JP6516891B2 - 圧電振動片、および圧電振動子 - Google Patents
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Description
さらにメサ型の圧電振動片では、メサ部の段差を高くすればエネルギー閉じ込め効果を得られるが、メサ部の側面が直角に近い角度のままメサ部の段差を高くすると、メサ部自体の変形が大きくなってスプリアスが発振する。そのため、メサ部の段差を高くすることができず、エネルギー閉じ込め効果に限界が生じる。その結果、クリスタルインピーダンス(CI値)を低下させることができないため、良好な振動特性が得られない。
本発明によれば、メサ部の側面には、メサ部の頂面に連なる曲面が形成されているため、側面が斜面で形成されている場合に比べて、頂面と側面とが滑らかに接続され、両面の接続部における稜線が鈍くなる。これにより、その接続部における振動の反射が小さくなり、スプリアス発振が抑制される。また、メサ部の側面に曲面を形成することでメサ部自体の変形が抑制され、スプリアス発振が抑制される。そのため、メサ部の段差を高くすることが可能となり、圧電振動片のエネルギー閉じ込め効率が向上する。その結果、圧電振動片のCI値を低下させることができる。したがって、振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
さらに、上記の圧電振動片において、前記第1メサ部の第1側面と前記第2メサ部の第1側面は、R面をベースにした曲面である、ことを特徴とする。
さらに、上記の圧電振動片において、前記第1メサ部の第2側面と前記第2メサ部の第2側面は、m面およびR面以外の自然結晶面をベースにした曲面である、ことを特徴とする。
さらに、上記の圧電振動片において、前記圧電板の側面には、前記第1主面および前記第2主面のうち少なくとも一方に連なる曲面が形成されている、ことを特徴とする。
さらに、上記の圧電振動片において、前記第1メサ部及び第2メサ部は、階段状に積層配置された複数のメサ段部を有する、ことを特徴とする。
本発明の圧電振動子は、上記の圧電振動片を備える。
この構成によれば、メサ部の頂面とメサ部の側面との全ての接続部の稜線が鈍くなるため、スプリアス発振をより確実に抑制することができる。したがって、より振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
この構成によれば、メサ部の側面が圧電板の側面に向かって段階的に近付いていくため、メサ部自体の変形が小さくなり、スプリアス発振が抑制される。そのため、メサ部の段差を高くすることが可能となり、よりエネルギー閉じ込め効率を向上させることが可能となる。したがって、より振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
この構成によれば、圧電板の側面は、第1主面および第2主面のうち少なくとも一方と滑らかに接続され、両面の接続部における稜線は鈍くなる。これにより、十分に減衰されないままその接続部に伝わった振動の反射は小さくなり、スプリアス発振が抑制される。したがって、より振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
この構成によれば、第2メサ部の第1側面に隣接する領域では、第2主面の面積が広くなる。その領域にマウント電極を設けることで、マウント電極から第2メサ部までの距離が長くなる。これにより、圧電振動片の実装時において、圧電振動片とパッケージとの固定に用いる実装部材の濡れ広がり量および実装位置精度にマージンを確保できる。そのため、実装部材がマウント電極上から濡れ広がって第2メサ部に付着することによる振動特性の劣化を防止できる。したがって、振動特性の安定した圧電振動片を得ることができる。
この構成によれば、圧電振動子は、前述した振動特性の優れた圧電振動片を備えるため、振動特性の優れた圧電振動子を得ることができる。
この構成によれば、圧電振動片の第2メサ部の第1側面に隣接する領域では、第2主面の面積が広くなる。その領域に一対のマウント電極の一方を設けることで、その一方のマウント電極から第2メサ部までの距離が長くなる。これにより、圧電振動片の実装時において、マウント電極に実装部材を接触させる際に、一方のマウント電極上に実装部材を広く接触させて圧電振動片の固定強度を確保することができる。そして、他方のマウント電極上には、パッケージとの電気接続を確保できるだけの最小限の量の実装部材を接触させればよいので、他方のマウント電極上の実装部材の濡れ広がりによる振動特性の劣化を防止できる。したがって、振動特性の安定した圧電振動片を備えた圧電振動子を得ることができる。
本発明によれば、メサ部の外形パターンを形成したウエハに対してウェットエッチングを行うことで、メサ部の頂面とメサ部の側面との稜線が丸みを帯び、メサ部の側面は曲面状に変化する。したがって、メサ部の頂面に連なる曲面状のメサ部の側面を備える圧電振動片を簡単に製造できる。
この方法によれば、メサ部の外形形成時およびメサ部の側面への曲面形成時のうち少なくとも一方と同時に圧電板の側面に曲面を形成できる。したがって、特別な工程を加えることなく、圧電板の側面に、第1主面および第2主面のうち少なくとも一方に連なる曲面を簡単に形成することができる。
この方法によれば、メサ部の第2メサ段部の形成と同時に、第1メサ段部の側面に第1メサ段部の頂面に連なる曲面を形成できる。したがって、複数の段部を備えるメサ部を有する圧電振動片に対し、特別な工程を加えることなく、メサ段部の頂面に連なる曲面をメサ段部の側面に形成することができる。
最初に、第1実施形態の圧電振動片および圧電振動子について説明する。
図3は、第1実施形態の圧電振動子を示す、分解斜視図である。
圧電振動片10は、導電性接着剤等の実装部材を利用して、ベース基板3上の上面3aにマウントされる。より具体的には、ベース基板3の上面3aに形成された一対のインナー電極8に対して、圧電振動片10に形成された一対のマウント電極55が、実装部材9を介してマウントされる。
これにより、圧電振動片10は、ベース基板3の上面3aに機械的に保持されると共に、インナー電極8とマウント電極55とがそれぞれ導通された状態となっている。
図1および図2に示すように、本実施形態の圧電振動片10は、ATカットにより形成され、第1主面21、第2主面23、および側面25を備えた圧電板20を有する圧電振動片であって、第1主面21および第2主面23のうち少なくとも一方に形成されたメサ部40を有し、メサ部40の側面には、メサ部40の頂面に連なる曲面が形成されている。なお本願では、平面と曲面との接続状態を表現する際に、曲面とその接線との接点を曲面と平面との接続部に近付けたとき、接線の傾きが平面の傾きに一致する状態を「連続する」と表現し、接線の傾きが平面の傾きに近似する状態を「連なる」と表現する。すなわち「連なる」は「連続する」を含んでいる。
圧電板20は、ランバード加工された人工水晶からATカットにより、所定の厚さの矩形板状に形成される。ATカットは、人工水晶の結晶軸である電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)及び光学軸(Z軸)の3つの結晶軸のうち、Z軸に対してX軸周りに35度15分だけ傾いた方向(Z´軸方向)に切り出す加工手法である。ATカットによって切り出された圧電板20を有する圧電振動片10は、周波数温度特性が安定しており、構造や形状が単純で加工が容易であり、CI値が低いという利点がある。本実施形態の圧電板20は、Z´方向の長さがX方向の長さより長くなるように形成されている。
側面25は、圧電板20の外周4辺のうち、+Z´方向側の辺に形成された第1側面26と、−Z´方向側の辺に形成された第2側面27と、+X方向側の辺に形成された第3側面28と、−X方向側の辺に形成された第4側面29と、を有する。
第1励振電極51は、Y´方向視矩形状で、第1主面21の中央部の位置に形成されている。第2励振電極53は、Y´方向視矩形状で、第2主面23の中央部の位置に形成されている。第2励振電極53は、Y´方向視において第1励振電極51と重なるように形成されている。
一対のマウント電極55は、第1マウント電極55aおよび第2マウント電極55bを有する。第1マウント電極55aは、Y´方向視矩形状に形成され、第2主面23のうち+X側かつ−Z´側の角部であって、第2励振電極53に重ならない位置に設けられている。第1マウント電極55aは、圧電板20の+X側の端部および−Z´側の端部のうち少なくとも一方に形成された第1接続部61を介して、第1主面21に形成された第1マウント裏電極65に接続されている。第1マウント裏電極65は、Y´方向視において第1マウント電極55aと重なるように形成され、第1引き回し配線57を介して、第1励振電極51に接続されている。
第1メサ部41は、Y´方向視矩形状に形成されている。第1メサ部41は、第1主面21の中央部分であって、かつ第1マウント裏電極65および第2マウント裏電極67に重複しない位置に形成されている。第1メサ部41の頂面41aは、第1主面21と平行な平面状に形成されている。また第1メサ部41の頂面41a上には、第1励振電極51が形成されている。
そして、メサ部40の側面には、メサ部40の頂面に連なる曲面が形成されている。本実施形態では、第1メサ部41の全ての側面41b〜41eに、頂面41aに連なる曲面が形成され、第2メサ部46の全ての側面46b〜46eに、頂面46aに連なる曲面が形成されている。
第1メサ部41は、+Z´方向側に形成された第1側面41bと、−Z´方向側に形成された第2側面41cと、+X方向側に形成された第3側面41dと、−X方向側に形成された第4側面41eと、を有する。
一方で、図1および図2に示す本実施形態のように、第1メサ部41の全ての側面41b〜41eに頂面41aと連なる曲面を形成することで、第1メサ部41の頂面41aと側面41b〜41eとの接続部42b〜42eにおける稜線は全て鈍くなる。特に従来構造で問題となるR面で形成される第1側面41bとの接続部42bの稜線が鈍くなることで、その接続部42bにおける振動の反射が小さくなり、スプリアス発振が抑制される。また、その他の接続部42c〜42eの稜線も鈍くなるため、その接続部42c〜42eにおいて発生するスプリアス発振も抑制される。
本実施形態では、マウント電極55は、第2メサ部46の側面46b〜46eのうち、第2主面23への投影幅が最小となる第1側面46bに隣接する領域に形成されている。具体的には、マウント電極55は第1側面46bを挟んで、第2メサ部の頂面46aの反対側の領域に配置されている。第1側面46bは、第2主面23に対する仰角が他の側面より大きいため、第2主面23への投影幅が他の側面より小さく、第2主面23における第1側面46bに隣接する領域の面積は広くなる。これにより、マウント電極55から第2メサ部46までの距離を広く確保できる。したがって、図4に示すように、このマウント電極55に対してインナー電極8上に配置した実装部材9を接触させることで、実装部材9の濡れ広がり、または実装位置のずれにより、実装部材9が第2メサ部46に付着することを防止できる。
本実施形態によれば、メサ部40の側面には、メサ部40の頂面に連なる曲面が形成されているため、側面が斜面で形成されている場合に比べて、頂面と側面とが滑らかに接続され、両面の接続部における稜線が鈍くなる。これにより、その接続部における振動の反射が小さくなり、スプリアス発振が抑制される。また、メサ部40の側面に曲面を形成することでメサ部40自体の変形が抑制され、スプリアス発振が抑制される。そのため、メサ部40の段差を高くすることが可能となり、圧電振動片10のエネルギー閉じ込め効率が向上する。その結果、圧電振動片10のCI値を低下させることができる。したがって、振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
本実施形態によれば、メサ部40の頂面とメサ部40の側面との全ての接続部の稜線が鈍くなるため、スプリアス発振をより確実に抑制することができる。したがって、より振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
本実施形態によれば、第2メサ部46の第1側面46bに隣接する領域では、第2主面23の面積が広くなる。その領域にマウント電極55を設けることで、マウント電極55から第2メサ部46までの距離が長くなる。これにより、圧電振動片10の実装時において、圧電振動片10とパッケージとの固定に用いる実装部材9の濡れ広がり量および実装位置精度にマージンを確保できる。そのため、実装部材9がマウント電極55上から濡れ広がって第2メサ部46に付着することによる振動特性の劣化を防止できる。したがって、振動特性の安定した圧電振動片を得ることができる。
本実施形態によれば、圧電振動子1は、前述した振動特性の優れた圧電振動片10を備えるため、振動特性の優れた圧電振動子を得ることができる。
次に第1実施形態の圧電振動片の製造方法について説明する。
図5〜14は、第1実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する工程図であって、図1のV−V線に相当する部分における断面図である。
次に、メサマスク形成工程について説明する。図5に示すように、ウエハSの両面にエッチング保護膜81とフォトレジスト膜83とをそれぞれ成膜する。
エッチング保護膜81は、後述する水晶からなるウエハSのエッチングに対する耐性を有する。例えば、厚さが数10nmのクロム(Cr)の金属層と、厚さが数10nmの金(Au)の金属層とが、順次積層された積層膜である。
この工程においては、まず、ウエハSの表裏主面に、エッチング保護膜81を、それぞれスパッタリング法や蒸着法などにより成膜する。
本実施形態で用いるレジスト材料としては、環化ゴム(たとえば、環化イソプレン)を主体にしたゴム系ネガレジストが好適に用いられている。ゴム系ネガレジストは、環化ゴムを有機溶剤に溶解し、さらにビスアジド感光剤を加えて、ろ過し、不純物を除去することで精製されたものである。
具体的には、まず、エッチング保護膜81およびフォトレジスト膜83が成膜されたウエハSの一方側の面を、メサ部の外形パターンが形成されたフォトマスクを用いて露光する。同様に、ウエハSの他方側の面を、メサ部の外形パターンが形成されたフォトマスクを用いて露光する。そして、ウエハSの両面に成膜されたフォトレジスト膜83を一括で現像する。これにより、図6に示すように、ウエハSの両面に成膜されたフォトレジスト膜83に、メサ部の外形パターン83aを形成する。
このエッチング保護膜81のエッチング加工には、エッチング保護膜81とフォトレジスト膜83が形成されたウエハSを、薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。例えば、エッチング保護膜81が金(Au)からなる場合には、薬液としてヨウ素を用いてエッチングすることができる。
次に、メサ形成工程について説明する。図8に示すように、メサマスク81aを介してウエハSをエッチングし、メサ部40の外形パターンを形成する。
このウエハSのエッチング加工は、メサマスク81aが形成されたウエハSを薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。例えば、薬液としてフッ酸を用いてエッチングすることができ、エッチング時間は30分程度とする。これにより、メサ部40の外形パターンが形成される。このとき、メサ部40の側面には、水晶結晶の自然結晶面が現れる。
次に、曲面形成工程について説明する。図10に示すように、ウエハSをウェットエッチングすることで、メサ部40の側面に、メサ部40の頂面に連なる曲面を形成する。
このウェットエッチング加工は、先述したメサ部40の外形パターンを形成するウェットエッチング加工と同様に行うことができる。このとき、エッチング時間は例えば30分程度とする。
次に外形マスク形成工程について説明する。図11に示すように、メサ部40を形成したウエハSの両面に、エッチング保護膜91およびフォトレジスト膜93をそれぞれ成膜する。エッチング保護膜91およびフォトレジスト膜93の材質および形成方法は、メサマスク形成工程におけるエッチング保護膜81およびフォトレジスト膜83と同様である。
具体的には、まず、エッチング保護膜91およびフォトレジスト膜93が成膜されたウエハSの一方側の面を、圧電板20の外形パターンが形成されたフォトマスクを用いて露光する。同様に、ウエハSの他方側の面を、圧電板20の外形パターンが形成されたフォトマスクを用いて露光する。そして、ウエハSの両面に成膜されたフォトレジスト膜93を一括で現像する。これにより、ウエハSの両面に成膜されたフォトレジスト膜93に、圧電板20の外形パターン93aを形成する。
次いで、圧電板20の外形パターン93aが形成されたフォトレジスト膜93をマスクとして、ウエハSの両面に成膜されたエッチング保護膜91にエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜91を選択的に除去する。これにより、図12に示すように、ウエハSの両面に圧電板20の外形パターンの外形マスク91aが形成される。エッチング保護膜91のエッチング加工は、メサマスク形成工程におけるエッチング保護膜81の加工と同様に行う。
次に外形形成工程について説明する。図13に示すように、外形マスク91aを介してウエハSをウェットエッチングし、圧電板20の外形パターンを形成する。
このウエハSのエッチング加工は、外形マスク91aが形成されたウエハSを薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。メサ形成工程と同様に、例えば薬液としてフッ酸を用いてエッチングすることができる。エッチング時間は3時間程度とする。これにより、圧電板20が形成される。
本実施形態によれば、メサ部40の外形パターンを形成したウエハSに対してウェットエッチングを行うことで、メサ部40の頂面とメサ部40の側面との稜線が丸みを帯び、メサ部40の側面は曲面状に変化する。したがって、メサ部の頂面に連なる曲面状のメサ部の側面を備える圧電振動片を簡単に製造できる。
次に第1実施形態の第1変形例の圧電振動片について説明する。
図15は、第1実施形態の第1変形例に係る圧電振動片の底面図であり、図16は、第1実施形態の第1変形例に係る圧電振動子の説明図であり、図15のXVI−XVI線を通る切断面に沿った断面を示す断面図である。
第2マウント電極55bは、Y´方向視矩形状に形成され、第2主面23のうち−Z´方向側の外周に沿って配置されている。
第1マウント電極55aは、Y´方向視矩形状に形成され、第2主面23のうち+Z´方向側の外周に沿って配置されている。また、第1マウント電極55aは、圧電板20の+Z´側の端部に形成された第1接続部61を介して、第1主面21に形成された第1マウント裏電極65に接続されている。第1マウント裏電極65は、Y´方向視において第1マウント電極55aと重なるように形成されている。
一対の実装部材9は、第1実装部材9aと第2実装部材9bとを有する。第1実装部材9aは、インナー電極8aと第1マウント電極55aとを接続する。第2実装部材9bは、インナー電極8bと第2マウント電極55bとを接続する。
第2実装部材9bは、第1実装部材9aよりも体積が大きくなるようにインナー電極8上に配置されている。第2実装部材9bの量は、単独で圧電振動片10aの固定強度を確保しうる量である。第1実装部材9aの量は、インナー電極8aと第1マウント電極55aとの電気接続を少なくとも確保できる量である。
本変形例によれば、圧電振動片10aの第2メサ部46の第1側面46bに隣接する領域では、第2主面23の面積が広くなる。その領域に第2マウント電極55bを設けることで、第2マウント電極55bから第2メサ部46までの距離が長くなる。これにより、圧電振動片10aの実装時において、第2マウント電極55bに第2実装部材9bを接触させる際に、第2マウント電極55b上に第2実装部材9bを広く接触させて圧電振動片10aの固定強度を確保することができる。そして、第1マウント電極55a上には、インナー電極8aとの電気接続を確保できるだけの最小限の量の実装部材9を接触させればよいので、第1マウント電極55a上の第1実装部材9aの濡れ広がりによる振動特性の劣化を防止できる。したがって、振動特性の安定した圧電振動片を備えた圧電振動子を得ることができる。
次に第2実施形態の圧電振動片について説明する。
図17は、第2実施形態に係る圧電振動片の平面図である。図18は、第2実施形態に係る圧電振動片の説明図であり、図17のXVIII−XVIII線における断面図である。図19は、第2実施形態に係る圧電振動片の説明図であり、図17のXIX−XIX線における断面図である。
一方で、図17および図18に示す本実施形態のように第1側面26を曲面で形成することで、接続部21aの稜線は鈍くなり、第1側面26と第1主面21または第2主面23との接続部のうち、稜線の鋭い接続部は接続部23bの1箇所のみとなる。これにより、圧電振動片110の+Z´方向側の端部にて発生するスプリアス発振が抑制される。
本実施形態によれば、圧電板20の側面は、第1主面21および第2主面23のうち少なくとも一方と滑らかに接続され、両面の接続部における稜線は鈍くなる。これにより、十分に減衰されないままその接続部に伝わった振動の反射は小さくなり、スプリアス発振が抑制される。したがって、より振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
次に第2実施形態の圧電振動片の製造方法について説明する。
図20〜27は、第2実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する工程図であって、図18に相当する部分における断面図である。
この方法によれば、メサ部40の外形形成時およびメサ部の側面への曲面形成時と同時に圧電板20の側面25に曲面を形成できる。したがって、特別な工程を加えることなく、圧電板20の側面25に、第1主面21および第2主面23のうち少なくとも一方に連なる曲面を簡単に形成することができる。
次に第3実施形態の圧電振動片について説明する。
図28は、第3実施形態に係る圧電振動片の平面図であり、図29は側面図である。
第1メサ部241の第1メサ段部243は、第1主面21上に形成されている。第1メサ段部243の全ての側面には、第1メサ段部243の頂面243aに連なる曲面が形成されている。第1メサ段部243は、第1実施形態の圧電振動片10における第1メサ部41と略一致する形状に形成されている。
第1メサ部241の第2メサ段部244は、第1メサ段部243の頂面243a上に形成されている。第2メサ段部244の全ての側面は、水晶結晶の自然結晶面である平面で形成されている。第2メサ段部244の頂面244aには、第1励振電極51が配置されている。
第1メサ段部243の側面に曲面を形成することで、第1実施形態におけるメサ部40の側面と頂面との接続部において発生するスプリアス発振の抑制と同様の効果が得られる。なお、第2メサ段部244の側面にも曲面を形成することで、さらにスプリアス発振を抑制できる。
本実施形態によれば、第1メサ部241および第2メサ部246の側面が圧電板20の側面25に向かって段階的に近付いていくため、メサ部自体の変形が小さくなり、スプリアス発振が抑制される。そのため、第1メサ部241および第2メサ部246の段差を高くすることが可能となり、よりエネルギー閉じ込め効率を向上させることが可能となる。したがって、より振動特性の優れた圧電振動片を得ることができる。
次に第3実施形態の圧電振動片の製造方法について説明する。
図30〜32は、第3実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する工程図であって、図28のXXX−XXX線に相当する部分における断面図である。
具体的には、図30に示すように、第2メサマスク形成工程を行い、第1メサ部241の第1メサ段部243の頂面243a上、および第2メサ部246の第1メサ段部248の頂面248a上に、第2メサ段部のマスク281aを形成する。
この方法によれば、第1メサ部241および第2メサ部246の第2メサ段部244,249の形成と同時に、第1メサ段部243,248の側面に第1メサ段部243,248の頂面に連なる曲面を形成できる。したがって、複数の段部を備えるメサ部を有する圧電振動片に対し、特別な工程を加えることなく、メサ段部の頂面に連なる曲面をメサ段部の側面に形成することができる。
例えば、上記実施形態の圧電振動片においては、Z´方向の長さがX方向の長さより長くなるように形成されていたが、X方向の長さがZ´方向の長さより長くなるように形成されていてもよい。
Claims (6)
- ATカットにより形成され、第1主面、第2主面、および圧電板側面を備えた圧電板を有する圧電振動片であって、
前記第1主面には、第1メサ部が形成され、
前記第2主面には、第2メサ部が形成され、
前記第1メサ部及び第2メサ部の全ての側面に頂面に連なる曲面が形成され、
前記第1メサ部の側面のうち、第1メサ部の第1側面は、頂面を挟んで相対する第1メサ部の第2側面よりも第1主面への投影幅が狭く、
前記第2メサ部の側面のうち、第2メサ部の第1側面は、頂面を挟んで相対する第2メサ部の第2側面よりも第2主面への投影幅が狭く、
前記第1メサ部の第1側面と前記第2メサ部の第2側面が圧電板を挟んで相対する位置に形成されている
ことを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1に記載の圧電振動片において、
前記第1メサ部の第1側面と前記第2メサ部の第1側面は、R面をベースにした曲面である、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1または2に記載の圧電振動片において、
前記第1メサ部の第2側面と前記第2メサ部の第2側面は、m面およびR面以外の自然結晶面をベースにした曲面である、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電振動片において、
前記圧電板の側面には、前記第1主面および前記第2主面のうち少なくとも一方に連なる曲面が形成されている、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧電振動片において、
前記第1メサ部及び第2メサ部は、階段状に積層配置された複数のメサ段部を有する、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧電振動片を備える圧電振動子。
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JP2018042099A JP6516891B2 (ja) | 2018-03-08 | 2018-03-08 | 圧電振動片、および圧電振動子 |
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