JP5968607B2 - 容器入り二層食品に用いるソース及び容器入り二層食品 - Google Patents
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Description
本発明はまた、付着性改善のために多糖類が用いられていても、べたついた重い食感となることなく、良好な食感のソースに関する。更に、本発明は、上記ソースを用いた容器入り二層食品に関する。
しかし、容器入り二層食品の上層部に液状のソースを充填すると、容器のふたを開ける際にソースが飛び出すこともあり、手や周囲を汚すといった問題がある。また、喫食時には、スプーンを差し込んだ部分にソースが流れ込み、ゲル状食品とソースを同時に喫食できないといった課題を抱えていた。
特許文献2には、ローカストビーンガム等の、デザートの上下層間で相乗効果によるゲル化、増粘が起こりにくい増粘剤・ゲル化剤を組み合わせて、カラメルソース及び/又はフルーツソースを上乗せしたデザートを製造する方法が開示されている。
同様にして、特許文献2に開示されたソース(ローカストビーンガム単独、キサンタンガム単独)も、ゲル状食品からソースが剥離しやすく(滑りやすく)、流通時の振動や傾斜によって商品価値が著しく低下するといった課題を抱えていた。
一例として、咀嚼・嚥下困難者が喫食しやすいように、米飯をミキサー等ですり潰してゲル化した食品が考えられるが、上層にカレーソースなどを添加した場合、上述の課題と同様、ゲル状部とソース部を同時に喫食できず、味に偏りが生じるといった課題が生じる。
具体的には、プリンやゲル状惣菜、米飯等のゲル状食品の上層に用いられるソースであって、良好な食感を有しつつも、流通時や喫食時にゲル状食品からソースが滑り落ちることなく、流通時に外観を損わず、喫食当初から最後まで均一に味を楽しめるソースを提供することを目的とする。
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
項1.乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品の上層に充填するソースであり、以下の条件を満たすソース;
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
項2.60℃における粘度が60mPa・s以上である、項1に記載のソース。
項3.乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品の上層に、項1又は2に記載のソースを充填した容器入り二層食品。
項4.以下の条件を満たすソースを用いることを特徴とする、乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品からのソースの剥離性を改善する方法;
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
ソース中におけるローカストビーンガムの含量は1.2質量%未満、好ましくは1.0質量%以下であることが望ましい。下限は特に制限されないが、0.3質量%を例示できる。ソース中のローカストビーンガムの添加量が1.2質量%以上となるとソースが非常に高粘度となり、充填時に高温に設定する必要があり、また食感もべたついたものとなる。
ローカストビーンガムの添加量よりLMペクチンの添加量が上回ると、ゲル状食品に対する付着性が低下し、振動や傾斜によってソースがゲル状食品より剥離してしまう。
本発明のソースの第一の特徴は、ゲル状食品に対する剥離性が有意に改善されている点にある。「剥離性」とは、ゲル状食品を傾斜させた場合にソースが自重でゲル表面から滑り落ちる(剥がれ落ちる)性質を指し、「剥離性を改善」とは、本性質を改善し、傾斜時や振動時にゲル表面からソース部が滑り落ちる現象を改善することをいう。
剥離性を改善することにより、スプーンでゲル状食品とソースを共にすくった際にソースのみ滑り落ちるといった現象や、輸送時に発生する商品価値の低下を抑制することができる。
具体的には、乳成分を含有するゲル状食品として、プリン、乳入りゼリー、ヨーグルト、チーズデザート等を例示できる。好ましくは無脂乳固形分が1質量%以上であるゲル状食品である。
また、本発明はプリン等のデザートに限らず、米飯や惣菜をゲル化させた二層食品にも応用できる。例えば、米飯や惣菜をゲル化させた食品上層に、カレーソースや野菜ソースなどの調味料ソースを充填した二層食品を提供できる。ゲル状食品中に乳成分を含まない場合も想定されるため、その場合は、下層部に二価の陽イオンを添加する。
下層ゲル状食品中における、二価の陽イオンの添加量としては、カルシウム、マグネシウム含量として0.05〜0.3質量%を例示できる。例えば、乳酸カルシウム(C6H10CaO6)を使用する場合は、乳酸カルシウムに占めるカルシウム分子量から添加量を求めることができる。
例えば、乳成分、カルシウム、マグネシウム塩類、油脂、糖類、ゲル化剤及び乳化剤を適宜加熱混合し、必要に応じて均質化処理を施した後、容器に充填、冷却することで、下層部のゲル状食品を調製する。別途、水に糖類、ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有して加熱混合したソース部を調製し、ゲル状食品の上層に充填することで、容器入り二層食品を提供できる。
表1〜表3の処方に基つき、容器入り二層食品(カラメルプリン)を調製した。
<プリン部の調製>
水、ヤシ油、卵黄を撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤及び乳化剤の粉体混合物を添加し、80℃で10分間、加熱撹拌溶解した。香料及び色素を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。15MPaで均質化後、容器に充填し、5℃で冷却固化した。
<カラメルソース部>
水に砂糖、カラメル色素及び多糖類の粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解した。香料、(必要に応じて乳酸カルシウム)を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。<二層食品>
冷却固化したプリンの上に、各々60℃及び10℃に保持したソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。得られた二層食品について、剥離性及び食感を評価した。結果を表4、並びに図1〜3に示す。なお。粘度はBL型粘度計を用いて、回転数60rpmで1分間測定して求めた。
更に、実施例1〜6の容器入りカラメルプリンはいずれも食感が重くなったり、べたつくこともなく、またゲル化が強すぎてプリンとの相性が悪化することもなく、良好な食感を有していた。
ローカストビーンガムの添加量よりもLMペクチンを多く添加した比較例2のカラメルプリンも、食感は良好であるものの、容器を傾斜した直後からソースがプリンから滑り落ちてしまった。
同様にして、LMペクチンの添加量が0.1質量%であるソースを用いた比較例3のカラメルプリンも容器を傾斜した直後からソースがプリンから滑り落ち、剥離性を改善することは到底できなかった。
キサンタンガム及びローカストビーンガムを併用した比較例6はソースがゲル状となり、プリンに充填してもソースが広がらず、ソースとしての役割を果たさなかった。特許文献1の技術を用いた比較例7のソースも、10℃条件ではゲル化し、ソースとしての役割を果たさなかった。ソース温度を60℃まで上昇させることによりかろうじて充填可能な状態となったが、極めて高粘度となり、プリンに充填してもプリン表面にソースが広がらなく、またその食感もべたついて重い食感であった。
ローカストビーンガムとネイティブ型ジェランガムを併用した比較例8のソースは、低温での充填が不可能であり、60℃における剥製性の改善効果も不十分であった。
表5の処方に従って、容器入り二層食品を調製した。
<プリン部の調製>
水、ヤシ油を撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤及び乳化剤の粉体混合物を添加し、80℃で10分間、加熱撹拌溶解した。香料を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。15MPaで均質化後、容器に充填し、5℃で冷却固化した。
<コーヒーソース部>
水に砂糖及び多糖類(ローカストビーンガム、LMペクチン及びグァーガム)の粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解した。香料、インスタントコーヒーを添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。
<二層食品>
冷却固化したプリンの上に、10℃のソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。
表6の処方に従って、容器入り二層食品を調製した。
<ヨーグルト風デザート部の調製>
水、生クリームを撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤及び乳化剤の粉体混合物を添加し、90℃で10分間、加熱撹拌溶解した。粉末発酵乳、クエン酸及び香料を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。15MPaで均質化後、容器に充填し、5℃で冷却固化した。
<ストロベリーソース部>
水に砂糖及び多糖類(ローカストビーンガム、LMペクチン及びイオタカラギナン)及びクエン酸三ナトリウムの粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解した。香料、ストロベリーピューレ、クエン酸、及び色素を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。
<二層食品>
冷却固化したプリンの上に、60℃のソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。
表7の処方に従って、容器入り二層食品(カレー)を調製した。
<米ゼリー部の調製>
水、予めミキサーで1分間半、粉砕した米に、ゲル化剤、多糖類、食塩、乳酸カルシウムの粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱撹拌溶解した。全量が100質量%となるように蒸発水を補正し、5℃で冷却固化した。
<カレーソース部>
水、トマトペースト、リンゴピューレ、ガーリックペースト、ジンジャーペーストを撹拌しながら、カレー粉、食塩、調味料、ゲル化剤(ローカストビーンガム、ネイティブ型ジェランガム、LMペクチン)、及びカラメル色素を加え、80℃10分間加熱撹拌溶解した。次いで香料を添加し、全量が100質量%となるように蒸発水を補正した。
<二層食品>
冷却固化した米ゼリーの上に、60℃のカレーソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。
Claims (1)
- 乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品の上層に、以下(1)〜(4)の条件を満たすソースを充填することを特徴とする、前記ゲル状食品からのソースの剥離性を改善する方法;
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガム1質量部に対して、0.5〜1質量部のLMペクチンを併用する。
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