JP5264833B2 - 多層食品の製造方法 - Google Patents
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多層食品を工業的に生産しようとする場合には、外観のきれいさや味の良好さに加え、生産効率を挙げることが課題となる。そのため、外観のきれいさと生産スピードを両立することを目的として、種々の技術が開発されている。
行うことを特徴とする容器入りゲル化食品の製造方法が記載されている。
また、本発明は、このような方法により製造されうる新規な多層食品を提供することを課題とする。
本発明の製造方法により、各層の原料を充填すると、第1層及び/又は第3層のカルシウムが、ペクチンを含む第2層に移行し、ペクチンとカルシウムイオンとが結合することにより、第2層が固化し、各層の界面が安定し、きれいな多層構造ができる。すなわち、第1層への第2層の原料の積層、或いは、第2層への第3層の原料の積層をもって、第2
層の固化を開始することができるので、第2層の原料の積層から第3層の原料の積層にかけての工程をスピーディに行うことができる。
このような多層食品に本発明の製造方法を適用することにより、第2層と第3層の界面を、特にきれいに形成することができ、見た目にも食感にも優れた多層食品を製造することができる。
このような形態とすることにより、第2層の原料の充填をスピーディに行うことができ、また、第3層の原料の充填を、第2層と第3層の界面の崩れを抑制しながら行うことができる。また、第2層と接する第1層や第3層が温度による変性、変形等の影響を受けにくい。
このような形態とすることにより、第2層の上に第3層の原料を積層する場合に、第2層の表面の崩れを十分に抑制することができ、第2層と第3層の界面をきれいに形成することができる。
このような形態とすることにより、第2層の原料の充填がよりし易くなり、また、第2層の上に第3層の原料を積層した際に、第2層の原料が、第1層及び/又は第3層の原料からのカルシウムの移行によって素早く固化し、各層の界面がより早く安定する。
このような工程を含むことで、第3層の原料の積層を、第2層の表面の崩れを低減しながらよりきれいに、よりスピーディに行うことができる。
2つ以上の供給口をこのように配置することにより、第3層の原料の積層をきれいに、スピーディに行うことができ、また、第2層と第3層の界面を、よりきれいに形成することができる。
該形態においては、第2層は、カラギーナンを含有しないことが好ましい。
これは、酸性の第2層にカラギーナンを含有すると、第3層を第2層の上に積層した場合に、第3層中の乳タンパク質が第2層に含有されるカラギーナンと反応して第2層と第3層の界面付近に凝集するおそれがあるためである。
これにより、第2層の原料を適切な粘度でスピーディに積層できると同時に、第3層の積層時に、第2層との界面が崩れにくくなる。さらに、各層の積層後に、カルシウムが第
1層及び/又は第3層から第2層へ移行したときに、各層の界面が安定しつつ、かつ丁度よいとろみを有するソースタイプのゲル状食品又は粘稠状食品となる。
本発明の多層食品においては、酸性の第2層が、ペクチンとカルシウムの存在により、ゲル状又は粘稠性となっているため、第1層と第2層の界面、又は第2層と第3層の界面が安定し、きれいな多層構造となっている。
このような形態とすることにより、各層の界面がより安定しており、また複数の食感を楽しめるなど、見た目にも食感にも優れた多層食品となる。
このような形態とすることにより、各層の界面が安定でありながら、第2層の食感も適度な硬さのゲル状食品又は粘稠状食品となる。
この形態では、各層の界面が安定しつつ、第2層は、丁度よいとろみを有するソースタイプのゲル状食品又は粘稠状食品となる。
該形態においては、第2層は、カラギーナンを含有しないことが好ましい。
これは、酸性の第2層にカラギーナンを含有すると、第3層中の乳タンパク質が第2層に含有されるカラギーナンと反応して第2層と第3層の界面付近に凝集するおそれがあるためである。
本発明の多層食品は、各層の界面が安定しており、見た目に優れている。
本発明において「多層食品」とは、複数の組成の異なる食品が層を成している食品をいう。本発明における多層食品は、第1層、第2層、第3層の少なくとも3つの層を有していればよく、もちろん他の層を有していてもよい。なお、他の層を有する場合は、第1層より下層とすることが好ましい。
多層食品を収容する容器としては、透明なカップ型のプラスチック容器など、容器外から複数の層の界面を見ることができる容器が挙げられる。容器の容量は、通常1回で食することができる程度の食品を収容できる容量である。
第2層を構成する食品は、好ましくはゲル状食品又は粘稠状食品である。例えばプリン、ゼリー、ソース、ジャム、シロップ、クリームなどが挙げられる。
第3層を構成する食品は、好ましくは泡状食品である。泡状食品とは、内部に空気を抱きこんだ食品であり、例えばホイップクリーム、ムースなどが挙げられる。
〔第2層の原料の積層〕
本発明の製造方法は、容器に充填された第1層の上に第2層の原料を積層する工程を含む。
第2層の原料は、ペクチンを含む。ペクチンとしては、ローメトキシルペクチンが好ましい。ローメトキシルペクチンは、エステル化度が約40%以下(メトキシル基含有率で言えば、約7%以下)のペクチンをいう。ローメトキシルペクチンを用いることで、良好な第2層の原料の流動性を実現でき、第2層の積層を容易に行うことができる。
pHを調節するためには、通常食品に用いられる酸及び/又はpH調整剤を加えればよい。また、ベリー系やシトラス系等のフルーツをベースとして第2層の原料を調製することも好ましい。
800〜1000mPa・sである。すなわち、上述した温度の範囲の何れかにおいて、粘度が上記の範囲であればよい。粘度の下限を上記値とすることにより、後述する第3層の原料を第2層の表面に供給する際に、第3層の一部が第2層と混じり合うことを防ぎ、第2層と第3層の界面をきれいに形成することができる。また、粘度の上限を上記値とすることにより、第2層の原料の積層を、充填ノズルの詰まりなどを引き起こすことなくスムーズに行うことができる。また、粘度の上限を上記値とすることにより、第2層の原料の供給を開始してから、該原料が第1層の上に均一に広がるまでの時間を短くすることができ、スピーディに、均一な厚みの第2層を形成することができる。
ペクチンと他の増粘剤を組み合わせて用いる場合には、ペクチンを全増粘剤に対して、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは40〜70質量%程度とすることが挙げられる。
これは、酸性の第2層にカラギーナンを含有すると、第3層の原料を第2層の上に積層した場合に、第3層中の乳タンパク質が第2層に含有されるカラギーナンと反応して第2層と第3層の界面付近に凝集するおそれがあるためである。
すなわち、特許文献3に記載される方法を、第2層がフルーツベースの酸性の食品、第3層がホイップクリーム(生クリーム)である多層食品の製造に適用しようとすると、第2層と第3層の界面付近でホイップクリーム中の乳タンパク質がカラギーナンと反応し、凝集し、食感や風味を損なうという問題が起こり得る。本発明の好ましい形態では、増粘剤としてカラギーナンを用いないため、乳タンパク質の凝集を引き起こすことがない。
このような形態とすることで、第2層の原料の第1層の上への積層後に、第1層に含まれるカルシウムが第2層に移行し、酸性条件下でペクチンがカルシウムイオンを介して結合することにより、第2層が固化し、第1層と第2層の界面が安定する。第1層と第2層の界面が安定することにより、容器入り多層食品をスプーンなどを用いて食する場合に、第2層が第1層の表面で滑るなどして多層構造が容易に崩れてしまうことを、極力防ぐことが可能となる。
本明細書において「固化」とは、完全なゲルになることのみならず、一部がゲルとなって粘度が上昇することも含む。
また、第1層の上への第2層の原料の積層後に、第2層の固化が始まることで、後述する第3層の原料の積層の間にも、第2層が固化していくことになるので、第2層の積層後、直ちに第3層を積層した場合でも、第3層の原料の供給圧力による第2層の表面の崩れを抑制し、第2層と第3層のきれいな界面を形成しやすくなる。
なお、第1層の原料をゲル化させる際には、第1層の表面が少なくともゲル化した時点で、第2層の原料の積層を開始することができる。
本発明の製造方法は、第2層の原料を積層した後に、直ちに、第3層の原料を第2層の上に積層する工程を含む。
ここで、「直ちに」とは、通常の食品の工業的な生産において、連続的に工程を行うことを意味する。例えば、第2層の原料の積層の完了から好ましくは20秒程度以内、さらに好ましくは5秒程度以内に第3層の原料の積層を開始する。
第3層がカルシウムを含むことにより、第3層の原料の第2層の上への積層後に、第3層に含まれるカルシウムが第2層に移行し、酸性条件下でペクチンがカルシウムイオンを介して結合することにより、第2層が固化し、第2層と第3層の界面が安定する。
また、上述したように、第2層の固化は、第1層と第2層の界面の安定にも寄与する。
好ましい形態では、第1層の原料及び第3層の原料が何れもカルシウムを含む。このような形態では、第1層と第3層の両方から第2層へカルシウムが移行し、より素早く第2層が固化し、短時間に界面を安定させることが可能となる。
第3層の原料に増粘剤及び/又はゲル化剤を含有させる方法としては、まず、第3層の原料の一部、例えば油脂原料を泡立てた後に、これに増粘剤水溶液を混合するという方法をとることが好ましい。これにより、泡立てを充分に行うことができる。
2つ以上の供給口をこのように配置することで、第3層の原料の供給によって第2層の表面が受ける圧力が、容器の回転中心に対して略対称となるため、第3層の原料の供給により第2層の表面が何れかの方向に偏ることを防ぐことが可能となる。
また、供給口の形状は任意であるが、例えば、花型であることが好ましい。このような形状の供給口を用いることにより、第3層の表面が外観上美麗となる。
なお、上述したように、容器と充填ノズルの両方を相対的に回転させる場合には、容器と充填ノズルのそれぞれの回転角は、上記容器の回転角の半分程度とすることができる。
このような範囲とすることで、第3層の原料の供給口からの供給圧力が、第2層の表面に対して均一にかかり、第2層と第3層の界面をよりきれいに形成することが可能となる。
第3層の原料の積層時の温度は、好ましくは5〜20℃程度、更に好ましくは7〜15℃程度である。
本発明の製造方法によれば、このようなスピードで第2層の積層から第3層の積層を行っても、充分にきれいな第2層と第3層の界面を形成することが可能である。
まず、プリンL1が充填されたカップM(図2(a))が、搬送装置(図示しない)により、充填機の充填ノズル10の下方に搬送される。この時点で、プリンL1の少なくとも表面はゲル化した状態となっている。続いて、充填ノズル10よりカップM内のプリンL1の上にフルーツソースL2が充填(積層)される(図2(b))。フルーツソースL2の充填に要する時間は、2秒程度である。
カップMの回転が停止すると同時に、充填ノズル20からのホイップクリームL3の供給を停止し、ホイップクリームL3の充填(積層)が完了する。
本発明の多層食品は、第1層、第2層及び第3層がこの順で容器内に積層されている、容器入り多層食品である(図1参照)。好ましい形態では、第1層がゲル状食品からなり、第2層がゲル状食品又は粘稠状食品からなり、第3層が泡状食品からなる。各層を構成する食品の例は、上述したとおりである。
また、第2層は、カルシウムを含む。これにより、カルシウムとペクチンが反応し、固化している状態となっている。
また、第2層が粘稠状食品である場合には、第2層の粘度は、例えば10℃(チルド条件)で、好ましくは2000mPa・s以上、好ましくは3000mPa・s以上である。
その他、第2層の成分等の好ましい態様については、第2層の原料について説明したと
おりである。
本発明の多層食品は、酸性の第2層がペクチン及びカルシウムの存在により適度に固化しているため、各層の界面が安定し、きれいな界面が形成されている。
まず、試験例で測定した物性の測定方法について説明する。
B型粘度計(No. 3ローター又はNo.4ローター)(東機産業株式会社製)を使用して、60rpmの回転数で測定した。
空気を含む泡状試料の体積、及び空気を含まない泡状試料の原料液の体積から、泡状組成物の空気の体積を求め、原料液の体積に対する空気の体積を求めた。
底面直径24mm、高さ33.5mm、12gの円錐型コーンを、ペネトロメーター(中村医科理化器械店製)を用い、JIS K−2350に準拠して試料に浸入させ、浸入深さ(mm)×10の値(単位なし)を求めた。
試験例1では、第3層(ムース部)の、第2層(ソース部)の表面への積層時の、オーバーラン及びペネトロ値が、第2層と第3層の界面に与える影響を試験した。
第1層−プリン部の原料の調製
表1に示す配合で原料を混合溶解した。これをUHT殺菌機(プレート式:森永乳業社
製)にて125℃で15秒の殺菌を行い、冷却装置で80℃まで冷却後、ホモジナイザーで8Mpaの条件で均質化し、タンクへ入れ、10℃以下に冷却した。
表2に示す配合で原料を混合溶解した。これをUHT殺菌機(チューブラ式:森永乳業社製)にて120℃で2秒の殺菌を行い、冷却部で30℃に冷却してタンクへ入れ、10℃以下に冷却した。10℃での粘度は1000mPa・sであった。ソース部のpHは、4.0程度であった。
油脂原料液は、表3に示す配合で原料を混合溶解し、70℃に加温した。続いてこれを
、UHT殺菌機(プレート式;森永乳業社製)で、132℃で2秒間保持する条件で殺菌し、冷却装置で80℃まで冷却後、ホモジナイザーで1段目4.0MPa、2段目1.0MPaの条件で均質化し、さらに冷却装置で5℃に冷却した後、5℃、12時間のエージングを行った。
安定剤水溶液は表4〜6に示す配合でA〜Cの3種類を調製した。各表に示す原料を混合溶解した後、UHT殺菌機(プレート式;森永乳業社製)で130℃で2秒間保持する条件で殺菌を行い、45℃に冷却してタンクに保存した。
油脂原料液を5℃で連続ホイッパー(森永乳業社製)を用いてホイップした。その後、ホイップした油脂原料液と安定剤水溶液とをスタティックミキサーにて混合した。種々のオーバーラン及びペネトロ値を有する油脂原料液と、安定剤水溶液とを、種々の混合比で混合することにより、種々のオーバーランを有するムース部の原料を製造した。ムース部の原料の組成とオーバーランを、表7に示す。
第1層−プリン部の充填
上記で調製した第1層の原料を90℃に加温した後、60℃まで冷却した。冷却した原
料68gを、充填機(HAMBA社製)を用いて、透明プラスチックカップ(商品名:PPカップ;大日本印刷社製;容積 約190mm3;開口の直径 約88mm;高さ 約65mm)に充填した。その後、連続式冷却機(HAMBA社製)で中心温度が20℃になるまで冷却し、ゲル化した。プリン部の高さ(厚み)は、約24mmであった。
第2層−ソース部の積層
上記で製造した第2層の原料20gを、カップに充填された、その表面がゲル化したプリンの上に充填機(HAMBA社製)にて充填(積層)した。積層時の第2層の原料の粘度は900mPa・sであった。ソース部の高さ(厚み)は、約6mmであった。
第2層の積層完了後、2秒以内に、上記で製造した第3層の原料22gを第2層の上に積層した。第3層の原料の積層は、容器の開口の中心を回転中心として、容器を360°回転させながら、2つの花型の供給口を有する充填ノズルを備える充填機(HAMBA社製)にて、第3層の原料を第2層の表面に供給することにより行った。第3層の積層時の温度は15℃であった。
第2層の積層開始から、第3層の積層完了までに要した時間は約20秒であった。
評価結果を、表8に示す。
No.2の製品は、第3層のムース部が第2層のソース部の表面全体に広がっており、第2層と第3層の界面もくっきりときれいであった。しかしながら、第3層の供給圧力により第2層がやや押し退けられる傾向が見られ、第2層のソース部の厚みがやや不均一で
あった。
No.4の製品は、第3層のムース部が第2層のソース部の表面全体に広がっていたが、第2層と第3層の界面が部分的にやや乱れていた。
No.1の製品は、第3層のムース部が第2層のソース部の表面全体に広がりきらなかった。また、第3層の供給圧力により第2層が押し退けられる傾向が見られ、第2層の厚みが不均一であった。
No.7、9、10の製品は、第3層のムース部が第2層のソース部の表面全体に広がっていたが、やや第2層と第3層の界面が乱れていた。
なお、第1層と第2層の界面は、何れの製品においてもきれいであった。
さらに、第3層の原料の積層時のオーバーランが100〜130%である場合、又はペネトロ値が280〜300である場合に、優れた品質の製品(ムース部がソース部の表面に広がり、横から見た時のソース部とムース部の界面がきれいであり、且つソース部の厚みが均一である)が得られることが判った。
試験例2では、第2層(ソース部)の積層時の粘度が、第2層と第3層の界面に与える影響を試験した。
第1層のプリン部の原料、第3層のムース部の原料は、試験例1のNo.3の製品の原料と同じものを用いた。
第2層のソース部は、表9に示す配合に従って、各種粘度の原料a〜eを調製した。ソース部のpHは、何れも約4.0であった。
各製品を評価した。
評価結果を、表10に示す。
No.11の製品は、第2層と第3層の界面が部分的にやや乱れていた。
No.15の製品は、第2層のソース部が第1層の表面に均一に広がりきらない部分があり、第2層のソース部の厚みがやや不均一であった。
なお、第1層と第2層の界面は、何れの製品においてもきれいであった。
さらに、前記粘度が650〜1400mP・sである場合に、優れた品質の製品(横から見た時のソース部とムース部の界面がきれいであり、且つソース部の厚みが均一である)が得られることが判った。
試験例3では、第3層の充填方法が、第2層と第3層の界面のきれいさに与える影響を試験した。
試験例1のNo.3の製品と同じ原料を用い、第3層の原料を供給する際の充填ノズル、及び容器の回転角を種々変えて、第3層の積層を行った。第3層の積層時間は、何れも2秒とした。
(1)供給口の影響
表11に示す、供給口の数及び形状が異なる4種類の充填ノズルを用いて第3層の原料を第2層の表面に供給し、製品を製造した。容器の回転角は、360°とした。製造した製品をそれぞれNo.16〜19とした。
No.16の製品は、第3層が第2層の表面全体を充分に覆うことができず、界面が充分にきれいに形成されなかった。No.17〜19の製品は、第3層が第2層の表面全体を充分に覆い、極めてきれいな界面が形成された。
以上の結果より、供給口は2つ以上であることが好ましいことが判った。
供給口を1つとする場合でも、回転角を大きくすれば、第2層と第3層の界面をきれいに形成することができる場合があると考えられる。
なお、第1層と第2層の界面は、何れの製品においてもきれいであった。
下記種々の回転角で容器を回転しながら第3層の原料を第2層の表面に供給し、製品を製造した。充填ノズルは、No.17の製品に用いた花型(口径15mm)の供給口を2つ有するものを用いた。製造した製品をそれぞれNo.20〜24とした。
No.20 回転角180°
No.21 回転角270°
No.22 回転角360°
No.23 回転角450°
No.24 回転角540°
No.20の製品は、第3層が第2層の表面全体を充分に覆うことができず、界面がやや乱れる傾向にあった。No.21の製品は、第3層が第2層の表面全体を僅かに覆うことができず、界面のきれいさにやや欠けていた。No.22、23の製品は、第3層が第2層の表面全体を充分に覆い、界面が極めてきれいに形成されていた。No.24の製品は、第2層が容器の開口の中心側に寄る傾向にあり、第3層の外観、第2層と第3層の界面のきれいさにやや欠けていた。
以上の結果より、供給口が2つの充填ノズルを用いる場合の容器の回転角は、好ましくは270〜450°、より好ましくは360〜450°であることが判った。
供給口を2つより多くした場合は、これより小さい回転角を採用できると考えられる。
なお、第1層と第2層の界面は、何れの製品においてもきれいであった。
L1 ・・・ 第1層
L2 ・・・ 第2層
L3 ・・・ 第3層
10 ・・・ 充填ノズル
20 ・・・ 充填ノズル
21 ・・・ 供給口
Claims (9)
- 第1層、第2層及び第3層がこの順で容器内に積層されている、容器入り多層食品の製造方法であって、
第2層の原料は、ペクチンを含み、かつ酸性であり、積層時に、温度が0〜30℃であり、かつ粘度が650〜1400mPa・sであり、
第1層及び/又は第3層の原料は、カルシウムを含み、
前記第2層の原料を、第1層の上に積層した後、直ちに、
前記第3層の原料を、第2層の上に積層する工程を含む、容器入り多層食品の製造方法。 - 第1層がゲル状食品からなり、第2層がゲル状食品又は粘稠状食品からなり、第3層が泡状食品からなる、請求項1に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 前記第3層の原料は、オーバーランが90〜170%である、請求項1または2に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 前記ペクチンが、ローメトキシルペクチンである、請求項1〜3の何れか一項に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 前記第3層の原料を積層する工程は、前記第1層及び第2層を積層した容器と、前記第3層の原料を前記第2層の表面に供給する供給口とを、相対的に回転させながら、前記第3層の原料を前記供給口から前記第2層の表面に供給する工程を含む、請求項2〜4の何れか一項に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 前記第3層の原料を供給する工程では、2つ以上の供給口を、前記容器の回転中心から離間した位置に、該回転中心に対して略対称に配置する、請求項5に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 第3層が乳製品からなる、請求項1〜6の何れか一項に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 第2層の原料におけるペクチンの含有量が、0.3〜1.2質量%である、請求項1〜7の何れか一項に記載の容器入り多層食品の製造方法。
- 第1層、第2層及び第3層がこの順で容器内に積層されている、容器入り多層食品であって、
第2層は、ペクチン及びカルシウムを含み、かつ酸性であり、
第1層及び/又は第3層は、カルシウムを含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の製造方法により製造される、容器入り多層食品。
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