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JP5968607B2 - 容器入り二層食品に用いるソース及び容器入り二層食品 - Google Patents

容器入り二層食品に用いるソース及び容器入り二層食品 Download PDF

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Description

本発明は、カラメルソース、フルーツソースやカレーソースなど、ゲル状食品の上層に用いるソースに関する。具体的には、ゲル状食品に対する付着性が改善され、流通時や喫食時に生じる、ゲル状食品からの剥離が抑制されたソースに関する。
本発明はまた、付着性改善のために多糖類が用いられていても、べたついた重い食感となることなく、良好な食感のソースに関する。更に、本発明は、上記ソースを用いた容器入り二層食品に関する。
カラメルソースとカスタードプリン、フルーツソースとミルクプリンといった、上層にソース部を有する容器入り二層食品は、下層にソース部を有する二層食品と異なり、容器からの移し替えが不要であり、容器から食品を直接喫食できるという利点を有する。
しかし、容器入り二層食品の上層部に液状のソースを充填すると、容器のふたを開ける際にソースが飛び出すこともあり、手や周囲を汚すといった問題がある。また、喫食時には、スプーンを差し込んだ部分にソースが流れ込み、ゲル状食品とソースを同時に喫食できないといった課題を抱えていた。
容器開封時に生じるソースの飛び出しは、ゲル状食品上層部に充填するソースをゲル化することで改善できる。しかし、ゲル状食品の上層にゲル状ソースを載せると、ゲル間の界面が剥がれやすくなり、輸送時にゲル状ソースが動いて崩れる、喫食時にゲル状ソースが全体的に剥がれ、喫食しにくい等の問題を生じていた。
ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有するソースを用いた、二層食品もいくつか検討されている。特許文献1には、カラメルソースとプリンベースからなる容器入り二層プリンにおいて、上層にローカストビーンガム80〜90重量%と、キサンタンガム、ι−カラギナン、LMペクチンの中から選択された一種以上とを混合した安定剤1.0〜1.5重量%を含有したカラメルソースを用いる技術が開示されている。
特許文献2には、ローカストビーンガム等の、デザートの上下層間で相乗効果によるゲル化、増粘が起こりにくい増粘剤・ゲル化剤を組み合わせて、カラメルソース及び/又はフルーツソースを上乗せしたデザートを製造する方法が開示されている。
しかし、特許文献1に開示されたソースは非常に高粘度であるため、充填温度を高温に設定しなければならない。充填温度の制限は、製造工程の制限に加え、高温保持の際にソースの風味低下をも引き起こす。また、特許文献1に開示された技術は、60℃付近でゲル状食品の上層に充填した場合であっても十分にソースが広がらず、得られた二層食品の食感もべたついた重い食感となってしまう。更には、容器入り二層食品をスプーンですくった際にソース部分が、プリン表面から、つるりと剥離してしまうといった課題を抱えていた。
同様にして、特許文献2に開示されたソース(ローカストビーンガム単独、キサンタンガム単独)も、ゲル状食品からソースが剥離しやすく(滑りやすく)、流通時の振動や傾斜によって商品価値が著しく低下するといった課題を抱えていた。
また、近年では、食べ物を噛む、飲み込む力が低下した咀嚼・嚥下困難者が増大しており、咀嚼・嚥下困難者の喫食に適した米飯、惣菜味のゲル状食品も検討されている。
一例として、咀嚼・嚥下困難者が喫食しやすいように、米飯をミキサー等ですり潰してゲル化した食品が考えられるが、上層にカレーソースなどを添加した場合、上述の課題と同様、ゲル状部とソース部を同時に喫食できず、味に偏りが生じるといった課題が生じる。
特許第3911338号 特許第3501449号
上記従来技術に鑑み、本発明では、ゲル状食品に対する剥離性が改善されたソース、並びに当該ソースを用いた容器入り二層食品を提供することを目的とする。
具体的には、プリンやゲル状惣菜、米飯等のゲル状食品の上層に用いられるソースであって、良好な食感を有しつつも、流通時や喫食時にゲル状食品からソースが滑り落ちることなく、流通時に外観を損わず、喫食当初から最後まで均一に味を楽しめるソースを提供することを目的とする。
本発明者は、上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、以下の条件を満たすことで、滑らかな食感及びゲル状食品に対する剥離性が改善されたソースを提供できることを見出した。
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
本発明は以下の態様を有する二層食品用ソース、並びに二層食品に関する;
項1.乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品の上層に充填するソースであり、以下の条件を満たすソース;
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
項2.60℃における粘度が60mPa・s以上である、項1に記載のソース。
項3.乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品の上層に、項1又は2に記載のソースを充填した容器入り二層食品。
項4.以下の条件を満たすソースを用いることを特徴とする、乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品からのソースの剥離性を改善する方法;
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
本発明のソースは、ゲル状食品からの剥離性が有意に改善されているため、流通時の振動や傾斜によってソースがゲル状食品から滑り落ちることなく、輸送時に生じる商品価値の低下を最小限に抑えることができる。喫食時も、ゲル状食品の下部にソースが入り込んだり、ソースが全体的に剥がれることなく、スプーンでゲル状食品とソースを同時にすくって均一な味を楽しむことができる。本発明のソースは、剥離性が有意に改善されつつも、重い食感とならずに滑らかな食感の二層食品を提供でき、更には、低温条件下でも充填可能であるため、本発明は充填温度に制限を受けず汎用性が高いという利点も有する。
実験例1における、実施例1〜6の容器入り二層食品の状態を示す。
実験例1における、比較例1〜8の容器入り二層食品の状態を示す。
実施例4の容器入り二層食品をスプーンですくった状態を示す。
本発明のソースは、以下の条件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする。
(1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
(2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
(3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
(4)ローカストビーンガムの添加量が、LMペクチンの添加量以上である。
ローカストビーンガムは、β−D−マンノースの主鎖がβ−1,4結合、α−D−ガラクトースの側鎖がα−1,6結合した多糖類であり、マンノースとガラクトースの比率が約4:1である。商業上入手可能なローカストビーンガム製剤としては、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ビストップ[登録商標]D−2050」等が挙げられる。
ソース中におけるローカストビーンガムの含量は1.2質量%未満、好ましくは1.0質量%以下であることが望ましい。下限は特に制限されないが、0.3質量%を例示できる。ソース中のローカストビーンガムの添加量が1.2質量%以上となるとソースが非常に高粘度となり、充填時に高温に設定する必要があり、また食感もべたついたものとなる。
LMペクチンは、ガラクツロン酸を主体とする酸性多糖類と数種の中鎖糖が存在する。主鎖はα−D−ガラクツロン酸がα−1,4結合しており、部分的にメタノールでエステル化されている。ペクチンを構成するガラクツロン酸は、メチルエステルの形と酸の2種類の形で存在しており、そのエステルの形で存在するガラクツロン酸の割合(エステル化度)でHM(高メトキシル)ペクチン、LM(低メトキシル)ペクチンに分類される。本発明では、かかるエステル化度が40以下であり、20以上のLMペクチンを使用する。商業上入手可能なLMペクチン製剤としては、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ビストップ[登録商標]D−402」等が挙げられる。
ソース中におけるLMペクチンの添加量は0.12質量%以上、好ましくは0.15〜0.4質量%、更に好ましくは0.2〜0.3質量%である。LMペクチンの添加量が0.12質量%を下回ると、ゲル状食品からソースが剥離しやすく、目的とする二層食品を提供することができない。
更に、本発明のソースでは、ローカストビーンガムの添加量がLMペクチンの添加量以上であり、好ましくはローカストビーンガム1質量部に対して、0.7質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下のLMペクチンを併用することを特徴とする。
ローカストビーンガムの添加量よりLMペクチンの添加量が上回ると、ゲル状食品に対する付着性が低下し、振動や傾斜によってソースがゲル状食品より剥離してしまう。
本発明のソースは、60℃における粘度が60mPa・s以上、更には90mPa・s以上であることが好ましい。当該粘度が60mPa・s以上となると、より高い剥離性改善効果が望める。本粘度は、60℃に温度調整したソースを、BL型粘度計を用いて、回転数60rpmで1分間測定した値である。ソース粘度の上限は特に制限されないが、具体的には2500mPa・s以下、好ましくは2000mPa・s以下、更に好ましくは1600mPa・s以下である。
本発明で用いるソースの種類は特に限定されず、カラメルソース、黒糖ソース、フルーツソース、きな粉ソース、抹茶ソース、ゴマソース、コーヒーソース、チョコレートソース、ココアソース、野菜ソース、カレーソース等の各種ソースに適用可能である。
本発明のソースの第一の特徴は、ゲル状食品に対する剥離性が有意に改善されている点にある。「剥離性」とは、ゲル状食品を傾斜させた場合にソースが自重でゲル表面から滑り落ちる(剥がれ落ちる)性質を指し、「剥離性を改善」とは、本性質を改善し、傾斜時や振動時にゲル表面からソース部が滑り落ちる現象を改善することをいう。
剥離性を改善することにより、スプーンでゲル状食品とソースを共にすくった際にソースのみ滑り落ちるといった現象や、輸送時に発生する商品価値の低下を抑制することができる。
本発明のソースの第二の特徴は、べたついた重い食感とならずに、良好な食感を有する点である。具体的には、ゲル化が強すぎず、粘りやべたつきが少ない食感を有することである。例えば、剥離性の改善を目的として付着性を有するグァーガム等を使用した場合は、ソース自体がべたついた重い食感となる。一方で、食感低下を回避しようとグァーガム等の多糖類の添加量を低減すると下層のゲル状食品からの剥離を抑制することは到底できない。また、べたつき低減を目的としてソースをゲル化させた場合も、ゲル化が強すぎても下層ゲルと食感の差異が大きく、口の中で下層ゲルからソースが剥離し、下層ゲルとソースを同時に喫食することができない。
第三に、本発明のソースは低温下での充填が可能であり、汎用性が高いという特徴を有する。具体的に本発明のソースは5〜80℃の幅広い温度条件で充填することが可能であり、高温で保持した際に発生する風味低下なども防止できる。
なお本発明のソースは、本発明の効果を損なわない範囲において、グァーガム、ネイティブ型ジェランガム、イオタカラギナン等の各種多糖類を併用することが可能である。
下層に充填されるゲル状食品は、乳成分及び/又は二価の陽イオンを含有することを特徴とする。乳成分として具体的には、牛乳、脱脂乳、練乳、生クリーム、全脂粉乳、脱脂粉乳、発酵乳、バター、豆乳などを使用でき、二価の陽イオンとしては、水溶液に溶解するカルシウム塩、マグネシウム塩等を使用できる。カルシウム塩としては、乳酸カルシウムや塩化カルシウム、マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム等を好適に利用できる。
本発明で下層に充填されるゲル状食品は、乳成分及び/又は二価の陽イオンを含有していれば、種類は特に制限されない。
具体的には、乳成分を含有するゲル状食品として、プリン、乳入りゼリー、ヨーグルト、チーズデザート等を例示できる。好ましくは無脂乳固形分が1質量%以上であるゲル状食品である。
また、本発明はプリン等のデザートに限らず、米飯や惣菜をゲル化させた二層食品にも応用できる。例えば、米飯や惣菜をゲル化させた食品上層に、カレーソースや野菜ソースなどの調味料ソースを充填した二層食品を提供できる。ゲル状食品中に乳成分を含まない場合も想定されるため、その場合は、下層部に二価の陽イオンを添加する。
下層ゲル状食品中における、二価の陽イオンの添加量としては、カルシウム、マグネシウム含量として0.05〜0.3質量%を例示できる。例えば、乳酸カルシウム(C6H10CaO6)を使用する場合は、乳酸カルシウムに占めるカルシウム分子量から添加量を求めることができる。
本発明は上層にソース、及び下層にゲル状食品を有する容器入り二層食品に関する発明でもある。本容器入り二層食品は、下層のゲル状食品に乳成分及び/又は二価の陽イオンを使用し、上層部に本発明のソースを用いる以外は常法に従って製造可能である。
例えば、乳成分、カルシウム、マグネシウム塩類、油脂、糖類、ゲル化剤及び乳化剤を適宜加熱混合し、必要に応じて均質化処理を施した後、容器に充填、冷却することで、下層部のゲル状食品を調製する。別途、水に糖類、ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有して加熱混合したソース部を調製し、ゲル状食品の上層に充填することで、容器入り二層食品を提供できる。
本発明の容器入り二層食品は、好ましくは下層部のゲル状食品と、上層部のソースの固形分の差を20以下、好ましくは10以下に調整することにより、更にゲル状食品とソースの付着性を改善することができる。なお、本明細書中において固形分とは、食品素材の固形分合計量(油分も含む)の割合(質量%)をいう。
本発明の容器入り二層食品は、開封時にソースが飛び散ることもなく、流通(輸送)時や喫食時に下層のゲル状食品からソースが滑り落ちることなく、外観を損わず、また喫食当初から最後まで均一に味を楽しめる食品である。また、下層にソースを充填する容器入り二層食品とは異なり、別容器に移し替える必要もなく、容器からそのまま喫食可能である。
本発明はまた、容器入り二層食品において、下層のゲル状食品に対する上層ソースの剥離性を改善する方法に関する発明である。本発明は、上述の方法に従って実施可能である。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1 容器入り二層食品の調製
表1〜表3の処方に基つき、容器入り二層食品(カラメルプリン)を調製した。
<プリン部の調製>
水、ヤシ油、卵黄を撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤及び乳化剤の粉体混合物を添加し、80℃で10分間、加熱撹拌溶解した。香料及び色素を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。15MPaで均質化後、容器に充填し、5℃で冷却固化した。
<カラメルソース部>
水に砂糖、カラメル色素及び多糖類の粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解した。香料、(必要に応じて乳酸カルシウム)を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。<二層食品>
冷却固化したプリンの上に、各々60℃及び10℃に保持したソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。得られた二層食品について、剥離性及び食感を評価した。結果を表4、並びに図1〜3に示す。なお。粘度はBL型粘度計を用いて、回転数60rpmで1分間測定して求めた。
注1)エステル化度34のLMペクチンを用いた。
本発明の条件を満たす実施例1〜6の容器入り二層食品は、有意に剥離性が改善されており、容器を傾斜してもカラメルソースがプリンから剥離して滑り落ちることなく、喫食時にスプーンですくった場合も、プリンからソースが剥がれたり、すくった部分へソースが流れ込むことなく(図1及び3)、均一な味が楽しめる二層食品であった。特に、実施例3〜5のカラメルプリンは、より顕著に剥離性が改善されていた。
更に、実施例1〜6の容器入りカラメルプリンはいずれも食感が重くなったり、べたつくこともなく、またゲル化が強すぎてプリンとの相性が悪化することもなく、良好な食感を有していた。
一方、ローカストビーンガムを1.2質量%含有したソースを用いた場合は、ソースが非常に高粘度となり、10℃での充填が不可能であり、60℃で充填した場合であっても、ソースがべたついた重い食感となり、商品価値が低いものであった(比較例1)。
ローカストビーンガムの添加量よりもLMペクチンを多く添加した比較例2のカラメルプリンも、食感は良好であるものの、容器を傾斜した直後からソースがプリンから滑り落ちてしまった。
同様にして、LMペクチンの添加量が0.1質量%であるソースを用いた比較例3のカラメルプリンも容器を傾斜した直後からソースがプリンから滑り落ち、剥離性を改善することは到底できなかった。
比較例4及び5は、LMペクチンと、ローカストビーンガム以外の多糖類を併用した例である。具体的には、比較例4ではLMペクチンとグァーガムを、比較例5ではLMペクチンとタマリンドシードガムを併用したが、いずれも剥離性を改善することはできず、更に比較例4ではソース自体の食感もべたついた重い食感となってしまった。
キサンタンガム及びローカストビーンガムを併用した比較例6はソースがゲル状となり、プリンに充填してもソースが広がらず、ソースとしての役割を果たさなかった。特許文献1の技術を用いた比較例7のソースも、10℃条件ではゲル化し、ソースとしての役割を果たさなかった。ソース温度を60℃まで上昇させることによりかろうじて充填可能な状態となったが、極めて高粘度となり、プリンに充填してもプリン表面にソースが広がらなく、またその食感もべたついて重い食感であった。
ローカストビーンガムとネイティブ型ジェランガムを併用した比較例8のソースは、低温での充填が不可能であり、60℃における剥製性の改善効果も不十分であった。
以上のように、比較例1〜8のカラメルプリンはべたついた重い食感となる、充填が困難である等に加え、いずれの場合も剥製性を改善することはできず、容器を傾けることで容易にソースが剥離してしまった(図2)。
実施例7 容器入り二層食品の調製
表5の処方に従って、容器入り二層食品を調製した。
<プリン部の調製>
水、ヤシ油を撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤及び乳化剤の粉体混合物を添加し、80℃で10分間、加熱撹拌溶解した。香料を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。15MPaで均質化後、容器に充填し、5℃で冷却固化した。
<コーヒーソース部>
水に砂糖及び多糖類(ローカストビーンガム、LMペクチン及びグァーガム)の粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解した。香料、インスタントコーヒーを添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。
<二層食品>
冷却固化したプリンの上に、10℃のソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。
注2)ソースを60℃に調整した場合の粘度を測定した。粘度はBL型粘度計を用いて、回転数60rpmで1分間測定した値である。
得られた容器入り二層食品は、容器を傾けてもソースがゲルから滑り落ちることもなく、良好な付着性を有していた。また、ソースの食感もべたついた重い食感とならずに、ゲルとの相性が良い良好な食感を有していた。
実施例8 容器入り二層食品の調製
表6の処方に従って、容器入り二層食品を調製した。
<ヨーグルト風デザート部の調製>
水、生クリームを撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤及び乳化剤の粉体混合物を添加し、90℃で10分間、加熱撹拌溶解した。粉末発酵乳、クエン酸及び香料を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。15MPaで均質化後、容器に充填し、5℃で冷却固化した。
<ストロベリーソース部>
水に砂糖及び多糖類(ローカストビーンガム、LMペクチン及びイオタカラギナン)及びクエン酸三ナトリウムの粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱撹拌溶解した。香料、ストロベリーピューレ、クエン酸、及び色素を添加し、蒸発水をイオン交換水で補正した。
<二層食品>
冷却固化したプリンの上に、60℃のソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。
得られた容器入り二層食品(ヨーグルト風デザート)は、容器を傾けてもソースがゲルから滑り落ちることもなく、良好な付着性を有していた。また、ソースの食感もべたついた重い食感となることもなく、ゲルとの相性が良い良好な食感を有していた。
実施例9 容器入り二層食品の調製
表7の処方に従って、容器入り二層食品(カレー)を調製した。
<米ゼリー部の調製>
水、予めミキサーで1分間半、粉砕した米に、ゲル化剤、多糖類、食塩、乳酸カルシウムの粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱撹拌溶解した。全量が100質量%となるように蒸発水を補正し、5℃で冷却固化した。
<カレーソース部>
水、トマトペースト、リンゴピューレ、ガーリックペースト、ジンジャーペーストを撹拌しながら、カレー粉、食塩、調味料、ゲル化剤(ローカストビーンガム、ネイティブ型ジェランガム、LMペクチン)、及びカラメル色素を加え、80℃10分間加熱撹拌溶解した。次いで香料を添加し、全量が100質量%となるように蒸発水を補正した。
<二層食品>
冷却固化した米ゼリーの上に、60℃のカレーソースを充填し、容器入り二層食品を調製した。
得られた容器入り二層食品は、容器を傾けてもソースがゲルより滑り落ちることもなく、良好な付着性を有していた。また、ソースの食感もべたついた重い食感とならずに、ゲルとの相性が良い良好な食感を有していた。

Claims (1)

  1. 乳成分及び/又は二価の陽イオンを含むゲル状食品の上層に、以下(1)〜(4)の条件を満たすソースを充填することを特徴とする、前記ゲル状食品からのソースの剥離性を改善する方法;
    (1)ローカストビーンガム及びLMペクチンを含有する、
    (2)ローカストビーンガムの添加量が1.2質量%未満である、
    (3)LMペクチンを0.12質量%以上添加する、
    (4)ローカストビーンガム1質量部に対して、0.5〜1質量部のLMペクチンを併用する。
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