船舶特性推定装置1における変形例として説明した各変形例は、本変形例に適宜、適用することができる。
(10)図20は、変形例に係る船舶特性推定装置1gの構成を示すブロック図である。上記実施形態及び変形例では、船舶特性として、主機特性又は風力特性を算出した。これに対して、図20に示すように、本変形例によれば、主機特性及び風力特性の両方を算出することができる。
図21は、本変形例に係る船舶特性推定装置1gの表示部5の表示例の一例を示す図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1gでは、主機特性算出部15で算出された主機特性、及び風力特性算出部27で算出された風力特性に基づき、所定時間経過後の自船位置の範囲を推定することができる。図21は、主機の回転数が所定の回転数に維持された場合における、自船位置の範囲が示されている。具体的には、図21の実線で示す範囲は、主機が所定回転数での航行を続けた場合であって、最大で風速V[m/s]の大きさの風が吹き続けた場合における、自船が存在しうる範囲を示している。これにより、ユーザは、所定時間経過後において自船が存在しうる範囲を予測することができる。
また、本変形例において、例えば、ユーザが所望の回転数を入力することにより、当該回転数に基づいた位置範囲の予測を行うこともできる。更には、本変形例において、表層流速度をも加味することにより、より精度の高い位置予測を行うこともできる。
(11)図22は、変形例に係る船舶特性推定装置1hの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1hは、上記実施形態及び各変形例に係る船舶特性推定装置と同様、プロペラ推進速度及び主機特性を算出するが、その算出方法が異なっている。
本変形例に係る船舶特性推定装置1hは、図22に示すように、プロペラ回転数検出部3と、対水速度計7と、推定器12hと、結合係数更新部14と、主機特性算出部15と、を備えている。プロペラ回転数検出部3は、上記実施形態の場合と同様に動作するため、その詳細な説明を省略する。
対水速度計7は、自船付近の対水速度を計測するためのものであり、自船に搭載されている。対水速度計7としては、例えば一例として、音響式の対水速度計が挙げられるが、これに限らず、その他の方式のものであってもよい。
図23は、推定器12hの構成の一例を模式的に示す図である。本実施形態では、推定器12hは、上記実施形態の場合(図2参照)と同様、ニューラルネットワークを用いて構成されている。しかし、上記実施形態の場合と異なり、プロペラの回転数が入力される入力ユニットUIN_1が1つ、設けられている。なお、推定器12hの構成はあくまで一例であり、各層におけるユニット数、隠れ層の層数については、図23に示す限りでない。
推定器12hでは、初期状態においては、各結合係数Wに適当な初期値が設定されている。そして、各結合係数Wは、結合係数更新部14によって随時、更新される。具体的には、各結合係数Wは、推定器12hから出力される出力値と、対水速度計7で計測された対水速度(教師信号)との誤差が少なくなるように、結合係数更新部14によって更新される。
結合係数更新部14は、推定器12hから出力される出力値と、対水速度計7で計測された対水速度(教師信号)との誤差が少なくなるように、推定器12hの結合係数Wを更新する。結合係数更新部14は、例えば一例として、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)を用いて、結合係数Wを更新する。
主機特性算出部15は、上記実施形態の場合と同様に動作することにより、例えば一例として図4に示す主機特性を算出する。
[推定器から出力される出力値について]
図24は、推定器12hから出力される出力値が、該推定器12の結合係数Wが更新される毎に、プロペラ推進速度に収束していく理由を説明するための図である。上述のように、推定器12hに記憶される各結合係数Wは、推定器12hから随時出力される値と、随時計測される教師信号としての対水速度との誤差が小さくなるように、結合係数更新部14によって更新される。
上記実施形態において上述したように、風速は、海域、時刻、気象条件等に起因して、その大きさ及び向きが異なる。よって、プロペラの回転数が同じ場合における対水速度には、あらゆる大きさ及び向きの風速成分が含まれていると考えられる。よって、これらを平均化すると、風速成分が互いに打ち消し合い、プロペラ推進速度が残る。すなわち、推定器12hの結合係数Wが、上述のように、推定器12hの出力値と対水速度との誤差が小さくなるように更新されていくと、対水速度に含まれる風速成分の影響が徐々に小さくなるため、推定器12hの出力値は、プロペラ推進速度に収束していく。従って、学習が十分進んだ段階においては(すなわち、結合係数が十分な回数、更新された段階においては)、推定器12hからの出力値を、対象速度と推定することができる。
以上のように、本変形例に係る船舶特性推定装置1hでは、プロペラの回転数、及び対水速度に基づいて、プロペラ推進速度を算出している。これにより、プロペラの回転数と、その回転数のときの船舶の対水速度(プロペラ推進速度)との関係性を、比較的容易に把握することができる。しかも、本変形例に係る船舶特性推定装置1hによれば、上述した実施形態の場合よりも、プロペラ推進速度を推定するために必要となるパラメータが少なくて済むため、主機特性をより容易に求めることができる。
また、船舶特性推定装置1hでは、推定器12hを、ニューラルネットワークを用いて構成している。これにより、プロペラ推進速度を出力可能な推定器12hを適切に構成することができる。
また、船舶特性推定装置1hでは、推定器12hの出力値と、対水速度との誤差が少な
くなるように、推定器12hを更新している。これにより、学習機能を備えた推定器12hを構成することができる。しかも、船舶特性推定装置1hでは、正確なプロペラ推進速度を推定するために必要な多量のデータを航行中に蓄積することができるため、学習データ(ある条件時における対地速度のデータ)を予め準備する手間を省くことができる。
また、船舶特性推定装置1hでは、推定器12hの出力値と対水速度との誤差が少なくなるように、推定器12hに記憶された結合係数Wを更新している。これにより、推定器12hを適切に更新することができる。
なお、本変形例に係る船舶特性推定装置1hに、図10から図14を参照して説明した学習係数設定処理部を設けることもできる。これにより、図10から図14を参照して説明した変形例の場合と同様、適切な学習係数を設定できる。
(12)図25は、変形例に係る船舶特性推定装置1iの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1iは、図22に示す船舶特性推定装置1hと異なり、結合係数更新部14が省略された構成となっている。すなわち、本変形例に係る船舶特性推定装置1iは、学習機能を有さない。また、本変形例に係る船舶特性推定装置1iは、対水速度計7も省略された構成となっている。
本変形例に係る船舶特性推定装置1iでは、予め取得された多くの学習データ(各回転数時のときの対水速度のデータ)に基づいて結合係数Wが決定された推定器12iによって、プロペラ推進速度としての出力値が出力される。このような構成であっても、上記実施形態の場合と同様、プロペラ推進速度を容易に算出することができる。
(13)図26は、変形例に係る船舶特性推定装置1jの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1jは、図22に示す船舶特性推定装置1hと比べて、推定器12jの構成が大きく異なっている。具体的には、推定器12jが、ニューラルネットワークを用いて構成されておらず、記憶部16j及び更新部17jを備えた構成となっている。
図27は、図26に示す推定器12jについて詳細に説明するための図である。
記憶部16jには、図27に示すように、随時、検出された回転数の検出時に計測された複数の対水速度が、対応する回転数毎(図27の場合、R1,R2,R3,…毎)に記憶されている。図27では、1つの対水速度の値が、1つの丸印で示されている。すなわち、記憶部16jには、例えば、回転数がR1のときに算出された対水速度の値が、5つ、記憶されている。
推定器12jに、プロペラ回転数検出部3で検出された回転数(例えばR2)が入力されると、推定器12jは、回転数R2に対応する対水速度(図27の場合、10個)の平均値を算出する。そして、推定器12jは、その平均値を出力値として出力する。
図24を用いて上述したように、ある回転数時における対水速度を平均化すると、対水速度に含まれる風速成分が互いに相殺されるため、その平均値は、プロペラ推進速度に近い値になる。従って、本変形例に係る推定器12jによっても適切にプロペラ推進速度を推定することができる。
更新部17jは、推定器12jに入力された回転数が検出されたタイミングにおいて算出された対水速度を用いて、記憶部16jに記憶されているテーブルを更新する。具体的には、所定の回転数(例えばR3)に算出された対水速度を、R3で特定されるセルに追
加する。この動作が随時、行われることにより、航行中であっても学習データが蓄積され、より正確に対象速度を推定することができる。すなわち、本変形例に係る推定器12jも、学習機能を有している。その結果、より正確にプロペラ推進速度を推定できる。
なお、本変形例において更新部17j、及び対水速度計7を省略した構成とすることにより、学習機能を有さない船舶特性推定装置1kを構成することができる(図28参照)。この場合、記憶部16kに、予め所得した複数の学習データ(図27における丸印1つに対応するデータ)を記憶させておく必要がある。
(14)図29は、変形例に係る船舶特性推定装置1lの構成を示すブロック図である。本変形例に係る船舶特性推定装置1lは、図22を参照して説明した変形例に係る船舶特性推定装置1hにおいて、風力推進速度算出部26a及び風力特性算出部27を加えた構成となっている。これにより、本実施形態に係る船舶特性推定装置1lでは、主機特性の他に、風力特性をも算出することができる。
図30は、対水速度Vと、プロペラ推進速度Vと、風力推進速度VWindとの関係を示すベクトル図である。風力推進速度算出部26aは、推定器12lから出力された出力値(すなわち、プロペラ推進速度V)と、対水速度計7で計測された対水速度とに基づき、風力推進速度VWindを算出する。具体的には、風力推進速度算出部26aは、対水速度からプロペラ推進速度を減算することにより、風力推進速度を算出している。
風力特性算出部27は、図18を用いて説明した変形例に係る風力特性算出部27と同様に動作し、例えば一例として、図19に示すような風力特性を表示部5に表示する。
よって、本変形例によっても、図18を用いて説明した変形例と同様、風力特性を容易に算出することができる。しかも、本変形例に係る船舶特性推定装置1lによれば、図18に示す場合よりも、風力推進速度を推定するために必要となるパラメータが少なくて済むため、風力特性をより容易に求めることができる。
(15)図31は、対水速度を算出するための対水速度算出部の構成を示すブロック図である。上述した各変形例(図22、図26、図29等)では、対水速度を算出するために、対水速度計7を用いたが、これに限らず、例えば図31に示すような構成の対水速度算出部8を用いてもよい。
対水速度算出部8には、上述した対地速度算出部11で算出された対地速度、及び潮流計4で計測された表層流速度が入力される。そして、対水速度算出部8は、対地速度から表層流速度を減算することにより、対水速度を算出する。これにより、対水速度を適切に算出することができる。
1,1a,1b,1c,…,1l 船舶特性推定装置
12,12a,…,12d,12h,…12l 推定器
13 プロペラ推進速度算出部

Claims (17)

  1. 航行する船舶が位置する対象地点における表層流の速度ベクトルである表層流速度ベクトル、及び、前記対象地点における前記船舶のプロペラの回転数の入力を受け付けるとともに、受け付けられた前記表層流速度ベクトルの値及び前記回転数の値の組み合わせにより特定される各条件に対応する値を、前記プロペラの回転に起因する前記船舶の速度ベクトルであるプロペラ推進速度ベクトルと前記表層流速度ベクトルとが合成された対象速度ベクトル、と推定して出力する推定器と、
    前記推定器で推定された前記対象速度ベクトルとしての出力値と、前記表層流速度ベクトルとに基づき、前記プロペラ推進速度ベクトルを算出するプロペラ推進速度算出部と、
    を備えていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  2. 請求項1に記載の船舶特性推定装置において、
    前記プロペラ推進速度算出部は、前記推定器から出力された前記出力値から、前記表層流速度ベクトルを減算することにより、前記プロペラ推進速度ベクトルを算出することを特徴とする、船舶特性推定装置。
  3. 航行する船舶が位置する対象地点における該船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部と、
    前記対象地点における表層流の速度ベクトルである表層流速度ベクトル、及び、前記対象地点における前記船舶のプロペラの回転数の入力を受け付けるとともに、受け付けられた前記表層流速度ベクトルの値及び前記回転数の値の組み合わせにより特定される各条件に対応する値を、前記プロペラの回転に起因する前記船舶の速度ベクトルであるプロペラ推進速度ベクトルと前記表層流速度ベクトルとが合成された対象速度ベクトル、と推定して出力する推定器と、
    前記推定器で推定された前記対象速度ベクトルとしての出力値と、前記対地速度算出部で算出された前記対地速度ベクトルとに基づき、前記対象地点における前記船舶に対する風力に起因する前記船舶の速度ベクトルである風力推進速度ベクトルを算出する風力推進速度算出部と、
    を備えていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  4. 請求項3に記載の船舶特性推定装置において、
    前記風力推進速度算出部は、前記対地速度ベクトルから、前記推定器から出力された前記出力値を減算することにより、前記風力推進速度ベクトルを算出することを特徴とする、船舶特性推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成されていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部を更に備え、
    前記推定器は、前記各条件に対応する複数の前記対地速度ベクトルの平均値を前記出力値として出力するように、構成されていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部と、
    前記推定器からの前記出力値と、前記対地速度算出部で算出された前記対地速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該対地速度ベクトルとの誤差が少なくなるように、前記推定器を更新する更新部と、
    を更に備えていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  8. 請求項7に記載の船舶特性推定装置において、
    前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成され、
    それぞれに、前記表層流速度ベクトルに関する情報及び前記回転数のいずれかが入力される複数の入力ユニットと、
    前記対象速度ベクトルとしての前記出力値を出力する出力ユニットと
    を有し、
    前記ニューラルネットワークにおける入力側のユニットから出力される値には、結合係数が乗算された後、出力側のユニットに伝送され、
    前記更新部は、前記出力値と、教師信号としての前記対地速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該教師信号との誤差が少なくなるように、前記結合係数を更新することを特徴とする、船舶特性推定装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記船舶の対地速度ベクトルを算出する対地速度算出部と、
    前記船舶に搭載され、GNSS信号を受信するGNSS信号受信部と、を更に備え、
    前記対地速度算出部は、前記GNSS信号受信部で受信されたGNSS信号、及び該GNSS信号が受信された時刻に基づき、前記対地速度ベクトルを算出することを特徴とする、船舶特性推定装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記回転数を検出するプロペラ回転数検出部と、
    前記表層流速度ベクトルを計測する潮流計と、を更に備え、
    前記推定器には、前記プロペラ回転数検出部で検出された前記回転数と、前記潮流計で計測された前記表層流速度ベクトルと、が入力されることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  11. 航行する船舶が位置する対象地点における前記船舶のプロペラの回転数を受け付けるとともに、受け付けられた前記回転数の各値に対応する値を、前記プロペラの回転に起因する前記船舶の速度ベクトルであるプロペラ推進速度ベクトル、と推定して出力する推定器、を備えていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  12. 請求項11に記載の船舶特性推定装置において、
    前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成されていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  13. 請求項11に記載の船舶特性推定装置において、
    前記船舶の対水速度ベクトルを算出する対水速度算出部を更に備え、
    前記推定器は、前記回転数の検出時における複数の前記対水速度ベクトルであって、前記回転数の各値に対応する複数の前記対水速度ベクトル、の平均値を、前記プロペラ推進速度ベクトルとして出力するように、構成されていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  14. 請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記船舶の対水速度ベクトルを算出する対水速度算出部と、
    前記推定器からの出力値と、前記対水速度算出部で算出された前記対水速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該対水速度ベクトルとの誤差が少なくなるように、前記推定器を更新する更新部と、
    を更に備えていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  15. 請求項14に記載の船舶特性推定装置において、
    前記推定器は、ニューラルネットワークを用いて構成され、
    前記回転数が入力される入力ユニットと、
    前記出力値を出力する出力ユニットと
    を有し、
    前記ニューラルネットワークにおける入力側のユニットから出力される値には、結合係数が乗算された後、出力側のユニットに伝送され、
    前記更新部は、前記出力値と、教師信号としての前記対水速度ベクトルとを比較するとともに、該出力値と該教師信号との誤差が少なくなるように、前記結合係数を更新することを特徴とする、船舶特性推定装置。
  16. 請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の船舶特性推定装置において、
    前記推定器から出力された出力値と、前記対象地点における前記船舶の対水速度ベクトルとに基づき、前記対象地点における前記船舶に対する風力に起因する前記船舶の速度ベクトルである風力推進速度ベクトル、を算出する風力推進速度算出部、を更に備えていることを特徴とする、船舶特性推定装置。
  17. 請求項16に記載の船舶特性推定装置において、
    前記風力推進速度算出部は、前記対水速度ベクトルから、前記推定器から出力された前記出力値を減算することにより、前記風力推進速度ベクトルを算出することを特徴とする、船舶特性推定装置。
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