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JP5964683B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光吸収層上に硫化インジウムを含むバッファ層を接合した光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等の化合物半導体から成る光吸収層上に硫化インジウム系材料を用いたバッファ層が形成されたものがある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1に記載されている。
このようなバッファ層を用いた光電変換装置は、まず、裏面電極上に化合物半導体からなる光吸収層が形成される。次に、この光吸収層の上に、バッファ層が、塩化インジウムとチオアセドアミドの水溶液を用いたCBD法によって形成される。そして、このバッファ層の上に、透明導電膜から成る上部電極層が形成される。
特開2003−282909号公報
光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される。この光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換装置における光電変換効率の向上を目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、化合物半導体を含む光吸収層の上側主面をインジウム化合物および硫黄化合物が溶解した第1水溶液に接触させることによって前記光吸収層の上側主面上に硫化インジウムを含む第1バッファ層を形成する工程
と、該第1バッファ層の上部を酸性水溶液またはアルカリ性水溶液でエッチングした後、前記第1バッファ層の上側主面をインジウム化合物および硫黄化合物が溶解した第2水溶液に接触させることによって前記第1バッファ層の上側主面上に硫化インジウムを含む第2バッファ層を形成する工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した第2の半導体層のラマンスペクトル結果である。 比較例としての光電変換装置の製造方法を用いて作製した第2の半導体層のラマンスペクトル結果である。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図10には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3(光吸収層)、第2の半導体層4(バッファ層)、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層である。第1の半導体層3は、化合物半導体を主として含み、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3に含まれる化合物半導体としては、例えば、II−VI族化合物やI−III−VI族化合物、I−II−IV−VI族化合物等の金属カルコゲナイドが挙げられる。
II−VI族化合物は、II−B族元素(12族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物である。また、I−III−VI族化合物は、I−B族元素(11族元
素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である
。また、I−II−IV−VI族化合物は、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。なお、第1の半導体層3は、複数層の積層体であってもよく、例えば、薄膜のCIGSS層を表面層として有するCIGS層にて構成されていてもよい。第1の半導体層3がI−III−VI族化合物を含む場合、硫
化インジウムを含む第2の半導体層4と同様に、第1の半導体層3がIII−B族元素およ
びVI−B族元素を含むため、第1の半導体層3と第2の半導体層4との電気的な接合がより良好となる。
また、I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)等が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
バッファ層としての第2の半導体層4は、第1の半導体層3に接合した、硫化インジウム(In)を含む半導体層である。第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有していてもよい。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型またはi型であってもよい。また、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3上にインジウム化合物および硫黄化合物が溶解した水溶液が接触されることによって第1の半導体層3上に析出した、硫化インジウムを含む皮膜である。第2の半導体層4は硫化インジウムに加え、水酸化インジウムおよび酸化インジウムの少なくとも一方を含んだ混晶化合物であってもよい。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば10〜200nmである。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた、第2の導電型(ここではn型の導電型)を有する透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、Sn、SbおよびF等の元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、I
ZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxid
e)等がある。
上部電極層5は、スパッタ法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm以下の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<光電変換装置の製造方法>
図3から図10は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図9で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタ法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、スクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、第1の半導体層3を形成する。第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成すること
もできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。図5は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に第2の半導体層4を形成する。第2の半導体層4は、以下に示すように、第1バッファ層4aの形成後、第2バッファ層4bの形成を行なうことによって形成する。まず、第1の半導体層3の上側主面をインジウム化合物および硫黄化合物が溶解した水溶液(以下、インジウム化合物および硫黄化合物が溶解した水溶液をバッファ層形成溶液という)に接触させることによって第1の半導体層3の上側主面上に硫化インジウムを含む第1バッファ層4aを形成する。
第1の半導体層3の上側主面とバッファ層形成溶液との接触は、例えば、第1の半導体層3を具備する基板1をバッファ層形成溶液に浸漬することによって、あるいは、第1の半導体層3の上側主面にバッファ層形成溶液を塗布することによって、行なうことができる。
バッファ層形成溶液に用いるインジウム化合物としては、溶液中でインジウムイオンを生じる化合物であればよく、例えば、塩化インジウムや硝酸インジウム、酢酸インジウム等を用いることができる。バッファ層形成溶液中のインジウム化合物のモル濃度は、インジウム原子のモル濃度が例えば1〜10mMとなる濃度であればよい。
また、バッファ層形成溶液に用いる硫黄化合物としては、溶液中で電離あるいは加水分解して硫化物イオンまたは硫化水素イオンを生じやすいものであればよく、例えば、硫化ナトリウムや硫化カリウム等のアルカリ金属の硫化物、硫化水素、チオ尿素やチオアセトアミド等のチオアミド誘導体等が挙げられる。バッファ層形成溶液中の硫黄化合物の濃度は、硫黄原子のモル濃度が例えば1〜100mMとなる濃度であればよい。
バッファ層形成溶液に用いる溶媒としては、水やメタノール等の極性溶媒を用いることができる。なお、バッファ層形成溶液は、塩酸やアンモニア等を用いて酸性あるいはアルカリ性としてもよい。また、バッファ層形成溶液は、硫化インジウムの生成反応を適度に促進させるため、例えば、40〜80℃としてもよい。
第1の半導体層3の上側主面とバッファ層形成溶液との接触によって、第1の半導体層3の上側主面に硫化インジウムを含む第1バッファ層4aが結晶成長する。第1バッファ層4aの結晶成長は、初期においては良好なエピ成長が進行するが、数10nmの厚さになってくると、配向性が乱れ、ランダムな方向に結晶成長が進む傾向がある。第1バッファ層4aの厚みが10〜50nm程度となったところで第1バッファ層4aの形成工程を終える。図5は第1バッファ層4aを形成した後の状態を示す図である。
次に、第1バッファ層4aの上部をエッチングして、配向性が乱れた表面部分を除去する。第1バッファ層4aのエッチングに用いるエッチング液としては、塩酸等の酸性水溶液やアンモニア水等のアルカリ性水溶液を用いることができる。第1バッファ層4aの上部エッチングすることによって、第1バッファ層4aの厚みを4〜20nm程度にする。これによって、全体において配向性の高い結晶構造を有する第1バッファ層4aとすることができる。図6は第1バッファ層4aの上部をエッチングした後の状態を示す図である。
次に、このエッチング後の第1バッファ層4aの上側主面をバッファ層形成溶液に接触させることによって第1バッファ層4aの上側主面上に硫化インジウムを含む第2バッファ層4bを形成する。なお、第2バッファ層4bの形成は第1バッファ層4aの形成と同様の条件で行なってもよく、異なる条件で行なってもよい。例えば、第2バッファ層4bの形成に用いるバッファ層形成溶液と、第1バッファ層4aの形成に用いるバッファ層形成溶液とは、インジウム化合物の種類、インジウム化合物の濃度、硫黄化合物の種類、硫黄化合物の濃度、pHまたは液温等が同じであってもよく、異なっていてもよい。第2バッファ層4bの厚みは5〜30nm程度とすることができる。
以上のような工程によって、第1バッファ層4aおよび第2バッファ層4bの積層体から成る第2の半導体層4が構成される。なお、第2の半導体層4は、第1バッファ層4aと第2バッファ層4bの2層だけでなく、上記方法を複数回繰り返して、3層以上の積層体で構成してもよい。このような工程で第2の半導体層4を形成することによって、第2の半導体層4を緻密で配向性の高いものとすることができ、第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合が良好となって、光電変換装置11の光電変換効率を高めることができる。図7は、第2の半導体層4を形成した後の状態を示す図である。
ここで、第1バッファ層4aの形成工程からエッチング工程を経て第2バッファ層4bの形成工程へ、円滑に工程を進めるという観点からは、第1バッファ層4aの形成に用いるバッファ層形成溶液、第1バッファ層4aの上部のエッチングに用いるエッチング液、および第2バッファ層4bの形成に用いるバッファ層形成溶液として、いずれも酸性水溶液を用いてもよい。これにより、洗浄工程が簡略化でき、円滑に工程を進めることができる。
また、第2バッファ層4bを形成する工程の後に、第1バッファ層4aおよび第2バッファ層4bをアニールする工程をさらに具備していてもよい。このアニール温度としては、例えば100〜250℃とすることができる。また、アニール時間としては、例えば10〜180分とすることができる。このようなアニール工程を行なうことで、さらに光電変換効率が高くなる。
第2の半導体層4を形成した後、第2の半導体層4の上に上部電極層5を形成する。上部電極層5は、例えば、Snが含まれた酸化インジウム(ITO)やAlが含まれた酸化亜鉛(AZO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図8は、上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたスクライビングを行なうことで形成できる。図9は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散されている導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを固化されることで形成できる。図10は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビングによって形成できる。このよう
にして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
次に、光電変換装置11の製造方法について、具体例を示して説明する。
(評価試料の作製)
まず、第1の半導体層3を形成するための原料溶液を作製した。原料溶液としては、米国特許第6992202号明細書に基づいて作製した単一源前駆体をピリジンに溶解したものを用いた。なお、この単一源前駆体としては、CuとInとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものと、CuとGaとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を形成したものとの混合体を用いた。
次に、ガラスによって構成される基板1の表面にMoからなる下部電極層2が成膜されたものを用意し、この下部電極層2の上に原料溶液をブレード法によって塗布して皮膜を形成した。
次に、この皮膜を、水素ガス中にセレン蒸気が分圧比で20ppmv含まれる雰囲気において、550℃で1時間加熱して主としてCIGSを含み、厚さが2μmの第1の半導体層3を形成した。
次に、第1の半導体層3の上に第2の半導体層4を以下のようにして形成した。まず、第1の半導体層3までが形成された各基板を、8.5mMの塩化インジウムと27mMのチオアセトアミドと4mMの塩酸とが溶解された水溶液に浸漬することで、第1の半導体層3の上に、第1バッファ層4aを40nmの厚みに形成した。次に、この第1バッファ層4aを32mMの塩酸が溶解された水溶液に浸漬することで、第1バッファ層4aの表面をエッチングして第1バッファ層4aを11nmの厚みにした。次に、このエッチング後の第1バッファ層4aを、上記の8.5mMの塩化インジウムと27mMのチオアセトアミドと4mMの塩酸とが溶解された水溶液に浸漬することで、第1バッファ層4aの上に第2バッファ層4bを20nmの厚みに形成した。これにより、第1バッファ層4aと第2バッファ層4bから成る第2の半導体層4が形成されたことになる。
このように作製した第2の半導体層4のラマンスペクトル(励起波長266nm)の測定結果を図11に示す。図11より、297cm−1、357cm−1および622cm−1にピークを有していることが分かる。
そして、この第2の半導体層4の上に、スパッタリング法によってAlがドープされたZnOからなる上部電極層5を形成して評価試料としての光電変換装置11とした。
(比較試料の作製)
次に、比較試料を作製した。比較試料は、第2の半導体層の作製以外は上記評価試料の作製と同様にして作製した。比較試料の第2の半導体層の作製は、以下のようにして作製した。第1の半導体層までが形成された基板を、8.5mMの塩化インジウムと27mMのチオアセトアミドと4mMの塩酸とが溶解された水溶液に浸漬することで、第1の半導体層の上に、第2の半導体層を30nmの厚みに形成した。
このように作製した第2の半導体層のラマンスペクトル(励起波長266nm)の測定
結果を図12に示す。図12より、312cm−1および622cm−1にピークを有していることが分かる。
(光電変換効率の測定)
このようにして作製した評価試料および比較試料の光電変換効率の測定を以下のように実施した。いわゆる定常光ソーラシミュレーターを用いて、光電変換装置の受光面に対する光の照射強度が100mW/cm2であり且つAM(エアマス)が1.5である条件下
での光電変換効率を測定した。その結果、比較試料の光電変換効率は15.0%であったのに対し、評価試料の光電変換効率は15.7%であり、高くなっていることが分かった。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (5)

  1. 化合物半導体を含む光吸収層の上側主面をインジウム化合物および硫黄化合物が溶解した第1水溶液に接触させることによって前記光吸収層の上側主面上に硫化インジウムを含む第1バッファ層を形成する工程と、
    該第1バッファ層の上部を酸性水溶液またはアルカリ性水溶液でエッチングした後、前記第1バッファ層の上側主面をインジウム化合物および硫黄化合物が溶解した第2水溶液に接触させることによって前記第1バッファ層の上側主面上に硫化インジウムを含む第2バッファ層を形成する工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第1バッファ層の上部をエッチングする工程に酸性水溶液を用い、前記第1水溶液および前記第2水溶液として酸性水溶液を用いる、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記第2バッファ層を形成する工程の後に、前記第1バッファ層および前記第2バッファ層をアニールする工程をさらに具備する、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との積層体は、ラマンスペクトルにおいて297cm−1、357cm−1および622cm−1にピークを有している、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記化合物半導体としてI−III−VI族化合物を用いる、請求項1乃至4のいずれかに
    記載の光電変換装置の製造方法。
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