JP6119138B2 - 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 - Google Patents
振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6119138B2 JP6119138B2 JP2012166733A JP2012166733A JP6119138B2 JP 6119138 B2 JP6119138 B2 JP 6119138B2 JP 2012166733 A JP2012166733 A JP 2012166733A JP 2012166733 A JP2012166733 A JP 2012166733A JP 6119138 B2 JP6119138 B2 JP 6119138B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axis
- crystal
- quartz substrate
- axis direction
- mask
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 44
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 253
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 139
- 239000010453 quartz Substances 0.000 claims description 127
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N silicon dioxide Inorganic materials O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 127
- 238000005530 etching Methods 0.000 claims description 91
- 230000005284 excitation Effects 0.000 claims description 32
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 23
- 238000001039 wet etching Methods 0.000 claims description 18
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 49
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 11
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 9
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 8
- 230000008859 change Effects 0.000 description 7
- 230000006870 function Effects 0.000 description 7
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 7
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 6
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 6
- 239000010931 gold Substances 0.000 description 6
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 6
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 6
- 239000011651 chromium Substances 0.000 description 5
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 5
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 230000032683 aging Effects 0.000 description 4
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 4
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 4
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 4
- DDFHBQSCUXNBSA-UHFFFAOYSA-N 5-(5-carboxythiophen-2-yl)thiophene-2-carboxylic acid Chemical compound S1C(C(=O)O)=CC=C1C1=CC=C(C(O)=O)S1 DDFHBQSCUXNBSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- VYZAMTAEIAYCRO-UHFFFAOYSA-N Chromium Chemical compound [Cr] VYZAMTAEIAYCRO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 230000002238 attenuated effect Effects 0.000 description 3
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 3
- PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N gold Chemical compound [Au] PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910052737 gold Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 3
- 230000001413 cellular effect Effects 0.000 description 2
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 2
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 229910001873 dinitrogen Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 2
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 2
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 description 2
- CNQCVBJFEGMYDW-UHFFFAOYSA-N lawrencium atom Chemical compound [Lr] CNQCVBJFEGMYDW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 241000251468 Actinopterygii Species 0.000 description 1
- WQZGKKKJIJFFOK-GASJEMHNSA-N Glucose Natural products OC[C@H]1OC(O)[C@H](O)[C@@H](O)[C@@H]1O WQZGKKKJIJFFOK-GASJEMHNSA-N 0.000 description 1
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 1
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 1
- 230000002547 anomalous effect Effects 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000008280 blood Substances 0.000 description 1
- 210000004369 blood Anatomy 0.000 description 1
- 230000036772 blood pressure Effects 0.000 description 1
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 1
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 1
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 1
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 1
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 1
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 239000008103 glucose Substances 0.000 description 1
- 229910000833 kovar Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- ORQBXQOJMQIAOY-UHFFFAOYSA-N nobelium Chemical compound [No] ORQBXQOJMQIAOY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000035515 penetration Effects 0.000 description 1
- 230000002265 prevention Effects 0.000 description 1
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 1
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004332 silver Substances 0.000 description 1
- -1 silver halide Chemical class 0.000 description 1
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 1
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 1
- 238000012795 verification Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
そこで、水晶結晶のX軸方向を長辺とするATカット水晶振動片において、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を向上させることを可能とする小型の振動片及びその製造方法を提供する。
[形態1]本形態に係る振動片の製造方法は、水晶の結晶軸であるX軸と、前記X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸を結晶軸であるY軸の−Y軸側へ回転して得られるZ’軸とを含む面を主面とし、前記X軸を回転軸として結晶軸であるY軸を結晶軸である前記Z軸の−Z軸側へ回転して得られるY’軸方向を厚さとする回転Yカット水晶基板を準備する工程と、前記回転Yカット水晶基板の前記Z’軸と交差する複数の側面のうち少なくとも一方の前記側面をエッチングした後に少なくとも4つの面が形成されるように、前記回転Yカット水晶基板をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする。
本形態によれば、回転Yカット水晶基板の振動片を小型化しても、Z’軸側の側面に少なくとも4つの結晶面が形成されるエッチングを施すことで、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を向上した振動片を製造できるという効果がある。
[形態2]上記形態に記載の振動片の製造方法において、前記エッチングする工程は、前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の厚さを10%以上薄くする工程を含むことを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、Y’軸方向の厚さを10%以上薄くなるようにエッチングすることにより、Z’軸側の両側面にそれぞれ4つ以上の結晶面が形成されるので、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を向上し、CI値の小さい振動片を製造することができるという効果がある。
[形態3]上記形態に記載の振動片の製造方法において、前記エッチングする工程は、前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の厚さを10%以上15%未満の範囲で薄くする工程を含むことを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、Y’軸方向の厚さを10%以上15%未満の範囲で薄くなるようにエッチングすることで、Z’軸側の両側面にそれぞれ4つの結晶面が形成され、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を向上し、CI値の小さい振動片を製造することができるという効果がある。
[形態4]上記形態に記載の振動片の製造方法において、前記エッチングする工程は、ウェットエッチングで行うことを特徴とする。
本形態によれば、エッチングをウェットエッチングで行うことで、水晶の結晶異方性に伴い、ウェットエッチングによって生じる新たな結晶面を利用できるという効果がある。
[形態5]上記形態に記載の振動片の製造方法において、前記エッチングする工程は、前記回転Yカット水晶基板の+Y’軸側の主面に第1マスクを配置し、−Y’軸側の主面に前記第1マスクに対して−Z’軸側にずれた位置となるように第2マスクを配置し、前記第1マスク及び前記第2マスクを介して前記回転Yカット水晶基板をウェットエッチングして、前記振動片の外形を形成する工程と、前記第1マスク及び前記第2マスクを除去する工程と、前記振動片をウェットエッチングして、少なくとも一方の前記側面に、前記少なくとも4つの面を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本形態によれば、振動片の外形貫通エッチング用のマスクをZ’軸方向にずらすことで、Z’軸側の側面にそれぞれ2つの結晶面を含む振動片を形成でき、その後の厚み調整エッチングにおいて、Z’軸側の両側面に4つの結晶面を形成できるので、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を向上した振動片を製造することができるという効果がある。
[形態6]上記形態に記載の振動片の製造方法において、前記回転Yカット水晶基板の厚さをT(μm)としたとき、前記第2マスクの前記第1マスクに対するずらし量Δz(μm)は、0.75×T×0.8≦Δz≦0.75×T×1.2の関係を満足することを特徴とする。
本形態によれば、マスクのずらし量Δz(μm)が上記式の関係を満足することで、振動片の外形貫通エッチング後に、確実にZ’軸側の側面にそれぞれ2つの結晶面を含む振動片を形成できるので、その後の厚み調整エッチングにおいて、確実にZ’軸側の両側面に4つ以上の結晶面を形成した振動片を製造することができるという効果がある。
[形態7]上記形態に記載の振動片の製造方法において、前記少なくとも4つの面は、前記Y’軸方向に並んでいることを特徴とする
本形態によれば、少なくとも4つの面は、水晶の結晶異方性に伴って生じる結晶面を利用できるという効果がある。
[形態8]本形態に係る振動片は、水晶の結晶軸であるX軸と、前記X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸を結晶軸であるY軸の−Y軸側へ回転して得られるZ’軸とを含む面を主面とし、前記X軸を回転軸として結晶軸であるY軸を結晶軸である前記Z軸の−Z軸側へ回転して得られるY’軸方向を厚さとする回転Yカット水晶基板を有し、前記回転Yカット水晶基板の前記Z’軸と交差する複数の側面のうち少なくとも一方の前記側面は、少なくとも4つの面を含むことを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、Z’軸側の側面に4つの結晶面があることで、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を向上し、且つ幅滑り振動モードの影響を抑制して周波数温度特性を改善することができるという効果がある。
[形態9]上記形態に記載の振動片において、少なくとも一方の前記側面は、5つの面を含むことを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、Z’軸側の側面に5つの結晶面があることで、主振動である厚み滑り振動モードのZ’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果をより一層向上し、且つ幅滑り振動モードの影響をより一層抑制して周波数温度特性を改善することができるという効果がある。
[形態10]上記形態に記載の振動片において、前記5つの面は、前記Y’軸方向に並んでいることを特徴とする。
本形態によれば、5つの面は、水晶の結晶異方性に伴って生じる結晶面を利用できるという効果がある。
[形態11]上記形態に記載の振動片において、前記少なくとも4つの面は、前記Y’軸方向に並んでいることを特徴とする。
本形態によれば、少なくとも4つの面は、水晶の結晶異方性に伴って生じる結晶面を利用できるという効果がある。
[形態12]上記形態に記載の振動片において、+Y’軸側の第1主面、−Y’軸側の第2主面、及び前記少なくとも4つの面を有する前記側面において、端部が互いに接続されている2つの面がなす角度が鈍角であることを特徴とする。
本形態によれば、Z’軸側の少なくとも4つの面を有する側面において、2つの面がなす角度が全て鈍角であることで、Z’軸側の側面を利用して、励振電極とパッド電極とをリード電極で接続する場合に、リード電極の断線を防止できるという効果がある。
[形態13]上記形態に記載の振動片において、前記回転Yカット水晶基板の少なくとも一方の主面に突出部が設けられていることを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、励振電極を形成する位置に厚肉中央部と薄肉周辺部とからなるメサ形状を有することで、主振動に重畳する幅滑り振動モード等の不要波を抑制でき、周波数温度特性を改善できるという効果がある。
[形態14]上記形態に記載の振動片において、前記突出部は、平面視で、前記少なくとも4つの面を有する前記側面よりも他方の前記側面に近い位置に配置していることを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、水晶基板の励振電極を形成する位置に厚肉中央部と薄肉周辺部とによるメサ形状を形成することで、主振動に重畳する厚み屈曲振動モード等の不要波を大幅に抑制でき、周波数温度特性が大幅に改善できるという効果がある。
[形態15]本形態に係る振動素子は、上記形態に記載の振動片の前記主面に励振電極が配置していることを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、励振電極を形成することで、主振動である厚み滑り振動モードを安定して励振することができるという効果がある。
[形態16]上記形態に記載の振動素子において、前記励振電極は、平面視で、前記少なくとも4つの面を有する前記側面よりも他方の前記側面に近い位置に配置していることを特徴とする。
本形態によれば、主振動である厚み滑り振動モードを安定して励振することができるという効果がある。
[形態17]本形態に係る振動素子は、上記形態に記載の振動片の前記主面に、平面視で、前記突出部と重なる位置に励振電極が配置していることを特徴とする。
本形態によれば、振動片を小型化しても、水晶基板の厚肉中央部と薄肉周辺部とによるメサ形状における肉厚中央部と励振電極とが平面視で重なっているため、主振動に重畳する厚み屈曲振動モード等の不要波を大幅に抑制し、周波数温度特性が大幅に改善した振動素子が得られるという効果がある。
[形態18]上記形態に記載の振動素子において、前記励振電極は、平面視で、前記少なくとも4つの面を有する前記側面よりも他方の前記側面に近い位置に配置していることを特徴とする振動素子。
本形態によれば、主振動である厚み滑り振動モードを安定して励振することができるという効果がある。
[形態19]上記形態に記載の振動素子において、前記励振電極と電気的に接続しているパッド電極を有し、前記パッド電極は、平面視で、前記少なくとも4つの面を有する前記側面と重なる位置に配置していることを特徴とする。
本形態によれば、少なくとも4つの面を有するZ’軸側の側面を利用して、励振電極とパッド電極とをリード電極で接続する場合に、リード電極の断線を防止できるという効果がある。
[形態20]本形態に係る振動子は、上記形態に記載の振動素子と、前記振動素子を収容するパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本形態によれば、小型の振動素子をパッケージに収容することで、温度変化や湿度変化等の外乱の影響や汚染による影響を防ぐことができるため、周波数再現性、周波数温度特性、CI温度特性及び周波数エージング特性に優れた、小型の振動子が得られるという効果がある。
[形態21]本形態に係る電子デバイスは、上記形態に記載の振動素子と、電子部品と、前記振動素子及び前記電子部品を搭載する容器と、を備えていることを特徴とする。
本形態によれば、周波数再現性、周波数温度特性、CI温度特性及び周波数エージング特性に優れた小型の振動子を用い、発振回路を構成することで、小型で安定した発振特性を有する発振器等の電子デバイスの小型化が図れるという効果がある。
[形態22]本形態に係る電子機器は、上記形態に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本形態によれば、CI値が小さく、周波数温度特性の良好な小型の振動素子を用いることで、良好な基準周波数源を備えた小型の電子機器が構成できるという効果がある。
[形態23]本形態に係る移動体は、上記形態に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本形態によれば、CI値が小さく、周波数温度特性の良好な小型の振動素子を用いることにより、安定な基準周波数源を備えた小型の電子デバイスが構成できるので、移動体を正確に制御することができるという効果がある。
振動片1は、水晶基板10の中央部に振動部12を有しており、水晶基板10の結晶軸であるX軸(電気軸)方向を長辺とし、X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸(光学軸)を結晶軸であるY軸(機械軸)の−Y軸方向へ回転して得られるZ’軸方向を短辺とする矩形である。また、振動片1のZ’軸に交差しX軸に沿った方向の両側面22は第1の結晶面24、第2の結晶面25、第4の結晶面27、第5の結晶面28の4面で構成されている。
次に、本発明の一実施形態に係る振動片の製造方法について、図3の製造工程の水晶基板と振動片の概略断面図を参照しながら説明する。振動片1は量産性や製造コストを考慮し、大型基板から複数個の振動片1をバッチ処理方式で製造されるのが一般的である。ここでは、一個の振動片1の概略断面図で説明する。また、水晶基板10はATカット水晶基板を用いた例で説明する。
X軸方向を長辺、Z’軸方向を短辺、Y’軸方向を厚さとするように、振動片1を外形加工する。先ず、水晶基板10をラッピングやポリッシュ加工等を施し、所望の平面及び厚さを有する水晶基板10を準備する。水晶基板10の表裏両主面に、例えば所定膜厚の下地層となるクロム(Cr)31及び耐食層となる金(Au)32をスパッタまたは蒸着し、レジスト33を塗布後、フォトリソグラフィ技法とウェットエッチング技法とを利用して、マスク30a、30bを形成する(図3(a))。このとき、Z’軸方向の両側面20が2面の結晶面で構成された側面形状となるように、水晶基板10のY’軸方向の+側のマスク30aをY’軸方向の−側のマスク30bに対して、水晶結晶のZ´軸方向に或る量Δz(μm)だけずらして形成する。
この場合、マスクのずらし量Δz(μm)は、ATカット水晶板の厚さをT(μm)として、0.75×T×0.8≦Δz≦0.75×T×1.2の範囲内で設定すると、マスクをずらし過ぎたり、或いはマスクのずらし量が足りなくなる虞が無く、X軸方向に沿った側面20をより短いエッチング時間で効率良くかつ確実に加工することができる。
ここで、マスクをZ’軸方向にずらして配置するとは、水晶基板10の両主面にそれぞれマスクを、そのウェットエッチングによりm面が現れる側の端部において他方のマスクと重なるが、m面以外の結晶面が現れる側の端部において他方のマスクと重ならないように、ずらして配置することをいうものとする。
エッチング量Mdは水晶基板10の振動部12の厚みを基準とし、下記式(1)で表すこととする。
Md=(T0−Tx)/T0 (%)・・・(1)
ここで、T0は厚み調整エッチング前の水晶基板10の振動部12の厚み、Tx(ここでxは1〜3である)は厚み調整エッチング後の水晶基板10の振動部12の厚みである。
つまり、Mdとは、厚み調整エッチング前の水晶基板10の振動部12の厚みと厚み調整エッチング後の水晶基板10の振動部12の厚みとの差である除去する厚みの量を厚み調整エッチング前の水晶基板10の振動部12の厚みに対する割合(%)で表したものである。
ウェットエッチングにより除去する厚みの量Md(以後、エッチング量Mdと称す)が10%未満の場合、振動片102のZ’軸方向の両側面21は、厚み調整エッチング前の形状である2面の結晶面で構成されているが、第1の結晶面24の領域は大きくなり、第2の結晶面25の領域は小さくなる傾向となっている(図3(e))。
次に、エッチング量Mdを10%以上15%未満とした場合、実験と解析の結果、振動片103のZ’軸方向の両側面22は、第1の結晶面24及び第2の結晶面25と、新たに生じた第4の結晶面27と、第5の結晶面28と、を含む4面の結晶面で構成された側面形状となることが分かった(図3(f))。
水晶基板10の−Y’側主面と第4の結晶面27とのなす角度、第4の結晶面27と第5の結晶面28とのなす角度、第5の結晶面28と第1の結晶面24とのなす角度、第1の結晶面24と第2の結晶面25とのなす角度、第2の結晶面25と+Y’側主面とのなす角度は、全て鈍角になっている。
そして、+Z’側の側面においては、水晶基板10の+Y’側主面と第1の結晶面24との間に生じた新たな第4の結晶面27と第5の結晶面28を含む4面の結晶面で構成された側面形状となる。
水晶基板10の+Y’側主面と第4の結晶面27とのなす角度、第4の結晶面27と第5の結晶面28とのなす角度、第5の結晶面28と第1の結晶面24とのなす角度、第1の結晶面24と第2の結晶面25とのなす角度、第2の結晶面25と−Y’側主面とのなす角度は、全て鈍角になっている。
更にエッチングを施し、エッチング量Mdを15%以上とした場合、振動片104のZ’軸方向の両側面23は、第1の結晶面24と第5の結晶面28との間に新たな第6の結晶面29が生じ、5面の結晶面で構成された側面形状となることが分かった(図3(g))。
Z’軸方向の両側面23において、水晶基板10の主面と第4の結晶面27とのなす角度、第4の結晶面27と第5の結晶面28とのなす角度、第5の結晶面28と第6の結晶面29とのなす角度、第6の結晶面29と第1の結晶面24とのなす角度、第1の結晶面24と第2の結晶面25とのなす角度、第2の結晶面25と水晶基板10の主面とのなす角度は、全て鈍角になっている。
なお、各結晶面の水晶基板10の主面の法線方向に対する傾斜角度は、第1の結晶面24は約3°(3°±2°、つまり1°〜3°の範囲)、第2の結晶面25は約54°(54°±2°、つまり52°〜56°の範囲)、第3の結晶面26は約68°(68°±2°、つまり66°〜70°の範囲)、第4の結晶面27は約37°(37°±2°、つまり35°〜39°の範囲)、第5の結晶面28は約18°(18°±2°、つまり16°〜20°の範囲)、第6の結晶面29は約10°(10°±2°、つまり8°〜12°の範囲)である。
それぞれの結晶面の傾斜角度が上記の傾斜角度の範囲から外れた場合は、主振動である厚み滑り振動モードのエネルギー閉じ込め効果を向上させる効果は得られないことが本願発明者らのシミュレーションと実験による検証から確認されている。また更に、それぞれの結晶面の傾斜角度を上記の傾斜角度の範囲にすることにより不要モードの影響をより一層抑制することができCI値の温度特性を改善することができる効果も奏することが判明した。
振動片の共振周波数が27MHzのとき、水晶片のX軸方向の寸法を1.390(mm)と一定とし、水晶片のZ’軸方向の寸法を0.970(mm)としたときのCI値の温度特性を示すグラフが図5であり、Z’軸方向の水晶片の寸法を0.975(mm)としたときのCI値の温度特性を示すグラフが図6である。本発明に係る振動片の方が従来構造に比べて、CI値を低減できていることが観察できる。更に、本発明は、水晶片のZ’軸方向の寸法によらずCI値を低減できていることも確認できた。
なお、エッチング量Mdを30%以上施すことでZ’軸方向の側面に更なる新たな結晶面を形成し、Z’軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を高めることも可能と思われるが、振動片主面の表面にエッチピット(エッチチャンネルとも言う)等に起因した凹凸が生じることによるCI値劣化が予想されるので、エッチング量Mdの上限は30%程度と考えられる。
図7(a)、(b)、(c)は、エッチング量Mdに対する振動片102、103、104のX軸方向の断面形状を示したものであり、図7(d)は、励振電極15を形成した振動片102、103、104のX軸方向における厚み屈曲振動の振幅エネルギーを示している。
エッチング量Mdを10%以上とした場合、振動片103、104のX軸方向の+側の側面131b、131cには、水晶基板10の主面の法線方向に対して新たな傾斜角度を有する結晶面が生じ、4面以上の結晶面で構成された側面形状となり、エッチング量Mdが大きくなるのに比例し、X軸方向の+側の側面を構成する結晶面の数が多くなることが明らかとなった。
つまり、エッチング量Mdが10%以上15%未満の場合には、振動片103のX軸方向の−側の側面121bは、傾斜角度約25°(25°±2°、つまり23°〜27°の範囲)の結晶面125、126の2面の結晶面で構成された側面形状であり、エッチング量Mdが10%未満の場合と同等の形状である。しかし、X軸方向の+側の側面131bは、傾斜角度約27°(27°±2°、つまり25°〜29°の範囲)の結晶面133、134と、新たに水晶基板10の+Y’側主面と結晶面133との間に生じた傾斜角度約58°(58°±2°、つまり56°〜60°の範囲)の結晶面135と、水晶基板10の−Y’側主面と結晶面134との間に生じた傾斜角度約58°(58°±2°、つま56°〜60°の範囲)の結晶面136と、を含む4面の結晶面で構成された側面形状となる(図7(b))。
このようにX軸端面にも複数の面を形成することにより、図7(d)に示すように厚み屈曲振動の振幅エネルギーを抑制することができ、CI値を改善することができる。
つまり、振動片は、前記振動片のZ’に沿った端部が図7(d)のX1、X2、X3のような屈曲振動のエネルギーが減衰している位置となる、即ち、屈曲振動の腹となる位置となるように振動片のX軸方向の寸法を決定しているが、厳密には、屈曲振動のエネルギーはゼロではないため、本発明を適用することにより、減衰領域のエネルギーを更に減衰させることができるので、屈曲振動をより効果的に抑圧することができ、更に、振動片のX軸方向の寸法に多少のバラツキが生じたとしても屈曲振動を十分抑圧することができるという優れた効果を奏する。
(振動片の構造)
振動片2は、回転Yカット水晶基板のX軸方向を長辺とし、Z’軸方向を短辺とする矩形である。振動片2のZ’軸方向の両側面122は第1の結晶面24、第2の結晶面25、第4の結晶面27、第5の結晶面28の4面で構成されている。また、振動片2は、厚肉中央部13を振動部12とし、厚肉中央部13の外縁に沿ってその周囲に薄肉周辺部14とを含むメサ型の構造を有している。
なお、厚肉中央部13である振動片2のY’軸方向の+側に形成されている突出部であるメサ部の側面は、Z’軸方向の−側が第2の結晶面25と第3の結晶面26とが互いに境界を空間的に接するように2面で構成され、Z’軸方向の+側が第1の結晶面24で構成されている。振動片2のY’軸方向の−側に形成されたメサの側面は、これとは点対称に、Z’軸方向の+側が第2の結晶面25と第3の結晶面26とが互いに境界を空間的に接するように2面で構成され、Z’軸方向の−側が第1の結晶面24で構成されている。
このメサ形状により、更に主振動である厚み滑り振動モードのエネルギー閉じ込め効果を向上させ、不要モードの影響をより一層抑制して周波数特性を改善することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る振動片の別の製造方法について、一個の振動片2の概略断面図で説明する。また、水晶基板10はATカット水晶基板を用いた例で説明する。
図9は振動片の外形加工の製造工程における水晶基板と振動片の概略断面図であり、図10は振動片の外形加工後に施すメサ加工の製造工程における振動片の概略断面図である。
水晶基板10の露出面のエッチングを行い、マスクされていない水晶部分が完全に貫通し、Z’軸方向の側面120に第1の結晶面24と第2の結晶面25とからなる2面の結晶面で構成された側面が形成されるまでは、図3に示す製造方法と同等である(図9(d))。
その後、2面の結晶面で構成された側面が形成された振動片201の表裏両主面に、メサ形状パターンのマスク30c、30dを形成する(図10(e))。続いて、フッ化アンモニウム溶液等を用いてエッチングを行い、メサ形状を形成するが、このメサの段差を調整するエッチングは図3の製造工程における厚み調整エッチングと同等である。そのため、エッチング後のZ’軸方向の両側面の形状は図3の製造方法で形成された側面形状と同一となる。
即ち、エッチング量Mdが10%未満の場合、振動片202のZ’軸方向の両側面121はメサ形成エッチング前の形状である2面の結晶面で構成されているが、図3(e)と同様に、第1の結晶面24の領域は大きくなり、第2の結晶面25の領域は小さくなる傾向となっている(図10(f))。
更にエッチングを施し、エッチング量Mdを15%以上とした場合、振動片204のZ’軸方向の両側面123は、第1の結晶面24と第5の結晶面28との間に新たな第6の結晶面29が生じ、5面の結晶面で構成された側面形状となる(図10(h))。
よって、メサ形状を有する振動片202、203、204であっても、Z’軸方向の両側面は、エッチング量Mdに関連し、2面から5面の結晶面で構成することが可能である。
なお、エッチング量Mdを30%以上施すことでX軸方向の側面に更なる新たな結晶面を形成し、X軸方向におけるエネルギー閉じ込め効果を高めることも可能と思われるが、メサの段差が非常に大きくなることでメサの段差に係わる厚み滑り振動モードのエネルギー閉じ込め効果が減衰することが予想されるので、エッチング量Mdの上限は30%程度と考えられる。
ここで、本発明の一実施形態においては、エッチング量Mdを、厚み調整エッチング前の水晶基板10の振動部12の厚みと厚み調整エッチング後の水晶基板10の振動部12の厚みとの差である除去する厚みの量を厚み調整エッチング前の水晶基板10の振動部12の厚みに対する割合(%)で表したものと説明した。しかし、メサ型の振動片である場合、エッチング量Mdは、厚肉中央部13と薄肉周辺部14との段差の大きさであると共に、厚み調整エッチング前の水晶基板10の厚みと薄肉周辺部14との厚みの差である薄肉周辺部14領域の除去する厚みの量を厚み調整エッチング前の水晶基板10の厚みに対する割合(%)で表したものである。
振動素子3は、振動部12を有する水晶基板10と、水晶基板10の両主面(±Y’方向の表裏面)に夫々対向するように形成された励振電極15と、リード電極16と、パッド電極17と、接続電極18と、を備えている。
リード電極16は、励振電極15から延出されて水晶基板10の端部に形成されたパッド電極17に電気的に接続されている。
パッド電極17は、水晶基板10の両主面の端部に夫々対向して形成され、水晶基板10の側面22に形成された接続電極18により夫々電気的に接続されている。
また、図8、図10に示したメサ型の振動片の場合、振動部12となる厚肉中央部13の主面に励振電極15を設け、薄肉周辺部14に設けられているパッド電極17と励振電極15とを電気的に接続しているリード電極16とが設けられている。
パッケージ本体40は、図12に示すように、第1の基板41と、第2の基板42と、第3の基板43と、シールリング44と、実装端子45と、を積層して形成されている。実装端子45は、第1の基板41の外部底面に複数形成されている。第3の基板43は中央部が除去された環状体であり、第3の基板43の上部周縁に例えばコバール等のシールリング44が形成されている。
第3の基板43と第2の基板42とにより、振動素子3を収容する凹部(キャビティ)が形成される。第2の基板42の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。素子搭載パッド47は、振動素子3を載置した際に水晶基板10の端部に形成したパッド電極17に対応するように配置されている。
次に、導電性接着剤38を硬化させるために、所定の温度の高温炉に所定の時間入れる。導電性接着剤38を硬化させた後、アニール処理を施し、励振電極15に質量を付加するか、又は質量を減じて周波数調整を行う。その後、パッケージ本体40の第3の基板43の上面に形成したシールリング44上に、蓋部材49を載置し、真空中、又は窒素ガスの雰囲気中で蓋部材49をシーム溶接して密封し、振動子5が完成する。
又は、パッケージ本体40の上面に塗布した低融点ガラスに蓋部材49を載置し、溶融して密着する方法もある。この場合もパッケージのキャビティ内は真空にするか、又は窒素ガス等の不活性ガスで充填して、振動子5が完成する。
図13に示すように、振動子5a、5bは、振動素子3と、温度センサー(感温素子)として機能するサーミスター70と、振動素子3及びサーミスター70が搭載(収納)された容器としてのパッケージ40a、40bと、を備えている。
図13(a)は、第3の基板43と第2の基板42aとにより、形成された凹部(キャビティ)に振動素子3とサーミスター70が搭載(収納)された構造である。
また、図13(b)は、第3の基板43と第2の基板42bとにより、形成された凹部(キャビティ)に振動素子3が搭載(収納)され、第1の基板41bと第2の基板42bとにより、形成された凹部(キャビティ)にサーミスター70が搭載された構造である。
サーミスター70には、例えば、温度の上昇に対して抵抗が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスターと呼ばれるサーミスターが用いられている。NTCサーミスターは、温度の変化に対する抵抗値の変化が比例関係にあるため、温度センサーとして多用されている。
サーミスター70は、パッケージ40a、40bに収納(搭載)され、振動素子3近傍の温度を検出し、図示しない温度補償回路に出力することにより、温度センサーとして振動素子3の温度変化に伴う周波数変動の補正に資する機能を果たしている。
電子デバイス7は、パッケージ本体50と、蓋部材49と、振動素子3と、振動素子3を励振する発振回路を搭載したIC部品51と、電圧により容量が変化する可変容量素子、温度により抵抗が変化するサーミスター、インダクター等の電子部品52の少なくとも1つと、を備えている。
第1の基板61と、第2の基板62と、第3の基板63と、により、振動素子3、IC部品51、及び電子部品52等を収容する凹部(キャビティ)が形成される。第2の基板62の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。素子搭載パッド47の位置は、振動素子3を載置した際に水晶基板10の端部に形成したパッド電極17に対応するように配置されている。
図15は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動素子3が内蔵されている。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、フィルター、共振器等として機能する振動素子3が内蔵されている。
自動車2106には本発明に係る振動素子を有する振動子や電子デバイスが搭載されており、例えば、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS:Antilock Brake System)、エアバック、タイヤプレッシャーモニタリングシステム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)2108に広く適用できる。
Claims (19)
- 水晶の結晶軸であるX軸と、前記X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸を結晶軸であるY軸の−Y軸側へ回転して得られるZ’軸とを含む面を主面とし、前記X軸を回転軸として結晶軸であるY軸を結晶軸である前記Z軸の−Z軸側へ回転して得られるY’軸方向を厚さとする回転Yカット水晶基板を準備する工程と、
前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の厚さを10%以上薄くし、前記回転Yカット水晶基板の前記Z’軸と交差する2つの側面のうち少なくとも一方の前記側面をエッチングした後に少なくとも4つの面が形成されるように、前記回転Yカット水晶基板をエッチングする工程と、
を含むことを特徴とする振動片の製造方法。 - 水晶の結晶軸であるX軸と、前記X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸を結晶軸であるY軸の−Y軸側へ回転して得られるZ’軸とを含む面を主面とし、前記X軸を回転軸として結晶軸であるY軸を結晶軸である前記Z軸の−Z軸側へ回転して得られるY’軸方向を厚さとする回転Yカット水晶基板を準備する工程と、
前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の厚さを10%以上15%未満の範囲で薄くし、前記回転Yカット水晶基板の前記Z’軸と交差する2つの側面のうち少なくとも一方の前記側面をエッチングした後に少なくとも4つの面が形成されるように、前記回転Yカット水晶基板をエッチングする工程と、
を含むことを特徴とする振動片の製造方法。 - 水晶の結晶軸であるX軸と、前記X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸を結晶軸であるY軸の−Y軸側へ回転して得られるZ’軸とを含む面を主面とし、前記X軸を回転軸として結晶軸であるY軸を結晶軸である前記Z軸の−Z軸側へ回転して得られるY’軸方向を厚さとする回転Yカット水晶基板を準備する工程と、
前記回転Yカット水晶基板の前記Z’軸と交差する2つの側面のうち少なくとも一方の前記側面をエッチングした後に少なくとも4つの面が形成されるように、前記回転Yカット水晶基板をエッチングする工程と、
を含み
前記エッチングする工程は、ウェットエッチングで行われ、且つ、
前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の一方側の前記主面に第1マスクを配置し、前記Y’軸方向の他方側の前記主面に前記第1マスクに対して前記Z’軸方向の一方側にずれた位置となるように第2マスクを配置し、前記第1マスク及び前記第2マスクを介して前記回転Yカット水晶基板をウェットエッチングして、振動片の外形を形成する工程と、
前記第1マスク及び前記第2マスクを除去する工程と、
前記回転Yカット水晶基板をウェットエッチングして、少なくとも一方の前記側面に、前記少なくとも4つの面を形成する工程と、
を含むことを特徴とする振動片の製造方法。 - 請求項1または請求項2において、
前記エッチングする工程は、ウェットエッチングで行うことを特徴とする振動片の製造方法。 - 請求項4において、
前記エッチングする工程は、
前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の一方側の前記主面に第1マスクを配置し、前記Y’軸方向の他方側の前記主面に前記第1マスクに対して前記Z’軸方向の一方側にずれた位置となるように第2マスクを配置し、前記第1マスク及び前記第2マスクを介して前記回転Yカット水晶基板をウェットエッチングして、前記振動片の外形を形成する工程と、
前記第1マスク及び前記第2マスクを除去する工程と、
前記振動片をウェットエッチングして、少なくとも一方の前記側面に、前記少なくとも4つの面を形成する工程と、
を含むことを特徴とする振動片の製造方法。 - 請求項3または請求項5において、
前記回転Yカット水晶基板の厚さをT(μm)としたとき、前記第2マスクの前記第1マスクに対するずらし量Δz(μm)は、
0.75×T×0.8≦Δz≦0.75×T×1.2
の関係を満足することを特徴とする振動片の製造方法。 - 請求項1乃至請求項6の何れか一項において、
前記少なくとも4つの面は、前記Y’軸方向に並んでいることを特徴とする振動片の製造方法。 - 水晶の結晶軸であるX軸と、前記X軸を回転軸として結晶軸であるZ軸を結晶軸であるY軸の−Y軸側へ回転して得られるZ’軸とを含む面を主面とし、前記X軸を回転軸として結晶軸であるY軸を結晶軸である前記Z軸の−Z軸側へ回転して得られるY’軸方向を厚さとする回転Yカット水晶基板を有し、
前記回転Yカット水晶基板の前記Z’軸と交差する2つの側面のうち少なくとも一方の前記側面は、少なくとも4つの面を含み、
前記Y’軸方向の一方側の前記主面、前記Y’軸方向の他方側の前記主面、及び前記少なくとも4つの面を有する前記側面において、
端部が互いに接続されている2つの面がなす角度が鈍角であることを特徴とする振動片。 - 請求項8において、
少なくとも一方の前記側面は、5つの面を含むことを特徴とする振動片。 - 請求項9において、
前記5つの面は、前記Y’軸方向に並んでいることを特徴とする振動片。 - 請求項8又は請求項9において、
前記少なくとも4つの面は、前記Y’軸方向に並んでいることを特徴とする振動片。 - 請求項8乃至請求項11の何れか一項において、
前記回転Yカット水晶基板の前記Y’軸方向の一方側の前記主面および前記Y’軸方向の他方側の前記主面のうち、少なくとも一方の前記主面に突出部が設けられていることを特徴とする振動片。 - 請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の振動片の前記Y’軸方向の一方側の前記主面および前記Y’軸方向の他方側の前記主面に励振電極が配置されていることを特徴とする振動素子。
- 請求項12に記載の振動片の前記Y’軸方向の一方側の前記主面および前記Y’軸方向の他方側の前記主面に、平面視で、前記突出部と重なる位置に励振電極が配置されていることを特徴とする振動素子。
- 請求項13または請求項14において、
前記励振電極と電気的に接続しているパッド電極を有し、
前記パッド電極は、平面視で、前記少なくとも4つの面を有する前記側面と重なる位置に配置されていることを特徴とする振動素子。 - 請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の振動素子と、
前記振動素子を収容しているパッケージと、
を備えていることを特徴とする振動子。 - 請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の振動素子と、
電子部品と、
前記振動素子及び前記電子部品が搭載されている容器と、
を備えていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする移動体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012166733A JP6119138B2 (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012166733A JP6119138B2 (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017025672A Division JP2017099025A (ja) | 2017-02-15 | 2017-02-15 | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014027506A JP2014027506A (ja) | 2014-02-06 |
JP2014027506A5 JP2014027506A5 (ja) | 2015-09-03 |
JP6119138B2 true JP6119138B2 (ja) | 2017-04-26 |
Family
ID=50200766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012166733A Active JP6119138B2 (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6119138B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6738588B2 (ja) * | 2014-09-02 | 2020-08-12 | セイコーエプソン株式会社 | 発振器、電子機器、および移動体 |
KR20160032600A (ko) * | 2014-09-16 | 2016-03-24 | 삼성전기주식회사 | 압전 진동편, 그 제조방법 및 압전 진동자 |
JP5908630B2 (ja) * | 2015-03-17 | 2016-04-26 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 圧電振動片、圧電振動子、および圧電振動片の製造方法 |
JP6371733B2 (ja) | 2015-04-02 | 2018-08-08 | 日本電波工業株式会社 | Atカット水晶片及び水晶振動子 |
JP6624803B2 (ja) | 2015-04-15 | 2019-12-25 | 日本電波工業株式会社 | Atカット水晶片及び水晶振動子 |
JP6570388B2 (ja) * | 2015-09-18 | 2019-09-04 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 圧電振動片及び圧電振動子 |
JP6555779B2 (ja) | 2015-12-28 | 2019-08-07 | 日本電波工業株式会社 | Atカット水晶片及び水晶振動子 |
WO2018021296A1 (ja) | 2016-07-28 | 2018-02-01 | 京セラ株式会社 | 水晶振動素子、水晶振動デバイスおよび水晶振動素子の製造方法 |
JP6797764B2 (ja) * | 2017-08-09 | 2020-12-09 | 日本電波工業株式会社 | 水晶振動子およびその製造方法 |
WO2019059055A1 (ja) * | 2017-09-22 | 2019-03-28 | 株式会社村田製作所 | 水晶振動子 |
JP6987589B2 (ja) * | 2017-10-02 | 2022-01-05 | 京セラ株式会社 | 水晶振動子 |
JP6516891B2 (ja) * | 2018-03-08 | 2019-05-22 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 圧電振動片、および圧電振動子 |
JP7423231B2 (ja) * | 2019-09-19 | 2024-01-29 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 圧電振動片の製造方法、圧電振動片および圧電振動子 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5349985A (en) * | 1976-10-18 | 1978-05-06 | Seiko Epson Corp | Crystal oscillator |
JPH04127709A (ja) * | 1990-09-19 | 1992-04-28 | Seiko Epson Corp | Atカット水晶振動子 |
JPH10107580A (ja) * | 1996-09-25 | 1998-04-24 | Daishinku Co | 厚みすべり水晶振動板 |
JP4825952B2 (ja) * | 2005-11-04 | 2011-11-30 | セイコーエプソン株式会社 | 圧電ウエハのエッチング加工方法および圧電デバイス |
JP4305542B2 (ja) * | 2006-08-09 | 2009-07-29 | エプソントヨコム株式会社 | Atカット水晶振動片及びその製造方法 |
JP4623321B2 (ja) * | 2007-12-03 | 2011-02-02 | セイコーエプソン株式会社 | 水晶ブランクの製造方法及び、水晶ブランクを利用した水晶振動子の製造方法 |
JP5228948B2 (ja) * | 2009-01-30 | 2013-07-03 | 株式会社大真空 | 圧電振動デバイス |
JP5507298B2 (ja) * | 2010-03-12 | 2014-05-28 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 水晶振動板の製造方法 |
JP5505647B2 (ja) * | 2010-11-19 | 2014-05-28 | セイコーエプソン株式会社 | 圧電振動片および圧電振動子 |
-
2012
- 2012-07-27 JP JP2012166733A patent/JP6119138B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014027506A (ja) | 2014-02-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6119138B2 (ja) | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 | |
JP6083144B2 (ja) | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 | |
US11495727B2 (en) | Resonator element, resonator, electronic device, electronic apparatus, mobile body and method of manufacturing resonator element | |
TWI578585B (zh) | 振動元件、振動器、電子裝置、電子機器及移動體 | |
US9013242B2 (en) | Resonator element, resonator, electronic device, electronic apparatus, and mobile object | |
US9136793B2 (en) | Resonator element, resonator, electronic device, electronic apparatus, and method of manufacturing resonator element | |
US20160028369A1 (en) | Resonator element, resonator, oscillator, electronic apparatus, and mobile object | |
CN104601139A (zh) | 振动元件、振子、电子装置、电子设备以及移动体 | |
JP6191152B2 (ja) | 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、及び移動体 | |
JP2014007693A (ja) | 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、及び移動体 | |
US10103710B2 (en) | Resonator, oscillator, electronic apparatus, and mobile object | |
JP2017099025A (ja) | 振動片、振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体及び振動片の製造方法 | |
US10153749B2 (en) | Resonator element, resonator, and electronic device | |
JP6562101B2 (ja) | 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、及び移動体 | |
JP6627902B2 (ja) | 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、移動体および振動素子の製造方法 | |
JP6315115B2 (ja) | 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器、および移動体 | |
JP2017220945A (ja) | 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器及び振動素子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150717 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150717 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160531 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20160609 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20160613 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161227 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170228 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170313 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6119138 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |