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JP2011022425A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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JP2011022425A JP2009168308A JP2009168308A JP2011022425A JP 2011022425 A JP2011022425 A JP 2011022425A JP 2009168308 A JP2009168308 A JP 2009168308A JP 2009168308 A JP2009168308 A JP 2009168308A JP 2011022425 A JP2011022425 A JP 2011022425A
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Shinya Yamamoto
真也 山本
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】電荷輸送層において導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの表面領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下ではない場合に比べて、耐久性を向上しつつ摩擦による画像欠陥の発生を抑制する電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性支持体と、該導電性支持体に近い側から順に、電荷発生層と、電荷輸送材料を含有する単層の電荷輸送層と、を有し、前記電荷輸送層の膜厚が38μm以上であり、 前記電荷輸送層は、前記導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下である電子写真感光体。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成は、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において広く利用されている。電子写真装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」という場合がある)としては、安価で製造性及び廃棄性の点で優れる有機光導電材料を用いた電子写真感光体が主流を占めるようになってきている。なかでも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層とを積層させた機能分離型の有機感光体は電子写真特性の点で優れており、種々の提案が成され実用化されている。
有機感光体については、寿命を長くする方策が検討されており、例えば、電荷輸送層の上に更に表面保護層を設ける方法がある。
また、長期間の使用によっても画質や感度減退の少ない感光体として、電荷輸送層を2層以上有し、その電荷輸送層のうちの少なくとも表面領域側の層が、粘度平均分子量4.0×10以上のポリカーボネートと、10〜50重量%の有機微粒子とを含有する膜厚1〜10μmの層であり、基体側の電荷輸送層中の電荷輸送材料の濃度が、表面領域側の電荷輸送層中の濃度より大きい電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−128872号公報
本発明の課題は、電荷輸送層において導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの表面領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下ではない場合に比べて、耐久性を向上しつつ摩擦による画像欠陥の発生を抑制する電子写真感光体を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性支持体と、該導電性支持体に近い側から順に、電荷発生層と、電荷輸送材料を含有する単層の電荷輸送層と、を有し、
前記電荷輸送層の膜厚が38μm以上であり、
前記電荷輸送層は、前記導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下である電子写真感光体である。
請求項2に係る発明は、
前記電荷輸送層中の電荷輸送材料の濃度が、前記導電性支持体から遠い側の表面から他方の表面に向かって膜厚方向で連続的に増加する請求項1に記載の電子写真感光体である。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体表面を帯電する接触型の帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写装置と、
を有する画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体表面を帯電する接触型の帯電装置、帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置、トナーを用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写装置及び転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング装置からなる群より選択される少なくとも一種と、を一体に有し、
画像形成装置本体から脱着されるプロセスカートリッジである。
請求項1に係る発明によれば、電荷輸送層において導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下ではない場合に比べて、耐久性を向上しつつ摩擦による画像欠陥の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記電荷輸送層中の電荷輸送材料の濃度が、前記導電性支持体から遠い側の表面から他方の表面に向かって膜厚方向で連続的に増加しない場合に比べて、摩擦による画像欠陥の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、電荷輸送層において導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下である電子写真感光体を有さない場合に比べて、耐久性を向上しつつ摩擦による画像欠陥の発生を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、電荷輸送層において導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下である電子写真感光体を有さない場合に比べて、耐久性を向上しつつ摩擦による画像欠陥の発生を抑制するプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本実施形態に係る電荷輸送層中の電荷輸送材料の濃度勾配の一例を表す図である。 本実施形態の電子写真装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。 本実施形態の電子写真装置の、他の実施形態を示す概略構成図である。 本実施形態のプロセスカートリッジの好適な一実施形態を示す概略構成図である。 実施例1で得られた電荷輸送層の膜厚方向における電荷輸送材料の濃度分布である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
本発明者らは、耐久性を向上すべく、電荷輸送層の膜厚を厚くすることを検討した。電荷輸送層の膜厚を厚くすることにより摩擦などに対する耐久性は向上するものの、感光体の静電容量が小さくなり、他の部材との摩擦によって帯電したときに感光体表面の電位の乱れが生じ、画像欠陥を発生させやすいことが明らかとなった。この画質欠陥は特に電荷輸送層を38μm以上の厚さにしたときに顕著であり、高感度な電荷発生材料と組み合わせると更に顕著に現れることが判明した。
更に、上述の摩擦帯電による画像欠陥について説明する。電荷輸送層に含まれる電荷輸送材料は、その機能を発現させるため、ドナー性又はアクセプター性が強い物質である。例えば負帯電で使用する感光体においては、ドナー性の強い電荷輸送材料が用いられる。よって、このような感光体は、他の部材と接触したときの摩擦帯電により、正帯電し易い性質を有している。摩擦帯電しやすい電荷輸送材料の存在は、帯電によって画像を乱しやすい。
この電荷輸送材料の性質を踏まえれば、表面の電荷輸送材料の量を減らせば、摩擦帯電による画質欠陥は軽微になる。但し、電荷輸送層中に存在する電荷輸送材料の総量を減らしてしまうと、本来の電荷輸送能力が低下してしまう。摩擦帯電による画質欠陥の改善に十分効果があるまで電荷輸送材料の量を減らしてしまうと、繰り返し使用した際に残留電位が上昇するなどの影響により画像濃度の低下などを引き起こす原因となってしまう。
上記状況を勘案し、本発明者らは、電荷輸送層中で支持体から遠い側の表面領域について電荷輸送材料の量を減らすことを検討した。これにより、摩擦帯電による画質欠陥が抑えられ、また表面領域であれば、電荷輸送材料の量を減らしても本来の機能が損なわれず、繰り返しの使用でも画像濃度の低下が抑えられる。特に、単層の電荷輸送層で電荷輸送材料の濃度勾配を設けたときに、上記効果が顕著に奏されることを明らかにした。
なお、表面領域について電荷輸送材料の量を減らすことで、上記効果が奏される理由を以下のように推測するが、下記推測によって本発明は限定されない。
摩擦帯電が顕著に発生するのは、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に設置する際であり、設置した後では摩擦帯電は多くは発生しない。また、使用によって摩耗が進むと、電荷輸送層の膜厚そのものが減少して摩擦帯電の影響が少なくなる。更に、使用により表面が削れて表面荒さが増大すると、接触面積が減少するので摩擦帯電が起こりにくくなる。
以上から、表面領域において摩擦帯電しやすい電荷輸送材料の量を減らせば、摩擦による画像欠陥が抑えられるものと推測される。更なる効果として、表面領域であれば、電荷輸送材料の量を減らしても、繰り返し使用した際の残留電位の上昇が抑制され、画像濃度の低下などが抑えられる。
更に、電荷輸送材料の濃度の異なる複数の電荷輸送層を設ける方法では、複数の電荷輸送層の間に界面が存在し、この界面により電子写真特性が不安定になり画質が損なわれやすいことも明らかにした。
本発明者らの更なる鋭意検討の結果、単層の電荷輸送層において、表面での電荷輸送材料の濃度を下げて、支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域(以下「表面領域」と称する場合がある)における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下にすることにより、耐久性に優れつつ、摩擦による画像欠陥が抑えられること、更なる効果として繰り返し使用した際の残留電位の上昇が抑制され、画像濃度の低下などが抑えられることを見出した。また、このような電荷輸送層を用いることにより、高感度な電荷発生層を使用した高感度感光体においても上記効果が奏されることを見出した。
以下、図を参照しながら、本実施形態の電子写真感光体について説明する。
図1は、本実施形態の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した電子写真感光体1は電荷発生層5と電荷輸送層6とが別個に設けられた機能分離型の感光層3を備えるもので、導電性基体(導電性支持体)(単に「基体」と称する場合がある)2上に下引き層4、電荷発生層5、電荷輸送層6がこの順序で積層された構造を有している。ここで、電荷輸送層6は感光体1において最表層(基体2から最も遠い側に配置される層)となっている。以下、感光体1の各要素について説明する。
導電性基体2としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチックフィルム等が挙げられる。基体2の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
導電性基体2として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
なお、本明細書において「導電性」とは、体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味し、以下、他も特記がない限り同様である。「半導電性」とは、体積抵抗率が10Ωcm以上1013Ωcm以下を意味し、以下、他も特記がない限り同様である。
下引き層4は、基体2表面における光反射の防止、基体2から感光層3への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。下引き層4の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、支持体上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物微粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行い、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
下引き層4に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが用いられる。
なかでも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適に用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好適に用いられる。
下引き層4中の金属酸化物粒子と結着樹脂との比率は特に制限されず、任意に設定される。
下引き層4の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤は単独又は2種以上を混合して用いてよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂が溶解するものであれば、いかなるものを使用してもよい。
また、下引き層形成用の塗布液中に金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる下引き層形成用の塗布液を基体2上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
下引き層4の膜厚は15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下がより望ましい。下引き層4には、表面粗さ調整のために樹脂粒子を添加してもよい。該樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等が挙げられる。
また、表面粗さ調整のために下引き層4の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が挙げられる。
また、図示は省略するが、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために、下引き層4上に中間層を更に設けてもよい。
中間層に用いる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などがある。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。中でも、ジルコニウム又はシリコンを含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
中間層の形成に使用される溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状又は直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。
これらの溶剤は単独又は2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものでも使用される。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が適用される。
中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たす。したがって、中間層を形成する場合には、中間層の厚さは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。また、この場合の中間層を下引き層4として使用してもよい。
電荷発生層5は、電荷発生材料を適当な結着樹脂中に分散して形成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が使用される。
特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が高感度化の観点から好適である。
なお、本実施形態に係る電荷輸送層を適用すると、上述の高感度な電荷発生材料を用いた場合であっても、摩擦による画像欠陥や、繰り返し使用した際の画像濃度の低下が効果的に抑えられる。
その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が使用される。また、これらの電荷発生材料は、単独または2種以上を混合して使用される。
電荷発生層における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプ又はビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。
これらの結着樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いられる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1以上1:10以下の範囲が望ましい。
電荷発生層5の形成の際には、上記成分を溶剤に加えた塗布液が使用される。かかる溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状又は直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤は単独又は2種以上を混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものも使用される。
電荷発生材料を樹脂中に分散させるために、塗布液には分散処理が施される。分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる塗布液を下引き層4上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
電荷発生層5の膜厚は、0.01μm以上5μm以下が望ましく、0.05μm以上2.0μm以下がより望ましい。
電荷輸送層6は電子写真感光体1における表面層に相当し、単層であり、少なくとも電荷輸送材料と結着樹脂とを含む。電荷輸送層6の膜厚は38μm以上であり、支持体から遠い側の表面(以下「最表面」と称する場合がある)6aから1μm内部側までの領域(表面領域)6bにおける電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層6全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下である。
電荷輸送層6全体の電荷輸送材料の平均濃度は、FT―IRによって測定される。具体的には、電荷輸送層全体を粉末にしKBrと混合した後に加圧してペレットを作製し、FT―IRにより電荷輸送材料固有の赤外吸光度とバインダー成分固有の赤外吸光度を測定し、バインダー成分の赤外吸光度に対する電荷輸送層の赤外吸光度の比を平均濃度とする。または、電荷輸送層を斜めに削り、削り出された斜面について、表面からの深さ方向に対応した位置の赤外吸光度をATRにより測定し、バインダー成分の赤外吸光度に対する電荷輸送層の赤外吸光度の比を平均値とすることもできる。この場合は、膜厚方向10箇所の値の平均値である。
前記表面領域6bにおける電荷輸送材料の平均濃度は、電荷輸送層6全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下であり、好適には0.3倍以上0.5倍以下である。
表面領域6bにおける電荷輸送材料の濃度の測定は、FT−IRによって測定される。具体的には、最表面6aから1μm内部側までの領域内の任意の5箇所についてFT−IRを測定する。このときのバインダー成分の赤外吸光度に対する電荷輸送層の赤外吸光度の比の平均値を表面領域6bの濃度平均値とし、この平均値が電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下となっている。
更に好適には、電荷輸送材料の濃度勾配は、図2に示すように、電荷輸送層6の最表面から電荷発生層5との境界に向かって膜厚方向で連続的に増加する場合である。このような電荷輸送材料の濃度勾配を有する電荷輸送層6は、摩擦による画像欠陥、及び繰り返し使用による残留電位の上昇が効果的に抑制される。
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物に由来する基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用される。
また、電荷輸送層6における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
電荷輸送層6は、上記成分を溶剤に加えた塗布液を用いて形成される。電荷輸送層の形成に使用される溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いてよい。
これら溶剤のなかでも、本実施形態に係る電荷輸送層6、つまり表面領域6bの電荷輸送材料の平均濃度が電荷輸送層6全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下とするには、電荷輸送材料の溶解度が500mg/mL以下、より好適には300mg/mL以下の溶剤を使用することが好ましい。
電子写真感光体は一般的に浸漬塗布方法によって製造されるが、表面層は良好な画像を得るために平滑な表面を得ることが好ましい。塗布液には有機溶剤が用いられるが、乾燥の際に表面にオレンジピール(ユズ肌)などが発生しやすく、これを防止するためにレベリング剤を用いることが多い。レベリング剤にはジメチルシリコーンオイルを用いることが多い。
また、電荷輸送層6には、摩擦係数を下げることを目的としてPTFEなどのフッ素系粒子を分散してもよい。分散するフッ素系粒子の量は、電荷輸送層中に0.5質量%以上20質量%以下が望ましく、2質量%以上10質量%以下がより望ましい。
電荷輸送層6を形成するのに用いられる電荷輸送層形成用塗布液中にフッ素系樹脂粒子を分散させるための分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層5上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用される。
電荷輸送層の膜厚は、38μm以上60μm以下が望ましく、39μm以上45μm以下がより望ましい。
本実施形態に係る電荷輸送層6は、塗布溶媒と電荷輸送材料の溶解度、電荷輸送材料と結着樹脂との相溶性、塗布溶媒の揮発速度、電荷輸送層形成用塗布液により形成した塗布膜の乾燥速度等を考慮して作製される。具体的には、溶媒の種類を選択し、及び/又は電荷輸送材料と結着樹脂の分子量を調整することで、本実施形態に係る電荷輸送層が作製される。
上記調整により本実施形態に係る電荷輸送層が作製される理由を次のように推測する。
電荷輸送層形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成すると、塗布膜の表面から乾燥し始める。塗布膜中の結着樹脂が乾燥により固定されるときに、分子量の小さい電荷輸送材料は固化していない内部側へ移動する。これが逐次起こることで、図2に示すような膜厚方向での電荷輸送材料の濃度分布が形成されるものと推測する。
本実施形態に係る電荷輸送層を形成するための溶媒としては、テトラヒドロフランとトルエンとを併用することが望ましく、混合比率は、質量比で、テトラヒドロフラン:トルエンは9:1以上3:7以下であることが望ましく、9:1以上5:5以下であることがより望ましい。
なお、テトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒において、トルエンの含有比率を大きくすると電荷輸送材料の濃度勾配の差が小さくなり、テトラヒドロフランの含有比率を大きくすると電荷輸送材料の濃度勾配の差が大きくなる。
結着樹脂の分子量としては、重量平均分子量Mwとしては、8000以上100000以下であることが望ましく、10000以上40000以下であることがよりしい。
結着樹脂の分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)として「HLC-8120GPC、SC-8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムとして「TSKgel、SuperHM-H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。
測定は、試料濃度0.5質量%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実施する。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A-500」、「F-1」、「F-10」、「F-80」、「F-380」、「A-2500」、「F-4」、「F-40」、「F-128」、「F-700」の10サンプルから作製する。
電荷輸送材料の分子量としては、200以上3000以下であることが望ましく、300以上1500以下であることがより望ましく、400以上1000以下であることがより望ましい。
画像形成装置中で発生するオゾンや窒素酸化物、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層3を構成する各層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機リン化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペン等の誘導体が挙げられる。
次に、本実施形態の電子写真装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態の電子写真装置は、少なくとも、電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電する接触型の帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、トナーを用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写装置と、を有する。
図3は本実施形態の電子写真装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図3に示す電子写真装置200は、本実施形態の電子写真感光体207と、電子写真感光体207を帯電させる接触帯電方式の帯電装置(接触帯電装置)208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写媒体500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215と、を備える。この場合、除電器214が設けられていないものもある。
接触帯電装置208は帯電ロールを有しており、感光体207を帯電させる際には帯電ロールに電圧が印加される。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光体帯電電位に応じて正または負の50V以上2000V以下が望ましく、100V以上1500V以下がより望ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧は400V以上1800V以下が望ましく、800V以上1600V以下がより望ましく、1200V以上1600V以下が更に望ましい。交流電圧の周波数は50Hz以上20,000Hz以下が望ましく、100Hz以上5,000Hz以下がより望ましい。
帯電ロールとしては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。帯電ロールは、感光体207に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも感光体に追従した周速度で回転し、帯電装置として機能するが、帯電ロールに駆動手段を取り付け、感光体207とは異なる周速度で回転させて帯電させてもよい。
ローラー状部材は、感光体に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも感光体に追従した周速度で回転し、帯電装置として機能する。しかし、ローラー部材に何らかの駆動手段を取り付け、感光体とは異なる周速度で回転させ、帯電させてもよい。
芯材の材質としては導電性を有するもので、一般には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。またその他導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いてもよい。
弾性層の材質としては導電性又は半導電性を有するもので、一般にはゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものである。ゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられる。
導電性粒子又は半導電性粒子としてはカーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、Sb、In、ZnO、MgO等の金属酸化物が用いることができ、これらの材料は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
抵抗層および保護層の材質としては結着樹脂に導電性粒子又は半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したもので、抵抗率としては10Ωcm以上1014Ωcm以下が望ましく、10Ωcm以上1012Ωcm以下がより望ましく、10Ωcm以上1012Ωcm以下が更に望ましい。また膜厚としては0.01μm以上1000μm以下が望ましく、0.1μm以上500μm以下がより望ましく、0.5μm以上100μm以下が更に望ましい。
結着樹脂としてはアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。
導電性粒子又は半導電性粒子としては弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。また必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加してもよい。これらの層を形成する手段としてはブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が用いられる。
露光装置210としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等が用いられる。
現像装置211としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた公知の現像装置等が用いられる。現像装置211に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球形あるいは他の特定形状のものであってもよい。
転写装置212としては、ローラー状の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、本実施形態の電子写真装置は、図3に示したように、イレーズ光照射装置のような除電器214をさらに備えていてもよい。これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質がより高まる。
図4は本実施形態の電子写真装置における他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す電子写真装置220は中間転写方式の電子写真装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの画像をそれぞれ形成する)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、電子写真装置220に搭載されている電子写真感光体401a、401b、401c、401dは、それぞれ本実施形態の電子写真感光体である。
電子写真感光体401a、401b、401c、401dのそれぞれは、所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a、402b、402c、402d、現像装置404a、404b、404c、404d、1次転写ロール410a、410b、410c、410d、クリーニングブレード415a、415b、415c、415dが配置されている。現像装置404a、404b、404c、404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a、405b、405c、405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給され、また、1次転写ロール410a、410b、410c、410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a、401b、401c、401dに接している。
さらに、ハウジング400内にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a、401b、401c、401dの表面に照射する。これにより、電子写真感光体401a、401b、401c、401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、支持ロール408及び張力付与ロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して支持ロール408と接するように配置されている。支持ロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、更には相互に接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂が用いられる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
次に、本実施形態のプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジは、画像形成装置本体から脱着されるものであり、少なくとも、電子写真感光体を備え、更に前記電子写真感光体表面を帯電する帯電装置、帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置、トナーを用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像しトナー画像を形成する現像装置、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写装置及び転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング装置からなる群より選択される少なくとも一種を電子写真感光体と一体に有する。
図5は、本実施形態の電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体207と共に、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置213、露光のための開口部218、及び除電露光のための開口部217を、取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とで構成される電子写真装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに電子写真装置を構成するものである。
この電子写真装置及びプロセスカートリッジによれば、震動や長期保管によって感光体が摩擦されても、電気特性の変動、画質欠陥の発生が抑えられた電子写真用カートリッジ、電子写真装置が提供される。
なお、被転写媒体は、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写媒体に転写する場合は、紙等が被転写媒体である。また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体が被転写媒体である。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学工業社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子60質量部と、アリザリン0.6質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引層塗布用液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引層を得た。
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部及びn−ブチルアルコール300質量部の混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均粒径:0.2μm)及び分散助剤としてアロンGF400(東亞合成社製)0.01質量部とを、テトラヒドロフラン4質量部、トルエン1質量部とともに十分攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。
次に、電荷輸送材料としてN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン4質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合してテトラヒドロフラン24質量部及びトルエン11質量部を混合溶解した。
これに前記4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した得られた塗料に、レベリング剤(KP340、信越化学工業(株)製)を200ppm添加して電荷輸送層形成用塗料を得た。
この塗布液を電荷発生層上に30℃の環境下で浸漬塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚が40μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
この感光体の電荷輸送層の中の電荷輸送材料の濃度を上述の方法によりFT−IRで確認したところ、電荷輸送層の表面領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.45倍であった。この電荷輸送層の膜厚方向における電荷輸送材料の濃度分布をFT−IRによって測定し、その結果を図6に示す。なお、図6の濃度分布は、電荷輸送材料の吸収として1590cm−1の赤外吸光度を、バインダー樹脂の吸収として1011cm−1赤外吸光度を用いて求めた電荷輸送材料の濃度である。
このようにして得られた感光体を用いて、以下のテストを行なった。
初期画質の評価は、前記感光体を富士ゼロックス社製DocuCentre C3300用のプロセスカートリッジに搭載し、プロセスカートリッジを表1に示す(1)〜(3)の振動条件で振動させた後に、そのプロセスカートリッジをDocuCentre C3300に搭載して行なった。22℃/55%RH環境下でA3用紙に画像面積30%の全面ハーフトーン画像を印字し、振動させたときに帯電部材と接触していた場所の画像濃度と接触していなかった場所の画像濃度をマクベス濃度計で測定し、下記の評価基準で評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:接触部と非接触部の画像濃度差が0.05以下。
○:接触部と非接触部の画像濃度差が0.05を超えて0.1以下。
△:接触部と非接触部の画像濃度差が0.1を超えて0.15以下。
×:接触部と非接触部の画像濃度差が0.15を超える。
また、繰返しの使用適性を確認するために、28℃、85%RHの環境下にて、A4サイズ、カラーで1ドットライン像を含むエリアカバレッジ5%の画像をもとに10,000枚プリント試験を行った。プリント試験の初期(1枚目)と10,000枚プリント後の感光体について除電後の残留電位(VRp)を測定し、初期の残留電位と10,000枚プリント後の残留電位との差(ΔRp)を算出し、下記の評価基準で評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:ΔRpが30V以下
○:ΔRpが30Vを超えて50V以下。
△:ΔRpが50Vを超えて80V以下。
×:ΔRpが80Vを超える。
[実施例2]
電荷輸送材料としてN,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミンを4質量部用いた以外は実施1と同様にして感光体を作製し、評価を行った。表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.32倍であった。電荷輸送層の膜厚は、38μmであった。
[実施例3]
電荷発生物質としてCuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行った。表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.46倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[実施例4]
電荷輸送材料としてN,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミンを4質量部用いた以外は実施3と同様にして感光体を作製し、評価を行った。表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.30倍であった。電荷輸送層の膜厚は、38μmであった。
[実施例5]
浸漬塗布時に、引き上げ速度を速くして塗布した以外は実施1と同様にして感光体を作製し、評価を行った。表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.32倍であった。電荷輸送層の膜厚は、50μmであった。
[実施例6]
浸漬塗布時の環境を25℃とした以外は実施1と同様にして感光体を作製し、評価を行った。表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.43倍であった。電荷輸送層の膜厚は、46μmであった。
[実施例7]
電荷輸送層塗料作製に使用する溶剤をテトラヒドロフラン18質量部及びトルエン18質量部に変えた以外は実施例1と同様に評価を行った。この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.58倍であった。電荷輸送層の膜厚は、42μmであった。
[実施例8]
電荷輸送層塗料作製に使用する溶剤をテトラヒドロフラン32質量部及びトルエン4質量部に変えた以外は実施例1と同様に評価を行った。この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.33倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[実施例9]
結着樹脂をビスフェノールA型ポリカーボネート(粘度平均分子量:29000)に変えた以外は実施例1と同様に評価を行った。
この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.56倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[比較例1]
電荷輸送層を150℃で40分乾燥した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.62倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[比較例2]
実施例1で作製した感光体を150℃のオーブンで40分加熱した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.75倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[比較例3]
電荷輸送層塗料作製に使用する溶剤をトルエン35質量部に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.23倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[比較例4]
電荷輸送層塗料作製に使用する溶剤をトルエン35質量部に変え、105℃で40分乾燥した以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.15倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[比較例5]
実施例3で作成した感光体を150℃のオーブンで40分加熱した以外は、実施例3と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.74倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
[比較例6]
実施例1で使用した電荷輸送層用塗料を、浸漬塗布時の引き上げ速度を遅くして、20μm塗布した第一の電荷輸送膜を形成した。
更に、この第一の電荷輸送膜上に、電荷輸送材料としてN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン2質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)8質量部、とした以外は実施例1で使用した電荷輸送層用塗料と同様にして作製した塗料を20μm塗布し、第二の電荷輸送膜を形成して、感光体を得た。
この感光体の電荷輸送層は、表面領域の電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.33倍であった。電荷輸送層の膜厚は、40μmであった。
1…電子写真感光体、2…導電性基体(導電性支持体)、3…感光層、4…下引き層、5…電荷発生層、6…電荷輸送層、200…電子写真装置、207…電子写真感光体、208…帯電装置、209…電源、210…露光装置、211…現像装置、212…転写装置、213…クリーニング装置、214…除電器、215…定着装置、216…取り付けレール、217…除電露光のための開口部、218…露光のための開口部、220…電子写真装置、300…プロセスカートリッジ、400…ハウジング、402a〜402d…帯電ロール、403…レーザー光源(露光装置)、404a〜404d・・・現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…張力付与ロール、408…支持ロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…トレイ(被転写体トレイ)、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a〜415d…クリーニングブレード、416…クリーニングブレード、500…被転写媒体

Claims (4)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体に近い側から順に、電荷発生層と、電荷輸送材料を含有する単層の電荷輸送層と、を有し、
    前記電荷輸送層の膜厚が38μm以上であり、
    前記電荷輸送層は、前記導電性支持体から遠い側の表面から1μm内部側までの領域における電荷輸送材料の平均濃度が、電荷輸送層全体の電荷輸送材料の平均濃度の0.3倍以上0.6倍以下である電子写真感光体。
  2. 前記電荷輸送層中の電荷輸送材料の濃度が、前記導電性支持体から遠い側の表面から他方の表面に向かって膜厚方向で連続的に増加する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体表面を帯電する接触型の帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写装置と、
    を有する画像形成装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体表面を帯電する接触型の帯電装置、帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置、トナーを用いて前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像しトナー画像を形成する現像装置、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写装置及び転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング装置からなる群より選択される少なくとも一種と、を一体に有し、
    画像形成装置本体から脱着されるプロセスカートリッジ。
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