JP6003760B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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請求項1の発明は、金属酸化物粒子、アントラキノン構造を有し、前記金属酸化物粒子100質量部に対する含有量が0.7質量部以上である電子受容性化合物、メチルエチルケトンオキシムによってブロックされたブロック型イソシアネート化合物、及び結着樹脂を含む下引層形成用塗布液を、導電性支持体上に塗布して180℃以上190℃以下、かつ、1.0m/s以上1.5m/s以下の乾燥風速で乾燥させて硬化させることにより、前記メチルエチルケトンオキシムの含有量が0.08質量%以上0.2質量%以下である下引層を形成する下引層形成工程と、
前記下引層上に配置された感光層を形成する感光層形成工程と、
を有する電子写真感光体の製造方法。
請求項2の発明は、前記アントラキノン構造を有する電子受容性化合物が、ヒドロキシアントラキノン構造を有する電子受容性化合物である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
請求項3の発明は、前記金属酸化物粒子100質量部に対する前記電子受容性化合物の含有量が3質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体の製造方法。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置された下引層であって、金属酸化物粒子、アントラキノン構造を有する電子受容性化合物、及び、メチルエチルケトンオキシムによってブロックされたブロック型イソシアネート化合物により架橋された結着樹脂を含み、前記金属酸化物粒子100質量部に対する前記アントラキノン構造を有する電子受容性化合物の含有量が0.7質量部以上であり、かつ、該下引層中の前記メチルエチルケトンオキシムの含有量が0.2質量%以下である下引層と、前記下引層上に配置された感光層と、を有する。
このような構成により画像濃度ムラが抑制されるとともに、繰り返し画像形成した場合の濃度低下が抑制される。その理由は定かでないが、以下のように推測される。
なお、本実施形態に係る電子写真感光体は、以下の工程を経て製造される。
すなわち、本実施形態に係る電子写真感光体の製造方法は、金属酸化物粒子、アントラキノン構造を有し、前記金属酸化物粒子100質量部に対する含有量が0.7質量部以上である電子受容性化合物、メチルエチルケトンオキシムによってブロックされたブロック型イソシアネート化合物、及び結着樹脂を含む下引層形成用塗布液を、導電性支持体上に塗布して180℃以上190℃以下、かつ、1.0m/s以上1.5m/s以下の乾燥風速で乾燥させて硬化させることにより、前記メチルエチルケトンオキシムの含有量が0.08質量%以上0.2質量%以下である下引層を形成する下引層形成工程と、
前記下引層上に配置された感光層を形成する感光層形成工程と、
を有する。
電子写真感光体が例えば導電性の基材と感光層との間に下引層を備える場合、下引層にカップリング剤等で表面処理された金属酸化物粒子を分散させることによって、ブロッキング機能と抵抗調整機能が調節される。しかし、連続して帯電・露光・除電を繰り返したとき、主に下引層に含まれる金属酸化物粒子のシランカップリング処理剤を原因として基材が酸化し、抵抗上昇による残留電位の上昇が発生する事がある。このような残留電位の上昇を抑制するためには、酸化防止を目的としてアントラキノン構造を有する電子受容性化合物を添加することが考えられる。アントラキノン構造を有する電子受容性化合物の添加量を多くすることで電位安定性を延長する効果が期待される。
以下、感光体1の各要素について説明する。
導電性支持体2としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類;アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等;導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。
導電性支持体2として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
下引層4は、金属酸化物粒子、アントラキノン構造を有する電子受容性化合物、及び、メチルエチルケトンオキシム(MEKオキシム)によってブロックされたブロック型イソシアネート化合物により架橋された結着樹脂を含み、前記金属酸化物粒子100質量部に対する前記アントラキノン構造を有する電子受容性化合物の含有量が0.7質量部以上であり、かつ、該下引層中の前記メチルエチルケトンオキシムの含有量が0.2質量%以下となっている。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化ジルコニウム等が挙げられ、2種以上混合して用いてもよい。
金属酸化物粒子の体積平均粒径の測定は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定を行う。測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待ったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
金属酸化物粒子の表面処理に用いる表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤などが挙げられる。特に、抵抗を調整することでかぶりが抑制される表面処理剤として、シランカップリング剤が挙げられる。
乾式法にて表面処理を施す場合には、例えば、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接表面処理剤を滴下するか、又は有機溶媒に溶解させた表面処理剤を滴下し、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させる。前記滴下又は前記噴霧は、例えば溶剤の沸点以下の温度で行われる。前記滴下又は前記噴霧の後、さらに100℃以上に加熱して焼き付けを行ってもよい。
湿式法においては表面処理剤を添加する前に金属酸化物粒子含有水分を除去してもよく、その例としては、例えば、前記表面処理剤溶液に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、又は前記溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
下引層4に含まれる電子受容性化合物は、前記の通り、アントラキノン構造を有する電子受容性化合物である。ここで、「アントラキノン構造を有する化合物」は、具体的には、アントラキノン及びアントラキノン誘導体から選択される少なくとも1種であり、さらに具体的には、下記一般式(1)で表される化合物であることがよい。
なお、一般式(1)中、m及びnがいずれも0である化合物がアントラキノンであり、一般式(1)中、m及びnの少なくとも一方が1以上4以下の整数である化合物がアントラキノン誘導体である。すなわちアントラキノン誘導体は、アントラキノンが有する水素原子の少なくとも1つが、水酸基、メチル基、メトキシメチル基、フェニル基、アミノ基等の置換基によって置換された化合物を意味する。
電子受容性化合物の具体例としては、例えば、アントラキノン、プルプリン、アリザリン、キニザリン、エチルアントラキノン、アミノヒドロキシアントラキノン等が挙げられる。
電子受容性化合物としてヒドロキシアントラキノン構造を有する材料を用いることが望ましい。
下引層4に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの高分子化合物、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが用いられる。
下引層4中に含まれる結着樹脂の含有量としては、例えば、下引層全体に対し、5質量%以上60質量%以下の範囲が挙げられる。
下引層4における結着樹脂を架橋する硬化剤(架橋剤)として、メチルエチルケトンオキシム(MEKオキシム)をブロック剤として用いたブロック型イソシアネート化合物(MEKオキシムブロック型イソシアネート化合物)が用いられる。
本実施形態で用いるMEKオキシムブロック型イソシアネート化合物の市販品としては、例えば、スミジュールBL−3173、デスモジュールBL3175(住友バイエルンウレタン社製)などが挙げられる。
硬化触媒の添加量は、硬化剤(MEKオキシムブロック型イソシアネート化合物)100質量部に対して0.0001質量部以上0.1質量部以下が挙げられる。
溶媒としては、例えば有機溶剤が挙げられ、具体的には、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤;アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状又は直鎖状エーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤;等が挙げられる。上記溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよく、特に限定されないが、上記結着樹脂を溶解する溶剤を用いることがよい。
下引層形成用の塗布液を支持体2上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
また、表面粗さ調整のために下引層4の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、例えば、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が挙げられる。
電荷発生層5は、電荷発生材料が結着樹脂中に分散して形成されている。
電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が使用される。特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶等が使用される。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が使用される。これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して使用される。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比(質量比)は、使用する材料にもよるが例えば10:1から1:10の範囲である。
電荷発生材料を結着樹脂中に分散させるために、塗布液には分散処理が施される。分散手段としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や、液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷発生層5の厚さは、望ましくは0.01μm以上5μm以下の範囲に設定される。
また、電荷発生層5のフェルミエネルギーの調整を目的として、O3暴露処理などの後処理をしてもよい。
電荷輸送層6は、例えば、電荷輸送材料を結着樹脂中に分散して形成される。
かかる電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物に由来する基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用する。
さらに、電荷輸送層6が電子写真感光体1の表面層である場合、電荷輸送層6にフッ素変性シリコーンオイルを添加してもよい。フッ素変性シリコーンオイルとしては、例えばフルオロアルキル基を有する化合物が挙げられる。
なお、電荷輸送層6中における電荷輸送材料と結着樹脂との質量比としては、例えば10:1から1:5の範囲が挙げられる。すなわち、電荷輸送層6全体に対する電荷輸送材料の含有量としては、例えば17質量%以上91質量%以下の範囲が挙げられる。
上記溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状又は直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合して使用される溶剤は、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものでもよい。
上記電荷輸送層形成用の塗布液を電荷発生層5上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
そして上記塗布液を電荷発生層5上に塗布した後、加熱乾燥工程により塗布液中の溶剤を除去する。電荷輸送層6の膜厚としては、例えば5μm以上50μm以下の範囲が挙げられる。
なお、本実施形態の感光体1は、電荷輸送層6が最表面層であるが、電荷輸送層上にさらに保護層が形成された構成であってもよい。
次に、本実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、前記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電する帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備えて構成される。
図2は、第1実施形態の画像形成装置の基本構成を概略的に示している。図2に示す画像形成装置200は、例えば、上記実施形態の電子写真感光体1と、電源209に接続され、電子写真感光体1を帯電させる帯電装置208(帯電手段)と、帯電装置208により帯電された電子写真感光体1を露光して静電潜像を形成する露光装置210(静電潜像形性手段)と、露光装置210により形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像装置211(現像手段)と、電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像を記録媒体500に転写する転写装置212(転写手段)と、転写後、電子写真感光体1の表面に残留するトナーを除去するトナー除去装置213(トナー除去手段)と、記録媒体500に転写されたトナー像を記録媒体500に定着させる定着装置215(定着手段)と、を備える。
また、図2に示す画像形成装置200は、電子写真感光体表面のトナー像が転写された後、電子写真感光体表面に残留した電荷を除去する除電手段を備えてもよい。
帯電部材として帯電ローラを用いる場合、感光体1に接触する圧力としては、例えば、250mgf以上600mgf以下の範囲が挙げられる。
さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料を浸漬塗布、スプレー塗布、ロールコート等の手法により、積層して用いてもよい。
なお、感光体1に接触せずに帯電させる非接触帯電方式の帯電装置を採用してもよい。
トナーとしては、公知のトナーであれば特に限定されない。具体的には、例えば、少なくとも結着樹脂が含まれ、必要に応じて着色剤、離型剤等が含まれたトナーであってもよい。
なお、例えば感光体1の表面にトナーが残留しにくい場合など、残留トナーが問題にならない場合は、トナー除去装置213は設ける必要がない。
まず、帯電装置208が感光体1の表面を、定められた電位に帯電させる。次に、帯電された感光体1の表面を、画像信号に基づいて、露光装置210によって露光して静電潜像を形成する。
現像されたトナー像は、転写装置212の位置まで搬送され、転写装置212によって記録媒体500に直接転写される。
以上のようにして、画像形成装置200による画像形成が行われる。
図3は第2実施形態の画像形成装置の基本構成を概略的に示している。図3に示す画像形成装置220は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体1a,1b,1c,1dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。例えば、感光体1aがイエロー、感光体1bがマゼンタ、感光体1cがシアン、感光体1dがブラックの色の画像をそれぞれ形成する。
電子写真感光体1a,1b,1c,1dはそれぞれ一方向(紙面上は反時計回り)に回転し、その回転方向に沿って帯電ロール402a,402b,402c,402d、現像装置404a,404b,404c,404d、1次転写ロール410a,410b,410c,410d、クリーニングブレード415a,415b,415c,415dが配置されている。現像装置404a,404b,404c,404dはそれぞれトナーカートリッジ405a,405b,405c,405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを供給し、また、1次転写ロール410a,410b,410c,410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体1a,1b,1c,1dに接している。
ベルト状とする場合、中間転写体の基材を構成する樹脂材料としては、公知の樹脂が用いられる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
図4は、本実施形態の電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジの一例の基本構成を概略的に示している。このプロセスカートリッジ300は、電子写真感光体1と共に、電子写真感光体1を帯電させる帯電装置208、露光により電子写真感光体1上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像装置211、転写後、電子写真感光体1の表面に残留するトナーを除去するトナー除去装置213、及び露光のための開口部218を、取り付けレール216を用いて組み合わせて一体化したものである。
プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体1、帯電装置208、現像装置211、トナー除去装置213、及び露光のための開口部218のほかに、電子写真感光体1の表面を露光する露光装置(図示せず)を備えていてもよい。
なお、本実施形態のプロセスカートリッジでは、電子写真感光体1を少なくとも備えていればよい。
<実施例1>
−下引層の形成−
酸化亜鉛粒子(テイカ社製、平均粒子径:70nm、比表面積値:15m2/g)60質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(表面処理剤)として、KBM603(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製)を酸化亜鉛粒子100質量部に対し1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて除去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、150℃、5分で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子(平均粒径:0.2μm)8質量部と、フッ化アルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量:30000)0.015質量部と、テトラヒドロフラン4質量部と、トルエン1質量部と、を20℃の液温に保って48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを得た。
下引層の形成において、電子受容性化合物を0.7質量部とし、180℃、24分、風速1.0m/sの条件で乾燥硬化させた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2の感光体を得た。
下引層の形成において、電子受容性化合物をアリザリンとし、添加量を0.7質量部、190℃、24分、風速1.5m/sの条件で乾燥硬化させた以外は実施例1と同様の方法で、実施例3の感光体を得た。
下引層の形成において、電子受容性化合物を3質量部とし、190℃、28分、風速1.5m/sの条件で乾燥硬化させた以外は実施例1と同様の方法で、実施例4の感光体を得た。
下引層の形成において、電子受容性化合物を5質量部とし、180℃、24分、風速1.0m/sの条件で乾燥硬化させた以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の電子写真感光体を作製した。
下引層の形成において、電子受容性化合物を1質量部とし、180℃、24分、風速0.7m/sの条件で乾燥硬化させた以外は実施例1と同様の方法で、比較例2の電子写真感光体を作製した。
下引層の形成において、電子受容性化合物を0.5質量部とし、190℃、24分、風速1.1m/sの条件で乾燥硬化させた以外は実施例1と同様の方法で、比較例3の電子写真感光体を作製した。
下引層の形成において、電子受容性化合物をキナクリドンに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例4の電子写真感光体を作製した。
下引層の形成において、ブロック化イソシアネート化合物「スミジュールBL−3173」を、ブロック剤をε−カプロラクタムとした「スミジュールBL−3272」に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、比較例5の電子写真感光体を作製した。
下引層の形成において、ブロック化イソシアネート化合物中のMEKオキシム量を50%減量した以外は実施例1と同様の方法で、比較例6の電子写真感光体を作製した。
[下引層のブロック剤含有量の測定]
上記実施例及び比較例の感光体を作製する際に用いた下引層単層膜について、SIIナノテクノロジー社製 EXSTAR TG/DTA6300 熱分析装置を用いて130℃〜230℃の減量率を測定し、その際に発生するガスを捕捉し、ヒューレットパッカード社製 HP−6890 ガスクロマトグラフを用いてガスの成分を分析し、MEKオキシム量を定量した。
画像濃度ムラの評価は、富士ゼロックス株式会社製 DocuCentre505aの改造機に、実施例又は比較例で作製した感光体を組み込み、A4サイズの用紙で全面30%ハーフトーン画像を1枚出力し、X−Rite社製 X−Rite404を用いて、用紙四隅(用紙端部から4cm)の濃度を測定し、出力される濃度の最大値と最小値の差分を画像濃度ムラの定量指標とした。
DocuCentre505aの改造機に、上記実施例又は比較例で作製の感光体を組み込んで、高温多湿(すなわち室温28℃、湿度85%)の条件下にて全面30%ハーフトーン画像を連続で出力し、濃度低下が発生するまでの枚数を寿命評価の定量指標とした。
Claims (3)
- 金属酸化物粒子、アントラキノン構造を有し、前記金属酸化物粒子100質量部に対する含有量が0.7質量部以上である電子受容性化合物、メチルエチルケトンオキシムによってブロックされたブロック型イソシアネート化合物、及び結着樹脂を含む下引層形成用塗布液を、導電性支持体上に塗布して180℃以上190℃以下、かつ、1.0m/s以上1.5m/s以下の乾燥風速で乾燥させて硬化させることにより、前記メチルエチルケトンオキシムの含有量が0.08質量%以上0.2質量%以下である下引層を形成する下引層形成工程と、
前記下引層上に配置された感光層を形成する感光層形成工程と、
を有する電子写真感光体の製造方法。 - 前記アントラキノン構造を有する電子受容性化合物が、ヒドロキシアントラキノン構造を有する電子受容性化合物である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記金属酸化物粒子100質量部に対する前記電子受容性化合物の含有量が3質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体の製造方法。
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