JP5694074B2 - 多層発酵乳の製造方法 - Google Patents
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Description
容器内に発酵乳層を形成する工程、
形成された発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程、
充填されたゼリー液を冷却して、ゼリー層を形成する工程、
を含む、多層発酵乳の製造方法、によって達成されることを見いだして、本発明に到達した。
(1)
容器内に発酵乳層を形成する工程、
形成された発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程、
充填されたゼリー液を冷却して、ゼリー層を形成する工程、
を含む、多層発酵乳の製造方法。
(2)
発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程が、
発酵乳層の上方にカサ型ノズルが下向きに設置され、
発酵乳層の上面からカサ型ノズルの下端までの距離が4.0〜16.0mmであり、
カサ型ノズルから発酵乳層上に充填されるゼリー液が、発酵乳層上への充填開始の後に、最初に発酵乳層上に接触してから0.01秒後の時点で、発酵乳層の上面の面積のうち、5.9%以上の面積をゼリー液が覆って接触するように、充填される工程である、(1)に記載の製造方法。
(3)
容器内に発酵乳層を形成する工程が、
950〜4000mPa・sの粘度を有する前発酵型発酵乳を、容器内に充填して、発酵乳層を形成する工程である、(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)
ゼリー液が、充填時の温度において、400〜1400mPa・sの粘度を有するゼリー液である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)
発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程において、
充填開始から充填終了までの充填時間が、0.7秒〜2.1秒である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)
ゼリー液の比重が、発酵乳層の比重よりも大きい、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)
ゼリー液の比重の値が、発酵乳層の比重の値と、次の式を満たす関係にある、、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
(8)
ゼリー液の比重の値が、発酵乳層の比重の値と、次の式を満たす関係にある、、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.111
(9)
カサ型ノズルが、
先端が円筒状の流路出口と、
円筒状の流路出口を開閉可能に設置された、底面を流路外部に向けた略円錐状の先端を有するストップバルブとからなり、
流路出口が開放されると、ストップバルブの略円錐状の先端に沿って同心円状にゼリー液を放出可能である、(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)
ストップバルブの先端の略円錐の底面の面積が、発酵乳層の上面の面積の16.06%〜90.00%である、(9)に記載の製造方法。
(11)
ゼリー液が、ローカストビーンガムとキサンタンガムの混合物、ネイティブ型ジェランガム、グルコマンナンとキサンタンガムの混合物、からなる群から選択された1種以上をゲル化剤として含む、(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法。
(12)
多層発酵乳が、発酵乳層の上に積層されたゼリー層からなる2層発酵乳である、(1)〜(11)のいずれかに記載の製造方法。
(13)
(1)〜(12)のいずれかに記載の製造方法で製造された、
発酵乳層の上に、発酵乳層の比重の値と次の式を満たす関係にある比重の値を有するゼリー液が冷却されて形成されたゼリー層が積層されてなる、多層発酵乳。
0.000≦[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
(14)
ゼリー液が、400〜1400mPa・sの粘度を有するゼリー液である、(13)に記載の多層発酵乳。
(15)
ゼリー層が、糖類、砂糖、シロップ、カラメル、蜂蜜、ジャム、フルーツソースからなる群から選択された1種以上の原料を含み、発酵乳層の比重の値よりも0.000〜0.140大きい比重の値を有する、(13)又は(14)に記載の多層発酵乳。
(16)
発酵乳層が、950〜4000mPa・sの粘度を有する前発酵型発酵乳である、(13)〜(15)のいずれかに記載の多層発酵乳。
(17)
発酵乳層と、発酵乳層の上のゼリー層との間の境界が明瞭である、(13)〜(16)のいずれかに記載の多層発酵乳。
(18)
先端が円筒状の流路出口と、
円筒状の流路出口を開閉可能に設置された、底面を流路外部に向けた略円錐状の先端を有するストップバルブとからなり、
流路出口が開放されると、ストップバルブの略円錐状の先端に沿って同心円状にゼリー液を放出可能である、ゼリー液充填用カサ型ノズル。
(19)
(18)に記載のゼリー液充填用カサ型ノズルを備えたことを特徴とする、多層発酵乳製造装置。
(20)
(18)に記載のゼリー液充填用カサ型ノズル、及び、
多層発酵乳の容器を載せて上下可動なカップリフター、
を備えたことを特徴とする、多層発酵乳製造装置。
また、前記のゼリー液の粘度は、試料を45℃で保持し、B型粘度計RB−80L(TOKI社)を用いて、60rpm(例えば、No.2〜No.4ローターを使用)の条件で測定して求めることができる。
このような好適なゲル化剤・増粘剤としては、特に、ローカストビーンガムとキサンタンガムの混合物、ネイティブ型ジェランガム、グルコマンナンとキサンタンガムの混合物、などを挙げることができる。一方、寒天やカラギーナンなど、ゲル化点付近でも十分な粘度を発現しないゲル化剤は、単独で使用するには好ましくない。
もちろん、発酵乳層に対して、これよりも比重の小さなゼリー液を積層することは、当然に可能である。そこで、例えば、ゼリー液の比重は、発酵乳層の比重に対して、例えば、−0.300〜0.140大きい比重の値、例えば、−0.200〜0.140大きい比重の値、例えば、−0.100〜0.140大きい比重の値、例えば、−0.050〜0.140大きい比重の値、とすることができる。さらに好ましくは、ゼリー液の比重は、発酵乳層の比重に対して、例えば、−0.300〜0.111大きい比重の値、例えば、−0.200〜0.111大きい比重の値、例えば、−0.100〜0.111大きい比重の値、例えば、−0.050〜0.111大きい比重の値、とすることができる。
[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
また、好ましい実施の態様において、発酵乳層の比重と、ゼリー液の比重とは、次の式を満たすものとすることができる。
−0.200≦[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
また、好ましい実施の態様において、例えば、次の各式を満たすものとすることができる。
−0.100≦[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
−0.050≦[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
0.000≦[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140
発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程が、
発酵乳層の上方にカサ型ノズルが下向きに設置され、
発酵乳層の上面からカサ型ノズルの下端までの距離が4.0〜16.0mmであり、
カサ型ノズルから発酵乳層上に充填されるゼリー液が、発酵乳層上への充填開始の後に、最初に発酵乳層上に接触してから0.01秒後の時点で、発酵乳層の上面の面積のうち、5.9%以上の面積をゼリー液が覆って接触するように、充填される工程とすることができる。
図1の(a)は、発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する前の状態である。
図1の(a)では、カップリフター9に載せられた容器5のなかには、上側の表面(上面)の直径mである発酵乳層7が形成されている。この容器5のずっと上方には、カサ型ノズル1が設置されている。このカサ型ノズルは、ゼリー液の流路となる円筒部1aと、底面を流路外部に向けた略円錐状の先端を有するストップバルブ1bとからなっている。先端の略円錐部分の底面は、直径lの円である。図1(a)では、ストップバルブ1bの先端の略円錐部分によって、円筒部の流路出口は閉じられて、流路内のゼリー液3は、カサ型ノズル1から流出することができない。
図1の(b)では、カップリフター9に載せられた容器5は、カップリフター9によって上昇して、上方にあるカサ型ノズル1に近づいて、カサ型ノズル1のストップバルブ1bの先端の略円錐部分の底面からの距離nにまで接近している。カサ型ノズル1では、ノズル先端のストップバルブ1bが下方向に移動しており、これによって、先端の略円錐部分は円筒部1aにもはや接してはおらず、円筒部の流路出口は開放されている。開放された流路出口からは、ゼリー液3が、ストップバルブ7の先端の略円錐部分の表面に沿って流出して、鉛直方向から見ると略円錐の底面の円の法線方向へ同心円状に且つ放射状に広がっており、さらに下方では略円錐の底面の円を包み込むようにある大きさのかたまりを形成して、ある大きさの接触面積によって、発酵乳層7の上面へと接触し始めている。この接触面積は、発酵乳層の上面の面積に対してある割合を占めている。
図1(c)では、上昇したストップバルブ1bの先端の略円錐部分によって、円筒部の流路出口は再び閉じられて、流路内のゼリー液3は、カサ型ノズル1から流出することができない。カップリフター9に載せられた容器5は、カップリフター9によって下降して、カサ型ノズル1から離れた位置にある。容器5内には、発酵乳層7の上に、ゼリー液の層11が形成されており、これは冷却されて、ゼリー層となる。
図2の(a)の上部には、カサ型ノズルのストップバルブ1bの略円錐の先端が、斜視図によって示されている。図2の(a)の下部には、容器5に入った発酵乳層7が、同じく斜視図によって示されている。上記略円錐の底面は,下側を向いており、容器5に入った発酵乳層7に向かい合っている。容器5は、水平断面が円である容器であり、上部に向けて徐々にその断面の円が大きくなってゆく形状をしており、一般的なカップの形状をしている。発酵乳層7は、静置されており、その上面は水平面となって、略円錐の底面に、向かい合っている。図2ではゼリー液が表示されていないが、この状態は、ちょうど図1の(b)に示されるような、カサ型ノズルが開放されて、ストップバルブ1bが、円筒部1aから離れて突出した状態である。図2では図示されていないゼリー液は、ストップバルブの先端の略円錐の錐面に沿って、放射状に流出して、略円錐の底面の円の円周を包み込んで、流れ落ちる。略円錐の錐面の形状は、ゼリー液の流出を好適に誘導できるものであればよく、その垂直断面は、略二等辺三角形の形状となっているものを好適に使用できるが、その形状に限られず、略二等辺三角形の斜面が、凸状あるいは凹状の曲面を描くものとなっていてもよい。
[試験例1]
(目的)
本試験は、下層発酵乳部と上層ゼリー部の充填時の適性粘度を調べる目的で実施した。
a.下層発酵乳部の調製
脱脂粉乳、全脂粉乳(いずれも森永乳業製)、砂糖(東洋精糖製)、WPI(フォンテラ製)、水を表1に示す割合で混合後、65℃に加温して溶解し、15Mpaの圧力で均質化し、90℃で10分間加熱殺菌し、10℃に冷却した。この殺菌調乳液に乳酸菌スターター[クリスチャン・ハンセン社製。ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバシラス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)からなる。]0.6kgを接種し、37℃で6時間発酵させ、のち生成したカードを破砕し、10℃に冷却し、発酵乳約100kgを調製した。
得られた発酵乳は、10℃において、表1に示す粘度であった。
砂糖(東洋精糖製)、酸味料、ローカストビーンガム、キサンタンガム(いずれも三栄原エフ・エフ・アイより購入)、水を表2に示す割合で混合して均一に溶解後、95℃で3分間加熱殺菌し、45℃まで別容器でそれぞれ冷却した。
a.で調製した各発酵乳を245ml容の合成樹脂製容器(シンギ製、96φ×64.6h)に10℃で142g充填し、b.で調製した各ゼリー液61gを、カサ型ノズル及びカップリフター(ともにトーワテクノ製、カサ型ノズルの直径30mm、)を用いて、下層発酵乳の上に充填し、アルミ箔製蓋材で容器に密封した後、10℃に冷却し、各試料を得た。なお、上層ゼリー部充填時は、カサ型ノズル開放時のノズル先端から下層発酵乳液面距離16.0mm、充填時間は0.7秒であった。
それぞれの粘度の組み合わせにおいて、カサ型ノズルから発酵乳層上に充填されるゼリー液が、発酵乳層上への充填開始の後に、最初に発酵乳層上に接触してから0.01秒後の時点で、発酵乳層の上面の面積のうち、何%の割合の面積をゼリー液が覆って接触しているかを、算出した。これは、カサ型ノズルからのゼリー液の充填を、横方向から観察できるように設置された高フレームレートのビデオカメラによる撮影によって、ゼリー液が最初に発酵乳層上に接触してから0.01秒後の時点で、ゼリー液のかたまりが発酵乳層に接している長さ(かたまりの接触円の直径)を測定し、これから算出した。
10℃の温度で24時間保存した各試料について、上層と下層の境界面及び上層の下層への潜り込みを肉眼で確認し、次の評価基準により評価して試験した。
◎:境界面が明瞭であり、かつ上層の下層への潜り込みが認められない状態
○:ごくわずかな境界面の乱れや潜り込み等が認められるが、概ね良好な状態
△:境界面に乱れが生じている若しくはやや大きな潜り込みが認められる状態
×:上層と下層が不均一に混合している若しくは明確な潜り込みが認められる状態
結果を表3に示す。表3では、上層及び下層が、それぞれの粘度となっている場合に得られる積層の状態、すなわち、境界面の明瞭さ及び層の潜り込みを評価してまとめた。さらに、それぞれの粘度の組み合わせにおいて、カサ型ノズルから発酵乳層上に充填されるゼリー液が、発酵乳層上への充填開始の後に、最初に発酵乳層上に接触してから0.01秒後の時点で、発酵乳層の上面の面積のうち、何%の割合の面積をゼリー液が覆って接触しているかを、算出して記載した。
また、配合組成及び条件を変更して試験したが、同様の結果が得られた。
(目的)
本試験は、上層ゼリー部と下層発酵乳部の比重差の影響を調べる目的で実施した。
(試料の調製)
a.下層発酵乳部の調製
試験例1の下層2と同様に実施した。
b.上層ゼリー部の調製
砂糖(東洋精糖製)、酸味料、ローカストビーンガムとキサンタンガムの混合物、(いずれも三栄原エフ・エフ・アイより購入)を表4の割合で水に添加し、混合して均一に溶解後、95℃で3分間加熱殺菌し、45℃まで冷却し、試料1〜6まで調製した。
c.多層発酵乳の調製
試験例1と同様に実施した。
試験例1と同様に実施した。
(試験結果)
結果を次の表4に示す。この結果から明らかなとおり、充填時温度における上層の比重が1.052〜1.168、比重差が−0.005〜0.111の範囲において、いずれの試料においても本発明の方法によれば、外観は良好に保たれる(境界面が明瞭であり、かつ上層の下層への潜り込みが認められない状態である)ことが分かった。
なお、表4には示されていないが、比重差が0.120であるとき、および0.140であるときのそれぞれにおいても、ごくわずかな境界面の乱れや潜り込み等が認められるが、概ね良好な状態(試験例1の評価方法の○に相当)であること、並びに比重差が0.150であるとき、境界面に乱れが生じている若しくはやや大きな潜り込みが認められる状態(試験例1の評価方法の△に相当)であることがそれぞれ判明した。
また、比重差が-0.005より小さい場合(上層の比重から下層の比重を差し引いた値が0.005よりさらに大きい場合)については、境界面が明瞭であり、かつ上層の下層への潜り込みが認められない状態(試験例1の評価方法の◎に相当)であることも確認された。
また、配合組成及び条件を変更して試験したが、同様の結果が得られた。
(目的)
本試験は、上層部充填時に開放時のノズル先端部から下層発酵乳液面までの適正距離と上層ゼリー部と下層発酵乳部との接触面積が下層発酵乳部の液面面積に占める割合との関係を調べる目的で実施した。
a.下層発酵乳部の調製
試験例1の下層2と同様に実施した。
b.上層ゼリー部の調製
試験例1の上層3と同様に実施した。
c.多層発酵乳の調製
a.で調製した発酵乳及びb.で調製したゼリー液を、容器1として390ml容(シンギ製、96φ×89h)、容器2として245ml容(シンギ製、96φ×64.6h)、容器3として134ml容(シンギ製、88φ×44h)、容器4として120ml容(生駒化学製、71φ×74h)の合成樹脂製容器に表5に示す設定充填量充填した。なお、カサ型ノズル開放時のノズル先端から下層発酵乳液面距離は表6に示すとおり設定した。上述以外は試験例1と同様に実施した。
(接触面積割合の算出)
試験例1と同様に実施した。
試験例1と同様に実施した。
(結果)
結果を表7に示す。
この結果から明らかなとおり、カサ型ノズル開放時のノズル先端から下層発酵乳液面距離を少なくとも16.0mm以内且つ上層ゼリー部と下層発酵乳部との接触面積が下層発酵乳部の液面面積に占める割合が少なくとも5.9%以上であれば、良好な外観を保つことが出来た。なお、この条件を逸脱した場合は、いずれも下層発酵乳部への潜り込みが顕著であった。
また、配合組成及び条件を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
(目的)
本試験は、上層ゼリー部の充填時間(ノズルが開放されゼリー液を充填している時間)の影響を調べる目的で実施した。
a.下層発酵乳部の調製
試験例1の下層2と同様に実施した。
b.上層ゼリー部の調製
試験例1の上層3と同様に実施した。
c.多層発酵乳の調製
上層ゼリー部の充填時間を表7に示す時間で充填したことを除き、試験例1と同様に実施した。
試験例1と同様に実施した。
(結果)
結果を表に示す。この結果から明らかなとおり、上層ゼリー部の充填時間が少なくとも0.7秒以上であれば、良好な外観を保つことができた。充填時間が0.7秒よりも短い場合は、下層発酵乳部への潜り込みが認められた。
なお、工場等における実際の製造現場で想定される連続充填や大量生産等の一連の作業性を考慮すると、充填時間は2.5秒以内、好ましくは2.1秒以内、特に好ましくは1.5秒以内で実施することが好ましいことが判明した。
1)下層発酵乳部の調製
原乳15kg、脱脂粉乳(森永乳業製)10kg、WPI(フォンテラ製)0.3kg、砂糖(東洋精糖製)4.2kgを水69.9kgに添加し、65℃に加温して溶解し、15Mpaの圧力で均質化し、90℃で10分間加熱殺菌し、10℃に冷却した。この殺菌調乳液に乳酸菌スターター[クリスチャン・ハンセン社製。ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバシラス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)からなる。]0.6kgを接種し、37℃で6時間発酵させ、のち生成したカードを破砕し、10℃に冷却し、発酵乳約100kgを調製した。
得られた発酵乳は、充填時の10℃の温度において比重1.051、粘度1400mPa・sであった。
ぶどう果汁(日進通商から購入)20kg、砂糖20kg(東洋精糖製)、酸味料0.54kg、香料0.10kg、グルコマンナン0.18kg、キサンタンガム0.08kg(いずれも三栄原エフ・エフ・アイ)を水59.1kgに添加し、混合して均一に溶解し、95℃で3分間加熱殺菌し、35℃まで冷却し、ぶどうゼリー液約100kgを調製した。得られたゼリー液は、充填時の35℃の温度において比重1.085、粘度1020mPa・sであった。
前記下層発酵乳を120ml容の合成樹脂製容器(生駒化学製、71φ×74h)に、10℃で70g充填し、ゼリー液30gを35℃で、カサ型ノズル(トーワテクノ製、カサノズルの内径30mm、すなわちストップバルブの先端の略円錐の底面の直径30mm)を用いて、下層発酵乳の上に充填し、アルミ箔製蓋材で容器で密封した後、10℃に冷却し、2層からなる発酵乳1500個を得た。なお、上層ゼリー部充填時は、カサ型ノズル開放時のノズル先端から下層発酵乳液面距離13.0mm、上層ゼリー部と下層発酵乳部との接触面積が下層発酵乳部の液面面積に占める割合は、11.5%、充填時間は0.7秒であった。
1)下層発酵乳部の調製
原乳15kg、脱脂粉乳(森永乳業製)10kg、WPI(フォンテラ製)0.3kg、砂糖(東洋精糖製)4.2kgを水69.9kgに添加し、65℃に加温して溶解し、15Mpaの圧力で均質化し、90℃で10分間加熱殺菌し、10℃に冷却した。この殺菌調乳液に乳酸菌スターター[クリスチャン・ハンセン社製。ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバシラス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)からなる。]0.6kgを接種し、37℃で6時間発酵させ、のち生成したカードを破砕し、10℃に冷却し、発酵乳約100kgを調製した。
調整した発酵乳80kgに、ナタデココ、砂糖、香料、酸味料、増粘多糖類、水からなるナタデココプレザーブ(長谷川香料製)20kgを混合し、ナタデココヨーグルトを調製した。
得られた発酵乳は、充填時の10℃の温度において比重1.067、粘度1600mPa・sであった。
みかんさのう(サンヨーフーズ)20kg、砂糖20kg(東洋精糖製)、酸味料0.50kg、香料0.20kg、ジェランガム(いずれも三栄原エフ・エフ・アイ)0.10kgを水59.2kgに添加し、混合して均一に溶解し、95℃で3分間加熱殺菌し、60℃まで冷却し、みかんさのう入りゼリー液約100kgを調製した。得られたゼリー液は、充填時の60℃の温度において比重1.076、粘度480mPa・sであった。
前記下層発酵乳を200ml容の合成樹脂製容器(大日本印刷社製、90φ×60h)に、10℃で116g充填し、ゼリー液50gを60℃で、カサ型ノズル(トーワテクノ製、カサ型ノズルの内径30mm、すなわちストップバルブの先端の略円錐の底面の直径30mm)を用いて、下層発酵乳の上に充填し、アルミ箔製蓋材で容器で密封した後、10℃に冷却し、2層からなる発酵乳800個を得た。なお、上層ゼリー部充填時は、カサ型ノズル開放時のノズル先端から下層発酵乳液面距離9.7mm、上層ゼリー部と下層発酵乳部との接触面積が下層発酵乳部の液面面積に占める割合10.8%、充填時間は1.0秒であった。
1a カサ型ノズルの円筒部
1b カサ型ノズルの、略円錐状の先端を有するストップバルブ
3 ゼリー液
5 容器
7 発酵乳層
9 カップリフター
11 ゼリー液の層
l ストップバルブ1bの先端の略円錐の底面の円の直径
m 発酵乳層7の上面の円の直径
n ストップバルブ1bの先端の略円錐の底面から発酵乳層7の上面までの距離
Claims (9)
- 950〜4000mPa・sの粘度を有する前発酵型発酵乳を、容器内に充填して、発酵乳層を形成する工程、
形成された発酵乳層上に、下向きに設置されたカサ型ノズルから、充填時の温度において、400〜1400mPa・sの粘度を有するゼリー液を充填する工程、
充填されたゼリー液を冷却して、ゼリー層を形成する工程、
を含む、多層発酵乳の製造方法であって、
カサ型ノズルが、
先端が円筒状の流路出口と、
円筒状の流路出口を開閉可能に設置された、底面を流路外部に向けた略円錐状の先端を有するストップバルブとからなり、
流路出口が開放されると、ストップバルブの略円錐状の先端に沿って同心円状にゼリー液を放出可能であり、
ストップバルブの先端の略円錐の底面の面積が、発酵乳層の上面の面積の16.06%〜90.00%である、製造方法。 - 発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程が、
発酵乳層の上方にカサ型ノズルが下向きに設置され、
発酵乳層の上面からカサ型ノズルの下端までの距離が4.0〜16.0mmであり、
カサ型ノズルから発酵乳層上に充填されるゼリー液が、発酵乳層上への充填開始の後に、最初に発酵乳層上に接触してから0.01秒後の時点で、発酵乳層の上面の面積のうち、5.9%以上の面積をゼリー液が覆って接触するように、充填される工程である、請求項1に記載の製造方法。 - 発酵乳層上に、カサ型ノズルからゼリー液を充填する工程において、
充填開始から充填終了までの充填時間が、0.7秒〜2.1秒である、請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。 - ゼリー液の比重が、発酵乳層の比重よりも大きい値である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ゼリー液の比重の値が、発酵乳層の比重の値と、次の式を満たす関係にある、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.140 - ゼリー液の比重の値が、発酵乳層の比重の値と、次の式を満たす関係にある、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
[ゼリー液の比重]−[発酵乳層の比重]≦0.111 - ゼリー液が、ローカストビーンガムとキサンタンガムの混合物、ネイティブ型ジェランガム、グルコマンナンとキサンタンガムの混合物、からなる群から選択された1種以上をゲル化剤として含む、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 多層発酵乳が、発酵乳層の上に積層されたゼリー層からなる2層発酵乳である、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 前発酵型発酵乳が、950〜3500mPa・sの粘度を有する前発酵型発酵乳である、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
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