JP5843460B2 - ゲル状食品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)複数相構造を有するゲル状食品であって、前記複数相構造のうち一つの相に可逆的熱ゲル化剤を配合してなることを特徴とするゲル状食品。
(2)上述の(1)に記載のゲル状食品において、前記可逆的熱ゲル化剤が酵素処理タマリンドシードガムであることを特徴とするゲル状食品。
(3)上述の(1)または(2)に記載のゲル状食品において、当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化する
ことを特徴とするゲル状食品。
(4)上述の(3)に記載のゲル状食品において、当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化することを特徴とするゲル状食品。
(5)上述の(3)または(4)に記載のゲル状食品において、前記可逆的熱ゲル化剤を低温度帯で配合して溶解した場合、当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、20℃以上70℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化し、かつ、当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、75℃以上95℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化することを特徴とするゲル状食品。
(6)上述の(3)または(4)に記載のゲル状食品において、前記可逆的熱ゲル化剤を高温度帯で配合して溶解した場合、当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、15℃以上45℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化し、かつ、当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、50℃以上95℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化することを特徴とするゲル状食品。
(7)複数相構造を有するゲル状食品の製造方法であって、ゲル化性溶液を充填する第1充填工程と、前記工程後に可逆的熱ゲル化剤を配合してなる溶液を充填する第2充填工程と、充填された前記両溶液を冷却する冷却工程とを備えることを特徴とするゲル状食品の製造方法。
(8)上述の(7)に記載のゲル状食品の製造方法において、前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる溶液の温度が0℃以上90℃以下であることを特徴とするゲル状食品の製造方法。
(9)上述の(7)に記載のゲル状食品の製造方法において、前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を低温度帯で溶解することを特徴とするゲル状食品の製造方法。
(10)上述の(7)に記載のゲル状食品の製造方法において、前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を高温度帯で溶解することを特徴とするゲル状食品の製造方法。(11)上述の(9)に記載のゲル状食品の製造方法において、前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を5℃以下で溶解することを特徴とするゲル状食品の製造方法。(12)上述の(10)に記載のゲル状食品の製造方法において、前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を120℃以上で溶解することを特徴とするゲル状食品の製造方法。
〔ゲル状食品の構成〕
本発明のゲル状食品は、複数相構造を有し、この複数相構造のうち少なくとも一つが可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相からなる。
このような複数相構造を有するゲル状食品としては、ゲル状物からなるマトリックス相中にゾル状物(流動食品)が分散した構造でもよく、ゲル状物同士からなる構造でもよい。分散相としては、塊状でも層状でもよい。
第2相2の中に可逆的ゲル化剤を含有させると、温度により容易に第2相2をゲル化したり、またもとのゾル状物(流動食品)に戻したりすることができる。
このようなゲル状食品を食する際は、スプーンを用いるだけでなく、その性状に応じて容器の開口部から直接飲用したり、あるいはストローにより吸引してもよい。
本発明で用いられる酵素処理タマリンドシードガムは、低温度帯でゾル状態、中温度帯でゲル状態、高温度帯でゾル状態を示すものである。酵素処理タマリンドシードガムとしては、側鎖ガラクトースの除去率が30質量%以上65質量%以下のものが好ましく、より好ましくは35質量%以上45質量%以下である。側鎖ガラクトースの除去率が30質量%未満であると、ゾル−ゲル変化が起こりにくくなるおそれがあり、また、側鎖ガラクトースの除去率が65質量%を超えてもゾル−ゲル変化が起こりにくくなるおそれがある。
本発明のゲル状食品としては、低温度帯で溶解した可逆的熱ゲル化剤を用いた場合、当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、20℃以上70℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化することが好ましい。また、当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、75℃以上95℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化することが好ましい。
酵素処理タマリンドシードガムを用いた場合、併せて配合する他のゲル化剤や増粘剤の種類や配合量によって、酵素処理タマリンドシートガムを溶解する温度は異なるが、5℃以下の低温で溶解することが好ましい。
酵素処理タマリンドシードガムを用いた場合、併せて配合する他のゲル化剤や増粘剤の種類や配合量によって、酵素処理タマリンドシートガムを溶解する温度は異なるが、120℃以上の高温で溶解することが好ましい。このような高温であると短時間で溶解が可能となる。
なお、以下の説明では、可逆的ゲル化剤の低温度帯(高温度帯)における溶解を、単に「低温(高温)で溶解」のように記載する。
なお、側鎖ガラクトースの除去率は、遊離のガラクトースの量をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で測定することにより算出することができる(Shirakawa.et.al., Food Hydrocolloids 12.1.25-28(1998))。
このようなゲル化剤や増粘剤としては特に限定されるものではなく、例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、結晶セルロース、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、ナタデココ、アラビアガム、ガティガム、カードラン、カラギナン、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、ペクチン、ダイズ多糖類、デンプン、加工デンプン(アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン)、寒天、ゼラチン、プルランおよびマンナンなどが挙げられる。
本発明のゲル状食品の製造方法は、ゲル化性溶液を充填する第1充填工程と、前記工程後に前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる溶液を充填する第2充填工程と、充填された前記両溶液を冷却する冷却工程とを備えている。
例えば、図1から図13までに挙げたような相構造を有するゲル状食品を製造する場合、まず、第1相1となるゲル化性溶液(以下、「1液」ともいう。)と、第2相2となる溶液(酵素処理タマリンドシードガムを含んでいる。以下、「2液」ともいう)とを酵素処理タマリンドシードガムを用いる以外はゲル状食品を調製する一般的な方法に従って調製することができる。酵素処理タマリンドシードガムは低温にて溶解しても良いし、高温にて溶解してもよい。
次に、第1充填工程で所定の容器に1液を充填し、その後に第2充填工程で2液を充填する。本発明においては、1液を容器に充填後、いつでも2液を充填することができる。例えば、1液を充填した直後に2液を充填して直ちに冷却してもよい。それ故、本発明によれば、従来の複数相ゲル状食品の製造方法にくらべ製造時間を大幅に短縮することができるだけでなく、設備投資を節約できるので、大幅なコストダウンが可能となる。
例えば、1液に比べて2液の比重が小さいほど2液は上部に分布し、2液の比重が大きいほど2液は下部に分布する。また、1液の充填時における1液の充填温度が低いほど2液は上部に分布し、1液の充填温度が高いほど2液は下部に分布する。2液の充填時における2液の充填温度が低いほど2液は上部に分布し、2液の充填時における2液の充填温度が高いほど2液は下部に分布する。2液の充填時における2液の充填速度が遅いほど2液は上部に分布し、2液の充填速度が速いほど2液は下部に分布する。
本発明では、2液の充填は、単孔ノズルでもよいが、多孔ノズルを用いて充填することがより好ましい。多孔ノズルを用いると2液のにじみを抑制できるので、2液を任意の形状とすることが容易であり好ましい。
[実施例1]
<プリン/縦断内包フルーツソース>
(1液の調製)
パーム油5.0質量%、脱脂粉乳9.6質量%、糖類15.0質量%、乳化剤0.1質量%、ペクチン0.15質量%、デン粉0.4質量%、ゼラチン0.15質量%、および香料と着色料を若干量配合して温水に溶解して均質化した後、125℃で2秒間殺菌し、50℃に保持して1液を調製した。この1液の比重は1.061、ゲル化温度は50℃であった。
果汁10質量%、2℃の低温で3時間かけてあらかじめ溶解した酵素処理タマリンドシードガム2.0質量%、および若干量の香料と着色料と水を基本配合とし、糖類の組み合わせと配合量により充填温度における比重が1.081となるように調整して2液を調製した。2液は、85℃で20分間殺菌し、−2℃、0℃、10℃、90℃、95℃の5通りに分けて保持した。
1液を容器に90g充填し、多孔ノズルを用いて2液を1.1秒間で10g充填した。
充填後の容器を5℃に冷却後、ゲル状食品を上から見た場合および食品の上面に対し垂直方向に割った断面図の様子を目視にて観察した(図3参照)。なお、実施品は通常冷蔵状態(例えば、0℃以上20℃以下)で食するが、各相の状態を観察するため、冷蔵温度(5℃)および加温温度(本実施例のように、酵素処理タマリンドシードガムを低温溶解した場合は60℃、後述する実施例のように高温溶解した場合は40℃)で評価を行なった。
総合評価を以下の基準の通りに定め、結果を表1に示した。なお、後述する実施例でも同じ基準を用いた。
○:任意の複数相を有する形状であり、見た目にも美しい。
△:わずかなにじみがあり、模様が若干不明瞭である。
×:任意の複数相を有する形状にはならない。
冷蔵品(5℃)では、2液の充填時における2液の温度が−2℃の場合は、2液がわずかににじみ、模様が少し不明瞭であった。2液の温度が95℃の場合は、2液の再滴下により、食品の上面に2液が点々と載った状態であった。2液の充填時における2液の温度が0℃から90℃までであると、2液が界面に対し明確に分布しやすく、見た目にも特に美しい範囲であった。
加温品(60℃)でも冷蔵品(5℃)と同様に、2液の充填時における2液の温度が−2℃の場合は、2液がわずかににじみ、模様が少し不明瞭であった。また、2液の温度が95℃と高い場合は、2液の再滴下により食品の上面に2液が点々と載った状態であった。それ故、2液の充填時における2液の温度が、0℃から90℃までであると、2液が界面に対し垂直方向に分布し、見た目の美しさやおもしろさを与え、同時に複数の異なる食感や風味を味わうことができるのでより好ましいことがわかる。
<飲むプリン/水玉カラメルソース>
(1液の調製)
パーム油5.0質量%、脱脂粉乳9.6質量%、糖類15.0質量%、乳化剤0.1質量%、ペクチン0.05質量%、デン粉0.13質量%、ゼラチン0.05質量%、ジェランガム0.04質量%、クエン酸三ナトリウム0.01質量%、乳酸カルシウム0.02質量%、および香料と着色料を若干量配合して温水に溶解、均質化した後、125℃で2秒間殺菌し、70℃に保持して1液とした。1液の比重は1.071、ゲル化温度は50℃であった。
粉末カラメル0.4質量%、酵素処理タマリンドンードガム2.0質量%、および若干量の香料と着色料と水を基本配合とし、糖類の組み合わせと配合量により比重差(1液の比重d1と2液の比重d2との差、d2−d1)について、−0.005、−0.004、0.036、0.060、0.20、および0.21の計6種類を設定し、各比重差を満たすように2液を調製した。2液は、125℃2秒間の高温で溶解と殺菌を行い、60℃に保持した。
次に、1液を容器に90g充填し、多孔ノズルを用いて2液を断続的に1.5秒間で10g充填した。冷却後中身を容器から取り出し、食品の上面に対し垂直方向に割り、目視にて界面の様子を観察した。同様に加温品も観察した(図12参照)。結果を表2に示した。
冷蔵品(5℃)では、1液の比重d1と2液の比重d2との差d2−d1が−0.005の場合は、2液が少しにじみ、模様がやや不明瞭であった。この比重差が0.21の場合も2液がわずかににじみ、模様がやや不明瞭であった。1液の比重と2液の比重差が−0.004から0.20までの範囲では、2液が水玉状にきれいに分布したものであった。さらに、この比重差が−0.004から0.06までの範囲である場合は、2液が水玉状で全体的に分布し、見た目にも特に美しいものであった。
<コーヒーゼリー/マーブル状クリーム>
(1液の調製)
インスタントコーヒー1.5質量%、ローカストビーンガム0.3質量%、カラギナン0.15質量%、ペクチン0.1質量%、ゼラチン0.1質量%、乳酸カルシウム0.02質量%、および若干量の香料と水を基本配合とし、糖類の組み合わせと配合量により充填温度における比重が1.088となるように調整して1液を調製した。1液は、均質化した後、110℃で2秒間殺菌し、35℃と50℃に保持した。得られた1液のゲル化温度は40℃であった。
精製パーム油30.0質量%を80℃まで加温した。これとは別に、脱脂粉乳1.0質量%、ミネラル濃縮ホエー1.0質量%、3℃の低温で3時間かけてあらかじめ溶解した酵素処理タマリンドシードガム2.0質量%、ゼラチン0.30質量%、グァーガム0.12質量%、キサンタンガム0.06質量%、糖類8.0質量%、ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)0.20質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.30質量、クエン酸三ナトリウム0.30質量%、第二リン酸カリウム0.20質量%、および香料0.08質量%を水に添加、溶解して水相を調製し、65℃まで加温した。そして水相を撹拌しながら、加温した油相(上述のパーム油)を水相に添加し、予備乳化および均質化した後、120℃で2秒間殺菌し、その後再び均質化を行い、10℃まで急速冷却した。得られた2液の比重は1.098であった。
1液を容器に85g充填し、多孔ノズルを用いて2液を0.6秒間で15g充填した。5℃に冷却後中身を容器から取り出し、食品の上面に対し垂直方向に割り、目視にて界面の様子を観察した。同様に加温品(60℃)も観察した。図6参照。結果を表3に示した。
冷蔵品(5℃)では、1液の充填時における1液の温度が35℃の場合(ゲル化温度40℃より低い)、2液が容器壁面に流れてにじみ、任意の形状にはややなりにくかった。1液の充填時における1液の温度が50℃の場合(ゲル化温度40℃より高い)は、2液がマーブル状に分布し、見た目にも美しいものであった。
加温品(60℃)でも冷蔵品と同様に、1液の充填時における1液の温度が、ゲル化温度より低い場合は、2液が容器壁面に流れてにじみ、任意の形状にはややなりにくかった。1液の充填時における1液の温度が、ゲル化温度以上である場合は、2液がマーブル状に分布し、見た目にも美しいものであった。
<プリン/界面模様内包フルーツソース>
(1液の調製)
パーム油5.0質量%、脱脂粉乳9.6質量%、糖類15。0質量%、乳化剤0.1質量%、ペクチン0.15質量%、デン粉0.4質量%、ゼラチン0.15質量%、カラギナン0.04質量%、キサンタンガム0.05質量%、ローカストビーンガム0.1質量%、および香料と着色料を若干量配合して温水に溶解し、均質化した後、125℃で2
秒間殺菌し、55℃に保持した。得られた1液の比重は1.059、ゲル化温度は50℃であった。
果汁10質量%、糖類20質量%、2℃の低温で3時間かけてあらかじめ溶解した酵素処理タマリンドシードガム2.0質量%、および酸味料と香料と着色料を若干量配合して温水に溶解し、分散させた後、85℃で20分間殺菌し、10℃に保持した。得られた2液の比重は1.084であった。
1液を容器に85g充填し、送液ポンプ自体の回転数を直接制御することで脈流させながら円周状に配置された孔径3mmの6孔ノズルを用いて2液を1.5秒間で15g充填した。別の容器に1液を85g充填し、送液ポンプ自体の回転数を直接制御することで脈流させながら単孔ノズルを用いて2液を1.5秒間で15g充填した。冷却後中身を容器から取り出し、食品の上面に対し垂直方向に割り、目視にて界面の様子を観察した。同様に加温品も観察した。図7参照。結果を表4に示した。
冷蔵品(5℃)では、単孔ノズルでも任意の形状をとることはできるが、6孔ノズルを用いた場合のほうが、2液を充填すると2液が界面に大きな6つの円が分布し、見た目にも美しいものであった。
加温品(60℃)でも冷蔵品と同様に、単孔ノズルでも任意の形状をとることはできるが、6孔ノズルを用いた場合のほうが、2液を充填すると2液が界面に大きな6つの円が分布し、見た目にも美しいものであった。
<プリン/縦断内包カラメルソース>
(1液の調製)
パーム油5.0質量%、脱脂粉乳9.6質量%、糖類15.0質量%、乳化剤0.1質量%、ペクチン0.15質量%、デン粉0.4質量%、ゼラチン0.15質量%、および香料と着色料を若干量配合して温水に溶解、均質化した後、120℃で2秒間殺菌し、50℃に保持した。得られた1液の比重は1.059、ゲル化温度は50℃であった。
粉末カラメル0.4質量%、糖類31.5質量%、安定剤を所定量、および香料を若干量配合して温水に溶解、分散した後、85℃で15分間殺菌し、10℃に保持した。得られた2液の比重は1.084であった。2液の安定剤は、酵素処理タマリンドシードガム2.0質量%使用したものとローカストビーンガム1.1質量%およびカラギナン0.05質量%を併用して使用したものの2を種調製した。
1液を容器に85g充填し、円周状に配置された孔径3mmで6孔の多孔ノズルを用いて2液を0.8秒間で15g充填した。冷却後中身を容器から取り出し、食品の上面に対し垂直方向に割り、目視にて界面の様子を観察した。同様に加温品も観察した(図3参照)。結果を表5に示した。
2液中に酵素処理タマリンドシードガムを含まない場合、2液は冷蔵時(5℃)においては非常ににじみ、加温時(60℃)においては1液と混合した状態であった。
一方、2液中に酵素処理タマリンドンードガムを含む本発明の実施品では、5℃ではゲル中にゾルが不連続相として内包されており、これを60℃に加温すると形状を維持したまま相転換が起こり、ゾル中にゲルが不連続相として内包され、2液が界面に対し垂直方向に分布し、見た目にも美しいものであった。また、食する際には最初から最後までプリンとフルーツソースが同時に食せる形状であった。
<ゼリー/底面模様内包フルーツソース>
(1液の調製)
1液は、糖類18.0質量%、透明りんご果汁6.0質量%、キサンタンガム0.08質量%、ジェランガム0.07質量%、ローカストビーンガム0.02質量%、クエン酸三ナトリウム0.04質量%、乳酸カルシウム0.04質量%、および酸味料と香料を若干量配合して温水に溶解、均質化した後、110℃で2秒間保持して殺菌し、65℃に保持した。得られた1液の比重は1.061、ゲル化温度は55℃、pHは3.9であった。
果汁10質量%、糖類20質量%、1℃の低温で3時間かけてあらかじめ溶解した側鎖ガラクトース除去率が35質量%および45質量%の酵素処理タマリンドシードガム1.0質量%、および酸味料と香料と着色料を若干量配合して温水に溶解、分散させた後、85℃で20分間殺菌し、25℃に保持した。得られた2液の比重は1.091であった。
1液を容器に90g充填し、多孔ノズルを用いて2液を0.6秒で10g充填した。冷却後中身を容器から取り出し、食品の上面に対し垂直方向に割り、目視にて界面の様子を観察した。同様に加温品も観察した(図13参照)。結果を表6に示した。
側鎖ガラクトース除去率が35%と45%の酵素処理タマリンドシードガムを用いた2液は低温品(5℃)と加温品(60℃)において、ゾルーゲルが逆転した。また、2液がにじみもなく底面に6つの円が分布し、見た目にも美しいものであった。
2…第2相(2液)
Claims (12)
- 複数相構造を有するゲル状食品であって、
前記複数相構造のうち一つの相に可逆的熱ゲル化剤を配合してなる
ことを特徴とするゲル状食品。 - 請求項1に記載のゲル状食品において、
前記可逆的熱ゲル化剤が酵素処理タマリンドシードガムである
ことを特徴とするゲル状食品。 - 請求項1または請求項2に記載のゲル状食品において、
当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化する
ことを特徴とするゲル状食品。 - 請求項3に記載のゲル状食品において、
当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化する
ことを特徴とするゲル状食品。 - 請求項3または請求項4に記載のゲル状食品において、
前記可逆的熱ゲル化剤を低温度帯で配合して溶解した場合、
当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、20℃以上70℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化し、かつ、
当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、75℃以上95℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化する
ことを特徴とするゲル状食品。 - 請求項3または請求項4に記載のゲル状食品において、
前記可逆的熱ゲル化剤を高温度帯で配合して溶解した場合、
当該ゲル状食品が低温から高温になるに従い、15℃以上45℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゾルからゲルに変化し、かつ、
当該ゲル状食品がさらに高温になるに従い、50℃以上95℃以下の温度で前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる相がゲルからゾルに変化する
ことを特徴とするゲル状食品。 - 複数相構造を有するゲル状食品の製造方法であって、
ゲル化性溶液を充填する第1充填工程と、
前記工程後に可逆的熱ゲル化剤を配合してなる溶液を充填する第2充填工程と、
充填された前記両溶液を冷却する冷却工程とを備える
ことを特徴とするゲル状食品の製造方法。 - 請求項7に記載のゲル状食品の製造方法において、
前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を配合してなる溶液の温度が0℃以上90℃以下である
ことを特徴とするゲル状食品の製造方法。 - 請求項7に記載のゲル状食品の製造方法において、
前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を低温度帯で溶解する
ことを特徴とするゲル状食品の製造方法。 - 請求項7に記載のゲル状食品の製造方法において、
前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を高温度帯で溶解する
ことを特徴とするゲル状食品の製造方法。 - 請求項9に記載のゲル状食品の製造方法において、
前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を5℃以下で溶解する
ことを特徴とするゲル状食品の製造方法。 - 請求項10に記載のゲル状食品の製造方法において、
前記第2充填工程における前記可逆的熱ゲル化剤を120℃以上で溶解する
ことを特徴とするゲル状食品の製造方法。
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